以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。本実施形態では、本開示の車両用空調装置20を図1に示す車両1に適用した例について説明する。この車両1は、バス等のように車室内10の容積が比較的大きい車両である。
図示しないが、車両1には、自動運転装置等が搭載されている。なお、自動運転装置は、車両1の加減速操作、制動操作、操舵操作といった全ての運転操作を運転手の代わりに自動で実行する装置である。
図2および図3に示すように、車両1の車室内10には、乗員が着座するための複数の座席が設置されている。具体的には、車室内10には、車両1の幅方向DRwの右側に前後方向DRfrに並ぶ複数の右側席SR1〜SR4が配置され、車両1の幅方向DRwの左側に前後方向DRfrに並ぶ複数の左側席SL1〜SL4が配置されている。
車室内10は、車両1の上面部11、下面部12、前側面部13、後側面部14、右側面部15、および左側面部16によって車室外に対して隔てられている。図1に示すように、左側面部16には、乗員が乗降するための乗降口であるドア開口部17が形成されるとともに、ドア開口部17を開閉する乗降ドア18が設けられている。ドア開口部17は、車室外と車室内10とを連通させる開口部である。なお、本実施形態では、左側面部16がドア開口部17を有する第1側面部を構成し、右側面部15が左側面部16に対して車両1の幅方向DRwに対向する第2側面部を構成する。
ドア開口部17は、左側面部16における前後方向DRfrの略中央部分に形成されている。ドア開口部17は、上面部11付近から下面部12付近まで延びる縦長の開口部となっている。ドア開口部17は、その開口面が左側面部16に沿って、上下方向DRudおよび前後方向DRfrに拡がっている。ドア開口部17の開口面は、ドア開口部17の開口縁部を含む面であって、車室外と車室内10との境界となる面である。
車室内10には、車室内10を空調する車両用空調装置20を構成する第1送風装置30および第1送風装置30と別の送風装置である第2送風装置40が配置されている。第1送風装置30および第2送風装置40は、車室内10において互いに向き合うように配置されている。
本実施形態では、第1送風装置30および第2送風装置40が、互いに向き合う方向(すなわち、対向方向)が車両1の前後方向DRfrとなるように、第1送風装置30が第2送風装置40よりも車室内10の前方に配置されている。
具体的には、第1送風装置30は、車室内10において前側面部13と最前列の座席である右側席SR1および左側席SL1との間に配置されている。また、第2送風装置40は、車室内10において後側面部14と最後列の座席である右側席SR4および左側席SL4との間に配置されている。
図4および図5に示すように、第1送風装置30は、第1空調ケース31、第1空調ケース31の内側に収容されて車室内10に向けて空気を送風する第1送風機32を含んで構成されている。
第1空調ケース31には、最前列の座席である右側席SR1および左側席SL1と対向する壁面に空気を吸い込むための吸込口311が形成されている。また、第1空調ケース31には、上面部11に対向する壁面に第1送風機32から送風される空気を吹き出す第1吹出部312が形成されている。
第1吹出部312は、第1送風装置30および第2送風装置40が向かい合う対向方向に直交する方向(すなわち、幅方向DRw)に並ぶ複数の吹出口を有している。具体的には、第1吹出部312は、幅方向DRwの右側に位置する第1右側吹出口312aおよび幅方向DRwの左側に位置する第1左側吹出口312bを有している。なお、本実施形態では、車両1の幅方向DRwが、水平に延びる方向であって、第1送風装置30および第2送風装置40が向かい合う対向方向に直交する並行方向となる。
第1送風装置30には、車室内10のうち幅方向DRwの右側から送風する送風空気と車室内10のうち幅方向DRwの左側から送風する送風空気との風量配分を調整する第1風量調整部33が設けられている。
第1風量調整部33は、第1右側吹出口312aおよび第1左側吹出口312bの開口面積を変更することで幅方向DRwの風量配分を調整可能になっている。具体的には、第1風量調整部33は、第1右側吹出口312aおよび第1左側吹出口312bの開口面積を変更する調整板331、調整板331を駆動する駆動部332を含んで構成されている。駆動部332は、後述する空調制御装置100の制御信号に応じて制御される。
このように構成される第1送風装置30は、第1送風機32から送風される送風空気が前側面部13に沿って上方に吹き出される。この送風空気は、上面部11に到達すると、気流の運動方向が前側面部13および上面部11によって遮られているので、気流の向きが車両1の後方側に転向される。すなわち、第1送風装置30からの送風空気は、前側面部13に沿って吹き出され後、上面部11に到達すると車両1の後方側に向かって流れる。
