JP2020143340A - 感光ドラム基体用アルミニウム合金および感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材の製造方法 - Google Patents

感光ドラム基体用アルミニウム合金および感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材の製造方法 Download PDF

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鉄浩 水野
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鉄浩 水野
正典 北原
Masanori Kitahara
正典 北原
ヨウ 張
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ヨウ 張
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克樹 奥野
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Abstract

【課題】高平滑な外表面を形成することができ、かつ製造コストを抑えることができるアルミニウム合金、アルミニウム合金押出材の製造方法、感光ドラム基体の製造方法、アルミニウム合金押出材および感光ドラム基体を提供する。【解決手段】Si:0.081〜0.13質量%、Fe:0.1〜0.7質量%、Cu:0.05〜0.20質量%、Mn:1.0〜1.5質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、かつ金属組織中の全ての金属間化合物に対する、Al、Fe、MnおよびSiの各元素を各1%以上含む金属間化合物の割合が面積率で20%以下であり、押出加工後の再結晶粒の最大面積が30000μm2未満であることを特徴とする感光ドラム基体用アルミニウム合金製ビレット1を押出加工することで感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管3を製造する。そして、製造された感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管3を引抜加工もしくはしごき加工することで、感光ドラム基体を製造する。【選択図】なし

Description

本発明は、感光ドラム基体用アルミニウム合金、感光ドラム基体用アルミニウム合金の製造方法、感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材の製造方法、感光ドラム基体の製造方法、感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材および感光ドラム基体に関する。
複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ装置等の電子写真装置の感光ドラム基体は、その外表面にOPC層等の感光層がその厚さが均一になるように薄く塗工される。
この基体に用いられるアルミニウム合金管の外表面は、厚さが均一な感光層を塗工するために高い表面平滑性を有することが要求される。
特許文献1には、Si:0.030〜0.60質量%、Fe:0.10〜0.70質量%、Cu:0.050〜0.20質量%、Mn:1.0〜1.5質量%、Mg:0.010〜0.10質量%、Zn:0〜0.10質量%、Ti:0〜0.10質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成により、アルミニウム合金管の外表面を高平滑面に形成する技術が開示されている。
特開2013−14797号公報
しかしながら、上記特許文献1の組成では、必須含有元素であるMgが溶湯を攪拌している間に蒸発しやすい性質を有するため、微量の含有量を管理するために製造コストの増大を招く課題があった。
また、上記組成ではSi量が少ないため、バージン材の中でも良質な高純度地金を用いることが必要となり、製造コストの増大を招く課題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、感光ドラム基体用アルミニウム合金管の外表面を高平滑面に形成できると同時に、製造コストを抑えることができる感光ドラム基体用アルミニウム合金および感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を要旨とするものである。
[1]Si:0.081〜0.13質量%、Fe:0.1〜0.7質量%、Cu:0.05〜0.20質量%、Mn:1.0〜1.5質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、かつ金属組織中の全ての金属間化合物に対する、Al、Fe、MnおよびSiの各元素を各1%以上含む金属間化合物の割合が面積率で20%以下であり、押出加工後の再結晶粒の最大面積が30000μm未満であることを特徴とする感光ドラム基体用アルミニウム合金。
