JP2020100536A - ガラス物品製造装置及びガラス物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストを抑えつつ、耐火物の浸食を抑制し、装置の迅速な立ち上げを可能とし、かつ、泡の少ないガラス物品を得られるガラス物品製造装置の提供。【解決手段】ガラス原料Mを溶融して溶融ガラスGを生成する溶融炉3と、前記溶融炉にて生成された溶融ガラスGが流れるスロート5とを有するガラス物品製造装置1であって、前記溶融炉3と前記スロート5は、ジルコニア酸化物を含有する耐火物で構成されており、前記スロート5を構成する耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合は、前記溶融炉3を構成する耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合よりも高いことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、ガラス物品製造装置及びガラス物品の製造方法に関する発明である。
周知のように、ガラス物品は、珪砂、石灰石、ソーダ灰、カレット等を調合、混合したガラス原料をガラス溶融炉(以下、単に「溶融炉」とも称する)で加熱溶融して溶融ガラスとし、この溶融ガラスを成形装置で所望の形状に成形することによって製造される。溶融温度はガラスの組成(品種)等によって異なるが、例えば、約1500℃と極めて高温である。この溶融ガラスを生成するための設備としては、特許文献1に開示されているようなガラス溶融炉が広く採用されるに至っている。
溶融炉は、耐火煉瓦等の耐火物で構成されており、溶融炉の側方に位置する側壁部には、溶融ガラスを生成するためのバーナーや電極等が設置される。
そして、溶融炉で生成された溶融ガラスは、溶融炉よりも狭い空間領域を形成するスロートを経由して、成形装置に供給される。なお、スロートについても、溶融炉と同様に、耐火煉瓦等の耐火物で構成されている。
ところで、溶融ガラスの温度が1500℃以上と非常に高い温度となる場合、溶融炉及びスロートを構成する耐火物は高熱によって浸食されやすくなる。そのため、特許文献2に開示されているように、耐熱性の高い高ジルコニア耐火物(以下、「高ZrO2耐火物」とも称する)が溶融炉及びスロートを形成する耐火物として用いられる。また、高ZrO2耐火物を用いることにより、溶融時に溶融ガラス中に発生する泡の量を減らすことができるという利点もある。
しかしながら、高ZrO2耐火物は、高価であるというコスト上の問題がある。また、高ZrO2耐火物は、低温領域から高温領域までの急激な昇温時において割れやすく、ガラス物品製造装置の立ち上げの際(稼働開始時)に、昇温速度を急激に上げられないという問題があった。
そこで、本発明の課題は、コストを抑えつつ、耐火物の浸食を抑制し、装置の迅速な立ち上げを可能とし、かつ、泡の少ないガラス物品を得られるガラス物品製造装置を提供することにある。
上記課題を解決するために創案された本発明に係るガラス物品製造装置は、ガラス原料を溶融して溶融ガラスを生成する溶融炉と、前記溶融炉にて生成された溶融ガラスが流れるスロートとを有するガラス物品製造装置であって、前記溶融炉と前記スロートは、ジルコニア酸化物を含有する耐火物で構成されており、前記スロートを構成する耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合は、前記溶融炉を構成する耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合よりも高いことを特徴とする。
このような構成によれば、溶融炉及びスロートを構成する耐火物がジルコニア酸化物を含むため、高熱に曝されても浸食しにくいガラス物品製造装置を得ることができる。また、溶融炉を構成する耐火物のジルコニア酸化物の質量割合を、スロートを構成する耐火物のジルコニア酸化物の質量割合よりも低くしているため、コストを抑えつつ、泡の少ないガラス物品が得られる。さらに、ガラス物品製造装置の立ち上げ時に急激に昇温される溶融炉において、ジルコニア酸化物の含有量を少なくした耐火物を用いるため、耐火物が割れにくく、装置の立ち上げを迅速に行うことができる。
上記の構成において、前記スロートを構成する耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合は、90質量%以上であることが好ましい。
ジルコニア酸化物の質量割合が90質量%以上の耐火物は、高熱時においても浸食性に優れているため、浸食しにくいガラス物品製造装置を得ることができる。
上記の構成において、前記溶融炉を構成する耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合は、10質量%以上、95質量%未満であることが好ましい。
