以下、実施形態に係る切断工具用カバー及び切断工具について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(1)概要
図1に示すように、本実施形態の切断工具1は、切断工具用カバー2と、工具本体7とを備えている。切断工具1は、切断刃6を更に備えている。
切断工具1は、切断刃6により切断対象物を切断する工具である。切断対象物は、一例として、長尺部9である。長尺部9は、所定の部材の一部分であってもよいし、所定の部材の全体であってもよい。本開示において、長尺部とは、長手方向の長さが、長手方向と直交する各方向の長さの2倍以上の長さである部分を意味する。より好ましくは、長尺部では、長手方向の長さが、長手方向と直交する各方向の長さの5倍以上の長さである。より好ましくは、長尺部では、長手方向の長さが、長手方向と直交する各方向の長さの10倍以上の長さである。本実施形態の長尺部9の長手方向は、図1では紙面の上下方向である。
長尺部を有する所定の部材の具体例は、全ねじ、全ねじ以外のねじ、ボルト、鉄筋、パイプ、又は、木材若しくは金属等で形成された角材若しくは円柱状の部材である。本実施形態では、所定の部材は全ねじであり、長尺部9は全ねじの全体である。本実施形態では、全ねじを切断する切断工具1について説明する。より詳細には、切断工具1は、天井等の構造体から鉛直下向きに突出した長尺部9(全ねじ)を切断する。長尺部9の一端(上端)は、天井等に固定されている。
長尺部9は、切断刃6により切断されて2つの部分に分かれる。以下では、この2つの部分のうち一方を、断片91と称す。天井等から鉛直下向きに突出した長尺部9の下端側の部位が、上端側の部分から切り離されて断片91となる。
断片91は、切断工具用カバー2に収容される。したがって、切断工具1を使用する作業者が、断片91を手で受けたり拾ったりして回収する必要が無いので、切断工具1の使い勝手が向上する。
切断工具1は、可搬である。切断工具1が可搬であるとは、切断工具1が、輸送機械又は台車等の道具を用いなくても、人が手に取って持ち歩くことが可能な寸法及び重さであることを言う。
(2)工具本体
図2に示すように、工具本体7は、ハンドル71と、補助ハンドル72と、トリガスイッチ73と、ハウジング74と、装着部75と、固定アーム81と、可動アーム82と、スケール保持部83と、を含む。
ハンドル71、補助ハンドル72及びハウジング74の内部には、工具本体7が備えるモータ及びモータの駆動回路等が収容されている。ハウジング74は、円筒状の筒状部741と、筒状部741の軸方向の先端につながった台部742とを有している。台部742のうち、筒状部741側とは反対側の面7421は、平面状である。ハンドル71は、筒状部741の側面から突出している。ハンドル71の外部には、トリガスイッチ73が設けられている。補助ハンドル72は、台部742から突出している。補助ハンドル72の突出している向きは、ハンドル71の突出している向きに沿っている。ハンドル71及び補助ハンドル72は、各々の突出方向の先端側で、装着部75につながっている。装着部75には、電池(2次電池)を収容した電池パック76が取り付けられる。本実施形態では、電池パック76は、切断工具1の構成に含まれないが、電池パック76は、切断工具1の構成に含まれていてもよい。
固定アーム81及び可動アーム82は、ハウジング74の台部742の外面から突出している。固定アーム81及び可動アーム82は、台部742を挟んで補助ハンドル72とは反対側に設けられている。可動アーム82は、固定アーム81に対して、筒状部741の軸方向(図2における紙面の左右方向)にずれて位置している。スケール保持部83は、固定アーム81から突出している。スケール保持部83には、長尺部9の長さを測定するためのスケールが挿入される貫通孔830が形成されている。
切断工具1の切断刃6は、一対の刃60を含む。一対の刃60の各々は、板状に形成されている。一対の刃60の各々は、半円状の一対の窪みを有し、一対の窪みの底面に形成された一対の刃部61を有する。一対の刃部61は、鋭利に形成されている。
