JP2020172689A - 装入方法決定方法、装入方法決定装置及び装入方法決定プログラム - Google Patents

装入方法決定方法、装入方法決定装置及び装入方法決定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】高炉を所望の操業状態に至らせるための装入方法を決定することが可能な装入方法決定方法を提供する。【解決手段】装入方法決定方法は、高炉100の操業状態を示す指標値の目標値である目標指標値を取得し、高炉100に原料を装入する装入方法を取得し、高炉100における装入物分布を、装入方法に基づいて演算し、装入物分布に基づいて指標値を演算し、指標値が目標指標値に一致しているか否かを判定し、指標値が目標指標値に一致していると判定されたときの装入方法を演算装入方法に決定し、装入物分布の演算値と装入物分布試験装置における装入物分布の実測値とが一致するときの演算及び測定のそれぞれに使用される装入方法の対応関係に基づいて、測定に使用される装入方法のうち演算装入方法に対応する装入方法を、実測装入方法に決定し、実測装入方法を示す実測装入方法信号を出力することを含む。【選択図】図5

Description

本発明は、高炉に原料を装入するときの装入方法を決定する装入方法決定方法、装入方法決定装置及び装入方法決定プログラムに関する。
高炉の操業において、炉内装入物の堆積状態(装入物分布)を制御することにより高炉内のガス流分布及び融着帯形状を最適化して操業の安定化を図る技術が知られている。例えば、特許文献1には、高炉への原料の装入方法を含む高炉操業諸元を、装入された原料等の挙動をパラメータを用いて数式化したモデルに入力し、高炉の操業状態を示す指標値を演算する技術が記載されている。
特許文献1に記載される技術では、高炉内プロセスのシミュレーションにより指標値を演算した結果に基づいて、ムーバブルアーマーの操作量等の装入方法を変更したときの指標値の変動を評価することができる。
特開平11−106807号公報
「ベルレス装入法における装入物分布推定モデルの開発」(奥野嘉雄ら、鉄と鋼73(1987)p91、ISIJ Int. , Vol. 43 (2003), No. 5, p620) 「高炉二次元トータルモデル(BRIGHT)の開発とその応用」(杉山喬ら、製鉄研究325(1987)p34)
しかしながら、特許文献1に記載される技術は、装入物分布モデルを用いて装入物分布を推定して指標値を演算しており、装入物分布モデルにより推定された装入物分布と、実際の高炉(以下、実炉と称する)における装入物分布との間の誤差を含んでいる。装入物分布モデル等は、モデルに含まれるパラメータを実炉の操業状態と比較しながらフィッティングすることにより、その精度を向上することができるが、パラメータフィッティングによっても、実炉の指標値を完全に表現できるモデルを構築することは容易ではない。よって、装入方法を変更した際の高炉の操業状態の変動をモデルにより推定したり、高炉を所望の操業状態に至らせるための装入方法をモデルにより決定したりすることは、従来困難であった。
そこで、本発明は、高炉を所望の操業状態に至らせるための装入方法を決定することが可能な装入方法決定方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決する本発明は、以下に示す装入方法決定装置、装入方法決定プログラム及び装入方法決定方法を要旨とするものである。
(1)高炉の操業状態を示す指標値の目標値である目標指標値を取得し、
装入物分布モデルに入力する装入方法を取得し、
装入方法に基づいて装入物分布を演算し、
装入物分布に基づいて指標値を演算し、
指標値が目標指標値に一致しているか否かを判定し、
指標値が目標指標値に一致していると判定されたときの装入方法を演算装入方法に決定し、
装入物分布の演算値と装入物分布試験における装入物分布の実測値とが一致するときの演算及び測定のそれぞれに使用される装入方法の対応関係に基づいて、測定に使用される装入方法のうち演算装入方法に対応する装入方法を、実測装入方法に決定し、
実測装入方法を示す実測装入方法信号を出力する、
ことを含む、ことを特徴とする装入方法決定方法。
(2)高炉は、旋回シュートにより原料を装入するベルレス式装入装置を有し、
装入方法は、旋回シュートのノッチ角度及び旋回数の少なくとも一方を含む、(1)に記載の装入方法決定方法。
(3)高炉は、シャフト部に設置されたシャフトゾンデを有し、
指標値は、シャフトゾンデによって検出されたガス成分により算出された成分比を示す指標値を含む、(1)又は(2)に記載の装入方法決定方法。
(4)指標値は、高炉の半径方向のηCO分布である、(3)に記載の装入方法決定方法。
(5)目標指標値は、ηCO分布に含まれる半径方向の各位置におけるηCOの所定期間内の平均値であり、
指標値が目標指標値に一致しているか否かを判定することは、ηCO分布に含まれる半径方向の各位置におけるηCOの所定期間内の標準偏差に基づいて、指標値が目標指標値に一致しているか否かを判定することを含む、(4)に記載の装入方法決定方法。
(6)高炉の操業状態を示す指標値の目標値である目標指標値を取得する目標指標値取得部と、
装入物分布モデルに入力する装入方法を取得する装入方法取得部と、
装入方法に基づいて装入物分布を演算する装入物分布演算部と、
装入物分布に基づいて指標値を演算する指標値演算部と、
指標値が目標指標値に一致しているか否かを判定する指標値判定部と、
指標値判定部によって指標値が目標指標値に一致していると判定されたときの装入方法を演算装入方法に決定する目標装入物分布決定部と、
装入物分布の演算値と装入物分布試験における装入物分布の実測値とが一致するときの演算及び測定のそれぞれに使用される装入方法の対応関係に基づいて、測定に使用される装入方法のうち演算装入方法に対応する装入方法を、実測装入方法に決定する装入方法決定部と、
実測装入方法を示す実測装入方法信号を出力する装入方法出力部と、
を有する、ことを特徴とする装入方法決定装置。
(7)高炉の操業状態を示す指標値の目標値である目標指標値を取得し、
装入物分布モデルに入力する装入方法を取得し、
装入方法に基づいて装入物分布を演算し、
装入物分布に基づいて指標値を演算し、
指標値が目標指標値に一致しているか否かを判定し、
指標値が目標指標値に一致していると判定されたときの装入方法を演算装入方法に決定し、
装入物分布の演算値と装入物分布試験における装入物分布の実測値とが一致するときの演算及び測定のそれぞれに使用される装入方法の対応関係に基づいて、測定に使用される装入方法のうち演算装入方法に対応する装入方法を、実測装入方法に決定し、
実測装入方法を示す実測装入方法信号を出力する、
処理をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする装入方法決定プログラム。
