JP2020121310A - フッ化水素酸と硝酸の回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ケイフッ化水素酸を多く含むフッ硝酸廃液から、工業的規模の実施においても、効率よく、有価物であるフッ化水素酸、硝酸の両方を高純度で回収し、更にはケイフッ化水素酸からフッ化水素酸塩及びシリカを製造する方法を提供する。
【解決手段】 ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液と硝酸塩とを接触させ、ケイフッ化水素酸塩を析出させ、固液分離にて該ケイフッ化水素酸塩を分離し、得られる残液を蒸留塔に供給し、硫酸の存在下でフッ化水素酸と硝酸とを分離し、それぞれ回収する、フッ化水素酸と硝酸の回収方法。
【選択図】図1
【解決手段】 ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液と硝酸塩とを接触させ、ケイフッ化水素酸塩を析出させ、固液分離にて該ケイフッ化水素酸塩を分離し、得られる残液を蒸留塔に供給し、硫酸の存在下でフッ化水素酸と硝酸とを分離し、それぞれ回収する、フッ化水素酸と硝酸の回収方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体洗浄廃液に代表される、ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液(フッ化水素酸と硝酸の混合液)から、フッ化水素酸および硝酸を分離回収する方法に関し、より詳細には、ケイフッ化水素酸の固定化反応濾液から蒸留法にてフッ化水素酸、硝酸を回収すると共に、固定化反応物のケイフッ化水素酸塩からシリカ、フッ化水素酸塩を並行して分離回収する方法に関するものである。
近年、半導体や太陽電池関係のシリコンを基材とする産業分野において、シリコンの洗浄や加工にフッ硝酸が多量に使用されている。それに伴い、フッ硝酸廃液が増加しており、環境問題や資源回収の観点から、その廃液を原料としてフッ化水素酸および硝酸を回収する方法の開発が求められている。
前述したシリコンの洗浄やエッチングのような加工を行うため、濃度50wt%程度のフッ化水素酸(HF)と濃度70wt%程度の硝酸(HNO3)を混合し、適当な濃度に調整されたフッ硝酸が使用されている。そして、使用された後のフッ硝酸廃液中には、フッ硝酸とシリコンが反応して生成したケイフッ化水素酸(H2SiF6)が多く含まれている。具体的には、使用後のフッ硝酸廃液はフッ化水素酸、硝酸、ケイフッ化水素酸水溶液で形成されている。
本発明は、このような廃液を原料として、フッ化水素酸および硝酸の両方を、再利用可能な初期の濃度(それぞれ約50wt%と約70wt%)で回収するとともに、ケイフッ化水素酸も再利用可能な形態に変換する方法に関する。ここで、シリコン洗浄・加工に用いられるフッ硝酸の典型的な組成は、フッ化水素酸30wt%、硝酸28wt%であり、この組成を調製するためには、濃度50wt%程度のフッ化水素酸と70wt%程度の硝酸が必要であり、本発明ではこのような濃度のフッ化水素酸と硝酸を回収することを目的としている。従来の技術では、ケイフッ化水素酸を含まないフッ化水素酸と硝酸の混合液からそれぞれを分離回収することは困難である。例えば特許文献1では蒸留法による回収方法が開示されているが、「硝酸−フッ化水素酸−水の3成分系では共沸混合物が生成し、各酸が共に所望濃度に濃縮することができない」と記載されており、各酸を高純度で分離回収できない。これに対し、特許文献2では、フッ硝酸液に金属塩を添加することで、各成分の気液平衡を変化させ、蒸留法でフッ化水素酸を分離する方法が開示されているが、回収されたフッ化水素酸の純度は低く、また、硝酸は回収できない問題がある。さらに本発明の課題となるケイフッ化水素酸が含まれるフッ硝酸液では、フッ化水素酸、硝酸、ケイフッ化水素酸の3成分が相互に干渉しあい複雑な気液平衡状態を形成するため蒸留分離はいっそうに困難になり、特許文献3,4に開示されている方法でも、硝酸だけが回収されている。一方、特許文献5では、炭素数8〜12のアルコールの酢酸エステル及び正リン酸エステルを抽剤に用い、酢酸、硝酸、フッ化水素酸の順に抽出する方法が開示されているが、それぞれの成分の剥離回収工程に大量の水を使用することや、硝酸を有機物である正リン酸エステルで抽出するので硝酸との混触危険性が考えられ、商業的なプロセスにおいては得策とは言い難い。
本発明の課題は、ケイフッ化水素酸を多く含むフッ硝酸廃液から、工業的規模の実施においても、効率よく、有価物であるフッ化水素酸、硝酸の両方を高純度で回収し、更にはケイフッ化水素酸からフッ化水素酸塩及びシリカを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意研究した結果、フッ化水素酸、硝酸混合液に濃硫酸を添加すると、フッ化水素酸と硝酸の気液平衡が大きく変化し、気相組成がフッ化水素酸側に大きくシフトすることを発見し、更に気液平衡は硫酸添加量にも大きく影響していることを見出した。
本発明によれば、まず、フッ硝酸廃液中のケイフッ化水素酸を硝酸塩と接触させ(固定化反応と言う)、固体として廃液から析出除去し、残ったフッ化水素酸、硝酸混合液から精留により、高濃度フッ化水素酸と高濃度硝酸を得ることが可能となった。
以下、本発明について実施形態及び例示物(図1、2)を示して詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施することができる。
<原料>