図6および図7に示すように、第2送風装置40は、第2空調ケース41、第2空調ケース41の内側に収容されて車室内10に向けて空気を送風する第2送風機42を含んで構成されている。
第2空調ケース41には、最後列の座席である右側席SR4および左側席SL4と対向する壁面に空気を吸い込むための吸込口411が形成されている。また、第2空調ケース41には、上面部11に対向する壁面に第2送風機42から送風される空気を吹き出す第2吹出部412が形成されている。
第2吹出部412は、幅方向DRwに並ぶ複数の吹出口を有している。具体的には、第2吹出部412は、幅方向DRwの右側に位置する第2右側吹出口412aおよび幅方向DRwの左側に位置する第2左側吹出口412bを有している。
本実施形態の第2送風装置40は、車室内10における配置箇所および空気の吸込口411の向きが第1送風装置30とは異なるものの、その他の基本構成等が第1送風装置30と同様に構成されている。
具体的には、第2送風装置40には、車室内10のうち幅方向DRwの右側から送風する送風空気と車室内10のうち幅方向DRwの左側から送風する送風空気との風量配分を調整する第2風量調整部43が設けられている。第2風量調整部43は、第2右側吹出口412aおよび第2左側吹出口412bの開口面積を変更することで幅方向DRwの風量配分を調整可能になっている。第2風量調整部43は、第2右側吹出口412aおよび第2左側吹出口412bの開口面積を変更する調整板431、調整板431を駆動する駆動部432を含んで構成されている。駆動部432は、後述する空調制御装置100の制御信号に応じて制御される。
このように構成される第2送風装置40は、第2送風機42から送風される送風空気が後側面部14に沿って上方に吹き出される。この送風空気は、上面部11に到達すると、気流の運動方向が後側面部14および上面部11によって遮られているので、気流の向きが車両1の前方側に転向される。すなわち、第2送風装置40からの送風空気は、後側面部14に沿って吹き出され後、上面部11に到達すると車両1の前方側に向かって流れる。
前述したように、第1送風装置30からの送風空気は、前側面部13に沿って吹き出され後、上面部11に到達すると車両1の後方側に向かって流れる。このため、第1送風装置30からの送風空気および第2送風装置40からの送風空気は、車室内10の上方空間で衝突する。このときの衝突位置は、第1送風装置30からの送風空気と第2送風装置40からの送風空気の風量の割合に応じて変化する。
例えば、第1送風装置30からの送風空気と第2送風装置40からの送風空気との風量が同等であれば、各送風装置30、40からの送風空気は、車室内10における前後方向DRfrの略中央位置で衝突する。この際、各送風装置30、40からの送風空気が幅方向DRwの左側面部16側に偏った風量配分になっていると、各送風装置30、40からの送風空気が、車室内10におけるドア開口部17付近で衝突する。そして、衝突した空気は、気流の運動方向が上面部11によって遮られているので、気流の向きがドア開口部17の開口面に沿う方向に転向される。
このように、第2送風装置40は、第2送風装置40が送風する送風空気を第1送風装置30からの送風空気に衝突させることで、第1送風装置30からの送風空気の向きをドア開口部17の開口面に沿う方向に転向させる部材として機能させることが可能である。本実施形態では、第2送風装置40が、第1送風装置30から送風される送風空気の向きをドア開口部17の開口面に沿う方向に転向させて、車室内10と車室外とを仕切る気流を形成する気流転向部材を構成している。
次に、車両用空調装置20の電子制御部である空調制御装置100について図8を参照して説明する。空調制御装置100は、制御処理、演算処理等を実行するプロセッサ、プログラム、データ等を保存するメモリを含むコンピュータ、並びに、コンピュータの周辺回路で構成されている。なお、空調制御装置100のメモリは、非遷移的実体的記憶媒体で構成されている。
図8に示すように、空調制御装置100の入力側には、ドア開口部17に設けられた開閉検出部105等の各種センサが接続されている。これにより、空調制御装置100には、各種センサにおける検出情報が入力される。
ここで、開閉検出部105は、乗降ドア18がドア開口部17を開放するドア開放位置に変位してドア開口部17が開放される状態(すなわち、ドア開放状態)を検出可能になっている。なお、開閉検出部105は、乗降ドア18がドア開口部17を閉鎖するドア閉鎖位置に変位してドア開口部17が閉鎖される状態(すなわち、ドア閉鎖状態)も検出可能になっている。
