JP2020136487A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

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充 高井
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勇太 仁科
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Atsushi Hitomi
篤志 人見
伊藤 秀毅
Hidetaka Ito
秀毅 伊藤
圭憲 檜
Yoshinori Hinoki
圭憲 檜
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Abstract

【課題】内部抵抗を大幅に低減できる電気二重層キャパシタを提供する。【解決手段】本発明の電気二重層キャパシタは、電極と非電解液とを有する。電極が、集電体と、集電体上に形成された電極層と、を有する。電極層が、グラフェンもしくは酸化グラフェンを含有し、グラフェンもしくは酸化グラフェンの配向方向は、集電体と平行する平面に対して6度以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは、活性炭等の分極性電極と電解液との界面に形成される電気二重層に蓄積される電気エネルギーを利用するキャパシタである。従来の二次電池のように充放電において化学反応を伴わないため長寿命であり、かつ高サイクル特性および高出力密度を有し、さらに使用可能温度が幅広いという特徴から、近年、新たな蓄電源として、また、車載用を始めとする各種機器の駆動用電源等として注目を集めており、特に、高容量・高出力の電気二重層キャパシタの開発が進められている。
例えば、電気二重層キャパシタのエネルギー密度の向上を目的として、平均層間距離d002が0.350〜0.380nmの範囲にある多層グラフェン層の発達した非多孔性炭を電極活物質として用いる電気二重層キャパシタが提案されている(特許文献1)。
また、電気二重層キャパシタのエネルギー密度の向上を目的として、グラフェンを電極活物質として含む電極材料を用いる電気二重層キャパシタが提案されている(特許文献2)。
特開2004−289130号公報 特開2018−41801号公報
しかしながら、従来の電気二重層キャパシタにおいて、形状異方性を有するグラフェンを電極材料として用いる際に、電極内部でグラフェンが層状となり電解液の浸透、イオン移動を妨げていた結果として、電気二重層キャパシタ電極の内部抵抗が大きいという問題があった。特に、形状異方性を有するグラフェンをシート化して電極層を形成する際、グラフェンが自然に平面方向に配向するため、集電体面に垂直方向の電気伝導率は、集電体面に平行する方向より小さいという問題があった。
本発明の目的は、前記事情に鑑みてなされたものであり、形状異方性を有するグラフェンをシート化する際、垂直方向もしくは垂直方向に傾斜した成分を電極に付与することで、電気伝導率を従来比で最大10倍に改善でき、内部抵抗を大幅に低減できる電気二重層キャパシタを提供することにある。
すなわち、本発明によれば、以下のものが提供される。
〔1〕 電気二重層キャパシタ用電極と電解液とを有する電気二重層キャパシタであって、
前記電極が、集電体と、前記集電体上に形成された電極層と、を有し
前記電極層が、グラフェンもしくは酸化グラフェンを含有し、
前記グラフェンもしくは酸化グラフェンの配向方向は、集電体と平行する平面に対して6度以上である
ことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
〔2〕 電気二重層キャパシタ用電極と電解液とを有する電気二重層キャパシタであって、
前記電極が、集電体と、前記集電体上に形成された電極層と、を有し
前記電極層が、グラフェンもしくは酸化グラフェンを含有し、
前記集電体と平行する方向の前記電極層の熱伝導率λ//と、前記集電体と垂直する方向の前記電極熱伝導率λ⊥の比(λ⊥/λ//)が1以上である
ことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
〔3〕 前記電極層が導電助剤をさらに含有することを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の電気二重層キャパシタ。
〔4〕 前記導電助剤はカーボンナノチューブもしくはカーボンナノファイバーであること特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
〔5〕 前記電極層がバインダーをさらに含有することを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
本発明により、内部抵抗を大幅に低減できる電気二重層キャパシタを提供することができる。
本実施形態に係る電気二重層キャパシタの断面模式図である。 本実施形態において、集電体上に、グラフェンが一定の角度で配向していることを示す模試図である。 従来技術において、集電体上に、グラフェンが集電体の表面と平行する方向で配向していることを示す模試図である。 電極材料シートを形成・剥離する工程を含む配向方法1の前半を示す模試図である。 電極材料シートの積層体を形成し、薄切りによって電極層を形成する工程を含む配向方法1の後半を示す模試図である。 電極材料シートの巻回体を形成し、薄切りによって電極層を形成する工程を含む配向方法1の後半を示す模試図である。 配向方法3の一例を示す模試図である。 配向方法3の一例を示す模試図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
