JP2020121969A - (メタ)アクリロニトリルの精製方法及び(メタ)アクリロニトリルの製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリロニトリルの精製方法及び(メタ)アクリロニトリルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 (メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素の精製工程において、ポンプ等を用いなくても、効率よく還流可能であり、(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素が漏洩を抑制したり、脱青酸脱水塔のトレイの汚れによる閉塞を抑制したりすることにより長期間安定に運転可能な(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素の精製方法及びこれに用いる蒸留装置を提供すること。【解決手段】 蒸留塔と、該蒸留塔と連結した凝縮器とを備えた蒸留装置を用いて、(メタ)アクリロニトリル、シアン化水素及び水を含む溶液から(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素を精製する精製方法であって、前記蒸留塔に供給された前記溶液を加熱することにより生成したガスを、前記蒸留塔から、前記凝縮器に供給する供給工程と、該供給工程により供給されたガスを凝縮させることにより生成した凝縮液を、前記凝縮器の出口から、前記蒸留塔に還流する還流工程とを含み、前記凝縮器の出口から前記蒸留塔に前記凝縮液を還流するための還流配管を備えており、前記還流配管の一端が、前記凝縮器の出口と接続しており、前記還流配管の他端が、前記蒸留塔の上部と接続しており、前記凝縮器の出口が、前記凝縮器の下部に位置しており、前記還流工程において、前記還流配管を介して前記凝縮液を前記凝縮器の出口から前記蒸留塔の上部に供給する、(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素の精製方法。【選択図】なし

Description

本発明は、(メタ)アクリロニトリルの精製方法及び(メタ)アクリロニトリルの製造方法に関する。
プロピレン及び/又はプロパン、アンモニア並びに分子状酸素を触媒の存在下に反応させてアクリロニトリルを製造するプロセスにおいて、生成したアクリロニトリル、アセトニトリル、青酸及び水から、アセトニトリルを分離した後、蒸留操作により青酸及び水を分離することによりアクリロニトリルを回収する。この蒸留塔は、脱青酸脱水塔と呼ばれる。脱青酸脱水塔の上部(脱青酸部)では青酸が重合したり、脱青酸脱水塔の下部(脱水部)ではアクリロニトリルが重合したりすることに起因してトレイが閉塞して詰まり、蒸留塔を長期的に安定に運転することが困難となることがある。
蒸留塔でのアクリロニトリル及び青酸の重合を防止するために、例えば、特許文献1に記載のようにハイドロキノン及び酢酸を蒸留塔の塔液中に特定値以上となるように添加することが考えられる。これにより、アクリロニトリル及び青酸の重合が抑制される。
特開2007−39403号公報(特許第4959158号)
上記プロセスにおいて、脱青酸脱水塔に供給され、(メタ)アクリロニトリル、シアン化水素及び水を含む溶液を加熱することにより生成したガスを脱青酸脱水塔から凝縮器に供給し、凝縮器において上記ガスを凝縮させることにより生成した凝縮液を脱青酸脱水塔に還流させることがある。この還流工程において、通常、凝縮液を脱青酸脱水塔に効率よく還流させるためにポンプ等を用いることが考えられるが、この場合、シアン化水素が外部に漏洩する虞がある。また、ポンプ等を用いる場合には、詰まり防止用のパージ水が必要であるが、パージ水に起因するシアン化水素の重合促進により、脱青酸脱水塔内でトレイが閉塞してつまり、蒸留塔を長期的に安定に運転できない虞がある。
