JP2020163379A - エチレンの分解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エチレンを分解できる新規な技術を提供する。【解決手段】 酸素の存在下において触媒体によりエチレンを分解することを含み、触媒体が、平均粒子径が1〜10nmである貴金属または貴金属含有化合物が担持されており、Si/Al(モル比)が1以上10以下であるゼオライトを含む、エチレンの分解方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、エチレンの分解方法に関する。
青果物の生産、流通、貯蔵において、収穫後の鮮度の保持は、商品価値に大きく影響するため極めて重要である。例えば、青果物自身が放出するエチレン等の影響による呼吸量の増加、変色や腐敗の発生や、蒸散などによる萎縮の発生、カビの増殖などで、商品としての品質が著しく損なわれる。
そのため、青果物の鮮度を保持する技術が提案されており、その一つとしてエチレン除去による方法が知られている(例えば特許文献1)。
特開平11-155479号公報
本発明はエチレンを分解できる新規な技術を提供することを目的とする。
従来のエチレン分解技術においては湿度が増加するとエチレンの分解効率が低下する傾向にあった。
鋭意研究の結果、本発明者は、所定の大きさの貴金属または貴金属含有化合物を担持した特定のゼオライトを含む触媒体を用いることにより、湿度が増加してもエチレンをより効率的に分解できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 酸素の存在下において触媒体によりエチレンを分解することを含むエチレンの分解方法であって、
前記触媒体が、平均粒子径が1〜10nmである貴金属または貴金属含有化合物が担持されており、Si/Al(モル比)が1以上10以下であるゼオライトを含む、エチレンの分解方法。
[2] 前記ゼオライトが、A型、フェリエライト、モルデナイト、X型またはY型の結晶構造を有する、[1]に記載の方法。
[3] 前記ゼオライトが2価の金属イオンを有する、[1]もしくは[2]に記載の方法。
[4] ゼオライトがA型の結晶構造を有する、[1]に記載の方法。
[5] 前記ゼオライトにおける貴金属または貴金属含有化合物の担持量が0.1〜10質量%である、[1]から[4]のいずれか1項に記載の方法。
[6] 前記ゼオライトに貴金属または貴金属含有化合物として白金または白金含有化合物が担持されている、[1]から[5]のいずれか1項に記載の方法。
[7] 前記ゼオライトに白金酸化物が担持されている[1]に記載の方法。
[8] 青果物または花卉を収容する収容部と、
平均粒子径が1〜10nmである貴金属または貴金属含有化合物が担持されており、Si/Alが1以上10以下であるゼオライトを含み、前記収容部内のエチレンを分解する触媒体と、を備える包装体。
[9] 平均粒子径が1〜10nmである貴金属または貴金属含有化合物が担持されており、Si/Al(モル比)が1以上10以下であるゼオライトを含む、酸素の存在下におけるエチレン分解促進剤。
本発明によれば、エチレンを分解できる新規な技術を提供することができる。
以下、本発明の実施形態の1つについて詳述する。
本実施形態は、酸素の存在下において、触媒体によりエチレンを分解することを含むエチレンの分解方法に関する。該触媒体は、平均粒子径が1〜10nmである貴金属または貴金属含有化合物が担持されており、Si/Al(モル比)が1以上10以下であるゼオライトを含む。
[触媒体]
本実施形態に係る触媒体は、上述のとおり、貴金属または貴金属含有化合物が担持されたゼオライトを含む。そのため、該ゼオライトを貴金属または貴金属含有化合物の支持体と称することもできる。
ゼオライトとは、結晶性アルミノケイ酸塩の総称を意味している。ゼオライトは、その構造固有の細孔を有しており、通常0.2〜1.0nmの細孔径を有する多孔体である。本実施形態において、ゼオライトの細孔径は特に限定されないが、より効率的にエチレンを分解できる観点から、0.5nm以上、1.0nm以下の細孔径を有することが好ましい。なお、ゼオライトの細孔径はガス吸着法、例えば、窒素吸着法により算出される値である。
本実施形態において、ゼオライトは、Si/Al(モル比)が1以上10以下である。この中でも、より効率的にエチレンを分解することができるため、A型、フェリエライト、モルデナイト、Y型またはX型の結晶構造を有するゼオライトが好ましく、A型の結晶構造を有するゼオライトがより好ましく、5A型の結晶構造を有するゼオライトがさらにより好ましい。
