JP2021027078A - 光電変換素子、電子機器、及び電源モジュール - Google Patents

光電変換素子、電子機器、及び電源モジュール Download PDF

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裕二 田中
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Tamotsu Horiuchi
保 堀内
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Masakata Shiba
正名 斯波
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Nozomi Tamoto
望 田元
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Naomichi Kanei
直道 兼為
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陵宏 井出
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Abstract

【課題】高温保存後において、低照度光での出力低下を抑制することができる光電変換素子を提供する。【解決手段】光電変換素子101は、第1の基板1上に第1の電極2を有し、第1の電極2上に電子輸送層4を有し、電子輸送層4を構成する電子輸送材料の表面に光増感化合物5を有し、電子輸送層4の上部及び内部にはホール輸送層6を有しており、ホール輸送層6が分子サイズの大きい特定の環状アルカリ金属塩化合物と、高温環境下でも流動性が低い特定の塩基性化合物とを含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子、電子機器、及び電源モジュールに関する。
近年、低照度の光でも効率よく発電できる光電変換素子としての太陽電池に多くの注目が集められている。このような太陽電池は、設置場所を問わないだけでなく、電池交換や電源配線等が不要な自立型電源として幅広い応用が期待されている。
屋内向けの光電変換素子としては、例えば、アモルファスシリコンや有機系太陽電池が知られている。有機系太陽電池の中でも色素増感太陽電池は、電荷発生機能と電荷輸送機能が分離された層により構成されていることで、容易に作製することができる。一般に、色素増感太陽電池は、電解液を内包しているために液の揮発や漏れといった不具合を生じる場合があったが、近年、P型半導体材料を用いた固体型の色素増感太陽電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、高温環境下や微弱な室内光の環境下においても、電圧低下を抑制でき、高出力が得られる光電変換素子が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、高温保存後において、低照度光での出力低下を抑制することができる光電変換素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の光電変換素子は、下記一般式(1a)及び(1b)の少なくともいずれかで表される環状アルカリ金属塩化合物と、下記一般式(2)で表される塩基性化合物とを含有するホール輸送層を有する。
・・・一般式(1a)
ただし、前記一般式(1a)中、Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、又はセシウムを表し、X及びXは、互いに同一であっても異なっていてもよく、カルボニル基、スルホニル基、又はスルホン基を表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
・・・一般式(1b)
ただし、前記一般式(1b)中、Mは、有機カチオンを表し、X及びXは、互いに同一であっても異なっていてもよく、カルボニル基、スルホニル基、又はスルホン基を表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
・・・一般式(2)
ただし、前記一般式(2)中、Ar及びArは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
本発明によると、高温保存後において、低照度光での出力低下を抑制することができる光電変換素子を提供することができる。
図1は、本発明の光電変換素子の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の光電変換素子の他の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の光電変換素子の他の一例を示す概略図である。 図4は、本発明の光電変換素子の他の一例を示す概略図である。 図5は、本発明の光電変換素子モジュールの一例を示す概略図である。 図6は、本発明の光電変換素子モジュールの他の一例を示す概略図である。 図7は、電子機器としてマウスを用いた一例を示す概略図である。 図8は、マウスに光電変換素子を実装した一例を示す概略図である。 図9は、電子機器としてパソコンに用いられるキーボードを用いた一例を示す概略図である。 図10は、キーボードに光電変換素子を実装した一例を示す概略図である。 図11は、キーボードのキーの一部に小型の光電変換素子を実装した一例を示す概略図である。 図12は、電子機器としてセンサを用いた一例を示す概略図である。 図13は、電子機器としてターンテーブルを用いた一例を示す概略図である。 図14は、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールと、光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせた電子機器の一例を示す概略図である。 図15は、図14において光電変換素子と機器の回路との間に光電変換素子用の電源ICを組み込んだ一例を示す概略図である。 図16は、図15において、蓄電デバイスを電源ICと機器の回路との間に組み込んだ一例を示す概略図である。 図17は、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールと、電源ICとを有する電源モジュールの一例を示す概略図である。 図18は、図17において電源ICに蓄電デバイスを追加した電源モジュールの一例を示す概略図である。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下のことを見出した。
固体型色素増感型太陽電池が高温環境下に晒されると、ホール輸送層のモルフォロジー(構造)が変化してしまうことがある。そのため、電圧低下を抑制するためには、ホール輸送層中のホール輸送層材料と塩基性材料とアルカリ金属塩と酸化剤の混合状態が安定化している必要がある。
特に比較的融点が低い塩基性材料が流動化等により、モルフォロジーが変化しやすいと考えられる。また、従来のようなリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドは、分子サイズが小さく、ホール輸送層中に局在化しやすい。しかしながら、本発明におけるアルカリ金属塩は、環状構造となっており、分子サイズが大きい。その為、高温環境下においても、安定なモルフォロジーが得られ、より高い耐熱性を有することがわかった。
(光電変換素子)
本発明の光電変換素子は、下記一般式(1a)及び(1b)の少なくともいずれかで表される環状アルカリ金属塩化合物と、下記一般式(2)で表される塩基性化合物とを含有するホール輸送層を有し、第1の基板、第2の基板、第1の電極、第2の電極、ホールブロッキング層、及び電子輸送層とを有し、さらに必要に応じて、封止部材、その他の部材を有する。
・・・一般式(1a)
ただし、前記一般式(1a)中、Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、又はセシウムを表し、X及びXは、互いに同一であっても異なっていてもよく、カルボニル基、スルホニル基、又はスルホン基を表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
・・・一般式(1b)
ただし、前記一般式(1b)中、Mは、有機カチオンを表し、X及びXは、互いに同一であっても異なっていてもよく、カルボニル基、スルホニル基、又はスルホン基を表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
・・・一般式(2)
ただし、前記一般式(2)中、Ar及びArは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
<ホール輸送層>
前記ホール輸送層は、環状アルカリ金属塩化合物と、塩基性化合物とを含有し、ホール輸送材料を含有し、さらに必要に応じてその他の成分を含有する。
<<環状アルカリ金属塩化合物>>
前記環状アルカリ金属塩化合物は、下記一般式(1a)及び(1b)のいずれかで表される。
・・・一般式(1a)
ただし、前記一般式(1a)中、Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、又はセシウムを表し、X及びXは、互いに同一であっても異なっていてもよく、カルボニル基、スルホニル基、又はスルホン基を表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
・・・一般式(1b)
ただし、前記一般式(1b)中、Mは、有機カチオンを表し、X及びXは、互いに同一であっても異なっていてもよく、カルボニル基、スルホニル基、又はスルホン基を表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
また、前記一般式(1a)で表される環状アルカリ金属塩化合物が、下記一般式(3a)表され、前記一般式(1b)で表される環状アルカリ金属塩化合物が、下記一般式(3b)で表されるものであることが好ましい。
・・・一般式(3a)
ただし、前記一般式(3a)中、Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、又はセシウム、を表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
・・・一般式(3b)
ただし、前記一般式(3b)中、Mは、有機カチオンを表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
前記ホール輸送層が、前記アルカリ金属塩を含有すると、出力を向上させることができ、更に光照射耐性や高温保存耐性を向上させることができる。
前記一般式(1a)で表される前記環状アルカリ金属塩化合物の具体例としては、例えば、以下に示す例示化合物(C−1)〜(C−72)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(1b)で表される前記環状アルカリ金属塩化合物の具体例としては、例えば、以下に示す例示化合物(C−73)〜(C−86)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルカリ金属塩の含有量としては、ホール輸送材料に対して、5モル%以上50モル%以下であることが好ましく、20モル%以上35モル%以下がより好ましい。
<<塩基性化合物>>
前記塩基性化合物は、下記一般式(2)で表される。
・・・一般式(2)
ただし、前記一般式(2)中、Ar及びArは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
前記置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。前記アリール基が有する置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。
前記ホール輸送層が、前記一般式(2)で表される前記塩基性化合物を含有すると、光電変換素子の出力安定性を高める点で有利である。特に、低照度光に対する出力特性のバラツキを低減し、安定に発電することが可能な点でも有利である。
前記一般式(2)で表される前記塩基性化合物の具体例としては、例えば、以下に示す例示化合物(H−1)〜(H−8)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ホール輸送層における一般式(2)で示される塩基性化合物の含有量としては、前記ホール輸送材料に対して、20モル%以上65モル%以下であることが好ましく、35モル%以上50モル%以下であることがより好ましい。前記塩基性化合物の含有量が好ましい範囲であることにより、高い開放電圧を維持でき、高い出力が得られ、かつ様々な環境で長期使用しても高い安定性と耐久性が得られる。
前記ホール輸送層は、ホールを輸送する機能を得るために、ホール輸送材料を有する。
<<ホール輸送材料>>
前記ホール輸送材料としては、ホールを輸送する機能を発揮することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化還元対を有機溶媒に溶解した電解液、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリックスに含浸したゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩、固体電解質、無機ホール輸送材料、有機ホール輸送材料、P型半導体材料などが挙げられる。これらの中でも、電解液やゲル電解質を用いることも可能であるが、固体電解質が好ましく、有機ホール輸送材料がより好ましい。
前記有機ホール輸送材料としては、例えば、オキサジアゾール化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、オキサジアゾール化合物、テトラアリールベンジジン化合物、スチルベン化合物、スピロ型化合物等を挙げられる。これらの中でもスピロ型化合物が好ましい。
前記スピロ型化合物としては、例えば、下記一般式(7)を含む化合物などが挙げられる。
・・・一般式(7)
ただし、前記一般式(7)中、R31〜R34は、互いに同一であっても異なっていてもよく、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチル−4−トリルアミノ基等の置換アミノ基を表す。
