JP2020041646A - 液体排出システムおよび液体排出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】設備負担を抑えつつ、管路の内部に存在する液体を効果的に排出することが可能な液体排出システムおよび液体排出方法の提供。【解決手段】液体排出システム1は、管路PL内に滞留する液体Wを負圧吸引する吸引装置10と、挿入体20とを備えている。挿入体20は、管路PLの内周面との間で間隙Gを形成する外周面を有し、管路PL内を吸引方向に沿って移動自在に構成されている。間隙Gは、吸引装置10が作動している状態で、「吸引方向」への負圧空気SAの流通を許容するとともに、「反吸引方向」への液体Wの逆流を阻止または制限する大きさに設定されている。【選択図】図2

Description

本発明は、液体排出システムおよび液体排出方法に関し、特に、管路の内部に存在する液体を外部に排出することが可能な液体排出システムおよび液体排出方法に関するものである。
従来から、管路(例えば、都市ガスが流通するガス管)の内部に存在する液体(例えば、地下水)を外部に排出する液体排出システムとして、例えば、特許文献1に記載の抽水装置が知られている。
この特許文献1の抽水装置は、ガス管の一端側を大気中に開放した状態で他端側から負圧吸引するように構成されたもので、
「高負圧低流量」のエアで液体を吸引する第1エジェクタと、
「低負圧高流量」のエアで液体を吸引する第2エジェクタと、
を備えたものである。
このような抽水装置によれば、伏越し状(U字状)の配管部(以下、「伏越し部」と称す)に液体が滞留している場合、
(a)まず、「伏越し部」に溜まっている液体の大部分を第1エジェクタ(「高負圧低流量」のエア)で吸引して「伏越し部」にエアの流通路を形成する、
(b)その後、「伏越し部」の底部に残っている液体を第2エジェクタ(「低負圧高流量」のエア)でさらに吸引する、
といった手順を踏むことにより、ガス管の内部に滞留する液体を外部に排出することが可能である。
特開平09−217899号公報
しかしながら、特許文献1の抽水装置では、「伏越し部」に滞留する液体を排出する最終段階において、「低負圧」のエアで吸引しているため、例えば、「伏越し部」の管径が大口径(例えば、150mm以上)で、かつ、その立ち上がり寸法が大きいような場合、底部に残っている液体を上部まで引き上げることができないおそれがあった。
かかる場合、「伏越し部」に液体が残ったままの状態となるため、特に、管路の内部に液体が存在しないことが求められるガス管においては、これを除去するため、より能力の高い装置(例えば、「高負圧」かつ「高流量」のエアで吸引することが可能なエジェクタやコンプレッサ)を別途用意しなければならず、その結果、設備負担が増大するばかりか、作業効率がいきおい低下する、といった問題が生じる。
この点、特許文献1の抽水装置は、未だ改善の余地があるものといえる。
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、その目的は、設備負担を抑えつつ、管路の内部に存在する液体を効果的に排出することが可能な液体排出システムおよび液体排出方法を提供することにある。
上記課題は、本発明にかかる液体排出システムによれば、管路の内部に存在する液体を前記管路の外部に排出する液体排出システムであって、前記管路の内部に挿入可能な挿入体と、前記管路の内部に気体を流通させて前記液体を前記管路の外部に排出させる気体流通装置と、を備え、前記挿入体は、前記管路の内面との間で間隙を形成する周面を有し、前記管路の内部を前記気体の流通方向に沿って移動自在に構成され、前記間隙は、前記気体流通装置によって前記管路の内部に前記気体を流通させている状態で、前記流通方向への前記気体の流通を許容するとともに、前記流通方向とは反対方向への前記液体の逆流を阻止または制限する大きさに設定されている、ことにより解決される。
また、上記課題は、本発明にかかる液体排出方法によれば、管路の内部に存在する液体を液体排出システムを用いて前記管路の外部に排出する液体排出方法であって、前記管路の内部に挿入体を挿入する挿入体挿入工程と、前記管路の内部に気体を流通させる気体流通装置を用いて前記液体を前記管路の外部に排出する液体排出工程と、を含み、前記挿入体は、前記管路の内面との間で間隙を形成する周面を有し、前記管路の内部を前記気体の流通方向に沿って移動自在に構成され、前記間隙は、前記液体排出工程をおこなっている状態で、前記流通方向への前記気体の流通を許容するとともに、前記流通方向とは反対方向への前記液体の逆流を阻止または制限する大きさに設定されている、ことによっても解決される。
なお、ここでいう「管路」とは、気体が流通する管路(例えば、都市ガス管)や液体が流通する管路(例えば、給水管、排水管および油管)に限られず、このような流体が流通しない管路(例えば、電線を配線するための電線管)をも広く含む意味である。