ジルコニア酸化物の質量割合が10質量%以上の耐火物は高熱時においても浸食性に優れかつ溶融ガラス中の発泡を抑制する観点から好ましく、ジルコニア酸化物の質量割合が95質量%未満の耐火物は、ガラス物品製造装置の立ち上げの際に溶融炉内に生じる急激な温度上昇に起因した耐火物の割れの抑制と耐火物に要するコストの抑制の観点から好ましい。
上記の構成において、前記溶融炉にて生成された溶融ガラスに含まれる泡を除去する清澄炉を有し、前記清澄炉を構成する耐火物が、前記スロートを構成する耐火物とは異なる耐火物であることが好ましい。
清澄炉を有することにより、清澄炉にて溶融ガラスに含まれる泡を除去することができるため、ガラス物品に含まれる泡をより減らすことができる。また、清澄炉は、前記スロートを構成する耐火物とは異なる耐火物により構成されているため、耐火物のコストを下げることも可能となる。
上記の構成において、前記成形装置は、管ガラス成形装置であることが好ましい。
管ガラスに泡が含まれることでガラス物品の品質が大きく低下するため、本発明により、品質の良い管ガラスを製造することができる。
上記課題を解決するために創案された本発明に係るガラス物品の製造方法は、上記のガラス物品製造装置によりガラス物品を製造することを特徴とする。
このような方法によれば、上記のガラス物品製造装置に係る説明で、これに対応する構成について既に述べた事項と同一の作用・効果を得ることが可能である。
本発明によれば、コストを抑えつつ、耐火物の浸食を抑制し、装置の迅速な立ち上げを可能とし、かつ、泡の少ないガラス物品を得られるガラス物品製造装置及びガラス物品の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
図1に基づいて、本発明の実施形態に係るガラス物品製造装置1の側面視における全体構成を説明する。本実施形態においては、ガラス物品は管ガラスである。ガラス物品製造装置1は、ガラス原料Mをガラス物品製造装置1内に供給する原料供給装置2と、ガラス原料Mを溶融する溶融炉3と、溶融炉3で生成された溶融ガラスGから泡を除去する清澄炉4と、清澄炉4で泡が除去された溶融ガラスGが流れるスロート5と、スロート5を流れた溶融ガラスGを、成形装置7に供給するフィーダー6と、溶融ガラスGを管状に成形してガラス物品を製造する成形装置7とを有する。
原料供給装置2は、ガラス原料Mを貯蔵するとともに、原料を排出可能に構成された原料ホッパー21を備える。ガラス原料Mは、原料ホッパー21の上端より供給され、原料ホッパーの21の下端より、貯蔵されたガラス原料Mが排出される。なお、ガラス原料Mの排出量は、図示しないコンピューターにより自動制御される。なお、図1では、2個の原料ホッパー21のみ記載されているが、3個以上の原料ホッパー21を有していてもよく、1個の原料ホッパー21を備えていてもよい。なお、2個以上の原料ホッパー21を有する場合、原料ホッパー21毎に異なるガラス原料が貯蔵されており、管ガラスのガラス組成に応じて各原料ホッパー21の排出量を調整することができる。
原料ホッパー21の下部には、原料ホッパー21より排出されたガラス原料Mを受け取るとともに、原料Mを溶融炉3まで搬送するコンベア22が配設されている。コンベア22は、図1のように、複数の原料ホッパー21から排出されたガラス原料Mを受け取るようにしてもよいし、原料ホッパー21の数に対するコンベア22を設けてもよい。
溶融炉3の底部31a、天井部31b、及び側面31cは耐火物(以下、「第一耐火物」とも記載する)により構成されている。また、側面31cの一部には開口が設けられ、当該開口より、原料Mが供給される。また、溶融炉3の底部31aより、複数本の発熱体32が、天井部31b側に向けて伸びている。発熱体32に電気を通電することにより、発熱体32が最大で1800℃程度まで加熱される。このことにより、溶融炉3に供給された原料Mを加熱して、溶融ガラスGを生成する。
なお、発熱体32は、天井部31aや側面31cより伸びていてもよい。例えば、発熱体32が側面31cより伸びる場合、電気を通電して加熱する以外にも、バーナーによって加熱することができる。本実施形態において、発熱体32により溶融ガラスGが1500℃まで加熱される。
なお、発熱体32は、天井部31aや側面31cより伸びていてもよい。例えば、発熱体32が側面31cより伸びる場合、電気を通電して加熱する以外にも、バーナーによって加熱することができる。本実施形態において、発熱体32により溶融ガラスGが1500℃まで加熱される。
また、溶融炉3を構成する第一耐火物としては、例えば、煉瓦、不定形耐火物等が挙げられる。本実施形態において、溶融炉3を構成する第一耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合は10質量%以上である。ジルコニア酸化物を10質量%以上含む第一耐火物は、原料Mの加熱による熱によって浸食されにくい。そのため、長期間にわたって溶融炉3を使用できる。また、第一耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合が10質量%以上であると、溶融ガラスGに含まれる泡の量を減らすことができる。なお、ジルコニア酸化物の質量割合は、20質量%以上であることがより好ましい。