前記一般式(7)で表される前記スピロ型化合物の具体例としては、例えば、以下に示す例示化合物(D−1)〜(D−20)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スピロ型化合物は、高いホール移動度を有している他に、2つのベンジジン骨格分子が捻れて結合しているため、球状に近い電子雲を形成しており、分子間におけるホッピング伝導性が良好であることにより優れた光電変換特性を示す。また溶解性も高いため各種有機溶媒に溶解し、アモルファス(結晶構造をもたない無定形物質)であるため、多孔質状の電子輸送層に密に充填されやすい。更に、450nm以上の光吸収特性を有さないために、光増感化合物に効率的に光吸収をさせることができ、固体型色素増感型太陽電池にとって特に好ましい。
前記ホール輸送層には、さらに、酸化剤を添加することが好ましい。
前記ホール輸送層が前記酸化剤を含有することにより、導電性が向上し、出力特性の耐久性や安定性を高めることが可能になる。
<<酸化剤>>
前記酸化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサクロロアンチモン酸トリス(4−ブロモフェニル)アミニウム、ヘキサフルオロアンチモネート銀、ニトロソニウムテトラフルオボラート、硝酸銀、金属錯体、超原子価ヨウ素化合物などが挙げられる。これらの中でも金属錯体が好ましく、超原子価ヨウ素化合物がより好ましい。
前記酸化剤が前記金属錯体や前記超原子価ヨウ素化合物であると、有機溶媒に対する溶解度が高いため、前記ホール輸送層に対して含有量を多くすることができる。
<<<金属錯体>>>
前記金属錯体は、金属カチオン、配位子、アニオンから構成される。
前記金属カチオンとしては、例えば、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、金、白金等のカチオンを挙げることができ、この中でも、コバルト、鉄、ニッケル、銅のカチオンが好ましく、コバルト錯体がより好ましい。
前記配位子としては、少なくとも一つの窒素を含有する5及び/又は6員複素環を含むものが好ましく、置換基を有していてもよい。
前記配位子の具体例としては、例えば、以下に示す例示化合物(E−1)〜(E−33)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アニオンとしては、例えば、水素化物イオン(H)、フッ化物イオン(F)、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)、水酸化物イオン(OH)、シアン化物イオン(CN)、硝酸イオン(NO )、亜硝酸イオン(NO )、次亜塩素酸イオン(ClO)、亜塩素酸イオン(ClO )、塩素酸イオン(ClO )、過塩素酸イオン(ClO )、過マンガン酸イオン(MnO )、酢酸イオン(CHCOO)、炭酸水素イオン(HCO )、リン酸二水素イオン(HPO )、硫酸水素イオン(HSO )、硫化水素イオン(HS)、チオシアン酸イオン(SCN)、テトラフロオロホウ素酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、テトラシアノホウ素酸イオン(B(CN) )、ジシアノアミンイオン(N(CN) )、p−トルエンスルホン酸イオン(TsO)、トリフルオロメチルスルホン酸イオン(CFSO )、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンイオン(N(SOCF )テトラヒドロキソアルミン酸イオン([Al(OH)、あるいは[Al(OH)(HO))、ジシアノ銀(I)酸イオン([Ag(CN))、テトラヒドロキソクロム(III)酸イオン([Cr(OH))、テトラクロロ金(III)酸イオン([AuCl)、酸化物イオン(O2−)、硫化物イオン(S2−)、過酸化物イオン(O 2−)、硫酸イオン(SO 2−)、亜硫酸イオン(SO 2−)、チオ硫酸イオン(S 2−)、炭酸イオン(CO 2−)、クロム酸イオン(CrO 2−)、二クロム酸イオン(Cr 2−)、リン酸一水素イオン(HPO 2−)、テトラヒドロキソ亜鉛(II)酸イオン([Zn(OH)2−)、テトラシアノ亜鉛(II)酸イオン([Zn(CN)2−)、テトラクロロ銅(II)酸イオン([CuCl2−)、リン酸イオン(PO 3−)、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオン([Fe(CN)3−)、ビス(チオスルファト)銀(I)酸イオン([Ag(S3−)、ヘキサシアノ鉄(II)酸イオン([Fe(CN)4−)などが挙げられる。これらの中でも、テトラフロオロホウ素酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラシアノホウ素酸イオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンイオン、過塩素酸イオンが好ましい。
前記金属錯体としては、下記一般式(4)で示される3価のコバルト錯体が特に好ましい。金属錯体が3価のコバルト錯体であると、酸化剤としての機能が優れる点で有利である。
・・・一般式(4)
ただし、前記一般式(4)中、R〜R10は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、メチル基、エチル基、t−ブチル基、及びトリフルオロメチル基の少なくともいずれかを表し、Xは、下記構造式(1)〜(4)のいずれかを表す。
BF・・・構造式(1)
PF・・・構造式(2)
・・・構造式(3)
・・・構造式(4)
前記金属錯体の具体例としては、例えば、以下に示す例示化合物(F−1)〜(F−20)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、下記構造式(5)表される前記(F−18)の3価のコバルト錯体が好ましい。
・・・構造式(5)
また、前記金属錯体としては、下記一般式(8)で示される3価のコバルト錯体も有効に用いられる。
ただし、前記一般式(8)中、R11〜R12は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、メチル基、エチル基、ターシャルブチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Xは、上記アニオンから選択されるいずれかを示す。
以下に前記一般式(8)で表されるコバルト錯体の具体例を記載する。ただし、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、下記構造式(6)表される前記(F−22)の3価のコバルト錯体が好ましい。
・・・構造式(6)
<<<超原子価ヨウ素化合物>>>
前記超原子価ヨウ素化合物は、超原子価となっているヨウ素原子を含む化合物であり、オクテット則が要す8個より多くの電子を有する。
前記超原子価ヨウ素化合物としては、例えば、下記一般式(5)で表されるペルヨージナン化合物や、下記一般式(6)で表されるジアリールヨードニウム塩は、高い溶解性と低い結晶性と低い酸性度により、ホール輸送層における酸化剤として用いた際に、高い出力が得ることができる。前記ホール輸送層の酸性度が高いと、開放電圧が低くなる。前記塩基性材料の添加量を多くすることで、開放電圧を高くすることも可能であるが、ホール輸送材料濃度が低下することで、直列抵抗が高くなり、高照度光における出力が低下する。
・・・一般式(5)
ただし、前記一般式(5)中、R〜Rは、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を表し、R及びRは、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。
・・・一般式(6)
ただし、前記一般式(6)中、Xは、下記構造式のいずれかを表す。
BF・・・構造式(1)
PF・・・構造式(2)
・・・構造式(3)
・・・構造式(4)
前記一般式(5)で表されるペルヨージナン化合物の具体例としては、例えば、以下に示す例示化合物(G−1)〜(G−6)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(6)で表されるジアリールヨードニウム塩の具体例としては、例えば、以下に示す例示化合物(G−7)〜(G−10)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記超原子価ヨウ素化合物としては、これらの他にも、例えば、以下に示す例示化合物(G−11)〜(G−14)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸化剤の含有量としては、ホール輸送材料に対して、1モル%以上30モル%以下であることが好ましく、5モル%以上20モル%がより好ましい。酸化剤の添加によって、すべてのホール輸送材料が酸化される必要はなく、一部のみが酸化されていれば有効である。
前記酸化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用することで、ホール輸送層が結晶化しにくくなり、高い耐熱性を得ることが可能となる。
また、前記ホール輸送層は、アルカリ金属塩を更に含有することが好ましい。前記ホール輸送層が、前記アルカリ金属塩を含有すると、出力を向上させることができ、更に光照射耐性や高温保存耐性を向上させることができる。
前記アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。
前記リチウム塩としては、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過塩素酸リチウム、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)ジイミド、リチウムジイソプロピルイミド、酢酸リチウム、テトラフルオロホウ素酸リチウム、ペンタフルオロリン酸リチウム、テトラシアノホウ素酸リチウムなどが挙げられる。
前記ナトリウム塩としては、例えば、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、ナトリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)ジイミド、酢酸ナトリウム、テトラフルオロホウ素酸ナトリウム、ペンタフルオロリン酸ナトリウム、テトラシアノホウ素酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記カリウム塩としては、例えば、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、過塩素酸カリウムなどが挙げられる。
これらの中でも、導電性が向上することにより、出力特性の耐久性や安定性を高めることができる点から、リチウム塩が好ましく、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)ジイミド、リチウムジイソプロピルイミドがより好ましい。
前記アルカリ金属塩の含有量としては、ホール輸送材料100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、15質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。
前記アルカリ金属塩におけるアニオン存在下、前記超原子価ヨウ素化合物と前記ホール輸送材料が混合されることで、電子受容性化合物が形成される。特に、ハロゲン系有機溶剤下で、混合することで、より多くの電子受容性化合物が形成されることが分かった。モノカチオンラジカル化した前記ホール輸送材料は、アニオンドープされることで、安定な電子受容性化合物となる。
また、前記3価のコバルト錯体と前記ホール輸送材料が混合されることで、同様に電子受容性化合物が形成される。還元された2価のコバルト錯体が、超原子価ヨウ素化合物や封止内部の酸素等により、酸化され3価のコバルト錯体に戻ることが考えられる。
よって、電子受容性化合物を永続的に得ることで、高いホール輸送性機能を発現し、高照度光下における高出力化と、高い耐久性を得ることができると考えられる。従来の3価のコバルト錯体材料より分子サイズの小さな超原子価ヨウ素化合物は、多孔質状の電子輸送層における細孔部において、電子受容性化合物を形成しやすい。その為、より高い光耐久性を得ることができる。
低照度下で高い出力を得る為には、リーク電流を抑制することが必要である。ホール輸送材料と相溶性の高い塩基性材料を主体にして、比較的酸性度の低い超原子価ヨウ素化合物や3価のコバルト錯体やアルカリ金属塩により、高い電荷輸送能力を付与することが、重要であることを見出した。
前記ホール輸送層は、単一材料からなる単層構造でもよく、複数の化合物を含む積層構造であってもよい。
前記ホール輸送層が積層構造の場合には、第2の電極に近いホール輸送層に高分子材料を用いることが好ましい。製膜性に優れる高分子材料を用いると、多孔質状の電子輸送層の表面をより平滑化することができ、光電変換特性を向上することができる点で有利である。また、前記高分子材料は、多孔質状の電子輸送層内部へ浸透しにくいことから、多孔質状の電子輸送層表面の被覆性に優れ、電極を設ける際の短絡防止にも効果が得られる場合がある。
前記ホール輸送層に用いられる前記高分子材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のホール輸送性高分子材料が挙げられる。
前記ホール輸送性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン化合物、ポリフェニレンビニレン化合物、ポリフルオレン化合物、ポリフェニレン化合物、ポリアリールアミン化合物、ポリチアジアゾール化合物などが挙げられる。
前記ポリチオフェン化合物としては、例えば、ポリ(3−n−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−n−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(9,9’−ジオクチル−フルオレン−コ−ビチオフェン)、ポリ(3,3’’’−ジドデシル−クォーターチオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(2,5−ビス(3−デシルチオフェン−2−イル)チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルチオフェン−コ−チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−ビチオフェン)などが挙げられる。