なお、ゼオライトのSi/Al(モル比)は、例えば蛍光X線分析(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析により測定することができる。
また、ゼオライトの結晶構造は電子顕微鏡、粉末X線回折法、固体NMRにより特定することができる。
また、より効率的にエチレンを分解することができるため、本実施形態に係るゼオライトは二価の金属イオンを含有することが好ましい。二価の金属イオンとしては、例えばMg2+、Ca2+、Mn2+などを挙げることができる。二価の金属イオンを含有するか否かについては例えばX線光電分光法(XPS)またはX線吸収微細構造分析(XAFS)により分析することができる。
ゼオライトは天然又は合成ゼオライトを用いることができ、特に限定されない。また、例えば公知の方法により合成されたものを用いることもできるほか、市販品のゼオライトを購入して用いるようにしてもよい。
本実施形態に係る触媒体においては、ゼオライト(支持体)に、貴金属または貴金属含有化合物(その構成元素として貴金属元素を含む化合物)に分類される化合物のうち少なくとも一種が担持されている。貴金属または貴金属含有化合物としては、金、銀およびその酸化物、白金、パラジウムおよびその酸化物、ロジウムおよびその酸化物、ルテニウムおよびその酸化物、オスミウムおよびその酸化物、イリジウムおよびその酸化物などが挙げられる。
このうち、より効率的にエチレンを分解することができるため、ゼオライトに担持される貴金属または貴金属含有化合物として白金または白金含有化合物が好ましい。白金含有化合物とは、その構成元素として白金元素を含む化合物であり、PtO、PtO2、PtO2・H2O、白金黒等を挙げることができる。例えば、白金、PtO、PtO2、PtO2・H2O、白金黒等のうち1種または2種以上が本実施形態の触媒体においてゼオライト(支持体)に担持されるようにしてもよい。
本実施形態において、貴金属または貴金属含有化合物は粒子状の形状を有しており、その平均粒径が1nm以上10nm以下である。
なお、粒子の平均粒径は透過型電子顕微鏡(TEM)の画像写真での粒子サイズを算出し、その平均値として得ることができる。貴金属または貴金属含有化合物が貴金属に担持される態様も特に限定されず、例えばゼオライトの細孔内外において担持されている。
または、粒子の平均粒径は、COパルス吸着法によって測定され、外表面に存在する金属原子数を吸着したCO分子の数から求める方法によって算出されるようにしてもよい。この結果と金属粒子の形状を立方体や正八面体等の形状に仮定すると、その仮定に基づく金属粒子径を推算することができる。
貴金属または貴金属含有化合物は、より高い触媒活性を得ることができるため、これらを含む状態でのゼオライトに対して0.1〜10質量%担持されることが好ましく、0.1〜5質量%であるのがより好ましく、0.1〜1質量%であることがさらにより好ましい。10質量%よりも多く担持させると、貴金属または貴金属含有化合物同士が凝集しやすくなり、範囲内にある場合と比較して触媒活性が減少する。一方、0.1質量%未満では、範囲内にある場合と比較して十分な触媒活性が得られないため、0.1質量%以上が好ましい。
なお、本実施形態に係る触媒体においては貴金属または貴金属含有化合物に加えて、助触媒として作用する物質(以下単に助触媒と称する)や各種金属元素などが支持体に担持されていてもよく、特に限定されない。具体的には、助触媒粒子と金または白金含有化合物粒子が混在するものや、各種金属元素を金または白金含有化合物の粒子と複合化させた複合粒子からなる複合触媒であってもよい。助触媒または金属元素としては卑金属およびそれらの酸化物などが挙げられる。
本実施形態の触媒体の形状は特に限定されず、当業者が適宜設定でき、例えば粉末状や顆粒状などの粉体としてもよい。また、本実施形態の触媒体がフィルタ、フィルム等に固定されている態様や、不織布等の通気性を有する素材で袋詰めされた態様であってもよい。
次に、本実施形態に係わる触媒体を得る方法の一例について説明する。
本実施形態に係わる触媒体は、Si/Al(モル比)が1以上10以下であるゼオライトに平均粒子径が1〜10nmである貴金属または貴金属含有化合物を担持させることにより得ることができる。
まず、ゼオライトと担持させる貴金属または貴金属含有化合物に対応する貴金属化合物が溶解している溶液(以下、貴金属化合物溶液と称する)とを接触させる。その後、焼成および/または還元処理を行いゼオライト上などに貴金属または貴金属含有化合物の粒子を形成することにより、貴金属または貴金属含有化合物をゼオライトに担持させることができる。
