JP2020122030A - 樹脂組成物及びその製造方法、並びに樹脂フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体を含有する樹脂組成物に関して、適度な柔軟性を維持しながら、高温での熱分解を抑制すること。【解決手段】成分(A):エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体、及び成分(B):下記式(1)で表される繰返し単位を含むポリフェニレンエーテルを含有する樹脂組成物が開示される。成分(B)の含有量が、成分(A)及び成分(B)の合計を100質量部として1〜35質量部である。【選択図】なし
Description
本発明は、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体を含む樹脂組成物及びその製造方法、並びに樹脂フィルムに関する。
フレキシブルプリント基板の製造プロセスは、表面保護層を形成するためのカバーレイフィルムをフレキシブルプリント基板に貼り合わせる熱プレスの工程を含むことがある。この熱プレスの際、一般に、カバーレイフィルムとプレス板との間にリリースフィルムが挿入される。このリリースフィルムの材料として、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体を含む樹脂組成物が用いられることがある(例えば、特許文献1、2)。
一方、ポリフェニレンエーテル系樹脂の耐ストレスクラック性等を改善するために、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体が用いられることがある(例えば特許文献3、4)。
リリースフィルムの製造において、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体は、リリースフィルムに離型性を付与するための高融点の他の熱可塑性樹脂とともに成形されることがある。この成形の過程で受ける熱によって、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体の熱分解が進行する可能性があることが明らかとなった。作業環境等の観点から、成形中の熱分解は出来るだけ抑制されることが望まれる。
その一方で、リリースフィルム等の樹脂フィルムの柔軟性を確保するために、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体を含有する樹脂組成物が適度な柔軟性を有することも必要とされる。
そこで本発明の一側面は、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体を含有する樹脂組成物に関して、適度な柔軟性を維持しながら、高温での熱分解を抑制することを目的とする。
本発明の一側面は、
成分(A):エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体、及び
成分(B):下記式(1)で表される繰返し単位を含むポリフェニレンエーテル
を含有する樹脂祖組成物(以下「改質樹脂組成物」ということがある。)を提供する。特に、成分(B)の含有量が、成分(A)及び成分(B)の合計を100質量部として1〜35質量部である。
成分(A):エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体、及び
成分(B):下記式(1)で表される繰返し単位を含むポリフェニレンエーテル
を含有する樹脂祖組成物(以下「改質樹脂組成物」ということがある。)を提供する。特に、成分(B)の含有量が、成分(A)及び成分(B)の合計を100質量部として1〜35質量部である。
式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は、1以上の置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基を示す。同一分子中の複数のR1、R2、R3及びR4は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記改質樹脂組成物は、適度な柔軟性を維持しながら、高温での熱分解が抑制されている。
上記改質樹脂組成物は、成分(A)を含む連続相と、連続相中に分散し成分(B)を含む分散粒子とを含んでいてもよい。その場合、分散粒子の平均分散粒子径が5μm以下であってもよい。これにより、ポリフェニレンエーテル(成分(B))による熱分解抑制の効果が特に顕著に奏される。
上記改質樹脂組成物は、例えば、成分(A)及び成分(B)を含む原料混合物を溶融混錬する工程を含む方法によって、製造することができる。原料混合物を50〜350℃に加熱しながら溶融混錬してもよい。
本発明の別の一側面は、上記改質樹脂組成物を含有する樹脂フィルムに関する。樹脂フィルムは、上記樹脂組成物と、成分(A)及び成分(B)とは異なるその他の熱可塑性樹脂とを含有する単層フィルムであってもよいし、上記改質樹脂組成物を含有する中間層と、中間層の両面上にそれぞれ積層され成分(A)及び成分(B)とは異なるその他の熱可塑性樹脂を含有する表層と、を有する多層フィルムであってもよい。
これら樹脂フィルムは、適度な柔軟性及び耐熱性を有しているため、例えば、フレキシブルプリント基板の製造において用いられるリリースフィルムとして有用である。
成分(A)及び成分(B)とは異なるその他の熱可塑性樹脂は、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、又はポリブチレンテレフタレートのうち少なくとも一方であってもよい。これらは200℃を超える高い融点を有しているが、これらとともに上記改質樹脂組成物を成形する場合に必要とされる高温条件においても、改質樹脂組成物の熱分解が十分に抑制される。
エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体を含有する樹脂組成物に関して、適度な柔軟性を維持しながら、高温での熱分解を抑制することができる。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<樹脂組成物>
一実施形態に係る樹脂組成物(改質樹脂組成物)は、成分(A):エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体、及び成分(B):下記式(1)で表される繰返し単位を含むポリフェニレンエーテルを含有する。この改質樹脂組成物は、通常、熱可塑性樹脂組成物である。
一実施形態に係る樹脂組成物(改質樹脂組成物)は、成分(A):エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体、及び成分(B):下記式(1)で表される繰返し単位を含むポリフェニレンエーテルを含有する。この改質樹脂組成物は、通常、熱可塑性樹脂組成物である。
式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は、1以上の置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基を示す。同一分子中の複数のR1、R2、R3及びR4は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
改質樹脂組成物における成分(B)の含有量は、成分(A)及び成分(B)の合計を100質量部として1〜35質量部である。成分(B)の含有量は、適度な柔軟性維持の観点から、25質量部以下、又は20質量部以下であってもよい。成分(B)の含有量は、改質樹脂組成物の熱分解抑制の観点から、2質量部以上、4質量部以上、又は5質量部以上であってもよい。
成分(A)のエチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体は、エチレンに由来する単量体単位(以下「エチレン単位」ともいう。)及びα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルに由来する単量体単位(以下「α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル単位」ともいう。)を主な単量体単位として含む共重合体である。
エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体におけるエチレン単位の含有量は、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体の質量を基準として50質量%以上、60質量%以上、又は70質量%以上であってもよく、98質量%以下、又は95質量%以下であってもよい。エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体におけるα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル単位の含有量は、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体の質量を基準として2質量%以上、又は5質量%以上であってもよく、50質量%以下、40質量%以下、又は30質量%以下であってもよい。エチレン単位及びα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル単位の含有量がこれら範囲内にあることにより、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体を含む層又はフィルムと後述のその他の熱可塑性樹脂等との密着性が高くなる傾向がある。
エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体は、エチレン単位及びα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル単位以外のその他の単量体単位を含み得るが、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体におけるエチレン単位及びα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル単位の合計の割合は、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体の質量を基準として、通常、90〜100質量%であり、95〜100質量%であってもよい。エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体は、エポキシ基を有する単量体単位を実質的に含まなくてもよい。エポキシ基を有する単量体単位の含有量は、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体の質量を基準として、0〜1質量%であってもよく、0質量%(即ちエポキシ基を有する単量体単位を含まない)であってもよい。
エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体を構成するα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルは、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、及びアクリル酸イソブチルからなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。
