以下、好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して第1実施形態における鉄道車両10について説明する。図1は鉄道車両10のレール方向に垂直な断面図である。図2は図1のII−II線における鉄道車両10の断面図であり、1枚の外側パネル30が拡大して示されている。なお、図1では、左右略対称に形成される鉄道車両10の左側を省略し、鉄道車両10の下部を省略し、屋根構体12と天井板14との間に設置される各部材の図示を省略している。また、説明の便宜上、各図面における矢印U方向を鉄道車両10の上方向とし、同様に、矢印D方向を下方向、矢印L方向を左方向、矢印R方向を右方向、矢印F方向を前方向、矢印B方向を後方向とする。
図1に示すように、鉄道車両10は、台枠(図示せず)と、台枠の枕木方向(左右方向)の両側に立設される側構体11と、側構体11の上部に設置される屋根構体12と、台枠のレール方向(前後方向)の両側に立設される妻構体13と、を備えている。屋根構体12は、図示しない支持部材によって客室の天井板14を吊り下げ支持する。鉄道車両10は、左右略対称に形成されているので、特に指示がない限り鉄道車両10の右側を説明し、左側の説明を省略する。
天井板14は、客室の天井の大部分を形成する部位である。天井板14には、上方(屋根構体12側)へ凹んだ溝部14aがレール方向に連続して形成されている。溝部14aは、天井板14の左右両側にそれぞれ設けられている。
この溝部14aの溝底には、レール方向に間隔をあけて複数の吊手棒受け(突出部)15が取り付けられている。さらに、その複数の吊手棒受け15の間に複数の照明器具22が配置され、その照明器具22が支持部材20を介して溝部14aの溝底に取り付けられている。
吊手棒受け15は、前後両面がレール方向に略垂直な板状の金属部材であり、幅が上端から下端へ向かうにつれて小さくなる。吊手棒受け15は、上端からレール方向に張り出すフランジ15aが溝部14aの溝底にボルト15bによって取り付けられている。吊手棒受け15は、フランジ15aから吊手棒受け15の下端へ向かうにつれて枕木方向の車両中央側(第1側)に湾曲(傾斜)する。
レール方向に並んだ複数の吊手棒受け15の下端には、レール方向に長い吊手棒16が支持されている。左右対称に配置された吊手棒16には、枕木方向に長い複数の吊手棒17がレール方向に間隔をあけて架け渡される。この吊手棒16,17には、立っている乗客が掴む吊手18,19がそれぞれ吊り下げられる。
照明器具22は、客室内部を照らす照明本体23と、その照明本体23を覆う半透明の半円筒状のカバー24と、を備えている。照明本体23は、ボルト25により支持部材20に取り付けられる。そして、この支持部材20がボルト21により溝部14aの溝底に取り付けられることで、枕木方向の車両中央側へ若干傾いた状態で照明器具22が天井板14に固定される。なお、この照明器具22の直下に吊手棒16が位置して客室が暗くならないように、吊手棒受け15を湾曲させて吊手棒16と照明器具22とを枕木方向に離している。
図1及び図2に示すように、複数の吊手棒受け15の間には、天井の一部を形成する複数の天井パネルとしての外側パネル(第2パネル)30及び内側パネル(第1パネル)35が交互にレール方向に並んでいる。外側パネル30及び内側パネル35は、照明本体23の天井板14側に重ねられ、ボルト25によって照明本体23と共に支持部材20に取り付けられる。
支持部材20を介して天井板14に固定された外側パネル30及び内側パネル35によって溝部14aが覆われ、客室内の乗客から吊手棒受け15のフランジ15aやボルト15b、支持部材20、ボルト21を見難くできるので、客室内からの見た目を良くできる。また、外側パネル30及び内側パネル35を天井板14に固定するためのボルト25がカバー24に覆われるので、客室内からの見た目をより良くできる。
外側パネル30は、パネル本体31と、パネル本体31の前方側の端縁31aから前方に張り出す外前張出部(第1張出部)33と、パネル本体31の後方側の端縁31bから後方に張り出す外後張出部(第2張出部)34と、を備えている。内側パネル35は、パネル本体36と、パネル本体36の前方側の端縁36aから前方に張り出す内前張出部(第1張出部)38と、パネル本体36の後方側の端縁36bから後方に張り出す内後張出部(第2張出部)39と、を備えている。