(8)高炉の操業状態を示す指標値の目標値である目標指標値を取得し、
装入物分布試験における実測装入方法を取得し、
装入物分布を演算する装入物分布モデルに入力する装入方法のうち、装入物分布の演算値と装入物分布試験における装入物分布の実測値とが一致するときの演算及び測定のそれぞれに使用される装入方法の対応関係に基づいて、実測装入方法に対応する装入方法を、演算装入方法に決定し、
演算装入方法に基づいて装入物分布を演算し、
装入物分布に基づいて指標値を演算し、
指標値が目標指標値に一致しているか否かを判定し、
指標値が目標指標値に一致していると判定されたときの実測装入方法を決定し、
実測装入方法を示す実測装入方法信号を出力する、
ことを含む、ことを特徴とする装入方法決定方法。
(9)高炉の操業状態を示す指標値の目標値である目標指標値を取得する目標指標値取得部と、
装入物分布試験における実測装入方法を取得する装入方法取得部と、
装入物分布を演算する装入物分布モデルに入力する装入方法のうち、装入物分布の演算値と装入物分布試験における装入物分布の実測値とが一致するときの演算及び測定のそれぞれに使用される装入方法の対応関係に基づいて、実測装入方法に対応する装入方法を、演算装入方法に決定する演算装入方法決定部と、
演算装入方法に基づいて装入物分布を演算する装入物分布演算部と、
装入物分布に基づいて指標値を演算する指標値演算部と、
指標値が目標指標値に一致しているか否かを判定する指標値判定部と、
指標値が目標指標値に一致していると判定されたときの実測装入方法を決定する装入方法決定部と、
実測装入方法を示す実測装入方法信号を出力する装入方法出力部と、
を有することを特徴とする装入方法決定装置。
(10)高炉の操業状態を示す指標値の目標値である目標指標値を取得し、
装入物分布試験における実測装入方法を取得し、
装入物分布を演算する装入物分布モデルに入力する装入方法のうち、装入物分布の演算値と装入物分布試験における装入物分布の実測値とが一致するときの演算及び測定のそれぞれに使用される装入方法の対応関係に基づいて、実測装入方法に対応する装入方法を、演算装入方法に決定し、
演算装入方法に基づいて装入物分布を演算し、
装入物分布に基づいて指標値を演算し、
指標値が目標指標値に一致しているか否かを判定し、
指標値が目標指標値に一致していると判定されたときの実測装入方法を決定し、
実測装入方法を示す実測装入方法信号を出力する、
処理をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする装入方法決定プログラム。
一実施形態に係る装入方法決定方法によれば、高炉を所望の操業状態に至らせるための装入方法を決定することができる。ひいては、一実施形態に係る装入方法決定方法によって決定された装入方法を用いて高炉を操業することにより、高炉の操業状態を示す指標値について所望の値を得ることが可能になる。
装入方法を決定する対象となる、実炉の概略図である。 第1実施形態に係る装入方法決定装置の機能ブロック図である。 装入物分布試験装置の一例である1/3縮尺模型実験装置の概略図である。 (a)は図2に示す対応関係テーブルに含まれる単位テーブルの一例を示す図であり、(b)は図2に示す対応関係テーブルに含まれる単位テーブルの他の例を示す図である。 図2に示す装入方法決定装置により実行される装入方法決定処理のフローチャートである。 第2実施形態に係る装入方法決定装置の機能ブロック図である。 図6に示す装入方法決定装置により実行される装入方法決定処理のフローチャートである。 目標とするηCO分布と、装入方法決定処理を実行する前後のηCO分布との間の一致度を示す図である。 装入方法決定処理を実行する前後のηCOと目標とするηCOとの差と、目標とするηCOにおける標準偏差σとの比較を示す図である。 実炉において装入方法を変更したときのコークス比の推移を示す図である。
以下図面を参照して、本発明に係る装入方法決定装置、装入方法決定プログラム及び装入方法決定方法について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されない。
(実施形態に係る装入方法決定方法の対象となる高炉の構成及び機能)
図1は、実施形態に係る装入方法決定方法の対象となる高炉の概略図である。図1において、ガス配管は実線で示され、電気配線は一点鎖線で示される。
高炉100は、高炉100の内部に原料を装入する装入装置101と、複数の片持ちゾンデ102と、複数のシャフトゾンデ103と、ガスアナライザ104とを有する。なお、片持ちゾンデ102及びシャフトゾンデ103はそれぞれ1つであってもよく、いずれか一方のみが設けられていてもよい。
装入装置101は、例えばベルレス式装入装置であり、集合ホッパ111と、垂直シュート112と、旋回シュート113とを有する。
集合ホッパ111は、中央下部に開口部が形成された凹型の形状を有し、原料が貯蔵される炉頂ホッパの下方に配置される。集合ホッパ111は、炉頂ホッパから供給された原料を垂直シュート112に供給する。垂直シュート112は、略円筒状の形状を有し、集合ホッパ111の中央下部に形成された開口部にその上端が接続される。垂直シュート112は、集合ホッパ111から供給された原料を旋回シュート113に供給する。
旋回シュート113は、高炉100の中心軸線L1の周りに矢印T1方向に旋回可能であると共に、旋回シュート113の傾動軸L2の周りに矢印T2方向に傾動可能な構造を有する。図1において中心軸線L1及び傾動軸L2は、二点鎖線で示される。旋回シュート113は、垂直シュート112から供給された原料を、予め決められた装入方法により高炉100の内部に装入する。装入方法は、例えば、旋回シュート113のノッチパターン(旋回シュート113のノッチ、すなわち傾動角、及び、ノッチごとの旋回数)を含む。また例えば、コークス及び鉱石の装入量を含み、そのほか原料搬送方法などを含んでも良い。
高炉100に装入された原料は、装入方法に応じた装入物分布を形成する。装入物分布は、 例えば、1チャージ分のコークス層及び鉱石層の合計層厚に対する鉱石層の層厚の比である鉱石層厚比の、高炉100の半径方向の分布である。また例えば、コークスの装入量(質量)に対する鉱石の装入量(質量)の比であるO/Cの、高炉100の半径方向の分布である。
複数の片持ちゾンデ102のそれぞれは、一端が高炉100の壁面に接し、他端が高炉100の中心部に位置すると共に、高炉100の壁面から中心部に向かって下方に延伸するように、高炉100内部に装入された装入物の頂面の上方の空間に配置される。
複数の片持ちゾンデ102のそれぞれは、高炉100の半径方向に並んで配置される複数の熱電対を有し、装入物の頂面の上方の空間の雰囲気中のガスの温度を半径方向に亘って連続的に検出する。
