JP2020141009A - 基板材料およびレーザ加工方法 - Google Patents

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和樹 藤原
Kazuki Fujiwara
和樹 藤原
健志 大森
Kenji Omori
健志 大森
孝幸 當木
Takayuki Ategi
孝幸 當木
北村 嘉朗
Yoshiaki Kitamura
嘉朗 北村
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Abstract

【課題】ウエハの生産性の向上に寄与できる基板材料およびレーザ加工方法を提供する。【解決手段】基板材料100は、第1改質層110cと、第1改質層よりも下層に設けられた第2改質層110bと、を少なくとも含み、第1改質層110cの上面側である第1上面側の面粗さと、第1改質層110cの下面側である第1下面側の面粗さは異なり、第2改質層110bの上面側である第2上面側の面粗さと、第2改質層110bの下面側である第2下面側の面粗さは異なる。【選択図】 図4

Description

本開示は、基板材料およびレーザ加工方法に関するものである。
従来、シリコン(Si)等の脆性材料を基板材料とする基板(ウエハ)の製造は、次のように行われている。まず、石英るつぼ内に溶融されたシリコン融液から引き上げながら凝固させた円柱形のインゴットを作製する。続いて、インゴットを適切な長さのブロックに切断し、目標の形状、および直径になるよう研削する。その後、ブロック状のインゴットをワイヤソーによりスライスしてウエハを製造する。
しかしながら、インゴットを適切な長さのブロックに切断する際に、ワイヤソーの径以上の切り代が必要となるので、厚さ0.1mm以下の薄い脆性ウエハを製造することが非常に困難であるとともに、良品率も向上しないという問題があった。
このような問題を解決するために、集光レンズによりレーザ光の集光点をインゴットの内に合わせ、レーザ光をインゴット内で走査させることにより、インゴット内に面状の改質層を形成し、この改質層を分離面として分離することによりウエハを製造するウエハの製造方法が知られている。このウエハの製造方法は、シリコンだけでなく、シリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)等の脆性材料を基板材料とするウエハの製造にも用いられている。
特許文献1には従来のウエハの生成方法が開示されている。この生成方法は、レーザ光を六方晶単結晶インゴット(基板材料)内に照射させることにより、六方晶単結晶インゴット内に改質層と、この改質層から伸長するクラックを形成して分離起点を形成する方法である。
図6は特許文献1の図11に基づいて作成した、従来のウエハの生成方法により六方晶単結晶インゴット(基板材料)内に複数層の改質層が生成された状態を示す図である。図6において、300は六方晶単結晶インゴット、301は改質層、302aと302bは改質層301から伸長したクラックを示している。
特開2016−111144号公報
しかしながら、前記従来の生成方法によって複数層の改質層が生成された基板材料をウエハに分離する際、複数層の改質層のうち、どの改質層から順番に分離していくのかが不明であった。そのため製造現場では、複数層の改質層のうち、どの改質層から基板を切り出したかの管理がし難かった。また、レーザ加工からウエハ分離、そしてウエハ研磨までの工程を自動化した自動化ラインでは歩留まり率が高くなっていた。
本開示は、上記課題に鑑み、ウエハの生産性の向上に寄与できる基板材料およびレーザ加工方法を提供することを目的とする。
本開示の基板材料は、第1改質層と、前記第1改質層よりも下層に設けられた第2改質層と、を少なくとも含み、前記第1改質層の上面側である第1上面側の面粗さと、当該第1改質層の下面側である第1下面側の面粗さは異なり、前記第2改質層の上面側である第2上面側の面粗さと、当該第2改質層の下面側である第2下面側の面粗さは異なる。
また、本開示の基板材料は、前記第1上面側の面粗さ、前記第1下面側の面粗さ、前記第2上面側の面粗さ、および、前記第2下面側の面粗さは、算術平均粗さRaである。