また、空調制御装置100の入力側には、第1送風装置30および第2送風装置40をオンオフするための運転スイッチ110a等が設けられた操作部110が接続されている。
空調制御装置100の出力側には、第1送風機32、第1風量調整部33、第2送風機42、第2風量調整部43等が接続されている。空調制御装置100は、メモリに記憶されたプログラムに基づいて各種制御処理および演算処理を行うことで、出力側に接続された機器を制御する。
次に、車両用空調装置20の作動について図9のフローチャートを参照して説明する。車両用空調装置20は、操作部110の運転スイッチ110aがオンされると、空調制御装置100が図9に示す制御ルーチンを周期的または不定期に実行する。
図9に示すように、空調制御装置100は、ステップS100にて、乗降ドア18の位置がドア開口部17を開放するドア開放位置であるか否かを判定する。具体的には、空調制御装置100は、開閉検出部105からの検出信号を取得し、開閉検出部105からの検出信号に基づいて、乗降ドア18の位置がドア開放位置であるか否かを判定する。
乗降ドア18の位置がドア開口部17を閉鎖するドア閉鎖位置である場合、車室内10に車室外の空気が流入し難いと状態である。このため、空調制御装置100は、ステップS110の処理に移行して、送風モードが通常送風モードとなるように各送風装置30、40を作動させる。
通常送風モードは、車室内10の乗員に向けて空気を送風する送風モードである。通常送風モード時には、空調制御装置100は、例えば、第1送風機32および第2送風機42について、互いの送風能力が同等となるように制御する。すなわち、空調制御装置100は、第1送風機32および第2送風機42について、それぞれの回転数が同等となるように制御する。
また、空調制御装置100は、例えば、幅方向DRwの右側に吹き出される送風空気の風量と幅方向DRwの左側に吹き出される送風空気の風量との風量配分が周期的に変化するように第1風量調整部33および第2風量調整部43を制御する。
これによると、各送風装置30、40からの送風空気の衝突位置が、周期的に前後方向DRfrに変化するので、衝突後の送風空気が車室内10の様々な箇所に流れる。この結果、通常送風モード時には、車室内10の乗員に向けて心地よい空調感を提供することができる。
一方、乗降ドア18の位置がドア開放位置である場合、ドア開口部17を介して、車室内10に車室外の空気が流入し易い状態となる。このような状態は、換気ロスよって車室内10の空調に要するエネルギ消費量の増加を招く要因となることから望ましくない。
そこで、空調制御装置100は、乗降ドア18の位置がドア開放位置である場合、ステップS120の処理に移行して、送風モードが外気遮断モードとなるように各送風装置30、40を作動させる。
外気遮断モードは、車室内10への車室外の空気の流入を抑制する送風モードである。外気遮断モード時には、空調制御装置100は、例えば、第1送風機32および第2送風機42について、互いの送風能力が同等となるように制御する。具体的には、空調制御装置100は、第1送風機32および第2送風機42について、それぞれの回転数が同等となるように制御する。
また、空調制御装置100は、各送風装置30、40からの送風空気の風量が右側面部15側よりもドア開口部17が形成された左側面部16側に偏って増加する風量配分となるように、第1風量調整部33および第2風量調整部43を制御する。すなわち、空調制御装置100は、図10に示すように、幅方向DRwの左側に吹き出される送風空気の風量が幅方向DRwの右側に吹き出される送風空気の風量よりも大きくなるように第1風量調整部33および第2風量調整部43を制御する。
これにより、各送風装置30、40からの送風空気が右側面部15側よりもドア開口部17が形成された左側面部16側に偏って流れる。そして、第1送風装置30からの送風空気と第2送風装置40からの送風空気とが車室内10の上方空間で衝突する。具体的には、各送風装置30、40からの送風空気は、ドア開口部17付近で衝突する。
そして、ドア開口部17付近で衝突した空気は、気流の運動方向が上面部11によって遮られているので、図11に示すように、気流の向きがドア開口部17の開口面に沿う方向に転向される。そして、ドア開口部17の開口面に沿う方向に転向された気流によって、車室内10と車室外とを仕切るエアーカーテンが形成されることで、車室内10への外気の流入が抑制される。なお、空調制御装置100は、乗降ドア18の位置がドア閉鎖位置になると、送風モードを外気遮断モードから通常送風モードに切り替える。
