JP2020008030A - 管路補修方法、配管システム、及び連結継手 - Google Patents

管路補修方法、配管システム、及び連結継手 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、残存させる管材の破損を抑制しつつ、管路の一部を補修することができる管路補修方法、配管システム、及び伸縮継手の提供を目的とした。【解決手段】本発明の管路補修方法は、本体部32と、スライド部36とを備える伸縮継手30が用いられるものであり、除去対象管材10aと隣接管材10bとを接続するカップリング20を残存させて、除去対象管材10aを除去する除去工程と、除去工程の後、カップリング20に対して伸縮継手30を取り付ける伸縮継手取付工程と、除去対象管材10aに代えて新管材10cを配置させる新管材配置工程と、新管材10cと伸縮継手30とを接続する接続工程とを含むことを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明は、排水路を形成する管路を補修する方法、及び管路を形成する管材を連結するための継手に関する。
従来、複数の管材を連結させて排水路を形成する管路を形成するための施工方法や、管材を接続するための継手などが提供されている。ここで、既設の管路の一部を補修する場合など、管路の末端部が固定され、管路の末端部の離間距離が一定とされて新たな管材を軸線方向から差し込むための差込代が無い、いわゆる地獄配管と呼ばれる状況での施工を余儀なくされる場合がある。このような地獄配管となっている管路の末端と末端との間は、管材の差込代がないため、中間管材を配置させて接続することが困難である。
このような地獄配管の状態における配管の補修方法が下記特許文献1に開示されている。特許文献1の配管補修方法では、管材の芯出しを容易に行いつつ管材を取り替えることができるとされている。
特開平5−52278号公報
ところで、管路を形成する管材には、塩化ビニル系の素材により構成されるいわゆる塩ビ管のように衝撃に強い材質により構成されているもののほか、セラミック素材により構成される陶管(例えばハイセラミック管)など衝撃に弱く割れやすい材質により構成されているものも存在する。
ここで、管路の一部を補修する場合に、管路を形成する管材に陶管が含まれていると、除去対象の管材に加え、施工に際して破損がない陶管に衝撃が与えられ破損するとの問題が指摘されていた。このように、陶管が含まれる管路の施工には、地獄配管となることによる困難さに加え、衝撃に弱い既設の陶管を破損させないように注意を払う必要があり、方策が求められていた。
そこで本発明は、残存させる管材の破損を抑制しつつ、管路の一部を補修することができる管路補修方法、配管システム、及び伸縮継手の提供を目的とした。
ここで、上述の課題について本発明の発明者が検討したところ、残存させようとする管材が破損する原因として、残存させる管材に取り付けられた管継手(既設管継手)を取り外す作業に起因する場合があることが見いだされた。具体的には、除去対象とされた管材を除去し、続いて隣接する管材に取り付けられた既設管継手を取り外す場合、隣接する管材が脆くなっているなどの要因に加え、管継手の取り外し作業の際の振動や衝撃により、隣接する管材に破損が生じるとの考察に至った。また、本発明の発明者が鋭意検討したところ、既設管継手を残存させて補修対象の管材を取り替えることとすれば、既存管材の破損を抑制することができるとの知見が得られた。
上述の知見により提供される本発明の管路補修方法は、複数の管材によって形成される管路の一部をなす除去対象管材を新たな管材である新管材に差し替えることにより、管路を補修する管路補修方法であって、筒状の本体部と、前記本体部の軸線方向にスライド可能とされたスライド部とを備える伸縮継手が用いられるものであり、前記除去対象管材と前記除去対象管材に隣接する前記管材とを接続する既設管継手を残存させて、前記除去対象管材を除去する除去工程と、前記除去工程の後、少なくとも一つの前記既設管継手に対して前記伸縮継手を取り付ける伸縮継手取付工程と、前記除去対象管材に代えて前記新管材を配置させる新管材配置工程と、前記新管材に向けて前記スライド部をスライドさせて、前記新管材と前記伸縮継手とを接続する接続工程とを含むことを特徴とするものである。