また、上記「挿入体」とは、「管路」の内部に挿入した状態で「管路」の内面との間に間隙が形成されるものであれば、その材質および形状を問わない趣旨であるが、「管路」の内部を移動できる点を考慮すれば、「管路」の曲がり部分等に引っ掛からない形状、例えば、軸方向の長さが必要以上に長くない形状とするのが望ましい。
さらに、上記「気体流通装置」とは、「管路」に気体(例えば、空気)を流通させることが可能なものであれば、気体を吸引する装置(例えば、いわゆるエジェクタや吸引(負圧)ポンプ)のほか、気体を圧送する装置(例えば、加圧ポンプ)を含み、また、電力等の駆動源によって作動するものに限られず、手動によって作動するものも含む概念である。
上記構成では、「管路」の内部に「挿入体」を挿入した状態で、「気体流通装置」を作動させると、「管路」と「挿入体」との間に形成される「間隙」において、
(a)気体(および液体)が所定の流通方向に向けて高速で流れる一方、
(b)それとは反対方向への液体の流れが遮断されるか、または、制限される、
ように構成されている。
このため、上記構成では、「挿入体」を、気体の流通方向、すなわち、液体の排出方向に移動させていくだけで、管路の口径や配管形状のいかんにかかわらず、「管路」の内部に存在(滞留)する液体のほとんど全てを外部に排出することが可能である。
また、上記構成では、所定の形状および大きさに形成された「挿入体」に加え、「間隙」において「液体」の逆流(気体の流通方向とは反対方向への流れ)を阻止または制限することができる能力の「気体流通装置」(比較的能力の低い「気体流通装置」)を用意すれば足りるため、設備負担を軽減することができ、その結果、作業効率を確実に向上させることが可能である。
このように、上記構成を備えた本発明によれば、比較的能力の低い「気体流通装置」であっても、「管路」の内部に存在する液体を効果的に排出することができる。
なお、上記液体排出システムにかかる発明においては、前記挿入体は、少なくとも円柱状に形成された円柱部を有するか、または、球状または楕円球状に形成されている、と好適である。
また、上記液体排出システムにかかる発明においては、前記挿入体は、複数設けられ、互いに所定の間隔を空けて連設されている、と好適である。
さらに、上記液体排出システムにかかる発明においては、前記気体流通装置は、前記気体を前記挿入体とともに吸引するか、または、圧送する、と好適である。
以上のように、本発明にかかる液体排出システムおよび液体排出方法によれば、簡易な構成でありながらも、設備負担を抑えつつ、管路内に滞留する液体を効果的に排出することができる。
本実施形態にかかる液体排出システムを説明するための説明図である。 伏越し部に滞留する液体を排出している様子を示す要部拡大断面図である。 図2のIII−III矢視断面図である。 図2の挿入体の変形例を示す側面図である。 本実施形態にかかる液体排出方法を説明するためのフロー図である。 図1の液体排出システムを用いて管路内に滞留する液体を排出したときの試験結果を示す図である。 図6の試験とは異なる試験をおこなったときの試験結果を示す図である。 液体排出システムの変形例を示す側面図である。
以下、発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態にかかる液体排出システムを説明するための説明図、図2は伏越し部に滞留する液体を排出している様子を示す要部拡大断面図、図3は図2のIII−III矢視断面図、図4は図2の挿入体の変形例を示す側面図、図5は本実施形態にかかる液体排出方法を説明するためのフロー図、図6は図1の液体排出システムを用いて管路内に滞留する液体を排出したときの試験結果を示す図、図7は図6の試験とは異なる試験をおこなったときの試験結果を示す図である。
図1は、地中に埋設された管路PL内に存在(滞留)する液体Wを、本実施形態にかかる液体排出システム1を用いて排出しようとしている様子を示したものである。なお、上記管路PLと、液体Wと、液体排出システム1とが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「管路」と、「液体」と、「液体排出システム」とに該当する。
ここで、液体排出システム1について説明する前に、本実施形態にかかる管路PLについて図1を参照しつつ説明する。
図1に示すように、管路PLは、ポリエチレン製の部材(例えば、口径100mm〜200mmの管材、いわゆる「PE管」)からなり、基幹となるガス供給ラインから供給された可燃性ガス(本実施形態では、都市ガス)をガスメータ等に導出するための配管(ガス管)である。