(電気二重層キャパシタ用電極)
本実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極は、集電体と、前記集電体上に形成された電極層と、を有する。
[集電体]
上記集電体は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
[電極層]
本実施形態に係る電極層は、グラフェンもしくは酸化グラフェンを含有する。前記グラフェンもしくは酸化グラフェンの配向方向は、集電体と平行する方向に対して6度以上である。また、前記集電体と平行する方向の前記電極層の熱伝導率λ//と、前記集電体と垂直する方向の前記電極熱伝導率λ⊥の比(λ⊥/λ//)が1以上である。
前記電極層は、活物質であるグラフェンもしくは酸化グラフェンを含む以外に、導電助剤をさらに含むことが好ましい。また、より好ましくバインダーをさらに含む。
本発明の「グラフェンもしくは酸化グラフェンの配向方向」とは、電極層に対して、後述の評価方法で評価した配向方向である。図2に示すのは、グラフェンもしくは酸化グラフェン(「グラフェン系物質」ともいう)200を集電体300上に配向方向Kで揃える原理図である。図3に示すのは、比較するために、従来技術のグラフェン系物質201を集電体301上に平行方向(配向方向ゼロ度)で揃える原理図である。本発明の「グラフェンもしくは酸化グラフェンの配向方向」とは、電極層において全てのグラフェン系物質がその配向方向で揃える意味ではない。
配向方向の評価方法は特に限定されないが、例えば振動試料型磁力計(VSM)を用いて平面方向(配向度ゼロ度)から垂直方向までの磁化角度依存性を測定して、磁化が最大になる方向を配向方向とすることが出来る。
<グラフェン>
本実施形態に係る電気二重層キャパシタの電極層に用いられるグラフェンは、炭素原子が六方晶系配置した二次元シート状の物質をいう。
グラフェンは単層でも2層以上でもよい。本発明において、2層以上のグラフェンは、単層グラフェンと区別するため、グラフェンシート若しくはグラフェン粒子(集合体)と呼ぶことがある。グラフェンシートの積層数は、好ましくは、2層以上であり、10層以下である。
前記グラフェンは、例えば、電極材料として通常使用されるものを用いることが可能である。
グラフェンは、グラファイトを機械的に剥離するか、化学的処理を施すことにより調製することができる。
具体的には、グラファイトを粘着テープで機械的に剥離する方法が知られている。また、グラファイトに酸化処理を施すことにより、酸化グラフェンを得た後、還元処理を施すことにより、グラフェンを調製することができる。
<酸化グラフェン>
本実施形態に係る電気二重層キャパシタの電極層に用いられる酸化グラフェンは、グラファイトに酸化処理を施すことにより、グラファイトから剥離されたナノシートである。例えば、カルボニル基などを含むグラフェンが挙げられる。好適に使用できる酸化グラフェンとしては、株式会社仁科マテリアル社製の還元型酸化グラフェン(製品名:Exfoliated GO)を挙げることができる。
本発明に係る酸化グラフェンは、上記酸化グラフェンを還元処理して得られる還元型酸化グラフェン(RGOと呼ばれることがある。)を含む。本発明において、RGOと区別するために、還元処理されたことのない酸化グラフェンは、一次酸化グラフェンと呼ぶことがある。
還元型酸化グラフェン(RGO)は、例えば、グラファイトから単層剥離されたナノシートである酸化グラフェンのカルボニル基を一部又は全部除去することによって得られる。
一次酸化グラフェンは、カルボニル基、ヒドロキシ基などを有するので、極性溶媒などに対して親和性を有し、電極層を成膜する観点から、有利である。
還元型酸化グラフェンは、一部又は全部のカルボニル基が除去されているので、高い導電性を有し、電極材料に好適である。一方で、還元型酸化グラフェンは、ヒドロキシ基を有するので、極性溶媒などに対して親和性を有し、蓄電デバイスの構築に有利である。
ここで、好適に使用できる還元型酸化グラフェンとしては、株式会社MICC TEC製の「グラフェライトRGO」を挙げることができる。この「グラフェライトRGO」は、粒度が4〜80μm、厚みが2〜40nmであり、線状に繋がった形状を有している。
一次酸化グラフェンは、グラファイトを粘着テープで機械的に剥離する方法で得られたグラフェンを酸化する方法で得られることができる。また、グラファイトを酸化する方法で一次酸化グラフェン得られることができる。還元型酸化グラフェンは、一次酸化グラフェンを還元することによって得ることができる。
グラファイトを酸化する方法で一次酸化グラフェンを得る一例は以下に示す。すなわち、グラファイトに水中で過マンガン酸カリウム、硫酸等の強力な酸化剤を作用させると、グラファイトの各層の表面の炭素が酸化され、表面に酸素を含む置換基(カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシド等)を有するグラファイト酸化物が得られる。グラファイト酸化物はこれらの置換基の存在によって親水性を示し、水中に分散すると剥離し、単層か多層の一次酸化グラフェンの水分散液が得られる。