以上説明した車両用空調装置20では、乗降ドア18がドア開放位置に変位すると、第1送風装置30からの送風空気が第2送風装置40からの送風空気によってドア開口部17の開口面に沿う方向に転向される。これにより、車室内10と車室外とを仕切る気流が形成される。このため、エアーカーテンを形成する専用の装置を用いることなく、乗降ドア18がドア開口部17を開放する位置に変位することに伴う換気ロスを抑制することができる。特に、本実施形態では、各送風装置30、40からの送風空気をドア開口部17の開口面に沿う方向に転向させることになるので、大風量の気流によって車室内10と車室外とを仕切ることができる。
また、車両用空調装置20は、乗降ドア18がドア開口部17を開放する位置に変位する際に各送風装置30、40からの送風空気の風量が左側面部16側に偏って増加される構成になっている。これによると、各送風装置30、40の送風能力を高くすることなく、車室内10と車室外とを仕切る気流を形成することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図12〜図15を参照して説明する。本実施形態では、各送風装置30、40に対して送風空気の温度を調整するための温度調整機能が付加されている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図12および図13に示すように、第1空調ケース31には、第1送風機32からの送風空気を冷却する第1冷却用熱交換器34が収容されている。第1冷却用熱交換器34としては、例えば、蒸気圧縮式の冷凍サイクルの蒸発器を採用することができる。
また、第1空調ケース31には、第1冷却用熱交換器34を通過した空気を加熱する第1加熱用熱交換器35が収容されている。第1加熱用熱交換器35としては、例えば、車両1の駆動時に生ずる熱を放熱させる放熱器を採用することができる。
第1空調ケース31には、第1加熱用熱交換器35を迂回して流す第1バイパス通路36が形成されるとともに、第1加熱用熱交換器35の空気流れ上流側に第1エアミックスドア37が配置されている。第1エアミックスドア37は、第1加熱用熱交換器35を通過する空気と第1バイパス通路36を通過する空気の風量割合を調整して、第1送風装置30から車室内10へ吹き出す空気の温度を調整する温調部材である。
本実施形態では、第1冷却用熱交換器34、第1加熱用熱交換器35、第1バイパス通路36、および第1エアミックスドア37が、第1送風機32からの送風空気の温度を調整する第1温度調整部を構成する。
また、図14および図15に示すように、第2空調ケース41には、第2送風機42からの送風空気を冷却する第2冷却用熱交換器44が収容されている。第2冷却用熱交換器44としては、例えば、蒸気圧縮式の冷凍サイクルの蒸発器を採用することができる。
また、第2空調ケース41には、第2冷却用熱交換器44を通過した空気を加熱する第2加熱用熱交換器45が収容されている。第2加熱用熱交換器45としては、例えば、車両1の駆動時に生ずる熱を放熱させる放熱器を採用することができる。
第2空調ケース41には、第2加熱用熱交換器45を迂回して流す第2バイパス通路46が形成されるとともに、第2加熱用熱交換器45の空気流れ上流側に第2エアミックスドア47が配置されている。第2エアミックスドア47は、第2加熱用熱交換器45を通過する空気と第2バイパス通路46を通過する空気の風量割合を調整して、第2送風装置40から車室内10へ吹き出す空気の温度を調整する温調部材である。
本実施形態では、第2冷却用熱交換器44、第2加熱用熱交換器45、第2バイパス通路46、および第2エアミックスドア47が、第2送風機42からの送風空気の温度を調整する第2温度調整部を構成する。
その他の構成は第1実施形態と同様である。本実施形態の車両用空調装置20は、第1実施形態と共通の構成を備えており、第1実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
本実施形態の車両用空調装置20は、第1送風装置30に第1送風機32からの送風空気の温度を調整する第1温度調整部が設けられるとともに、第2送風装置40に第2送風機42からの送風空気の温度を調整する第2温度調整部が設けられている。このように、各送風装置30、40で送風空気の温度を調整可能になっていれば、乗員に対して適温に調整された送風空気を提供することができる。加えて、各送風装置30、40から車室内10へ送風する送風空気が車室内10の空気と異なる密度となるので、車室内10に拡散し易くなる。このことは、車室内10の快適性の向上に大きく寄与する。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図16を参照して説明する。本実施形態の車両用空調装置20は、乗降ドア18がドア開放位置に変位すると、各送風装置30、40に対して車室外の空気が導入される構成になっている点が第2実施形態と相違している。