また、本開示の基板材料は、前記第1上面側の面粗さは、前記第1下面側の面粗さよりも小さく、前記第2上面側の面粗さは、前記第2下面側の面粗さよりも小さい。
また、本開示の基板材料は、前記第2上面側の面粗さは、前記第1上面側の面粗さよりも大きい。
また、本開示の基板材料は、前記第2下面側の面粗さは、前記第1下面側の面粗さよりも大きい。
また、本開示の基板材料は、前記第1下面側の面粗さは、前記第2上面側の面粗さよりも小さい。
また、本開示の基板材料は、前記基板材料は、レーザ光の照射による化学反応によりガスを発生する材料である。
また、本開示のレーザ加工方法は、レーザ光を照射して基板材料を加工するレーザ加工方法であって、前記基板材料の表面側から前記レーザ光を第1集光点で照射することにより、前記基板材料内に第1改質層を形成する第1工程と、前記基板材料の表面側から前記レーザ光を前記第1集光点と異なる第2集光点で照射することにより、前記基板材料内の前記第1改質層よりも前記基板材料の表面側に第2改質層を形成する第2工程と、を少なくとも含み、前記第1改質層は、上面側である第1上面側の面粗さと下面側である第1下面側の面粗さとが異なり、前記第2改質層は、上面側である第2上面側の面粗さと下面側である第2下面側の面粗さとが異なる。
本開示によれば、ウエハの生産性の向上に寄与することができる。
本開示の実施形態に係るレーザ加工装置の構成の一例を示す図である。 本開示の実施形態に係るレーザ加工装置によるレーザ光の走査方法1を示す図である。 本開示の実施形態に係るレーザ加工装置によるレーザ光の走査方法2を示す図である。 本開示の実施形態に係るレーザ加工装置によるレーザ光の走査方法3を示す図である。 本開示の実施形態に係るレーザ加工後の基板材料における改質層の形成状態を示す図である。 本開示の実施形態に係るレーザ加工後の基板材料の図3におけるA−A´断面図である。 改質層の厚みが面粗さよりも大きい場合の例を示す図である。 改質層の厚みが面粗さよりも小さい場合の例を示す図である。 特許文献1の図11に基づいて作成した、従来のウエハの生成方法により六方晶単結晶インゴット内に複数層の改質層が生成された状態を示す断面図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(レーザ加工装置の構成)
以下、本開示のレーザ加工装置について説明する。図1は、本開示の実施形態に係るレーザ加工装置の構成の一例を示す図である。
図1を参照して、本開示の実施形態に係るレーザ加工装置1は、レーザ発振器11、位相変調部12、ミラー13、変位変動部14、集光レンズ15、固定治具16、回転ステージ17、Zステージ18、XYステージ19、制御部20、から構成されている。
また、図1に図示した100は基板材料であり、脆性材料により形成されている。基板材料100は、例えば、GaNインゴットである。なお、GaNインゴットは、予め表面が鏡面加工されていることが好ましい。
また、図1の110は改質層である。この改質層110は、基板材料100内にレーザ光を集光照射した際に形成される層である。基板材料100がGaNインゴットの場合、多光子吸収加工による反応(2GaN→2Ga+N)により改質層110が形成される。
レーザ発振器11は、レーザ光を発振(出射)する装置である。加工対象の基板材料100に対する透過率を考慮したレーザ波長を選択するにより、効率の良いレーザ加工が可能である。
レーザ発振器11から発振されるレーザ光は、波長が100nm以上10000nm以下の範囲で、基板材料100に対して30%以上が透過すれば制限されるものではない。また、波長が短い方が集光時にスポット径を小さくすることができることから、熱影響を低減させることができる。
位相変調部12は、通過あるいは反射するレーザ光を複数のビームに分岐したりビームの形状や波形を変更したりする。この位相変調部12として、例えば回折格子が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ミラー13は、位相変調部12を通過したレーザ光を反射させるものであり、レーザの波長に対して90%以上の反射率を持つものである。