前記ポリフェニレンビニレン化合物としては、例えば、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−メトキシ−5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[(2−メトキシ−5−(2−エチルフェキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン)−コ−(4,4’−ビフェニレン−ビニレン)]などが挙げられる。
前記ポリフルオレン化合物としては、例えば、ポリ(9,9’−ジドデシルフルオレニル−2,7−ジイル)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(9,10−アントラセン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(4,4’−ビフェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジイル)−コ−(1,4−(2,5−ジヘキシルオキシ)ベンゼン)]などが挙げられる。
前記ポリフェニレン化合物としては、例えば、ポリ[2,5−ジオクチルオキシ−1,4−フェニレン]、ポリ[2,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシ−1,4−フェニレン]などが挙げられる。
前記ポリアリールアミン化合物としては、例えば、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(N,N’−ジフェニル)−N,N’−ジ(p−ヘキシルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(N,N’−ビス(4−オクチルオキシフェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’−ビス(4−オクチルオキシフェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’−ビス(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[フェニルイミノ−1,4−フェニレンビニレン−2,5−ジオクチルオキシ−1,4−フェニレンビニレン−1,4−フェニレン]、ポリ[p−トリルイミノ−1,4−フェニレンビニレン−2,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン−1,4−フェニレン]、ポリ[4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニルイミノ−1,4−ビフェニレン]などが挙げられる。
前記ポリチアジアゾール化合物としては、例えば、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(1,4−ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール]、ポリ(3,4−ジデシルチオフェン−コ−(1,4−ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール)などが挙げられる。
これらの中でも、キャリア移動度やイオン化ポテンシャルの観点から、ポリチオフェン化合物及びポリアリールアミン化合物が好ましい。
前記ホール輸送層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多孔質状の前記電子輸送層の細孔に入り込んだ構造を有することが好ましく、前記電子輸送層上に0.01μm以上20μm以下が好ましく、0.1μm以上10μm以下がより好ましく、0.2μm以上2μm以下が更に好ましい。
前記ホール輸送層は、前記光増感化合物が吸着された前記電子輸送層の上に直接形成することができる。前記ホール輸送層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コストなどの点で、特に湿式製膜法が好ましく、電子輸送層上に塗布する方法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
また、超臨界流体又は臨界点より低い温度及び圧力の亜臨界流体中で製膜してもよい。前記超臨界流体は、気体と液体が共存できる限界(臨界点)を超えた温度及び圧力領域において非凝集性高密度流体として存在し、圧縮しても凝集せず、臨界温度以上、かつ臨界圧力以上の状態にある流体である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましい。
前記超臨界流体としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、アルコール溶媒、炭化水素溶媒、ハロゲン溶媒、エーテル溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノールなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。ハロゲン溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロトリフロロメタンなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジメチルエーテルなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、二酸化炭素が、臨界圧力7.3MPa、臨界温度31℃であることから、容易に超臨界状態をつくり出せるとともに、不燃性で取扱いが容易である点で好ましい。
前記亜臨界流体としては、臨界点近傍の温度及び圧力領域において、高圧液体として存在する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。超臨界流体として挙げられる化合物は、亜臨界流体としても好適に使用することができる。
前記超臨界流体の臨界温度及び臨界圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度としては、−273℃以上300℃以下が好ましく、0℃以上200℃以下がより好ましい。
さらに、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体に加え、有機溶媒やエントレーナーを併用することもできる。有機溶媒及びエントレーナーの添加により、超臨界流体中での溶解度の調整をより容易に行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記光増感化合物を吸着させた前記電子輸送層上に、前記ホール輸送材料を積層した後、プレス処理工程を施してもよい。前記プレス処理を施すことによって、前記ホール輸送材料がより多孔質電極である電子輸送層と密着するため、効率が改善できる場合がある。
前記プレス処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、IR錠剤成形器に代表されるような平板を用いたプレス成形法、ローラー等を用いたロールプレス法などを挙げることができる。
前記圧力としては、10kgf/cm以上が好ましく、30kgf/cm以上がより好ましい。
前記プレス処理する時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以下が好ましい。
また、プレス処理時に熱を加えてもよい。プレス処理の際、プレス機と電極との間に離型剤を挟んでもよい。
前記離型剤としては、例えば、ポリ四フッ化エチレン、ポリクロロ三フッ化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体、ペルフルオロアルコキシフッ化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、エチレン四フッ化エチレン共重合体、エチレンクロロ三フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記プレス処理工程を行った後、第2の電極を設ける前に、ホール輸送材料と第2の電極との間に金属酸化物を設けてもよい。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニッケルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酸化モリブデンが好ましい。
前記金属酸化物をホール輸送層上に設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、スパッタリング、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式製膜法などが挙げられる。
前記湿式製膜法としては、金属酸化物の粉末又はゾルを分散したペーストを調製し、ホール輸送層上に塗布する方法が好ましい。湿式製膜法を用いた場合の塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
塗布された前記金属酸化物の平均厚みとしては、0.1nm以上50nm以下が好ましく、1nm以上10nm以下がより好ましい。
本発明の光電変換素子は、基板を有する。前記基板は、本発明の光電変換素子の第1の電極側の最外部、及び第2の電極側の最外部のどちらか一方、もしくは両方に設けてもよい。
以下、第1の電極側の最外部に設けられる基板を第1の基板、第2の電極側の最外部に設けられる基板を第2の基板と称する。
<第1の基板>
前記第1の基板としては、その形状、構造、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第1の基板の材質としては、透光性及び絶縁性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス、プラスチックフィルム、セラミック等の基板が挙げられる。これらの中でも、後述するように電子輸送層を形成する際に焼成する工程を含む場合は、焼成温度に対して耐熱性を有する基板が好ましい。また、第1の基板としては、可とう性を有するものが好ましい。
<第1の電極>
前記第1の電極としては、その形状、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第1の電極の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一層構造であってもよいし、複数の材料を積層する構造であってもよい。
前記第1の電極の材質としては、可視光に対する透明性及び導電性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、透明導電性金属酸化物、カーボン、金属などが挙げられる。
前記透明導電性金属酸化物としては、例えば、インジウム・スズ酸化物(以下、「ITO」と称する)、フッ素ドープ酸化スズ(以下、「FTO」と称する)、アンチモンドープ酸化スズ(以下、「ATO」と称する)、ニオブドープ酸化スズ(以下、「NTO」と称する)、アルミドープ酸化亜鉛、インジウム・亜鉛酸化物、ニオブ・チタン酸化物などが挙げられる。
前記カーボンとしては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンなどが挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、銀、アルミニウム、ニッケル、インジウム、タンタル、チタンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、透明性が高い透明導電性金属酸化物が好ましく、ITO、FTO、ATO、NTOがより好ましい。
前記第1の電極の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm以上100μm以下が好ましく、50nm以上10μm以下がより好ましい。なお、第1の電極の材質がカーボンや金属の場合には、第1の電極の平均厚みとしては、透光性を得られる程度の平均厚みにすることが好ましい。
前記第1の電極は、スパッタ法、蒸着法、スプレー法等の公知の方法などにより形成することができる。
また、前記第1の電極は、前記第1の基板上に形成されることが好ましく、予め前記第1の基板上に前記第1の電極が形成されている一体化された市販品を用いることができる。
前記一体化された市販品としては、例えば、FTOコートガラス、ITOコートガラス、酸化亜鉛:アルミニウムコートガラス、FTOコート透明プラスチックフィルム、ITOコート透明プラスチックフィルムなどが挙げられる。他の一体化された市販品としては、例えば、酸化スズ若しくは酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、又はメッシュ状やストライプ状等の光が透過できる構造にした金属電極を設けたガラス基板などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して混合又は積層したものでもよい。また、電気的抵抗値を下げる目的で、金属リード線などを併用してもよい。
前記金属リード線の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケルなどが挙げられる。
前記金属リード線は、例えば、蒸着、スパッタリング、圧着などで基板に形成し、その上にITOやFTOの層を設けることにより併用することができる。
<ホールブロッキング層>
前記ホールブロッキング層は、前記第1の電極と後述する電子輸送層との間に形成されている。
前記ホールブロッキング層は、光増感化合物で生成され、電子輸送層に輸送された電子を前記第1の電極に輸送し、かつ後述するホール輸送層との接触を防ぐ。これにより、前記ホールブロッキング層は、前記第1の電極へホールを流入しにくくし、電子とホールの再結合による出力低下を抑制することができる。前記ホール輸送層を設けた固体型の光電変換素子は、電解液を用いた湿式型に比べて、ホール輸送材料中のホールと電極表面の電子の再結合速度が速いことから、前記ホールブロッキング層の形成による効果は非常に大きい。
前記ホールブロッキング層の材質としては、可視光に対して透明であり、かつ電子輸送性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の単体半導体、金属のカルコゲニドに代表される化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などが挙げられる。