パネル本体31の端縁31aとパネル本体36の端縁36bとの間、パネル本体31の端縁31bとパネル本体36の端縁36aとの間からそれぞれ吊手棒受け15が下方へ突出し、端縁31a,31b,36a,36bが吊手棒受け15とレール方向に対向している。端縁31a,31b,36a,36bは、枕木方向に直線状に形成され、吊手棒受け15よりも枕木方向両側へ張り出している。端縁31a,31b,36a,36bと吊手棒受け15とのレール方向の隙間は、それぞれ枕木方向の全長に亘って略同一であり、吊手棒受け15の厚さ(レール方向寸法)よりも小さい。これにより、端縁31a,31b,36a,36bと吊手棒受け15との隙間を通して溝部14a側を客室から見難くできる。
外前張出部33及び外後張出部34は、パネル本体31と一体成形されている。外前張出部33は、端縁31aのうち枕木方向の車両外側(右側、第2側)のみから張り出して、吊手棒受け15に対して枕木方向の車両外側に位置する。外後張出部34は、端縁31bのうち枕木方向の車両外側のみから張り出して、吊手棒受け15に対して枕木方向の車両外側に位置する。
内前張出部38及び内後張出部39は、パネル本体36と一体成形されている。内前張出部38は、端縁36aのうち枕木方向の車両中央側(左側、第1側)のみから張り出して、吊手棒受け15に対して枕木方向の車両中央側に位置する。内後張出部39は、端縁36bのうち枕木方向の車両中央側のみから張り出して、吊手棒受け15に対して枕木方向の車両中央側に位置する。
このような外側パネル30や内側パネル35は金属製であり、すぐ近くに吊手棒受け15があるため、外側パネル30や内側パネル35の着脱時に、端縁31a,31b,36a,36bや各張出部33,34,38,39の角などが吊手棒受け15に当たると、吊手棒受け15が傷つくことがある。そこで、外側パネル30や内側パネル35を吊手棒受け15に当たらないように、外側パネル30や内側パネル35を着脱することが望まれている。
複数の張出部33,34,38,39は、それぞれ端縁31a,31b,36a,36bのうち枕木方向の片側のみから張り出しているので、外側パネル30や内側パネル35の着脱時に、片側の張出部33,34,38,39が吊手棒受け15に干渉しないように気を付けながら、張出部33,34,38,39を吊手棒受け15から離したり近づけたりして外側パネル30や内側パネル35を動かすことができる。これにより、レール方向の両端縁においてそれぞれ枕木方向の両側から張出部が張り出す従来の天井パネルと比べて、外側パネル30や内側パネル35の着脱時に張出部33,34,38,39を吊手棒受け15に干渉し難くできる。
特に、1枚の外側パネル30にそれぞれ設けられる外前張出部33及び外後張出部34がいずれも枕木方向の車両外側に位置し、1枚の内側パネル35にそれぞれ設けられる内前張出部38及び内後張出部39がいずれも枕木方向の車両中央側に位置している。そのため、外側パネル30や内側パネル35をレール方向に傾けなくても、外側パネル30や内側パネル35を枕木方向や下方へスライドして外側パネル30や内側パネル35を着脱できる。その結果、外側パネル30や内側パネル35の着脱時に張出部33,34,38,39を吊手棒受け15に更に干渉し難くできる。
なお、吊手棒受け15は、端縁31a,31b,36a,36b間から下方へ向かうにつれて枕木方向の車両中央側へ湾曲(傾斜)している。そのため、内側パネル35を下方へスライドすると、内側パネル35の内前張出部38及び内後張出部39が吊手棒受け15に干渉し易くなる。そのため、内側パネル35の着脱時には、内側パネル35を枕木方向へスライドし、内側パネル35を吊手棒受け15から十分に離してから、内側パネル35をレール方向に傾けたり下方へスライドさせたりすることが好ましい。
一方、吊手棒受け15が湾曲する方向とは反対側に、外側パネル30の外前張出部33及び外後張出部34が位置するので、外側パネル30を下方へスライドするとき、外前張出部33及び外後張出部34を吊手棒受け15に干渉し難くできる。即ち、内側パネル35よりも外側パネル30を着脱し易くできる。
外側パネル30と内側パネル35とをレール方向に隣り合わせた状態において、外前張出部33と内後張出部39とは、枕木方向に吊手棒受け15を挟んで対向する。同様に、外後張出部34と内前張出部38とは、枕木方向に吊手棒受け15を挟んで対向する。これにより、レール方向の両端縁においてそれぞれ枕木方向の両側から張出部が張り出す従来の天井パネルと同様に、吊手棒受け15の略全周を外側パネル30と内側パネル35とで囲みながら、外側パネル30や内側パネル35の着脱時に張出部33,34,38,39を吊手棒受け15に干渉し難くできる。