本発明の原料となるケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液中のケイフッ化水素酸、フッ化水素酸、硝酸および水の含有量は、特に限定されないが、以下の通りである。ケイフッ化水素酸は、1〜30wt%が好ましく、より好ましくは、5〜15wt%である。フッ化水素酸は、5〜40wt%が好ましく、より好ましくは、20〜40wt%である。硝酸の含有量は、10〜50wt%が好ましく、より好ましくは、20〜40wt%である。水は、30〜65wt%が好ましく、より好ましくは、35〜45wt%である。また、本発明の分離回収プロセスに実質影響を与えない程度の含有量で上記以外の成分が含まれてもかまわない。
<原料>
本発明の原料となるケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液中のケイフッ化水素酸、フッ化水素酸、硝酸および水の含有量は、特に限定されないが、以下の通りである。ケイフッ化水素酸は、1〜30wt%が好ましく、より好ましくは、5〜15wt%である。フッ化水素酸は、5〜40wt%が好ましく、より好ましくは、20〜40wt%である。硝酸の含有量は、10〜50wt%が好ましく、より好ましくは、20〜40wt%である。水は、30〜65wt%が好ましく、より好ましくは、35〜45wt%である。また、本発明の分離回収プロセスに実質影響を与えない程度の含有量で上記以外の成分が含まれてもかまわない。
<ケイフッ化水素酸の固定化 図1>
ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液を、そのまま蒸留にかけると、フッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、水は共沸組成を形成するため、蒸留による分離は極めて困難となる。本発明では、予め、ケイフッ化水素酸は除去しておくため、硝酸塩にて難溶性のケイフッ化水素酸塩に転換し(固定化反応)、固形物として析出させ、それを分離、回収する。すなわち、ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液と硝酸塩とを接触させることにより、下記式(1)のように、ケイフッ化水素酸を硝酸塩と反応させ、ケイフッ化水素酸塩と硝酸を生成することができる(式(1)では、硝酸カリウムの例を挙げる)。
ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液を、そのまま蒸留にかけると、フッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、水は共沸組成を形成するため、蒸留による分離は極めて困難となる。本発明では、予め、ケイフッ化水素酸は除去しておくため、硝酸塩にて難溶性のケイフッ化水素酸塩に転換し(固定化反応)、固形物として析出させ、それを分離、回収する。すなわち、ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液と硝酸塩とを接触させることにより、下記式(1)のように、ケイフッ化水素酸を硝酸塩と反応させ、ケイフッ化水素酸塩と硝酸を生成することができる(式(1)では、硝酸カリウムの例を挙げる)。
H2SiF6 + 2KNO3 → K2SiF6 ↓ + 2HNO3 ・・・(1)
硝酸塩としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウム等が挙げられるが、生じるケイフッ化水素酸塩の溶解度が最も低い硝酸カリウムの使用が好ましい。
本発明にケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液に接触させる硝酸塩の量は、特に限定されないが、好ましくは、ケイフッ化水素酸の1モルに対し、2モル以上であることが好ましく、更に好ましくは、3モル以上が望ましい。過剰の硝酸塩はこの後の工程で硝酸を蒸留分離(第四蒸留塔)して、再度、リサイクル使用することが経済上好ましい。
硝酸塩としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウム等が挙げられるが、生じるケイフッ化水素酸塩の溶解度が最も低い硝酸カリウムの使用が好ましい。
本発明にケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液に接触させる硝酸塩の量は、特に限定されないが、好ましくは、ケイフッ化水素酸の1モルに対し、2モル以上であることが好ましく、更に好ましくは、3モル以上が望ましい。過剰の硝酸塩はこの後の工程で硝酸を蒸留分離(第四蒸留塔)して、再度、リサイクル使用することが経済上好ましい。
ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液と硝酸塩との接触の態様は、特に限定されないが、回分式の場合、硝酸塩水溶液を敷液下、ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液を滴下させる方法が好ましい。更に好ましくは、硝酸塩水溶液を撹拌しながら、ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液を滴下する方法である。反応装置としては、温度制御のためのジャケット付き撹拌槽が好ましい。(図1の(1))。
ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液と硝酸塩との接触の温度としては、僅かな吸熱反応を示すため、35℃以下で反応するのが経済的に望ましい。ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液と硝酸塩との接触で析出したケイフッ化水素酸塩は、固液分離によりケイフッ化水素酸塩と、フッ化水素酸および硝酸を含む液に分離される。固液分離方法としては、濾過、遠心分離等が挙げられる(図1の(2))。固液分離で得られた濾液は、蒸留分離工程の第一蒸留塔(図1)へ送られる。一方、固体のケイフッ化水素酸塩は、必要に応じて乾燥し(図1の(3))、次工程のシリカ及びフッ化水素酸塩製造工程(図2)へと供給される。