固定アーム81及び可動アーム82には、刃60が1つずつ取り付けられている。より詳細には、固定アーム81に形成されている貫通孔810に通されたボルト63が、刃60に形成されているボルト孔62にねじ込まれることにより、固定アーム81に刃60が取り付けられている。また、可動アーム82に形成されている貫通孔820に通されたボルト63が、刃60に形成されているボルト孔62にねじ込まれることにより、可動アーム82に刃60が取り付けられている。このようにして、工具本体7は、切断刃6を保持する。可動アーム82は、図1において矢印A1で示す方向に変位可能である。つまり、可動アーム82は、刃60の厚み方向と直交する平面に沿って、固定アーム81に近づいたり、離れたりするように変位可能である。
長尺部9が、固定アーム81に取り付けられた刃60の刃部61に接した状態で、トリガスイッチ73が押されると、ハウジング74に収容されたモータの駆動力により、可動アーム82が固定アーム81に近づくように変位する。これにより、可動アーム82に取り付けられた刃60と固定アーム81に取り付けられた刃60との間に長尺部9が挟まれ、長尺部9がせん断(切断)される。
(3)切断工具用カバー
切断工具用カバー2は、カバー本体3を備えている。カバー本体3は、工具本体7に取付けること、及び工具本体7から取外すことが可能である。カバー本体3のうち工具本体7との対向面301(図3参照)の形状は、工具本体7の形状に沿っている。以下の説明では、カバー本体3の長手方向(図1の紙面上下方向)を、カバー本体3の上下方向と規定し、カバー本体3の長手方向の一方側と他方側とのうち、後述の第1の開口部41が設けられた側を上とし、反対側を下とする。
カバー本体3は、収容部4と、蓋部5とを含む。蓋部5は、収容部4に結合されている。ここで、蓋部5が収容部4に結合されているとは、蓋部5が収容部4に取り付けられている場合と、蓋部5と収容部4とが一体に形成されている場合とを含む。本実施形態では、蓋部5は、収容部4に取り付けられている。
収容部4は、箱状に形成されている。カバー本体3が工具本体7に取り付けられた状態で、収容部4の長手方向は、工具本体7の筒状部741の軸方向に沿っている。収容部4の長手方向の第1端には、第1の開口部41が形成されている。収容部4の長手方向の第2端には、第2の開口部42が形成されている。すなわち、収容部4は、第1の開口部41と第2の開口部42とを有している。カバー本体3の内部空間34は、第1の開口部41を通じてカバー本体3の外部につながっている。第2の開口部42は、蓋部5により開閉される。
第1の開口部41には、長尺部9が通される。より詳細には、カバー本体3が工具本体7に取り付けられている場合に、長尺部9は、第1の開口部41から一の方向D1に沿ってカバー本体3の内部空間34に通される。このとき、長尺部9の長手方向は一の方向D1と一致する。カバー本体3が工具本体7に取り付けられている場合に、切断刃6と、第1の開口部41と、カバー本体3の内部空間34のうち第1の開口部41に通された長尺部9が通る導入領域341とは、一の方向D1においてこの順に並んでいる。この構成により、長尺部9を第1の開口部41に挿入可能である。本実施形態では、一の方向D1は、カバー本体3の長手方向に沿っている。さらに、本実施形態では、一の方向D1は、上下方向に沿っている。つまり、切断刃6の下方に第1の開口部41が位置し、第1の開口部41の下方に導入領域341が位置している。
第2の開口部42は、長尺部9が第1の開口部41に通される場合の長尺部9の延長線(図1の1点鎖線901)上に設けられている。つまり、第1の開口部41と第2の開口部42とが上下方向に並んでいる。