また、本実施形態において、第一耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合は95質量%未満である。ガラス物品製造装置1の立ち上げを行う場合、立ち上げ前の低い温度から1500℃までの急激な温度変化に耐火物が曝されると耐火物が割れやすくなり、特に、耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合が高いと、上記の割れの傾向が顕著になる。ジルコニア酸化物の質量割合が95質量%未満の耐火物を用いることは、このような問題の発生を抑制する観点から好ましい。
スロート5の底部51a、及び天井部51bは耐火物(以下、溶融炉3の第一耐火物と区別するために、「第二耐火物」とも記載する。)により構成されている。そして、清澄炉4の側面31cに設けられた開口を通じて、スロート5と清澄炉4とが連結してある。スロート5の高さは、溶融炉3及び清澄炉4の高さよりも低く、溶融炉3及び清澄炉4の溶融ガラスGの液面よりも低い。そのため、スロート5は、溶融ガラスGにより充満されている。
また、スロート5を構成する第二耐火物としては、例えば、煉瓦、不定形耐火物等が挙げられる。本実施形態において、第二耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合が90質量%以上である。ジルコニア酸化物を90質量%以上含む耐火物は、溶融ガラスGの熱によって浸食されにくい。そのため、長期間にわたってスロート5を使用できる。また、耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合が90質量%以上であると、溶融ガラスGに含まれる泡の量を減らすことができる。なお、ジルコニア酸化物の質量割合は、92質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
なお、本実施形態において、スロート5を構成する第二耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合は、溶融炉3の第一耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合よりも高い。耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合が高いと、熱により浸食されにくくなるものの、ガラス物品製造装置1の立ち上げ時等の急激な温度上昇に曝されると割れやすくなる。特に、溶融炉3の温度は、スロート5に比較して急激に変化しやすいため、溶融炉3を構成する第一耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合を、スロート5を構成する二耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合よりも低くすることにより、溶融炉3の第一耐火物が割れるのを抑制することができる。また、スロート5は、溶融炉3と比較して熱により浸食されやすい傾向にあることから、スロート5を構成する第二耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合を、溶融炉3を構成する第一耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合よりも高くすることにより、スロート5の熱による浸食を効率的に抑制することができる。
清澄炉4の底部41a、天井部41b、及び側面41cは耐火物(以下、溶融炉3の第一耐火物及びスロート5の第二耐火物と区別するために、「第三耐火物」とも記載する。)により構成されている。また、側面41cの一部及び溶融炉3の側面31cの一部には開口が設けられ、この開口によって、溶融炉3と清澄炉4とが連結されており、溶融炉3から清澄炉4に溶融ガラスGが供給される。また、清澄炉4内には、溶融ガラスGを攪拌して溶融ガラスGに含まれる泡を除去するスターラ42が設けられる。スターラ42は、貴金属等の耐熱性の材料により構成されている。なお、清澄炉4は、図示しない清澄剤投入部より、酸化スズや、不活性ガスを投入して溶融ガラスGを清澄してもよい。
また、清澄炉4を構成する第三耐火物としては、例えば、煉瓦、不定形耐火物等が挙げられる。本実施形態において、第三耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合は10質量%以上である。ジルコニア酸化物を10質量%以上含む耐火物は、溶融ガラスGの熱によって浸食されにくい。そのため、長期間にわたって清澄炉4を使用できる。また、第三耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合が10質量%以上であると、溶融ガラスGに含まれる泡の量を減らすことができる。なお、ジルコニア酸化物の質量割合は、20質量%以上であることがより好ましくい。