従って、本発明の目的は、(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素の精製工程において、ポンプ等を用いなくても、効率よく還流可能であり、(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素が漏洩を抑制したり、脱青酸脱水塔のトレイの汚れによる閉塞を抑制したりすることにより長期間安定に運転可能な(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素の精製方法及びこれに用いる蒸留装置を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、蒸留塔と、該蒸留塔と連結した凝縮器と、凝縮器の出口から蒸留塔に凝縮液を還流するための還流配管と、を備えた蒸留装置において、蒸留塔、凝縮器及び還流配管の接続構造を特定の構造とすることにより、、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
蒸留塔と、該蒸留塔と連結した凝縮器とを備えた蒸留装置を用いて、(メタ)アクリロニトリル、シアン化水素及び水を含む溶液から(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素を精製する精製方法であって、
前記蒸留塔に供給された前記溶液を加熱することにより生成したガスを、前記蒸留塔から、前記凝縮器に供給する供給工程と、
該供給工程により供給されたガスを凝縮させることにより生成した凝縮液を、前記凝縮器の出口から、前記蒸留塔に還流する還流工程とを含み、
前記凝縮器の出口から前記蒸留塔に前記凝縮液を還流するための還流配管を備えており、前記還流配管の一端が、前記凝縮器の出口と接続しており、前記還流配管の他端が、前記蒸留塔の上部と接続しており、前記凝縮器の出口が、前記凝縮器の下部に位置しており、前記還流工程において、前記還流配管を介して前記凝縮液を前記凝縮器の出口から前記蒸留塔の上部に供給する、
(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素の精製方法。
[2]
前記蒸留装置が、前記蒸留塔から前記凝縮器に前記ガスを供給するための供給配管を備えており、前記供給配管の一端が、前記蒸留塔の塔頂部と接続しており、前記供給配管の他端が、前記凝縮器の上部と接続しており、
前記供給工程において、前記供給配管を介して前記ガスを前記蒸留塔の塔頂部から前記凝縮器の上部に供給する、上記[1]記載の精製方法。
[3]
前記蒸留装置の前記凝縮器の出口の高さ位置が、前記蒸留塔の最上端の高さ位置よりも高く形成されている、上記[1]又は[2]記載の精製方法。
[4]
前記凝縮器の出口の高さ位置と前記蒸留塔の最上端の高さ位置との距離が10〜1000cmである、上記[3]に記載の精製方法。
[5]
前記凝縮器の出口の高さ位置と前記蒸留塔の最上端高さ位置との距離が10〜500cmである、上記[3]に記載の精製方法。
[6]
前記凝縮器の出口の高さ位置と前記蒸留塔の最上端高さ位置との距離が10〜300cmである、上記[3]に記載の精製方法。
[7]
前記蒸留装置が、前記凝縮器の出口から前記蒸留塔に前記凝縮液を還流するための還流配管を備えており、前記還流配管の最下端の高さ位置が、前記蒸留塔の前記還流配管の接続口の高さ位置よりも低く形成されており、
前記還流工程において、前記還流配管を介して前記凝縮液を前記凝縮器の出口から前記蒸留塔に供給する、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の精製方法。
[8]
前記還流配管の最下端の高さ位置が、前記蒸留塔の前記還流配管の接続口高さ位置よりも10cm以上低い、上記[7]に記載の精製方法。
[9]
前記還流配管の最下端の高さ位置が、前記蒸留塔の前記還流配管の接続口高さ位置よりも100cm以上低い、上記[7]に記載の精製方法。
[10]
前記蒸留塔の外部に前記凝縮器が設置されている、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の精製方法。
[11]
原料ガス、アンモニア及び酸素を触媒の存在下でアンモ酸化反応させることにより(メタ)アクリロニトリルを製造する方法であって、
(メタ)アクリロニトリル、シアン化水素及び水を含む溶液から(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素を精製する精製工程を含み、
前記精製工程が、上記[1]〜[10]のいずれかに記載の精製方法を用いる、(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素の製造方法。