本発明の管路補修方法によれば、既設管継手を残存させて管材の取り替え作業を行うことができる。その結果、本発明の管路補修方法は、既設の管材の破損要因を低減させて、不要な管材の取り替え作業が生じることを抑制することができる。
本発明の管路補修方法は、前記除去工程において、前記除去対象管材の両端に配置されていた前記既設管継手の双方を残存させて前記除去対象管材が除去されるものであり、前記伸縮継手取付工程において、前記既設管継手の双方にそれぞれ前記伸縮継手が取り付けられるものであり、前記接続工程において、前記新管材の両端にそれぞれ前記スライド部が装着され、二つの前記スライド部を相互に近接する方向にスライドさせて前記新管材の両端に前記伸縮継手が接続されるものであることが望ましい。
本発明の管路補修方法によれば、管材の一部が除去された後、いわゆる地獄配管とされた状態であっても管材の取り替えを好適に行うことができる。また、本発明の管路補修方法によれば、既設管継手を残存させて管材の取り替え作業を行うことができる。その結果、本発明の管路補修方法は、既設の管材の破損要因を低減させて、不要な管材の取り替え作業が生じることを抑制することができる。
本発明の管路補修方法は、前記伸縮継手が、前記軸線方向外側に突出するように設けられた一又は複数の突出部を備えるものであり、前記新管材配置工程において、前記新管材が少なくとも一の前記突出部と接触して位置決めされるものであってもよい。
上述の構成によれば、新管材を管路上に進入させて配置させる作業において、新管材を管路上に容易に位置決めすることができる。その結果、本発明の管路補修方法は、管材の位置決めに要する作業負担を軽減することができる。
本発明の管路補修方法は、前記伸縮継手取付工程において、前記伸縮継手が、前記突出部の少なくとも一部が下方に位置するように前記既設管継手に取り付けられるものであってもよい。
上述の構成によれば、新管材を管路上に進入させて配置させる作業において、新管材を管路上に容易に位置決めすることができる。その結果、本発明の管路補修方法は、管材の位置決めに要する作業負担を軽減することができる。また、上述の構成によれば、新管材を上方から下方に向けて管路上に進入させる場合に、新管材が突出部に仮置きされた状態で位置決めされ、新管材を位置決めされた状態で保持するための部材や作業負担を軽減することができる。
本発明の伸縮継手は、筒状の本体部と、前記本体部の軸線方向にスライド可能とされたスライド部と、前記軸線方向外側に突出するように設けられた一又は複数の突出部とを有することを特徴とするものである。
本発明の伸縮継手によれば、新管材を管路上に進入させて配置させる作業において、新管材と突出部とが接触する位置において、新管材を管路上に容易に位置決めすることができる。その結果、本発明の管路補修方法は、管材の位置決めに要する作業負担を軽減することができる。また、本発明の伸縮継手によれば、新管材を上方から下方に向けて管路上に進入させる場合に突出部を下方に配置すれば、新管材が突出部に仮置きされた状態で位置決めされ、新管材を位置決めされた状態で保持するための部材や作業負担を軽減することができる。
本発明の伸縮継手は、軸線方向の長さを伸縮可能とされた伸縮継手であって、筒状の本体部と、前記本体部の軸線方向にスライド可能とされたスライド部と、前記軸線方向外側に突出するように設けられた一又は複数の突出部とを有し、前記本体部の両端のうち、一端には前記本体部の他の部分と比較して肉厚とされた肉厚部が設けられ、他端には前記スライド部が設けられていることを特徴とするものである。
本発明の伸縮継手によれば、二つの異種管を接続する場合に、良好な接続状態で管材を接続することができる。
本発明の伸縮継手は、前記肉厚部が、前記本体部の一端側の端面と面一となるように、かつ前記本体部の端面を径方向外側に拡大するように設けられているものであってもよい。
本発明の伸縮継手によれば、二つの異種管を接続する場合に、接触圧を分散させて良好な接続状態で管材を接続することができる。