複数のシャフトゾンデ103のそれぞれは、高炉100のシャフト部に設置され、例えば8時間毎に周期的に高炉100の壁面から高炉100の内部に挿入される(図1において、複数のシャフトゾンデ103のそれぞれの退避位置を破線で示し、挿入方向を白抜き矢印で示す)。複数のシャフトゾンデ103のそれぞれは、例えば、高炉100のシャフト部の上段、中段及び下段に配置される。複数のシャフトゾンデ103のそれぞれの先端は、高炉100の内部に挿入されたときに、高炉100の中心部に位置する。
複数のシャフトゾンデ103のそれぞれは、先端に配置される熱電対を有し、高炉100内に所定の周期毎に挿入されるときに、装入物の内部の雰囲気中のガスの温度を半径方向に亘って検出する。
複数のシャフトゾンデ103のそれぞれは、先端にガスを採取するガス採取部を有し、高炉100に挿入されるときに、装入物の内部の雰囲気中のガスを径方向に亘って採取する。複数のシャフトゾンデ103のそれぞれは、採取したガスをガスアナライザ104に送る。
ガスアナライザ104は、ガスクロマトグラフィーを有し、複数のシャフトゾンデ103のそれぞれが採取したガスに含有される一酸化炭素、二酸化炭素、水素及び水蒸気等の含有ガスの成分を分析する。
以上説明したように、高炉100には、片持ちゾンデ102及びシャフトゾンデ103が設置され、高炉100の操業状態が監視される。片持ちゾンデ102及びシャフトゾンデ103による測定結果は、高炉100の操業状態を示す指標として用いられ、高炉100が理想的な操業状態であるときのそれらの指標は、例えば過去の操業実績から知ることができる。
実施形態に係る装入方法決定方法は、後述する装入方法決定処理により、所望の指標値を発生させる装入方法を決定し、すなわち、高炉100を所望の操業状態に至らせる装入方法を決定する。
図2は、第1実施形態に係る装入方法決定装置1の機能ブロック図である。
装入方法決定装置1は、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、処理部20とを有する。通信部11、記憶部12、入力部13、出力部14及び処理部20は、バス15を介して互いに接続される。装入方法決定装置1は、高炉100の操業状態を示す指標値が目標値に一致するような原料の装入方法を決定する。
通信部11は、イーサネット(登録商標)などの有線の通信インターフェース回路を有する。通信部11は、電気配線を介して装入装置101〜ガスアナライザ104及び不図示の上位制御装置等と通信を行う。
通信部11は、後述する装入方法決定処理により決定した装入方法を示す装入方法信号を装入装置101に送信してもよい。また、通信部11は、片持ちゾンデ温度分布情報を示す片持ちゾンデ温度分布情報信号を複数の片持ちゾンデ102のそれぞれから受信してもよい。また、通信部11は、シャフトゾンデ温度分布情報を示すシャフトゾンデ温度分布情報信号を複数のシャフトゾンデ103のそれぞれから受信してもよい。また、通信部11は、ガス成分情報を示すガス成分情報信号をガスアナライザ104から受信してもよい。
記憶部12は、例えば、半導体記憶装置、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも一つを備える。記憶部12は、処理部20での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、記憶部12は、アプリケーションプログラムとして、高炉100の操業状態を示す指標値が目標値に一致するような原料の装入方法を決定する装入方法決定処理を処理部20に実行させるための装入方法決定プログラム等を記憶する。装入方法決定プログラムは、例えばCD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部12にインストールされてもよい。
また、記憶部12は、装入方法決定処理で使用される種々のデータを記憶する。さらに、記憶部12は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
記憶部12は、装入物分布モデル121と、炉内推定モデル122と、対応関係テーブル123とを記憶する。
装入物分布モデル121は、高炉100に原料を装入する装入方法に基づいて、装入された原料の炉口部における分布である装入物分布を演算するときに使用されるモデルであり、一例では非特許文献1に記載されるモデルである。装入物分布モデル121は、原料が落下するときの摩擦係数、堆積形状の決定に使用される補正係数、及び高炉100の内部における装入物の偏析状況の算出に使用される係数等をパラメータとして含む。
炉内推定モデル122は、装入物分布に基づいて、高炉100の操業状態を示す指標値を演算するときに使用されるモデルであり、一例では非特許文献2に記載される高炉数学モデルである。
対応関係テーブル123は、装入物分布モデル121による装入物分布の演算値と後述する装入物分布試験装置による装入物分布の実測値とが一致するときに、装入物分布モデル121の入力値及び装入物分布試験の設定値として、それぞれ使用される装入方法の対応関係を示すテーブルである。
図3は、装入物分布試験装置の一例である1/3縮尺模型実験装置の概略図である。装入物分布試験装置は、高炉の炉頂部を模した試験装置であり、原料の装入、及び、装入された原料のサンプリングができる試験装置である。 1/n(nは任意の正数)縮尺の模型実験装置においては、装置の寸法及び原料の粒径を1/nに縮尺したり、旋回シュートの旋回速度その他の設定値を適宜縮尺したりすることにより、実炉に近い装入物分布を模擬することができ、サンプリングによりその装入物分布を測定することができる。本発明は、装入物分布試験装置を用いて、装入物分布モデル121の入力値である装入方法を、装入物分布試験の設定値である装入方法に変換することにより、実炉において所望の指標値を発生させる装入方法を決定するものである。
1/3縮尺模型実験装置200は、高炉100の炉頂部の模型であり、装入装置と、径方向長さが高炉100の約1/3のである炉体を有する。具体的には、装入装置として、サージホッパ201と、装入コンベア202と、炉頂ホッパ203と、旋回シュート204を有し、そのほか、炉体シャフト部205と、切出装置206とを有する。
1/3縮尺模型実験装置200では、サージホッパ201に貯留された原料は、装入コンベア202を介して炉頂ホッパ203に一時貯留される。旋回シュート204は、旋回シュート113と同様に、炉体シャフト部205の中心軸線の周りに旋回可能であると共に、傾動軸の周りに傾動可能な構造を有する。炉頂ホッパ203から旋回シュート204に供給された原料は、旋回シュート204を旋回させながら落下位置を炉壁から中心に変更させることで、炉体シャフト部205を、リング状に炉壁から炉中心に装入される。
炉体シャフト部205は、高炉100の炉頂部の形状を模し且つ高炉100の約1/27の容積を有する筐体であり、下端からガス流分布を模した送風がされる。切出装置206は、高炉100の炉内荷下がりを模擬する。