[12]
前記原料ガスが、プロパン、プロピレン、イソブチレン、及びターシャリーブチルアルコールからなる群から選択される1種以上である、上記[11]記載の(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素の製造方法。
[13]
蒸留塔と、該蒸留塔と連結した凝縮器とを備え、(メタ)アクリロニトリル、シアン化水素及び水を含む溶液から(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素を精製する蒸留装置であって、
前記凝縮器の出口から前記蒸留塔に凝縮液を還流するための還流配管を備えており、前記還流配管の一端が、前記凝縮器の出口と接続しており、前記還流配管の他端が、前記蒸留塔の上部と接続しており、前記凝縮器の出口が、前記凝縮器の下部に位置している、(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素を精製する蒸留装置。
[14]
前記蒸留装置が、前記蒸留塔から前記凝縮器にガスを供給するための供給配管を備えており、前記供給配管の一端が、前記蒸留塔の塔頂部と接続しており、前記供給配管の他端が、前記凝縮器の上部と接続している、[13]記載の蒸留装置。
[15]
前記凝縮器の出口の高さ位置が、前記蒸留塔の最上端の高さ位置よりも高く形成されている、上記[13]又は[14]に記載の蒸留装置。
[16]
前記凝縮器の出口の高さ位置と前記蒸留塔の最上端高さ位置との距離が10〜1000cmである、上記[15]に記載の蒸留装置。
[17]
前記凝縮器の出口の高さ位置と前記蒸留塔の最上端高さ位置との距離が10〜500cmである、上記[15]に記載の蒸留装置。
[18]
前記凝縮器の出口の高さ位置と前記蒸留塔の最上端高さ位置との距離が10〜300cmである、上記[15]に記載の蒸留装置。
[19]
前記蒸留装置が、前記凝縮器の出口から前記蒸留塔に前記凝縮液を還流するための還流配管を備えており、前記還流配管の最下端の高さ位置が、前記蒸留塔の前記還流配管の接続口の高さ位置よりも低く形成されている、上記[13]〜[18]のいずれかに記載の蒸留装置。
[20]
前記還流配管の最下端の高さ位置が、前記蒸留塔の前記還流配管の接続口高さ位置よりも10cm以上低い、上記[19]に記載の蒸留装置。
[21]
前記還流配管の最下端の高さ位置が、前記蒸留塔の前記還流配管の接続口高さ位置よりも100cm以上低い、上記[19]に記載の蒸留装置。
[22]
前記蒸留塔の外部に前記凝縮器が設置されている、上記[13]〜[21]のいずれかに記載の蒸留装置。
本発明の蒸留装置及び精製方法によれば、(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素の精製工程において、ポンプ等を用いなくても、効率よく還流可能であり、シアン化水素が漏洩を抑制したり、脱青酸脱水塔のトレイの汚れによる閉塞を抑制したりすることにより長期間安定に運転できる。
図1は、本実施形態の精製方法に用いられる蒸留装置の一例を示す模式図である。 図2は、本実施形態の精製方法に用いられる蒸留装置の一例を示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。また、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。
[(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素の精製方法]
本実施形態の(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素の精製方法は、蒸留塔と、該蒸留塔と連結した凝縮器とを備えた蒸留装置を用いて、(メタ)アクリロニトリル、シアン化水素及び水を含む溶液(以下、「(メタ)アクリロニトリル含有溶液」ともいう。)から(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素を精製する精製方法であって、前記蒸留塔に供給された前記溶液を加熱することにより生成したガス(以下、「ガス」ともいう。)を、前記蒸留塔から、前記凝縮器に供給する供給工程と、該供給工程により供給されたガスを凝縮させることにより生成した凝縮液を、前記凝縮器の出口から、前記蒸留塔に還流する還流工程とを含む。