張出部33,34,38,39と吊手棒受け15との枕木方向の隙間は、吊手棒受け15の厚さより小さい。これにより、張出部33,34,38,39と吊手棒受け15との隙間を通して溝部14a側を客室から見難くできる。また、張出部33,34,38,39と端縁31a,31b,36a,36bとのレール方向の隙間は、吊手棒受け15の厚さより小さい。これにより、張出部33,34,38,39と端縁31a,31b,36a,36bとの隙間を通して溝部14a側を客室から見難くできる。
外前張出部33と端縁36bとの隙間、及び、吊手棒受け15と端縁36bとの隙間は、枕木方向の全長に亘ってレール方向寸法が略同一である。これにより、吊手棒受け15のうち端縁36bと対向する面と同一平面上に、外前張出部33のレール方向の先端縁が位置するので、端縁36b周辺の見栄えを良くできる。同様に、吊手棒受け15のうち端縁31a,31b,36aと対向する面と同一平面上に、張出部34,38,39の先端縁が位置するので、端縁31a,31b,36a周辺の見栄えを良くできる。
次に図3を参照して客室のレール方向の両端間における天井の全体構成について説明する。図3は、複数の外側パネル30及び内側パネル35を並べた鉄道車両の天井の模式図である。なお、図3の説明では、複数の外側パネル30や内側パネル35を天井の後端から順に、外側パネル30a,30b,30c、内側パネル35a,35b,35cとして説明する。
図3に示すように、1両の鉄道車両10のレール方向の両端にはそれぞれ妻構体13があり、この妻構体13が客室の天井のレール方向の両端である。以下、特に指定がない限り、天井のレール方向の両端間(1両の鉄道車両10)について説明する。
左右両側にそれぞれ1列ずつ5つの吊手棒受け15がレール方向に並んでいる。レール方向に隣り合う吊手棒受け15同士の間隔には、最も長い間隔L1と、間隔L1よりも短い間隔L2と、間隔L2よりも短い間隔L3とがある。吊手棒受け15同士の間隔は、天井のレール方向の後端から順に間隔L1、間隔L3、間隔L3、間隔L2となっている。
天井のレール方向の前端からレール方向に間隔L4だけ離れた位置に、その前端に最も近い吊手棒受け15がある。また、天井のレール方向の後端から、その後端に最も近い吊手棒受け15までのレール方向の間隔L5は、間隔L4よりも短い。
これらの間隔L1,L2,L3,L4,L5に応じた長さのパネル本体31,36(図2参照)を有する外側パネル30及び内側パネル35が交互にレール方向に並んで配置される。詳しくは、天井のレール方向の後端から順に、間隔L5の位置に内側パネル35aが、間隔L1の位置に外側パネル30aが、間隔L3の位置に内側パネル35bが、間隔L3の位置に外側パネル30bが、間隔L2の位置に内側パネル35cが、間隔L4の位置に外側パネル30cがそれぞれ配置される。
天井のレール方向の後端に沿った内側パネル35aの端縁36b(図2参照)からは内後張出部39が張り出していない。また、天井のレール方向の前端に沿った外側パネル30cの端縁31a(図2参照)からは外前張出部33が張り出していない。これにより、両方の端縁31a,31b,36a,36bからそれぞれ張出部33,34,38,39が張り出している外側パネル30a,30bや内側パネル35b,35cと比べて、内側パネル35aや外側パネル30cを着脱し易くできる。
外側パネル30a,30b,30cや内側パネル35a,35b,35cは、自身が配置される部分の間隔L1,L2,L3,L4,L5が長い程長くなる。そして外側パネル30a,30b,30cや内側パネル35a,35b,35cが長い程、着脱時に外側パネル30a,30b,30cや内側パネル35a,35b,35cを取り扱い難くなって着脱し難くなる。特に、2つの張出部33,34,38,39を有する外側パネル30a,30bや内側パネル35b,35cが長い程、その張出部33,34,38,39の両方を確認しながらの着脱作業が難しくなる。
上述した通り、吊手棒受け15の湾曲方向に対する張出部33,34,38,39の位置関係によって内側パネル35a,35b,35cよりも外側パネル30a,30b,30cを着脱し易い。そのため、レール方向に隣り合う吊手棒受け15同士の間隔が最大である間隔L1の部分(最大部)に外側パネル30aを配置することで、最大の間隔L1におけるパネル本体31が長くなっても外側パネル30aの着脱作業を容易にできる。