図1および図2に示すように、この管路PLには、地中に埋設された障害物(例えば、排水管)を迂回等するために配管された伏越し部PUが設けられている。この伏越し部PUは、略U字状に形成され、略水平方向に延びる底管部PUaと、底管部PUaの両端からそれぞれ立ち上がる立ち上げ管部PUb,PUbとを有している。
このため、本実施形態では、液体W(例えば、地下水)が、何らかの事由(例えば、管路PLの老朽化や震災等の自然災害)で管路PL内に侵入すると、横引き管部PSを通って伏越し部PUに溜まりやすい配管構造となっている。
次に、本実施形態にかかる液体排水システム1について図1〜図4を参照しつつ説明する。
図1および図2に示すように、液体排水システム1は、主に、管路PL内に存在する液体Wを負圧吸引する吸引装置10と、管路PL内を移動可能な挿入体20とを備えている。なお、上記吸引装置10と、挿入体20とが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「気体流通装置」と、「挿入体」とに該当する。
図1に示すように、吸引装置10は、コンプレッサ11と、エジェクタ装置12とを有している。
コンプレッサ11は、公知のコンプレッサと同様に、圧縮空気を生成する装置であり、耐圧ホース31を介してエジェクタ装置12に圧縮空気を圧送するように構成されている。なお、このようなコンプレッサ11としては、例えば、「5m/min」程度の圧縮空気を生成することが可能なものを用いることが可能である。
本実施形態にかかるエジェクタ装置12は、エジェクタ本体(図示省略)と、排水槽(図示省略)とを有し、耐圧ホース32を介して管路PLの他端部(以下「吸引端部」と称す)PLbに接続されるようになっている。なお、管路PLに対する耐圧ホース32の接続は、管路PLの吸引端部PLbを塞ぐことが可能な蓋体33(例えば、いわゆるカムロックカプラ)を介しておこなうことが可能である。
エジェクタ本体は、コンプレッサ11から供給される圧縮空気を用いて、負圧空気SA(図2参照)を発生させる装置であり、排水槽を介して管路PL内に存在する液体Wを負圧吸引するように構成されている。なお、上記負圧空気SAが特許請求の範囲に記載の「気体」に該当する。
一方、排水槽は、気密性を有した状態で、負圧吸引された管路PL内の液体Wを一時的に貯留することができるように構成されている。
なお、このようなエジェクタ装置12としては、例えば、「4m/min」〜「16m/min」の流量を発生させることが可能な能力のものを用いることができる。また、本実施形態では、エジェクタ本体と排水槽とが一体となったものを用いたが、これらを別体で構成することも可能である。この場合、エジェクタ本体が設けられた装置と排水槽とを耐圧ホース等を介して接続すればよい。
次に、挿入体20について図2〜図4を参照しつつ説明する。
図2および図3に示すように、挿入体20は、砲弾状に形成され、円柱状の円柱部20a(特許請求の範囲の「中空部」に該当)と、円柱部20aの一端(管路PLへの挿入端側)に連続して設けられる湾曲面状の湾曲部20bとを有している。なお、挿入体20は、湾曲部20bが挿入側となる向きで、管路PLの開放端部PLaから挿入されるようになっている。
本実施形態にかかる挿入体20は、その径方向における最大断面積(円柱部20aの径方向における断面積)が、管路PL内の断面積(以下、「管内断面積」と称す)の「X%」(例えば、「90%」)となる大きさに形成されている。
すなわち、本実施形態では、管路PL内に挿入体20を挿入した状態で、その部分における管路PLの開口率が「100%−X%」(管路PLの内周面と円柱部20aの外周面との間に形成される間隙Gの断面積が「管内断面積」の「100%−X%」、例えば、「10%」(「100%−90%」))となるようになっている。なお、上記管路PLの内周面と、円柱部20aの外周面と、間隙Gとが、それぞれ、特許請求の範囲の「管路の内面」と、「挿入体」の「周面」と、「間隙」とに該当する。
なお、本実施形態では、挿入体20を、砲弾状に形成したが、これに限られず、球状(図4(a)の「挿入体120」参照)や楕円球状に形成してもよく、また、単に、円柱状(図7(a)の「挿入体120´」参照)に形成することも可能である。
さらに、挿入体20(挿入体120)は、1つである場合に限られず、複数設けても構わない。この場合、複数(図4(b)および図4(c)の例では「2個」)の挿入体20,20(挿入体120,120)の間に所定の間隔を空けた状態で、これらを、例えば、通線材22(例えば、ビニールやナイロンのロープ、または、ワイヤロープ)を介して連結すればよい。
また、本実施形態にかかる挿入体20(挿入体120,120´含む、以下同じ)は、比重の比較的小さい部材(例えば、比重が0未満の部材)によって形成されている。このような部材としては、例えば、吸水性の低い単独気泡(独立気泡)型のウレタンフォーム(いわゆる軟質ウレタン)やポリエチレンフォーム(いわゆる軟質ポリエチレン)を用いることができる。