<蒸留分離工程 図1>
次に、フッ硝酸の蒸留分離工程について説明する(図1)。
ケイフッ化水素酸塩を分離して得られた濾液中(図1の濾液A)には、フッ化水素酸、硝酸及び過剰の硝酸塩が含まれているので、還流器付第一蒸留塔に供給することで、塔頂より硝酸を数パーセン含む約30wt%のフッ化水素酸を得ることができる。蒸留塔の理論段数は、10段以上が好ましく、より好ましくは20〜40段である。還流比は、1以上が好ましく、より好ましいのは3以上である。蒸留方法は、回分式でも連続式でもよいが、回分式では適宜、還流比を変更しながら蒸留することとなる。
次に、フッ硝酸の蒸留分離工程について説明する(図1)。
ケイフッ化水素酸塩を分離して得られた濾液中(図1の濾液A)には、フッ化水素酸、硝酸及び過剰の硝酸塩が含まれているので、還流器付第一蒸留塔に供給することで、塔頂より硝酸を数パーセン含む約30wt%のフッ化水素酸を得ることができる。蒸留塔の理論段数は、10段以上が好ましく、より好ましくは20〜40段である。還流比は、1以上が好ましく、より好ましいのは3以上である。蒸留方法は、回分式でも連続式でもよいが、回分式では適宜、還流比を変更しながら蒸留することとなる。
第一蒸留塔で留出した留出液(塔頂液)は、硫酸と混合され、第二蒸留塔へ供給することで、塔頂より濃度数wt%の硝酸を含む濃度50wt%以上のフッ化水素酸(本発明の目的物)を留出させることができる。蒸留塔の理論段数は、10段以上が好ましく、より好ましくは20〜40段である。還流比は、1以上が好ましく、より好ましいのは3以上である。硫酸添加後の蒸留塔供給液硫酸濃度は、45wt%以上が好ましく、より好ましくは60wt%以上である。第二蒸留塔供給液中の硫酸濃度によって、気相中のフッ化水素酸濃度がフッ化水素酸側に大きくシフトするので、硫酸濃度と留出率を選択することによって、任意のフッ化水素酸濃度で留出させることできる。なお、硫酸を第一蒸留塔に添加しない理由は、ケイフッ化水素酸塩分離後の残液中には未反応の硝酸塩が含まれているため、硫酸添加では下記の反応(2)が起こり(カリウム塩の例を示す)、硝酸塩と硫酸の損失が起こるとともに、硫酸塩が系内へ蓄積し、運転上トラブルに繋がるので硝酸塩が存在しない系(第一蒸留塔塔頂液)に硫酸を添加した方が経済的に有利である。
KNO3 + H2SO4 → KHSO4 + HNO3 ・・・(2)
第二蒸留塔塔底液は、フッ化水素酸、硝酸及び硫酸を含んでいるため、還流器付第五蒸留塔へ供給することで、塔頂より希フッ化水素酸と希硝酸を回収し、必要に応じて一部をパージしたのち、ケイフッ化水素酸の固定化反応(図1の(1))へリサイクルされる。蒸留塔の理論段数は、10段以上が好ましく、より好ましくは20〜40段である。還流比は、1以上が好ましく、より好ましいのは3以上である。
第二蒸留塔塔底液は、フッ化水素酸、硝酸及び硫酸を含んでいるため、還流器付第五蒸留塔へ供給することで、塔頂より希フッ化水素酸と希硝酸を回収し、必要に応じて一部をパージしたのち、ケイフッ化水素酸の固定化反応(図1の(1))へリサイクルされる。蒸留塔の理論段数は、10段以上が好ましく、より好ましくは20〜40段である。還流比は、1以上が好ましく、より好ましいのは3以上である。
第五蒸留塔の塔底液は、希硫酸を含んでおり、濃縮槽(図1の(4))へ供給して水を留去し、槽底より75wt%以上の濃硫酸が排出され、第二蒸留塔供給液へリサイクルされる。希硫酸濃縮の圧力は、6.7kPa以下が好ましく、より好ましくは、3.3kPa以下である。加熱温度は、100℃以上が好ましく、より好ましくは、150℃以上である。槽底の硫酸濃度は、75wt%以上が好ましく、より好ましい濃度は85wt%以上である。
濃縮槽の形式としては、自然循環型、カランドリア型、強制循環型などの一般的な蒸発装置が使用できる。一方、第一蒸留塔塔底液は、硝酸のほかに低濃度のフッ化水素酸、及び過剰の硝酸塩を含んでおり、第三蒸留塔へ供給することで、塔頂より希硝酸を留出させ、必要に応じて一部をパージしたのち、ケイフッ化水素酸の固定化反応(図1の(1))へリサイクルされる。蒸留塔の理論段数は、10段以上が好ましく、より好ましくは20〜40段である。還流比は、1以上が好ましく、より好ましいのは3以上である。
第三蒸留塔塔底液中には高濃度硝酸と過剰の硝酸塩を含んでおり、第四蒸留塔へ供給することで、塔頂より65wt%以上の硝酸を留出させることができる(本発明の目的物)。第四蒸留塔塔底液は、過剰の硝酸塩及び極少量の硝酸を含んでおり、必要に応じて一部をパージして、ケイフッ化水素酸の固定化反応(図1の(1))へリサイクルされる。蒸留塔の理論段数は、10段以上が好ましく、より好ましくは20〜40段である。還流比は、1以上が好ましく、より好ましいのは3以上である。
<シリカ及びフッ化水素酸塩製造工程 図2>
この工程は、固定化反応で得られたケイフッ化水素酸塩をさらに産業上の有用性が高いシリカとフッ化水素酸塩に分解し、再利用しやすくするための処理工程である。なお、経済的理由などにより、ケイフッ化水素酸塩をそのまま再利用するプロセスも考えられる。この工程では、式(3)および(4)で例示するように、ケイフッ化水素酸塩をアルカリ性物質で分解処理を行う(カリウム塩の例を示す)。
この工程は、固定化反応で得られたケイフッ化水素酸塩をさらに産業上の有用性が高いシリカとフッ化水素酸塩に分解し、再利用しやすくするための処理工程である。なお、経済的理由などにより、ケイフッ化水素酸塩をそのまま再利用するプロセスも考えられる。この工程では、式(3)および(4)で例示するように、ケイフッ化水素酸塩をアルカリ性物質で分解処理を行う(カリウム塩の例を示す)。
K2SiF + 2K2CO3 → SiO2 + 6KF + 2CO2↑ ・・・・(3)