上記のようにして得られた一次酸化グラフェンは、例えば、ゆるやかな還元を行うことにより、グラフェンとは異なり、一次酸化グラフェンに比べて、水酸基や、カルボキシル基などの官能基を残した形態の構造を有する還元型酸化グラフェンが得られる。
本実施形態に係る電気二重層キャパシタの電極層に用いられる酸化グラフェンとしては、一次酸化グラフェンと還元型酸化グラフェンとの何れか1種を単独でも、これらの混合物でも、使用することができる。
電気二重層キャパシタの電極層に用いられる場合、電気伝導度が大きいことが望ましい。一次酸化グラフェン及び還元型酸化グラフェンの酸化度と電気伝導度は比例関係にあり、酸化度は好ましくは30%以下、より好ましくは10%以下である。
<グラフェンもしくは酸化グラフェンの形状・サイズ>
本発明の電気二重層キャパシタの電極層に用いられるグラフェンもしくは酸化グラフェン(「本発明のグラフェン系物質」ともいう。)は、凝集部分などの例外部位を除いて層数が1〜100であり、好ましく2〜10である。層数が2〜10であるグラフェンの質量比は、電極層に含まれているグラフェンに対して、60〜100%であり、好ましく70%〜100%であり、より好ましく80〜100%である。
本発明のグラフェン系物質は、粒度が0.1〜50μmであり、厚みが0.5〜200nmであるシート状を有している。電極層を塗膜する際に操作性の観点から、粒度が1〜10μmであることが好ましい。
<グラフェンもしくは酸化グラフェンの配向方向>
本発明のグラフェン系物質は、電極層中の配向方向は、集電体と平行する平面に対して6度以上であり、好ましく10度以上であり、より好ましく30度以上であり、さらに好ましく45度以上である。
「グラフェンもしくは酸化グラフェンの配向方向」とは、例えば板状グラフェンの表面と集電体と平行する平面との面角度である。評価方法に限定されないが、例えば、後述の磁気異方性評価法及び断面SEM法などの評価方法を用いて、電極層に分散されているグラフェンもしくは酸化グラフェンの平均配向方向で評価することができる。
<グラフェンもしくは酸化グラフェンの質量比>
本発明のグラフェン系物質は、下記のように、配向方向を制御しながら、電極層に分散されていることが好ましい。電極層に対して、本発明のグラフェン系物質の合計質量比は、好ましく30〜98%であり、より好ましく50〜98%であり、さらに好ましく70〜98%である。電極層において、本発明のグラフェン系物質を30%以上含むと、下記の方法で所定の角度を制御することによって、電極層の内部抵抗を低下する効果が得られる。
<電極層の熱伝導率の異方性>
本発明の電気二重層キャパシタの電極層は、形状異方性のある本発明のグラフェン系物質を含むので、集電体と平行する方向の前記電極層の熱伝導率λ//と、前記集電体と垂直する方向の前記電極熱伝導率λ⊥の比(λ⊥/λ//)が1以上、好ましく1.5以上、より好ましく4.0以上、さらに好ましく6.5以上である。
<その他の炭素材料>
本実施形態に係る電気二重層キャパシタの電極層は、電極活物質として、グラフェンもしくは酸化グラフェン(本発明のグラフェン系物質)を含む以外に、その他の炭素材料を含んでもよい。典型的には、活性炭、活性炭素繊維、非多孔性賦活炭、人造黒鉛等の「炭素材料」が挙げられ、また、フラーレン、カーボンナノチューブ又はフラーレンスート等の「ナノ炭素材料」と呼ばれる特殊な炭素材料も挙げられる。これらの材料の形態は、破砕状、粒状、顆粒状、繊維状、フェルト状、織物状及びシート状等の比表面積が大きくなる形態から選択すれば良いが、電極化しやすいのは、粒状すなわち粉末状の電極活物質である。
電極層におけるその他の炭素材料の合計質量比は、電極層に含まれている本発明のグラフェン系物質100質量部に対して好ましく200質量部以下であり、より好ましく100質量部以下であり、さらに好ましく50質量以下である。
<導電助剤>
導電助剤も、電極層の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、黒鉛、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、その他のファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラックなど)、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等の炭素材料が挙げられる。カーボンナノチューブもしくはカーボンナノファイバーであることが好ましい。
電極層中の導電助剤の含有量は特に限定されないが、電極活物質、導電助剤及びバインダーの質量の和を基準にして、5質量%〜25質量%であることが好ましく、10質量%〜20質量%であることがより好ましい。導電助剤の含有量を上記範囲とすることにより、得られた電極層において、導電助剤の量が少なすぎて内部抵抗が増加する傾向を抑制できる。また、電気容量に寄与しない導電助剤の量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向も抑制できる。
<バインダー>
バインダーは、活物質同士を結合すると共に、活物質と集電体とを結合している。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。