その理由として、本実施形態では、挿入体20を、管路PL内に存在する液体Wとともに負圧吸引するように構成されているため(この点については後述する)、仮に、挿入体20の比重を大きくしすぎると、管路PL内での挿入体20の円滑な移動が妨げられる、などといった問題が生じやすくなるからである。
また、図2に示すように、挿入体20には、軸方向に貫通するようにして通線材21がボルト等により取り付けられている。このような通線材21としては、例えば、ビニール、ナイロンおよび鋼製等のロープを用いることができる。なお、挿入体20を軟質な部材で形成した場合、特に、挿入体20のうちの両端部分(通線材21を固定する部分)が、破損・損傷しやすくなるため、この部分をコーティング材(例えば、シリコンやウレタン等のコーキング材)等で補強したうえ、通線材21を取り付けるのが好ましい。
本実施形態にかかる通線材21は、主に、
(a)挿入体20を管路PL外に強制的に取り出す際(例えば、挿入体20が管路PL内で引っ掛かった場合)に用いられるほか、
(b)管路PLにおいて挿入体20を所定の速度で移動(負圧吸引)させる際にも用いられる、
ようになっている。
このような速度の調整は、例えば、
(a)作業者が管路PLの一端部(以下「開放端部」と称す)PLa側で通線材21を把持することによりおこなうことができるほか、
(b)管路PLの開放端部PLa側に、通線材21の送出量を減じることが可能な駆動装置(例えば、電動モータ)を設けることによってもおこなう、
ことが可能である。
なお、本実施形態では、通線材21を、管路PLの開放端部PLa側のみに延長するように構成したが、吸引端部PLb側にも延長するように構成することも可能である。このように構成すれば、挿入体20を、吸引端部PLb側に向けて強制的に移動させたい場合などに用いることが可能となる。
次に、本実施形態にかかる液体排出システム1を用いた液体排出方法について図1〜図6を参照しつつ説明する。なお、以下においては、説明の便宜上、
・伏越し部PUに液体Wが滞まっている、
・伏越し部PUの場所(工事区間)が判明している、
・工事区間における可燃性ガス(残留ガス)の回収作業が完了している、
ことを前提として説明することとする。
図5に示すように、本実施形態にかかる液体排出方法は、管路開放工程S100と、挿入体挿入工程S200と、液体排出工程S300と、復旧工程S400とを備えている。なお、上記挿入体挿入工程S200と、液体排出工程S300とが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「挿入体挿入工程」と、「液体排出工程」とに該当する。
(管路開放工程S100)
図1および図5に示すように、本実施形態にかかる液体排出方法は、管路開放工程S100をおこなうことから始まる。
具体的に、この管路開放工程S100では、伏越し部PUの一端側の管路PLと他端側の管路PLとをそれぞれ大気中に開放する作業をおこなう。
本実施形態では、伏越し部PUの一端側の管路PLおよび他端側の管路PLが、何れも、地中に埋設されているため、管路開放工程S100において、
(a)まず、これらの管路PLが露出するように、適切な範囲で掘削して立坑S1,S2を形成する、
(b)次に、立坑S1内の管路PLおよび立坑S2内の管路PLをそれぞれ切断して、開放端部PLaおよび吸引端部PLbを大気中に開放する、
といった作業をおこなう。
本実施形態では、このような管路開放工程S100をおこなった後、次工程である挿入体挿入工程S200がおこなわれるようになっている。
(挿入体挿入工程S200)
図1〜図3および図5に示すように、挿入体挿入工程S200では、開放端部PLaから挿入体20を挿入する作業をおこなう。
上述したように、本実施形態では、管路PL内に挿入体20を挿入すると、挿入体20が、「管内断面積」の「X%」(例えば、「90%」)を塞いだ状態(管路PLの開口率が「100%―X%」(例えば、「10%」(「100%−90%」)となった状態)で、管路PL内に配置されるようになっている。
本実施形態では、このような挿入体挿入工程S200をおこなった後、次工程である液体排出工程S300がおこなわれるようになっている。
(液体排出工程S300)
液体排出工程S300では、吸引装置10(コンプレッサ11およびエジェクタ装置12)を作動させて、伏越し部PUに滞留する液体W(管路PLに存在する液体W)を外部に排出する作業をおこなう。
具体的に、液体排出工程S300では、
(a)コンプレッサ11とエジェクタ装置12とを耐圧ホース31で接続する、
(b)エジェクタ装置12と管路PLの吸引端部PLbとを耐圧ホース32で接続する、