前記金属のカルコゲニドとしては、例えば、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタルの酸化物;カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物;カドミウム、鉛のセレン化物;カドミウムのテルル化物などが挙げられる。他の化合物半導体としては、例えば、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物;ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物などが挙げられる。
前記ペロブスカイト構造を有する化合物としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどが挙げられる。
これらの中でも、酸化物半導体が好ましく、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化スズなどがより好ましく、酸化チタンが更に好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、単層としても積層してもよい。また、これらの半導体の結晶型は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単結晶でもよいし、多結晶でもよいし、あるいは非晶質でもよい。
前記ホールブロッキング層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真空中で薄膜を形成する方法(真空製膜法)、湿式製膜法などが挙げられる。
前記真空製膜法としては、例えば、スパッタリング法、パルスレーザーデポジッション法(PLD法)、イオンビームスパッタ法、イオンアシスト法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、アトミックレイヤーデポジッション法(ALD法)、化学気相成長法(CVD法)などが挙げられる。
前記湿式製膜法としては、例えば、ゾル−ゲル法が挙げられる。ゾル−ゲル法は、溶液から、加水分解や重合・縮合などの化学反応を経てゲルを作製し、その後加熱処理によって緻密化を促進させる方法である。ゾル−ゲル法を用いた場合、ゾル溶液の塗布方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。また、ゾル溶液を塗布した後の加熱処理の際の温度としては、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。
前記ホールブロッキング層の膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択可能であるが、5nm以上1μm以下が好ましく、湿式製膜では500nm以上700nm以下がより好ましく、乾式製膜では5nm以上30nm以下がより好ましい。
<電子輸送層>
前記電子輸送層は、光増感化合物で生成された電子を前記第1の電極あるいは前記ホールブロッキング層まで輸送する目的で形成される。このため、電子輸送層は、第1の電極あるいはホールブロッキング層に隣接して配置されることが好ましい。
前記電子輸送層の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、互いに隣接する少なくとも2つの光電変換素子において、電子輸送層どうしが互いに延設されていないことが好ましい。電子輸送層どうしが互いに延設されていなければ、電子拡散が抑制されてリーク電流が低下するため、光耐久性が向上する点で有利である。また、電子輸送層の構造としては、連続層単層であってもよく、複数の層が積層された多層であってもよい。
前記電子輸送層は、電子輸送性材料を含み、必要に応じてその他の材料を含む。
<<電子輸送性材料>>
前記電子輸送性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、半導体材料が好ましい。
前記半導体材料は、微粒子状の形状を有し、これらが接合することによって、多孔質状の膜に形成されることが好ましい。多孔質状の電子輸送層を構成する半導体微粒子の表面に、光増感化合物が化学的あるいは物理的に吸着される。
前記半導体材料としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができ、例えば、単体半導体、化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などが挙げられる。
前記単体半導体としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどが挙げられる。
前記化合物半導体としては、例えば、金属のカルコゲニド、具体的には、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタル等の酸化物;カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマス等の硫化物;カドミウム、鉛等のセレン化物;カドミウム等のテルル化物などが挙げられる。他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物等が挙げられる。
前記ペロブスカイト構造を有する化合物としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどが挙げられる。
これらの中でも、酸化物半導体が好ましく、特に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化ニオブがより好ましい。電子輸送層の電子輸送性材料が酸化チタンであると、導電帯(Conduction Band)が高く、高い開放電圧が得られる。また、屈折率が高く、光閉じ込め効果により高い短絡電流が得られる。更に、誘電率が高く、移動度が高くなることで、高い曲線因子が得られる点で有利である。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、半導体材料の結晶型としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単結晶でも多結晶でもよく、非晶質でもよい。
前記半導体材料の一次粒子の個数平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上50nm以下がより好ましい。また、個数平均粒径よりも大きい半導体材料を混合あるいは積層させてもよく、入射光を散乱させる効果により、変換効率を向上できる場合がある。この場合の個数平均粒径は、50nm以上500nm以下が好ましい。
前記電子輸送層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50nm以上100μm以下が好ましく、100nm以上50μm以下がより好ましく、120nm以上10μm以下が更に好ましい。前記電子輸送層の平均厚みが好ましい範囲内であると、単位投影面積当たりの光増感化合物の量を十分に確保でき、光の捕獲率を高く維持できるとともに、注入された電子の拡散距離も増加しにくく、電荷の再結合によるロスを少なくできる点で有利である。
前記電子輸送層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コストの観点から、湿式製膜法が好ましく、半導体材料の粉末あるいはゾルを分散したペースト(分散液)を調製し、電子集電電極基板としての第1の電極の上、あるいはホールブロッキング層の上に塗布する方法がより好ましい。
前記湿式製膜法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。
前記湿式印刷方法としては、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などの様々な方法を用いることができる。
前記半導体材料の分散液を作製する方法としては、例えば、公知のミリング装置等を用いて機械的に粉砕する方法が挙げられる。この方法により、粒子状の半導体材料を単独で、あるいは半導体材料と樹脂の混合物を、水又は溶媒に分散することにより半導体材料の分散液を作製できる。
前記樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒としては、例えば、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、α−テルピネオールなどが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記半導体材料を含む分散液、あるいはゾル−ゲル法等によって得られた前記半導体材料を含むペーストには、粒子の再凝集を防ぐため、酸、界面活性剤、キレート化剤などを添加してもよい。
前記酸としては、例えば、塩酸、硝酸、酢酸などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記キレート化剤としては、例えば、アセチルアセトン、2−アミノエタノール、エチレンジアミンなどが挙げられる。
また、製膜性を向上させる目的で、増粘剤を添加することも有効な手段である。
前記増粘剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどが挙げられる。
さらに、前記半導体材料を塗布した後に、前記半導体材料の粒子間を電子的に接触させ、膜強度や基板との密着性を向上させるために焼成したり、マイクロ波や電子線を照射したり、又はレーザー光を照射することができる。これらの処理は、1種単独で行ってもよく、2種類以上組み合わせて行ってもよい。
前記半導体材料から形成された電子輸送層を焼成する場合には、焼成温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、温度が高すぎると基板の抵抗が高くなったり、溶融したりすることがあることから、30℃以上700℃以下が好ましく、100℃以上600℃以下がより好ましい。また、焼成時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間以上10時間以下が好ましい。
前記半導体材料から形成された電子輸送層をマイクロ波照射する場合には、照射時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以下が好ましい。この場合、前記電子輸送層が形成されている面側から照射してもよく、電子輸送層が形成されていない面側から照射してもよい。
前記半導体材料からなる電子輸送層を焼成した後、前記電子輸送層の表面積の増大や、後述する光増感化合物から半導体材料への電子注入効率を高める目的で、例えば、四塩化チタンの水溶液や有機溶剤との混合溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
直径が数十nmの半導体材料を焼結し得られた膜は、多孔質状を形成することができる。このようなナノ多孔質構造は、非常に高い表面積を有し、その表面積はラフネスファクターを用いて表わすことができる。ラフネスファクターは、第1の基板に塗布した半導体粒子の面積に対する多孔質内部の実面積を表わす数値である。したがって、ラフネスファクターとしては、大きいほど好ましいが、電子輸送層の平均厚みとの関係から、20以上が好ましい。
また、電子輸送性材料の粒子には、リチウム化合物をドーピングしてもよい。具体的には、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)化合物の溶液を、スピンコートなどを用いて電子輸送性材料の粒子の上に堆積させ、その後焼成処理する方法である。
リチウム化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)、過塩素酸リチウム、ヨウ化リチウムなどが挙げられる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光増感化合物などが挙げられる。
<<<光増感化合物>>>
前記光増感化合物は、出力や光電変換効率の更なる向上のため、前記電子輸送層を構成する前記半導体材料の表面に、光増感化合物を吸着される。
前記光増感化合物としては、光電変換素子に照射される光により光励起される化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記の公知の化合物などが挙げられる。
具体的には、J.Phys.Chem.C,7224,Vol.111(2007)等に記載のクマリン化合物、Chem.Commun.,4887(2007)等に記載のポリエン化合物、J.Am.Chem.Soc.,12218,Vol.126(2004)、Chem.Commun.,3036(2003)、Angew.Chem.Int.Ed.,1923,Vol.47(2008)等に記載のインドリン化合物、J.Am.Chem.Soc.,16701,Vol.128(2006)、J.Am.Chem.Soc.,14256,Vol.128(2006)等に記載のチオフェン化合物、シアニン色素、メロシアニン色素、9−アリールキサンテン化合物、トリアリールメタン化合物、J.Phys.Chem.,2342,Vol.91(1987)、J.Phys.Chem.B,6272,Vol.97(1993)、Electroanal.Chem.,31,Vol.537(2002)、J.Porphyrins Phthalocyanines,230,Vol.3(1999)、Angew.Chem.Int.Ed.,373,Vol.46(2007)、Langmuir,5436,Vol.24(2008)等に記載のフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物などが挙げられる。
これらの中でも、金属錯体化合物、クマリン化合物、ポリエン化合物、インドリン化合物、チオフェン化合物が好ましく、三菱製紙株式会社製の下記構造式(7)、下記構造式(8)、下記構造式(9)で表される化合物、更に下記一般式(7)を含む化合物がより好ましい。なお、これらの光増感化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上混合して用いることもできる。
・・・構造式(7)
・・・構造式(8)
・・・構造式(9)
・・・一般式(7)