[2]Si:0.081〜0.13質量%、Fe:0.1〜0.7質量%、Cu:0.05〜0.20質量%、Mn:1.0〜1.5質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、かつ610℃以上の温度に4時間以上保持したのち、下式で計算されたT℃の温度で3時間以上保持する均質化処理をビレットに実施する、感光ドラム基体用アルミニウム合金の製造方法。
1666×(Si質量%)+350≦T<570
[3]前項1記載の組成を有する感光ドラム基体用アルミニウム合金製ビレットを押出加工することを特徴とする感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材の製造方法。
[4]Si:0.081〜0.13質量%、Fe:0.1〜0.7質量%、Cu:0.05〜0.20質量%、Mn:1.0〜1.5質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、かつ金属組織中の全ての金属間化合物に対する、Al、Fe、MnおよびSiの各元素を各1%以上含む金属間化合物の割合が面積率で20%以下であり、押出加工後の再結晶粒の最大面積が30000μm未満であることを特徴とする感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材。
[5]Si:0.081〜0.13質量%、Fe:0.1〜0.7質量%、Cu:0.05〜0.20質量%、Mn:1.0〜1.5質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、かつ金属組織中の全ての金属間化合物に対する、Al、Fe、MnおよびSiの各元素を各1%以上含む金属間化合物の割合が面積率で20%以下であり、押出加工後の再結晶粒の最大面積が30000μm未満であることを特徴とする感光ドラム基体。
発明[1]の感光ドラム基体用アルミニウム合金によれば、各組成元素の含有量が所定の範囲内に設定され、α化率を20%以下に抑制し、押出加工後の再結晶粒の最大面積が30000μm未満であることで、例えば、感光ドラム基体用アルミニウム合金製ビレットを押出加工すると得られる押出材の表面を高平滑面に形成することができる。また、Mgを管理対象にしていないため製造コストを抑えることができる。さらに、Si量が0.081〜0.13質量%であるため、返り材を使用して安定生産ができ、新塊を使う必要がないため、製造コストを抑えることができる。
発明[2]の感光ドラム基体用アルミニウム合金の製造方法によれば、各組成元素の含有量が所定の範囲内に設定され、かつ所定の条件下で均質化処理を2段階で実施することにより、α化率を20%以下に抑制することができる。さらに、押出材の表面を高平滑面に形成することができ、製造コストを抑えることもできる。
発明[3]の感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材の製造方法によれば、前項1記載の組成を有し、α化率を20%以下に抑制した感光ドラム基体用アルミニウム合金製ビレットを押出加工することで、感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材の外表面を高平滑面に形成でき、さらに製造コストを抑えることができる。
発明[4]の感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材によれば、各組成元素の含有量を所定の範囲内にし、α化率を20%以下に抑制し、押出加工後の再結晶粒の最大面積が30000μm未満であることで、感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材の外表面を高平滑面に形成でき、さらに製造コストを抑えて提供することができる。
発明[5]の感光ドラム基体によれば、各組成元素の含有量を所定の範囲内にし、α化率を20%以下に抑制し、押出加工後の再結晶粒の最大面積が30000μm未満であることで、感光ドラム基体の外表面を高平滑面に形成でき、さらに製造コストを抑えて提供することができる。
図1は本実施形態の感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材の製造方法に用いられる押出加工装置を示す概略断面図である。 図2は本実施形態の感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管を引抜加工するのに用いられる引抜加工装置を示す概略断面図である。 図3は本実施形態の感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して取得したSEM画像の模式図である。