(c)次に、コンプレッサ11およびエジェクタ装置12を作動して、負圧空気SAを開放端部PLaから吸引端部PLbに向かう方向(以下、「吸引方向」と称す)に流通させる、
(d)その後、通線材21を管路PLの開放端部PLa側で持つなどして、挿入体20を開放端部PLaから吸引端部PLbまで所定の速度で移動させる、
といった作業をおこなう。
このような作業をおこなうと、挿入体20の周りに形成される間隙Gにも負圧空気SAが流れるが、その部分においては、管路PLの開口率が著しく低減(「100%」→「100%−X%」(例えば、「10%」))されているため、これに伴って、負圧空気SAの流速が飛躍的に増加するようになる(Q(流量)=A(断面積)×V(流速)=一定)。
すなわち、本実施形態では、間隙Gにおいて、
(a)負圧空気SAおよび液体W(間隙Gの開放端部PLa側に存在する液体W)が「吸引方向」に向けて高速で流れるため、その結果、
(b)「吸引方向」とは反対方向(以下、「反吸引方向」と称す)へ向かう液体W(間隙Gの吸引端部PLb側に存在する液体W)の流れが遮断もしくは制限される、
ようになっている。
この点、本実施形態にかかる液体排出システム1は、間隙Gを、あたかも逆止弁(チェッキ弁)であるかのごとく機能させることができるものといえる。
このため、本実施形態では、特に、吸引端部PLb側の立ち上げ管部PUbにおいて、挿入体20を移動させている最中であっても(図2参照)、挿入体20の「反吸引方向」側に液体Wが逆流するのを有効に防止することができるようになっている。
すなわち、本実施形態では、挿入体20を、吸引端部PLbに向けて移動させていくだけで、管路PL内に存在する液体Wのほとんど全てを排出することが可能である。
ここで、上述した「液体排出工程S300」をおこなったときの試験結果について図1、図2、図4および図6を参照しつつ説明する。
図6は、液体排出システム1を用いて、伏越し部PUに滞留する液体Wを管路PL外に排出したときの試験結果をまとめたものである。なお、図6中、「1連」は挿入体120が「1個」の場合を(図4(a)参照)、「2連」は挿入体120が「2個」連なっている場合を(図4(c)参照)、「流速」は開放端部PLaで計測した負圧空気SAの流速を、「滞水量」は試験前の伏越し部PUに滞留する液体Wの量を、「残水量」は試験後の伏越し部PUに滞留する液体Wの量を、「回収量」は管路PL外に排出された液体Wの量を、「滞水除去率」は「回収量」を「滞水量」で除した値を、それぞれ示している。
図1、図2、図4および図6に示すように、本試験では、
・伏越し部PUの底管部PUaの長さL:1200mm、
・伏越し部PUの立ち上げ管部PUbの高さH:1500mm、
・コンプレッサ11:5m/s×3台、
・エジェクタ装置12:16m/min×3台、
・挿入体120の形状:「球状」(図4(a)および図4(c)参照)、
・挿入体120の大きさ:管路PLの開口率が「10%」となる大きさ(「管内断面積」の「90%」となる大きさ)、
といった条件のもと、「150mm」および「200mm」の口径の管路PLにおいて、それぞれ、上述した「液体排出工程S300」と同様な作業(吸引装置10の作動後、挿入体120を管路PLの開放端部PLaから吸引端部PLbまで所定の速度で移動させる作業)をおこなった。
まず、口径「150mm」の管路PLで試験をおこなったときの試験結果(以下、この試験を「試験1」と称す)について説明する。なお、「試験1」では、「球状」の挿入体120(管路PLの開口率:「10%」、図4(a)参照)を「1個」(「1連)」)用いておこなったものである。
図6に示すように、「試験1」では、伏越し部PUに液体Wが「93L」溜まっている状態で、「液体排出工程S300」をおこなった。
その結果、本試験では、「流速(平均値):10.9m/s」といった比較的低い数値でありながらも、「滞水除去率(平均値):99.9%」(「回収量(平均値):92.9L」/「滞水量(平均値):93L」)といった値の試験結果、すなわち、伏越し部PUに滞留する液体Wをほぼ完全に除去(いわゆる「水滴レベル」まで除去)した、という試験結果を得ることができた。
なお、挿入体120による液体除去効果を検証するため、挿入体120を用いずに「試験1」と同様な試験(口径「150mm」の管路PL)をおこなったところ(以下、この試験を「試験4」と称す)、「滞水除去率」は「試験1」よりも低い「78.5%」(「回収量:73L」/「滞水量:93L」)であった。
すなわち、「試験1」および「試験4」の各試験結果から、挿入体120を用いた場合と用いない場合とでは、伏越し部PUに滞留する液体Wの「滞水除去率」に大きな差がでることを実証することができた。
