JP7854700B2 - ソフトアクチュエータ - Google Patents
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特許法第30条第2項適用 ウェブサイトのアドレス:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/smsc.202100002 ウェブサイトの掲載日:令和3年1月26日
本発明は、ソフトアクチュエータに関する。
アクチュエータは、MEMS(無機半導体)技術やモーター駆動を利用して製造されている(非特許文献1)。
また、有機材料を用いたソフトアクチュエータが提案されている(非特許文献2)。ソフトアクチュエータは、アクティブ点字や触覚ハプティクスデバイス応用に有用である。
Xingdong Lv, et al., A novel MEMS electromagnetic actuator with large displacement, Sensors and Actuators A, 221 (2015) 22-28
Philipp Rothemund, et al., A soft, bistable valve for autonomous control of soft actuators, Science Robotics, 3, (2018) 1-10
しかしながら、MEMS(無機半導体)技術やモーター駆動を利用して製造されるアクチュエータは高出力であるものの、硬く、小面積駆動であることが課題であった。
また、従来の有機材料を用いたアクチュエータは、柔軟性はあるものの、無機系材料と比較して出力、すなわち変位量が小さく、高速化と高出力化の性能両立が本質的に難しかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、柔軟性があり、高速且つ高出力で動作が可能であり、さらに大面積化が可能なソフトアクチュエータを提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)電極層及び前記電極層の間の活性層を含むソフトアクチュエータであって、
前記電極層は導電性材料を含み、
前記活性層は結晶性誘電体ポリマーを含み、
前記電極層及び前記活性層のうち少なくとも一方は、親水性官能基を備えたカーボン粒子を含む、
ソフトアクチュエータ。
(2)前記カーボン粒子が、酸化グラフェン、カーボンナノチューブ、またはそれらの組み合わせである、上記(1)に記載のソフトアクチュエータ。
(3)前記活性層が、前記カーボンナノチューブを含む、上記(2)に記載のソフトアクチュエータ。
(4)前記電極層が、前記酸化グラフェンを含む、上記(2)または(3)に記載のソフトアクチュエータ。
(5)前記活性層が、0.01~0.1質量%の前記カーボン粒子を含む、上記(1)~(4)のいずれかに記載のソフトアクチュエータ。
(6)前記電極層が、0.0005~0.5質量%の前記カーボン粒子を含む、上記(1)~(5)のいずれかに記載のソフトアクチュエータ。
(7)10mm2以上の面積を有する、上記(1)~(6)のいずれかに記載のソフトアクチュエータ。
(8)電極層及び前記電極層の間の活性層を含むソフトアクチュエータであって、
前記活性層は、結晶性誘電体ポリマー及び親水性官能基を備えたカーボン粒子を含む、
ソフトアクチュエータ。
(1)電極層及び前記電極層の間の活性層を含むソフトアクチュエータであって、
前記電極層は導電性材料を含み、
前記活性層は結晶性誘電体ポリマーを含み、
前記電極層及び前記活性層のうち少なくとも一方は、親水性官能基を備えたカーボン粒子を含む、
ソフトアクチュエータ。
(2)前記カーボン粒子が、酸化グラフェン、カーボンナノチューブ、またはそれらの組み合わせである、上記(1)に記載のソフトアクチュエータ。
(3)前記活性層が、前記カーボンナノチューブを含む、上記(2)に記載のソフトアクチュエータ。
(4)前記電極層が、前記酸化グラフェンを含む、上記(2)または(3)に記載のソフトアクチュエータ。
(5)前記活性層が、0.01~0.1質量%の前記カーボン粒子を含む、上記(1)~(4)のいずれかに記載のソフトアクチュエータ。
(6)前記電極層が、0.0005~0.5質量%の前記カーボン粒子を含む、上記(1)~(5)のいずれかに記載のソフトアクチュエータ。
(7)10mm2以上の面積を有する、上記(1)~(6)のいずれかに記載のソフトアクチュエータ。
(8)電極層及び前記電極層の間の活性層を含むソフトアクチュエータであって、
前記活性層は、結晶性誘電体ポリマー及び親水性官能基を備えたカーボン粒子を含む、
ソフトアクチュエータ。
本発明により、柔軟性があり、高速且つ高出力で動作が可能であり、さらに大面積化が可能なソフトアクチュエータを提供することが可能となる。
本開示は、電極層及び前記電極層の間の活性層を含むソフトアクチュエータであって、前記電極層は導電性材料を含み、前記活性層は結晶性誘電体ポリマーを含み、前記電極層及び前記活性層のうち少なくとも一方は、親水性官能基を備えたカーボン粒子を含む、ソフトアクチュエータを対象とする。
本ソフトアクチュエータは、主構成要素である活性層(駆動層)が主に結晶性誘電体ポリマーで構成されるため柔軟性を有する。本ソフトアクチュエータにおいては、導電性材料で主に構成される電極層及び結晶性誘電体ポリマーで主に構成される活性層の少なくとも一方に、親水性官能基を備えるカーボン粒子を含有させることにより、従来よりも高速且つ高出力で動作するソフトアクチュエータを得ることができる。本ソフトアクチュエータはまた、塗布プロセスで作製が可能であり、大面積化が容易である。本ソフトアクチュエータは、ヒトの触覚を再現するハプティクスデバイスに好適に用いることができる。