変位変動部14は、集光レンズ15を高速で変動させるための装置である。この変位変動部14は周波数が高いため、高速切り替えが可能な電気光学変調器や音響光学素子を用いた装置であることが好ましい。音響光学素子を用いた装置の場合、レーザ加工に合わせて集光レンズ15を変動させるといった方法がある。
集光レンズ15は、ミラー13で反射されたレーザ光を集光し、基板材料100内に照射するためのものである。この集光レンズ15は、レーザ光の波長に対して、開口数(NA)が、0.2以上0.95以下であることが好ましく、さらに作動距離が大きいものであればなお好ましい。
また、集光レンズ15には、収差補正機能がある方が望ましい。収差補正機能は、レンズの球面収差による集光点Qのレーザ光の照射方向への伸びを抑制することが出来る機能である。よって、集光点Qでのレーザ光のエネルギー密度を高くできる。なお、収差補正方法については、補正環付の集光レンズ15を用いる方法や、位相変調素子を用いる方法であっても良く、特に限定されるものではない。
基板材料100に照射されるレーザ光は、例えば、波長1064nm以下、パルス幅100ps以下、周波数2MHz以下、NA0.95以下であれば、基板材料100に割れ等が生じることなく改質層を形成することができる。なお、基板材料100に照射されるレーザ光は、多光子吸収の誘起による内部加工が可能であれば制限されるものではない。また、生産性を考えると基板材料100に照射されるレーザ光の繰り返し周波数は高い方が良いため、1Hz以上5MHz以下の範囲でバランスのよいものを適用することが好ましい。
固定治具16は、基板材料100を固定するための治具である。この固定治具16としては、例えば、基板材料100の側面を挟んで固定する機能を有するもの、基板材料100を接着により固定する機能を有するもの、基板材料100を真空吸着により固定する機能を有するもの等が考えられる。
回転ステージ17は、固定治具16の下に配置され、基板材料100の全面を加工するために用いる駆動手段の一つであって、固定治具16を正方向または逆方向に回転させるためのものである。回転速度は0.1rpm以上5000rpm以下の範囲において可変可能である。
Zステージ18は、回転ステージ17の下に配置され、基板材料100の全面を加工するために用いる駆動手段の一つであって、固定治具16をZ軸方向に移動させるためのものである。位置決め精度が1μmであり、ストロークはZ方向に10mmである。
XYステージ19は、Zステージ18の下に配置され、基板材料100の全面を加工するために用いる駆動手段の一つであって、固定治具16をX軸方向またはY軸方向に移動させるためのものである。位置決め精度が1μmであり、ストロークがX・Y軸方向共に200mmである。また、走査速度は0.1mm/sec以上3m/sec以下の範囲において可変可能である。
制御部20は、レーザ加工装置1を制御するためのものである。制御部20は、レーザ発振器11のレーザ光の発振のON/OFF制御、変位変動部14による集光レンズ15の変動制御を行う。また、制御部20は、XYステージ19、Zステージ18、回転ステージ17の駆動制御を行う。この制御部20により、レーザ発振器11、変位変動部14、XYステージ19、Zステージ18、回転ステージ17は同期制御される。
このような構成からなるレーザ加工装置1により、基板材料100の表面側から裏面側に向けて集光されたレーザ光照射しながら走査することによって複数の改質層110を階層的に形成することができる。
(レーザ光の走査方法)
図2Aは、本開示の実施形態に係るレーザ加工装置によるレーザ光の走査方法1を示す図である。また、図2Bは、本開示の実施形態に係るレーザ加工装置によるレーザ光の走査方法2を示す図である。また、図2Cは、本開示の実施形態に係るレーザ加工装置によるレーザ光の走査方法3を示す図である。
(レーザ光の走査方法1)