次に、口径が「200mm」の管路PLで試験をおこなったときの試験結果について、「球状」の挿入体120(管路PLの開口率:「10%」)を、「1個」(「1連)」)用いておこなった場合(図4(a)参照、以下「試験2」と称す)と、「2個」(「2連」)用いておこなった場合(図4(c)参照、以下、「試験3」と称す)とに分けて説明する。なお、挿入体120を用いずに「試験2」および「試験3」と同様な試験(口径「200mm」の管路PL)をおこなったところ(以下、この試験を「試験5」と称す)、「滞水除去率」は「71.1%」(「回収量:124.4L」/「滞水量:175L」)であった。
まず、「試験2」をおこなったときの試験結果について説明する。
本試験では、伏越し部PUに液体Wが「175L」溜まっている状態で、「液体排出工程S300」をおこなった。
その結果、本試験では、「流速(平均値)」が「試験1」よりも低い数値(「5.6m/s」)でありながらも、「滞水除去率(平均値):88.1%」(「回収量(平均値):154.1L」/「滞水量(平均値):175L」)といった良好な試験結果を得ることができた。
次に、「試験3」をおこなったときの試験結果について説明する。
本試験では、上述した挿入体120を「1個」用いて試験をおこなったときと同様に、伏越し部PUに液体Wが「175L」溜まっている状態で、「液体排出工程S300」をおこなった。
その結果、本試験では、「流速(平均値)」が「試験2」と同様な数値(「5.5m/s」)でありながらも、「滞水除去率」については「試験2」よりも良好な試験結果(「滞水除去率(平均値):93.8%」(「回収量(平均値):164.1L」/「滞水量(平均値):175L」))を得ることができた。
すなわち、「試験2」および「試験3」(管路PLの口径:200mm)の各試験結果を見ても明らかなように、「試験1」(管路PLの口径:150mm)と同じ能力のコンプレッサ11およびエジェクタ装置12を用いているにもかかわらず、伏越し部PUに滞留する液体Wを良好に除去(排出)できることがわかる。なお、上述したように、「試験5」の「滞水除去率」は「71.1%」である。
さらに、「試験2」および「試験3」の各試験結果を見比べれば明らかなように、挿入体120の数量が多いほうが、より多くの液体Wを除去できることを実証することができた。すなわち、このことは、挿入体120の連結数を「3個」以上とすることで、より多くの液体Wを除去しうることを意味する。
なお、このことは、挿入体を軸方向に長く形成(例えば、球状から砲弾状(図2参照)や円柱状に変更)した場合でも、同様なことがいえるが、これを検証するため、挿入体120の形状のみを「球状」から「円柱状」に変更して(図7(a)の「挿入体120´」参照)、「試験2」と同様な試験(「管路PLの口径:200mm」、「挿入体の大きさ:管路PLの開口率が「10%」となる大きさ(「管内断面積」の「90%」となる大きさ)」、「滞水量:175L」等)をおこなった(以下、この試験を「試験6」と称す)。
その結果、「滞水除去率」については、「試験2」(「88.1%(平均値)」)ひいては「試験3」(「93.8%(平均値)」)よりも良好な試験結果(「98.4%」(「回収量:172.2L」/「滞水量:175L」))を得ることができた(図7(b)参照)。
なお、挿入体120の形状のみを「球状」から「円柱状」に変更して(図7(a)の「挿入体120´」参照)、「試験1」と同様な試験(「管路PLの口径:150mm」、「挿入体の大きさ:管路PLの開口率が「10%」となる大きさ」、「滞水量:93L」等)をおこなったところ(以下、この試験を「試験7」と称す)、「滞水除去率」については、「試験1」(「99.9%(平均値)」)」と同様な試験結果(「99.9%」(「回収量:92.9L」/「滞水量:93L」))を得ることができている(図7(b)参照)。
以上より、「試験1」〜「試験7」の各試験結果から、挿入体を用いるだけで、吸引装置10の吸引能力を必要以上に高めなくても、伏越し部PUに滞留する液体Wを効果的に排出できる、ことを実証することができた。
この点、「試験1」〜「試験3」、「試験6」および「試験7」で用いた挿入体とは異なる大きさの挿入体、例えば、管路PLの開口率が「5%」になる挿入体や、「20%」〜「50%」になる挿入体を用いた場合であっても、吸引装置10の吸引能力を抑えつつ、液体Wの排出効果を十分に期待することができるものといえる。
本実施形態では、上述したような液体排出工程S300をおこなった後(挿入体20を吸引端部PLbまで移動させる作業をおこなった後)、次工程である復旧工程S400がおこなわれるようになっている。
(復旧工程S400)
図1、図2および図5に示すように、復旧工程S400では、管路PL内に可燃性ガスを流通させて、需要者等がこれを使用可能な状態にする作業をおこなう。
具体的に、復旧工程S400では、
(a)管路PLの吸引端部PLbに接続された耐圧ホース32を取り外すとともに、挿入体20およびこれに接続される通線材21を管路PL外に除去する、