一方、比較的着脱し難い内側パネル35b,35cを、間隔L1よりも短い間隔L2,L3の部分に配置できるので、内側パネル35b,35cの着脱作業を容易にできる。これらの結果、レール方向に隣り合う吊手棒受け15の間に配置される複数の外側パネル30a,30bや内側パネル35b,35cの着脱作業を容易にできる。
さらに、レール方向に隣り合う吊手棒受け15同士の間隔L1,L2,L3に関して、レール方向の後端から奇数番目における間隔L1及び間隔L3の合計と、レール方向の後端から偶数番目における間隔L3及び間隔L2の合計とを比較すると、奇数番目の合計の方が大きい。この合計が大きい方に配置される複数の外側パネル30又は内側パネル35の長さの合計が大きくなって、長さの合計が大きい複数の外側パネル30又は内側パネル35を着脱し難くなる。そこで、合計が小さい方(偶数番目)に比較的着脱し難い内側パネル35b,35cを配置し、合計が大きい方(奇数番目)に比較的着脱し易い外側パネル30a,30bを配置することで、複数の内側パネル35b,35c及び外側パネル30a,30bの着脱作業を容易にできる。
また、天井のレール方向の後端から吊手棒受け15までの間隔L5よりも、天井のレール方向の前端から吊手棒受け15までの間隔L4が大きい。そして、比較的着脱し易い外側パネル30cが間隔L4の部分に配置され、比較的着脱し難い内側パネル35aが間隔L5の部分に配置されている。これにより、天井のレール方向の両端にそれぞれ配置される外側パネル30cや内側パネル35aの着脱作業を容易にできる。
次に図4を参照して第2実施形態について説明する。第1実施形態では、外側パネル30と内側パネル35とが交互に配置される場合について説明した。これに対して第2実施形態では、同様の天井パネル40がレール方向に並ぶ場合について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図4は第2実施形態における鉄道車両の断面図であり、1枚の天井パネル40が拡大して示されている。図4に示すように、第2実施形態における鉄道車両の天井パネル40は、天井の一部を形成するものである。天井パネル40は、パネル本体41と、パネル本体41の前方側の端縁41aから前方に張り出す内張出部(第1張出部)43と、パネル本体41の後方側の端縁41bから後方に張り出す外張出部(第2張出部)44と、を備えている。
レール方向に隣り合うパネル本体41の端縁41a,41b間から吊手棒受け15が下方へ突出し、端縁41a,41bが吊手棒受け15とレール方向に対向している。端縁41a,41bは、枕木方向に直線状に形成され、吊手棒受け15よりも枕木方向両側へ張り出している。
内張出部43及び外張出部44は、パネル本体41と一体成形されている。内張出部43は、端縁41aのうち枕木方向の車両中央側(左側)のみから張り出して、吊手棒受け15の車両中央側に位置する。外張出部44は、端縁41bのうち枕木方向の車両外側(右側)のみから張り出して、吊手棒受け15の車両外側に位置する。これらのように、内張出部43及び外張出部44がそれぞれ端縁41a,41bのうち枕木方向の片側のみから張り出しているので、第1実施形態と同様に、天井パネル40の着脱時に内張出部43及び外張出部44を吊手棒受け15に干渉し難くできる。
レール方向に対向する端縁41a,41bからそれぞれ互いに向かって張り出す内張出部43と外張出部44とは、枕木方向に吊手棒受け15を挟んで対向する。これにより、吊手棒受け15の略全周を2枚の天井パネル40で囲むことができる。
1枚の天井パネル40の車両中央側に内張出部43が設けられ、車両外側に外張出部44が設けられているので、パネル本体41の長さは異なるが、同様の形状の天井パネル40をレール方向に並べることができる。これにより、天井パネル40の部品点数を省略できると共に、天井パネル40の取り付け位置を間違え難くできる。