本実施形態の感光ドラム基体用アルミニウム合金は、Si:0.081〜0.13質量%、Fe:0.10〜0.70質量%、Cu:0.050〜0.20質量%、Mn:1.0〜1.5質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、金属組織中の全ての金属間化合物に対する、Al、Fe、MnおよびSiの各元素を各1%以上含む金属間化合物の割合が面積率で20%以下であり、押出加工後の再結晶粒の最大面積が30000μm未満であることを特徴としている。この感光ドラム基体用アルミニウム合金は、JIS(日本工業規格)に規定されたアルミニウム合金番号A3003に近い組成である。
本実施形態では、鋳造されたビレットに後述する均質化処理を実施することで、上記面積率が20%以下である感光ドラム基体用アルミニウム合金を製造する。この感光ドラム基体用アルミニウム合金は押出加工用材料として特に好適に用いられるものである。詳述すると、この感光ドラム基体用アルミニウム合金製ビレットを押出加工することにより、感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材が特に好適に製造される。この押出材は、感光ドラム基体に用いられる断面円形状の感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管(押出素管)である。そして、この押出管は引抜加工又はしごき加工されることにより、引抜管又はしごき管が製造され、次いで引抜管又はしごき管に対して所定の加工を施すことにより、感光ドラム基体が製造される。
図1に示すように、感光ドラム基体用アルミニウム合金製ビレット1を押出加工するのに用いられる押出加工装置2は、特に限定されるものではなく公知のものである。すなわち、この押出加工装置2は、ステム21、コンテナ22、押出ダイス23などを具備する。
押出ダイス23は、例えば、雄型ダイス24と雌型ダイス25との組合せからなるポートホールダイスであり、互いに対向して配置された雄型ベアリング部24aと雌型ベアリング部25aとの間に形成された断面円環状の成形間隙26を有している。雄型ベアリング部24aおよび雌型ベアリング部25aは、それぞれ押出管3の内表面及び外表面を成形するものである。
この押出加工装置2を用いて感光ドラム基体用アルミニウム合金製ビレット1を押出加工する方法は、特に限定されるものではなく公知の方法に従って押出加工が行われる。すなわち、例えば、押出加工装置2のコンテナ22内に装填された加熱状態の感光ドラム基体用アルミニウム合金製ビレット1をステム21によって押出方向S1に加圧することにより、感光ドラム基体用アルミニウム合金製ビレット1の材料を押出ダイス23の成形間隙26内に通過させる。
これにより、断面円形状の感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管3が得られる。押出管3の外径は、例えば20〜50mmであり、押出管3の肉厚は例えば1.0〜2.0mmである。また、この押出加工の際に適用される特に望ましい押出加工条件は、ビレット温度:400〜550℃、押出速度:15〜60m/minである。
図2に示すように、この押出管3を引抜加工するのに用いられる引抜加工装置4は、特に限定されるものではなく公知のものである。すなわち、この引抜加工装置4は、引抜ダイス41、牽引部42などを有している。引抜ダイス41は押出管3を縮径加工するダイス孔43を有している。牽引部42はチャック部42aを有する。
この引抜加工装置4を用いて押出管3を引抜加工する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法に従って冷間又は温間で引抜加工が行われる。すなわち例えば、引抜加工装置4の引抜ダイス41のダイス孔43に通された押出管3の先端部を牽引部42のチャック部42aでチャックし、次いで牽引部42によって押出管3を引抜方向S2に牽引することにより、押出管3をダイス孔43から引き抜く。これにより感光ドラム基体用アルミニウム合金引抜管5が得られる。
引抜管5の肉厚は例えば0.5〜1.5mmである。また、この引抜加工の際に適用される特に望ましい引抜加工条件は、引抜速度:10〜70m/min、押出管3の外径の縮径率:10〜50%である。なお、この引抜加工では、押出管3の中空部内に配置されて押出管3の内表面を加工する引抜プラグ(図示せず)を用いて引抜加工を行っても良い。
次いで、この引抜管5を感光ドラム基体の長さに切断し、その端部を面取り加工し、洗浄をし、さらに寸法及び外観の検査を行うことにより、所望する感光ドラム基体が得られる。
また、押出管3をしごき加工することによりしごき管を得る場合には、図示していないが公知のしごき加工装置を用いて通常の加工条件で押出管3をしごき加工し、しごき管が得られる。
次いで、このしごき管を感光ドラム基体の長さに切断し、その端部を面取り加工し、洗浄をし、さらに寸法及び外観の検査を行うことにより、所望する感光ドラム基体が得られる。
鋳造されたビレットは内部組織が不均一な状態であり、ビレット全体の組織を均一化するために均質化処理が実施される。本発明では、異なる温度の2段階の工程で均質化処理を実施する。