図2Aは、XYステージ19を用いて、基板材料100に対してレーザ光を直線的に走査するときの走査方法を示している。この図2Aにおいて幅Dは、レーザ光が直線的に走査する場合の各走査ライン間のピッチを示している。また開始点Sは、レーザ光の照射開始位置を示し、終点Eは、レーザ光の照射終了位置を示している。
基板材料100に照射されたレーザ光は、まず、XYステージ19による固定治具16のY軸方向への移動に伴いY軸上に走査する。続いて、XYステージ19により、固定治具16を前回の走査に対してX軸方向に幅Dだけ移動させる。
続いて、XYステージ19を前回の走査方向とは逆方向に移動させることにより、固定治具16をY軸上を前回とは逆方向に移動させる。よって、レーザ光はY軸上を逆方向に走査する。以降、この動作をレーザ光が終点Eに到達するまで繰り返すことにより、基板材料100の全面にレーザ加工を行う。このように基板材料100に対してレーザ照射を行うことで、基板材料100の内面には直線状の改質層110が形成される。
なお、レーザ加工の際、基板材料100の外縁部に形成される改質層110からガスを抜くために、基板材料100に対して連続した改質層110を形成する必要がある。このような場合、レーザ光の走査速度やレーザパワー、周波数に応じて変化するパルス間の間隔や、幅Dの変化により改質層110の形成量を変化させる。
(レーザ光の走査方法2)
図2Bは、回転ステージ17とXYステージ19を用いて、基板材料100に対してレーザ光を円周上に走査するときの走査方法を示している。この図2Bにおいて開始点Sは、レーザ光の照射開始位置を示し、終点Eは、レーザ光の照射終了位置を示している。
基板材料100に照射されたレーザ光は、回転ステージ17による固定治具16の回転移動と、XYステージ19による固定治具16のX軸方向/Y軸方向の移動に伴い、開始点Sから終点Eに向かって固定治具16の回転方向に走査する。よって、レーザ光は基板材料100の外縁から中心方向に向けて走査する。
このようにレーザ走査する場合、制御部20は、今回の集光点Qにおける回転ステージ17の回転速度を考慮したうえでXYステージ19を移動させことにより、レーザ光の走査速度を制御するとともに、レーザ光の照射が等間隔になるように制御する。なお、レーザ光を終点Eから開始点Sに向けて、即ち、レーザ光を中心から外縁方向に向けて走査するようにしてもよい。このように基板材料100に対してレーザを照射することで、基板材料100内には回転位置に応じた改質層110が形成されていく。
(レーザ光の走査方法3)
図2Cは、円周上に並べられた複数の基板材料100a、100b、100c…の各々に対して回転ステージ17とXYステージ19を用いて、レーザ光を円周上に走査するときの走査方法を示している。なお、レーザ光の走査方法は図2Bと同様である。
回転ステージ17による固定治具16の回転移動により、固定治具16の回転中心部では回転速度が無限大に近づく。そのため、図2Bの走査方法では、中心である終点E近傍では過度なレーザ光の照射が生じる可能性がある。そこで、図2Cのように複数枚の基板材料100を配置することにより中心部近傍での照射を避けることで、過度なレーザ光の照射を防ぐことができる。
(レーザ加工後の基板材料における改質層の形成状態)
図3は、本開示の実施形態に係るレーザ加工後の基板材料における改質層の形成状態を示す図である。
図3におけるN1は改質層110aから改質層110bの厚みを示している。N2は改質層110bから改質層110cの厚みを示している。N3は改質層110cから表面101の厚みを示している。また、Q1は改質層110aを生成するためのレーザ光の集光点の深さを示している。Q2は改質層110bを生成するためのレーザ光の集光点の深さを示している。Q3は改質層110cを形成するためのレーザ光の深さを示している。
図3を参照し、改質層110aは、レーザ加工により基板材料100の表面101から見て最も深い位置に形成される層である。この改質層110aは、最初に形成される層である。
改質層110bは、レーザ加工により改質層110aが形成された後に形成される層であって、改質層110aの次に深い位置に形成される層である。
改質層110cは、レーザ加工により改質層110bが形成された後に形成される層であって、基板材料100の表面101から見て最も浅い位置に形成される層である。