K2SiF6 + 4KOH → SiO2+ 6KF + 2H2O ・・・・(4)
アルカリ性物質としては、各種金属炭酸塩や水酸化物が使用できるが、なかでもNa、K塩が好ましく、さらには、生じるフッ化水素酸塩の水溶解度が高いK塩が好適である。
アルカリ/ケイフッ化水素酸塩の反応モル比は、4.00〜4.25が好ましく、より好ましくは、4.05〜4.20である。上限のモル比範囲を逸脱させると、下記の反応(4)が起こり、水溶性のケイ酸塩が生成し、シリカは得られないばかりではなく、フッ化水素酸塩の品質にも影響する。
K2SiF6 + 4KOH → SiO2+ 6KF + 2H2O ・・・・(4)
アルカリ性物質としては、各種金属炭酸塩や水酸化物が使用できるが、なかでもNa、K塩が好ましく、さらには、生じるフッ化水素酸塩の水溶解度が高いK塩が好適である。
アルカリ/ケイフッ化水素酸塩の反応モル比は、4.00〜4.25が好ましく、より好ましくは、4.05〜4.20である。上限のモル比範囲を逸脱させると、下記の反応(4)が起こり、水溶性のケイ酸塩が生成し、シリカは得られないばかりではなく、フッ化水素酸塩の品質にも影響する。
SiO2 + 2KOH → K2SiO3 + H2O ・・・(4)
分解反応装置としては、温度制御のためのジャケット付き撹拌槽が好ましい(図2の(5))。接触方法はケイフッ化水素酸塩スラリーにアルカリ水溶液を滴下する方法が好ましく、逆の場合やモル比が上限を超えると、シリカの固着現象が起こり、シリカの取り出しができなくなる。ケイフッ化水素酸塩の水スラリー濃度は、30wt%以下が好ましく、より好ましいのは25wt%以下である。ケイフッ化水素酸塩のスラリー濃度が高いと、シリカの凝集固着が起こり、反応装置からシリカを取り出すことが困難となる。反応時間は、1時間以上が好ましく、より好ましいのは2時間以上である。アルカリ濃度は50wt%以下が好ましい。
分解反応装置としては、温度制御のためのジャケット付き撹拌槽が好ましい(図2の(5))。接触方法はケイフッ化水素酸塩スラリーにアルカリ水溶液を滴下する方法が好ましく、逆の場合やモル比が上限を超えると、シリカの固着現象が起こり、シリカの取り出しができなくなる。ケイフッ化水素酸塩の水スラリー濃度は、30wt%以下が好ましく、より好ましいのは25wt%以下である。ケイフッ化水素酸塩のスラリー濃度が高いと、シリカの凝集固着が起こり、反応装置からシリカを取り出すことが困難となる。反応時間は、1時間以上が好ましく、より好ましいのは2時間以上である。アルカリ濃度は50wt%以下が好ましい。
析出した粗シリカの固液分離法は、濾過または遠心分離(図2の(6))が好ましい。一方、固体側の粗シリカには、フッ化水素酸塩が付着しているので、熱水懸洗槽(図2の(7))に供給され、熱水で懸濁洗浄を行った後、濾過又は遠心分離(図2の(8))により固液分離することで、フッ化水素酸塩を溶解除去し、高純度のシリカを得ることができる。熱水懸洗温度は、80℃以上が好ましく、より好ましい95℃以上である。懸洗時シリカスラリー濃度は20wt%以下が好ましく、より好ましいのは10wt%以下である。懸洗時間は、0.5時間以上が好ましく、より好ましいのは1時間以上である。懸洗装置としては、温度制御のためのジャケット付き撹拌槽が好ましい(図2の(7))。
このようにして得られたフッ化水素酸塩を含む濾液は、減圧濃縮晶析槽(図2の(9))へ供給し、水を蒸発させる(濃縮)とフッ化水素酸塩が析出するため、濾過または遠心分離(図2の(10))で固液分離後、乾燥することで高純度フッ化水素塩を得ることができる。減圧濃縮晶析槽としては、温度制御のためのジャケット付き撹拌槽が好ましい(図2の(9))。フッ化水素酸塩の濃縮では内温を管理温度以上に上げないことが重要となる。管理温度以上に上げると、フッ化水素酸塩が凝集し、スラリーを形成しないばかりではなく、固着する場合がある。そのためには、減圧下において、内温を監視しながら、適宜圧力を調節して内温を上限値以下に保持することが重要となる。管理温度は80〜100℃、好ましくは85〜95℃である。特にフッ化カリウムの場合には、水への溶解度が約50wt%と大きく、60wt%以上に濃縮させないと、結晶の析出は起こらない。そうなると、濃縮と共に沸点上昇が起こり、内温が上昇、フッ化カリウムの凝集固着が発生する。固着現象を回避するには、減圧系で濃縮することで内温上昇防止を図る必要がある。圧力は、26.7kPa以下が好ましく、より好ましいのは13.3kPa以下である。
濃縮後のフッ化カリウム濃度は、65〜80wt%が好ましく、より好ましいのは70〜75wt%である。濾過温度は、40〜70℃が好ましく、より好ましいのは50〜60℃である。フッ化カリウム固液分離後の濾液は、高濃度のフッ化カリウムを含有しているので、粗シリカを固液分離して得られた濾液中にリサイクルされ、減圧濃縮晶析槽(図2の(9))へ供給される。
(実験例1)
攪拌機付フッ素樹脂製反応器に40wt%硝酸カリウム水溶液184gを仕込み温度30℃で撹拌下保持した。次に重量組成HF/HNO3/H2SiF6/水=25/25/7/43のフッ硝酸廃液500gをフッ素樹脂製滴下ロートに入れ、内温30℃を維持しながら反応器に滴下し、硝酸カリウムと反応させた。硝酸カリウムはケイフッ化水素酸のモル数に対して、3倍モルに相当する。滴下と同時に析出したケイフッ化水素酸カリウム塩を濾過、洗浄して回収した。回収されたケイフッ化水素酸カリウム量は53gで、そのうちフッ素、シリコンおよびカリウムの含有率分析値は、それぞれ51.9wt%、12.7wt%、35.5wt%でありケイフッ化水素酸カリウムの理論組成値に近い値を示した。なお、フッ素及び硝酸濃度はダイオニクス社製イオンクロマト装置(ICS-1500)、カリウム及びシリコン濃度はICP発光装置にて測定した。