本発明の配管システムは、複数の管材により形成される管路の少なくとも一部にセラミック素材により構成される陶管材が含まれる配管システムであって、前記陶管材と他の管材とが接続されている異種管接続部を有し、前記異種管接続部には、管継手と、伸縮継手とが設けられており、前記伸縮継手が、筒状の本体部と、前記本体部の軸線方向にスライド可能とされたスライド部とを備え、前記本体部に対して前記スライド部を前記軸線方向外側にスライドさせることにより前記軸線方向の長さが延伸された延伸状態とされるものであり、前記異種管接続部において、前記陶管材及び前記本体部の接続部には前記管継手が装着され、前記本体部及び前記他の管材の接続部には前記スライド部が前記延伸状態とされて装着されていることを特徴とするものである。
本発明の配管システムによれば、異種管接続部において陶管材と他の管材との接続状態を良好なものとすることができる。
本発明の配管システムは、前記他の管材の両側に異種管接続部を有し、前記他の管材の両端部に、前記延伸状態とされた前記スライド部が装着されているものであることが好ましい。
上述の構成によれば、異種管接続部において陶管材と他の管材との接続状態を良好なものとすることができる。
本発明によれば、残存させる管材の破損を抑制しつつ、管路の一部を補修することができる管路補修方法、配管システム、及び伸縮継手を提供することができる。
陶管を含む既設管路を示す模式図である。 図1の既設管路のカップリングを示す断面図である。 本発明の実施形態に係る伸縮継手を示している。(a)は正面図、(b)は側面図である。 図3の伸縮継手を示す側面視における断面図である。(a)は非延伸状態、(b)は延伸状態を示している。 補修対象の管材を含む既設管路を示す模式図である。 本発明の管路補修方法における除去工程後の状態を示す図である。 本発明の管路補修方法における伸縮継手接続工程を示す図である。 本発明の管路施法方法における新管材配置工程を示す図である。 本発明の管路補修方法における接続工程後の状態を示す図である。 管路に形成された異種管接続部を示す図である。
以下、本発明の管路補修方法、及び伸縮継手について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、先ず既設の管路1について説明し、次いで本発明の実施形態に係る伸縮継手30、及び管路補修方法について説明する。
図1に示すとおり、管路1は、複数の管材10が連結されて、汚水や雨水等の流路(排水路)を形成している。管路1は、複数の管材10がカップリング20(管継手)を介して接続された部分を有している。なお、管路1は、管材10がカップリング20を介して接続された部分のほか、図示を省略した排水マスや伸縮継手等が含まれるものであってもよい。
なお、管材10、カップリング20、及び後述する伸縮継手30は、相互に軸芯が略一致するように連結され、相互に一致する軸線方向Xを形成している(図1参照)。そのため、以下の説明において、管材10、カップリング20、及び後述する伸縮継手30の軸線方向を、単に「軸線方向X」と記載して説明する場合がある。
管材10は、管路1を形成するための管状の部材である。「管材」には、セラミック素材により構成される陶管12(陶管材)や、塩化ビニル系の樹脂性素材により構成される塩ビ管、鉄筋コンクリートにより構成されるヒューム管などが含まれる。なお、管路1を形成する管材10には、少なくとも一部に陶管12が含まれている。図1では、複数の陶管12がカップリング20を介して相互に連結されている管路1の一部を示している。
カップリング20(管継手)は、管材10を連結するための短筒状の接続部材である。図2に示すとおり、カップリング20の軸線方向Xの両側には開口が形成され、当該開口は他の管状部材が差し込まれる受口22,22として形成されている。また、カップリング20の受口22,22の近傍には、環状のゴム輪とされたシール部26,26が設けられている。シール部26は、カップリング20に形成されたシール嵌込部24に嵌め込まれ、カップリング20の内周面に取り付けられている。