精製方法は、前記凝縮器の出口から前記蒸留塔に前記凝縮液を還流するための還流配管を備えており、前記還流配管の一端が、前記凝縮器の出口と接続しており、前記還流配管の他端が、前記蒸留塔の上部と接続しており、前記凝縮器の出口が、前記凝縮器の下部に位置しており、前記還流工程において、前記還流配管を介して前記凝縮液を前記凝縮器の出口から前記蒸留塔の上部に供給する。
通常、還流工程において、凝縮液を蒸留塔に効率よく還流させるためにポンプ(例えば、キャンドポンプ等)を用いる必要があるが、この場合、シアン化水素が外部に漏洩する虞がある。また、ポンプ内のデッド部においてシアン化水素が重合して閉塞することも考えられるため内部を水でパージする必要がある。しかしながら、水でパージした場合、蒸留塔内でシアン化水素のイオン化が促進され、塔内汚れにより運転継続不能となる虞がある。これに対し、本実施形態の精製方法では、還流配管の一端を凝縮器の下部に位置するように接続し、還流配管の他端を蒸留塔の上部に位置するように接続して、還流配管を介して凝縮液を凝縮器の出口から蒸留塔の上部に供給する。
これにより、位置エネルギーを利用して、ポンプ等を用いなくても、上記凝縮液を凝縮の出口から蒸留塔に効率よく還流できる。このため、シアン化水素が外部に漏洩したり、シアン化水素の重合促進により、蒸留塔内でトレイが閉塞したりすることがなく、蒸留塔を長期的に安定に運転できる。
[蒸留装置]
以下、本実施形態の精製方法に用いられる蒸留装置について図1を用いて説明する。図1に示す蒸留装置10は、蒸留塔1と、蒸留塔1と連結した凝縮器2と、蒸留塔1から凝縮器2にガスを供給するための供給配管3と、凝縮器2の出口から蒸留塔1に凝縮液を還流するための還流配管4と、凝縮器2内で凝縮しなかったシアン化水素ガスを外部へ排出する排出管5とを備えている。凝縮器2の出口の高さ位置は、蒸留塔1の最上端の高さ位置よりも高く形成されている。供給配管3の一端は、蒸留塔1の塔頂部と接続しており、供給配管3の他端は、凝縮器2の上部と接続している。還流配管4の一端は、凝縮器2の一端は、凝縮器2の出口と接続しており、還流配管4の他端は、蒸留塔1の上部と接続している。還流配管4の最下端の高さ位置は、蒸留塔1の還流配管4の接続口の高さ位置よりも低く形成されている。なお、本明細書において「上部」とは、蒸留塔の最上端から最下端までの高さを1とした場合、0〜0.5までの範囲の高さにある部分をいう。
以下、図1に示す蒸留装置10を用いて、(メタ)アクリロニトリル含有溶液から(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素を精製する精製方法を説明する。
(供給工程)
供給工程において、蒸留塔1に供給された(メタ)アクリロニトリル含有溶液を加熱することにより生成したガスを、蒸留塔1から凝縮器2に供給する。この工程では、供給配管3を介してガスを蒸留塔1の塔頂部から凝縮器2の上部に供給することが好ましい。
(還流工程)
還流工程において、供給工程により供給されたガスを凝縮させることにより生成した凝縮液を、凝縮器2の出口から、蒸留塔1に還流する。この工程では、還流配管4を介して凝縮液を凝縮器2の出口から蒸留塔1の上部に供給する。これにより、位置エネルギーを利用して、ポンプ等を用いなくても、上記凝縮液を凝縮の出口から蒸留塔に効率よく還流できる。
ここで、還流配管4の最下端の高さ位置が蒸留塔1の還流配管4の接続口の高さ位置よりも低く形成されている。これにより、還流工程において、還流配管4内が凝縮液で満たされ、蒸留塔1内のガスの逆流を一層防止できる傾向にある。
請求項8及び9
上記最下端の高さ位置と、還流配管4の接続口の高さ位置との距離は、10cm以上低いことが好ましく、100cm以上低いことがより好ましい。これにより、凝縮液の逆流を一層防止できる傾向にある。
蒸留塔1内の圧力と凝縮器2内の圧力との差(圧力差)は、0.010〜0.015kgf/cm2であることが好ましい。これにより、凝縮液の逆流を一層防止できる傾向にある。
精製工程は、更に凝縮器2内で凝縮しなかったシアン化水素ガスを、排出管5を介して外部へ排出する工程を含んでもよい。