結晶性誘電体ポリマーは、塗布プロセスにより成膜が可能であり、次いで熱処理プロセスを経ると結晶方位が揃う結晶性の材料である。結晶性誘電体ポリマーに親水性官能基を備えたカーボン粒子を混合して塗布プロセスで誘電体膜を成膜し、焼成プロセスを経て誘電体層を形成すると、誘電体層の結晶性誘電体ポリマーの結晶方位がより揃いやすくなる。結晶性誘電体ポリマーの結晶方位が揃うほど電界を印加したときに結晶が同じ方向に動きやすくなるため、アクチュエータの出力が向上、すなわち変位量が大きくなる。本願において、熱処理前の結晶性誘電体ポリマーを含む膜を誘電体膜といい、熱処理後の結晶性誘電体ポリマーを含む膜を誘電体層という。
導電性材料についても、塗布プロセスにより成膜が可能であり、熱処理プロセスを経て電極層を得ることができる。導電性材料に親水性官能基を備えたカーボン粒子を混合して、塗布プロセスで電極膜を成膜し熱処理プロセスを経て、活性層に隣接するように電極層を形成すると、誘電体層の結晶性誘電体ポリマーの結晶方位がより揃いやすくなり、アクチュエータの出力が向上、すなわち変位量が大きくなる。理論に束縛されるものではないが、導電性材料に親水性官能基を備えたカーボン粒子を混合して塗布プロセスで電極膜を成膜する際、親水性官能基を備えたカーボン粒子が電極膜の表面に存在し、熱処理プロセスにおいて誘電体膜との界面に介在するカーボン粒子の親水性官能基が誘電体膜の結晶性誘電体ポリマーに作用して結晶性誘電体ポリマーの結晶性が向上すると考えられる。本願において、熱処理前の導電性材料を含む膜を電極膜といい、熱処理後の導電性材料を含む膜を電極層という。
カーボン粒子の表面に存在する親水性官能基は、結晶性誘電体ポリマーと水素結合しやすく、結晶性誘電体ポリマーとカーボン粒子とを一緒に成膜して熱処理すると、結晶方位がより揃った結晶性誘電体ポリマーを得ることができる。親水性官能基は、好ましくは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、またはアミノ基であり、より好ましくはヒドロキシル基またはカルボキシル基である。カーボン粒子は一般的に表面に親水性官能基を備えるため、結晶性誘電体ポリマーの結晶性向上効果を得ることができる。カーボン粒子に、従来行われている酸化処理、プラズマ処理等を施して、カーボン粒子の表面に所望の親水性官能基を付与またはカーボン粒子の表面の親水性官能基の量を増やしてもよい。カーボン粒子が備える親水性官能基の数は、好ましくは0.01~1mmol/gである。カーボン粒子表面の親水性官能基の有無及び数は、酸塩基滴定法(Boehm法)、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR)、X線光電子分光法(XPS)、または加熱発生ガス質量分析(TPD/MS)により測定することができる。
カーボン粒子は、好ましくは、活性層の厚みよりも小さい最大粒径を有し、より好ましくはカーボン粒子が含まれる活性層及び/または電極層の厚みよりも小さい最大粒径を有する。カーボン粒子が前記好ましい最大粒径を有することにより、活性層をカーボン粒子が突き抜けることによる短絡を抑制しながら活性層の結晶性を向上することができる。カーボン粒子は、活性層の厚み100%に対して、好ましくは1~75%、より好ましくは2~50%、さらに好ましくは3~25%の最大粒径を有する。カーボン粒子の最大粒径は、電極層または活性層の表面または断面の高解像度光学顕微鏡観察で1500×1500μmの視野で観察される全ての粒子の最大寸法をいう。
カーボン粒子は、好ましくは0.1~10000nm、より好ましくは1~1000nm、さらに好ましくは10~100nmの平均粒径を有する。カーボン粒子が上記好ましい微小の平均粒径を有することにより、活性層の短絡を抑制しながら活性層の結晶性をより向上することができる。カーボン粒子の平均粒径は、電極層または活性層の表面または断面の高解像度光学顕微鏡で150×150μmの視野で観察される粒子のうち、ランダムに選択した10個の粒子の寸法の平均値をいう。1個のカーボン粒子の寸法は、観察像における粒子の最大寸法を示す長手方向の寸法とそれに垂直な方向における寸法との平均値として算出し得る。
カーボン粒子の平均粒径及び最大粒径は、乳鉢等を用いて粉砕、ふるい等を用いて粗大な粒子を除去する等により、調整してもよい。
カーボン粒子は、グラファイト、カーボンブラック、グラフェン、酸化グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン等、またはそれらの組合せであることができる。酸化グラフェン及びカーボンナノチューブは一般的にカルボキシル基等の親水性官能基を多く備えるため、親水性官能基を備えるための特別な処理が不要である点でより好ましい。
電極層は、好ましくは0.0005~0.5質量%、より好ましくは0.001~0.1質量%、さらに好ましくは0.005~0.05質量%のカーボン粒子を含む。電極層が前記好ましい範囲のカーボン粒子を含むことにより、活性層の絶縁性を確保しながら活性層の結晶性を向上することができる。
活性層は、好ましくは0.01~1質量%、より好ましくは0.03~0.5質量%、さらに好ましくは0.05~0.1質量%のカーボン粒子を含む。活性層が前記好ましい範囲のカーボン粒子を含むことにより、活性層の絶縁性を確保しながら活性層の結晶性を向上することができる。
カーボン粒子は、電極層及び活性層のうち少なくとも一方に含まれ、好ましくは電極層及び活性層の両方に含まれる。電極層及び活性層の含まれるカーボン粒子は同じでもよく、異なってもよい。