なお、本実施形態では、基板材料100に形成される改質層110は3層としているが、層の数はこれに限られない。また、改質層100の形成位置や形成量等についても制限されるものではない。
(複数の改質層の形成方法)
引き続き図3を参照し、基板材料100内に複数の改質層を形成するための形成方法について説明する。
上述したように、本実施形態では、集光したレーザ光を基板材料100の表面101から基板材料100内に向けて照射しながら走査することにより複数の改質層110a、110b、110cを階層的に形成する。
改質層110が形成されると、その改質層110より深い位置にはレーザ光はほとんど透過しなくなる。そこで、複数の改質層110a、110b、110cを階層的に形成する場合、まず基板材料100の表面101から最も深い位置にレーザ光の集光点を合わせて走査させることにより最下層のレーザ加工を行う。
また、一つの改質層110を形成する際、基板材料100の全面に亘って改質層110を形成するほうが好ましい。ただし、改質層110が一部形成されていない箇所があった場合、後からその箇所にレーザ光が照射可能であれば後で改質層110を形成することもできる。
改質層110a、110b、110cを形成する場合の工程について説明する。まず制御部20は、基板材料100の集光点データに基づいて集光レンズ15を制御し、レーザ光を基板材料100の表面101に対して略垂直に照射して集光点をQ1に合わせる。続いて、上述したような走査方法を用いてレーザ光を走査させることにより略同一面内にレーザ加工を行う(工程1)。このレーザ加工によって、まず改質層110aを形成する。
続いて制御部20は、基板材料100の集光点データに基づいて集光レンズ15を制御し、レーザ光を基板材料100の表面101に対して略垂直に照射して集光点をQ2に合わせる。ここで集光点Q2は、ウエハの厚みを十分確保できる厚みN1を考慮した値である。続いて、上述したような走査方法を用いてレーザ光を走査させることにより略同一面内にレーザ加工を行う(工程2)。このレーザ加工によって、次に改質層110bを形成する。
最後に制御部20は、基板材料100の集光点データに基づいて集光レンズ15を制御し、レーザ光を基板材料100の表面101に対して略垂直に照射して集光点をQ3に合わせる。ここで集光点Q3は、ウエハの厚みを十分確保できる厚みN2を考慮した値である。続いて、上述したような走査方法を用いてレーザ光を走査させることにより略同一面内にレーザ加工を行う(工程3)。このレーザ加工によって、最後に改質層110cを形成する。
なお、基板材料100の表面101側からではなく、図示しない裏面側からレーザ光を照射するようにしてもよい。そのようにした場合、改質層110c、110b、110aの順に形成していく。
このようなレーザ加工により改質層110a、110b、110cが形成された基板材料100は、後の分離工程において図示しない分離機によって、改質層110a、110b、110cのそれぞれを分離面として分離される。分離機によって分離させることによって複数枚(ここでは3枚)の基板が作製される。
基板の分離方法としては、基板材料100の両面を吸着・接着し、基板材料100の厚み方向に力を加えて分離させる方法や、改質層100の形成方向に対して力を加える方法などがあるが、これらの方法に限定されない。また、基板に分離することにより基板材料100には残留改質層が残るため、分離面を洗浄、研磨してから、次の基板の分離を行うことが好ましい。
(改質層の断面)
図4は、本開示の実施形態に係るレーザ加工後の基板材料100の図3におけるA−A´断面図である。
この図4においてTaは改質層110aの厚み、Tbは改質層110bの厚み、Tcは改質層110aの厚みを各々示している。そして、各改質層110a、110b、110cの厚みの関係は、Tc<Tb<Ta、となっている。
基板材料100に形成された各々の改質層110a、110b、110cでは、下面側の面粗さよりも上面側の面粗さのほうが小さくなる。つまり、改質層110a、110b、110cは全て、基板材料100の表面101側である上面側に面粗さの小さい面が形成される。