対応関係テーブル123は、1/3縮尺模型実験装置200により実測される装入物分布の実測値と、装入物分布モデル121により演算される装入物分布の演算値とが一致したときの装入方法を関連付けて記憶する複数の単位テーブルを含む。すなわち、対応関係テーブル123(単位テーブル)は、1/3縮尺模型実験装置200による装入物分布の実測値と装入物分布モデル121による装入物分布の演算値とが一致したときの、1/3縮尺模型実験装置200における装入方法と、装入物分布モデル121における装入方法と、を関連付けて記憶する。
装入物分布は、例えば鉱石層厚比分布である。対応関係テーブル123は、一例では、高炉の半径方向の複数位置で演算または測定される鉱石層厚比のすべてについて、鉱石層厚比の差が±0.1以下であるときの1/3縮尺模型実験装置200における装入方法と装入物分布モデル121における装入方法とを関連付けて記憶する。
装入方法は、例えば旋回シュートのノッチパターンであり、図4(a)は対応関係テーブル123に含まれる単位テーブルの一例を示し、図4(b)は対応関係テーブル123に含まれる単位テーブルの他の例を示す。
単位テーブル401は、1/3縮尺模型実験装置200により原料を装入するときの旋回シュートのノッチ角度と装入物分布モデル121における演算に使用される旋回シュートのノッチ角度との対応関係を、1ノッチから20ノッチまでのそれぞれについて記憶する。単位テーブル401によれば、装入物分布モデルの項目に記載されたノッチ角度で装入物分布モデル121の演算を行い、1/3縮尺模型実験装置の項目に記載されたノッチ角度で装入物分布試験を行うと、それぞれの結果としての装入物分布が一致する。
単位テーブル402は、1/3縮尺模型実験装置200により原料を装入するときの旋回シュートの旋回数と装入物分布モデル121における演算に使用される旋回シュートの旋回数との対応関係を、1ノッチから20ノッチまでのそれぞれについて記憶する。単位テーブル402によれば、装入物分布モデルの項目に記載された旋回数で装入物分布モデル121の演算を行い、1/3縮尺模型実験装置の項目に記載された旋回数で装入物分布試験を行うと、それぞれの結果としての装入物分布が一致する。
なお、対応関係テーブル123は、旋回シュートのノッチ角度及び旋回数の対応関係を単位テーブルとして含むが、ノッチ角度及び旋回数の何れか一方の対応関係を単位テーブルとして含んでもよく、その他の装入方法の対応関係を単位テーブルとして含んでもよい。
入力部13は、データの入力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル、キーボード等である。不図示の作業者は、入力部13を用いて、文字、数字、記号等を入力することができる。入力部13は、作業者により操作されると、その操作に対応する信号を生成する。そして、生成された信号は、作業者の指示として、処理部20に供給される。
出力部14は、映像や画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。出力部14は、処理部20から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像等を表示する。また、出力部14は、紙などの表示媒体に、映像、画像又は文字等を印刷する出力装置であってもよい。
処理部20は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部20は、装入方法決定装置1の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。処理部20は、記憶部12に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、処理部20は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行できる。
処理部20は、目標指標値取得部21と、演算装入方法取得部22と、装入物分布演算部23と、指標値演算部24と、指標値判定部25と、目標装入物分布決定部26と、装入方法決定部27と、装入方法出力部28とを有する。これらの各部は、処理部20が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして装入方法決定装置1に実装されてもよい。
(第1実施形態に係る装入方法決定装置による装入方法決定処理)
図5は、装入方法決定装置1により実行される装入方法決定処理のフローチャートである。図5に示す装入方法決定処理は、予め記憶部12に記憶されているプログラムに基づいて、主に処理部20により装入方法決定装置1の各要素と協働して実行される。
まず、目標指標値取得部21は、高炉100の操業状態を示す指標値の目標値である目標指標値を取得する(S101)。目標指標値は、通信部11を介して上位制御装置から取得されてもよく、入力部13を介して作業者による入力に応じて取得されてもよい。
目標指標値として取得される指標値は、例えばシャフトゾンデ103によって高炉100の半径方向の複数位置で検出されるべき、シャフトゾンデηCO分布情報である。シャフトゾンデηCO分布情報は、シャフトゾンデ103が採取するガスに含まれるCO及びCO2の濃度から、計算式(CO2/(CO+CO2))により算出されるηCOの高炉100の半径方向の分布を含む。シャフトゾンデηCO分布情報において、ηCOは、ガス成分を検出したシャフトゾンデ103及び高炉100の半径方向の位置に関連付けられる。
なお、目標指標値として取得される指標値は、シャフトゾンデηCO分布情報以外の高炉の操業状態を示す情報であってもよい。例えば、目標指標値として取得される指標値は、片持ちゾンデ102のそれぞれにより検出されるべき片持ちゾンデ温度分布情報であってもよく、シャフトゾンデ103のそれぞれにより検出されるべきシャフトゾンデ温度分布情報であってもよい。
また、目標指標値として取得される指標値は、シャフトゾンデ103によって高炉100の半径方向の複数位置で検出されるべき、シャフトゾンデηH2分布情報であってもよい。シャフトゾンデηH2分布情報は、シャフトゾンデ103が採取するガスに含まれるH2及びH2Oの濃度から、計算式(H2O/(H2+H2O))により算出されるηH2の高炉100の半径方向の分布を含む。シャフトゾンデηH2分布情報において、ηH2は、ガス成分を検出したシャフトゾンデ103及び高炉100の半径方向の位置に関連付けられる。
次いで、演算装入方法取得部22は、装入物分布モデル121に入力される装入方法を取得する(S102)。装入方法は、通信部11を介して上位制御装置から取得されてもよく、入力部13を介して作業者による入力に応じて取得されてもよい。装入方法は、例えば旋回シュートのノッチ角度及び旋回数を含む。