図3、4に示すように、カバー本体3は、結合部32を有している。図4では、結合部32を、上下方向と直交する断面における断面図として図示している。結合部32は、収容部4の下端から下向きに突出した円柱状の柱状部321と、柱状部321の側面から突出した保持突起322とを有している。蓋部5は、結合部32が通される結合孔52を有している。結合部32の軸方向と直交する断面における結合孔52の形状は、結合部32の軸方向と直交する断面における結合部32の断面形状と略等しい。すなわち、結合孔52は、円状の領域521と、領域521から突出した領域522とを有している。領域521には、結合部32の柱状部321を通すことが可能である。領域522には、結合部32の保持突起322を通すことが可能である。
収容部4は、その下端付近に2つ(図3では1つのみを図示)の嵌合部45を有している。各嵌合部45は、収容部4の外面から窪んだ窪みである。蓋部5は、2つの爪部53を有している。2つの爪部53は、2つの嵌合部45と一対一で対応する。各爪部53は、対応する嵌合部45に引っ掛けられる。
結合孔52に結合部32が通され、2つの嵌合部45に2つの爪部53が引っ掛けられることで、蓋部5が収容部4に取り付けられる。すなわち、結合孔52、結合部32、2つの嵌合部45及び2つの爪部53はそれぞれ、蓋部5と収容部4との結合箇所である。
蓋部5を収容部4に取り付けるには、まず、収容部4に対して蓋部5が回転させられる(図4の矢印A2参照)。これにより、結合孔52の領域521と結合部32の柱状部321とを一の方向D1に重ならせ、かつ、結合孔52の領域522と結合部32の保持突起322とを一の方向D1に重ならせる。その状態で結合部32が蓋部5の上から結合孔52に通されると、保持突起322は蓋部5の下方に露出する。さらに、収容部4に対して蓋部5が回転させられる。これにより、各嵌合部45は、対応する爪部53に向かい合う。そして、各嵌合部45に対応する爪部53が引っ掛けられることで、蓋部5が収容部4に取り付けられる。さらに、保持突起322が蓋部5の下面501(図5参照)に接することで、収容部4に対する蓋部5の下方への移動が規制される。
蓋部5は、第2の開口部42を開閉する。作業者は、長尺部9を切断する作業を行う場合は、通常は、収容部4に蓋部5が取り付けられて蓋部5が第2の開口部42を覆った状態にする。つまり、このとき、蓋部5は第2の開口部42を閉状態にしている。第1の開口部41に長尺部9が通された状態で、作業者は、トリガスイッチ73を押して長尺部9を切断する。すると、長尺部9の断片91がカバー本体3の内部空間34に収容される。作業者は、内部空間34に収容された断片91を処分する(捨てる)場合は、収容部4の2つの嵌合部45と蓋部5の2つの爪部53との引っ掛かりを解除して、蓋部5を結合部32を軸として回転させることにより、第2の開口部42を開放する。つまり、このとき、蓋部5は第2の開口部42を開状態にしている。また、作業者は、第2の開口部42を閉状態から開状態にするときとは反対向きに蓋部5を回転させることで、第2の開口部42を閉状態にする。ここで、蓋部5の回転は、結合部32の軸方向(一の方向D1)と直交する平面上における回転である。図5に、第2の開口部42を覆っている閉状態の蓋部5を実線で示し、第2の開口部42を開放している開状態の蓋部5の位置を2点鎖線で示す。断片91は、第2の開口部42を通じて収容部4の外部に取り出されて処分される。
蓋部5は、カバー本体3が工具本体7に取り付けられた状態で第2の開口部42を開閉可能である。つまり、カバー本体3が工具本体7に取り付けられた状態で蓋部5の周りには蓋部5が回転するためのスペースが設けられているため、カバー本体3を工具本体7から取り外さなくても、蓋部5を開状態にすることが可能である。
上記の例では、蓋部5は、第2の開口部42を開状態にしている場合に収容部4につながっている。すなわち、この場合に結合部32が結合孔52に通された状態が維持されている。なお、収容部4から蓋部5を取り外すことにより、第2の開口部42を開状態にしてもよい。