電極層に含まれるカーボン粒子は、好ましくは、酸化グラフェンである。酸化グラフェンは親水性官能基である酸素含有官能基、特にヒドロキシル基及びカルボキシル基を多く備え、電極層の結晶性をより向上させやすい。
酸化グラフェンは、好ましくは1~1000nm、より好ましくは10~500nm、さらに好ましくは20~1000nmの平均粒径を有する。上記平均粒径の酸化グラフェンは、電極層に含有させたときに分散性が良く活性層の結晶性をより大きく向上させることができる。
活性層に含まれるカーボン粒子は、好ましくは、カーボンナノチューブである。カーボンナノチューブは親水性官能基が多く且つ平均粒径が小さいので、活性層に含有させると活性層の絶縁性を確保しながら活性層の結晶性向上に大きく寄与する。
カーボンナノチューブは、好ましくは1~1000nm、より好ましくは10~500nm、さらに好ましくは50~200nmの長さを有する。カーボンナノチューブはまた、好ましくは0.1:100~10:100、より好ましくは0.3:100~5:100、さらに好ましくは0.5:100~2:100のアスペクト比を有する。カーボンナノチューブの平均粒径は、長手方向と短手方向との平均値として算出し得る。上記好ましい形状のカーボンナノチューブは、活性層に含有させたときに、分散性が良く層の絶縁性をより良好に確保することができる。
カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブであり、好ましくは単層カーボンナノチューブである。
電極層の厚みは、好ましくは50~2000nm、より好ましくは100~1000nm、さらに好ましくは250~750nmである。電極層が前記好ましい厚みを有することにより、積層デバイスである本アクチュエータの柔軟性、低抵抗値、及び優れた表面平滑性をより両立することができる。
活性層の厚みは、好ましくは0.1~100μm、より好ましくは0.5~30μm、さらに好ましくは1~10μmである。活性層が前記好ましい厚みを有することにより、積層デバイスである本アクチュエータを作製する際により良好な成膜性が得られ、且つ電圧印加(アクチュエータ駆動)がより容易になる。
本アクチュエータは塗布プロセスで作製が可能であり、大面積化が容易である。本アクチュエータは、好ましくは10mm2以上、より好ましくは100mm2以上、さらに好ましくは300mm2以上、さらにより好ましくは3000mm2以上の面積を有する。本アクチュエータの面積の上限は特に限定されないが、例えば100000mm2程度でもよい。上記好ましい面積のアクチュエータを、より小さい面積を有するアクチュエータの小片に分割してもよい。
電極層に用いられる導電性材料は、親水性官能基を備えたカーボン粒子と混合することにより誘電体層の結晶性を向上させ且つ電極層を形成したときに柔軟性を有する材料であれば特に限定されないが、好ましくは、導電性ポリマーまたは金属粒子が挙げられる。
導電性ポリマーは、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリカルバゾール、ポリビニルピリジン、ポリ(n-ビニルカルバゾール)、ポリフルオレン、ポリフェニレン、ポリ(p-フェニレンビニレン)、ポリ(ピリジンビニレン)、ポリキノキサリン体、ポリキノリン、これらの誘導体、及びこれらの混合物を挙げることができる。これらの中でも、導電性が高い点から、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、これらの誘導体、及びこれらの混合物を用いることができ、特にポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との複合体であるPEDOT:PSSは極性溶媒中でカーボン粒子とともにより分散させやすい点で好ましい。
金属粒子は、Au粒子、アルミニウム粒子、銀粒子等であることができる。金属粒子は、好ましくは、20nm以上、50nm以上、100nm以上、200nm以上、または500nm以上、及び1000nm以下、800nm以下、600nm以下、500nm以下、または300nm以下の平均粒径を有する。上記好ましい平均粒径を有する金属粒子は、極性溶媒中でカーボン粒子とともにより分散させやすい点で好ましい。
活性層に用いられる結晶性誘電体ポリマーは、塗布プロセスにより成膜して熱処理プロセスを経ると結晶方位が揃う結晶性の圧電体材料であり、カーボン粒子を混合すると、結晶方位がより揃いやすくなる材料である。結晶方位が揃うほど電界を印加したときに同じ方向に動きやすくなるため、印加電界に依存した一軸方向の大きな駆動力を発現しアクチュエータの出力が向上、すなわち変位量が大きくなる。
活性層に用いられる結晶性誘電体ポリマーは、好ましくは4~12、より好ましくは5~11、さらに好ましくは6~10の比誘電率を有する。結晶性誘電体ポリマーが上記好ましい比誘電率を有することにより、より高速でより高出力のアクチュエータを得ることができる。
活性層に用いられる結晶性誘電体ポリマーは、好ましくは200000~700000、より好ましくは300000~600000、さらに好ましくは400000~500000の重量平均分子量Mwを有する。結晶性誘電体ポリマーが上記好ましい分子量を有することにより、強誘電性が向上するためアクチュエータの出力をより向上することができる。