この工程では、凝縮しなかったシアン化水素、又は凝縮したシアン化水素の一部を外部へ排出してもよい。この工程において、排出されるシアン化水素は、液状の形態であってもよく、蒸気(ガス)の形態であってもよい。排出されるシアン化水素は、例えばナトリウム塩やカリウム塩などで製品化されてもよく、あるいは別の工程の原料として用いられてもよい。上記シアン化水素を別の工程の原料として用いる場合、例えば、上記シアン化水素は、アセトンと反応させ、メタクリル酸メチルの原料として用いられる。
精製工程は、蒸留塔1でのアクリロニトリル及び青酸の重合を防止するために、ハイドロキノン及び酸(例えば、酢酸、硫酸、リン酸及びグリコール酸)の少なくとも一方を蒸留塔1の塔液中に添加する工程を含んでもよい。この工程では、例えば、ハイドロキノンを水溶液の形態で蒸留塔1の塔頂から供給してもよい。ハイドロキノンの蒸留塔1の塔底液中の濃度は、例えば、100〜600質量ppm程度であってもよい。また、この工程では、例えば、酸を供給配管3へ供給してもよい。酸の蒸留塔1の塔底液中の濃度は、例えば、1000〜3000質量ppm程度であってもよい。
なお、本実施形態の精製方法で用いられる蒸留装置は、必ずしも図1に示す蒸留装置10に限定されず、蒸留塔と、蒸留塔と連結した凝縮器とを備え、前記凝縮器の出口から前記蒸留塔に凝縮液を還流するための還流配管を備えており、前記還流配管の一端が、前記凝縮器の出口と接続しており、前記還流配管の他端が、前記蒸留塔の上部と接続しており、前記凝縮器の出口が、前記凝縮器の下部に位置していればよい。
蒸留装置は、凝縮器の出口の高さ位置が蒸留塔の最上端高さ位置よりも高く形成されることが好ましい。
これにより、位置エネルギーを利用して、ポンプ等を用いなくても、上記凝縮液を凝縮の出口から蒸留塔に効率よく還流できる。
※請求項4〜6
凝縮器の出口の高さ位置と、蒸留塔の最上端の高さ位置との距離は、好ましくは10cm〜1000cmあり、より好ましくは10cm〜500cm、更に好ましくは10cm〜300cmである。
これにより、凝縮器下部に凝縮液が溜まることを抑制でき、シアン化水素を含むガスを抜き出す配管にミストが多量に流入するのを防止できる傾向にある。
蒸留装置に付属する凝縮器は、竪型多管式の熱交換器であることが好ましい。これにより、汚れ防止用の酸を添加することによる効果が一層高まる傾向にある。
※請求項10
蒸留装置は、凝縮器を蒸留塔の外部に設置し、上記熱交換器を含むことが好ましい。これにより、JETクリーニングが一層容易になる傾向にある。
蒸留装置は、流量計を含まないことが好ましい。これにより、還流ラインでの圧力損失を一層低減でき、シアン化水素の漏洩を一層抑制できる傾向にある。
[(メタ)アクリロニトリルの製造方法]
本実施形態の(メタ)アクリロニトリルの製造方法は、原料ガス、アンモニア及び酸素を触媒の存在下でアンモ酸化反応させることにより(メタ)アクリロニトリルを製造する方法であって、(メタ)アクリロニトリル、シアン化水素及び水を含む溶液から(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素を精製する精製工程を含み、前記精製工程が、本実施形態の精製方法を用いる。
(原料ガス)
原料ガスとしては、特に限定されないが、プロパン、プロピレン、イソブチレン、及びターシャリーブチルアルコールからなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
以下に実施例を挙げて本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は下記実施例に限定されない。
[実施例1]
蒸留装置として図1に示す蒸留装置を用いた。プロピレン、アンモニア及び空気を反応させて得られた反応生成物からアセトニトリルを分離することによって得られたアクリロニトリルを89質量%、アセトニトリル2質量ppm、シアン化水素5質量%及び水4質量%を含む液を、55段の段数を有する棚段塔である蒸留塔の上部第37段に、流量22T/時間で供給した。凝縮器の塔頂部にて1時間当たり1200Mcalの熱を除去し、蒸留塔から凝縮器の塔頂部へ供給配管を介して排出されるガスを凝縮させ、ガスを凝縮させることにより生成した凝縮液を、凝縮器から蒸留塔へ、重力を利用して還流配管を介して還流させた。また、凝縮しない85質量%以上のシアン化水素を含むガスを凝縮器側面に接続されたガス配管を介して外部へ排出した。また、供給配管内部の汚れを防止するために供給配管内に酢酸をスプレーにて噴霧供給し、凝縮器全体に行き渡らせ、凝縮器の凝縮液中の酢酸濃度を2,000質量ppmとした。この運転条件で1年間運転したが、凝縮器の伝熱効率の低下はなく、還流配管及び塔内の詰まりはなく安定的に運転できた。