吊手棒受け15が端縁41a,41b間から下方へ向かうにつれて枕木方向の車両中央側へ湾曲(傾斜)しているので、天井パネル40を取り外すときに、天井板14に固定された状態から外張出部44を下方へ移動させても、外張出部44を吊手棒受け15に干渉し難くできる。そこで、天井パネル40を取り外すときには、まず、内張出部43側を支点にして外張出部44を下方へ移動させることで天井パネル40をレール方向に傾ける。そして、天井パネル40をある程度傾けた状態で、天井パネル40をレール方向にスライドしたり回転させたりして、内張出部43が吊手棒受け15に干渉しないようにする。天井パネル40を取り付けるときには、この逆の作業をする。このように、1枚の天井パネル40の枕木方向の異なる側にそれぞれ内張出部43及び外張出部44があっても、天井パネル40を容易に着脱できる。
次に図5を参照して第3実施形態について説明する。第1,2実施形態では、パネル本体31,36,41の端縁31a,31b,36a,36b,41a,41bのうち枕木方向の片側のみから各張出部33,34,38,39,43,44が張り出す場合について説明した。これに対して第3実施形態では、パネル本体51のレール方向片側の端縁51bのみから内張出部53及び外張出部54が張り出す場合について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図5は第3実施形態における鉄道車両の断面図であり、1枚の天井パネル50が拡大して示されている。図5に示すように、第3実施形態における鉄道車両の天井パネル50は、天井の一部を形成するものである。天井パネル50は、パネル本体51と、パネル本体51の後方側の端縁51bからそれぞれ後方に張り出す内張出部53及び外張出部54(一対の張出部)と、を備えている。一方、パネル本体51の前方側の端縁51aからは、内張出部53や外張出部54が張り出していない。
レール方向に隣り合うパネル本体51の端縁51a,51b間から吊手棒受け15が下方へ突出し、端縁51a,51bが吊手棒受け15とレール方向に対向している。端縁51a,51bは、枕木方向に直線状に形成され、吊手棒受け15よりも枕木方向両側へ張り出している。レール方向に隣り合う吊手棒受け15間の距離と、その間に配置される1枚のパネル本体51の端縁51a,51b間の長さとが略同一である。より詳細には、吊手棒受け15間の距離よりもパネル本体51の長さが若干短い。
内張出部53及び外張出部54は、パネル本体51と一体成形されている。内張出部53は、端縁51bのうち枕木方向の車両中央側(左側)から張り出して、吊手棒受け15の車両中央側に位置する。外張出部54は、端縁51bのうち枕木方向の車両外側(右側)から張り出して、吊手棒受け15の車両外側に位置する。吊手棒受け15の枕木方向の両側にそれぞれ位置する内張出部53及び外張出部54と、レール方向に隣り合うパネル本体51の端縁51a,51bとによって吊手棒受け15の略全周が囲まれる。
1枚の天井パネル50を天井板14(図1参照)から取り外すには、まずボルト25を外して天井板14に対する天井パネル50の固定を解除する。次いで、内張出部53及び外張出部54がある端縁51bを支点にしながら、端縁51aを下方に移動させて天井パネル50を傾ける。端縁51aには内張出部53及び外張出部54がないので、端縁51aを下方に移動させるときに端縁51a近傍が吊手棒受け15に当たらない。
吊手棒受け15は下端へ向かうにつれて枕木方向の車両中央側に湾曲しており、吊手棒受け15の下端同士を繋ぐ吊手棒16が天井パネル50の下方にない(図1参照)。そのため、吊手棒受け15の下端よりも下方まで端縁51aを移動させて天井パネル50を大きく傾けることができる。この状態では、端縁51aまわりに吊手棒受け15がないので、天井パネル50をスライドや回転させても端縁51aが吊手棒受け15に当たらない。
よって、天井パネル50を大きく傾けた後、端縁51bが吊手棒受け15から離れるように天井パネル50をスライドや回転させ、内張出部53と外張出部54との間から吊手棒受け15を出すことで、一対の吊手棒受け15間から天井パネル50を取り出すことができる。天井パネル50を取り付けるには、この逆の工程を行う。このように本実施形態では、内張出部53と外張出部54が端縁51a,51bの両方から張り出している場合と比べて、天井パネル50の着脱時に内張出部53及び外張出部54を吊手棒受け15に干渉し難くできる。
なお、吊手棒受け15の下端同士を繋ぐ吊手棒16が天井パネル50の下方にある場合でも、端縁51aが吊手棒16に近づくように天井パネル50を大きく傾ける程、レール方向に隣り合う吊手棒受け15間における天井パネル50のレール方向のスライド量を大きくできる。天井パネル50を傾けた後、端縁51bが手棒受け15から離れるように天井パネル50をレール方向にスライドさせ、内張出部53と外張出部54との間から吊手棒受け15を出すことができれば、吊手棒受け15間から天井パネル50を枕木方向へスライドさせて取り出すことができる。