管路1において、カップリング20の受口22,22には、二つの陶管12(管材10)の端部が対向するように挿入されている(図2参照)。言い換えれば、カップリング20は、隣接して配置される陶管12(管材10)の外周面に装着されて、隣接して配置される二つの陶管12(管材10)を接続している。また、隣接して配置される陶管12(管材10)の外周面には、シール部26,26が略密着するように装着され、これらの接続部分が止水されている。
<伸縮継手について>
後に詳述する本発明の管路補修方法には、伸縮継手30が用いられる。図3に示すとおり、伸縮継手30は、筒状の本体部32と、本体部32とは別体とされたスライド部36とを有している。また、図4(a)に示すとおり、本体部32には肉厚部34が設けられている。さらに、図3及び図4に示すとおり、スライド部36には、突出部38、取手40、シール部42,44、及びストッパー部46が設けられている。
なお、以下の説明において、伸縮継手30の軸線方向Xの両端のうち、肉厚部34が設けられた側の端部(一端)を単に「基端30a」と、他方の端部を単に「他端30b」と記載して説明する場合がある。
スライド部36は、短筒状の部材である。スライド部36は、内径が本体部32の外径と略一致する大きさとされている。図3(b)に示すとおり、スライド部36は、本体部32の他端30b側に取り付けられている。スライド部36は、本体部32に対して軸線方向Xにスライド可能とされている。
伸縮継手30は、本体部32に対してスライド部36を軸線方向Xに移動させることにより、軸線方向Xの長さを伸縮させることができる。具体的には、図4(a)に示すとおり、本体部32に対してスライド部36を基端30a側に配置させた状態(非延伸状態)では、伸縮継手30の軸線方向Xの長さはL1となる。また、図4(b)に示すとおり、スライド部36を本体部32に対して軸線方向Xの外側(他端30b側)に距離L2分スライドさせて、伸縮継手30全体の長さが延伸された状態(延伸状態)では、伸縮継手30の軸線方向Xは長さL3となる。このように、伸縮継手30は、本体部32に対してスライド部36を軸線方向Xに変位させることにより、軸線方向Xの長さを伸縮可能とされている。
伸縮継手30の基端30a側は、他の管材10や継手等に挿入される差口31aとされている。また、伸縮継手30の他端30b側は、延伸状態において、他の管材10や継手等が差し込まれる受口31bとされている(図8等参照)。
図4(a)に示すとおり、肉厚部34は、本体部32の基端30a(一端)側に設けられている。肉厚部34は、本体部32の他の部分と比較して肉厚とされた部分である。本実施形態の肉厚部34は、本体部32の基端30aにスリーブ部材34aを嵌め込む(外嵌する)ことにより、本体部32の他の部分と比較して肉厚となる部分を形成して、本体部32の基端30aにおいて外周面を径方向外側に拡径させるように設けられている。また、図4(a)に示すとおり、スリーブ部材34aは、本体部32の基端30aの端面と面一となるように取り付けられている。言い換えれば、肉厚部34は、本体部32の肉厚T1と、スリーブ部材34aの肉厚T2とが二重となって、本体部32の基端30aの端面を拡大させ、本体部32の基端30a側の端面において厚みT3を形成している。
肉厚部34の厚み、及び本体部32の基端30a側の端面について、より詳細に説明する。本体部32の内径D1は、陶管12の内径D4と略一致する大きさとされている(図10参照)。一方、本体部32において肉厚部34が設けられていない部分の外径D2は、陶管12の外径よりも小さい。伸縮継手30は、肉厚部34を設けることにより、本体部32と陶管12の肉厚差を埋めている。別の言い方をすれば、伸縮継手30は、本体部32の肉厚部34が設けられた部分の外径を、陶管12の外径D5と略一致する大きさとしたものとされている(図10参照)。これにより、伸縮継手30は、カップリング20の受口22に本体部32を挿入させた状態において、本体部32をカップリング20の他方の受口22に挿入された陶管12の軸芯と略一致させることができる。
また、伸縮継手30は、本体部32の基端30aを陶管12と隣接して配置させた場合に、本体部32の端面と陶管12の端面とが略一致するように配置させることができる。これにより、伸縮継手30は、本体部32と陶管12との接続部分において、接触圧が偏ることを抑制して接触圧を分散させる効果が期待できる。