また、上記の他に、バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFPTFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
更に、上記の他に、バインダーとして、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等を用いてもよい。また、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子を用いてもよい。更に、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体等を用いてもよい。
また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、バインダーが導電助剤粒子の機能も発揮するので導電助剤を添加しなくてもよい。
電極層中のバインダーの含有量は特に限定されないが、活物質、導電助剤及びバインダーの質量の和を基準にして、3質量%〜30質量%であることが好ましく、5質量%〜15質量%であることがより好ましく、10質量%〜15質量%であることが最も好ましい。バインダーの含有量を上記範囲とすることにより、得られた電極層において、バインダーの量が少なすぎて強固な活物質層を形成できなくなる傾向を抑制できる。また、電気容量に寄与しないバインダーの量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向も抑制できる。
<電極層の組成>
本実施形態に係る電気二重層キャパシタにおいて、前記電極層は、グラフェンもしくは酸化グラフェン(本発明のグラフェン系物質)を65質量%以上85質量%以下の範囲内、導電助剤を10質量%以上20質量%以下の範囲内、バインダーを5質量%以上15質量%以下の範囲内で含有することが好ましい。前記電極層は、本発明のグラフェン系物質を70質量%以上80質量%以下の範囲内、導電助剤を15質量%以上20質量%以下の範囲内、バインダーを10質量%以上15質量%以下、の範囲内で含有することがより好ましい。
電極組成がこれら範囲にあると電極強度、抵抗のバランスがよくなり、連続充電下での特性変化が小さくなる。
[電極の作製方法]
<電極層におけるグラフェンもしくは酸化グラフェンの配向制御>
本実施態様にかかる電極の作製方法は、電極層におけるグラフェンもしくは酸化グラフェン(本発明のグラフェン系物質)の配向方向を所定の角度に形成することができれば、特に限定がない。例えば、下記方法1〜方法3が挙げられる。
<<方法1>>
図4と図5に例示したように、剥離シート400上に電極材料シート210を形成し、この電極材料シート210を剥離したのち、その電極材料シート210の積層体250を作成する。得られた積層体250を、積層方向で薄切りにして、電極層270とする。その電極層を集電体上に圧着し、電極が得られる。
あるいは、図4と図6に例示したように、剥離シート400上に電極材料シート210を形成し、この電極材料シート210を剥離したのち、その電極材料シート210の巻回体255を作成する。巻回体255の中心軸と垂直する方向で巻回体を薄切りにして電極層275とする。その電極層を集電体上に圧着し、電極が得られる。
剥離シート400の作製方法は、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルム上にシリコーン樹脂等の剥離剤液を塗布、乾燥して剥離層を形成する。
上記方法1において、剥離シート400に電極材料シート210を形成する方法は、例えば、本発明のグラフェン系物質、バインダー、溶媒、及び、導電助剤を含む塗料を剥離シート上に塗布し、剥離シート400上に塗布された塗料中の溶媒を除去することにより製造することができる。
溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
剥離シート400上に塗布された塗料中の溶媒を除去する方法は特に限定されず、塗料が塗布された剥離シート400を、例えば80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして電極層が形成された剥離シート400を、剥離シート400を剥離し、電極層の積層体250を作成する。その後、プレス装置等によりプレス処理して、積層体250の各層の厚さを調整してもよい。プレス装置としては、ロールプレスを用いることができる。また、電極材料シート210の巻回体255を作製する際に、巻きながら、ロールプレスなどを用いて圧着することができる。
<<方法2>>
図2に例示したように、集電体300上に本発明のグラフェン系物質を含む塗料を塗布し、磁場中にて、設定の角度にグラフェン配向方向を揃える。そのままの状態で加熱乾燥、固定化することにより、一定角度で配向方向を有する電極層200を作製することができる。
集電体300上に電極層200を形成する方法は、例えば、本発明のグラフェン系物質、バインダー、溶媒、及び、導電助剤を含む塗料を積層体上に塗布し、ソレノイド磁石配向装置等の磁場中にて設定の角度にグラフェン配向方向を揃える処理をし、集電体上に塗布された塗料中の溶媒を除去することにより製造することができる。磁場の印加方法、印加手順などについて特に限定されないが、以下の条件が好ましい。
磁場強度範囲:10〜100A/m
温度:80℃〜150℃