活性層に用いられる結晶性誘電体ポリマーは、圧電性を有し、親水性官能基を備えたカーボン粒子と混合することにより結晶性が向上し、且つ誘電体層を形成したときに柔軟性を有する結晶性ポリマーであれば特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン共重合体(P(VDF-TrFE))、フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン共重合体等である。
本ソフトアクチュエータは、電極層及び前記電極層の間の活性層を含むコンデンサ構造を有する。図22に、電極層1及び電極層1の間の活性層2を含むコンデンサ構造を有するソフトアクチュエータ10の一例の断面模式図を示す。本ソフトアクチュエータは、2層以上の電極層、及び1層以上の活性層を備え、電極層に挟まれた活性層を複数備えてもよい。本ソフトアクチュエータは、図22に例示するような基板3を備えてもよい。
本アクチュエータが備え得る基板は、柔軟性を有する基板であればよく特に限定されなく、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)等のフレキシブル基板であることができる。本アクチュエータが備え得る基板は、好ましくは、10~100μm、より好ましくは20~80μmの厚みを有する。
本開示はまた、電極層及び前記電極層の間の活性層を含むソフトアクチュエータであって、前記活性層は、結晶性誘電体ポリマー及び親水性官能基を備えたカーボン粒子を含む、ソフトアクチュエータを対象とする。
活性層が、結晶性誘電体ポリマー及び親水性官能基を備えたカーボン粒子を含む場合、電極層は導電性を有し且つアクチュエータを構成したときに柔軟性を有する材料であれば特に限定されず、例えば金属箔等でもよく、上述した電極層の構成を有してもよい。金属箔は、好ましくは1~500nm、より好ましくは10~200nmの厚みを有する。親水性官能基を備えたカーボン粒子を含む活性層の構成、及びアクチュエータの全体構成は、上述した構成が適用される。
(膜の形成方法)
活性層は、極性溶媒に親水性官能基を備えたカーボン粒子及び結晶性誘電体ポリマーを分散させた誘電体組成物を準備し、誘電体組成物を塗布、乾燥、及び熱処理することで形成され得る。電極層は、極性溶媒に親水性官能基を備えたカーボン粒子及び導電性材料を分散させた電極組成物を準備し、電極組成物を塗布、乾燥、及び熱処理することで形成され得る。電極組成物及び誘電体組成物はそれぞれ、塗布プロセスで塗布可能なペースト状、インク状等の形態であることができる。
活性層は、極性溶媒に親水性官能基を備えたカーボン粒子及び結晶性誘電体ポリマーを分散させた誘電体組成物を準備し、誘電体組成物を塗布、乾燥、及び熱処理することで形成され得る。電極層は、極性溶媒に親水性官能基を備えたカーボン粒子及び導電性材料を分散させた電極組成物を準備し、電極組成物を塗布、乾燥、及び熱処理することで形成され得る。電極組成物及び誘電体組成物はそれぞれ、塗布プロセスで塗布可能なペースト状、インク状等の形態であることができる。
熱処理は、例えば、100℃以上170℃以下、110℃以上160℃以下、120℃以上150℃以下、または125℃以上145℃以下の温度で、10分以上300分以下、20分以上120分以下、または30分以上90分以下で行うことができる。
極性溶媒は、カーボン粒子及び導電性材料または結晶性誘電体ポリマーを溶解または分散させることができる有機溶媒である。極性溶媒にカーボン粒子及び導電性材料または結晶性誘電体ポリマーを混合して有機溶液を調製し、基板等に塗布し、有機溶媒を蒸発させて電極膜または誘電体膜を形成することができる。極性溶媒は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、トリメチルホスファートなどのエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が分散性の観点から好ましい。
活性層は、活性層としての機能を実質的に阻害しない範囲で他の材料をさらに含んでもよいが、強誘電性を得る観点から活性層は好ましくは、極性溶媒及び結晶性誘電体ポリマーのみを混合して形成される。電極層は、電極層としての機能を実質的に阻害しない範囲で他の材料をさらに含んでもよい。電極層の形成において、極性溶媒には、さらにバインダー、可塑剤等を混合してもよい。バインダーとしては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンブタジエン熱可塑性エラストマー、スチレンイソプレン熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン熱可塑性エラストマー、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエン-イソプレンゴム、エチレン・プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。電極層が上記のようなバインダーを含むことにより、電極層の柔軟性を向上することができる。
極性溶媒には、カーボン粒子及び導電性材料または結晶性誘電体ポリマーを同時に混合してもよく、極性溶媒にカーボン粒子を混合し、次いで、導電性材料または結晶性誘電体ポリマーを順次混合してもよく、あるいは極性溶媒に、導電性材料または結晶性誘電体ポリマーを混合し、次いでカーボン粒子を順次混合してもよい。例えば、電極層を形成するときは、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等の極性溶媒にカーボン粒子を混合し、次いでPEDOT:PSS等の導電性材料を混合して電極組成物を準備してもよい。例えば、活性層を形成するときは、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等の極性溶媒にカーボン粒子を混合し、次いでP(VDF-TrFE)等の結晶性誘電体ポリマーを混合して誘電体組成物を準備してもよい。