本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について主に説明し、第2実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図16に示すように、第1送風装置30には、第1空調ケース31に対して空気を導入するための第1吸込ダクト38が接続されている。第1吸込ダクト38は、一端側の端部が第1空調ケース31の吸込口311に接続され、他端側の端部が車室外に向けて開口している。具体的には、第1吸込ダクト38は、乗降ドア18がドア開口部17を閉鎖している状態で、他端側が乗降ドア18に相対するように開口している。これにより、乗降ドア18がドア開放位置に変位すると、第1吸込ダクト38を介して第1送風装置30に対して車室外の空気が導入される。
同様に、第2送風装置40には、第2空調ケース41に対して空気を導入するための第2吸込ダクト48が接続されている。第2吸込ダクト48は、一端側の端部が第2空調ケース41の吸込口411に接続され、他端側の端部が車室外に向けて開口している。具体的には、第2吸込ダクト48は、乗降ドア18がドア開口部17を閉鎖している状態で、他端側が乗降ドア18に相対するように開口している。これにより、乗降ドア18がドア開放位置に変位すると、第2吸込ダクト48を介して第2送風装置40に対して車室外の空気が導入される。
その他の構成は第2実施形態と同様である。本実施形態の車両用空調装置20は、第2実施形態と共通の構成を備えており、第2実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第2実施形態と同様に得ることができる。
本実施形態の各送風装置30、40は、乗降ドア18がドア開放位置に変位する際に、車室外から空気が吸い込まれるように構成されている。これによると、車室外の空気が各送風装置30、40で適温に調整された後、車室内10へ向けて導入されることで、車室内10の圧力が上昇し、ドア開口部17を介して車室内10から車室外に向かう気流が生じ易くなる。この結果、車室外の空調されていない空気が車室内10に流れ込むことが充分に抑制される。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図17〜図19を参照して説明する。本実施形態では、各送風装置30、40に対して送風空気の風向を調整する風向調整機能が付加されている点が第2実施形態と相違している。本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について主に説明し、第2実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図17に示すように、第1送風装置30には、第1吹出部312から吹き出す送風空気の風向を調整する第1ルーバ39が設けられている。第1ルーバ39は、第1吹出部312から吹き出す送風空気の風向を幅方向DRwに変更可能なように、第1空調ケース31に対して回動可能に設置されている。第1ルーバ39は、空調制御装置100からの制御信号に応じて回動角度を変更可能になっている。
また、図18に示すように、第2送風装置40には、第2吹出部412から吹き出す送風空気の風向を調整する第2ルーバ49が設けられている。第2ルーバ49は、第2吹出部412から吹き出す送風空気の風向を幅方向DRwに変更可能なように、第2空調ケース41に対して回動可能に設置されている。第2ルーバ49は、空調制御装置100からの制御信号に応じて回動角度を変更可能になっている。
各ルーバ39、49は、外気遮断モード時に、空調制御装置100によって、各送風装置30、40からの送風空気の少なくとも一部がドア開口部17に向かう風向となるように制御される。具体的には、空調制御装置100は、第1左側吹出口312bから吹き出される送風空気が、ドア開口部17に向かう風向となるように第1ルーバ39の回動角度を制御する。同時に、空調制御装置100は、第2左側吹出口412bから吹き出される送風空気が、ドア開口部17に向かう風向となるように第2ルーバ49の回動角度を制御する。
これによると、図19に示すように、第1送風装置30からの送風空気および第2送風装置40からの送風空気の少なくとも一部が、ドア開口部17に向かって流れる。そして、第1送風装置30からの送風空気および第2送風装置40からの送風空気がドア開口部17付近で衝突し、衝突後の空気の一部が車室内10から車室外に向かって流れる。
その他の構成は第2実施形態と同様である。本実施形態の車両用空調装置20は、第2実施形態と共通の構成を備えており、第2実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第2実施形態と同様に得ることができる。