後述するように、長尺部9の切断長さ(すなわち、長尺部9のうち切り離されて断片91となる部位の長さ)がカバー本体3よりも長い場合は、作業者は、蓋部5が収容部4から取り外されていて第2の開口部42が開状態のまま、長尺部9を切断する。
収容部4と蓋部5とは、互いに異なる材料により形成されている。収容部4は、例えば、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂を材料として形成されている。収容部4は、全体が透明に形成されている。蓋部5は、収容部4よりも強度が高い材料により形成されている。蓋部5は、例えば、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂又はナイロン樹脂を材料として形成されている。蓋部5は、全体が不透明に形成されている。
図1に示すように、カバー本体3の収容部4は、排出規制機構を更に有している。排出規制機構は、仕切壁44を含む。本実施形態では、排出規制機構は、仕切壁44のみからなる。仕切壁44は、カバー本体3の内部空間34に配置されている。排出規制機構としての仕切壁44は、長尺部9のうち切断刃6により切り離された部分(断片91)がカバー本体3の内部空間34から第1の開口部41を通じてカバー本体3の外部へ移動することを規制する。排出規制機構について、詳しくは後述する。
内部空間34は、導入領域341と、奥方領域342とを含む。仕切壁44は、導入領域341と奥方領域342との間を部分的に仕切っている。導入領域341は、第1の開口部41を通じてカバー本体3の外部につながっている。奥方領域342は、一の方向D1と交差する方向(図1の紙面左右方向)において導入領域341につながっている。
導入領域341の長手方向は、カバー本体3の長手方向に沿っている。導入領域341は、第1の開口部41から第2の開口部42までに亘る領域である。
奥方領域342の長手方向は、カバー本体3の長手方向に沿っている。奥方領域342の上端(第1の開口部41側の端)は、閉塞している。奥方領域342は、その上端から第2の開口部42までに亘る領域である。
ところで、第2の開口部42が蓋部5により閉状態となっている場合、蓋部5は、カバー本体3の底壁として機能する。つまり、カバー本体3は、底壁としての蓋部5を有している。蓋部5は、一の方向D1において第1の開口部41とは反対側に設けられている。導入領域341と奥方領域342とは、蓋部5に隣接した領域においてつながっている。言い換えると、導入領域341と奥方領域342とは、それぞれの下端側においてつながっている。
図6において、向きS2(紙面上下方向)は、カバー本体3の導入領域341から工具本体7の筒状部741に向かう向きを表す。カバー本体3が工具本体7に取り付けられており工具本体7が所定の面を水平な面に対向させて置かれている場合に、向きS2は鉛直下向きに沿う。ここで、所定の面とは、電池パック76(図2参照)の底面761(図2参照)である。底面761は、電池パック76を装着した装着部75(図2参照)側とは反対側の面である。向きS2が鉛直下向きに沿っている場合に、図6に示すように、奥方領域342の少なくとも一部は、導入領域341の少なくとも一部よりも下方に位置する。より詳細には、収容部4の内面のうち工具本体7の筒状部741側の面48は、導入領域341に隣接した部位から奥方領域342に隣接した部位に近づくにつれて下に向かうように傾いている。これにより、奥方領域342のうち面48付近の領域が、導入領域341よりも下に位置する。
第1の開口部41から導入領域341に入った長尺部9は、収容部4の外壁401と仕切壁44とに囲まれた領域を通る。収容部4の外壁401と仕切壁44とは、規制壁33として機能する。すなわち、カバー本体3は、外壁401及び仕切壁44を含む規制壁33を有している。規制壁33は、第1の開口部41からカバー本体3の内部空間34(導入領域341)に通された長尺部9について、一の方向D1と交差する方向への移動を規制する。つまり、長尺部9は、規制壁33にガイドされながら内部空間34を進む。