成分(A)のエチレン−α,β不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体の具体例としては、エチレン―アクリル酸メチル共重合体、エチレン―アクリル酸エチル共重合体、エチレン―アクリル酸n−プロピル共重合体、エチレン―アクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン―アクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン―アクリル酸t−ブチル共重合体、エチレン―アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン―メタクリル酸メチル共重合体、エチレン―メタクリル酸エチル共重合体、エチレン―メタクリル酸n−プロピル共重合体、エチレン―メタクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン―メタクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン―メタクリル酸t−ブチル共重合体、及びエチレン―メタクリル酸イソブチル共重合体が挙げられる。成分(A)は、これらから選ばれる1種又は2種以上を含んでいてもよい。成分(A)は、エチレン―アクリル酸メチル共重合体、エチレン―アクリル酸エチル共重合体、エチレン―メタクリル酸メチル共重合体及びエチレン―メタクリル酸エチル共重合体から、又は、エチレン―アクリル酸メチル共重合体及びエチレン―メタクリル酸メチル共重合体から、選ばれる少なくとも1種であってもよい。
エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体は、通常の製造方法、例えば高圧ラジカル重合法により製造される。
エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体のメルトフローレート(MFR)は、0.2g/10分以上、0.5g/10分以上、1.0g/10分以上、1.5g/分以上、5g/10分以上、10g/10分以上、又は15g/10分以上であってもよく、300g/10分以下、200g/10分以下、150g/10分以下、50g/10分以下、又は30g/10分以下であってもよい。MFRが小さすぎると、樹脂組成物を押出加工する工程において押出機の負荷が高くなることがある。MFRが大きすぎると、樹脂組成物を加工した時にネックインが大きくなることがある。ここで、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体のMFRは、JIS K7210に従い、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体のデュロメーターA硬さは、機械的強度及び柔軟性の観点から50〜98であってもよい。同様の観点から、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体のデュロメーターA硬さは、60〜96、又は70〜94であってもよい。デュロメーターA硬さは、JIS K 6253に従って測定される。デュロメーターA硬さは、主として、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル単位の含有量によって調整することができる。
一実施形態に係る改質樹脂組成物は、上記式(1)で表される繰返し単位を含むポリフェニレンエーテル(以下「PPE」ということがある。)を含有する。PPEは、公知のものであることができる。式(1)中、R1、R2、R3又はR4としてのハイドロカルビル基は、例えば、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又はアルケニル基であってもよい。ハイドロカルビル基は、例えば、ハロゲン原子、ハイドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホニル基、及びシリル基から選ばれる1以上の置換基を有していてもよい。
上記アルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、及びn−オクチル基のような直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、及び2−エチルヘキシル基のような分岐状アルキル基;並びにシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、及びシクロオクチル基のような環状アルキル基を例示することができる。上記アルキル基は、炭素原子数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であってもよく、炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基であってもよい。上記アラルキル基として、ベンジル基、及びフェネチル基を例示することができる。上記アラルキル基は、炭素原子数7〜10のアラルキル基であってもよい。上記アリール基として、フェニル基、トリル基、及びキシリル基を例示することができる。上記アリール基は、炭素原子数6〜10のアリール基であってもよい。上記アルケニル基として、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、及び5−ヘキセニル基のような直鎖状アルケニル基;イソブテニル基、及び5−メチル−3−ペンテニル基のような分岐状アルケニル基;並びに2−シクロヘキセニル基、及び3−シクロヘキセニル基のような環状アルケニル基を例示することができる。上記アルケニル基は、炭素原子数2〜10のアルケニル基であってもよい。式(1)中のR1、R2、R3及びR4は、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基であってもよい。