具体的には、例えば、貴金属化合物溶液にゼオライトを浸漬後、焼成および/または還元処理を行うようにすることができる。
より具体的には、貴金属化合物溶液を20〜90℃、好ましくは50〜70℃に加温、攪拌しながら、pH3〜10、好ましくはpH5〜8になるようにアルカリ溶液を用いて調整する。その後、ゼオライトを貴金属化合物溶液に浸漬し、続いて、減圧脱気処理を行った後、200〜600℃で加熱焼成を行うことでゼオライトに貴金属または貴金属含有化合物の粒子を担持させることができる。
また、上述のようにゼオライトを貴金属化合物溶液に浸漬させた後に、200〜600℃の焼成処理と100〜300℃の水素気流に晒す処理を行う水素還元法や、水素化ホウ素ナトリウム溶液に浸漬する液相還元法など公知の還元操作を実施することでも、ゼオライトに貴金属または貴金属含有化合物の粒子を担持させることができる。
なお、用いる貴金属化合物の種類によっては、上述の公知な還元操作を実施することなく200〜600℃の加熱焼成処理のみで、貴金属または貴金属含有化合物の粒子を細孔内に得ることもできる。また、貴金属化合物の還元が一部に留まり、貴金属単体と貴金属含有化合物とが共存してゼオライトに担持されているようにしてもよい。
貴金属または貴金属含有化合物に対応する貴金属化合物は特に限定されず、当業者が適宜設定することができる。例えば、白金または白金含有化合物に対応する白金化合物としては、例えば塩化白金酸、ジニトロジアンミン白金、ジクロロテトラアンミン白金などが挙げられる。
貴金属化合物溶液における貴金属化合物の濃度は特に限定されないが、1×10−2〜1×10−5mol/Lとして溶液を調製するのが、生成した貴金属または貴金属含有化合物の粒子が凝集しにくいので好ましい。
[エチレンの分解]
本実施形態においては、気体である酸素が存在する環境下に上述の触媒体を配置し、気体であるエチレンを該触媒体と接触させることで、エチレンを二酸化炭素と水に分解することができる。
該環境下における温度条件や湿度条件、酸素濃度条件はエチレンの分解が進行する限り当業者が適宜設定でき、特に限定されないが、例えば、温度は、−20〜50℃とすることができ、1〜50℃でもよく、さらに5〜50℃でもよい。また、本実施形態に係わる触媒体によれば、従来の触媒体が作用しない相対湿度が80〜100%のときにも有効に作用する。言い換えれば、該相対湿度が80〜100%のときには本実施形態に係わるエチレンの分解方法が適用されることが好ましい。
また、本実施形態に係わる触媒体が配置される該環境下においては、例えばエチレンの影響で熟成等が進行する青果物を配置するようにしてもよい。これにより青果物の熟成等が進み過ぎ、それにより食用とすることができない状態となるなどして商品価値が失われる場合を少なくすることができる。
また、青果物に加えて、花卉などのエチレンの影響で状態が変化するものも該環境下に配置されるようにしてもよく、特に限定されない。
なお、上述の温度、湿度などは触媒とともに配置されるこれら青果物や花卉の種類や状態に応じて設定されるようにしてもよい。
青果物の具体例としては、落葉性果樹、常緑性果樹、熱帯果樹、果実的野菜、野菜などを挙げることができる。
落葉性果実としては、ナシ、リンゴ、アメリカンチェリー、ブラックチェリー、ダークチェリー、アンズ、梅、サクランボ、スモモ、モモ、アケビ、イチジク、カキ、カシス、キイチゴ、キウイ、グミ、ザクロ、ナツメ、ブドウ、ブラックベリー、ブルーベリー、マツブサ、ラズベリー、ユスラウメが例示される。
常緑性果樹としては、ミカン、タチバナ、キンカン、オリーブ、ビワ、ヤマモモが例示される。
熱帯果樹としては、マンゴー、バナナ、カカオ、マンゴスチン、アセロラ、アボカド、パッションフルーツ、パパイア、ババコ、マウンテンパパイア、ライチ、ココナッツ、ナツメヤシが例示される。
果実的野菜としては、イチゴ、スイカ、メロンが例示される。
野菜としては、レタス、もやし、チンゲンサイが例示される。
また、花卉としては、カーネーション、トルコキキョウ、デルフィニウム、スイーピー、シュッコンカスミソウ、デンドロビウム、カンパニュラ、キンギョソウ、ストック、バラ、ブルースターを挙げることができる。
触媒体と青果物または花卉とを共に配置する態様については特に限定されない。
例えば、青果物または花卉を収容する収容部と、該収容部内のエチレンを分解する本実施形態に係わる触媒体とを備える包装体を用いるようにしてもよい。
具体的には包装体の収容部内に上記青果物等とともに本実施形態に係わる触媒体が配置されるような場合を例示することができる。
また、他の態様として、例えば、果物が保管される室内の空気を流通させる装置が有するフィルタに本実施形態に係わる触媒体が固定されているなどしてもよい。