切断工具用カバー2は、測定部21を更に備えている。測定部21は、長さを測定するためのスケールである。測定部21は、長さを表す目盛り211を有している。測定部21は、カバー本体3の内部空間34に配置されている。測定部21は、切断刃6から長尺部9の先端(下端)までの長さの測定に用いられる。すなわち、長尺部9の先端が測定部21の近傍に到達している場合に、測定部21のうち長尺部9の先端に隣接する部位の目盛り211の数値が、切断刃6から長尺部9の先端までの長さの測定値に相当する。
なお、測定部21に相当する構成としてのスケールが、スケール保持部83(図2参照)に保持されてもよい。すなわち、測定部21に相当するスケールは、スケール保持部83の貫通孔830(図2参照)に挿入され、スケールの長手方向が上下方向に沿うようにスケール保持部83に保持されてもよい。作業者は、スケール保持部83に保持されたスケールの目盛りを参照して、切断刃6から長尺部9の先端までの長さ(つまり、断片91の長さ)を知ることができる。
(4)工具本体とカバー本体との取付構造
図3、6に示すように、カバー本体3の収容部4は、取付溝46を有している。図6に示すように、工具本体7は、レバー77を有している。レバー77の形状は、板状である。レバー77は、ハウジング74の円筒状の筒状部741から、筒状部741の接線方向に突出している。レバー77の厚さ方向は、筒状部741の径方向に沿っている。レバー77は、取付突起771を備えている。取付突起771が取付溝46に引っ掛けられることで、カバー本体3が工具本体7に取り付けられる。
より詳細には、カバー本体3は、カバー本体3を工具本体7に対して一の方向D1と交差する方向に移動させることで工具本体7に取付け及び取外し可能である。すなわち、図6の矢印A3の向きに作業者がカバー本体3を動かすことにより、取付突起771が取付溝46に引っ掛けられる。これにより工具本体7へのカバー本体3の取付けが完了する。また、作業者がレバー77を筒状部741の中心に近づく向きに動かすことにより、取付突起771と取付溝46との引っ掛かりが解除される。その状態で、矢印A3とは反対向きに作業者がカバー本体3を動かすことにより、カバー本体3が工具本体7から取り外される。
図1に示すように、カバー本体3が工具本体7に取り付けられた状態で、一の方向D1において、カバー本体3と工具本体7との間には隙間がある。具体的には、カバー本体3の収容部4と、工具本体7の台部742との間に、長さL1の隙間がある。そのため、作業者がカバー本体3を一の方向D1と交差する方向(矢印A3に沿った方向)に移動させながら工具本体7に取付ける又は工具本体7から取外しする場合に、収容部4が台部742に接する可能性を低減できる。
(5)吊下部材
図7に示すように、切断工具1は、吊下部材78を更に備えている。本実施形態の吊下部材78は、鉤型のフックである。吊下部材78は、その一端が工具本体7に結合されている。吊下部材78は、工具本体7との結合箇所を中心に回転可能である。ここで、吊下部材78が工具本体7に結合されているとは、吊下部材78が工具本体7に取り付けられている場合と、吊下部材78と工具本体7とが一体に形成されている場合とを含む。本実施形態では、吊下部材78は、工具本体7に取り付けられている。
吊下部材78は、工具本体7を吊下対象部材に吊り下げるための部材である。吊下対象部材の一例は、パイプ等の足場材、脚立の一部分、又は、天井の梁等の構造体である。吊下対象部材は、水平面と略平行に配置されている。図7には、吊下対象部材としてのパイプ101を図示している。工具本体7は、吊下部材78によりパイプ101に吊り下げられる。すなわち、図7に2点鎖線で示すように、吊下部材78がパイプ101に引っ掛けられることで、工具本体7が吊り下げられる。この場合に、内部空間34のうち奥方領域342の少なくとも一部は、導入領域341の少なくとも一部よりも下方に位置する。より詳細には、この場合に、仕切壁44は鉛直方向に対して斜めに配置されており、仕切壁44の上に導入領域341の一部が位置し、仕切壁44の下に奥方領域342の一部が位置する。そのため、カバー本体3の内部空間34に収容された長尺部9の断片91(図1参照)が、導入領域341よりも奥方領域342に配置されやすい。これにより、断片91が第1の開口部41(図1参照)からカバー本体3の外に出る可能性を低減できる。