(b)管路PLの開放端部PLa側および吸引端部PLb側の各切断部分を、それぞれ、継手類等を用いて連結する、
(c)次に、管路PLに可燃性ガスを流通させる、
(d)その後、管路PL内に存在するエアパージをする、
などといった作業をおこなう。
本液体排出方法は、このような復旧工程S400をおこなうことで終了するようになっている。
以上のように、本実施形態では、管路PL内に挿入体20(または挿入体120,120´、以下、「挿入体20等」と称す)を挿入した状態で、吸引装置10を作動させると、管路PLと「挿入体20等」との間に形成される間隙Gにおいて、
(a)負圧空気SAおよび液体Wが「吸引方向」に向けて高速で流れる一方、
(b)「反吸引方向」へ向かう液体Wの流れが遮断されるか、または、制限される、
ように構成されている。
このため、本実施形態では、「挿入体20等」を、所定の速度で管路PLの吸引端部PLbに向けて移動させていくだけで、管路PLの口径や配管形状のいかんにかかわらず、管路PL内(伏越し部PU)に滞留する液体Wを、管路PL外(エジェクタ装置12の排水槽)に効果的に排出することが可能である。
また、本実施形態では、間隙Gを介して負圧空気SAを流すだけで、その流速を飛躍的に増加させることができるため、吸引装置10(コンプレッサ11およびエジェクタ装置12)の吸引能力を十分に抑えることが可能である。
さらに、本実施形態では、挿入体20が比重の小さい部材(比重が0未満の部材)で形成されているため、吸引装置10の吸引能力を必要以上に高めることなく、挿入体20を「吸引方向」に向けて円滑に移動させることができる。
以上より、本実施形態にかかる液体排出システム1は、比較的吸引能力の低い吸引装置10であっても、管路PLに滞留する液体Wを効果的に排出することができるものといえる。
なお、上記実施形態では、「挿入体20等」に通線材21を取り付けたものを例示したが(図2および図4等参照)、これに加えて、管路PL内の状況を撮像することが可能な管内視カメラ43(例えば、照明付きの防水カメラ)を取り付けることも可能である(図8(a)参照)。この場合、管内視カメラ43やカメラケーブル44を、公知のビニルテープや結束バンド等を用いて通線材21に結束すればよい。
また、上記各実施形態では、耐圧ホース32を管路PL(吸引端部PLb)に直接接続することによって、管路PL内が負圧吸引されるように構成したが、これに限られるものではない。
例えば、管路PL内に挿入可能な耐圧ホース45(吸引ホース)を、連結部材46(例えば、金属製のコイル材)を介して、「挿入体20等」に取り付けることも可能である(図8(b)参照)。
この場合、耐圧ホース45のもう一方の端部を吸引装置10に接続したうえ、例えば、
(a)まず、「挿入体20等」を図1中の吸引端部PLbから挿入して開放端部PLaまで移動させる、
(b)次に、吸引装置10を作動する、
(c)その後、「挿入体20等」を開放端部PLaから吸引端部PLbまで徐々に移動させる、
といった作業をおこなえばよい。
さらに、上記各実施形態では、負圧吸引する装置として、コンプレッサ11およびエジェクタ装置12を用いたが、他の装置、例えば、負圧空気SAを発生させることが可能な負圧ポンプを用いてもよい。
また、上記各実施形態では、管路PL内に存在する液体Wを、負圧吸引するように構成したが、加圧空気を用いて圧送するように構成することも可能である。
例えば、このような構成は、
・吸引装置10を、加圧空気を生成することが可能な加圧装置(例えば、加圧ポンプ)に変更する、
・図1中の吸引端部PLb(または、加圧装置と図1中の吸引端部PLbとを接続する耐圧ホース32)に、「挿入体20等」を挿入するための挿入口を設ける、
ことによって実現することが可能である。
この場合、例えば、
(a)まず、加圧装置と図1中の吸引端部PLbとを耐圧ホース32で接続する、
(b)「挿入体20等」を挿入口から挿入する、
(c)加圧装置を作動させる、
(d)その後、挿入口から挿入された「挿入体20等」を開放端部PLaまで徐々に移動させながら、管路PL内に滞留する液体Wを開放端部PLaから排出させる、
といった作業をおこなえばよい。
さらに、この構成の変形例として、上記図8(b)に示す例のごとく、連結部材46を介して耐圧ホース45を「挿入体20等」に取り付けることも可能である。
この場合、耐圧ホース45のもう一方の端部を加圧装置に接続したうえ、
(a)図1中の吸引端部PLbから「挿入体20等」を挿入する、
(b)加圧装置を作動させる、
(c)その後、「挿入体20等」を開放端部PLaまで徐々に移動ながら、管路PL内に滞留する液体Wを開放端部PLaから排出させる、
といった作業をおこなえばよい。
なお、上記何れの構成(加圧装置を用いた変形例)においても、「挿入体20等」に管内視カメラ43を取り付けることも可能である(図8(a)参照)。