ここで、面粗さとは、基板材料100を断面側から見たときの改質層100の端部の粗さのことである。この面粗さは「算術平均粗さ(Ra)」と呼ばれる高さ方向のパラメータであり、粗さ計で測定した粗さ曲線の一部を基準長さで抜き出し、その区間の凹凸状態を平均値で表したものである。
また、改質層110a、110b、110cの各々の上面側(面粗さが小さい側)の面粗さの関係は、改質層110cの上面側<改質層110bの上面側<改質層110aの上面側、となっている。
また、改質層110a、110b、110cの各々の下面側(面粗さが大きい側)の面粗さ関係は、改質層110cの下面側<改質層110bの下面側<改質層110aの下面側、となっている。
また、改質層110a、110b、110c全ての面における面粗さの関係は、改質層110cの上面側<改質層110cの下面側≦改質層110bの上面側<改質層110bの下面側≦改質層110aの上面側<改質層110aの下面側、となっている。
基板材料100に形成された改質層110a、110b、110cが上述のような関係性をもっていることによって基板の生産性を向上させることができる。その原理を以下に説明する。
改質層110a、110b、110cが形成された基板材料100から基板を作製していく際、改質層110a、110b、110cをそれぞれ分離面として基板材料100を分離していくことにより基板を作製していく。ここでは、厚みが略N1である基板と、厚みが略N2である基板と、厚みが略N3である基板の3枚の基板が作製されることになる。
基板材料100に対して、上述したようなレーザ加工を行うことにより形成された各改質層110a、110b、110cを分離面として基板材料100を分離すると、分離後の基板の上面または下面のどちらか一方(ここでは上面)には面粗さの小さい面が含まれていることになる。よって、面粗さが大きい面を両面に含む基板に比べて、面粗さが小さい面については研磨時間の削減することができるため、一枚の基板についての研磨時間を削減することができる。また研磨ロスの低減にも寄与する。
また、分離後の各基板100に含まれる面粗さの小さい面が同じ面側(ここでは上面)に揃う。よって、研磨すべき面を人為的または機械的に確かめる工程が必要なくなるため、基板製造工程全体の時短化にも寄与する。
また、面粗さが大きい改質層110は基板材料100における未加工部分との接触面積がより大きくなるため、面粗さが大きい改質層110を分離面として基板を分離するとき際に、面粗さが小さい改質層110よりも大きな力が必要となる。そのため、分離する順番としては、面粗さが小さい改質層110から分離したほうが分離工程の効率は高くなる。
そこで、上述したような改質層110a、110b、110cを形成することにより、基板の分離の際に一番大きな力を必要としない、厚さがTcの改質層110cを最初の分離面として分離する。次に厚さがTbの改質層110bを分離面として分離する。最後に一番大きな力を必要する、厚さがTaの改質層110aを分離面として分離する。
このように基板を分離することにより、複数の分離面の分離順序が一義的に決まり、効率良く基板を分離することが可能となるため、基板の生産性が向上する。また、複数の分離面の分離順序が一義的に決まることから各基板がどの分離面から切り出されたかの管理も効率良く行うことが可能となる。
なお、形成された各改質層110a、110b、110cの全てにおいて、面粗さRaは100μm以内であることが好ましい。面粗さRaは改質層100の一面(一辺)の凹凸状態の平均値であるため、Raが小さいことには問題はないが、Raが100μmを超えると、分離後の研磨時間が大きくなるとともに、研磨ロスも大きくなるため基板の生産性が悪化する。
なお、Raは、基板材料100の厚さ方向の断面における改質層110の1辺の凹凸の平均値を取っているため、局所的な粗さを把握することが難しい。そのため、「最大粗さ(Rz)」と呼ばれる高さ方向のパラメータで管理を行うことが望ましい。この「最大粗さ(Rz)」とは、粗さ計で測定した粗さ曲線の一部を基準長さで抜き出し、最も高い部分(最大山高さ:Rp)ともっとも深い部分(最大谷深さ:Rv)の和の値である。