突出部38は、伸縮継手30に対する管材10の位置決めを容易にするために設けられている。図3(b)に示すとおり、突出部38は、スライド部36の他端30bから軸線方向Xの外側に突出するように設けられている。
図3(a)に示すとおり、本実施形態の伸縮継手30には、3つの突出部38が設けられている。より具体的には、本実施形態の伸縮継手30は、スライド部36の側方に設けられている突出部38b,38cと、スライド部36の周方向において突出部38b,38cの間に設けられた突出部38aとを有している。なお、本発明の伸縮継手は、本実施形態のように3つの突出部を設けたものに限定されない。例えば、本発明の伸縮継手は、突出部を2つ設けたものであってもよいし、あるいは4つ設けたものであってもよい。また、突出部38は、スライド部36の周方向の一部に偏在しつつ、所定の間隔を開けて設けられている。具体的には、図3(a)に示す状態において、複数(本実施形態では3つ)の突出部38が下方側のエリアに偏在しつつ、下方側のエリアにおいて所定の間隔を開けて設けられている。これに対し、図3(a)において突出部38b,38cよりも上方側のエリアには、突出部38が設けられていない。言い換えれば、伸縮継手30は、突出部38が周方向に所定の間隔毎に並んだエリア(図3(a)の下方側のエリア)と、突出部38の間隔が前述した所定の間隔よりも周方向に大きく離れたエリア(図3(a)の上方側のエリア)とを有する。
取手40は、本体部32に対してスライド部36をスライドさせる際の把手部として設けられている。図3(a)に示すとおり、取手40は、スライド部36の外周面に対し、径方向に対向するように設けられている。伸縮継手30は、作業者が取手40を把手してスライド部36のスライド操作を行うことにより、本体部32に対してスライド部36を容易に移動させることができる。
図4に示すとおり、シール部42,44は、スライド部36の軸線方向Xの両端近傍に設けられている。シール部42,44は、スライド部36に形成されたシール嵌込部42a,44aに嵌め込まれて、スライド部36の内周面に取り付けられている。二つのシール部42,44のうち、基端30aに設けられたシール部44は、本体部32とスライド部36との間を止水している。また、他端30bに設けられたシール部42は、スライド部36と受口31bに差し込まれる管材10との間を止水可能とされている。
ストッパー部46は、本体部32に対するスライド部36のスライド範囲を規制するために設けられている。図4に示すとおり、ストッパー部46は、本体部32の外周面に段差状に形成された当接部46aと、スライド部36の内周面に設けられた凸部46bとにより構成されている。ストッパー部46は、凸部46bが当接部46aと接触する位置において、スライド部36の他端30b側への移動を規制する。これにより、伸縮継手30は、スライド部36が本体部32から外れることを抑制している。
<管路補修方法について>
続いて、図5〜図10を参照しつつ、本発明の実施形態に係る管路補修方法について説明する。
図5に示すとおり、既設の管路1のうち、陶管12(管材10)に破損部分Kが含まれる場合であって、破損部分Kが含まれる陶管12を除去対象管材10aとして、除去対象管材10aを除去して新たな管材10(新管材10c)に差し替える場合について説明する。
なお、以下の説明では、除去対象管材10aの両側にそれぞれ隣接して配置されている管材10を隣接管材10bと記載して説明する。
除去対象管材10a、及び隣接管材10bは、いずれも陶管12とされている。なお、本実施形態では、除去対象管材10aと代えて配置される新管材10cには、塩化ビニル系の素材により構成される塩ビ管13が用いられる例を挙げて説明する。
既設の管路1に含まれる除去対象管材10aを除去して新管材10cを配置させる補修工事にあたり、先ず地中に埋設された状態の除去対象管材10aを露出させるための掘削作業が行われる。なお、本明細書では、掘削作業については詳細な説明を省略する。
<除去工程>
