JPH1025272A - アセトニトリルの精製法 - Google Patents

アセトニトリルの精製法

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JPH1025272A
JPH1025272A JP17911096A JP17911096A JPH1025272A JP H1025272 A JPH1025272 A JP H1025272A JP 17911096 A JP17911096 A JP 17911096A JP 17911096 A JP17911096 A JP 17911096A JP H1025272 A JPH1025272 A JP H1025272A
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等 太田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗製アセトニトリルの精製方法において、精
留塔を一旦停止して、生成した沈殿の分離操作をするこ
となく、連続的に精留する方法を提供するものである。 【解決手段】 オキサゾール、水、酢酸塩およびアクリ
ル酸塩を含有する粗製アセトニトリルをあらかじめ蒸発
缶に供給し、該粗製アセトニトリル中を濃縮し、残存す
るアセトニトリルと共に酢酸塩およびアクリル酸塩を蒸
発装置の下部より除去し、一方該蒸発缶上部よりオキサ
ゾール、水を含有する1次精製アセトニトリルを精留塔
へ供給し連続精留を行い、塔頂よりオキサゾールを水及
び少量のアセトニトリルと共に共沸混合物として濃縮分
離し、塔下部より精製アセトニトリルを回収することを
特徴とするアセトニトリルの精製方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粗製アセトニトリ
ル中に含まれるオキサゾールを除去して、精製アセトニ
トリルを連続的に得る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロピレン又はイソブチレンと酸素とア
ンモニアの気相接触反応によりアクリロニトリル又はメ
タクリロニトリルを製造する方法が知られている。この
方法において得られる反応生成物中にはアクリロニトリ
ル又はメタクリロニトリルの他に、副生したアセトニト
リル及び少量のオキサゾールが含まれている。このよう
なアクリロニトリルからアセトニトリルやオキサゾール
を分離するには、通常水による抽出精留が行われ、この
際副生物として、アセトニトリルとオキサゾールを含む
水溶液が得られる。この副生アセトニトリルを工業原料
として使用するためには、その中のオキサゾールを除去
しなければならないが、オキサゾールの沸点がアセトニ
トリルに近接しているため精留によってこれを完全に除
去することは非常に困難である。
【0003】従来、この副生アセトニトリル中のオキサ
ゾールを除去する方法としては、特定の無機塩を加えて
オキサゾール無機塩錯化合物を形成させ沈殿除去する方
法(英国特許第1、156、713号明細書)が知られ
ている。この方法は特殊な薬品を使用しなければなら
ず、また生成した沈殿の分離操作が厄介であるなどの欠
点がある。
【0004】他方において、水、シアン化水素、アクリ
ロニトリル、アセトン及び高沸点ニトリルなどの不純物
を含む粗製アセトニトリルにベンゼンを加えて精留する
ことにより精製する方法(特公昭45−36490号公
報)も知られている。この方法は系外への逸散によるベ
ンゼンの消費、脱シアン化水素のため水酸化アルカリや
硫酸第一鉄などの薬品を使用する必要があり、使用した
薬品の分離工程が複雑であることなどの理由により、工
業的方法として充分満足できるものとは言えない。更
に、薬品の添加なしに粗製アセトニトリルを水0.5〜
5重量%の存在下精留塔で抽出精留することによりオキ
サゾールを他の低沸不純分と共に分離除去する方法(特
開昭55−143950号公報)が知られている。
【0005】しかしながら、特開昭55−143950
号公報に示される方法は、精留塔で粗製アセトニトリル
を水により抽出精留してオキサゾールを分離除去する際
に、酢酸塩およびアクリル酸塩などの沈殿物が生成し精
留塔の多孔板および塔底リボイラーを閉塞させる問題が
あった。その結果、精留塔を一旦停止して水洗浄する必
要があり、連続的に精留できないので、工業的に有利な
方法では無かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オキサゾー
ル、水、酢酸塩およびアクリル酸塩を含有する粗製アセ
トニトリルからのアセトニトリルの精製方法において、
精留塔を一旦停止して、生成した沈殿の分離操作をする
ことなく、連続的に精留できるアセトニトリルの精製方
法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、オキサゾー
ル、水、酢酸塩およびアクリル酸塩を含有する粗製アセ
トニトリルをあらかじめ蒸発缶に供給し、該粗製アセト
ニトリル中を濃縮し、残存するアセトニトリルと共に酢
酸塩およびアクリル酸塩を蒸発装置の下部より除去し、
一方該蒸発缶上部よりオキサゾール、水を含有する1次