本実施形態によれば、酸素が存在する環境下に平均粒子径が1〜10nmである貴金属または貴金属含有化合物が担持されているSi/Al(モル比)が1以上10以下であるゼオライトを含む触媒体を配置し、該触媒体にエチレンを接触させることで、エチレンを分解することが可能である。該方法によれば、湿度が高まるときにも従来と比較して有効にエチレンを分解することができる。そのため、例えば、青果物の商品価値の維持などへのさらなる寄与が可能である。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[触媒体の製造例1]
細孔径0.5nmの5A型のゼオライト1.0gを10mLの水に懸濁させ、貴金属担持量が1.0質量%になるようにPtジニトロジアンミン硝酸水溶液を滴下し、その水溶液を室温にて撹拌した。ロータリーエバポレータを用いて40℃に加熱して溶媒を留去し、得られた固形物を室温で12時間真空乾燥させ、水素ガス10%、窒素ガス90%の還元処理ガス中にて250℃で1時間焼成し、Pt/5A型ゼオライトの触媒体を得た。5A型ゼオライトに対するPt担持量をICPで測定したところ、1質量%であった。また、触媒体をCOパルス吸着法で測定したところ、Ptの平均粒子径は、4.1nmであった。
また、このゼオライトのSi/Al(モル比)が、1であった。
さらに、このゼオライトは、2価の金属イオンであるCa2+を有していた。
[触媒体の製造例2]
5A型のゼオライトに代えて、細孔径0.8nmのフェリエライト型のゼオライトを用いた以外は製造例1と同様とし、製造例2の触媒体を得た。Pt担持量をICPで測定したところ1質量%であった。また、触媒体をCOパルス吸着法で測定したところ、Ptの平均粒子径は、3.9nmであった。
また、このゼオライトのSi/Al(モル比)が、5であった。
さらに、このゼオライトは、1価の金属イオンであるK+を有していた。
[触媒体の製造例3]
5A型のゼオライトに代えて、細孔径0.7nmのモルデナイト型のゼオライトを用いた以外は製造例1と同様とし、製造例3の触媒体を得た。Pt担持量をICPで測定したところ1質量%であった。また、触媒体をCOパルス吸着法で測定したところ、Ptの平均粒子径は、4.0nmであった。
また、このゼオライトのSi/Al(モル比)が、8であった。
さらに、このゼオライトは、1価の金属イオンであるK+を有していた。
[触媒体の製造例4]
5A型のゼオライトに代えて、細孔径1nmのX型のゼオライトを用いた以外は製造例1と同様とし、製造例4の触媒体を得た。Pt担持量をICPで測定したところは1質量%であった。また、触媒体をCOパルス吸着法で測定したところ、Ptの平均粒子径は、3.6nmであった。
また、このゼオライトのSi/Al(モル比)が、1.23であった。
さらに、このゼオライトは、1価の金属イオンであるNa+を有していた。
[触媒体の製造例5]
5A型のゼオライトに代えて、細孔径0.8nmのY型のゼオライトを用いた以外は製造例1と同様とし、製造例5の触媒体を得た。Pt担持量をICPで測定したところ1質量%であった。また、触媒体をCOパルス吸着法で測定したところ、Ptの平均粒子径は、3.9nmであった。
また、このゼオライトのSi/Al(モル比)が、2.43であった。
さらに、このゼオライトは、1価の金属イオンであるNa+を有していた。
[触媒体の製造例6(比較例)]
5A型のゼオライトに代えて、細孔径0.6nmのZSM−5のゼオライトを用いた以外は製造例1と同様とし、製造例6の触媒体を得た。Pt担持量をICPで測定したところ1質量%であった。また、触媒体をCOパルス吸着法で測定したところ、Ptの平均粒子径は、4nmであった。
また、このゼオライトのSi/Al(モル比)が、12であった。
さらに、このゼオライトは、1価の金属イオンであるNa+を有していた。
[触媒体の製造例7]
Pt担持量が0.25質量%とした以外は製造例1と同様とし、製造例7の触媒体を得た。
[触媒体の製造例8]
Pt担持量が0.5質量%とした以外は製造例1と同様とし、製造例8の触媒体を得た。
<試験例1 5℃、90%条件でのエチレン分解試験>
製造例1〜6で得られた触媒体を用いてエチレン分解試験を行った。このうち製造例1〜5の触媒体を用いる場合が本発明の実施例に当たる。
製造例1〜6で得られた触媒体1.0g入りのテドラーバッグ5Lにエチレン濃度5ppmを含む加湿した空気を入れ、封入し、5℃にて静置した。テドラーバッグ内の相対湿度は90%であった。テドラーバッグ内のエチレン濃度を0、3および6時間経過後に測定した。その結果を表1に示す。