還流配管が液で満たされたため、脱青酸脱水塔の塔頂蒸気の還流配管での逆流が抑制され、凝縮しないシアン化水素を含むガスのシアン化水素純度が安定した。
また、凝縮器下部に凝縮液が溜まることがなく、シアン化水素を含むガスを抜き出す配管にミストが多量に流入するのを抑制でき、配管汚れが見られなかった。
[実施例2]
凝縮器から脱青酸脱水塔へ凝縮液を還流させるための還流配管を分岐させ、別工程へ精製されたシアン化水素液を送液したこと以外は実施例1と同様の条件でアクリロニトリルの製造を1年間継続した結果、実施例1と同じく凝縮器の伝熱効率の低下はなく、還流配管及び塔内の詰まりはなく安定的に運転できた。
[実施例3]
凝縮器から脱青酸脱水塔へ凝縮液を還流させるための還流配管の最下端の高さ位置が、脱青酸脱水塔と還流配管との接続口の高さ位置と同じとしたこと以外は実施例1と同様の条件でアクリロニトリルの製造を1年間継続した結果、実施例1と同じく凝縮器の伝熱効率の低下はなく、還流配管及び塔内の詰まりはなく運転できた。
[実施例4]
凝縮器から脱青酸脱水塔へ凝縮液を還流させるための還流配管の最下端の高さ位置が、脱青酸脱水塔と還流配管との接続口の高さ位置と同じとし、凝縮器出口の高さの位置を脱青酸脱水塔塔頂の高さ位置よりも低くしたこと以外は実施例1と同様の条件でアクリロニトリルの製造を1年間継続した結果、実施例1と同じく凝縮器の伝熱効率の低下はなく、還流配管及び塔内の詰まりはなく運転できた。
[比較例1]
図1に示す蒸留装置を用いず、通常用いられる蒸留装置を用い、凝縮器でガスを凝縮させることにより生成した凝縮液を、凝縮器から蒸留塔へ、ポンプを利用して還流させ還流流量を差圧式流量計で測定し、ポンプ及び流量計の導圧管内部を水でパージしたこと以外は実施例1と同様の条件で運転した。蒸留塔内でシアン化水素のポリマーが発生したことによりトレイが閉塞し、6ヶ月で運転継続不能となった。

Claims (22)

  1. 蒸留塔と、該蒸留塔と連結した凝縮器とを備えた蒸留装置を用いて、(メタ)アクリロニトリル、シアン化水素及び水を含む溶液から(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素を精製する精製方法であって、
    前記蒸留塔に供給された前記溶液を加熱することにより生成したガスを、前記蒸留塔から、前記凝縮器に供給する供給工程と、
    該供給工程により供給されたガスを凝縮させることにより生成した凝縮液を、前記凝縮器の出口から、前記蒸留塔に還流する還流工程とを含み、
    前記凝縮器の出口から前記蒸留塔に前記凝縮液を還流するための還流配管を備えており、前記還流配管の一端が、前記凝縮器の出口と接続しており、前記還流配管の他端が、前記蒸留塔の上部と接続しており、前記凝縮器の出口が、前記凝縮器の下部に位置しており、前記還流工程において、前記還流配管を介して前記凝縮液を前記凝縮器の出口から前記蒸留塔の上部に供給する、
    (メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素の精製方法。
  2. 前記蒸留装置が、前記蒸留塔から前記凝縮器に前記ガスを供給するための供給配管を備えており、前記供給配管の一端が、前記蒸留塔の塔頂部と接続しており、前記供給配管の他端が、前記凝縮器の上部と接続しており、
    前記供給工程において、前記供給配管を介して前記ガスを前記蒸留塔の塔頂部から前記凝縮器の上部に供給する、請求項1記載の精製方法。
  3. 前記蒸留装置の前記凝縮器の出口の高さ位置が、前記蒸留塔の最上端の高さ位置よりも高く形成されている、請求項1又は2記載の精製方法。
  4. 前記凝縮器の出口の高さ位置と前記蒸留塔の最上端の高さ位置との距離が10〜1000cmである、請求項3に記載の精製方法。
  5. 前記凝縮器の出口の高さ位置と前記蒸留塔の最上端高さ位置との距離が10〜500cmである、請求項3に記載の精製方法。
  6. 前記凝縮器の出口の高さ位置と前記蒸留塔の最上端高さ位置との距離が10〜300cmである、請求項3に記載の精製方法。