装入物分布モデル121に入力される装入方法は、例えば、現状の実炉(高炉100)における装入方法の一部を規則的に変更した装入方法であり、また例えば、現状の実炉(高炉100)における装入方法の一部をランダムに変更した装入方法である。また例えば、理想的な操業状態であったときの過去の操業実績における装入方法である。
次いで、装入物分布演算部23は、S102の処理で取得された装入方法を入力として、装入物分布モデル121を使用して装入物分布を演算する(S103)。演算された装入物分布は、例えば鉱石層厚比分布を含む。装入物分布演算部23は、演算した装入物分布を記憶部12に記憶する。
次いで、指標値演算部24は、S103の処理で取得された装入物分布を入力として、炉内推定モデル122を使用して指標値であるシャフトゾンデηCO分布情報を演算する(S104)。指標値演算部24は、演算したシャフトゾンデηCO分布情報を記憶部12に記憶する。
指標値演算部24が演算する指標値は、シャフトゾンデηCO分布情報に限定されるものではなく、目標指標値取得部21によって目標指標値として取得される指標値と対応すればよい。目標指標値が片持ちゾンデ温度分布情報であるとき、指標値演算部24は、片持ちゾンデ温度分布情報を指標値として演算する。また、目標指標値がシャフトゾンデ温度分布情報であるとき、指標値演算部24は、シャフトゾンデ温度分布情報を指標値として演算する。また、目標指標値がシャフトゾンデηH2分布情報であるとき、指標値演算部24は、シャフトゾンデηH2分布情報を指標値として演算する。
次いで、指標値判定部25は、指標値演算部24によって演算された指標値が目標指標値取得部21によって取得された目標指標値に一致しているか否かを判定する(S105)。指標値判定部25は、演算された指標値が目標指標値から所定の範囲内にあるときに、演算された指標値が目標指標値に一致していると判定する。
指標値判定部25は、例えば指標値演算部24によって演算されたシャフトゾンデηCO分布情報に含まれるηCOのそれぞれが、目標指標値のうち対応するηCOのそれぞれの±1%の範囲に含まれるとき、演算された指標値が目標指標値に一致したと判定する。また、指標値判定部25は、指標値演算部24によって演算されたシャフトゾンデηCO分布情報に含まれるηCOのそれぞれが、目標指標値の対応するηCOのそれぞれの±1%の範囲に含まれないとき、演算された指標値が目標指標値に一致しないと判定する。
指標値判定部25によって演算された指標値が目標指標値に一致していると判定される(S105−YES)まで、S102〜S105の処理が繰り返される。すなわち、S102において異なる装入方法を取得し、当該異なる装入方法についてS103〜S105の処理を繰り返す。
演算された指標値が目標指標値に一致していると判定される(S105−YES)と、目標装入物分布決定部26は、指標値の演算に使用された装入物分布を目標装入物分布に決定し、指標値の演算に使用された装入方法を演算装入方法に決定する(S106)。
次いで、装入方法決定部27は、装入物分布の演算値と実測値とが一致するときの演算及び測定のそれぞれに使用される装入方法の対応関係に基づいて、演算装入方法に対応する装入物分布試験における装入方法を、実測装入方法に決定する(S107)。装入方法決定部27は、対応関係テーブル123を使用して、装入物分布の演算値と装入物分布の実測値とが一致するときの装入方法の対応関係を抽出する。装入方法決定部27は、対応関係テーブル123を使用して抽出した装入方法の対応関係から、演算装入方法に対応する装入物分布試験における装入方法を、実測装入方法に決定する。
そして、装入方法出力部28は、S107の処理で決定された実測装入方法を示す実測装入方法信号を、出力部14を介して、例えば作業者に対して出力する(S108)。または、装入方法出力部28は、S107の処理で決定された実測装入方法を示す実測装入方法信号を、通信部11を介して装入装置101に出力してもよい(S108)。このとき、装入装置101は、実測装入方法信号に対応する実測装入方法に応じて、原料を装入することができる。
(第1実施形態に係る装入方法決定装置の作用効果)
装入方法決定装置1は、目標とする指標値に演算した指標値が一致するときの装入方法を、演算した装入物分布と実測した装入物分布とが一致したときの装入方法の対応関係に基づいて、実炉用に変換する。装入方法決定装置1は、装入物分布が一致するように装入方法をモデル演算用のものから実炉用のものに変換することで、装入物分布モデルにより演算される装入物分布と実炉における装入物分布との間の誤差を低減することができる。
また、装入方法決定装置1は、装入物分布モデル121及び炉内推定モデル122を使用して装入方法から指標値を演算することができる。
装入方法決定装置1によれば、高炉100の操業状態を所望の操業状態とするための装入方法を高精度且つ効率的に決定することができる。例えば片持ちゾンデ102及びシャフトゾンデ103の測定結果を確認しながらの装入方法の変更を試行錯誤的に行うことが不要になり、高炉100の操業状態の変動期間を短縮したり、高炉100の操業状態の変動の発生を防止したりすることが可能になる。
(第2実施形態に係る装入方法決定装置の構成及び機能)
図6は、装入方法決定装置2の機能ブロック図である。
装入方法決定装置2は、処理部30を処理部20の代わりに有することが装入方法決定装置1と相違する。処理部30以外の装入方法決定装置2の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された装入方法決定装置1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
処理部30は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部30は、装入方法決定装置2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。処理部30は、記憶部12に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、処理部30は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行できる。
処理部30は、目標指標値取得部31と、実測装入方法取得部32と、演算装入方法決定部33と、装入物分布演算部34と、指標値演算部35と、指標値判定部36と、装入方法決定部37と、装入方法出力部38とを有する。これらの各部は、処理部30が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして装入方法決定装置2に実装されてもよい。
(第2実施形態に係る装入方法決定装置による装入方法決定処理)
図7は、装入方法決定装置2により実行される装入方法決定処理のフローチャートである。図7に示す装入方法決定処理は、予め記憶部12に記憶されているプログラムに基づいて、主に処理部30により装入方法決定装置2の各要素と協働して実行される。