一例では、フレキシブル基板上に電極組成物を塗布して電極膜を形成することができる。フレキシブル基板上に誘電体組成物を塗布及び乾燥して誘電体膜を形成することができる。フレキシブル基板上に形成した電極膜上にフレキシブル基板から剥離した誘電体膜を配置して、電極膜と誘電体膜との積層体を得ることができる。あるいは、フレキシブル基板上に形成した電極膜上にフレキシブル基板上に形成した誘電体膜を転写し、次いで誘電体膜のフレキシブル基板を剥離して、電極膜と誘電体膜との積層体を得ることができる。同様の方法を繰り返して所望の層数の電極膜と誘電体膜との積層体を得てもよい。得られた積層体を熱処理して、本アクチュエータを作製することができる。
別法では、フレキシブル基板上に形成した電極膜上に、塗布法により、誘電体膜を形成して電極膜と誘電体膜との積層体を得てもよい。同様の方法を繰り返して所望の層数の電極膜と誘電体膜との積層体を得てもよい。得られた積層体を熱処理して、本アクチュエータを作製することができる。
電極膜及び誘電体膜の塗布方法は、従来から用いられている方法であることができ、例えば、スピンコーティング法、印刷法(スクリーン印刷法、インクジェット法、グラビア印刷法等)、ディスペンサー法、スプレー法、ディップコート法、ダイコーター法、ロールコーター法、バーコーター法、ブレードコーティング法等を用いることができる。
上記プロセスによれば、基板上に複数の本アクチュエータを作製し、基板ごと1つまたは複数の本アクチュエータを切り出してもよい。基板ごと切り出した本アクチュエータに電圧を加えると、アクチュエータとして動作する。基板上に複数の本アクチュエータを作製する場合、それぞれのアクチュエータは連続していてもよく、互いに離れていてもよい。
(実施例1)
(電極組成物の準備)
酸化グラフェン(GO)粒子(東京化成(TCI)製、G0443)を乳鉢で粉砕し篩いにかけて、平均粒径500nm、最大粒径5μmの酸化グラフェン粒子を準備した。酸化グラフェン粒子は、ヒドロキシル基及びカルボキシル基の親水性官能基を約0.4mmol/g備えていた。
(電極組成物の準備)
酸化グラフェン(GO)粒子(東京化成(TCI)製、G0443)を乳鉢で粉砕し篩いにかけて、平均粒径500nm、最大粒径5μmの酸化グラフェン粒子を準備した。酸化グラフェン粒子は、ヒドロキシル基及びカルボキシル基の親水性官能基を約0.4mmol/g備えていた。
極性溶媒であるN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に、準備した酸化グラフェン粒子を1質量%混合して混合液を得た。次いで、混合液に導電性材料であるPEDOT:PSS(へレウス社製、Clevios SV4)を、質量比で(PEDOT:PSS):混合液=99:1になるように混合して電極組成物を準備した。すなわち、準備した電極組成物中のPEDOT:PSSに対する酸化グラフェン粒子の含有量は0.01質量%であった。
(誘電体組成物の準備)
N-メチル-2-ピロリドン(NMP)に、P(VDF-TrFE)(アルケマ株式会社製、FC25)を混合して誘電体組成物を準備した。
N-メチル-2-ピロリドン(NMP)に、P(VDF-TrFE)(アルケマ株式会社製、FC25)を混合して誘電体組成物を準備した。
(ソフトアクチュエータの作製)
フレキシブル基板として50μm厚のPEN基板(帝人株式会社製、テオネックスQ65HA)を準備した。PEN基板上に、準備した電極組成物をスクリーン印刷法で塗布し、次いで乾燥して電極膜を形成した。形成した電極膜上に、準備した誘電体組成物をスクリーン印刷法で塗布し、次いで乾燥して誘電体膜を形成した。さらに、形成した誘電体膜上に、準備した電極組成物をスクリーン印刷法で塗布し、次いで乾燥して電極膜を形成し、PEN基板上に電極膜/誘電体膜/電極膜の3層のコンデンサ構造を備えた積層体を形成した。
フレキシブル基板として50μm厚のPEN基板(帝人株式会社製、テオネックスQ65HA)を準備した。PEN基板上に、準備した電極組成物をスクリーン印刷法で塗布し、次いで乾燥して電極膜を形成した。形成した電極膜上に、準備した誘電体組成物をスクリーン印刷法で塗布し、次いで乾燥して誘電体膜を形成した。さらに、形成した誘電体膜上に、準備した電極組成物をスクリーン印刷法で塗布し、次いで乾燥して電極膜を形成し、PEN基板上に電極膜/誘電体膜/電極膜の3層のコンデンサ構造を備えた積層体を形成した。
形成した積層体を135℃で1時間熱処理して、酸化グラフェンを含み300nmの厚みを有する下部電極層/4.5μmの厚みを有する活性層(駆動層)/酸化グラフェンを含み300nmの厚みを有する上部電極層を備えたソフトアクチュエータを作製した。作製したソフトアクチュエータは、厚みが654.5μm、幅が10mm、長さが30mmであり、面積は300mm2であった。図1に、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板上に作製した複数のソフトアクチュエータの外観写真を示す。
(実施例2)
(電極組成物の準備)
酸化グラフェン粒子を用いずに、実施例1で用いたPEDOT:PSSのみを用いて電極層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして電極組成物を準備した。
(電極組成物の準備)
酸化グラフェン粒子を用いずに、実施例1で用いたPEDOT:PSSのみを用いて電極層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして電極組成物を準備した。