比較例である製造例6を用いた場合では6時間後のテドラーバッグ内のエチレン濃度は不検出とならず、エチレンが残存していた。一方、実施例である製造例1〜5を用いた場合では6時間後のテドラーバッグ内のエチレン濃度は不検出であった。したがって、製造例1〜5の触媒体を用いた場合のほうが、製造例6の触媒体を用いた場合よりも、エチレンの分解時間が短いことが分かる。特に、製造例1の触媒体を用いた場合は、製造例2〜5よりエチレンの分解時間が短いことが分かる。
<試験例2 5℃、90%環境でのエチレン分解試験>
製造例1で得られた触媒体と製造例7と8で得られた触媒体を用いてエチレン分解試験を行った。製造例1、7または8で得られた触媒体入りのテドラーバッグ5Lにエチレン濃度5ppmを含む加湿した空気を入れ、封入し、5℃にて静置した。触媒体の量は、製造例1、7および8はいずれも1.0gとした。テドラーバッグ内の相対湿度は90%であった。テドラーバッグ内のエチレン濃度を0、3および6時間経過後に測定した。その結果を表2に示す。
表2より、製造例7,8のように、Pt担持量を0.25質量%、0.5質量%に変化させてみると、製造例1のPt担持量1.0質量%と比較して、エチレンの分解時間が長くなることが分かる。
<試験例3 エチレン分解試験>
製造例1で得られた触媒体1.0g入りのテドラーバッグ5Lにエチレン濃度100ppmを含む加湿した空気を入れ、封入し、5℃にて静置した。テドラーバッグ内の相対湿度は90%であった。テドラーバッグ内のエチレン濃度を0、2、8、20および24時間経過後に測定した。その結果を表3に示す。
表3より、製造例1で得られた触媒体を用いたときでは24時間後のテドラーバッグ内のエチレン濃度は不検出となった。また、24時間後の二酸化炭素濃度は200ppm検出され、エチレンが二酸化炭素に分解されていることが確認された。
<試験例4 エチレン分解流通試験>
製造例1で得られた触媒体を用いてエチレン分解試験を行った。製造例1の触媒体0.5gをU字反応管に詰め、エチレン濃度250ppmを含む5℃、相対湿度90%の空気を流量0.12L/minでU字反応管に流通させ、反応管通過後のガス成分をフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)にて分析した。反応15分後のエチレン濃度は100ppmとなり、60%の除去率であった。
また、反応15分後の二酸化炭素濃度を分析したところ、300ppmが検出され、エチレンが二酸化炭素に分解されていることが確認された。
以上より、本発明は常温かつ多湿環境下でのエチレンを二酸化炭素に分解する方法として有効であることが示された。

Claims (9)

  1. 酸素の存在下において触媒体によりエチレンを分解することを含むエチレンの分解方法であって、
    前記触媒体が、平均粒子径が1〜10nmである貴金属または貴金属含有化合物が担持されており、Si/Al(モル比)が1以上10以下であるゼオライトを含む、エチレンの分解方法。
  2. 前記ゼオライトが、A型、フェリエライト、モルデナイト、X型またはY型の結晶構造を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ゼオライトが2価の金属イオンを有する、請求項1もしくは2に記載の方法。
  4. 前記ゼオライトがA型の結晶構造を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ゼオライトにおける貴金属または貴金属含有化合物の担持量が0.1〜10質量%である、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記ゼオライトに貴金属または貴金属含有化合物として白金または白金含有化合物が担持されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記ゼオライトに白金酸化物が担持されている請求項1に記載の方法。
  8. 青果物または花卉を収容する収容部と、
    平均粒子径が1〜10nmである貴金属または貴金属含有化合物が担持されており、Si/Alが1以上10以下であるゼオライトを含み、前記収容部内のエチレンを分解する触媒体と、を備える包装体。
  9. 平均粒子径が1〜10nmである貴金属または貴金属含有化合物が担持されており、Si/Al(モル比)が1以上10以下であるゼオライトを含む、酸素の存在下におけるエチレン分解促進剤。

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