また、1枚の天井パネル50のレール方向片側の端縁51bに内張出部53及び外張出部54が設けられているので、第2実施形態と同様に、パネル本体51の長さは異なるが、同様の形状の天井パネル50をレール方向に並べることができる。これにより、天井パネル50の部品点数を省略できると共に、天井パネル50の取り付け位置を間違え難くできる。
次に図6,7を参照して第4実施形態について説明する。第1実施形態では、照明器具22の周囲の天井を形成する外側パネル30及び内側パネル35について説明した。これに対して第4実施形態では、照明器具22の周囲の天井を形成すると共に、空調風を客室側に吹き出すための吹出口72が設けられた外側パネル70及び内側パネル75について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。第4実施形態における吊手棒受けは、フランジ15aから下方へ直線状に延びている点以外は第1実施形態の吊手棒受け15と同一に構成されているので、第4実施形態における吊手棒受けに第1実施形態と同一の符号を付している。
図6は、第4実施形態における鉄道車両60のレール方向に垂直な断面図である。図7は、図6のVII−VII線における鉄道車両60の断面図であり、1枚の外側パネル70が拡大して示されている。なお、図6では、照明器具22、空調用のダクト61、車両右側の外側パネル70が配置された鉄道車両60の右上の一部を拡大して示している。また図6では、ダクト61や、ダクト61を屋根構体12に固定する固定具63,64を除き、屋根構体12と天井板14との間に設置される各部材の図示を省略している。
図6に示すように、鉄道車両60は、第1実施形態の鉄道車両1に対し、屋根構体12と天井板14との間に配置されるダクト61を更に備えている。ダクト61は、空調装置(図示せず)から送り出される空調風を、レール方向に延びる客室の各部に供給するための風道である。ダクト61は、レール方向に延びる角筒状に形成され、照明器具22よりも車両外側に配置される。
ダクト61の枕木方向の両端部が固定具63,64を介して屋根構体12に吊り下げ支持される。なお、図6では固定具63,64が模式的に図示されている。ダクト61の下面には、空調風を下方(客室側)に送り出すための開口部62が設けられる。
天井板14には、ダクト61の開口部62から下方に送り出された空調風が通る貫通孔66が形成されている。貫通孔66は、開口部62の直下に配置される。貫通孔66と開口部62とは、レール方向の寸法や枕木方向の寸法が同一である。
天井板14の上面とダクト61の下面との間には、開口部62及び貫通孔66の全周に亘って緩衝材65が挟まれている。緩衝材65は、所定の柔軟性を有する材料(スポンジやゴム、熱可塑性エラストマ等の弾性材料)によって形成される。緩衝材65は、走行時の振動による天井板14とダクト61との接触を緩和する。また、開口部62から出た空調風を緩衝材65によって貫通孔66へ導くことができ、天井板14とダクト61との間から空調風を逃げ難くできる。
図6及び図7に示すように、複数の吊手棒受け15の間には、天井の一部を形成する複数の天井パネルとしての外側パネル70及び内側パネル75が交互にレール方向に並んでいる。外側パネル70及び内側パネル75は、照明本体23の天井板14側に重ねられ、ボルト25によって照明本体23と共に支持部材20に取り付けられる。支持部材20を介して天井板14に固定された外側パネル70及び内側パネル75は、天井板14の溝部14a及び貫通孔66を覆う。
外側パネル70及び内側パネル75を天井板14から外すことで、貫通孔66及び開口部62を通してダクト61の内部のメンテナンス(点検や清掃)が行われる。即ち、外側パネル70及び内側パネル75は、ダクト61の点検蓋を兼ねている。
外側パネル70は、パネル本体71と、パネル本体71の前方側の端縁71aから前方に張り出す外前張出部(第1張出部)73と、パネル本体71の後方側の端縁71bから後方に張り出す外後張出部(第2張出部)74と、を備えている。外側パネル70の外前張出部73及び外後張出部74は、第1実施形態における外前張出部33及び外後張出部34に対し、枕木方向寸法が大きい点以外は同一に構成されている。