まず、目標指標値取得部31は、S101の処理と同様に、高炉100の操業状態を示す指標値の目標値である目標指標値を取得する(S201)。目標指標値は、通信部11を介して上位制御装置から取得されてもよく、入力部13を介して作業者による入力に応じて取得されてもよい。
次いで、実測装入方法取得部32は、装入物分布試験における装入方法を取得する(S202)。この実測装入方法は、高炉100に原料を装入する装入方法に対応する。実測装入方法は、通信部11を介して上位制御装置から取得されてもよく、入力部13を介して作業者による入力に応じて取得されてもよい。実測装入方法は、例えば熟練した作業者により、例えば過去の操業実績から生成されてもよい。
次いで、演算装入方法決定部33は、装入物分布の演算値と実測値とが一致するときの演算及び測定のそれぞれに使用される装入方法の対応関係に基づいて、S202の処理で取得された実測装入方法に対応する演算装入方法(装入物分布モデル121に入力される装入方法)を決定する(S203)。演算装入方法決定部33は、対応関係テーブル123を使用して、装入物分布の演算値と装入物分布の実測値とが一致するときの装入方法の対応関係を抽出する。演算装入方法決定部33は、対応関係テーブル123を使用して抽出した装入方法の対応関係から、実測装入方法に対応する演算装入方法を決定する。
次いで、装入物分布演算部34は、S203の処理で決定された装入方法を入力として、装入物分布モデル121を使用して装入物分布を演算する(S204)。演算された装入物分布は、例えば鉱石層厚比分布を含む。装入物分布演算部34は、演算した装入物分布を記憶部12に記憶する。
次いで、指標値演算部35は、S204の処理で取得された装入物分布を入力として、炉内推定モデル122を使用して指標値であるシャフトゾンデηCO分布情報を演算する(S205)。指標値演算部35は、演算したシャフトゾンデηCO分布情報を記憶部12に記憶する。
次いで、指標値判定部36は、指標値演算部35によって演算された指標値が目標指標値取得部31によって取得された目標指標値に一致しているか否かを判定する(S206)。指標値判定部36は、指標値判定部25と同様に、演算された指標値が目標指標値から所定の範囲内にあるときに、演算された指標値が目標指標値に一致していると判定する。
指標値判定部36によって演算された指標値が目標指標値に一致していると判定される(S206−YES)まで、S202〜S206の処理が繰り返される。すなわち、S202において異なる実測装入方法を取得し、当該異なる実測装入方法についてS203〜S206の処理を繰り返す。
演算された指標値が目標指標値に一致していると判定される(S206−YES)と、
装入方法決定部37は、S202の処理で取得された実測装入方法を決定する(S207)。
そして、装入方法出力部38は、S207の処理で決定された実測装入方法を示す実測装入方法信号を、出力部14を介して、例えば作業者に対して出力する(S208)。または、装入方法出力部38は、S207の処理で決定された実測装入方法を示す実測装入方法信号を、通信部11を介して装入装置101に出力してもよい(S208)。このとき、装入装置101は、実測装入方法信号に対応する実測装入方法に応じて、原料を装入することができる。
(第2実施形態に係る装入方法決定装置の作用効果)
装入方法決定装置2は、対応関係テーブル123を使用して決定された演算装入方法を入力として装入物分布を演算することで、装入物分布試験では実測できない装入物分布情報を含めて指標値を演算することができる。例えば、装入方法決定装置2は、対応関係テーブル123を使用して決定された演算装入方法を入力として装入物分布を演算することで、装入物分布試験では実測できない高炉の径方向の空隙率分布を含めた装入物分布情報の演算が可能である。このように演算された装入物分布情報によれば、炉内推定モデル122のインプット情報が充実し、指標値をより適切に演算することが可能になる。
(実施形態に係る装入方法決定装置の変形例)
装入方法決定装置1及び2は、ベルレス式装入装置により原料が装入される高炉100の装入方法を決定するが、他の実施形態に係る装入方法決定装置は、ベル式装入装置により原料が装入される高炉の装入方法を決定してもよい。他の実施形態に係る装入方法決定装置では、ベル式装入装置により原料が装入される高炉の装入方法を決定するとき、装入方法は、ムーバブルアーマーのアーマーノッチを含んでもよく、その他、大ベルストローク、大ベル開速度、ストックレベル、ノッチ角度などを含んでもよい。
また、装入方法決定装置1及び2は、記憶部12に予め対応関係テーブル123を備えている。しかしながら、他の実施形態に係る装入方法決定装置では、通信部11によって、装入物分布試験装置の制御装置等と通信を行い、装入物分布モデル121による装入物分布の演算値と装入物分布試験装置による装入物分布の実測値とが一致するときに、それぞれ使用される装入方法を取得してもよい。例えば、S106において演算装入方法が決定してから、演算装入方法に類似する複数の装入方法について装入物分布試験を行い、その実測値が装入物分布モデル121による装入物分布の演算値と一致するときの装入方法を探索し、実測装入方法を決定しても良い。演算装入方法に類似する装入方法は、演算装入方法の一部を規則的にまたはランダムに変更して発生させることができる。
また、装入方法決定装置1及び2では、指標値判定部25及び指標値判定部36は、演算されたηCOのそれぞれが、目標指標値の対応するηCOのそれぞれの±1%の範囲に含まれるときに、演算された指標値が目標指標値に一致したと判定する。しかしながら、他の実施形態に係る装入方法決定装置では、演算された指標値が目標指標値に一致するか否かは、他の判定方法によって判定されてもよい。
他の実施形態に係る装入方法決定装置では、演算された指標値が目標指標値に一致するか否かは、例えばコークス比が低位で安定しているとき等の高炉の操業状態が安定しているときに検出された指標値の標準偏差σに基づいて判定されてもよい。
例えば、目標指標値は、高炉の操業状態が安定している期間1週間に亘って1日3回ずつ検出された合計21個のηCOの平均値μであってもよく、指標値判定部25は、当該21個のηCOの標準偏差σを用いて、演算された指標値が目標指標値に一致したか否かを判定してもよい。すなわち、指標値判定部25及び指標値判定部36は、演算された指標値が、平均値μから±σ(または±2σ、±3σ)の範囲内にあるときに、演算された指標値が目標指標値に一致していると判定することができる。目標指標値に含まれるηCOの平均値μ及び標準偏差σのそれぞれは、高炉の半径方向の複数位置について設定され、検出したシャフトゾンデ及び高炉の半径方向の位置に関連付けられて記憶される。