攪拌機付フッ素樹脂製反応器に40wt%硝酸カリウム水溶液184gを仕込み温度30℃で撹拌下保持した。次に重量組成HF/HNO3/H2SiF6/水=25/25/7/43のフッ硝酸廃液500gをフッ素樹脂製滴下ロートに入れ、内温30℃を維持しながら反応器に滴下し、硝酸カリウムと反応させた。硝酸カリウムはケイフッ化水素酸のモル数に対して、3倍モルに相当する。滴下と同時に析出したケイフッ化水素酸カリウム塩を濾過、洗浄して回収した。回収されたケイフッ化水素酸カリウム量は53gで、そのうちフッ素、シリコンおよびカリウムの含有率分析値は、それぞれ51.9wt%、12.7wt%、35.5wt%でありケイフッ化水素酸カリウムの理論組成値に近い値を示した。なお、フッ素及び硝酸濃度はダイオニクス社製イオンクロマト装置(ICS-1500)、カリウム及びシリコン濃度はICP発光装置にて測定した。
<測定条件>
イオンクロマト装置
分析カラム:IonPacAG23(4mm×50mm)、IonPacAS23(4mm×250mm)
カラム温度:30℃、サプレッサー:ARRS-300 4mm、
溶離液 :4.5mmol/L Na2CO3, 0.8mmol/NaHCO3 流量:1.0ml/min
検出器 :電気伝導度検出器
ICP発光分析装置
Agilent製 ICP VISTAPRO、パワー:1.2kw
測定波長 Si:251.611n K:766.491nm
イオンクロマト装置
分析カラム:IonPacAG23(4mm×50mm)、IonPacAS23(4mm×250mm)
カラム温度:30℃、サプレッサー:ARRS-300 4mm、
溶離液 :4.5mmol/L Na2CO3, 0.8mmol/NaHCO3 流量:1.0ml/min
検出器 :電気伝導度検出器
ICP発光分析装置
Agilent製 ICP VISTAPRO、パワー:1.2kw
測定波長 Si:251.611n K:766.491nm
(実験例2)
第一精留塔
実験例1でケイフッ化水素酸カリウムを濾別した後の濾液組成の液(重量組成HF/HNO3/KNO3/水=19.8/24.6/3.9/51.6)と同様の組成の液を1500g調製して、フッ素樹脂製の撹拌槽、還流器を備えた回分式の常圧精留塔(直径26mm×高さ1200mmH、充填物:フッ素樹脂製ラシヒリング)を用いて、蒸留を実施した。塔底温度は115〜120℃、塔頂圧力は常圧の101.3kPaであり、還流比は3であった。調製した液量に対し、塔頂からの留出率63%時の留出液の混合液組成は重量組成でHF/HNO3/水=28.4/6.7/64.9であった。この時の精留塔の塔底に残った液組成は重量組成でHF/HNO3/KNO3/水=5.1/55.3/29.0/10.6であった。この時点で蒸留を終了した。
第一精留塔
実験例1でケイフッ化水素酸カリウムを濾別した後の濾液組成の液(重量組成HF/HNO3/KNO3/水=19.8/24.6/3.9/51.6)と同様の組成の液を1500g調製して、フッ素樹脂製の撹拌槽、還流器を備えた回分式の常圧精留塔(直径26mm×高さ1200mmH、充填物:フッ素樹脂製ラシヒリング)を用いて、蒸留を実施した。塔底温度は115〜120℃、塔頂圧力は常圧の101.3kPaであり、還流比は3であった。調製した液量に対し、塔頂からの留出率63%時の留出液の混合液組成は重量組成でHF/HNO3/水=28.4/6.7/64.9であった。この時の精留塔の塔底に残った液組成は重量組成でHF/HNO3/KNO3/水=5.1/55.3/29.0/10.6であった。この時点で蒸留を終了した。
(実験例3)
第二蒸留塔
実験例2で得られた留出液と同等の組成を持つ液を600g調整し、その液中に98wt%硫酸540g添加し、実験例2と同様の形状を持つ精留塔で、常圧、塔底温度126〜167℃、還流比3.0で蒸留を行った。調製した液量(600g)に対して、塔頂からの留出率10%(60g)の時点での留出液重量組成はHF/HNO3/水=75/10/15であった。更に蒸留を継続し、留出率45%(269g)時で混合した留出液重量組成はHF/HNO3/水=55/10/35であった(フッ化水素酸濃度55wt%)。この留出液は硝酸を10wt%含むフッ化水素酸であるが、濃硝酸と混合することでシリコン基材の洗浄・加工に用いる濃度のフッ硝酸として十分再使用できる濃度と純度である(本発明の目的物)。一方、留出率45%時の精留塔の塔底の残留液の重量組成はHF/HNO3/H2SO4/水=3.4/3.2/61.2/32.2であった。
第二蒸留塔
実験例2で得られた留出液と同等の組成を持つ液を600g調整し、その液中に98wt%硫酸540g添加し、実験例2と同様の形状を持つ精留塔で、常圧、塔底温度126〜167℃、還流比3.0で蒸留を行った。調製した液量(600g)に対して、塔頂からの留出率10%(60g)の時点での留出液重量組成はHF/HNO3/水=75/10/15であった。更に蒸留を継続し、留出率45%(269g)時で混合した留出液重量組成はHF/HNO3/水=55/10/35であった(フッ化水素酸濃度55wt%)。この留出液は硝酸を10wt%含むフッ化水素酸であるが、濃硝酸と混合することでシリコン基材の洗浄・加工に用いる濃度のフッ硝酸として十分再使用できる濃度と純度である(本発明の目的物)。一方、留出率45%時の精留塔の塔底の残留液の重量組成はHF/HNO3/H2SO4/水=3.4/3.2/61.2/32.2であった。
(実験例4)
第二蒸留塔
実験例2で得られた留出液と同等の組成を持つ液を600g調整し、この中に98wt%硫酸270g添加し、実験例2と同様の形状を持つ精留塔で、常圧、塔底温度117〜164℃、還流比3.0で蒸留を行った。調製した液量(600g)に対して、塔頂からの留出率10%(60g)の時点での留出液重量組成はHF/HNO3/水=64/8/28であった。更に蒸留を継続し、留出率33%(198g)時で混合した留出液重量組成はHF/HNO3/水=50/4/46であった。この留出液もフッ硝酸として十分再使用できる濃度と純度である。一方、留出率33%時の精留塔の塔底の残留液の重量組成はHF/HNO3/H2SO4/水=9.5/4.5/46/40であった。