図5に示すとおり、除去対象管材10aの周辺の土壌が取り除かれ、除去対象管材10aが露出された状態において、除去工程が行われる。除去対象管材10aの除去方法は特に限定されない。例えば、除去対象管材10aの陶管12としての脆い性質を利用し、除去対象管材10aを金槌等で砕く方法などを挙げることができる。
除去工程では、除去対象管材10aと隣接管材10bとを連結するカップリング20(管継手、既設管継手)を残存させて、除去対象管材10aを除去する作業が行われる。具体的には、図6に示すとおり、除去対象管材10aと隣接管材10bとを連結するカップリング20を、隣接管材10bに取り付けられた状態で維持しつつ、除去対象管材10aを取り除く。
これにより、残存させようとする陶管12(隣接管材10b)の破損要因を低減させて、必要以上に管材10の取り替え作業が生じることを抑制することができる。また、補修工事後の管路1において、既存の陶管12(管材10)とカップリング20とを止水しているシール部26による止水構造を流用することができる。
<伸縮継手取付工程>
図7に示すとおり、除去工程の後、伸縮継手取付工程において、伸縮継手30が取り付けられる。具体的には、除去対象管材10aが除去された後、カップリング20に対して、伸縮継手30が嵌め込まれる。伸縮継手30は、差口31a(基端30a)をカップリング20の受口22に挿入させてカップリング20に対して取り付けられる。なお、伸縮継手30は、カップリング20に挿入された状態では、スライド部36を基端30a側に配置させた状態(非延伸状態)とされる。
図8に示すとおり、伸縮継手30がカップリング20に取り付けられると、伸縮継手30の本体部32と隣接管材10bとが、端面が向かい合うように配置される(図8の拡大図参照)。また、伸縮継手取付工程の後には、伸縮継手30は、カップリング20のシール部26が本体部32の外周面に装着される。これにより、隣接管材10bと本体部32との接続部が止水される。
なお、伸縮継手取付工程において、伸縮継手30の差口31a、及びカップリング20の受口22に滑剤が塗布されることが望ましい。これにより、伸縮継手30をカップリング20に円滑に挿入し得る。また、伸縮継手取付工程において、伸縮継手30は、3つの突出部38のうち、中間に位置する突出部38aが下方となるように配置されることが望ましい。
図8に示すとおり、伸縮継手30がカップリング20に取り付けられると、管路1の末端部分の離間距離(一方の伸縮継手30と他方の伸縮継手30との離間距離)は、距離L4となる。
<新管材準備工程>
次に、管路1の末端部分の離間距離(一方の伸縮継手30と他方の伸縮継手30との離間距離)に応じた長さL4の新管材10cを準備する。新管材10cとして、予め規格化された長さの管を用いてもよいが、現場において所定長さの管を切断すること、または、複数の管を接着すること等によって、長さL4の新管材10cを製作することも可能である。本実施形態のように、塩化ビニルにより構成される塩ビ管13が新管材10cとして用いられた場合、切断または接着による長さ調整は極めて容易となる。
なお、新管材10cの端面は、面取りされることが望ましい。また、新管材10cの端部や伸縮継手30の受口31bには、滑剤が塗布されることが望ましい。これにより、新管材10cと伸縮継手30との接続を円滑に行い得る。
<新管材配置工程>
次に、図8及び図9に示すように、新管材10cを二つの伸縮継手30の間に配置させる。すなわち、新管材10cを除去対象管材10aの代わりに配置させる。なお、この際、新管材10cの端面と伸縮継手30の本体部32の端面(他端30b側の端面)とが当接した状態となる(図10参照)。
また、伸縮継手取付工程において、伸縮継手30の3つの突出部38のうち、突出部38aが下方となるように配置されている場合には、新管材10cを上方から下方に向けて管路1に進入させて配置させると、新管材10cを容易に位置決めすることができる。具体的には、新管材10cを上方から下方に向けて管路1に進入させて配置させると、新管材10cは、突出部38aと接触する位置において突出部38a,38b,38cにより下方より支持され、位置決めされた状態で仮置きされる(図9拡大図参照)。また、新管材10cは、本体部32の軸芯と略一致するように位置決めされる。このように、新管材10cを管路1上に進入させて配置させる作業において、新管材10cを本体部32の軸芯と一致するように容易に位置決めすることができる。