工具本体7は、吊下部材78を保持する保持部743を備えている。保持部743は、ハウジング74の筒状部741から突出している。保持部743は、溝を有しており、この溝に吊下部材78の一部が挿入されることにより、吊下部材78が保持部743に保持される。作業者は、吊下部材78をパイプ101等に吊り下げる場合は、保持部743から吊下部材78を取り出して、吊下部材78を、工具本体7との結合箇所を中心に回転させる。
(6)切断工具の使用方法
以下では、図1、図2を参照して、カバー本体3が工具本体7に取り付けられた状態で長尺部9を切断刃6で切断する場合の切断工具1の使用方法の一例について説明する。以下では、長尺部9が天井に固定されている吊りボルトであり、長尺部9の一端が床側(下)を向いている場合について説明する。
まず、一の方向D1から見て、可動アーム82は固定アーム81から離れており、切断刃6の一対の刃60は互いに離れている。図1に示すように、長尺部9は、一対の刃60の間を通るように、第1の開口部41に通される。これにより、長尺部9の一端(下端)が、カバー本体3の内部に配置される。
収容部4は透明なので、作業者は、収容部4の内部に配置された測定部21の目盛り211と長尺部9の下端とを見ることができる。作業者は、必要に応じて、長尺部9の下端の位置を測定部21の目盛り211の所定の位置に合わせる。すなわち、作業者は、測定部21のうち長尺部9の下端に隣接する部位の目盛り211の数値が、作業者の所望する長尺部9の切断長さと一致するように、切断工具1を上下に動かして長尺部9の下端の位置を合わせる。
トリガスイッチ73が押されると、ハウジング74に収容されたモータが駆動することにより、可動アーム82は、図1における紙面の右向き(図1において矢印A1で示す向き)に変位する。可動アーム82が変位するのに伴って、可動アーム82に取り付けられている刃60が変位して、当該刃60の刃部61が、固定アーム81に取り付けられている刃60の刃部61との間に長尺部9を挟み、長尺部9にせん断力を作用させる。これにより、切断刃6(一対の刃60)は、長尺部9を長尺部9の長手方向と交差する面で切断する。要するに、一対の刃60は、挟み方向(矢印A1と同じ方向)の両側から長尺部9を挟んで、長尺部9をせん断する。本実施形態では、切断刃6は、長尺部9を長尺部9の長手方向と直交する面で切断する。
長尺部9が切断されて2つに分けられると、2つに分けられた長尺部9のうち下端側の部分(断片91)は、カバー本体3の内部空間34に収容される。このように、作業者は、切断工具1を用いれば、断片91をカバー本体3に収容することができ、断片91を床等に落とす可能性を低減できる。特に、作業者は、片手でハンドル71を握ってトリガスイッチ73を押すことで、片手のみを用いて長尺部9を切断し、かつ、断片91をカバー本体3に収容することができる。
また、断片91がカバー本体3に収容された後、作業者は、向きS2(図6参照)が鉛直下向きに沿うように切断工具1の向きを変えて、切断工具1を1回又は2回程度、左右に振ってもよい。これにより、断片91が収容部4の面48(図6参照)の傾斜に沿って導入領域341から奥方領域342へ移動させられる。
カバー本体3は、排出規制機構としての仕切壁44を有しており、仕切壁44は、断片91について、カバー本体3の内部空間34から第1の開口部41を通じてカバー本体3の外部への移動を規制する。すなわち、カバー本体3の内部空間34では、断片91は、仕切壁44を避けない限り、奥方領域342から導入領域341へ移動しない。そのため、仕切壁44が無い場合と比較して、断片91が奥方領域342から導入領域341を経由して第1の開口部41に到達する可能性が低減する。また、切断工具1を図1とは反対向きに配置した場合(すなわち、第1の開口部41が第2の開口部42の下方に位置するように切断工具1を回転させた場合)に、奥方領域342に配置された断片91は、仕切壁44を越え難い。そのため、仕切壁44が無い場合と比較して、断片91が奥方領域342から導入領域341に移動する可能性が低減する。