指標値判定部25及び指標値判定部36は、演算された指標値に含まれるηCOの全てが、対応する目標指標値に含まれるηCOの平均値μから標準偏差σ(または2σ、3σ)の範囲に含まれるときに、演算された指標値が目標指標値に一致すると判定することができる。
表1は、目標とするηCO分布及び目標とするηCOの標準偏差σの分布方向の変移の一例を示す。表1では、炉容積が5000m3程度のベルレス式高炉において、シャフトゾンデの1つにより半径方向に沿って11点で検出されたガス成分から算出されるべきηCOが、目標指標値として示される。表1において、項目1は高炉の中心を示し、項目11は高炉の壁面近傍を示す。
Figure 2020172689
ηCOの目標値は、コークス比が低位で安定しているときに1週間に亘って1日3回ずつ検出された合計21個のηCOの平均値である。また、ηCOの許容誤差は、目標とするηCOの算出に使用された21個のηCOの標準偏差σである(以下、単に標準偏差σと称する)。
表2は、装入方法決定処理を実行する前のノッチパターンを示す。表2において、項目「ノッチ」は旋回シュートのノッチ数を示し、項目「C」はコークスを装入するときの旋回数を示し、項目「O」は鉱石を装入するときの旋回数を示す。1ノッチにおいて旋回シュートは炉壁を向き、18ノッチにおいて旋回シュートは炉中心を向く。
Figure 2020172689
装入方法決定処理を実行する前では、コークスを装入するときの旋回シュートの旋回は、2ノッチから8ノッチまでの7つのノッチに亘って2回である。一方、鉱石を装入するときの旋回シュートの旋回は、1ノッチでは1回であり、2ノッチから7ノッチまでの6つのノッチでは2回である。
表3は、装入方法決定処理を実行した後のノッチパターンを示す。表3において、表2と同様に、項目「ノッチ」は旋回シュートのノッチ数を示し、項目「C」はコークスを装入するときの旋回数を示し、項目「O」は鉱石を装入するときの旋回数を示す。
Figure 2020172689
装入方法決定処理は、コークスについて9ノッチ(1〜9ノッチ)、及び鉱石について8ノッチ(1〜8ノッチ)、旋回シュートの旋回数を1回から3回まで変化させて、指標値を演算した。すなわち、装入方法決定処理は、コークス及び鉱石のそれぞれを装入するときの旋回シュートの旋回数を変化させて、最大129,140,163(19,683(=39)×6,561(=38))回に亘って実行されるように設定した。なお、装入方法決定処理において演算の対象とするノッチの設定方法は上記に限定されない。上記の通り、装入方法決定処理を実行する前の旋回数が1回以上であるノッチと、その隣接するノッチについて演算を行うことが好ましく、すべてのノッチについて演算を行うことがより好ましい。
装入方法決定処理を実行した後では、コークスを装入するときの旋回シュートの旋回は、2ノッチから4ノッチ及び6ノッチから8ノッチまでの6つのノッチでは、装入方法決定処理を実行する前と同様に2回である。しかしながら、コークスを装入するときの旋回シュートの旋回は、2ノッチでは2回から3回に増加している。
一方、鉱石を装入するときの旋回シュートの旋回は、2ノッチ、3ノッチ及び5から7ノッチまでの5つのノッチでは、装入方法決定処理を実行する前と同様に2回である。しかしながら、鉱石を装入するときの旋回シュートの旋回は、1ノッチでは1回から2回に増加すると共に、4ノッチでは2回から1回に減少している。さらに、装入方法決定処理を実行する前は0回であった8ノッチでは、1回に増加している。
図8は、目標とするηCO分布と、装入方法決定処理を実行する前後のηCO分布との間の一致度を示す図である。図8において、横軸は高炉の中心からの相対的な距離を示し、縦軸はηCOを示す。また、三角印は表1に示すηCO分布(目標指標値)を示し、ひし形印は表2に示す装入方法を採用する実炉について測定される(すなわち、装入方法決定処理を実行する前の)ηCO分布を示し、丸印は表3に示す装入方法について演算される(すなわち、装入方法決定処理を実行した後の)ηCO分布を示す。
装入方法決定処理を実行した後のηCO分布は、装入方法決定処理を実行する前のηCO分布と比較して、高炉の中心から壁面の近傍に至るまで何れの位置でも、目標とするηCO方法により一致した値になっている。
図9は、装入方法決定処理を実行する前後の、炉半径方向各位置でのηCOと目標とするηCOとの差と、標準偏差σ(すなわち許容誤差)との比較を示す図である。図9において、横軸は高炉の中心からの相対的な距離を示し、縦軸は装入方法決定処理を実行する前後の、炉半径方向各位置でのηCOと目標とするηCOとの差の絶対値から標準偏差σを減算した値を示す。また、ひし形印は、装入方法決定処理を実行する前のηCOと目標とするηCOとの差の絶対値から標準偏差σを減算した値(以下、処理実行前差分と称する)を示す。丸印は、装入方法決定処理を実行した後のηCOと目標とするηCOとの差の絶対値から標準偏差σを減算した値(以下、処理実行後差分と称する)を示す。
装入方法決定処理を実行する前のηCOは、1点を除き、目標とするηCOとの間の差が標準偏差σ(すなわち許容誤差)よりも大きくなっているので、処理実行前差分は、1点を除き正数になる。
一方、装入方法決定処理を実行した後のηCOは、全ての点で、目標とするηCOとの間の差が標準偏差σ(すなわち許容誤差)よりも小さくなっているので、処理実行後差分は、全ての点で負数になる。
図10は図4(a)に示す単位テーブル401を使用して、高炉への原料を装入する装入方法を変更したときのコークス比の推移を示す図である。図10において、横軸は高炉を操業した日にちを示し、縦軸は1日目のコークス比を0としたときのコークス比を示す。なお、コークス比とは、溶銑1トンを生産するのに必要なコークスの質量、すなわちコークス原単位(kg/t)であり、コークス比が低位であることは、高炉の操業状態が安定していることを示す。
図10において、7日目に、本発明に係る装入方法決定方法により装入方法が決定された。7日目に装入方法を変更したことにより、8日目のコークス比は、1日目のコークス比よりも20kg/t程度減少した。9日目以降では、コークス比は、1日目のコークス比よりも40kg/t程度低い状態を維持した。
図10に示すように、本発明に基づいて装入方法を決定することにより、高炉の操業状態を改善することが可能となることが示された。また、装入方法の変更による操業状態の変動期間は2日間程度と、比較的短かかった。
1 装入方法決定装置
21 目標指標値取得部
22 演算装入方法取得部
23 装入物分布演算部
24 指標値演算部
25 指標値判定部
26 目標装入物分布決定部
27 装入方法決定部
28 装入方法出力部
100 高炉
101 装入装置
102 片持ちゾンデ
103 シャフトゾンデ
104 ガスアナライザ

Claims (10)

  1. 高炉の操業状態を示す指標値の目標値である目標指標値を取得し、
    装入物分布モデルに入力する装入方法を取得し、
    前記装入方法に基づいて装入物分布を演算し、