  7. 前記蒸留装置が、前記凝縮器の出口から前記蒸留塔に前記凝縮液を還流するための還流配管を備えており、前記還流配管の最下端の高さ位置が、前記蒸留塔の前記還流配管の接続口の高さ位置よりも低く形成されており、
    前記還流工程において、前記還流配管を介して前記凝縮液を前記凝縮器の出口から前記蒸留塔に供給する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の精製方法。
  8. 前記還流配管の最下端の高さ位置が、前記蒸留塔の前記還流配管の接続口高さ位置よりも10cm以上低い、請求項7に記載の精製方法。
  9. 前記還流配管の最下端の高さ位置が、前記蒸留塔の前記還流配管の接続口高さ位置よりも100cm以上低い、請求項7に記載の精製方法。
  10. 前記蒸留塔の外部に前記凝縮器が設置されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の精製方法。
  11. 原料ガス、アンモニア及び酸素を触媒の存在下でアンモ酸化反応させることにより(メタ)アクリロニトリルを製造する方法であって、
    (メタ)アクリロニトリル、シアン化水素及び水を含む溶液から(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素を精製する精製工程を含み、
    前記精製工程が、請求項1〜10のいずれか1項に記載の精製方法を用いる、(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素の製造方法。
  12. 前記原料ガスが、プロパン、プロピレン、イソブチレン、及びターシャリーブチルアルコールからなる群から選択される1種以上である、請求項11記載の(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素の製造方法。
  13. 蒸留塔と、該蒸留塔と連結した凝縮器とを備え、(メタ)アクリロニトリル、シアン化水素及び水を含む溶液から(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素を精製する蒸留装置であって、
    前記凝縮器の出口から前記蒸留塔に凝縮液を還流するための還流配管を備えており、前記還流配管の一端が、前記凝縮器の出口と接続しており、前記還流配管の他端が、前記蒸留塔の上部と接続しており、前記凝縮器の出口が、前記凝縮器の下部に位置している、(メタ)アクリロニトリル又はシアン化水素を精製する蒸留装置。
  14. 前記蒸留装置が、前記蒸留塔から前記凝縮器にガスを供給するための供給配管を備えており、前記供給配管の一端が、前記蒸留塔の塔頂部と接続しており、前記供給配管の他端が、前記凝縮器の上部と接続している、請求項13記載の蒸留装置。
  15. 前記凝縮器の出口の高さ位置が、前記蒸留塔の最上端の高さ位置よりも高く形成されている、請求項13又は14に記載の蒸留装置。
  16. 前記凝縮器の出口の高さ位置と前記蒸留塔の最上端高さ位置との距離が10〜1000cmである、請求項15に記載の蒸留装置。
  17. 前記凝縮器の出口の高さ位置と前記蒸留塔の最上端高さ位置との距離が10〜500cmである、請求項15に記載の蒸留装置。
  18. 前記凝縮器の出口の高さ位置と前記蒸留塔の最上端高さ位置との距離が10〜300cmである、請求項15に記載の蒸留装置。
  19. 前記蒸留装置が、前記凝縮器の出口から前記蒸留塔に前記凝縮液を還流するための還流配管を備えており、前記還流配管の最下端の高さ位置が、前記蒸留塔の前記還流配管の接続口の高さ位置よりも低く形成されている、請求項13〜18のいずれか1項に記載の蒸留装置。
  20. 前記還流配管の最下端の高さ位置が、前記蒸留塔の前記還流配管の接続口高さ位置よりも10cm以上低い、請求項19に記載の蒸留装置。
  21. 前記還流配管の最下端の高さ位置が、前記蒸留塔の前記還流配管の接続口高さ位置よりも100cm以上低い、請求項19に記載の蒸留装置。
  22. 前記蒸留塔の外部に前記凝縮器が設置されている、請求項13〜21のいずれか1項に記載の蒸留装置。
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