ただし、前記一般式(7)中、X及びXは酸素原子、硫黄原子、セレン原子を表す。R11は置換基を有していてもよいメチン基を表し、R12は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、R13はカルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、ボロン酸、フェノール類などの酸性基を表し、Z及びZは環状構造を形成する置換基を表し、mは0から2の整数を表す。
前記R11における置換基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、チエニル基、フリル基などのヘテロ環が挙げられる。
前記R12における置換基としてのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−エチルヘキシル基等、アリール基及びヘテロ環基としては、例えば、前述のものが挙げられる。
前記Zとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環などの縮合炭化水素系化合物、チオフェン環、フラン環などのヘテロ環が挙げられ、それぞれ置換基を有していてもよい。前記Zにおける前記縮合炭化水素系化合物、前記ヘテロ環における置換基としては、例えば、前述のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、2−イソプロポキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。
前記Zとしては、例えば、下記に示す(A−1)〜(A−22)などが挙げられる。
前記一般式(7)で表される光増感化合物の具体例としては、例えば、以下に示す例示化合物(B−1)〜(B−36)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電子輸送層の前記半導体材料の表面に、前記光増感化合物を吸着させる方法としては、例えば、光増感化合物の溶液中、又は光増感化合物の分散液中に、半導体材料を含む電子輸送層を浸漬する方法、光増感化合物の溶液、又は光増感化合物の分散液を電子輸送層に塗布して吸着させる方法などを用いることができる。前記光増感化合物の溶液中、又は前記光増感化合物の分散液中に、前記半導体材料を形成した前記電子輸送層を浸漬する方法の場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法などを用いることができる。前記光増感化合物の溶液、又は前記光増感化合物の分散液を、前記電子輸送層に塗布して吸着させる方法の場合は、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法などを用いることができる。また、二酸化炭素などを用いた超臨界流体中で吸着させることも可能である。
前記光増感化合物を半導体材料に吸着させる際には、縮合剤を併用してもよい。
前記縮合剤としては、半導体材料の表面に物理的もしくは化学的に、光増感化合物を結合させるような触媒的作用をするもの、又は化学量論的に作用し、化学平衡を有利に移動させるもののいずれであってもよい。更に、縮合助剤として、チオールやヒドロキシ化合物などを添加してもよい。
前記光増感化合物を溶解、又は分散する溶媒としては、例えば、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光増感化合物は、その種類によっては化合物間の凝集を抑制した方がより効果的に働くものが存在するため、凝集解離剤を併用してもよい。
前記凝集解離剤としては、特に制限はなく、用いる色素に対して適宜選択することができるが、コール酸、ケノデオキシコール酸などのステロイド化合物、長鎖アルキルカルボン酸または長鎖アルキルホスホン酸が好ましい。
前記凝集解離剤の含有量としては、光増感化合物1質量部に対して0.01質量部以上500質量部以下が好ましく、0.1質量部以上100質量部以下がより好ましい。
前記電子輸送層を構成する前記半導体材料の表面に、前記光増感化合物、又は、前記光増感化合物及び前記凝集解離剤を吸着させる際の温度としては、−50℃以上200℃以下が好ましい。吸着時間としては、5秒間以上1,000時間以下が好ましく、10秒間以上500時間以下がより好ましく、1分間以上150時間以下が更に好ましい。吸着させる工程は、暗所で行うことが好ましい。また、吸着させる工程は、静置して行ってもよく、攪拌しながら行ってもよい。
攪拌する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スターラー、ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパーザー、超音波分散等を用いた方法などが挙げられる。
<第2の電極>
前記第2の電極は、ホール輸送層上に、又はホール輸送層における金属酸化物上に形成することができる。また、第2の電極は、第1の電極と同様のものを用いることができ、強度が十分に保たれる場合には支持体は必ずしも必要ではない。
前記第2の電極の材質としては、例えば、金属、炭素化合物、導電性金属酸化物、導電性高分子などが挙げられる。
前記金属としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウムなどが挙げられる。
前記炭素化合物としては、例えば、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェンなどが挙げられる。
前記導電性金属酸化物としては、例えば、ITO、FTO、ATOなどが挙げられる。
前記導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記第2の電極の形成については、用いられる材料の種類やホール輸送層の種類により、適宜ホール輸送層上に塗布、ラミネート、蒸着、CVD、貼り合わせなどの手法により形成可能である。
本発明の光電変換素子においては、前記第1の電極と前記第2の電極の少なくともいずれかは実質的に透明であることが好ましい。前記第1の電極側が透明であり、入射光を第1の電極側から入射させる方法が好ましい。この場合、前記第2の電極側には光を反射させる材料を使用することが好ましく、金属、導電性酸化物を蒸着したガラス、プラスチック、あるいは金属薄膜が好ましく用いられる。また、入射光側に反射防止層を設けることも有効な手段である。
<第2の基板>
前記第2の基板としては、特に制限されるものではなく、公知のものを用いることができ、例えば、ガラス、プラスチックフィルム、セラミック等の基板が挙げられる。前記第2の基板と封止部材との接合部は密着性を上げるため、凹凸部を形成してもよい。
前記凹凸部の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウォーターブラスト法、研磨紙、化学エッチング法、レーザー加工法などが挙げられる。
前記第2の基板と後述する封止部材との密着性を上げる手段としては、例えば、表面の有機物を除去してもよく、親水性を向上させてもよい。第2の基板の表面の有機物を除去する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、UVオゾン洗浄、酸素プラズマ処理などが挙げられる。
<封止部材>
前記封止部材は、少なくとも前記電子輸送層、前記ホール輸送層及び前記第2の電極を光電変換素子の外部環境から遮蔽する。
前記封止部材としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、低融点ガラス樹脂などが挙げられる。
前記アクリル樹脂の硬化物は、分子内にアクリル基を有するモノマーあるいはオリゴマーが硬化されたものであれば、公知のいずれの材料でも使用することが可能である。
前記エポキシ樹脂の硬化物は、分子内にエポキシ基を有するモノマーあるいはオリゴマーが硬化されたものであれば、公知のいずれの材料でも使用することが可能である。
前記エポキシ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水分散型、無溶剤型、固体型、熱硬化型、硬化剤混合型、紫外線硬化型などが挙げられる。これらの中でも、熱硬化型、紫外線硬化型が好ましく、紫外線硬化型がより好ましい。なお、加熱を行うことは可能であり、紫外線硬化した後であっても加熱を行うことが好ましい。
また、前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラック型、環状脂肪族型、長鎖脂肪族型、グリシジルアミン型、グリシジルエ−テル型、グリシジルエステル型などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エポキシ樹脂は、必要に応じて、硬化剤、各種添加剤を含んでもよい。
硬化剤としては、例えば、アミン系、酸無水物系、ポリアミド系、その他の硬化剤などが挙げられる。
前記アミン系硬化剤は、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族ポリアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
前記酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、テトラ及びヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ヘット酸、ドデセニル無水コハク酸などが挙げられる。
前記その他の硬化剤としては、例えば、イミダゾール類、ポリメルカプタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記添加剤としては、例えば、充填材(フィラー)、ギャップ剤、重合開始剤、乾燥剤(吸湿剤)、硬化促進剤、カップリング剤、可とう化剤、着色剤、難燃助剤、酸化防止剤、有機溶剤等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、充填材、ギャップ剤、硬化促進剤、重合開始剤、乾燥剤(吸湿剤)が好ましく、充填材、重合開始剤が特に好ましい。
前記充填材としては、外部環境下の水分や酸素の浸入を抑制する上で有効であるほか、硬化時の体積収縮の低減、硬化時あるいは加熱時のガスの発生量の低減、機械的強度の向上、熱伝導性や流動性の制御等の効果を得ることができ、本発明においても様々な環境でも安定した出力を維持する上で非常に有効である。
光電変換素子の出力特性や耐久性は、外部環境から光電変換素子内部に侵入する水分や酸素の影響だけでなく、封止部材の硬化時、及び加熱時に発生するガスによる影響を無視することができない。特に、加熱時に発生するガスの影響は、高温環境下で保存する場合における出力特性に大きな影響を及ぼす。
この場合、前記封止部材に前記充填材や前記ギャップ剤、前記乾燥剤を含有させることにより、これら自身が水分や酸素の浸入を抑制できるほか、前記封止部材の使用量を低減できることにより、ガスの発生を低減させる効果を得ることができる。これは、硬化時だけでなく、前記光電変換素子を高温環境に保存した際にも有効である。
前記充填材としては、特に制限されるものではなく、公知のものを用いることができ、例えば、結晶性あるいは不定形のシリカ、タルク、アルミナ、窒化アルミ、窒化珪素、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム等の無機充填材が好ましく用いられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記充填材の平均一次粒径としては、0.1μm以上10μm以下が好ましく、1μm以上5μm以下がより好ましい。前記充填材の平均一次粒径が0.1μm以上10μm以下であることにより、水分や酸素の侵入を抑制する効果を十分に得ることができ、粘度が適正となり、前記基板との密着性や脱泡性の向上、あるいは封止部の幅の制御や作業性に対しても有効である。
前記充填材の含有量としては、封止部材の全量に対して、10質量部以上90質量部以下が好ましく、20質量部以上70質量部以下がより好ましい。前記充填材の含有量が10質量部以上90質量部以下であると、水分や酸素の浸入抑制効果が十分に得られ、粘度も適正となり、密着性や作業性も良好となる。
前記ギャップ剤とは、ギャップ制御剤、スペーサー剤とも称され、封止部のギャップを制御することができる。例えば、前記第1の基板、又は前記第1の電極の上に、前記封止部材を付与し、その上に前記第2の基板を載せて封止を行う場合、前記エポキシ樹脂に前記ギャップ剤を混合していることにより、封止部のギャップが前記ギャップ剤のサイズに揃うため、容易に封止部のギャップを制御することができる。
前記ギャップ剤としては、粒状でかつ粒径が均一であり、耐溶剤性や耐熱性が高いものであれば、公知の材料を使用できる。前記エポキシ樹脂と親和性が高く、粒子形状が球形であるものが好ましい。具体的には、ガラスビーズ、シリカ微粒子、有機樹脂微粒子等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ギャップ剤の粒径としては、設定する封止部のギャップに合わせて選択可能であるが、1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましい。
前記重合開始剤は、熱や光を用いて重合を開始させることを目的として添加される材料である。熱を用いて重合を開始させるものを熱重合開始剤、光を用いて重合を開始させるものを光重合開始剤と称することがある。
前記熱重合開始剤は、加熱によってラジカルやカチオンなどの活性種を発生する化合物で、具体的には2,2'−アゾビスブチロニトリル(AIBN)のようなアゾ化合物や、過酸化ベンゾイル(BPO)などの過酸化物等が用いられる。このような開始剤を熱カチオン重合開始剤と称することがある。
前記熱カチオン重合開始剤としてはベンゼンスルホン酸エステルやアルキルスルホニウム塩等が用いられる。
一方、前記光重合開始剤は、エポキシ樹脂の場合、光カチオン重合開始剤が好ましく用いられる。前記エポキシ樹脂に前記光カチオン重合開始剤を混合し、光照射を行うと前記光カチオン重合開始剤が分解して、強酸を発生し、酸が前記エポキシ樹脂の重合を引き起こし、硬化反応が進行する。前記光カチオン重合開始剤は、硬化時の体積収縮が少なく、酸素阻害を受けず、貯蔵安定性が高いといった効果を有する。
前記光カチオン重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタセロン化合物、シラノール・アルミニウム錯体等が挙げられる。
また、光を照射することにより酸を発生する機能を有する光酸発生剤も使用できる。