PPEは、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロル−6−メチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−イソプロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジ−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロル−6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロル−6−エチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−フェニルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−ブロム−6−フェニルフェニレン−1,4−エーテル)及びポリ(2,4’−メチルフェニルフェニレン−1,4−エーテル)等の単独重合体並びにこれら重合体のモノマの2種以上の共重合体から選ばれることができる。
PPEは、式(1)の繰り返し単位の他に、その他の単量体単位を更に含んでいてもよい。その他の単量体単位は、例えば、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、レゾルシン、ハイドロキノン及びノボラック樹脂等の多価ヒドロキシ芳香族化合物、スチレン、及びエポキシ基を有する不飽和化合物から選ばれる単量体から誘導される単量体単位であることができる。PPEにおける、式(1)の繰り返し単位以外の単量体単位の割合は、PPEの質量を基準として、通常0〜50質量%であり、1〜25質量%であってもよい。
PPEは、例えば、2,6−ジメチルフェノール若しくは2,6−ジフェニルフェノールの単独重合体、又は、2,6−キシレノールと3−メチル−6−t−ブチルフェノール又は2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体であってもよい。
PPEの還元粘度は、改質樹脂組成物の耐熱性の観点、及び改質樹脂組成物の機械的特性の観点から、0.05〜1.0dL/gであってもよい。PPEの還元粘度は0.06〜0.80dL/g、又は0.07〜0.70dL/gであってもよい。ここでの還元粘度は、JIS K 7367−1に準じた測定により得られた値を意味する。
改質樹脂組成物の引張試験によって測定されるヤング率は、樹脂組成物から得られる樹脂フィルムのクッション性及び柔軟性の観点から、300MPa以下、又は200MPa以下であってもよく、10MPa以上、又は20MPa以上であってもよい。
改質樹脂組成物は、成分(A)を含む連続相と、該連続相中に分散し成分(B)を含む分散粒子とを含む形態を有していてもよい。成分(B)を含む分散粒子の平均分散粒子径が、5μm以下であってもよい。分散粒子の平均分散粒子径が小さいと、改質樹脂組成物の熱分解がより効果的に抑制される傾向がある。同様の観点から、分散粒子の平均分散粒子径は、3μm以下、2μm以下又は1μm以下であってもよい。分散粒子の平均分散粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて改質樹脂組成物の超薄切片を観察し、観察視野から15個以上のPPEの分散粒子を無作為に抽出し、それら分散粒子の分散粒子径を測定したときの、測定された粒子径の平均値である。
改質樹脂組成物は、例えば、成分(A)及び成分(B)を含む原料混合物を混錬する工程を含む方法によって、製造することができる。混練の方法は、例えば、溶融混練又は溶媒混練であってもよい。混練は、例えば二軸混練機又はラボプラストミルを用いて行うことができる。PPEを含む分散粒子の平均分散粒子径をより小さくする観点から、二軸混練機による溶融混練若しくは溶媒混練、又は二軸混練機による溶融混練を選択することができる。二軸混練機としては、例えば、同方向二軸混練押出機が挙げられる。混練時の原料混合物の最高温度は、分散粒子径を小さくできるという観点から50〜350℃であってもよい。同様の観点から、原料混合物が100〜320℃、150〜300℃、200〜280℃、又は240〜280℃に加熱されてもよい。混練時間は、1秒〜1800秒、2秒〜600秒、又は3秒〜300秒であってもよい。
<樹脂フィルム>
一実施形態に係る樹脂フィルムは、上述の実施形態に係る改質樹脂組成物を含有する1以上の層を有する。樹脂フィルムは、改質樹脂組成物と、成分(A)及び成分(B)とは異なるその他の熱可塑性樹脂とを含有する単層フィルムであってもよい。あるいは、樹脂フィルムは、改質樹脂組成物を含有する中間層と、中間層の両面上にそれぞれ積層され成分(A)及び成分(B)とは異なるその他の熱可塑性樹脂を含有する表層と、を有する多層フィルムであってもよい。単層フィルムの厚さは、例えば10〜300μmであってもよい。多層フィルムにおいて、中間層の厚さは10〜200μmであってもよく、表層の厚さは10〜100μmであってもよい。中間層の厚さが薄すぎると熱プレス時にプレス圧力の均一性が低下することがあり、中間層の厚さが厚すぎると熱プレス時に、中間層から樹脂が漏れ出ることがある。表層が薄すぎると樹脂フィルム自体が損傷し易くなることがあり、表層が厚すぎると、フレキシブルプリント基板の表面形状への追従性が低下することがある。同様の観点から、多層フィルム全体の厚さが300μm以下であってもよい。