<接続工程>
次に、図9に示すとおり、接続工程において、二つの伸縮継手30にそれぞれ設けられたスライド部36を、相互に近接する方向にスライドさせる。これにより、新管材10cの一方の端部に伸縮継手30の受口31bが嵌め込まれるとともに、他方の端部に伸縮継手30の受口31bが嵌め込まれる。言い換えれば、新管材10cは、軸線方向Xの両側から挟み込まれるように伸縮継手30に嵌め込まれる。また、スライド部36に設けられたシール部42が新管材10cの外周面に略密着して、新管材10cと本体部32との接続部分が止水された状態で接続される。
上記の工程が終了した後に、掘削した箇所を埋め戻す。以上の工程により、管路1の補修が終了する。
このように、本発明の管路補修方法によれば、除去対象管材10aが除去された後、管路1の末端部分が向かい合い、管材10の差込代がない地獄配管において、新たな管材(新管材10c)を容易に配置させ、連結することができる。また、新管材10cと既設の管材10(隣接管材10b)との接続部(異種管接続部60)を、既設の管材10に取り付けられたカップリング20のシール部26や伸縮継手30のシール部42,44により止水することができる。このように、本発明の管路補修方法によれば、既設の管材10と新管材10cとの間を、モルタル等による止水工事を行う必要がなく、管材10の取り替え作業を簡略化することができる。
次に、異種管接続部60を有する管路1である配管システム50について説明する。配管システム50は、例えば、上述した管路補修方法により管路1の補修を行った後に得られる。
図10に示すとおり、配管システム50は、複数の管材10により形成される管路1に陶管12が含まれている。また、配管システム50は、陶管12と他の管材10(塩ビ管13)とが連結された部分である異種管接続部60を備える。
配管システム50は、異種管接続部60において、カップリング20及び伸縮継手30を介して、陶管12及び塩ビ管13が連結されている。また、異種管接続部60では、伸縮継手30が延伸状態とされた状態で、本体部32と塩ビ管13とが接続されている。
配管システム50は、塩ビ管13の両側にそれぞれ異種管接続部60が設けられている。なお、図10では、塩ビ管13の一端側(図10では塩ビ管13の右側)に設けられた異種管接続部60を図示し、塩ビ管13の他端側に設けられた異種管接続部60は図示を省略している。
図10に示すとおり、異種管接続部60において、伸縮継手30の本体部32及び陶管12が隣接する接続部では、陶管12の端面と肉厚部34の端面とが当接するように配置されている。本体部32の内径D1は、陶管12の内径D4と略一致する大きさとされている。また、伸縮継手30は、本体部32の肉厚部34が設けられた部分の外径D3を、陶管12の外径D5と略一致する大きさとされている。これにより、異種管接続部60では、カップリング20の受口22に本体部32を挿入させた状態において、本体部32の軸芯と陶管12の軸芯とを略一致させた状態で配置されている。
また、異種管接続部60において、本体部32の端面と陶管12の端面とが略一致するように配置されている。これにより、配管システム50は、本体部32と陶管12との接続部分において、接触圧が偏ることを抑制して接触圧を分散させることができる。
本発明は、管路の一部を補修する補修工事、及び補修工事に際して使用される継手として、好適に採用することができる。
1 管路
10 管材
10a 除去対象管材
10b 隣接管材
10c 新管材
12 陶管(管材、陶管材)
13 塩ビ管(管材)
20 カップリング(管継手、既設管継手)
30 伸縮継手
30a 基端(一端)
30b 他端
32 本体部
34 肉厚部
36 スライド部
38 突出部
38a 突出部
38b 突出部
38c 突出部
50 配管システム
60 異種管接続部
X 軸線方向

Claims (9)