第二蒸留塔
実験例2で得られた留出液と同等の組成を持つ液を600g調整し、この中に98wt%硫酸270g添加し、実験例2と同様の形状を持つ精留塔で、常圧、塔底温度117〜164℃、還流比3.0で蒸留を行った。調製した液量(600g)に対して、塔頂からの留出率10%(60g)の時点での留出液重量組成はHF/HNO3/水=64/8/28であった。更に蒸留を継続し、留出率33%(198g)時で混合した留出液重量組成はHF/HNO3/水=50/4/46であった。この留出液もフッ硝酸として十分再使用できる濃度と純度である。一方、留出率33%時の精留塔の塔底の残留液の重量組成はHF/HNO3/H2SO4/水=9.5/4.5/46/40であった。
(実験例5)
第二蒸留塔
実験例2で得られた留出液と同等の組成を持つ液を600g調製し、硫酸を添加せず、実験例2と同様の形状を持つ精留塔で、常圧、塔底温度111〜112℃、還流比3.0で蒸留を行った。調整液(600g)に対して、塔頂から留出率25%(150g)時点までの留出液組成は、HF/HNO3/水=12.0/0.3/86.7であった。更に蒸留を継続し、留出率40%時点(240g)での留出液組成はHF/HNO3/水=20.6/0.3/79.0であった。
この留出液のフッ化水素酸濃度は低濃度であり、フッ硝酸としての再使用には不適当である。
第二蒸留塔
実験例2で得られた留出液と同等の組成を持つ液を600g調製し、硫酸を添加せず、実験例2と同様の形状を持つ精留塔で、常圧、塔底温度111〜112℃、還流比3.0で蒸留を行った。調整液(600g)に対して、塔頂から留出率25%(150g)時点までの留出液組成は、HF/HNO3/水=12.0/0.3/86.7であった。更に蒸留を継続し、留出率40%時点(240g)での留出液組成はHF/HNO3/水=20.6/0.3/79.0であった。
この留出液のフッ化水素酸濃度は低濃度であり、フッ硝酸としての再使用には不適当である。
(実験例6)
第三精留塔
実験例2の精留塔処理の実施後に得られた蒸留塔の塔底の残液と同様の重量組成(HF/HNO3/KNO3/水=5.1/55.3/29.0/10.6)を1500g調整し、実験例2と同様の形状を持つ精留塔で、常圧、塔底温度119〜123℃、還流比3.0で蒸留を行った。塔頂からの留出液の重量組成は留出率36%までの混合液(540g)でHF/HNO3/水=14/53/33、釜残組成は重量組成HF/HNO3/KNO3/水=0.4/64.0/16.6/19.0であった。
第三精留塔
実験例2の精留塔処理の実施後に得られた蒸留塔の塔底の残液と同様の重量組成(HF/HNO3/KNO3/水=5.1/55.3/29.0/10.6)を1500g調整し、実験例2と同様の形状を持つ精留塔で、常圧、塔底温度119〜123℃、還流比3.0で蒸留を行った。塔頂からの留出液の重量組成は留出率36%までの混合液(540g)でHF/HNO3/水=14/53/33、釜残組成は重量組成HF/HNO3/KNO3/水=0.4/64.0/16.6/19.0であった。
(実験例7)
第四精留塔
実験例6で得られた蒸留釜残と同様の重量組成(HF/HNO3/KNO3/水=0.4/64.0/16.6/19.0)を960g調整し、実施例2と同様の形状を持つ精留塔で常圧、塔底温度123〜126℃、還流比3で蒸留を行った。塔頂からの留出率56%までの混合液468gの重量組成は、HF/HNO3/水=0.6/67/32.4であった(67%硝酸)。これは、本発明の目的物であり、52wt%のフッ化水素酸と混合すれば、元のフッ硝酸水溶液が調整可能である。
第四精留塔
実験例6で得られた蒸留釜残と同様の重量組成(HF/HNO3/KNO3/水=0.4/64.0/16.6/19.0)を960g調整し、実施例2と同様の形状を持つ精留塔で常圧、塔底温度123〜126℃、還流比3で蒸留を行った。塔頂からの留出率56%までの混合液468gの重量組成は、HF/HNO3/水=0.6/67/32.4であった(67%硝酸)。これは、本発明の目的物であり、52wt%のフッ化水素酸と混合すれば、元のフッ硝酸水溶液が調整可能である。
(実験例8)
第五精留塔
実験例3の精留塔処理において蒸留終了後の蒸留塔の塔底液の重量組成(HF/HNO3/H2SO4/水=3.4/3.2/61.2/32.2)と同等の組成を持つ液1155g調製し、温度123〜126℃、圧力33.3kPaで単蒸留を実施した。仕込み量から硫酸を除く量から求めた留出率55%(246g)時点の留出液重量組成はHF/HNO3/水=16/13/71を取得できた。その時の釜残の重量組成はHF/HNO3/H2SO4/水=0.014/0.20/75/24.8であった。
第五精留塔
実験例3の精留塔処理において蒸留終了後の蒸留塔の塔底液の重量組成(HF/HNO3/H2SO4/水=3.4/3.2/61.2/32.2)と同等の組成を持つ液1155g調製し、温度123〜126℃、圧力33.3kPaで単蒸留を実施した。仕込み量から硫酸を除く量から求めた留出率55%(246g)時点の留出液重量組成はHF/HNO3/水=16/13/71を取得できた。その時の釜残の重量組成はHF/HNO3/H2SO4/水=0.014/0.20/75/24.8であった。
(実験例9)
硫酸濃縮
実験例8の精留塔処理による蒸留終了後に塔底に残った液の重量組成(HF/HNO3/H2SO4/水=0.014/0.20/75/24.8)と同等の組成を持つ液を500g調整してフラスコに仕込み、温度150〜199℃、圧力3.3kPa減圧下で水分を留去した。水分留去と共に釜内温は上昇し、釜内温が199℃到達時の硫酸濃度92wt%を得ることができた。