本実施形態の各送風装置30、40は、各送風装置30、40からの送風空気の少なくとも一部が車室内10から車室外に向かうように構成されている。これによると、乗降ドア18がドア開放位置に変位すると、ドア開口部17を介して車室内10から車室外に向かう気流が生ずることで、車室外の空調されていない空気が車室内10に流れ込むことが充分に抑制される。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、図20〜図25を参照して説明する。本実施形態では、上面部11に送風装置50が配置されている点等が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図20および図21に示すように、車両1の上面部11の内側に車両用空調装置20を構成する送風装置50が設置されている。送風装置50は、上面部11における前後方向DRfrの略中央部分であって幅方向DRwの右側に設置されている。
図22および図23に示すように、送風装置50は、空調ケース51、空調ケース51の内側に収容されて車室内10に向けて空気を送風する送風機52を含んで構成されている。
空調ケース51には、その底面に空気を吸い込むための吸込口511が形成されている。また、空調ケース51には、左側面部16に対向する壁面に送風機52から送風される空気を吹き出す吹出部512が形成されている。
送風装置50には、吹出部512から吹き出す送風空気の風向を調整する風向調整部53が設けられている。風向調整部53は、吹出部512から吹き出す送風空気の風向を上下方向DRudに変更可能なように、空調ケース51に対して回動可能に設置されている。風向調整部53は、空調制御装置100からの制御信号に応じて回動角度を変更可能になっている。
また、図21に示すように、ドア開口部17の周囲には、車室内10を形成する上面部11に沿って流れる送風装置50からの送風空気の向きをドア開口部17の開口面に沿う方向に転向させるガイド板60が設置されている。
ガイド板60は、送風装置50の吹出部512から吹き出された送風空気が衝突するように、幅方向DRwにおいて送風装置50の吹出部512と重なり合うように配置されている。具体的には、ガイド板60は、上面部11のうちドア開口部17が形成された左側面部16に近接する部位に固定されている。ガイド板60は、円弧状に湾曲した形状を有しており、下端部が上端部よりも幅方向DRwの左側に位置するように配置されている。
次に、本実施形態の空調制御装置100について図24を参照して説明する。図24に示すように、空調制御装置100の入力側には、開閉検出部105等の各種センサが接続されるとともに、送風装置50をオンオフするための運転スイッチ110a等が設けられた操作部110が接続されている。
また、空調制御装置100の出力側には、送風機52、風向調整部53等が接続されている。空調制御装置100は、メモリに記憶されたプログラムに基づいて各種制御処理および演算処理を行うことで、出力側に接続された機器を制御する。
次に、本実施形態の車両用空調装置20の作動について説明する。車両用空調装置20は、第1実施形態と同様に、乗降ドア18の位置に応じて、送風モードが通常送風モードおよび外気遮断モードに切り替えられる。すなわち、車両用空調装置20は、乗降ドア18の位置がドア閉鎖位置である場合に送風モードが通常送風モードに切り替えられ、乗降ドア18の位置がドア開放位置である場合に送風モードが外気遮断モードに切り替えられる。
通常送風モード時には、空調制御装置100は、送風機52を作動させた状態で、吹出部512から吹き出される送風空気の風向が周期的に変化するように、風向調整部53を制御する。これによると、例えば、図21に示すように、送風機52からの送風空気が各座席SR、SLに向けて吹き出されることで、乗員に対して心地のよい空調感が提供される。
一方、外気遮断モード時には、空調制御装置100は、送風機52を作動させた状態で、吹出部512からの送風空気が上面部11に沿ってガイド板60に向かうように風向調整部53を制御する。
これによると、図25に示すように、送風装置50からの送風空気が上面部11に沿ってガイド板60に向かって流れる。ガイド板60に達した送風空気は、その向きがガイド板60によってドア開口部17の開口面に沿う方向に転向される。そして、ドア開口部17の開口面に沿う方向に転向された気流によって、車室内10と車室外とを仕切るエアーカーテンが形成されることで、車室内10への外気の流入が抑制される。
以上説明した車両用空調装置20では、乗降ドア18がドア開口部17を開放する位置に変位すると、送風装置50からの送風空気がガイド板60によってドア開口部17の開口面に沿う方向に転向される。これにより、車室内10と車室外とを仕切る気流が形成される。このため、エアーカーテンを形成する専用の装置を用いることなく、乗降ドア18がドア開口部17を開放する位置に変位することに伴う換気ロスを抑制することができる。