内側パネル75は、パネル本体76と、パネル本体76の前方側の端縁76aから前方に張り出す内前張出部38と、パネル本体76の後方側の端縁76bから後方に張り出す内後張出部39と、を備えている。パネル本体71の端縁71aとパネル本体76の端縁76bとが、吊り手棒受け15を間に挟んで互いにレール方向に対向する。パネル本体71の端縁71bとパネル本体76の端縁76aとが、吊り手棒受け15を間に挟んで互いにレール方向に対向する。
各張出部38,39,73,74はそれぞれ端縁71a,71b,76a,76bのうち枕木方向の片側のみから張り出している。そのため、第1実施形態と同様に本実施形態でも、外側パネル70や内側パネル75の着脱時に各張出部38,39,73,74を吊手棒受け15に干渉し難くできる。
パネル本体71,76は、照明器具22の周囲の天井を形成すると共に、枕木方向の車両外側に延びて貫通孔66を覆う。パネル本体71,76のうち貫通孔66を覆った部分(貫通孔66の直下)には、複数の吹出口72が板厚方向に貫通形成される。ダクト61の開口部62から下方に送り出される空調風は、天井板14の貫通孔66を通り、吹出口72から客室側に吹き出される。
複数の吹出口72は、1枚のパネル本体71,76に対し、枕木方向に2列配置されると共に、レール方向に5つ並べられる。なお、枕木方向やレール方向の吹出口72の個数を適宜変更しても良い。吹出口72の開口寸法が貫通孔66の開口寸法よりも十分に小さいので、客室側から吹出口72を通してダクト61内などを見え難くできる。
パネル本体71,76の上面と天井板14の下面との間には、貫通孔66の全周に亘って緩衝材68が挟まれている。緩衝材68は、緩衝材65と同様に、所定の柔軟性を有する材料によって形成される。緩衝材68は、走行時の振動による天井板14とパネル本体71,76との接触を緩和する。また、貫通孔66から出た空調風を緩衝材68によって吹出口72へ導くことができ、天井板14とパネル本体71,76との間から空調風を逃げ難くできる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。側構体11や屋根構体12、妻構体13、天井板14、外側パネル30,70、内側パネル35,75、天井パネル40,50の各部の形状や寸法を適宜変更しても良い。また、妻構体13を先頭構体としても良い。天井のレール方向の端部が妻構体13である場合に限らず、天井のレール方向の端部を内妻仕切としても良い。
また、複数の外側パネル30,70及び内側パネル35,75や複数の天井パネル40,50によって天井の全体を形成しても良い。また、複数の外側パネル30,70及び内側パネル35,75や複数の天井パネル40,50が枕木方向の両側に1列ずつ設けられる場合に限らず、複数の外側パネル30,70及び内側パネル35,75や複数の天井パネル40,50を枕木方向の両側に複数列ずつ設けても良い。複数の外側パネル30,70及び内側パネル35,75や複数の天井パネル40,50を天井板14に固定するのではなく、側構体11間に架け渡される梁などに固定しても良い。
上記第1,4実施形態では、外前張出部33,73及び外後張出部34,74を有する外側パネル30,70と、内前張出部38及び内後張出部39を有する内側パネル35,75と、が交互に並んでいる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。外側パネル30,70と、内前張出部38及び内後張出部39を有しない天井パネルとを交互に並べても良い。また、外前張出部33,73及び外後張出部34,74を有しない天井パネルと、内側パネル35,75とを交互に並べても良い。上記第2実施形態における天井パネル40の内張出部43又は外張出部44のいずれか一方を省略しても良い。また、複数の外側パネル30,70をレール方向に並べたり、複数の内側パネル35,75をレール方向に並べたりしても良い。
上記形態では、天井のレール方向の両端間において、レール方向に隣り合う吊手棒受け15同士の間隔が最大である間隔L1が1か所のみである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。天井のレール方向の両端間において、間隔L1を複数か所に設けても良い。この場合には、間隔L1の部分に配置される外側パネル30の数が、間隔L1の部分に配置される内側パネル35の数以上になるよう、外側パネル30と内側パネル35とをレール方向に交互に配置することが好ましい。これにより、複数の外側パネル30及び内側パネル35の着脱作業を容易にできる。