精製アセトニトリルを精留塔へ供給し連続精留を行い、
塔頂よりオキサゾールを水及び少量のアセトニトリルと
共に共沸混合物として濃縮分離し、塔下部より精製アセ
トニトリルを回収することを特徴とするアセトニトリル
の精製方法である。
【0008】本発明の方法により、オキサゾールを他の
低沸不純分と共に非常に効率的に分離除去でき、精留塔
内に沈殿物を生成させること無く長期に渡ってアセトニ
トリルを連続的に精製することができる。含有する水の
量がアセトニトリル及びオキサゾールをそれぞれ水との
共沸組成にするに充分な量であることが好ましい。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。通常アン
モキシデーション工程から副生される粗製アセトニトリ
ルは濃度5〜30重量%であり、不純物として水45〜
95重量%、シアン化水素0.5〜5重量%、オキサゾ
ール0.5〜10重量%、アクリロニトリル0.01〜
0.5重量%、及び1〜2重量%のプロピオニトリル等
を含んでいる。粗製アセトニトリル精製においては、通
常先ずアルカリ処理によりシアン化水素および水分を除
去して、アセトニトリルの濃縮が行われる。濃縮後のア
セトニトリル中の水分は5〜20重量%である。ここで
アルカリは一般式MOHで表され、Mはアルカリ金属、
すなわち、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウ
ム、セシウム、フランシウムおよびアンモニウム基であ
る。この際、アセトニトリルの加水分解により酢酸塩が
生成し、またアクリロニトリルの加水分解よりアクリル
酸塩が生成する。これら酢酸塩及びアクリル酸塩は水溶
性であるが、アセトニトリルに溶解しない。次に、粗製
アセトニトリル中のオキサゾールを分離除去するため
に、精留塔でアセトニトリルを水により抽出精留が行わ
れる。この際、粗製アセトニトリルの水分は塔頂よりオ
キサゾール及び少量のアセトニトリルと共に混合物とし
て濃縮分離されることにより、水分中に溶解していた酢
酸塩及びアクリル酸塩はアセトニトリル中に析出し、沈
殿物として精留塔の多孔板及び塔底リボイラーを閉塞さ
せる問題が生じる。
【0010】本発明においては、粗製アセトニトリルを
水の存在下に抽出精留する前にあらかじめ粗製アセトニ
トリル中の酢酸塩及びアクリル酸塩を蒸発装置により濃
縮した少量のアセトニトリルと共に分離除去した後、粗
製アセトニトリル中のオキサゾールを水による抽出精留
により分離除去する。本発明の蒸発缶は、通常用いられ
ているものが使用される。蒸発条件としては、蒸発缶内
温度の範囲は1atmにおけるアセトニトリルの沸点以
上〜酢酸の沸点以下、すなわち81〜118℃、蒸発缶
圧力は温度に対応するアセトニトリルの蒸気圧、すなわ
ち1.0〜2.8kg/cm2Gの範囲で選択される。
【0011】本発明においてオキサゾールの分離除去は
精留塔の中間部に粗製アセトニトリルと水を液状態或い
はガス状態で連続的に供給し、塔頂よりオキサゾールを
水5〜40重量%及び少量のアセトニトリルと共に混合
物として濃縮分離し、塔下部よりオキサゾールを含まな
いアセトニトリルを回収する。すなわち、このような条
件下ではアセトニトリルとオキサゾールの比揮発度は非
常に大きくなり従来通常の精留法では完全に分離できな
かったアセトニトリルとオキサゾールの精留分離が可能
となるのである。精留塔への供給は精留分離のための蒸
気削減を図るためにはガス状が好ましい。水の含有量は
0.5〜5重量%が好ましいが、精留分離のための蒸気
節減及びアセトニトリルの回収率の向上を図るためには
1〜3重量%の範囲がより好ましい。
【0012】本発明で用いる精留塔としては、通常20
〜60段の多孔板式精留塔が用いられる。精留条件とし
ては、塔底圧力0.2〜0.3kg/cm2G、塔底温
度80〜95℃、塔頂圧力0.01〜0.15kg/c
2G、塔頂温度70〜85℃の範囲で選択される。塔
頂より連続的に留分を排出させ、最下段より1/2〜3
/4、好ましくは2/3の段の位置に原料を供給し、か
つ塔底部よりアセトニトリルを抜き出しながら精留を継
続すれば、低沸不純分は塔頂部から蒸気として除かれ、
塔底部より精製アセトニトリルが90重量%以上の高い
回収率で回収される。
【0013】次に添付図面に従って、本発明方法の好適
な実施態様を説明する。図1は本発明方法の1例を示す
説明図であり、1は通常の蒸発缶で、粗製アセトニトリ
ル原料は供給口3より供給され、一次精製アセトニトリ
ルは取り出し口5より抜き出される。この蒸発缶は缶底
部の水蒸気導入口6から吹き込まれるスチームにより缶
内温度81〜118℃好ましくは81〜87℃に保持さ
れている。高沸不純物である酢酸アルカリ塩及びアクリ
ル酸アルカリ塩は、缶底部の排出口4より連続的に排出
される。アセトニトリル及び低沸不純物は取り出し口5
より抜き出され、シーブトレーを有する通常の精留塔1
の下部より2/3の位置に設けられた供給口7より供給
され、アセトニトリルは塔底部取り出し口8より抜きだ
される。この蒸発塔は塔底部の水蒸気導入口9から吹き
込まれるスチームにより塔底温度85〜90℃好ましく