(誘電体組成物の準備)
単層カーボンナノチューブ(CNT)粒子(シグマアルドリッチ製、900711)を準備した。単層カーボンナノチューブ粒子は、長手方向の平均寸法が100nm、短手方向の平均寸法が1nmであり、平均粒径55.5nm、最大粒径300nmであり、ヒドロキシル基及びカルボキシル基の親水性官能基を備えていた。
単層カーボンナノチューブ(CNT)粒子(シグマアルドリッチ製、900711)を準備した。単層カーボンナノチューブ粒子は、長手方向の平均寸法が100nm、短手方向の平均寸法が1nmであり、平均粒径55.5nm、最大粒径300nmであり、ヒドロキシル基及びカルボキシル基の親水性官能基を備えていた。
N-メチル-2-ピロリドン(NMP)に、実施例1で用いたものと同じP(VDF-TrFE)を混合し、準備した単層カーボンナノチューブ粒子を混合して誘電体組成物を準備した。準備した誘電体組成物中のP(VDF-TrFE)に対する単層カーボンナノチューブ粒子の質量比は0.075質量%であった。
(ソフトアクチュエータの作製)
実施例1と同様にして、PEN基板上に300nmの厚みを有する下部電極層/単層カーボンナノチューブを含み4.5μmの厚みを有する活性層(駆動層)/300nmの厚みを有する上部電極層を備えたソフトアクチュエータを作製した。作製したソフトアクチュエータは、厚みが654.5μm、幅が10mm、長さが30mmであり、面積は300mm2であった。
実施例1と同様にして、PEN基板上に300nmの厚みを有する下部電極層/単層カーボンナノチューブを含み4.5μmの厚みを有する活性層(駆動層)/300nmの厚みを有する上部電極層を備えたソフトアクチュエータを作製した。作製したソフトアクチュエータは、厚みが654.5μm、幅が10mm、長さが30mmであり、面積は300mm2であった。
(実施例3)
実施例1と同様の方法で電極組成物を準備し、実施例2と同様の方法で誘電体組成物を準備し、実施例1と同様にして、PEN基板上に、酸化グラフェンを含み300nmの厚みを有する下部電極層/単層カーボンナノチューブを含み4.5μmの厚みを有する活性層(駆動層)/酸化グラフェンを含み300nmの厚みを有する上部電極層を備えたソフトアクチュエータを作製した。作製したソフトアクチュエータは、厚みが654.5μm、幅が10mm、長さが30mmであり、面積は300mm2であった。
実施例1と同様の方法で電極組成物を準備し、実施例2と同様の方法で誘電体組成物を準備し、実施例1と同様にして、PEN基板上に、酸化グラフェンを含み300nmの厚みを有する下部電極層/単層カーボンナノチューブを含み4.5μmの厚みを有する活性層(駆動層)/酸化グラフェンを含み300nmの厚みを有する上部電極層を備えたソフトアクチュエータを作製した。作製したソフトアクチュエータは、厚みが654.5μm、幅が10mm、長さが30mmであり、面積は300mm2であった。
(比較例1)
実施例2と同様にして、カーボン粒子を含有させずにPEDOT:PSSで電極組成物を準備し、実施例1と同様にして、カーボン粒子を含有させずにP(VDF-TrFE)で誘電体組成物を準備して、実施例1と同様にして、PEN基板上に、300nmの厚みを有する下部電極層/4.5μmの厚みを有する活性層(駆動層)/300nmの厚みを有する上部電極層を備えたソフトアクチュエータを作製した。
実施例2と同様にして、カーボン粒子を含有させずにPEDOT:PSSで電極組成物を準備し、実施例1と同様にして、カーボン粒子を含有させずにP(VDF-TrFE)で誘電体組成物を準備して、実施例1と同様にして、PEN基板上に、300nmの厚みを有する下部電極層/4.5μmの厚みを有する活性層(駆動層)/300nmの厚みを有する上部電極層を備えたソフトアクチュエータを作製した。
(変位測定)
作製したソフトアクチュエータの周辺2mmの位置でPENフィルムごとソフトアクチュエータを一つ切り出した。図2に示すように、ソフトアクチュエータの先端領域にレーザー変位計を用いてレーザーを照射しながら、ソフトアクチュエータの電極にプローブをあてて電圧を印加して、ソフトアクチュエータのレーザー照射部の動きを変位量として測定した。図3に示すように、変位量は変位の最大値と最小値の差の絶対値として測定した。
作製したソフトアクチュエータの周辺2mmの位置でPENフィルムごとソフトアクチュエータを一つ切り出した。図2に示すように、ソフトアクチュエータの先端領域にレーザー変位計を用いてレーザーを照射しながら、ソフトアクチュエータの電極にプローブをあてて電圧を印加して、ソフトアクチュエータのレーザー照射部の動きを変位量として測定した。図3に示すように、変位量は変位の最大値と最小値の差の絶対値として測定した。
図4に、比較例1で作製したソフトアクチュエータについて、10MV/m毎に10~100MV/mの範囲の電界を1Hzの印加周波数で印加したときの変位量を測定した結果を示す。同様に、図5~7に、実施例1~3で作製したソフトアクチュエータについて、10MV/m毎に10~100MV/mの範囲の電界を1Hzの印加周波数で印加したときの変位量を測定した結果を示す。
(残留分極値の測定)
実施例1~3及び比較例1で作製したソフトアクチュエータについて、残留分極値を測定した。図8に、電界(MV/m)を横軸に、残留分極値(μC/cm2)を横軸にとったヒステリシスカーブを示す。電界が0(MV/m)のときの残留分極値を下記表に示す。活性層、電極層、またはそれらの両方がカーボン粒子を含有することによって1.5~2.0倍に残留分極値が向上することが示された。実施例1~3で作製したソフトアクチュエータは、残留分極値が大きいので、アクチュエーション性能が向上することが示唆される。