前記光酸発生剤は、カチオン重合を開始する酸として作用し、例えば、カチオン部とアニオン部からなるイオン性のスルホニウム塩系やヨードニウム塩系などのオニウム塩が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合開始剤の含有量としては、前記封止部材全量に対し、0.5質量部以上10質量部以下が好ましく、1質量部以上5質量部以下がより好ましい。重合開始剤の含有量が0.5質量部以上10質量部以下であると、硬化が適正に進み、未硬化物の残存を低減することができ、ガスの発生量が過剰になるのを防止でき、有効である。
前記乾燥剤は、吸湿剤とも称され、水分を物理的あるいは化学的に吸着、吸湿する機能を有する材料であり、前記封止部材に含有させることにより、耐湿性を更に高めたり、前記アウトガスの影響を低減できたりする場合もあることから有効である。
前記乾燥剤としては、粒子状であるものが好ましく、例えば、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、シリカゲル、モレキュラーシーブ、ゼオライトなどの無機吸水材料が挙げられる。これらの中でも、吸湿量が多いゼオライトが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化促進剤は、硬化触媒とも称され、硬化速度を速めることを目的として用いられ、主に熱硬化型のエポキシ樹脂に用いられる。
前記硬化促進剤としては、例えば、DBU(1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7)やDBN(1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5)等の三級アミンあるいは三級アミン塩、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールや2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール系、トリフェニルホスフィンやテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレ−ト等のホスフィンあるいはホスホニウム塩等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カップリング剤は、分子結合力を高める効果を有し、シランカップリング剤が挙げられ、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低融点ガラス樹脂は、樹脂塗布後に550℃程度の焼成工程により、樹脂成分を分解させた後、赤外線レーザ等により溶融させながら、ガラス基板と密着させる。この時、低融点ガラス成分は金属酸化物層の内部に拡散し、物理的に接合されることで、高い封止性能を得ることができる。また、樹脂成分が消失していることで、アクリル樹脂やエポキシ樹脂のようなアウトガスが発生しないことで、光電変換素子を劣化させることがない。
前記封止部材は、封止材、シール材あるいは接着剤として市販されているエポキシ樹脂組成物が知られており、本発明においても有効に使用することができる。中でも、太陽電池や有機EL素子用途向けに開発、市販されているエポキシ樹脂組成物もあり、本発明において特に有効に使用できる。
前記市販品としては、例えば、商品名:TB3118、TB3114、TB3124、TB3125F(以上、スリーボンド社製)、WorldRock5910、WorldRock5920、WorldRock8723(以上、協立化学産業株式会社製)、WB90US(P)(以上、モレスコ社製)などが挙げられる。
また、エポキシ樹脂組成物は、例えば、特許第4918975号公報、特許第5812275号公報、特許第5835664号公報、特許第5930248号公報、特開2012−136614号公報に開示されており、これらも使用することができる。
また、本発明においては、シート状封止材も有効に使用できる。
前記シート状封止材とは、シート上に予めエポキシ樹脂層を形成したもので、シートはガラスやガスバリア性の高いフィルム等が用いられ、本発明における基板に該当する。シート状封止材を、光電変換素子、又は光電変換素子モジュールの第2の電極の上に貼り付け、その後硬化させることにより、封止部材及び基板を一度に形成することができる。シート上に形成するエポキシ樹脂層の形成パターンにより、光電変換素子の内部に空隙部を設けた構造にすることもでき、有効である。
前記封止部材の位置としては、少なくとも前記電子輸送層、ホール輸送層、及び第2の電極を光電変換素子の外部環境から遮蔽する位置に配されれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電子輸送層、ホール輸送層、及び第2の電極を覆うように、全面に設けてもよいし、第2の電極の上方に基板を配し、封止部材を前記基板の外縁に設け、第1の基板、第1の電極及びホールブロッキング層の少なくともいずれかと接着させてもよい。
後者のように、基板を配し、その外縁に封止部材を設ける構成は、光電変換素子、又は光電変換素子モジュールの内部に空隙部を設けることができる。空隙部は、酸素や湿度を制御することが可能であり、出力の向上や耐久性の向上に有効である。
本発明においては、前記空隙部に特に酸素を含有させることが好ましい。酸素を含有させることによって、ホール輸送層のホール輸送機能を長期にわたって安定に維持することが可能になり、光電変換素子あるいは光電変換素子モジュールの耐久性を向上させることができる。本発明において、封止することによって設けられた光電変換素子内部の空隙部の酸素濃度は、酸素が含有していれば効果が得られるが、1.0体積%以上21.0体積%以下が好ましく、3.0体積%以上15.0体積%以下がより好ましい。
前記空隙部の酸素濃度は、酸素濃度を設定したグローブボックス内で封止を行うことにより制御することができる。酸素濃度の設定は、特定の酸素濃度を有するガスボンベを使用する方法や、窒素ガス発生装置を用いる方法によって行うことができる。グローブボックス内の酸素濃度は、市販されている酸素濃度計あるいは酸素モニターを用いて測定される。
封止によって形成された前記空隙部内の酸素濃度の測定は、例えば、大気圧イオン化質量分析計(API−MS)によって行うことができる。具体的には、光電変換素子、又は光電変換素子モジュールを不活性ガスで満たしたチャンバー内に設置し、チャンバー内で封止を開封し、チャンバー内の気体をAPI−MSで定量分析することにより、空隙部内に含まれる気体中のすべての成分を定量し、その総和に対する酸素の割合を算出することにより、酸素濃度を求めることができる。
酸素以外のガスとしては、不活性ガスが好ましく、窒素やアルゴンなどが挙げられる。
封止を行う際、グローブボックス内は酸素濃度とともに、露点を制御することが好ましく、出力やその耐久性向上に有効である。
露点とは、水蒸気を含む気体を冷却した時、凝結が開始される温度として定義される。 露点としては、0℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましい。下限としては、−50℃以上が好ましい。
また、第2の電極と封止部材との間にパッシベーション層を設けてもよい。パッシベーション層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化シリコンなどが好ましい。
封止部材の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンス法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、凸版、オフセット、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
[実施形態]
以下に、本発明の光電変換素子の一例について、図面を用いて説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、下記構成部材の数、位置、形状等について、本実施の形態に記載されていないものについても、本発明の範疇に含まれる。
図1は、本発明の光電変換素子の一例を示す概略図である。
図1に示すように、光電変換素子101には、第1の基板1上に第1の電極2を有する。第1の電極2上には電子輸送層4を有し、電子輸送層4を構成する電子輸送材料の表面に光増感化合物5を有している。電子輸送層4の上部及び内部にはホール輸送層6を有し、ホール輸送層6の上に第2の電極7を有している。第2の電極7の上方には第2の基板9が配置され、第2の基板9は第1の電極2との間で封止部材8によって固定される。図1に示す光電変換素子101は、第2の電極7及び第2の基板9の間に中空部を有する。中空部を有することにより、中空部内の水分量や酸素濃度を制御することが可能になり、発電性能やその耐久性を向上できるメリットがある。さらに、第2の電極7と第2の基板9が接触していないため、第2の電極7の剥離や破壊を防止することができる。
中空部内の酸素濃度としては、特に制限はなく、自由に選択できるが、0%以上21%以下が好ましく、0.05%以上10%以下がより好ましく、0.1%以上5%以下が更に好ましい。
なお、図示しないが、第1の電極2及び第2の電極7は各々電極取出し端子まで導通する経路を有する。
図2は、本発明の光電変換素子の他の一例を示す概略図であり、第1の基板1と電子輸送層4との間にホールブロッキング層3を有している。ホールブロッキング層3を有することにより、電子とホールの再結合を防止することができ、発電性能の向上に有効である。図2に示される光電変換素子は、図1と同様に第2の電極7及び第2の基板9の間に中空部を有する。
図3は、本発明の光電変換素子の他の一例を示す概略図であり、封止部の中空部を設けずに、図2の中空部を封止部材8で覆った場合の一例である。例えば、封止部材8を第2の電極7上の全面に塗布し、その上に第2の基板9を設ける方法や、前述のシート状封止材を用いる方法により形成できる。この場合、封止内部の中空部を完全に無くしてもよいし、中空部を一部残してもよい。このように、ほぼ全面を封止部材で覆うことにより、第2の基板9が剥離したり、破壊したりすることを低減でき、光電変換素子の機械的強度を高めることが可能になる。
図4は、本発明の光電変換素子の他の一例を示す概略図であり、封止部材8が第1の基板1と第2の基板9に接着されている。このような構成にすることにより、封止部材8の基板との接着性が高くなり、光電変換素子の機械的強度が高まる効果が得られる。また、密着性が高まることにより、水分や酸素の浸入を防ぐ封止効果をより一層高める効果も得ることができる。
(光電変換素子モジュール)
本発明の光電変換素子を以下のように構成した光電変換素子モジュールとすることができる。
本発明の光電変換素子を用いた光電変換素子モジュールは、複数の光電変換素子が隣接して配置され、かつ直列又は並列に接続された光電変換素子配置領域を有し、前記複数の光電変換素子が、下記一般式(1a)及び(1b)の少なくともいずれかで表される環状アルカリ金属塩化合物と、下記一般式(2)で表される塩基性化合物とを含有するホール輸送層を有し、第1の基板、第2の基板、第1の電極、第2の電極、ホールブロッキング層、及び電子輸送層とを有し、さらに必要に応じて、封止部材、その他の部材を有する。
・・・一般式(1a)
ただし、前記一般式(1a)中、Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、又はセシウムを表し、X及びXは、互いに同一であっても異なっていてもよく、カルボニル基、スルホニル基、又はスルホン基を表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
・・・一般式(1b)
ただし、前記一般式(1b)中、Mは、有機カチオンを表し、X及びXは、互いに同一であっても異なっていてもよく、カルボニル基、スルホニル基、又はスルホン基を表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
・・・一般式(2)
ただし、前記一般式(2)中、Ar及びArは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
前記光電変換素子モジュールの各層の構成としては、前記光電変換素子と同様の構成とすることができる。
前記光電変換素子モジュールは、互いに隣接する少なくとも2つの前記光電変換素子において、少なくとも前記ホール輸送層どうしが互いに延設された連続層の形態であってもよい。
また、前記光電変換素子モジュールは、ホールブロッキング層を設ける場合には、互いに隣接する少なくとも2つの前記光電変換素子において、一の前記光電変換素子における前記第1の電極と、他の前記光電変換素子における前記第2の電極とが、少なくとも前記ホール輸送層から前記ホールブロッキング層までを貫通した導通部により電気的に接続される形態であってもよい。
前記光電変換素子モジュールは、一対の基板を有し、かつ直列又は並列に接続された光電変換素子配置領域を前記一対の基板の間に有し、前記封止部材が前記一対の基板に挟持された構成とすることができる。
[実施形態]
以下に、本発明の光電変換素子モジュールの一例について、図面を用いて説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、下記構成部材の数、位置、形状等について、本実施の形態に記載されていないものについても、本発明の範疇に含まれる。
図5は、本発明の光電変換素子モジュールの一例を示す概略図であり、複数の光電変換素子を含み、それらが直列に接続された光電変換素子モジュールのある一部の断面を示す一例である。
図5は、ホール輸送層6を形成した後、貫通部11を形成し、その後、第2の電極7を形成することによって、貫通部11の内部に第2の電極材料が導入され、隣接するセルの第1の電極2bと導通させることができる。なお、図5には図示しないが、第1の電極2a及び第2の電極7bは、更に隣接するセルの電極、あるいは出力取出し端子まで導通する経路を有する。
貫通部11は、第1の電極2を貫通し、第1の基板1まで達していてもよいし、第1の電極2の内部で加工をやめ、第1の基板1にまで達していなくてもよい。
貫通部11の形状を第1の電極2を貫通し、第1の基板1まで到達する微細孔とする場合、貫通部11の面積に対して微細孔の開口面積合計が大きくなりすぎると、第1の電極2の膜断面積が減少することで抵抗値が増大してしまい、光電変換効率の低下を引き起こす場合がある。そのため、前記貫通部11の面積に対する微細孔の開口面積合計の比率としては、5/100以上60/100以下が好ましい。