一実施形態に係る樹脂フィルムは、上述の実施形態に係る改質樹脂組成物を含有する1以上の層を有する。樹脂フィルムは、改質樹脂組成物と、成分(A)及び成分(B)とは異なるその他の熱可塑性樹脂とを含有する単層フィルムであってもよい。あるいは、樹脂フィルムは、改質樹脂組成物を含有する中間層と、中間層の両面上にそれぞれ積層され成分(A)及び成分(B)とは異なるその他の熱可塑性樹脂を含有する表層と、を有する多層フィルムであってもよい。単層フィルムの厚さは、例えば10〜300μmであってもよい。多層フィルムにおいて、中間層の厚さは10〜200μmであってもよく、表層の厚さは10〜100μmであってもよい。中間層の厚さが薄すぎると熱プレス時にプレス圧力の均一性が低下することがあり、中間層の厚さが厚すぎると熱プレス時に、中間層から樹脂が漏れ出ることがある。表層が薄すぎると樹脂フィルム自体が損傷し易くなることがあり、表層が厚すぎると、フレキシブルプリント基板の表面形状への追従性が低下することがある。同様の観点から、多層フィルム全体の厚さが300μm以下であってもよい。
その他の熱可塑性樹脂として、樹脂フィルムに離型性を付与する樹脂を用いることによって、リリースフィルム等に好適に用いられる樹脂フィルムを得ることができる。その他の熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、及びポリブチレンテレフタレートが挙げられる。
単層フィルムは、改質樹脂組成物、及びその他の熱可塑性樹脂を含む成形用材料を製膜することによって製造することができる。製膜は溶液法又は溶融法によって行うことができる。多層フィルムは、例えば、改質樹脂組成物と、その他の熱可塑性樹脂とを、多層T−ダイ又は多層環状ダイを用いて共押出し成形することによって、製造することができる。また、その他の押出ラミネート法、ドライラミネート法などの公知のラミネート方法を用いてもよい。その他の熱可塑性樹脂がポリ(4−メチル−1−ペンテン)、又はポリブチレンテレフタレートである場合、単層フィルムの溶融法による製造、又は多層フィルムの共押出し成形における製造における加熱温度は、通常、200〜300℃程度である。このような高温の工程においても、改質樹脂組成物の熱分解を十分に抑制することができる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の原材料を準備した。
成分(A)(エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体)
・A−1:住友化学製、アクリフト(登録商標)WK307(エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン単位:75質量%、メタクリル酸メチル単位:25質量%、MFR:7g/10分)
・A−2:住友化学製、アクリフト(登録商標)WD106(エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン単位:94.2質量%、メタクリル酸メチル単位:5.8質量%、MFR:0.32g/10分)
・A−3:住友化学製、アクリフト(登録商標)WK402(エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン単位:75質量%、メタクリル酸メチル単位:25質量%、MFR:20g/10分)
成分(B)(ポリフェニレンエーテル)
・B−1:旭化成社製、ザイロン(登録商標)S201A(ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、還元粘度:0.52dL/g)
・B−2:SABIC製、ノリル(登録商標) SA120(ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、還元粘度:0.12dL/g)
成分(A)(エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体)
・A−1:住友化学製、アクリフト(登録商標)WK307(エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン単位:75質量%、メタクリル酸メチル単位:25質量%、MFR:7g/10分)
・A−2:住友化学製、アクリフト(登録商標)WD106(エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン単位:94.2質量%、メタクリル酸メチル単位:5.8質量%、MFR:0.32g/10分)
・A−3:住友化学製、アクリフト(登録商標)WK402(エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン単位:75質量%、メタクリル酸メチル単位:25質量%、MFR:20g/10分)
成分(B)(ポリフェニレンエーテル)
・B−1:旭化成社製、ザイロン(登録商標)S201A(ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、還元粘度:0.52dL/g)
・B−2:SABIC製、ノリル(登録商標) SA120(ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、還元粘度:0.12dL/g)
(実施例1)
フィード口から押出方向に沿って順に配列した9個のバベルC1〜C9を有する同方向2軸押出機(KZW20TW、株式会社テクノベル製)に、主フィード口から95質量部のA−1を、副フィード口から5質量部のB−1を投入し、これらを溶融混練した。溶融混錬の条件は以下のように設定した。得られた溶融混練物をペレタイザで切断して、ペレット状の樹脂組成物を得た。
・バレル温度
C1:50℃、C2:150℃、C3〜C5:250℃、C6、C7:260℃、C8:230℃、C9:190℃
・ノズルヘッド温度:150℃