使用装置例:ソレノイド磁石配向装置
溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
集電体300上に塗布された塗料中の溶媒を除去する方法は特に限定されず、塗料が塗布された集電体を、例えば80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして電極層200が形成された電極を、その後、配向方向を維持しながら、プレス装置等によりプレス処理して、電極層の厚さを調整する。プレス装置としては、ロールプレスを用いることができる。
<<方法3>>
図7に例示したように、集電体350の上面が所望の傾斜角を持つ集電体を用いることで、塗布・乾燥などで自然配向することができる。あるいは、図8に例示したように、集電体上面の表面粗さを超える凹凸が付与された集電体351を用いることで、ランダム配列になるが挙げられる。
所望の傾斜角を持つ集電体350上に電極層250を形成する方法は、例えば、本発明のグラフェン系物質、バインダー、溶媒、及び、導電助剤を含む塗料を集電体上に塗布し、集電体上に塗布された塗料中の溶媒を除去することにより製造することができる。
集電体350上面に所望の傾斜角を形成する方法は、特に限定されなく、機械研削する方法や、化学エッチングする方法などが挙げられる。集電体351上面の表面粗さを超える凹凸を形成する方法は、特に限定されなく、機械研磨する方法や、化学エッチングする方法などが挙げられる。
塗料に用いる溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
集電体350、351上に塗布された塗料中の溶媒を除去する方法は特に限定されず、塗料が塗布された集電体を、例えば80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして電極層250、251が形成された電極を、その後、プレス装置等によりプレス処理して、電極層の厚さを調整する。プレス装置としては、ロールプレスを用いることができる。
上記方法2と方法3との組み合わせ方法も可能である。例えば、方法3の集電体を用いながら、方法2の磁場を利用して、配向処理を行うことができる。
また、上記方法1と方法3との組み合わせ方法も可能である。例えば、方法3の集電体350の代わりに、表面に傾斜角を形成した方法1の剥離シート400を用いて、同様な方法で、配向性電気材料シート250を形成する。その配向性電気材料シート250を、剥離シートから剥離し、集電体に貼り付けることで、電極が得られることができる。
(電気二重層キャパシタ)
図1は、本実施形態に係る電気二重層キャパシタを示す模式断面図である。図1に示すように、電気二重層キャパシタ100は、正極20と、正極20に対向する負極30と、正極20及び負極30の間に介在し、正極20の主面及び負極30の主面にそれぞれに接触するセパレータ10と、非水電解液(図示略)とを備えた電気二重層キャパシタである。
電気二重層キャパシタ100は、主として、発電要素40、発電要素40を密閉した状態で収容する外装体50、及び発電要素40に接続された一対のリード60,62(電極端子)を備えている。
発電要素40は、一対の正極20、負極30が、セパレータ10を挟んで対向配置されたものである。正極20は、板状(膜状)の正極集電体22上に正極活物質層24が設けられたものである。負極30は、板状(膜状)の負極集電体32上に負極活物質層34が設けられたものである。正極活物質層24の主面及び負極活物質層34の主面が、セパレータ10の主面にそれぞれ接触している。正極集電体22及び負極集電体32の端部には、それぞれリード60(正極端子)及びリード62(負極端子)が接続されており、リード60、62の端部は外装体50の外部にまで延びている。
[正極と負極]
本実施態様の電気二重層キャパシタ100において、正極20又は負極30は、前述の本実施形態の電気二重層キャパシタ用電極を用いる。正極20と負極30とは、前述の本実施形態の電気二重層キャパシタ用電極を用いることが好ましい。例えば、正極20が前述の本実施形態の電気二重層キャパシタ用電極からなる第一の電極を用い、負極30が前述の本実施形態の電気二重層キャパシタ用電極からなる第二の電極を用いる場合、この第一の電極とこの第二の電極とが同じでも、異なっても良い。この第一の電極とこの第二の電極とが同一であることがより好ましい。正極と負極とが同一の前述の本実施形態の電気二重層キャパシタ用電極であることで保持される電解液量のバランスが取れ、連続充電下での特性変化が小さくなる。「第一の電極と第二の電極とが同一である」ということは、一例として、同じシートから製造された前述の電気二重層キャパシタ用電極シートから、正極と負極に用いる第一の電極と第二の電極を切り取ることが挙げられる。すなわち、評価誤差の許容範囲において、第一の電極と第二の電極は、同じ電極の組成・形状・厚み等を有する意味である。
[電解液]