貫通部11の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨紙、化学エッチング法、レーザー加工法などが挙げられる。これらの中でも、レーザー加工法が好ましい。これにより、微細な孔をサンドやエッチング、レジスト等を使うことなく形成でき、また、清浄に再現性よく加工することが可能となる。また、貫通部11を形成する場合に、ホールブロッキング層3、電子輸送層4、ホール輸送層6、第2の電極7のうち少なくとも一つをレーザー加工法による衝撃剥離によって除去することが可能になる。これにより、積層時にマスクを設ける必要がなく、また、除去と微細な貫通部11の形成を一度に簡易的に行うことができる。
図6は、本発明の光電変換素子モジュールの一例を示す概略図であり、複数の光電変換素子を含み、それらが直列に接続され、セル間の空隙部に梁のように封止部材12を設けた光電変換素子モジュールのある一部の断面を示す一例である。
図2のように、第2の電極7と第2の基板9との間に空隙部を設けた場合、第2の電極7の剥離や破壊を防止できる反面、封止の機械的強度が低下する場合がある。一方、図3のように、第2の電極7と第2の基板9との間を封止部材で満たした場合、封止の機械的強度は高まるが、第2の電極7の剥離が生じる懸念がある。ここで、発電力を高めるためには、光電変換素子モジュールの面積を増加することが有効であるが、空隙部を有する場合には機械的強度の低下が避けられない。
そこで、図6に示すように梁のように封止部材12を設けることにより、第2の電極7の剥離や破壊を防止し、かつ封止の機械的強度を高めることが可能となり、有効である。
封止部材12は、封止部材8と同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
(電子機器)
本発明の電子機器は、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールを有し、更に必要に応じてその他の装置を有する。
(電源モジュール)
本発明の電源モジュールは、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュール有し、更に必要に応じてその他の装置を有する。
本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の具体的な実施形態について説明する。
図7には、前記電子機器として、マウスを用いた一例を示す。
図7に示すように、光電変換素子、及び光電変換素子モジュールと電源IC、さらに蓄電デバイス(電気二重層キャパシタと称することもある)とを組み合わせ、供給される電力をマウスの制御回路の電源に接続する。これにより、マウスを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でマウスを動作させることができ、配線や電池交換が不要なマウスを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、有効である。
図8にはマウスに光電変換素子を実装させた概略図を示した。光電変換素子及び電源IC、蓄電デバイスはマウス内部に実装されるが、光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。また、マウスの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置はこれに限られるものではなく、例えば、マウスを手で覆っていても光が照射される位置に配置することも可能であり、好ましい場合がある。
本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図9には、前記電子機器として、パソコンに用いられるキーボードを用いた一例を示す。
図9に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をキーボードの制御回路の電源に接続する。これにより、キーボードを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でキーボードを動作させることができ、配線や電池交換が不要なキーボードを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、有効である。
図10にはキーボードに光電変換素子を実装させた概略図を示した。光電変換素子及び電源IC、蓄電デバイスはキーボード内部に実装されるが、光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。キーボードの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置はこれに限られるものではない。光電変換素子を組み込むスペースが小さい小型のキーボードの場合には、図11に示すように、キーの一部に小型の光電変換素子を埋め込むことも可能であり、有効である。
本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。 図12には、前記電子機器として、センサを用いた一例を示す。
図12に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をセンサ回路の電源に接続する。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、センサモジュールを構成することが可能となる。センシング対象としては、温湿度、照度、人感、CO、加速度、UV、騒音、地磁気、気圧など、様々なセンサに応用でき、有効である。センサモジュールは、図12に示すように、定期的に測定対象をセンシングし、読み取ったデータをPCやスマートフォンなどに無線通信で送信する構成になっている。
IoT社会の到来により、センサは急増することが予想されている。この無数のセンサの電池を一つ一つ交換するには大きな手間がかかり、現実的ではない。またセンサは、天井や壁など、電池交換しにくい場所にあることも作業性を悪くしている。光電変換素子により電力供給できることもメリットは非常に大きい。また、本発明の光電変換素子は、低照度でも高い出力を得ることができ、かつ出力の光入射角依存性が小さいことから、設置自由度が高いといったメリットも得られる。
本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図13には、前記電子機器として、ターンテーブルを用いた一例を示す。
図13に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をターンテーブル回路の電源に接続する。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、ターンテーブルを構成することが可能となる。
ターンテーブルは、例えば商品を陳列するショーケースなどに用いられるが、電源の配線は見栄えが悪く、また電池交換の際には陳列物を撤去しなければならず、大きな手間がかかっていた。本発明の光電変換素子を用いることで、そのような不具合を解消でき、有効である。
以上、本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器、及び電源モジュールについて説明したが、これらはごく一部であり、本発明の光電変換素子、あるいは光電変換素子モジュールが、これらの用途に限定されるものではない。また、前述の蓄電デバイスとしては、電気二重層キャパシタを用いて説明したが、リチウムイオンキャパシタを用いてもよい。
光電変換素子、及び光電変換素子モジュールは、発生した電流を制御する回路基盤等と組み合わせることにより、例えば、電源装置に応用できる。
電源装置を利用している機器類としては、例えば、電子卓上計算機、腕時計、携帯電話、電子手帳、電子ペーパーなどが挙げられる。
また、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として、光電変換素子を有する電源装置を用いることができる。
<用途>
本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールは、自立型電源として機能させることができ、光電変換によって発生した電力を用いて、装置を動作させることが可能である。本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールは、光が照射されることにより発電することが可能であるため、電子機器を電源に接続したり、あるいは電池交換したりする必要がない。そのため、電源設備がない場所でも電子機器を動作させたり、身に着けて持ち歩いたり、電池交換が困難な場所でも電池を交換することなく、電子機器を動作させたりすることが可能である。また、乾電池を用いる場合は、その分、電子機器が重くなったり、サイズが大きくなったりするため、壁や天井への設置、あるいは持ち運びに支障を来すことがあるが、本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールは、軽量で薄いため、設置自由度が高く、身に着けたり、持ち歩く上でもメリットが大きい。
このように、本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールは、自立型電源として使用でき、様々な電子機器に組み合わせることができる。例えば、電子卓上計算機、腕時計、携帯電話、電子手帳、電子ペーパーなどの表示機器、マウスやキーボードなどのパソコンの付属機器、温湿度センサや人感センサなどの各種センサ機器、ビーコンやGPSなどの発信機、補助灯、リモコン等数多くの電子機器と組み合わせて使用することができる。
本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールは、特に低照度の光でも発電できるため、室内でも、更に薄暗い影のところでも発電することが可能であるため、適用範囲が広い。また、乾電池のように液漏れがなく、ボタン電池のように誤飲することもなく安全性が高い。更に、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として用いることができる。このように、本発明の光電変換素子、及び光電変換素子モジュールと、それが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせることで、軽量で使い勝手がよく、設置自由度が高く、交換が不要で、安全性に優れ、かつ環境負荷低減にも有効な電子機器に生まれ変わることができる。
本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールと、それが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせた電子機器の基本構成図を図14に示す。これは、光電変換素子に光が照射されると発電し、電力を取り出すことができる。機器の回路は、その電力によって動作することが可能になる。
しかし、光電変換素子は周囲の照度によって出力が変化するため、図14に示す電子機器は安定に動作することができない場合がある。この場合、図15に示すように、回路側に安定した電圧を供給するために、光電変換素子と機器の回路の間に光電変換素子用の電源ICを組み込むことが可能であり、有効である。
しかし、光電変換素子は十分な照度の光が照射されていれば発電できるが、発電するだけの照度が足りなくなると、所望の電力が得られなくなり、これが光電変換素子の欠点でもある。この場合には、図16に示すように、電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスを電源ICと機器回路の間に搭載することによって、光電変換素子からの余剰電力を蓄電デバイスに充電することが可能となり、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない場合でも、蓄電デバイスに蓄えられた電力を機器回路に供給することが可能になり、安定に動作させることが可能となる。
このように、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールと、機器回路とを組み合わせた電子機器において、電源ICや蓄電デバイスを組み合わせることで、電源のない環境でも動作可能であり、また電池交換が不要で、安定に駆動させることが可能になり、光電変換素子のメリットを最大限に活かすことができる。
一方、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールは、電源モジュールとしても使用することが可能であり、有用である。例えば、図17に示すように、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換素子モジュールと、光電変換素子用の電源ICを接続すると、光電変換素子が光電変換することによって発生した電力を電源ICにて一定の電圧レベルで供給することが可能な直流電源モジュールを構成することができる。
更に、図18に示すように、電源ICに蓄電デバイスを追加することにより、光電変換素子が発生させた電力を蓄電デバイスに充電することが可能になり、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない状態になっても、電力を供給することが可能な電源モジュールを構成することができる。
図17及び図18に示した本発明の電源モジュールは、従来の一次電池のように電池交換をすることなく、電源モジュールとして使用することが可能である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(光電変換素子の作製)
第1の基板としてのガラス基板上に、第1の電極としてのインジウムドープ酸化錫(ITO)とニオブドープ酸化錫(NTO)を順次スパッタ製膜し、次いでホールブロッキング層として酸化チタンからなる緻密な層(20nm)を酸素ガスによる反応性スパッタにより形成した。
次に、酸化チタン(石原産業株式会社製ST−21)3g、アセチルアセトン0.2g、界面活性剤(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、和光純薬工業株式会社製)0.3gを水5.5g、エタノール1.0gとともに12時間ビーズミル処理を施し、得られた酸化チタン分散液にポリエチレングリコール(#20,000、和光純薬工業株式会社製)1.2gを加えてペーストを作製した。得られたペーストを、ホールブロッキング層上に平均厚みが約1.5μmになるように塗布し、60℃で乾燥後、空気中、550℃で30分間焼成し、多孔質状の電子輸送層を形成した。