なお、作業者は、長尺部9の全体がカバー本体3の外にある状態で、長尺部9を切断してもよい。すなわち、長尺部9の先端(下端)が第1の開口部41の上にある状態で、長尺部9を切断してもよい。この場合、長尺部9が切断されると、断片91は落下して第1の開口部41を通してカバー本体3の内部空間34に入る。
また、カバー本体3の内部空間34に収容された断片91の個数が多くなった場合等、断片91を処分する場合は、作業者は、蓋部5を開状態にすることで、第2の開口部42から断片91を取り出すことができる。
また、長尺部9のうち切り離されて断片91となる部位がカバー本体3よりも長い場合は、蓋部5が収容部4に取り付けられた状態では、長尺部9のうち切断したい箇所に切断刃6が当たる前に長尺部9の先端が蓋部5に当たってしまう。そこで、この場合に作業者は、蓋部5を収容部4から取り外して第2の開口部42を開状態にする。これにより、長尺部9の先端を第2の開口部42よりも下まで移動させることができるので、長尺部9のうち切断したい箇所に切断刃6を当て、長尺部9を切断できる。あるいは、作業者は、カバー本体3を工具本体7から取り外した状態で長尺部9を切断してもよい。
(変形例)
次に、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
切断工具1の構成は、切断刃6の一対の刃60で長尺部9を挟むことにより長尺部9をせん断する構成に限定されない。例えば、切断工具1の構成は、長尺部9に接触させた切断刃を回転運動、直線運動又は曲線運動させることにより長尺部9を切断する構成であってもよい。切断刃の形状は、実施形態の切断刃6の形状に限らない。切断刃は、例えば、鋸(丸鋸を含む)であってもよい。
切断工具1は、電池ではなく商用電源等の外部電源から電力が供給されてもよい。また、電池を電源に用いる場合に、電池は1次電池でも、2次電池でもよい。また、本実施形態の切断工具1は、電力により駆動される電動工具であるが、切断工具1は電動工具に限定されない。切断工具1は、例えば空圧ポンプを動力源とし空圧ポンプから供給される圧縮空気により駆動される空圧式の工具でもよいし、油圧ポンプを動力源とし油圧源から供給される油圧により駆動される油圧式の工具でもよい。
カバー本体3の排出規制機構は、断片91がカバー本体3の内部空間34から第1の開口部41を通じて外部に出ることを抑制する逆流防止弁を備えていてもよい。逆流防止弁は、内部空間34に配置される。
逆流防止弁は、例えば、ゴム等を材料として形成された板状の部材に十字又は星形の切込みが入った形状を有し、第1の開口部41の付近に配置される。この場合、作業者は、長尺部9を切断する前に、長尺部9の先端を逆流防止弁の切込みに通すことで、長尺部9の先端を逆流防止弁よりも奥(下)に配置する。長尺部9を第1の開口部41に通していない状態においては、第1の開口部41は、逆流防止弁により塞がれることになる。
第2の開口部42は、収容部4の下端に設けられていることに限定されず、例えば、収容部4の側面に設けられていてもよい。
蓋部5の内面51(図1参照)には、段差又は傾斜が設けられていてもよい。例えば、蓋部5の内面51のうち奥方領域342に隣接した部位が、導入領域341に隣接した部位よりも下に位置するように、内面51に段差又は傾斜が設けられていてもよい。
測定部21は、カバー本体3の外部に配置されていてもよい。
蓋部5は、ヒンジ構造により収容部4に取り付けられていてもよい。