は87〜89℃、塔頂部75〜80℃にに保持されてい
る。低沸不純物は塔頂部の排出口10より連続的に排出
され、還流受槽11を経て一部は導管12により精留塔
2内に還流され、残りは排出管13により系外へ出され
る。
【0014】このようにして、連続的に操作することに
より、オキサゾールを除去された精製アセトニトリルが
高い回収率で取り出し口8より抜き出される。例えば、
オキサゾール含有率0.5〜10.0重量%の粗製アセ
トニトリルを処理すれば、オキサゾール含有率がトレー
スないし30wtppm又はそれ以下になるまで除去す
ることができる。また、アセトニトリルの回収率は85
〜95%と高く、この高い回収率を維持したまま水分2
0〜100wtppmの非常に乾燥したアセトニトリル
を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
【0016】
【実施例1】図1に示す蒸発缶1の原料供給口3から、
水2.5重量%、アンモニア0.1重量%、オキサゾー
ル5.6重量%、アクリル酸ナトリウム120wtpp
m、酢酸ナトリウム30wtppmを含む粗製アセトニ
トリルを毎時600kgの割合で供給し、スチームによ
って缶内温度84℃に維持した。排出口4から水10.
0重量%、アセトニトリル90.0重量%、アクリル酸
ナトリウム0.18重量%、酢酸ナトリウム0.045
重量%を含有したアセトニトリルを毎時40kgの割合
で抜き出した。取り出し口5から一次精製アセトニトリ
ルを蒸気状で取り出し、40段の精留塔2の27段目に
おける供給口7から供給し、スチームによって、塔底温
度88℃、塔頂温度76℃、還流比13に維持した。こ
のようにして、塔頂より水12.4重量%、オキサゾー
ル35.3重量%、その他アセトニトリル52.3重量
%を含む留出物を毎時105.0kg得た。一方、抜き
出し口8よりアセトニトリルを毎時455.0kgで抜
き出したところ、水40wtppm、アンモニア20w
tppm、オキサゾール10wtppmを含むアセトニ
トリルが連続的に8,000時間得られた。この場合、
アセトニトリルの回収率は88%であった。
【0017】
【発明の効果】本発明のアセトニトリル精製法によれ
ば、粗製アセトニトリル中に含まれるオキサゾールに水
を添加して分離除去する際、精留塔を一旦停止して、生
成した沈殿物の分離操作をすることなく連続的にアセト
ニトリルを精製できる。
【図面の簡単な説明】 図1は本発明方法を実施するための装置の1例を示す説
明図である。
【図1】
【符号の説明】
1、蒸発缶 2、精留塔 3、供給口 4、排出口 5、取り出し口 6、水蒸気導入口 7、供給口 8、取り出し口 9、水蒸気導入口 10、排出口 11、還流受槽 12、導管 13、排出管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オキサゾール、水、酢酸塩およびアクリ
    ル酸塩を含有する粗製アセトニトリルをあらかじめ蒸発
    缶に供給し、該粗製アセトニトリルを濃縮し、残存する
    アセトニトリルと共に酢酸塩およびアクリル酸塩を蒸発
    装置の下部より除去し、一方該蒸発缶上部よりオキサゾ
    ール、水を含有する1次精製アセトニトリルを精留塔へ
    供給し連続精留を行い、塔頂よりオキサゾールを水及び
    少量のアセトニトリルと共に共沸混合物として濃縮分離
    し、塔下部より精製アセトニトリルを回収することを特
    徴とするアセトニトリルの精製法。
  2. 【請求項2】 含有する水の量がアセトニトリル及びオ
    キサゾールをそれぞれ水との共沸組成にするに充分な量
    であることを特徴とする請求項1記載のアセトニトリル
    の精製法。
  3. 【請求項3】 蒸発缶における条件が圧力1.0〜2.
    8kg/cm2G、温度81〜118℃の範囲であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のアセトニトリルの精製
    法。
  4. 【請求項4】 1次精製アセトニトリルの精留塔への供
    給がガス状であることを特徴とする請求項1記載のアセ
    トニトリルの精製法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020121969A (ja) * 2019-01-29 2020-08-13 旭化成株式会社 (メタ)アクリロニトリルの精製方法及び(メタ)アクリロニトリルの製造方法
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CN114671476A (zh) * 2022-05-06 2022-06-28 江苏盈天化学有限公司 一种连续从废液中回收高纯乙腈的装置及方法
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CN121377449A (zh) * 2025-12-19 2026-01-23 山东东岳高分子材料有限公司 一种高含盐乙腈废水资源化综合利用装置及方法

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