電子輸送層を形成したガラス基板を、B−5で表される光増感化合物120mgと、ケノデオキシコール酸(東京化成株式会社製)150mgにアセトニトリル/t−ブタノール(体積比1:1)混合液を加え攪拌した溶液に浸漬し、1時間暗所で静置して、電子輸送層の表面に光増感化合物を吸着させた。
次に、クロロベンゼン溶液1mLにD−7で表される有機ホール輸送材料(SHT−263、メルク株式会社製)150mM、C−58で表される環状アルカリ金属塩化合物であるリチウムヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホニルイミド(東京化成社製)60mM、H−1で表される塩基性化合物130mMを加えて溶解し、ホール輸送層塗布液を調整した。
次に、光増感化合物を吸着させた電子輸送層上に、ホール輸送層塗布液を用い、スピンコートにより約500nmのホール輸送層を形成した。その後、封止部材が設けられるガラス基板の端部をレーザー加工によりエッチング処理し、さらにレーザー加工により端子取り出し部となるITO層に接続するための貫通孔を形成した。さらに、その上に銀を真空蒸着し、約100nmの第2の電極を形成した。
ガラス基板の端部を、発電領域が取り囲まれるように、紫外線硬化樹脂(TB3118、株式会社スリーボンドホールディングス製)をディスペンサー(2300N、株式会社サンエイテック製)を用いて塗布した。その後、露点マイナス40℃かつ酸素濃度を2.5%に制御したグローブボックス内に移して、紫外線硬化樹脂の上に第2の基板としてのカバーガラスを載せ、紫外線照射により硬化させ、発電領域の封止を行い、図1で示される本発明の光電変換素子1を作製した。
(実施例2〜7)
実施例1において、色素、環状アルカリ金属塩化合物、塩基性化合物、及び有機ホール輸送材料を、表1に記載の材料に変更した以外は、実施例1と同様にして、光電変換素子2〜7を作製した。
(実施例8)
実施例3において、F−11で表される3価のコバルト錯体化合物を10mM添加した以外は、実施例3と同様にして、光電変換素子1を作製した。
(実施例9)
実施例8において、G−4で表される超原子価ヨウ素化合物を10mM添加した以外は、実施例8と同様にして、光電変換素子9を作製した。
(比較例1)
実施例1において、アルカリ金属塩化合物をリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、光電変換素子10を作製した。
(比較例2)
実施例1において、アルカリ金属塩化合物をカリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、光電変換素子11を作製した。
(比較例3)
実施例1において、塩基性化合物をジメチルアミノピリジン(DMAP、東京化成社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、光電変換素子12を作製した。
次に、作製した各光電変換素子について、以下のようにして「開放電圧(Voc)維持率及び最大出力電圧(Pmax)維持率」を測定した。結果を表2に示した。
[開放電圧(Voc)維持率及び最大出力電圧(Pmax)維持率]
得られた光電変換素子1について、光強度2000lux又は200luxに調整した白色LED照射下で、太陽電池評価システム(As−510−PV03、株式会社エヌエフ回路設計ブロック製)を用いて、IV特性を評価し、初期の開放電圧Voc1及びVoc2(V)、並びに最大出力電力Pmax1及びPmax2(μW/cm)を測定した。
その後、80℃環境下において500時間保存し、その後常温環境に戻して再度同条件の光源におけるIV特性を評価し、高温保存後の開放電圧Voc3及びVoc4(V)、並びに最大出力電力Pmax3及びPmax4(μW/cm)を測定した。
得られたVoc3を初期値であるVoc1で除することにより、「2000luxにおける高温保存後の開放電圧(Voc)維持率」(Voc3/Voc1)を求めた。
また、得られたPmax3を初期値であるPmax1で除することにより、「2000luxにおける高温保存後の最大出力電圧(Pmax)維持率」(Pmax3/Pmax1)を求めた。
得られたVoc4を初期値であるVoc2で除することにより、「200luxにおける高温保存後の開放電圧(Voc)維持率」(Voc4/Voc2)を求めた。
また、得られたPmax4を初期値であるPmax2で除することにより、「200luxにおける高温保存後の最大出力電圧(Pmax)維持率」(Pmax4/Pmax2)を求めた。結果を表2に示す。
表2の結果に示すように、本発明の光電変換素子は、長時間にわたり高温保存した後においても、200 lux乃至2000 luxなどの低照度光を照射しても、開放電圧及び最大出力電圧の維持率が高く、発電安定性が高いこと、即ち、高温保存後において、低照度光での出力低下を抑制することができることを示した。
また、表2の結果から、実施例1〜9は、比較例1〜3と比べると高温度下に晒された前後において低照度光で特性低下を抑制することができることがわかった。実施例6、8、及び9の結果が示すように、2000lux照射時にも高い開放電圧及び最大出力電圧の維持率を示した。これは、多孔質状の電子輸送層における細孔部においては超原子価ヨウ素化合物が、ホール輸送層においてはコバルト錯体化合物が、それぞれで電子受容性化合物を形成することで、高い耐久性を得ることができたためと考えられる。初期特性は低いが、カリウム塩化合物は、高い耐久性を得ることができた。
本発明の態様としては、例えば、以下の通りである。
<1> 下記一般式(1a)及び(1b)の少なくともいずれかで表される環状アルカリ金属塩化合物と、下記一般式(2)で表される塩基性化合物とを含有するホール輸送層を有することを特徴とする光電変換素子である。
・・・一般式(1a)
ただし、前記一般式(1a)中、Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、又はセシウムを表し、X及びXは、互いに同一であっても異なっていてもよく、カルボニル基、スルホニル基、又はスルホン基を表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
・・・一般式(1b)
ただし、前記一般式(1b)中、Mは、有機カチオンを表し、X及びXは、互いに同一であっても異なっていてもよく、カルボニル基、スルホニル基、又はスルホン基を表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
・・・一般式(2)
ただし、前記一般式(2)中、Ar及びArは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
<2> 前記一般式(1a)で表される環状アルカリ金属塩化合物が、下記一般式(3a)表され、
前記一般式(1b)で表される環状アルカリ金属塩化合物が、下記一般式(3b)で表される、前記<1>に記載の光電変換素子である。
・・・一般式(3a)
ただし、前記一般式(3a)中、Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、又はセシウム、を表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
・・・一般式(3b)
ただし、前記一般式(3b)中、Mは、有機カチオンを表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
<3> 前記Ar及びAr中における前記アリール基が、フェニル基、ナフチル基、及びビフェニル基の少なくともいずれかであり、
前記Ar及びAr中における前記アリール基の置換基が、アルキル基、及びアルコキシ基の少なくともいずれかである、前記<1>から<2>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<4> 前記ホール輸送層が、下記一般式(4)で表される化合物を含有する、前記<1>から<3>のいずれかに記載の光電変換素子である。
・・・一般式(4)
ただし、前記一般式(4)中、R〜R10は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、メチル基、エチル基、t−ブチル基、及びトリフルオロメチル基の少なくともいずれかを表し、Xは、下記構造式(1)〜(4)のいずれかを表す。
BF・・・構造式(1)
PF・・・構造式(2)
・・・構造式(3)
・・・構造式(4)
<5> 前記ホール輸送層が、下記一般式(5)で表されるペルヨージナン化合物又は下記一般式(6)で表されるジアリールヨードニウム塩を含有する、前記<1>から<4>のいずれかに記載の光電変換素子である。
・・・一般式(5)
ただし、前記一般式(5)中、R〜Rは、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を表し、R及びRは、互いに同一であっても異なっていてもよく、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。
・・・一般式(6)
ただし、前記一般式(6)中、Xは、下記構造式(1)〜(4)のいずれかを表す。
BF・・・構造式(1)
PF・・・構造式(2)
・・・構造式(3)
・・・構造式(4)
<6> 更に、電子輸送層を有し、
前記電子輸送層が、光増感化合物が吸着された多孔質状の酸化チタン粒子を含有する、前記<1>から<5>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の光電変換素子を有することを特徴とする電子機器である。
<8> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の光電変換素子を有することを特徴とする電源モジュールである。
前記<1>から<6>のいずれかに記載の光電変換素子、前記<7>に記載の電子機器、及び前記<8>に記載の電源モジュールによると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1 第1の基板
2、2a、2b 第1の電極
3 ホールブロッキング層
4 電子輸送層
5 光増感化合物
6 ホール輸送層
7、7a、7b 第2の電極
8 封止部材
9 第2の基板
10 空隙部
11 貫通部
12 封止部材
101 光電変換素子
102 光電変換素子モジュール
特開2014−14333号公報 特開2018−113305号公報

Claims (7)

  1. 下記一般式(1a)及び(1b)の少なくともいずれかで表される環状アルカリ金属塩化合物と、下記一般式(2)で表される塩基性化合物とを含有するホール輸送層を有することを特徴とする光電変換素子。
    ・・・一般式(1a)
    ただし、前記一般式(1a)中、Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、又はセシウムを表し、X及びXは、互いに同一であっても異なっていてもよく、カルボニル基、スルホニル基、又はスルホン基を表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
    ・・・一般式(1b)
    ただし、前記一般式(1b)中、Mは、有機カチオンを表し、X及びXは、互いに同一であっても異なっていてもよく、カルボニル基、スルホニル基、又はスルホン基を表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
    ・・・一般式(2)
    ただし、前記一般式(2)中、Ar及びArは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
  2. 前記一般式(1a)で表される環状アルカリ金属塩化合物が、下記一般式(3a)表され、
    前記一般式(1b)で表される環状アルカリ金属塩化合物が、下記一般式(3b)で表される、請求項1に記載の光電変換素子。
    ・・・一般式(3a)
    ただし、前記一般式(3a)中、Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、又はセシウム、を表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
    ・・・一般式(3b)
    ただし、前記一般式(3b)中、Mは、有機カチオンを表し、Xは、フッ素原子又は置換基を有していてもよい、アルケニル基、又はアリーレン基を表す。
  3. 前記ホール輸送層が、下記一般式(4)で表される化合物を含有する、請求項1から2のいずれかに記載の光電変換素子。
    ・・・一般式(4)
    ただし、前記一般式(4)中、R〜R10は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、メチル基、エチル基、t−ブチル基、及びトリフルオロメチル基の少なくともいずれかを表し、Xは、下記構造式(1)〜(4)のいずれかを表す。
    BF・・・構造式(1)
    PF・・・構造式(2)
    ・・・構造式(3)
    ・・・構造式(4)
  4. 前記ホール輸送層が、下記一般式(5)で表されるペルヨージナン化合物又は下記一般式(6)で表されるジアリールヨードニウム塩を含有する、請求項1から3のいずれかに記載の光電変換素子。
    ・・・一般式(5)
    ただし、前記一般式(5)中、R〜Rは、互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を表し、R及びRは、互いに同一であっても異なっていてもよく、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。
    ・・・一般式(6)
    ただし、前記一般式(6)中、Xは、下記構造式(1)〜(4)のいずれかを表す。
    BF・・・構造式(1)
    PF・・・構造式(2)
    ・・・構造式(3)
    ・・・構造式(4)
  5. 更に、電子輸送層を有し、
    前記電子輸送層が、光増感化合物が吸着された多孔質状の酸化チタン粒子を含有する、請求項1から4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の光電変換素子を有することを特徴とする電子機器。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の光電変換素子を有することを特徴とする電源モジュール。

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