ここで、図4において、Rzaは改質層110aの最大面粗さ、Rzbは改質層110bの最大面粗さ、Rzcは改質層110cの最大面粗さを各々示している。
Rzc<Rzb<Rzaの関係となるように改質層を形成することで、各改質層110a、110b、110cにおいて接触面積に差を生じさせることができる。よって、上述したRaを用いた方法と同様に基板の分離面の分離順序を決めることができるため、上述したRaを用いた方法と同様の効果を奏する。
ここで、仮に改質層110の厚みが最大面粗さRzよりも大きい場合を考える。このような場合、改質層110の中で改質された部分のみが部分的に線上に形成される可能性がある。そのような場合、面粗さが規定範囲内であったとしても、先に線上に形成された部分を分離面として分離してしまう可能性がある。
図5Aは改質層の厚みが面粗さよりも大きい場合の例を示す断面図である。また、図5Bは改質層の厚みが面粗さよりも小さい場合の例を示す断面図である。
まず、図5Aを参照して、改質層の厚みが面粗さよりも大きい場合について説明する。この図5AにおけるTは改質層110の厚みを示している。Rz<Tとなる場合、面粗さRzが厚みTよりも小さくなるため、改質された部分が線上に生じる可能性がある。
次に、図5Bを参照して、改質層の厚みが面粗さよりも小さい場合について説明する。Rz>Tとなる場合、面粗さRzが厚みTよりも大きくなるため、改質された部分が線上に生じることがない。上述したような改質層110cのように最も基板材料100の表面101に近い場合、改質層110cはレーザ光の照射面から近い位置であるため、面粗さが最も小さい。そのため、厚みTcに制限されることなく分離することが可能である。しかしながら、厚みTcが大きいことは材料ロスに繋がるため、面粗さに依存するが改質層の厚みは小さい方が好ましい。
なお、改質層110は、最大面粗さは1μm以上100μm以内であることが好ましい。1μmより小さいと、ステージによる外部からの制御が難しくなるため、面粗さの制御が難しくなる。逆に100μmより大きくなると、材料ロスが多くなるため、研磨ロスや研磨時間が長くなるといった影響が大きくなり、生産性が悪化する。これらを考慮すると、最大面粗さは100μm以内であればよいものの、1μmを下回らない範囲で極力小さい方が好ましい。
なお、基板材料100の厚みや直径は特に限定されるものではないが、厚み50μm以上10mm以下、直径10インチ以下であればよい。基板材料100は、今回はGaNを例に挙げて説明をしたが、基板材料100内に改質層110を形成できる基板材料100であればこれに限られない。
また、面粗さの差を生じさせる要因の一例として、基板材料100の結晶状態が考えられる。材料によっては複屈折を持つものもある。材料の結晶状態によっては、レーザ光が通過することによって、レーザ光の一部が吸収されてしまうといった現象が生じる。また、レーザ光の波面の揺らぎや材料の部分的な屈折率変化等が生じることにより、レーザ集光位置のズレやエネルギー密度の低下が発生する可能性がある。そのため、レーザ光が基板材料100の表面101から遠ざかるほど、改質層110の面内粗さが大きくなると考えられる。
また、面粗さを大きくする方法の一例として、例えばレーザ光を集光照射して形成した改質部110に対し、次の改質部110をZステージ18で上下させることにより、改質部に段差が生じることを利用して改質層110の面粗さを制御するといった方法がある。
さらに、加工速度が速い場合、Zステージ18の動作速度では動作制御が追いつかない場合が想定されるため、変位変動部14により集光レンズ15を高速で変動させることで、高速での加工位置の制御を行う。また、変位変動部14は高速で切り替えることが可能である電気光学変調器や音響光学素子を用いた装置であることが好ましいが、その際、改質層110が繋がるように変位位置を変動させることが好ましい。このような方法を用いることにより、例えば、ある改質層110の面粗さを大きくして、その改質層110において分離し難くすることで、他の改質層110を分離し易くするといった方法もある。