また、天井のレール方向の両端間において、レール方向に隣り合う吊手棒受け15同士の間隔が最小となる最小部が少なくとも1か所ある場合、その最小部に配置される内側パネル35の数が、最小部に配置される外側パネル30の数以上になるよう、外側パネル30と内側パネル35とをレール方向に交互に配置することが好ましい。これにより、複数の外側パネル30及び内側パネル35の着脱作業を容易にできる。
上記形態では、天井のレール方向の両端間に5つの吊手棒受け15がレール方向に並んで配置され、その吊手棒受け15間に計4枚の外側パネル30及び内側パネル35が交互に並ぶ場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。4つ以下や6つ以上の吊手棒受け15をレール方向に並べても良く、その吊手棒受け15の数に合わせて計3枚以下や5枚以上の外側パネル30及び内側パネル35を交互に並べても良い。なお、天井のレール方向の両端間において、吊手棒受け15間に配置される外側パネル30及び内側パネル35の合計数が奇数個である場合、吊手棒受け15の傾斜方向とは反対側に外前張出部33及び外後張出部34が位置する外側パネル30を多く使用することが好ましい。これによって、複数の外側パネル30及び内側パネル35の着脱作業を容易にできる。
上記形態では、端縁31a,31b,36a,36b,41a,41b,51a,51b,71a,71b,76a,76b間から下方へ突出する突出部が吊手棒受け15である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、中吊り広告を支持する支持具を突出部として端縁31a,31b,36a,36b,41a,41b,51a,51b,71a,71b,76a,76b間から下方へ突出させても良い。また、突出部が下方へ向かうにつれて車両中央側へ湾曲する場合に限らず、突出部を下方へ向かうにつれて車両中央側へ直線状に傾斜させても良い。なお、突出部が湾曲している場合、レール方向の両端縁においてそれぞれ枕木方向の両側から張出部が張り出す従来の天井パネルの着脱時に、一端縁を支点にして他端縁を移動させようとしても天井パネルをねじる必要が生じることがあり、天井パネルの着脱がより困難になる。そのため、突出部が湾曲している場合に、外側パネル30,70及び内側パネル35,75や天井パネル40,50を用いることで、外側パネル30,70及び内側パネル35,75や天井パネル40,50の着脱作業をより一層容易にできる。
また、突出部を車両外側へ向かって傾斜(湾曲)させても良い。この場合には、突出部の車両外側に外前張出部33,73及び外後張出部34,74が位置する外側パネル30,70(第2パネル)よりも、突出部の車両中央側に内前張出部38及び内後張出部39が位置する内側パネル35,75(第1パネル)を着脱し易くできる。この場合、天井のレール方向の両端間において、レール方向に隣り合う突出部同士の間隔が最大である間隔L1の部分(最大部)に内側パネル35,75を配置することで、複数の外側パネル30,70及び内側パネル35,75の着脱作業を容易にできる。
また、天井のレール方向の両端間において、レール方向に隣り合う突出部同士の間隔L1,L2,L3に関して、レール方向の後端から奇数番目における間隔の合計と、レール方向の後端から偶数番目における間隔の合計とを比較して、その合計が大きい方に内側パネル35を配置して、合計が小さい方に外側パネル30,70を配置することで、複数の外側パネル30,70及び内側パネル35,75の着脱作業を容易にできる。
上記第4実施形態では、上記第1実施形態における外側パネル30及び内側パネル35を枕木方向に延長し、吹出口72を設けた外側パネル70及び内側パネル75について説明した。第2,3実施形態における天井パネル40,50を枕木方向に延長し、その延長した天井パネルに吹出口72を設けても良い。また、各天井パネルによって照明器具22の周囲の天井を形成しなくても良い。例えば、吹出口72を設けた点検蓋としての天井パネルをレール方向に並べても良い。さらに、各天井パネルには吹出口72の代わりに、客室内の空気を吸い込む吸込口を設け、吸気用のダクト61を排気用ダクトに置き換えても良い。