・スクリュー回転数:300rpm
・吐出量:4kg/時間
フィード口から押出方向に沿って順に配列した9個のバベルC1〜C9を有する同方向2軸押出機(KZW20TW、株式会社テクノベル製)に、主フィード口から95質量部のA−1を、副フィード口から5質量部のB−1を投入し、これらを溶融混練した。溶融混錬の条件は以下のように設定した。得られた溶融混練物をペレタイザで切断して、ペレット状の樹脂組成物を得た。
・バレル温度
C1:50℃、C2:150℃、C3〜C5:250℃、C6、C7:260℃、C8:230℃、C9:190℃
・ノズルヘッド温度:150℃
・スクリュー回転数:300rpm
・吐出量:4kg/時間
図1は、実施例1の樹脂組成物の透過型電子顕微鏡写真である。ポリフェニレンエーテルを含む分散粒子が、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体を主成分とする連続相中に分散していた。この分散粒子の平均分散粒子径は5μm以下であった。
(比較例1)
A−1の製品ペレットを、そのまま比較例1の樹脂組成物として評価した。
A−1の製品ペレットを、そのまま比較例1の樹脂組成物として評価した。
(熱分解挙動)
各樹脂組成物を、TA Instruments社製SDT2960を用いた、昇温速度10℃/分の条件の熱重量分析によって分析し、330℃残存重量(初期質量に対する残存質量の割合)を測定した。表1に示されるように、ポリフェニレンエーテルを加えることによって、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体の熱分解が抑制された。
各樹脂組成物を、TA Instruments社製SDT2960を用いた、昇温速度10℃/分の条件の熱重量分析によって分析し、330℃残存重量(初期質量に対する残存質量の割合)を測定した。表1に示されるように、ポリフェニレンエーテルを加えることによって、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体の熱分解が抑制された。
(実施例2〜11、比較例2,3)
実施例1と同様の条件の同方向2軸押出機を用いた溶融混錬によって、表2に記載の原材料組成比でペレット状の樹脂組成物を作製し、それらを熱重量分析によって評価した。
実施例1と同様の条件の同方向2軸押出機を用いた溶融混錬によって、表2に記載の原材料組成比でペレット状の樹脂組成物を作製し、それらを熱重量分析によって評価した。
樹脂組成物を260℃にてシート状にプレス成形し、得られたシートから長さ120mm、幅20mm、厚み0.5mmの試験片を作製した。それぞれの試験片について、引張試験機によってチャック間隔60mm、引張速度5mm/分の条件の引張試験によって応力−ひずみ曲線を取得し、これから各樹脂組成物の初期弾性率(ヤング率)を測定した。
表2に測定結果を示す。実施例2〜11の樹脂組成物は、熱分解が抑制されるとともに、クッション性を発現できる適度に低いヤング率を示した。比較例2、3の樹脂組成物は、熱分解は抑制されるものの、ヤング率が300MPaを超え、クッション性の不足した堅い材料であった。
Claims (8)
- 成分(A):エチレン−α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体、及び
成分(B):下記式(1)で表される繰返し単位を含むポリフェニレンエーテル
を含有し、
成分(B)の含有量が、成分(A)及び成分(B)の合計を100質量部として1〜35質量部である、樹脂組成物。
[式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は、1以上の置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基を示し、同一分子中の複数のR1、R2、R3及びR4は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。] - 当該樹脂組成物が、成分(A)を含む連続相と、前記連続相中に分散し成分(B)を含む分散粒子と、を含み、前記分散粒子の平均分散粒子径が5μm以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 成分(A)及び成分(B)を含む原料混合物を溶融混錬する工程を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物を製造する方法。
- 前記原料混合物を50〜350℃に加熱しながら溶融混錬する、請求項3に記載の方法。
- 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を含有する樹脂フィルム。
- 前記樹脂組成物と、成分(A)及び成分(B)とは異なるその他の熱可塑性樹脂とを含有する単層フィルムである、請求項5に記載の樹脂フィルム。
- 前記樹脂組成物を含有する中間層と、前記中間層の両面上にそれぞれ積層され成分(A)及び成分(B)とは異なるその他の熱可塑性樹脂を含有する表層と、を有する多層フィルムである、請求項6に記載の樹脂フィルム。
- 前記その他の熱可塑性樹脂が、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、又はポリブチレンテレフタレートのうち少なくとも一方である、請求項6又は7に記載の樹脂フィルム。
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2017
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2018
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