1段階目の均質化処理では、鋳造されたビレット全体の組織を均一化するために610℃以上の温度で4時間以上保持する。610℃未満の温度では押出加工後の再結晶粒が粗大化してしまうため610℃以上の温度としている。
1段階目の温度は2段階目の温度より高いことから、1段階目の均質化処理後、2段階目の均質化処理を実施するためには冷却する必要がある。冷却の際、冷却中におけるビレット組織の変化を最小限にすること、および均質化処理に要する時間を短くするために、冷却速度は速い方が好ましい。保持後、少なくとも570℃の温度までは冷却速度40℃/Hr以上で冷却する。
ここで、1段階目の均質化処理後に常温まで冷却し、その後に2段階目の均質化処理の温度まで昇温させて均質化処理を実施しても良い。この場合においても、上記と同様の理由により冷却速度は速い方が好ましく、冷却速度100℃/Hr以上で200℃以下まで冷却することが好ましい。
常温から2段階目の均質化処理の温度まで昇温させる際も、昇温中のビレット組織の変化を最小限にすること、および均質化処理に要する時間を短くするために、昇温速度は速い方が好ましく、昇温速度70℃/Hr以上で昇温させることが好ましい。
その後、2段階目の均質化処理では、ビレットの鋳造過程において過固溶している金属元素を析出させること、および1段階目の均質化処理で固溶した金属元素を析出させるために、次式(1666×(Si質量%)+350≦T<570)で計算されるT℃の温度で3時間以上保持する。
一方、570℃以上の温度で2段階目の均質化処理を実施すると、所望する金属間化合物が析出する状態とならず押出加工後の再結晶粒が粗大化してしまう。このため、570℃未満の温度で実施している。
2段階目の均質化処理後の冷却についても、冷却中におけるビレット組織の変化を最小限にすること、および均質化処理に要する時間を短くするために、冷却速度は速い方が好ましい。
本実施形態では、1段階目の均質化処理を620℃の温度で6時間保持して実施し、保持後、冷却速度40℃/Hrで約2時間の冷却を行う。その後、2段階目の均質化処理を500℃の温度で4時間保持して実施する。そして保持後、ビレットを専用の冷却炉に移して、冷却速度100℃/Hr以上で200℃以下まで冷却する。
次に、本実施形態のアルミニウム合金を組成する元素について説明する。
(1)Siについて
Siは鋳造性を良くし、さらに強度の向上に寄与する元素である。Siの含有量が0.081質量%以上であることで、このような作用を奏する。一方、Siの含有量が0.60質量%を超えると、アルミニウム合金中に粗大晶出物が形成されて感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管3の外表面の粗さが大きくなる。
さらにSiは、Al、FeおよびMnからなる3元系金属間化合物と化合することで4元系金属間化合物に相変態する性質がある(以下、「α化」という)。4元系金属間化合物は固い化合物であり、ダイスに付着するという特徴を有している。このため、押出加工装置2の押出ダイス23に付着した状態で、押出加工装置2により感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管3を製造すると、感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管3の外表面にダイスマークが生じ、平滑性が阻害される。
つまり、α化はダイスマーク発生の要因となっており、感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管3の外表面の平滑性を阻害することとなる。
従って、感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管3の外表面を高平滑面とするためには、α化を抑制する必要がある。そこで、Siの含有量と均質化処理の条件(温度および処理時間)が上述の面積率(以下、「α化率」という)に対して及ぼす影響について、発明者が検証した。
その検証によると、Siの含有量が0.13質量%を超えると、4元系金属間化合物が多くなり、発生したダイスマークによって、アルミニウム合金管の外表面は高平滑面とはならないことが検証された。また、α化率を測定すると20%を超えていた。この検証結果より、Siの含有量は0.13質量%以下とすることが望ましい。
一方、Siの含有量が0.081質量%〜0.13質量%においては、均質化処理を上述の条件で実施することで、高平滑面となることが検証された。また、α化率を測定すると20%以下であった。
そして、Siの含有量が0.081質量%未満においては、返り材を使用して、感光ドラム基体用アルミニウム合金製ビレット1を安定して製造することが難しく、新塊を使う必要があることから製造コストが高くなる。このため、製造コストを抑えるためには、Siの含有量は0.081質量%以上とすることが望ましい。
そこで、本実施形態においては、Siの含有量を0.081〜0.13質量%としている。