硫酸濃縮
実験例8の精留塔処理による蒸留終了後に塔底に残った液の重量組成(HF/HNO3/H2SO4/水=0.014/0.20/75/24.8)と同等の組成を持つ液を500g調整してフラスコに仕込み、温度150〜199℃、圧力3.3kPa減圧下で水分を留去した。水分留去と共に釜内温は上昇し、釜内温が199℃到達時の硫酸濃度92wt%を得ることができた。
ケイフッ化水素酸カリウムからシリカの製造
実験例1と同様の方法で得られたケイフッ化水素酸カリウム塩88.0gと水350gを攪拌機付500mlフラスコに仕込み、スラリー状態とし、温度100℃に昇温後、50wt%水酸化カリウム水溶液184g(KOH/K2SiF6モル比:4.10)を30分かけて滴下した。滴下終了後、内温100℃で3時間反応を継続した。内温を常温まで冷却し、減圧濾過によりシリカを取得した。取得した含水シリカ45gを100℃の水300g中に投入し、水懸洗操作を30分実施後、100℃で熱濾過して回収、乾燥品として23g取得した。回収シリカのシリコン及び酸素分析した結果、シリコン46.3wt%、酸素53.2wt%であり、ほぼ理論値の数値を得た。なお、シリカ中のフッ素が500wtppm以下、カリウムが0.5wt%以下を示し、純度99wt%以上、平均粒子径約25μmの高純度シリカを回収できた。シリコンはICP発光装置、 酸素は不活性ガス融解法で分析した。平均粒子径は、レーザー回折/散乱式で測定した。
実験例1と同様の方法で得られたケイフッ化水素酸カリウム塩88.0gと水350gを攪拌機付500mlフラスコに仕込み、スラリー状態とし、温度100℃に昇温後、50wt%水酸化カリウム水溶液184g(KOH/K2SiF6モル比:4.10)を30分かけて滴下した。滴下終了後、内温100℃で3時間反応を継続した。内温を常温まで冷却し、減圧濾過によりシリカを取得した。取得した含水シリカ45gを100℃の水300g中に投入し、水懸洗操作を30分実施後、100℃で熱濾過して回収、乾燥品として23g取得した。回収シリカのシリコン及び酸素分析した結果、シリコン46.3wt%、酸素53.2wt%であり、ほぼ理論値の数値を得た。なお、シリカ中のフッ素が500wtppm以下、カリウムが0.5wt%以下を示し、純度99wt%以上、平均粒子径約25μmの高純度シリカを回収できた。シリコンはICP発光装置、 酸素は不活性ガス融解法で分析した。平均粒子径は、レーザー回折/散乱式で測定した。
<分析条件>
フッ素:イオンクロマト装置(前記、分析法に準じる)
カリウム:ICP発光装置(前記、分析法に準じる)
酸素 :不活性ガス融解法
型式LECO−TC−436AR、検出器:赤外線吸収検出器
平均粒子径:分散溶媒:エタノール、測定範囲:0.12〜704μm
フッ素:イオンクロマト装置(前記、分析法に準じる)
カリウム:ICP発光装置(前記、分析法に準じる)
酸素 :不活性ガス融解法
型式LECO−TC−436AR、検出器:赤外線吸収検出器
平均粒子径:分散溶媒:エタノール、測定範囲:0.12〜704μm
(実施例10)
フッ化水素酸カリウムの製造
実施例9で得られたフッ化カリウム(フッ化水素酸カリウムKF)水溶液を攪拌機付500mlガラス製反応器に仕込み、バス温度90℃以下の温度で減圧系にてフッ化カリウム濃度が60wt%以上になるまで水留去を実施した。濃度が上昇するとフッ化カリウム結晶が析出するので40℃〜60℃の温度の範囲でフッ化カリウムを濾過にて取得した。
フッ化水素酸カリウムの製造
実施例9で得られたフッ化カリウム(フッ化水素酸カリウムKF)水溶液を攪拌機付500mlガラス製反応器に仕込み、バス温度90℃以下の温度で減圧系にてフッ化カリウム濃度が60wt%以上になるまで水留去を実施した。濃度が上昇するとフッ化カリウム結晶が析出するので40℃〜60℃の温度の範囲でフッ化カリウムを濾過にて取得した。
温度100℃で減圧乾燥し、ドライフッ化カリウムを取得した。水分量をカールフイッシャー法で測定すると0.5%以下を示し、含水フッ化カリウムが無水物であることが分かった。フッ素、カリウム濃度を分析すると理論値に近い値を示した。更に不純物のシリコン量を分析すると400wtppm以下を示し、99wt%以上の高純度フッ化カリウムを回収することができた。
(実験例11)
装置は実験例2での精留塔を用いた。実験例2で得られた留出液組成を600g調整し、常圧系にて還流比3.0で留出させた。留出率8%(48g)の時点での留出液重量組成はHF/HNO3/水=1/0.5/98.5であった。留出を続けて留出率24%(144g)時で混合した留出液重量組成はHF/HNO3/水=6/0.3/35/93.7、留出率24%の時点で混合した留出液重量組成はHF/HNO3/水=12/0.3/87.7、留出率32%(192g)時点で混合した留出液重量組成はHF/HNO3/H2SO4/水=17/.3/82.7であった。更に蒸留を続けて留出率40%時点での留出混合液重量組成はHF/HNO3/水=21/0.3/78.7であり、高濃度のフッ化水素酸は得ることができなかった。
装置は実験例2での精留塔を用いた。実験例2で得られた留出液組成を600g調整し、常圧系にて還流比3.0で留出させた。留出率8%(48g)の時点での留出液重量組成はHF/HNO3/水=1/0.5/98.5であった。留出を続けて留出率24%(144g)時で混合した留出液重量組成はHF/HNO3/水=6/0.3/35/93.7、留出率24%の時点で混合した留出液重量組成はHF/HNO3/水=12/0.3/87.7、留出率32%(192g)時点で混合した留出液重量組成はHF/HNO3/H2SO4/水=17/.3/82.7であった。更に蒸留を続けて留出率40%時点での留出混合液重量組成はHF/HNO3/水=21/0.3/78.7であり、高濃度のフッ化水素酸は得ることができなかった。