また、上記各実施形態では、「挿入体20等」を断面円状に形成したが、その他の形状、例えば、断面楕円状や断面多角状に形成してもよい。
さらに、上記各実施形態では、「挿入体20等」の外周面を断面湾曲状に形成したが、例えば、波状やジグザグ状に形成することも可能である。
また、本実施形態では、「挿入体20等」を、比重の比較的小さい部材で形成したが、これに限られず、比重の比較的重い部材(例えば、比重が0以上のゴム製の部材)で形成してもよい。
また、上記各実施形態では、管路PL内の液体Wを外部に排出する気体として、空気を用いたが、他の気体(例えば、窒素)であってもよい。
さらに、上記各実施形態では、液体排出システム1を、ポリエチレン製の部材からなる管路PLに用いたが、その他の部材からなる管路(例えば、鉄管、鋳鉄管および塩ビ管により構成される管路)に用いることも可能である。
また、上記各実施形態では、液体排出システム1を、可燃性ガスが流通する管路PLに用いたが、他の流体(例えば、空気、水および油)が流通する管路や、流体が流通しない管路(例えば、電線管)に用いてもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述および図面により、本発明は限定されるものではない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実例および運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれることはもちろんであることを付け加えておく。
1 液体排出システム
10 吸引装置
11 コンプレッサ
12 エジェクタ装置
20,120,120´ 挿入体
20a 円柱部
20b 湾曲部
21,22 通線材
31,32 耐圧ホース
33 蓋体
43 管内視カメラ
44 カメラケーブル
45 耐圧ホース
46 連結部材
PL 管路
PLa 開放端部
PLb 吸引端部
PU 伏越し部
PUa 底管部
PUb 立ち上げ管部
PS 横引き管部
H 高さ
L 長さ
W 液体
G 間隙
S1,S2 立坑
SA 負圧空気

Claims (7)

  1. 管路の内部に存在する液体を前記管路の外部に排出する液体排出システムであって、
    前記管路の内部に挿入可能な挿入体と、
    前記管路の内部に気体を流通させて前記液体を前記管路の外部に排出させる気体流通装置と、を備え、
    前記挿入体は、
    前記管路の内面との間で間隙を形成する周面を有し、
    前記管路の内部を前記気体の流通方向に沿って移動自在に構成され、
    前記間隙は、
    前記気体流通装置によって前記管路の内部に前記気体を流通させている状態で、前記流通方向への前記気体の流通を許容するとともに、前記流通方向とは反対方向への前記液体の逆流を阻止または制限する大きさに設定されている、
    ことを特徴とする液体排出システム。
  2. 前記挿入体は、少なくとも円柱状に形成された円柱部を有することを特徴とする請求項1に記載の液体排出システム。
  3. 前記挿入体は、球状または楕円球状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体排出システム。
  4. 前記挿入体は、複数設けられ、互いに所定の間隔を空けて連設されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の液体排出システム。
  5. 前記気体流通装置は、前記気体を前記挿入体とともに吸引することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の液体排出システム。
  6. 前記気体流通装置は、前記気体を前記挿入体とともに圧送することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の液体排出システム。
  7. 管路の内部に存在する液体を液体排出システムを用いて前記管路の外部に排出する液体排出方法であって、
    前記管路の内部に挿入体を挿入する挿入体挿入工程と、
    前記管路の内部に気体を流通させる気体流通装置を用いて前記液体を前記管路の外部に排出する液体排出工程と、を含み、
    前記挿入体は、
    前記管路の内面との間で間隙を形成する周面を有し、
    前記管路の内部を前記気体の流通方向に沿って移動自在に構成され、
    前記間隙は、
    前記液体排出工程をおこなっている状態で、前記流通方向への前記気体の流通を許容するとともに、前記流通方向とは反対方向への前記液体の逆流を阻止または制限する大きさに設定されている、
    ことを特徴とする液体排出方法。
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