上述のα化率の測定では、押出加工の工程以降におけるワークの断面を一般的な金属研磨方法によって研磨して、観察用サンプルを作製し測定する。観察用サンプルの分析には、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、測定倍率を3000倍とし、観察用サンプルの総測定面積を4800μm以上とするSEM画像を、強いコントラストで取得して用いる。そして、このSEM画像から金属間化合物と判別できる粒子(以下、「全粒子」)の総面積を求める。
次に、観察用サンプルに電子線を照射し、エネルギー分散型X線分析(EDS分析)を行い、同視野の全金属間化合物について分析する。そしてAl、Fe、MnおよびSiの各元素を各1%以上含む粒子(以下、「α化粒子」)と、α化粒子以外の粒子に判別し、α化粒子の総面積を求める。そして、α化粒子の総面積を全粒子の総面積で除した値に100を乗じた値がα化率である。
図3は本実施形態の感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管3の断面を、走査型電子顕微鏡で観察して取得したSEM画像6の模式図である。SEM画像6では結晶粒界61、母相64、さらに、これらの上部にAl、Fe、MnおよびSiの各元素を各1%以上含む金属間化合物62および金属間化合物62以外の金属間化合物63が観察される。本実施形態においては、金属間化合物62の総面積を、金属間化合物62および63の総面積で除した値に100を乗じることで、α化率は19%であると測定される。
(2)Feについて
Feは結晶粒を微細化し、さらに強度の向上に寄与する。Fe含有量が0.1質量%以上であることで、このような作用を奏する。
一方、Fe含有量が0.7質量%を超えると、アルミニウム合金中に粗大晶出物が形成されて感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管3の外表面の粗さが大きくなる。
従って、Fe含有量は0.1〜0.7質量%の範囲内に設定されるのが望ましい。
(3)Cuについて
Cuは固溶強化作用により強度の向上に寄与する。Cu含有量が0.05質量%以上であることで、このような作用を奏する。
一方、Cu含有量が0.20質量%を超えると耐食性が大きくなる。
従って、Cu含有量は0.05〜0.20質量%の範囲内に設定されるのが望ましい。
(4)Mnについて
Mnは、アルミニウム合金中に含有しているFe等と微細な金属間化合物を形成することで再結晶温度を高め、さらに強度の向上に寄与する。Mn含有量が1.0質量%以上であることで、このような作用を奏する。
一方、Mn含有量が1.5質量%を超えると耐食性が低下するおそれがある。
従って、Mn含有量は1.0〜1.5質量%の範囲内に設定されることが望ましい。
本実施形態の感光ドラム基体用アルミニウム合金は、各組成元素の含有量が所定の範囲内に設定され、α化率を20%以下に抑制し、押出加工後の再結晶粒の最大面積が30000μm未満であることで、例えば、感光ドラム基体用アルミニウム合金製ビレットを押出加工すると得られる押出材の表面を高平滑面に形成することができる。また、Mgを管理対象にしていないため製造コストを抑えることができる。さらに、Si量が0.081〜0.13質量%であるため、返り材を使用して安定生産ができ、新塊を使う必要がないため、製造コストを抑えることができる。
さらに、本実施形態の感光ドラム基体用アルミニウム合金の製造方法は、各組成元素の含有量が所定の範囲内に設定され、かつ所定の条件下で均質化処理を2段階で実施することにより、α化率を20%以下に抑制することができる。さらに、押出材の表面を高平滑面に形成することができ、製造コストを抑えることもできる。
そして、感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管3を引抜加工またはしごき加工することで、感光ドラム基体用アルミニウム合金引抜管5または感光ドラム基体用アルミニウム合金しごき管の外表面を高平滑面に形成することができ、製造コストを抑えることもできる。
さらに、感光ドラム基体用アルミニウム合金引抜管5または感光ドラム基体用アルミニウム合金しごき管から感光ドラム基体を製造することで、感光ドラム基体の外表面を高平滑面に形成することができ、製造コストを抑えて提供することができる。
本実施形態についての説明は以上であるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々に変更可能である。
また、本発明において感光ドラム基体用アルミニウム合金製ビレットを押出加工して製造される感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材は、感光ドラム基体に用いられるものであることが特に望ましいが、別用途に用いられるものを排除するものではない。また、感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材は、上記実施形態のように管(すなわち中空材)であっても良いし、中実な感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材であっても良い。