実施例1~3及び比較例1で作製したソフトアクチュエータについて、残留分極値を測定した。図8に、電界(MV/m)を横軸に、残留分極値(μC/cm2)を横軸にとったヒステリシスカーブを示す。電界が0(MV/m)のときの残留分極値を下記表に示す。活性層、電極層、またはそれらの両方がカーボン粒子を含有することによって1.5~2.0倍に残留分極値が向上することが示された。実施例1~3で作製したソフトアクチュエータは、残留分極値が大きいので、アクチュエーション性能が向上することが示唆される。
(駆動性評価:電界と変位量との関係)
実施例1~3及び比較例1で作製したソフトアクチュエータについて、電界量と変位量との関係を測定した。図9に、印加した電界(MV/m)を横軸に、変位量(mm)を横軸にとったグラフを示す。図9のグラフから、実施例1~3及び比較例1で作製したソフトアクチュエータは全て、50(MV/m)程度までは電界が増加するにつれて変位量が増加するが、その中でも、比較例1で作製したソフトアクチュエータに対して実施例1~3で作製したアクチュエータは同じ電界でも変位量が大きかった。
実施例1~3及び比較例1で作製したソフトアクチュエータについて、電界量と変位量との関係を測定した。図9に、印加した電界(MV/m)を横軸に、変位量(mm)を横軸にとったグラフを示す。図9のグラフから、実施例1~3及び比較例1で作製したソフトアクチュエータは全て、50(MV/m)程度までは電界が増加するにつれて変位量が増加するが、その中でも、比較例1で作製したソフトアクチュエータに対して実施例1~3で作製したアクチュエータは同じ電界でも変位量が大きかった。
(駆動性評価:残留分極値と変位量との関係)
図10に、実施例1~3及び比較例1で作製したソフトアクチュエータについて、100MV/mの電界を印加したときの残留分極値に対する変位量の関係を表すグラフを示す。図10は、図8及び図9のデータをまとめたものである。実施例1~3及び比較例1で作製したソフトアクチュエータの変位量は、残留分極値に比例して大きくなることが分かる。
図10に、実施例1~3及び比較例1で作製したソフトアクチュエータについて、100MV/mの電界を印加したときの残留分極値に対する変位量の関係を表すグラフを示す。図10は、図8及び図9のデータをまとめたものである。実施例1~3及び比較例1で作製したソフトアクチュエータの変位量は、残留分極値に比例して大きくなることが分かる。
(分子間力顕微鏡観察)
図11及び図12にそれぞれ、実施例1で形成したP(VDF-TrFE)単体の熱処理後の誘電体膜、及び実施例2で形成したP(VDF-TrFE)に単層カーボンナノチューブを混合した熱処理後の誘電体膜の分子間力顕微鏡(AFM)像を示す。図13及び14にそれぞれ、実施例2で形成したPEDOT:PSS単体の熱処理後の電極膜、及び実施例1で形成したPEDOT:PSSに酸化グラフェンを混合した熱処理後の電極膜の分子間力顕微鏡(AFM)像を示す。P(VDF-TrFE)単体の誘電体膜に比べてP(VDF-TrFE)に単層カーボンナノチューブを混合した誘電体膜は、繊維状の組織が太くなっており、膜の全体が高密度になっていた。同様に、PEDOT:PSS単体の電極膜に比べてPEDOT:PSSに酸化グラフェンを混合した電極膜は、繊維状の組織が太くなっており、膜の全体が高密度になっていた。
図11及び図12にそれぞれ、実施例1で形成したP(VDF-TrFE)単体の熱処理後の誘電体膜、及び実施例2で形成したP(VDF-TrFE)に単層カーボンナノチューブを混合した熱処理後の誘電体膜の分子間力顕微鏡(AFM)像を示す。図13及び14にそれぞれ、実施例2で形成したPEDOT:PSS単体の熱処理後の電極膜、及び実施例1で形成したPEDOT:PSSに酸化グラフェンを混合した熱処理後の電極膜の分子間力顕微鏡(AFM)像を示す。P(VDF-TrFE)単体の誘電体膜に比べてP(VDF-TrFE)に単層カーボンナノチューブを混合した誘電体膜は、繊維状の組織が太くなっており、膜の全体が高密度になっていた。同様に、PEDOT:PSS単体の電極膜に比べてPEDOT:PSSに酸化グラフェンを混合した電極膜は、繊維状の組織が太くなっており、膜の全体が高密度になっていた。
(光学顕微鏡観察)
図15及び16にそれぞれ、実施例1で形成したP(VDF-TrFE)単体の熱処理後の誘電体膜、及び実施例2で形成したP(VDF-TrFE)に単層カーボンナノチューブを混合した熱処理後の誘電体膜の光学顕微鏡像を示す。図17及び図18にそれぞれ、実施例2で形成したPEDOT:PSS単体の熱処理後の電極膜、及び実施例1で形成したPEDOT:PSSに酸化グラフェンを混合した熱処理後の電極膜の光学顕微鏡像を示す。P(VDF-TrFE)単体の誘電体膜よりも、P(VDF-TrFE)に単層カーボンナノチューブを混合した誘電体膜の方が、単層カーボンナノチューブの黒い粒が多く見られた。また。PEDOT:PSS単体の電極膜よりも、PEDOT:PSSに酸化グラフェンを混合した電極膜の方が酸化グラフェンの黒い粒が多く見られた。
図15及び16にそれぞれ、実施例1で形成したP(VDF-TrFE)単体の熱処理後の誘電体膜、及び実施例2で形成したP(VDF-TrFE)に単層カーボンナノチューブを混合した熱処理後の誘電体膜の光学顕微鏡像を示す。図17及び図18にそれぞれ、実施例2で形成したPEDOT:PSS単体の熱処理後の電極膜、及び実施例1で形成したPEDOT:PSSに酸化グラフェンを混合した熱処理後の電極膜の光学顕微鏡像を示す。P(VDF-TrFE)単体の誘電体膜よりも、P(VDF-TrFE)に単層カーボンナノチューブを混合した誘電体膜の方が、単層カーボンナノチューブの黒い粒が多く見られた。また。PEDOT:PSS単体の電極膜よりも、PEDOT:PSSに酸化グラフェンを混合した電極膜の方が酸化グラフェンの黒い粒が多く見られた。