本実施態様に係る電解液は、正極活物質層24、負極活物質層34、及び、セパレータ10の内部に含有させるものである。水系電解液でも非水電解液でもよい。非水電解液が好ましい。非水電解液の溶質としては、カチオンとアニオンとを含む塩であって、例えば、カチオンが、テトラエチルアンモニウム,トリエチルメチルアンモニウム,スピロ−(1、1’)−ビピロリジニウム若しくはジエチルメチル−2−メトキシエチルアンモニウム(DEME)等の4級アンモニウム又は1、3−ジアルキルイミダゾリウム,1、2、3−トリアルキルイミダゾリウム,1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)若しくは1、2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウム(DMPI)等のイミダゾリウムであり、アニオンが、BF4−、PF6−、ClO4−、AlCl4−又はCFSO3−であるものを採用することが出来る。
電気二重層キャパシタの非水電解液の溶媒としては、プロピレンカーボネート(略称PC)、エチレンカーボネート(略称EC)、ジメチルカーボネート(略称DMC)、ジエチルカーボネート(略称DEC)、アセトニトリル(略称AN)、プロピオニトリル、γ−ブチロラクトン(略称BL)、ジメチルホルムアミド(略称DMF)、テトラヒドロフラン(略称THF)、ジメトキシエタン(略称DME)、ジメトキシメタン(略称DMM)、スルホラン(略称SL)、ジメチルスルホキシド(略称DMSO)、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルソルブなどの有機溶媒などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
これらの非水系電解液中の溶質濃度は電気二重層キャパシタの特性が十分引き出せるように、0.6mol/L以上2.2mol/L以下が好ましく、特に、0.8mol/L以上2.0mol/L以下の濃度では、高い電気伝導性が得られて好ましい。特に、−20℃以下の低温で充放電するとき、2.2mol/L以上の濃度では、電解液の電気伝導性が低下し好ましくない。0.6mol/L以下では室温下、低温下とも電気伝導度が小さく好ましくない。例えば、電解液としては、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレートのアセトニトリル(AN)の溶液を用いる場合、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレートの濃度としては0.9〜1.9mol/Lが好ましい。
[セパレータ]
セパレータ10としては、セルロース不織布やポリオレフィン系の多孔質フィルム、アラミド繊維の不織布のいずれか、またはこれらの混合物を用いることができる。
セパレータの厚みは、10μm以上50μm以下であることが好ましい。厚みが10μm以上であれば、内部のマイクロショートによる自己放電の抑制に優れ、一方、厚みが50μm以下であれば、電気二重層キャパシタのエネルギー密度及び出力特性に優れる。
[外装体]
外装体50は、その内部に発電要素40及び電解質溶液を密封するものである。外装体50は、電解液の外部への漏出や、外部からの電気二重層キャパシタ100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、外装体50として、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
[リード]
リード60,62(電極端子:正極端子と負極端子)は、一般的には略矩形をしており、その一端は電極の集電体と電気的に接続され、他端は使用時に外部の負荷(放電の場合)又は電源(充電の場合)と電気的に接続される。正極にリード60(正極端子)の一端を電気的に接続し、負極にリード62(負極端子)の一端を電気的に接続する。具体的には、正極集電体22の正極活物質層の未塗布領域にリード60を、負極集電体32の負極活物質層の未塗布領域にリード62を電気的に接続する。
リード60,62は、導電材料から形成されている。材質がアルミニウムであることが好ましい。
上記のラミネートフィルム外装体50の封止部となる、リード60,62の中央部には、ポリプロピレン等の樹脂製のフィルム(図示略)が貼りつけられていることが好ましい。これは、リード60,62と、ラミネートフィルムを構成する金属箔との短絡を防ぎ、かつ封止密閉性を向上させる。
前述した集電体(正極集電体22と負極集電体32)とリード60,62との電気的な接続方法は、例えば、超音波溶接法が一般的であるが、抵抗溶接、レーザー溶接等でもよく、限定するものではない。
[電気二重層キャパシタの作製]
公知の方法により、リード60、62を正極集電体22、負極集電体32にそれぞれ溶接し、正極20の正極活物質層24と負極30の負極活物質層34との間にセパレータ10を挟んだ状態で、非水電解液と共に外装体50内に挿入し、外装体50の入り口をシールすることにより、図1に示すような単セルの電気二重層キャパシタを作製することができる。また、2つ以上の単セルの電気二重層キャパシタを直列に接続して、2つ以上の単セルを含む電気二重層キャパシタを作製することができる。単セルの電気二重層キャパシタの容量維持率などの電気特性を評価・算出する方法としては、例えば、直列に接続された2つ以上の単セルを含む電気二重層キャパシタの評価から算出する方法が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[電極の作製]
本発明のグラフェン系物質として株式会社仁科マテリアル社製の還元型酸化グラフェン(製品名:Exfoliated GO)を使用し、導電助剤としてはカーボンブラック粉末を使用し、バインダーとしてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を使用し、酸化グラフェンと導電助剤とバインダーの質量比率を酸化グラフェン:導電助剤:バインダー=70:20:10となるように配合し、スラリーを調製した。