特に、本実施形態の車両用空調装置20は、送風装置50からの送風空気を転向させるガイド板60を追加することで実現可能である。このため、簡素な構成で乗降ドア18がドア開口部17を開放する位置に変位することに伴う換気ロスを抑制することができる。
(第5実施形態の変形例)
上述の第5実施形態では、気流転向部材を構成するガイド板60の具体例を示したが、これに限定されない。ガイド板60は、円弧状に湾曲したものに限らず、例えば、平坦な板で構成されていてもよい。また、ガイド板60は、車室内10ではなく車室外に設けられていてもよい。
上述の第5実施形態では、送風装置50が車両1の上面部11に設置されているものを例示したが、これに限定されない。送風装置50は、例えば、下面部12に設置されていてもよい。また、送風装置50は、例えば、前側面部13、後側面部14、右側面部15のいずれかに隣接して配置されていてもよい。
上述の第5実施形態では、送風機能だけを有する送風装置50を例示したが、これに限定されない。送風装置50は、第2実施形態で説明した各送風装置30、40の如く、温度調整機能が付加されていてもよい。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態では、第1送風装置30および第2送風装置40が車両1の前後方向DRfrに向き合うように、第1送風装置30が第2送風装置40よりも車室内10の前方に配置されているものを例示したが、これに限定されない。第1送風装置30および第2送風装置40は、例えば、車両1の幅方向DRwに向き合うように配置されていてもよい。
上述の実施形態では、第1空調ケース31および第2空調ケース41の上面に対して第1吹出部312および第2吹出部412が形成されたものを例示したが、これに限定されない。第1吹出部312および第2吹出部412は、例えば、前後方向DRfrに向かい合うように、第1吹出部312が第1空調ケース31の後面に形成され、第2吹出部412が第2空調ケース41の前面に形成されていてもよい。
上述の実施形態では、第1吹出部312および第2吹出部412が複数の吹出口で構成されるものを例示したが、これに限定されない。第1吹出部312および第2吹出部412は、例えば、幅方向DRwにおける風量配分を調整可能であれば、単一の吹出口や3つ以上の吹出口で構成されていてもよい。
上述の実施形態では、第1送風装置30および第2送風装置40を備える車両用空調装置20を例示したが、これに限定されない。車両用空調装置20は、3つ以上の空調装置を備える構成になっていてもよい。
上述の実施形態では、本開示の車両用空調装置20を自動運転するための図示しない自動運転装置が搭載された車両1に適用したものを例示したが、これに限定されない。車両用空調装置20は、例えば、加減速操作、制動操作、操舵操作といった全ての運転操作を運転手が行う車両1にも適用可能である。また、車両用空調装置20は、例えば、乗員が着座する座席が設けられていない車両1にも適用可能である。
上述の実施形態では、左側面部16に乗降ドア18が設けられた車両1に、車両用空調装置20を適用したものを例示したが、これに限らず、上述の実施形態で示したものとは異なる様々な車両1に適用可能である。また、車両用空調装置20は、乗員が搭乗する車両1に限らず、例えば、荷物、青果を運ぶ運搬用車両の如く車室内10を空調する必要がある車両に対して広く適用可能である。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
上述の実施形態において、センサから車両1の外部環境情報を取得することが記載されている場合、そのセンサを廃し、車両1の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報を受信することも可能である。あるいは、そのセンサを廃し、車両1の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報に関連する関連情報を取得し、取得した関連情報からその外部環境情報を推定することも可能である。
本開示に記載の制御部およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つないしは複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータによって実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、1つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータによって実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、1つないしは複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと1つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された1つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、車両用空調装置は、車室内に空気を送風する送風装置と、ドアがドア開放位置に変位する際に送風装置からの送風空気の向きをドア開口部の開口面に沿う方向に転向させる気流転向部材とを備える。