(高速動作の評価)
図19に、実施例1及び比較例1で作製したソフトアクチュエータについて測定した、印加周波数と実測周波数との関係を示す。図20に、実施例1及び比較例1で作製したソフトアクチュエータについて測定した、印加周波数と変位量との関係を示す。比較例1で作製したソフトアクチュエータは50Hzまでしか追従動作しなかったが、実施例1で作製したソフトアクチュエータは70Hzまで追従動作しており、高速動作することが確認された。
図19に、実施例1及び比較例1で作製したソフトアクチュエータについて測定した、印加周波数と実測周波数との関係を示す。図20に、実施例1及び比較例1で作製したソフトアクチュエータについて測定した、印加周波数と変位量との関係を示す。比較例1で作製したソフトアクチュエータは50Hzまでしか追従動作しなかったが、実施例1で作製したソフトアクチュエータは70Hzまで追従動作しており、高速動作することが確認された。
(柔軟性評価-曲げながら電気特性評価)
実施例3で作製したソフトアクチュエータについて、そのままの状態と円形台座に貼り付けた状態とで、そのままの状態(曲げる前)をStrain0%とし、曲率半径が異なる円形台座に貼り付けて、Strain0~1%のひずみ範囲で曲げたときの強誘電特性を測定した。ひずみは、円形台座の曲率半径から近似式:Strain=2R/d(Rは曲率半径、dは基板厚み)から算出した。Strain0%の強誘電特性100%に対してStrain1%のとき90%の強誘電特性が得られ、曲げたときでも強誘電特性が実質的に維持されていた。
実施例3で作製したソフトアクチュエータについて、そのままの状態と円形台座に貼り付けた状態とで、そのままの状態(曲げる前)をStrain0%とし、曲率半径が異なる円形台座に貼り付けて、Strain0~1%のひずみ範囲で曲げたときの強誘電特性を測定した。ひずみは、円形台座の曲率半径から近似式:Strain=2R/d(Rは曲率半径、dは基板厚み)から算出した。Strain0%の強誘電特性100%に対してStrain1%のとき90%の強誘電特性が得られ、曲げたときでも強誘電特性が実質的に維持されていた。
(ソフトアクチュエータの断面SEM観察)
図21に、実施例3で作製したソフトアクチュエータの断面SEM像を示す。ソフトアクチュエータ10は、フレキシブル基板3上の下部電極層1と上部電極層1との間に活性層2を備えている。
図21に、実施例3で作製したソフトアクチュエータの断面SEM像を示す。ソフトアクチュエータ10は、フレキシブル基板3上の下部電極層1と上部電極層1との間に活性層2を備えている。
(実施例4)
実施例2と同様に誘電体組成物を準備し、PEN基板上に準備した誘電体組成物をスクリーン印刷法で塗布し、次いで乾燥して誘電体膜を形成した。形成した誘電体膜を135℃で1時間熱処理して4.5μmの厚みを有する誘電体層(活性層)を得た。得られた誘電体層の上下に、電極層としてそれぞれ30nm厚のアルミニウム層を抵抗加熱式の真空蒸着により形成して、ソフトアクチュエータを作製した。強誘電特性を評価したところ、実施例2と実質的に同じ特性が確認された。
実施例2と同様に誘電体組成物を準備し、PEN基板上に準備した誘電体組成物をスクリーン印刷法で塗布し、次いで乾燥して誘電体膜を形成した。形成した誘電体膜を135℃で1時間熱処理して4.5μmの厚みを有する誘電体層(活性層)を得た。得られた誘電体層の上下に、電極層としてそれぞれ30nm厚のアルミニウム層を抵抗加熱式の真空蒸着により形成して、ソフトアクチュエータを作製した。強誘電特性を評価したところ、実施例2と実質的に同じ特性が確認された。
10 ソフトアクチュエータ
1 電極層
2 活性層
3 基板
1 電極層
2 活性層
3 基板
Claims (2)
- 電極層及び前記電極層の間の活性層を含むソフトアクチュエータであって、
前記電極層は導電性材料を含み、
前記活性層は結晶性誘電体ポリマーを含み、
前記電極層は親水性官能基を備えた酸化グラフェンを含み、前記活性層は、親水性官能基を備えたカーボンナノチューブを含み、
前記電極層が、0.0005~0.5質量%の前記酸化グラフェンを含み、前記活性層が、0.01~0.1質量%の前記カーボンナノチューブを含む、
ソフトアクチュエータ。 - 10mm2以上の面積を有する、請求項1に記載のソフトアクチュエータ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2022009763A JP7854700B2 (ja) | 2022-01-25 | ソフトアクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2022009763A JP7854700B2 (ja) | 2022-01-25 | ソフトアクチュエータ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2023108566A JP2023108566A (ja) | 2023-08-04 |
| JP7854700B2 true JP7854700B2 (ja) | 2026-05-07 |
Family
ID=
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