得られたスラリーをTDK製剥離シート上に塗工し、温度110℃で30分間乾燥した後にロールプレス装置によりプレス処理して、塗膜厚50μmの電極材料シートを得た。厚みの測定はマイクロメーターを用いた。ロールプレスの条件は、線圧を450kgf/cm、加熱ロール温度は室温、送り速度を5m/minとした。線圧は加圧ロールに掛かる圧力と上下のロールが接触する長さで計算をした。
同様な方法で塗膜厚50μmの電極材料を有する剥離シート5000枚を作成した。
そして、剥離シートから、電極材料シートを剥離し、3000枚の電極材料シートからなる150mm厚の積層体を作製した。
得られた積層体を薄切りして、得られた厚さ20μmの電極層を集電体と圧着し、電極を得た。厚みの測定はマイクロメーターを用いた。
[非水電解液]
アセトニトリル(AN)に、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートを1.0mol/Lとなるように溶解させた非水電解液を用意した。
[セパレータ]
膜厚20μmのポリエチレン微多孔膜を用意した。
[電気二重層キャパシタの作製]
上記で得られた電極2枚をそれぞれ12.5cmになるように切り取り、正極、負極とした。この正極、負極それぞれに正極端子と負極端子とを超音波融着して、正極と負極の間に上記セパレータを挟むように積層させ巻回した後、外装体としてのアルミラミネート材で覆い、上記非水電解液を注入し、最後に開口部を融着密封することにより、単セルの電気二重層キャパシタを作製した。これを2組作製し、直列になるように接続して実施例1の電気二重層キャパシタを作製した。作製した実施例1の電気二重層キャパシタは、直列に接続された2つの単セルを含むが、1つのセルとして内部抵抗と容量維持率の評価を行った。
<配向方向の評価>
実施例1の電気二重層キャパシタについて、その電極層に分散されている本発明のグラフェン系物質の配向方向を、磁気異方性評価法及び断面SEM法で評価した。磁気異方性評価は、振動試料型磁力計(VSM)を用いて平面方向(配向度ゼロ度)から垂直方向までの磁化角度依存性を測定して、磁化が最大になる方向を配向方向とした。また断面SEM評価は、1〜5万倍の倍率で撮影したSEM画像を2値化画像処理して配向方向を判定した。結果を表1に示す。
磁気異方性評価装置:東英工業株式会社製 高感度振動試料型磁力計VSM−P7型
断面SEM観察装置:日本電子株式会社製 走査電子顕微鏡 (SEM) JSM−7200F
<熱伝導率比の評価>
実施例1の電気二重層キャパシタについて、その電極層の熱伝導率比は株式会社ベテル ハドソン研究所社製サーモウェーブアナライザ TAを用いて評価した。結果を表1に示す。
<内部抵抗の評価>
実施例1の電気二重層キャパシタについて、内部抵抗は静電容量測定時に、式「V=IR」を用いて算出することにより求めた。
(実施例2)
実施例1と同様な方法で得られた電極材料シートは、実施例1の積層体の代わりに、直径150mmの巻回体を作成した。得られた巻回体を中心軸と垂直する方法で薄切りして、得られた厚さ20μmの電極層を集電体と圧着し、電極を得た。厚みの測定はマイクロメーターを用いた。
実施例1と同様な方法で、電気二重層キャパシタを作製した。実施例1と同様な方法で、電極層の配向方法、熱伝導率比、キャパシタの内部抵抗などを評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同様な方法で、スラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ20μmのアルミ箔上に塗工し、乾燥前にソレノイド磁石配向装置(磁場強度50A/m)にて10度にグラフェン配向方向を揃えた。そのままの状態で温度140℃で30分間乾燥した後にロールプレス装置によりプレス処理して、電極を得た。厚みの測定はマイクロメーターを用いた。ロールプレスの条件は、線圧を450kgf/cm、加熱ロール温度は室温、送り速度を5m/minとした。線圧は加圧ロールに掛かる圧力と上下のロールが接触する長さで計算をした。
得られた電極を用いて、実施例1と同様な方法で、電気二重層キャパシタを作製した。実施例1と同様な方法で、電極層の配向方法、熱伝導率比、キャパシタの内部抵抗などを評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
配向方向を表1に示す角度に調整した以外は、実施例3と同様な方法で、電気二重層キャパシタを作製した。実施例1と同様な方法で得られた電気二重層キャパシタを評価した。結果を表1に示す。
(実施例5)
<傾斜角を持つ集電体の作製>
厚さ20μmのアルミ箔上に、図7に示すように、傾斜角45度、深さ10μm、溝ピッチ10μmの溝を機械研削法で加工し、従来方法と同様にアルミ箔面を表面処理した。得られた溝付きアルミ箔を用い、配向方向を表1に示す角度に調整した以外は、実施例3と同様な方法で、電気二重層キャパシタを作製した。実施例1と同様な方法で得られた電気二重層キャパシタを評価した。結果を表1に示す。
(実施例6)
<傾斜角を持つ集電体の作製>