蓋部5は、紐又はワイヤ等の接続部材を介して収容部4に接続されていてもよい。この場合、蓋部5が収容部4から取り外されて第2の開口部42を開状態にしている場合に、蓋部5が収容部4につながった状態を接続部材により維持できる。
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
第1の態様に係る切断工具用カバー2は、カバー本体3を備える。カバー本体3は、工具本体7に取り付けられる。工具本体7は、切断対象物(長尺部9)を切断する切断刃6を保持する。カバー本体3は、収容部4と、蓋部5と、を含む。収容部4は、第1の開口部41と、第2の開口部42と、を有する。第1の開口部41には、切断対象物が通る。蓋部5は、第2の開口部42を開閉する。
上記の構成によれば、切断対象物(長尺部9)のうち切断刃6により切り離された部分(断片91)を、第1の開口部41を通じてカバー本体3の内部空間34に収容できる。また、蓋部5が第2の開口部42を開状態にしているとき、断片91を第2の開口部42を通してカバー本体3の外部に取り出すことができる。これにより、断片91の処分が容易となるので、工具本体7(切断工具1)の使い勝手が向上する。
また、第2の態様に係る切断工具用カバー2では、第1の態様において、蓋部5は、カバー本体3が工具本体7に取り付けられた状態で第2の開口部42を開閉可能である。
上記の構成によれば、第2の開口部42を開状態にして切断対象物(長尺部9)の断片91をカバー本体3の外部に取り出す場合に、カバー本体3を工具本体7から取り外す必要がないので、断片91の処分が更に容易となる。
また、第3の態様に係る切断工具用カバー2では、第1又は2の態様において、蓋部5は、第2の開口部42を開状態にしている場合に収容部4につながっている。
上記の構成によれば、第2の開口部42を開状態にしている場合に作業者が蓋部5を手に持ち続ける必要がないので、断片91の処分が更に容易となる。
また、第4の態様に係る切断工具用カバー2では、第3の態様において、蓋部5は、収容部4に結合している箇所を軸として回転することで、第2の開口部42を開閉する。
上記の構成によれば、蓋部5を回転させるという簡易な操作により、第2の開口部42を開閉することができる。
また、第5の態様に係る切断工具用カバー2では、第1〜4の態様のいずれか1つにおいて、第2の開口部42は、切断対象物(長尺部9)が第1の開口部41に通される場合の切断対象物の延長線上に設けられている。
上記の構成によれば、切断対象物(長尺部9)のうち切り離されて断片91となる部位がカバー本体3よりも長い場合に、開状態にした第2の開口部42に切断対象物を通した状態で切断対象物を切断することができる。そのため、この場合にカバー本体3を工具本体7から取り外す必要がないという利点がある。
また、第6の態様に係る切断工具用カバー2では、第1〜5の態様のいずれか1つにおいて、カバー本体3は、工具本体7に取付けること及び工具本体7から取外すことが可能である。
上記の構成によれば、切断対象物(長尺部9)の断片91をカバー本体3に収容する必要がないときは、工具本体7からカバー本体3を取り外した状態で工具本体7及び切断刃6を使用することができる。
また、第7の態様に係る切断工具用カバー2では、第6の態様において、カバー本体3は、一の方向D1と交差する方向に、カバー本体3を工具本体7に対して移動させることで、工具本体7に取付けること及び工具本体7から取外すことが可能である。一の方向D1は、切断対象物(長尺部9)が開口部(第1の開口部41)から内部空間34に通される方向である。
上記の構成によれば、カバー本体3が工具本体7への取付け時及び取外し時に切断刃6に接する可能性を低減できる。
第1の態様以外の構成については、切断工具用カバー2に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
また、第8の態様に係る切断工具1は、第1〜7の態様のいずれか1つに係る切断工具用カバー2と、工具本体7と、を備える。
上記の構成によれば、切断工具1の使い勝手が向上する。