  1. 複数の管材によって形成される管路の一部をなす除去対象管材を新たな管材である新管材に差し替えることにより、管路を補修する管路補修方法であって、
    筒状の本体部と、前記本体部の軸線方向にスライド可能とされたスライド部とを備える伸縮継手が用いられるものであり、
    前記除去対象管材と前記除去対象管材に隣接する前記管材とを接続する既設管継手を残存させて、前記除去対象管材を除去する除去工程と、
    前記除去工程の後、少なくとも一つの前記既設管継手に対して前記伸縮継手を取り付ける伸縮継手取付工程と、
    前記除去対象管材に代えて前記新管材を配置させる新管材配置工程と、
    前記新管材に向けて前記スライド部をスライドさせて、前記新管材と前記伸縮継手とを接続する接続工程とを含むことを特徴とする管路補修方法。
  2. 前記除去工程において、前記除去対象管材の両端に配置されていた前記既設管継手の双方を残存させて前記除去対象管材が除去されるものであり、
    前記伸縮継手取付工程において、前記既設管継手の双方にそれぞれ前記伸縮継手が取り付けられるものであり、
    前記接続工程において、前記新管材の両端にそれぞれ前記スライド部が装着され、二つの前記スライド部を相互に近接する方向にスライドさせて前記新管材の両端に前記伸縮継手が接続されることを特徴とする請求項1に記載の管路補修方法。
  3. 前記伸縮継手が、前記軸線方向外側に突出するように設けられた一又は複数の突出部を備えるものであり、
    前記新管材配置工程において、前記新管材が少なくとも一の前記突出部と接触して位置決めされるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の管路補修方法。
  4. 前記伸縮継手取付工程において、前記伸縮継手が、前記突出部の少なくとも一部が下方に位置するように前記既設管継手に取り付けられるものであることを特徴とする請求項3に記載の管路補修方法。
  5. 請求項1〜4に記載のいずれかの管路補修方法に用いられる伸縮継手であって、
    筒状の本体部と、
    前記本体部の軸線方向にスライド可能とされたスライド部と、
    前記軸線方向外側に突出するように設けられた一又は複数の突出部とを有することを特徴とする伸縮継手。
  6. 軸線方向の長さを伸縮可能とされた伸縮継手であって、
    筒状の本体部と、
    前記本体部の軸線方向にスライド可能とされたスライド部と、
    前記軸線方向外側に突出するように設けられた一又は複数の突出部とを有し、
    前記本体部の両端のうち、一端には前記本体部の他の部分と比較して肉厚とされた肉厚部が設けられ、他端には前記スライド部が設けられていることを特徴とする伸縮継手。
  7. 前記肉厚部が、前記本体部の一端側の端面と面一となるように、かつ前記本体部の端面を径方向外側に拡大するように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の伸縮継手。
  8. 複数の管材により形成される管路の少なくとも一部にセラミック素材により構成される陶管材が含まれる配管システムであって、
    前記陶管材と他の管材とが接続されている異種管接続部を有し、
    前記異種管接続部には、
    管継手と、
    伸縮継手とが設けられており、
    前記伸縮継手が、
    筒状の本体部と、前記本体部の軸線方向にスライド可能とされたスライド部とを備え、
    前記本体部に対して前記スライド部を前記軸線方向外側にスライドさせることにより前記軸線方向の長さが延伸された延伸状態とされるものであり、
    前記異種管接続部において、
    前記陶管材及び前記本体部の接続部には前記管継手が装着され、
    前記本体部及び前記他の管材の接続部には前記スライド部が前記延伸状態とされて装着されていることを特徴とする配管システム。
  9. 前記他の管材の両側に異種管接続部を有し、
    前記他の管材の両端部に、前記延伸状態とされた前記スライド部が装着されていることを特徴とする請求項8に記載の配管システム。
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