次に、本発明の具体的な実施例を以下の表1に示す。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す組成を有する感光ドラム基体用アルミニウム合金製ビレット1を押出加工して、感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管3を製造した。押出管の外径は32mm、押出管の肉厚は1.5mmである。また、この押出加工の際に適用した押出加工条件は、ビレット温度:500℃、押出速度:30m/minである。
押出加工後の再結晶粒を観察し評価を行った。評価は押出管3の押出方向と垂直な切断面を15mm以上観察し、再結晶粒の面積を測定することにより行った。表1の「押出後再結晶粒」の欄において評価結果を示しており、各符号の意味は以下の通りである。
◎:観察される再結晶粒の面積の最大値が10000μm未満
〇:観察される再結晶粒の面積の最大値が10000μm以上かつ30000μm未満
×:30000μm以上の面積を有する再結晶粒が1個以上存在
次にα化率を上述した方法により測定し、表1の「面積率」の欄において、α化率および評価結果を示しており、各符号の意味は以下の通りである。
〇:α化率が20%以下
×:α化率が20%より大きい
そして、感光ドラム基体用アルミニウム合金押出管3の外表面の表面粗さRyをJIS B−0601−1994に準拠して測定し、外表面の表面形状を評価した。表1中の「表面粗さRy」の欄において評価結果を示しており、各符号の意味は以下の通りである。
〇:0(μm)≦Ry≦5.5(μm)
×:5.5(μm)<Ry
従って、実施例1〜12の感光ドラム基体用アルミニウム合金製ビレット1を用いることで、感光ドラム基体の外表面を高平滑面に形成でき、さらに製造コストを抑えることができる。
本発明は、感光ドラム基体用アルミニウム合金、感光ドラム基体用アルミニウム合金の製造方法、感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材の製造方法、感光ドラム基体の製造方法、感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材および感光ドラム基体に利用できる。
1:アルミニウム合金製ビレット
3:アルミニウム合金押出管











Claims (5)

  1. Si:0.081〜0.13質量%、Fe:0.1〜0.7質量%、Cu:0.05〜0.20質量%、Mn:1.0〜1.5質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、かつ金属組織中の全ての金属間化合物に対する、Al、Fe、MnおよびSiの各元素を各1%以上含む金属間化合物の割合が面積率で20%以下であり、押出加工後の再結晶粒の最大面積が30000μm未満であることを特徴とする感光ドラム基体用アルミニウム合金。
  2. Si:0.081〜0.13質量%、Fe:0.1〜0.7質量%、Cu:0.05〜0.20質量%、Mn:1.0〜1.5質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、かつ610℃以上の温度に4時間以上保持したのち、下式で計算されたT℃の温度で3時間以上保持する均質化処理をビレットに実施する、感光ドラム基体用アルミニウム合金の製造方法。
    1666×(Si質量%)+350≦T<570
  3. 請求項1記載の組成を有する感光ドラム基体用アルミニウム合金製ビレットを押出加工することを特徴とする感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材の製造方法。
  4. Si:0.081〜0.13質量%、Fe:0.1〜0.7質量%、Cu:0.05〜0.20質量%、Mn:1.0〜1.5質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、かつ金属組織中の全ての金属間化合物に対する、Al、Fe、MnおよびSiの各元素を各1%以上含む金属間化合物の割合が面積率で20%以下であり、押出加工後の再結晶粒の最大面積が30000μm未満であることを特徴とする感光ドラム基体用アルミニウム合金押出材。
  5. Si:0.081〜0.13質量%、Fe:0.1〜0.7質量%、Cu:0.05〜0.20質量%、Mn:1.0〜1.5質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、かつ金属組織中の全ての金属間化合物に対する、Al、Fe、MnおよびSiの各元素を各1%以上含む金属間化合物の割合が面積率で20%以下であり、押出加工後の再結晶粒の最大面積が30000μm未満であることを特徴とする感光ドラム基体。
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