フィーダー6は、スロート5と連結しており、スロート5より溶融ガラスGが供給される。フィーダー6の内部は、耐火物や貴金属等により構成されている。フィーダー6の溶融ガラスGは、後述する成形装置7に供給されるように、スロート5の反対側は開放されている。
成形装置7は、フィーダー6より排出された溶融ガラスGを管状に成形する。フィーダー6の下方には、耐火物により形成された略円柱状のスリーブ71が配置されており、スリーブ71は、円柱状の延伸方向に沿った軸を中心に回転可能に構成されており、当該軸に沿って空気を噴射するように構成されている。空気を噴射しつつ回転し、そしてスリーブ71上に溶融ガラスGが供給されることにより、管ガラスTが成形される。また、溶融ガラスGやフィーダー6内部が急激に冷えないようにするため、フィーダー6及びスリーブ71は、マッフル炉72内に収容されており、マッフル炉72の内部は数百℃に加熱される。
このようにして成形された管ガラスTは、後の工程で切断、洗浄等が行われる。
次に、当該ガラス物品製造装置1を用いたガラス物品(管ガラスT)の製造方法について説明する。
まず、原料Mが投入される前のガラス物品製造装置1の温度を、常温から1000℃以上まで昇温する。昇温後、溶融炉3に原料Mを投入し、原料Mを溶融し、溶融ガラスGを生成する。溶融炉3で溶融ガラスGが生成したのち、溶融ガラスGは、清澄炉4まで流れる。溶融ガラスGは、清澄炉4にて清澄される。その後、清澄された溶融ガラスGは、スロート5を経由してフィーダー6にまで流れる。そして、溶融ガラスGは、フィーダー6からスリーブ71上に供給され、スリーブ71により管状に成形された管ガラスTとなる。
なお、本実施形態では、成形装置7は管ガラスの成形装置であったが、板ガラス等の成形装置であってもよい。また、清澄炉4はなくてもよい。
1…ガラス物品製造装置
3…溶融炉
4…清澄炉
5…スロート
3…溶融炉
4…清澄炉
5…スロート
Claims (6)
- ガラス原料を溶融して溶融ガラスを生成する溶融炉と、
前記溶融炉にて生成された溶融ガラスが流れるスロートとを有するガラス物品製造装置であって、
前記溶融炉と前記スロートは、ジルコニア酸化物を含有する耐火物で構成されており、前記スロートを構成する耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合は、前記溶融炉を構成する耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合よりも高い、
ガラス物品製造装置。 - 前記スロートを構成する耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合は、90質量%以上である、
請求項1に記載のガラス物品製造装置。 - 前記溶融炉を構成する耐火物に含まれるジルコニア酸化物の質量割合は、10質量%以上、95質量%未満である、
請求項2に記載のガラス物品製造装置。 - 前記溶融炉にて生成された溶融ガラスに含まれる泡を除去する清澄炉を有し、
前記清澄炉を構成する耐火物が、前記スロートを構成する耐火物とは異なる耐火物である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス物品製造装置。 - 前記成形装置は、管ガラス成形装置である、
請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラス物品製造装置。 - 請求項1〜5に記載のガラス物品製造装置によりガラス物品を製造するガラス物品の製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP2018240717A JP2020100536A (ja) | 2018-12-25 | 2018-12-25 | ガラス物品製造装置及びガラス物品の製造方法 |
| PCT/JP2019/034828 WO2020137011A1 (ja) | 2018-12-25 | 2019-09-04 | ガラス物品製造装置及びガラス物品の製造方法 |
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| WO (1) | WO2020137011A1 (ja) |
Citations (4)
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2018
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-
2019
- 2019-09-04 WO PCT/JP2019/034828 patent/WO2020137011A1/ja not_active Ceased
Patent Citations (4)
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