    前記装入物分布に基づいて前記指標値を演算し、
    前記指標値が前記目標指標値に一致しているか否かを判定し、
    前記指標値が前記目標指標値に一致していると判定されたときの前記装入方法を演算装入方法に決定し、
    前記装入物分布の演算値と装入物分布試験における装入物分布の実測値とが一致するときの演算及び測定のそれぞれに使用される前記装入方法の対応関係に基づいて、測定に使用される前記装入方法のうち前記演算装入方法に対応する装入方法を、実測装入方法に決定し、
    前記実測装入方法を示す実測装入方法信号を出力する、
    ことを含む、ことを特徴とする装入方法決定方法。
  2. 前記高炉は、旋回シュートにより原料を装入するベルレス式装入装置を有し、
    前記装入方法は、前記旋回シュートのノッチ角度及び旋回数の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の装入方法決定方法。
  3. 前記高炉は、シャフト部に設置されたシャフトゾンデを有し、
    前記指標値は、前記シャフトゾンデによって検出されたガス成分により算出された成分比を示す指標値を含む、請求項1又は2に記載の装入方法決定方法。
  4. 前記指標値は、前記高炉の半径方向のηCO分布である、請求項3に記載の装入方法決定方法。
  5. 前記目標指標値は、前記ηCO分布に含まれる半径方向の各位置におけるηCOの所定期間内の平均値であり、
    前記指標値が前記目標指標値に一致しているか否かを判定することは、前記ηCO分布に含まれる半径方向の各位置におけるηCOの所定期間内の標準偏差に基づいて、前記指標値が前記目標指標値に一致しているか否かを判定することを含む、請求項4に記載の装入方法決定方法。
  6. 高炉の操業状態を示す指標値の目標値である目標指標値を取得する目標指標値取得部と、
    装入物分布モデルに入力する装入方法を取得する装入方法取得部と、
    前記装入方法に基づいて装入物分布を演算する装入物分布演算部と、
    前記装入物分布に基づいて前記指標値を演算する指標値演算部と、
    前記指標値が前記目標指標値に一致しているか否かを判定する指標値判定部と、
    前記指標値判定部によって前記指標値が前記目標指標値に一致していると判定されたときの前記装入方法を演算装入方法に決定する目標装入物分布決定部と、
    前記装入物分布の演算値と装入物分布試験における装入物分布の実測値とが一致するときの演算及び測定のそれぞれに使用される前記装入方法の対応関係に基づいて、測定に使用される前記装入方法のうち前記演算装入方法に対応する装入方法を、実測装入方法に決定する装入方法決定部と、
    前記実測装入方法を示す実測装入方法信号を出力する装入方法出力部と、
    を有する、ことを特徴とする装入方法決定装置。
  7. 高炉の操業状態を示す指標値の目標値である目標指標値を取得し、
    装入物分布モデルに入力する装入方法を取得し、
    前記装入方法に基づいて装入物分布を演算し、
    前記装入物分布に基づいて前記指標値を演算し、
    前記指標値が前記目標指標値に一致しているか否かを判定し、
    前記指標値が前記目標指標値に一致していると判定されたときの前記装入方法を演算装入方法に決定し、
    前記装入物分布の演算値と装入物分布試験における装入物分布の実測値とが一致するときの演算及び測定のそれぞれに使用される前記装入方法の対応関係に基づいて、測定に使用される前記装入方法のうち前記演算装入方法に対応する装入方法を、実測装入方法に決定し、
    前記実測装入方法を示す実測装入方法信号を出力する、
    処理をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする装入方法決定プログラム。
  8. 高炉の操業状態を示す指標値の目標値である目標指標値を取得し、
    装入物分布試験における実測装入方法を取得し、
    装入物分布を演算する装入物分布モデルに入力する装入方法のうち、装入物分布の演算値と前記装入物分布試験における装入物分布の実測値とが一致するときの演算及び測定のそれぞれに使用される前記装入方法の対応関係に基づいて、前記実測装入方法に対応する装入方法を、演算装入方法に決定し、
    前記演算装入方法に基づいて装入物分布を演算し、
    前記装入物分布に基づいて前記指標値を演算し、
    前記指標値が前記目標指標値に一致しているか否かを判定し、
    前記指標値が前記目標指標値に一致していると判定されたときの実測装入方法を決定し、
    前記実測装入方法を示す実測装入方法信号を出力する、
    ことを含む、ことを特徴とする装入方法決定方法。
  9. 高炉の操業状態を示す指標値の目標値である目標指標値を取得する目標指標値取得部と、
    装入物分布試験における実測装入方法を取得する装入方法取得部と、
    装入物分布を演算する装入物分布モデルに入力する装入方法のうち、装入物分布の演算値と前記装入物分布試験における装入物分布の実測値とが一致するときの演算及び測定のそれぞれに使用される前記装入方法の対応関係に基づいて、前記実測装入方法に対応する装入方法を、演算装入方法に決定する演算装入方法決定部と、
    前記演算装入方法に基づいて装入物分布を演算する装入物分布演算部と、
    前記装入物分布に基づいて前記指標値を演算する指標値演算部と、
    前記指標値が前記目標指標値に一致しているか否かを判定する指標値判定部と、
    前記指標値が前記目標指標値に一致していると判定されたときの実測装入方法を決定する装入方法決定部と、
    前記実測装入方法を示す実測装入方法信号を出力する装入方法出力部と、
    を有することを特徴とする装入方法決定装置。
  10. 高炉の操業状態を示す指標値の目標値である目標指標値を取得し、
    装入物分布試験における実測装入方法を取得し、
    装入物分布を演算する装入物分布モデルに入力する装入方法のうち、装入物分布の演算値と前記装入物分布試験における装入物分布の実測値とが一致するときの演算及び測定のそれぞれに使用される前記装入方法の対応関係に基づいて、前記実測装入方法に対応する装入方法を、演算装入方法に決定し、
    前記演算装入方法に基づいて装入物分布を演算し、
    前記装入物分布に基づいて前記指標値を演算し、
    前記指標値が前記目標指標値に一致しているか否かを判定し、
    前記指標値が前記目標指標値に一致していると判定されたときの実測装入方法を決定し、
    前記実測装入方法を示す実測装入方法信号を出力する、
    処理をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする装入方法決定プログラム。
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