本実施形態では、各改質層110a、110b、110cの厚みの関係は、Tc<Tb<Taの関係になるようにレーザ加工していたがこれに限られない。例えば、Tc<Ta<Tbの関係や、Tb<Ta<Tcの関係となるようにレーザ加工をするようにしてもよい。
また、本実施形態では、改質層110a、110b、110cの各々の上面側のほうが下面側よりも面粗さが小さくなるようにしているが、これに限られない。例えば、改質層110a、110b、110cの各々の下面側のほうが上面側よりも面粗さが小さくなるようにしてもよい。
また、例えば、改質層110aは上面側のほうが下面側よりも面粗さが小さくなるようにレーザ加工するが、改質層110bは下面側のほうが上面側よりも面粗さが小さくなるようにレーザ加工するようにしてもよい。
本開示によれば、上面側の面粗さと下面側の面粗さとが異なる第1改質層と、上面側の面粗さと下面側の面粗さとが異なる第2改質層と少なくとも含む基板材料、および、上面側の面粗さと下面側の面粗さとが異なる第1改質層と、上面側の面粗さと下面側の面粗さとが異なる第2改質層と含む基板材料に加工するレーザ加工方法を提供することができる。したがって、ウエハの生産性の向上に寄与することができる。
1 レーザ加工装置
11 レーザ発振器
12 位相変調部
13 ミラー
14 変位変動部
15 集光レンズ
16 固定治具
17 回転ステージ
18 Zステージ
19 XYステージ
20 制御部
100、100a、100b、100c 基板材料
101 表面
110、110a、110b、110c 改質層

Claims (8)

  1. 第1改質層と、
    前記第1改質層よりも下層に設けられた第2改質層と、を少なくとも含み、
    前記第1改質層の上面側である第1上面側の面粗さと、当該第1改質層の下面側である第1下面側の面粗さは異なり、
    前記第2改質層の上面側である第2上面側の面粗さと、当該第2改質層の下面側である第2下面側の面粗さは異なる、
    基板材料。
  2. 前記第1上面側の面粗さ、前記第1下面側の面粗さ、前記第2上面側の面粗さ、および、前記第2下面側の面粗さは、算術平均粗さRaである、
    請求項1に記載の基板材料。
  3. 前記第1上面側の面粗さは、前記第1下面側の面粗さよりも小さく、
    前記第2上面側の面粗さは、前記第2下面側の面粗さよりも小さい、
    請求項1または2に記載の基板材料。
  4. 前記第2上面側の面粗さは、前記第1上面側の面粗さよりも大きい、
    請求項1または2に記載の基板材料。
  5. 前記第2下面側の面粗さは、前記第1下面側の面粗さよりも大きい、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板材料。
  6. 前記第1下面側の面粗さは、前記第2上面側の面粗さよりも小さい、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の基板材料。
  7. 前記基板材料は、レーザ光の照射による化学反応によりガスを発生する材料である、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の基板材料。
  8. レーザ光を照射して基板材料を加工するレーザ加工方法であって、
    前記基板材料の表面側から前記レーザ光を第1集光点で照射することにより、前記基板材料内に第1改質層を形成する第1工程と、
    前記基板材料の表面側から前記レーザ光を前記第1集光点と異なる第2集光点で照射することにより、前記基板材料内の前記第1改質層よりも前記基板材料の表面側に第2改質層を形成する第2工程と、を少なくとも含み、
    前記第1改質層は、
    上面側である第1上面側の面粗さと下面側である第1下面側の面粗さとが異なり、
    前記第2改質層は、
    上面側である第2上面側の面粗さと下面側である第2下面側の面粗さとが異なる、
    レーザ加工方法。
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