第2の観点によれば、車両用空調装置の気流転向部材は、ドア開口部の周囲に設置され、車室内を形成する壁面に沿って流れる送風装置からの送風空気の向きをドア開口部の開口面に沿う方向に転向させるガイド板を含んで構成されている。
このように、送風装置からの送風空気をガイド板によって転向させることで、車室内と車室外とを仕切る気流を形成する場合、簡素な構成でドアがドア開放位置に変位することに伴う換気ロスを抑制することができる。
第3の観点によれば、車両用空調装置の気流転向部材は、送風装置とは別の送風装置を含んで構成されている。別の送風装置は、ドアがドア開放位置に変位する際に、別の送風装置が送風する送風空気をドア開口部の周囲で送風装置が送風する送風空気と衝突させてそれぞれの送風空気の向きをドア開口部の開口面に沿う方向に転向させるように構成されている。
このように、送風装置からの送風空気を送風装置とは別の送風装置からの送風空気によって転向させることで、車室内と車室外とを仕切る気流を形成する場合、ドアがドア開放位置に変位することに伴う換気ロスを抑制することができる。
第4の観点によれば、車両用空調装置は、車室内に空気を送風する送風装置と、送風装置とは別の送風装置と、を備える。送風装置および別の送風装置は、ドアがドア開放位置に変位する際に、ドア開口部の周囲で送風装置が送風する送風空気と別の送風装置が送風する送風空気とを衝突させて送風空気の向きをドア開口部の開口面に沿う方向に転向させるように構成されている。
第5の観点によれば、車両用空調装置が適用される車両は、送風装置および別の送風装置の向き合う対向方向に沿って延びる第1側面部および第2側面部を含み、第1側面部に対してドア開口部が形成されている。送風装置には、水平に延びる方向であって対向方向に直交する並行方向の第1側面部側から送風する送風空気と並行方向の第2側面部側から送風する送風空気との風量配分を調整する第1風量調整部が設けられている。別の送風装置には、並行方向の第1側面部側から送風する送風空気と並行方向の第2側面部側から送風する送風空気との風量配分を調整する第2風量調整部が設けられている。送風装置および別の送風装置は、ドアがドア開放位置に変位する際に、第1風量調整部および第2風量調整部によって、送風装置および別の送風装置それぞれからの送風空気の風量が第2側面部側よりも第1側面部側に偏って増加する風量配分に調整される。
このように、ドアがドア開放位置に変位する際に各送風装置からの送風空気の風量が第1側面部側に偏って増加させる構成とすれば、各送風装置の送風能力を高くすることなく、車室内と車室外とを仕切る気流を形成することが可能となる。
第6の観点によれば、車両用空調装置の送風装置および別の送風装置は、ドアがドア開放位置に変位する際に、送風装置が送風する送風空気および別の送風装置が送風する送風空気の少なくとも一部が車室内から車室外に向かうように構成されている。
これによると、ドアがドア開放位置に変位すると、ドア開口部を介して車室内から車室外に向かう気流が生ずることで、車室外の空調されていない空気が車室内に流れ込むことが充分に抑制される。
第7の観点によれば、車両用空調装置の送風装置には、送風空気の温度を調整する第1温度調整部が設けられている。そして、別の送風装置には、送風空気の温度を調整する第2温度調整部が設けられている。
このように、各送風装置で送風空気の温度を調整すれば、適温に調整された空気を車室内に提供することができる。加えて、各送風装置で送風空気の温度を調整すれば、各送風装置から車室内へ送風する送風空気が車室内の空気と異なる密度となり、車室内に拡散し易くなる。このことは、車室内の快適性の向上に大きく寄与する。
第8の観点によれば、車両用空調装置の送風装置および別の送風装置は、ドアがドア開放位置に変位する際に、車室外から空気が吸い込まれるように構成されている。このように、ドアがドア開放位置に変位する際に各送風装置が車室外から空気を吸い込む構成となっていれば、車室外からの空気の導入によって車室内の圧力が上昇することで、ドア開口部を介して車室内から車室外に向かう気流が生じ易くなる。この結果、車室外の空調されていない空気が車室内に流れ込むことが充分に抑制される。