(実験例12)
実験例1と同様の方法で得られたケイフッ化水素酸カリウム塩88.0gと水350gを攪拌機付500mlフラスコ仕込み、スラリー状態とし、温度100℃に昇温後、50wt%水酸化カリウム水溶液224g(KOH/K2SiF6モル比:5.00)を30分かけて滴下した。滴下終了後、析出していたシリカが溶解し始め、30分後に完全溶解して回収することはできなかった。
実験例1と同様の方法で得られたケイフッ化水素酸カリウム塩88.0gと水350gを攪拌機付500mlフラスコ仕込み、スラリー状態とし、温度100℃に昇温後、50wt%水酸化カリウム水溶液224g(KOH/K2SiF6モル比:5.00)を30分かけて滴下した。滴下終了後、析出していたシリカが溶解し始め、30分後に完全溶解して回収することはできなかった。
(実験例13)
実験例1と同様の方法で得られたケイフッ化水素酸カリウム塩88.0gと水350gを攪拌機付500mlフラスコに仕込み、スラリー状態とし、温度100℃に昇温後、50wt%水酸化カリウム水溶液202g(KOH/K2SiF6モル比:4.50)を30分かけて滴下した。滴下終了後、析出していたシリカが一部溶解し始め、残りのシリカはフラスコ壁に凝集して固着、取り出し不可となり回収することはできなかった。
実験例1と同様の方法で得られたケイフッ化水素酸カリウム塩88.0gと水350gを攪拌機付500mlフラスコに仕込み、スラリー状態とし、温度100℃に昇温後、50wt%水酸化カリウム水溶液202g(KOH/K2SiF6モル比:4.50)を30分かけて滴下した。滴下終了後、析出していたシリカが一部溶解し始め、残りのシリカはフラスコ壁に凝集して固着、取り出し不可となり回収することはできなかった。
(実験例14)
実験例1と同様の方法で得られたケイフッ化水素酸カリウム塩88.0gと水132gを攪拌機付500mlフラスコに仕込み、スラリー濃度40wt%状態とし、温度100℃に昇温後、50wt%水酸化カリウム水溶液184g(KOH/K2SiF6モル比:4.10)を30分かけて滴下した。滴下終了後、シリカはフラスコ内で凝集固着して取り出し回収不能となった。
実験例1と同様の方法で得られたケイフッ化水素酸カリウム塩88.0gと水132gを攪拌機付500mlフラスコに仕込み、スラリー濃度40wt%状態とし、温度100℃に昇温後、50wt%水酸化カリウム水溶液184g(KOH/K2SiF6モル比:4.10)を30分かけて滴下した。滴下終了後、シリカはフラスコ内で凝集固着して取り出し回収不能となった。
(実験例15)
攪拌機付500mlフラスコに50wt%水酸化カリウム水溶液184gと水132gを仕込み均一溶液とし、温度100℃に昇温後、実験例1と同様の方法で得られたケイフッ化水素酸カリウム塩88gを30分かけて分割投入した(KOH/K2SiF6モル比:4.10)。投入直後はシリカは生成せず、投入終了後、シリカはフラスコ内で凝集固着して取り出し回収不能となった。
攪拌機付500mlフラスコに50wt%水酸化カリウム水溶液184gと水132gを仕込み均一溶液とし、温度100℃に昇温後、実験例1と同様の方法で得られたケイフッ化水素酸カリウム塩88gを30分かけて分割投入した(KOH/K2SiF6モル比:4.10)。投入直後はシリカは生成せず、投入終了後、シリカはフラスコ内で凝集固着して取り出し回収不能となった。
(実験例16)
実験例9と同様の方法で得られたフッ化カリウム水溶液を攪拌機付500mlガラス製反応器に仕込み、バス温度150℃の温度で常圧系にてフッ化カリウム濃度が60wt%以上になるまで水留去を実施した。濃度が上昇するとフッ化カリウムはスラリー化せず、撹拌翼、フラスコ壁に固着し、取り出し回収不能となった。
実験例9と同様の方法で得られたフッ化カリウム水溶液を攪拌機付500mlガラス製反応器に仕込み、バス温度150℃の温度で常圧系にてフッ化カリウム濃度が60wt%以上になるまで水留去を実施した。濃度が上昇するとフッ化カリウムはスラリー化せず、撹拌翼、フラスコ壁に固着し、取り出し回収不能となった。
(実験例17)
実験例9と同様の方法で得られたフッ化カリウム水溶液を攪拌機付500mlガラス製反応器に仕込み、バス温度135℃、圧力42.6kPa(320Torr)の減圧下、内温110〜120℃でフッ化カリウム濃度が60wt%以上になるまで水留去を実施した。フッ化カリウムは析出したが、一部フラスコ壁に付着し、回収が容易ではなかった。
実験例9と同様の方法で得られたフッ化カリウム水溶液を攪拌機付500mlガラス製反応器に仕込み、バス温度135℃、圧力42.6kPa(320Torr)の減圧下、内温110〜120℃でフッ化カリウム濃度が60wt%以上になるまで水留去を実施した。フッ化カリウムは析出したが、一部フラスコ壁に付着し、回収が容易ではなかった。
Claims (4)
- フッ化水素酸と硝酸の混合物を蒸留塔に供給し、硫酸の存在下でフッ化水素酸と硝酸とを分離し、それぞれ回収する、フッ化水素酸と硝酸の回収方法。
- フッ化水素酸と硝酸の混合物を蒸留塔に供給し、硫酸の存在下でフッ化水素酸と硝酸とを分離する工程を含む、フッ化水素酸の製造方法。
- フッ化水素酸と硝酸の混合物を蒸留塔に供給し、硫酸の存在下でフッ化水素酸と硝酸とを分離する工程を含む、硝酸の製造方法。
- ケイフッ化水素酸を含むフッ硝酸水溶液と硝酸塩とを接触させ、ケイフッ化水素酸塩を析出させ、固液分離にて該ケイフッ化水素酸塩を分離し、得られる残液を蒸留塔に供給し、硫酸の存在下でフッ化水素酸と硝酸とを分離し、それぞれ回収する、フッ化水素酸と硝酸の回収方法。
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