厚さ20μmのアルミ箔上に、化学エッチング法で、ライン深さ10μm、ライン幅10μm、スペース幅5μmのライン&スペースパターンを加工し、従来方法と同様にアルミ箔面を表面処理した。得られたライン&スペースパターン付きアルミ箔を用い、、配向方向を表1に示す角度に調整した以外は、実施例3と同様な方法で、電気二重層キャパシタを作製した。実施例1と同様な方法で得られた電気二重層キャパシタを評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
磁場中で配向処理を行わなかった以外は、実施例3と同様な方法で、電気二重層キャパシタを作製した。実施例1と同様な方法で得られた電気二重層キャパシタを評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
磁場中で配向処理において、5度に配向した以外は、実施例3と同様な方法で、電気二重層キャパシタを作製した。実施例1と同様な方法で得られた電気二重層キャパシタを評価した。結果を表1に示す。
(実施例7)
<他の炭素材料を含有する例>
電極活物質として、本発明のグラフェン系物質以外に、通常の電気二重層キャパシタ用電極で用いる活性炭を、本発明のグラフェン系物質100質量部に対して、100質量部を用いる以外は、実施例1と同様な方法で、電気二重層キャパシタを作製した。実施例1と同様な方法で得られた電気二重層キャパシタを評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
<他の炭素材料を含有する例>
電極活物質として、本発明のグラフェン系物質以外に、通常の電気二重層キャパシタ用電極で用いる活性炭を、本発明のグラフェン系物質100質量部に対して、100質量部を用いる以外は、比較例1と同様な方法で、電気二重層キャパシタを作製した。実施例1と同様な方法で得られた電気二重層キャパシタを評価した。結果を表1に示す。
Figure 2020136487
表1に示すように、配向方向が90度である実施例1と2において、電極層シートの熱伝導率比が約10であった。シートの電気伝導率の異方性は、熱伝導率異方性と同様な挙動を示すことが知られているため、集電体面に垂直する方向(厚さ方向)の電気伝導率が、集電体面に平行する方向の電気伝導率より10倍近く高いことが予測できる。実施例1と2の電気二重層キャパシタにおいて、内部抵抗が13mΩであり、配向処理していない比較例1の158mΩに比較して、1/10に低減した。
方法2と方法3で配向処理した実施例3〜6において、配向方向が10度〜60であり、内部抵抗が14〜25mΩである電気二重層キャパシタが得られた。配向処理していない比較例1の158mΩに比較して、最大1/10に低減した。
活物質としてグラフェンと活性炭を用いた実施例7では、配向効果は低減するが熱伝導率比は4.0、内部抵抗15mΩを得られた。
比較例2、比較例3においては十分な配向効果が得られず、熱伝導率比はそれぞれ0.8及び0.6、内部抵抗はそれぞれ44mΩ、15mΩであった。
10…セパレータ、20…正極(電気二重層キャパシタ用電極)、22…正極集電体(集電体)、24…正極活物質層(電極層)、30…負極(電気二重層キャパシタ用電極)、32…負極集電体(集電体)、34…負極活物質層(電極層)、40…発電要素、50…外装体、52…金属箔、54…高分子膜、60,62…リード、100…電気二重層キャパシタ、300、301、350、351…集電体、200、201、250、251…グラフェンもしくは酸化グラフェン(グラフェン系物質)、K…グラフェン配向方向、210…電極材料シート、400…剥離シート、250…積層体、255…巻回体、270、275…電極層。

Claims (5)

  1. 電気二重層キャパシタ用電極と電解液とを有する電気二重層キャパシタであって、
    前記電極が、集電体と、前記集電体上に形成された電極層と、を有し
    前記電極層が、グラフェンもしくは酸化グラフェンを含有し、
    前記グラフェンもしくは酸化グラフェンの配向方向は、集電体と平行する平面に対して6度以上である
    ことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  2. 電気二重層キャパシタ用電極と電解液とを有する電気二重層キャパシタであって、
    前記電極が、集電体と、前記集電体上に形成された電極層と、を有し
    前記電極層が、グラフェンもしくは酸化グラフェンを含有し、
    前記集電体と平行する方向の前記電極層の熱伝導率λ//と、前記集電体と垂直する方向の前記電極熱伝導率λ⊥の比(λ⊥/λ//)が1以上である
    ことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  3. 前記電極層が導電助剤をさらに含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気二重層キャパシタ。
  4. 前記導電助剤はカーボンナノチューブもしくはカーボンナノファイバーであること特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
  5. 前記電極層がバインダーをさらに含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
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