JP7600618B2 - 光電変換素子及び光電変換モジュール - Google Patents

光電変換素子及び光電変換モジュール Download PDF

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Description

本発明は、光電変換素子及び光電変換モジュールに関する。
近年、電子回路における駆動電力が非常に少なくなり、微弱な電力(μWオーダー)でもセンサ等の様々な電子部品を駆動することができるようになっている。また、センサの活用に際し、その場で発電し消費できる自立型電源として環境発電素子への応用が期待されている。これらの中でも、光電変換素子の一種である太陽電池は、光があれば、微弱光であっても、どこでも発電できる素子として注目を集めている。
光電変換素子としては、例えば、光電変換特性を低下させることなく、電気抵抗の低い出力取り出しが可能となる光電変換素子を提供するために、第一の基板と、前記第一の基板上に配置された第一の透明電極と、前記第一の透明電極上に配置されたホールブロッキング層と、前記ホールブロッキング層上に配置され、表面に光増感化合物を吸着させた電子輸送性半導体からなる電子輸送層と、前記電子輸送層と接続し、ホール輸送材料からなるホール輸送層と、前記ホール輸送層上に配置された第二の電極と、を有し、前記ホールブロッキング層を貫通する複数の微細孔により、外部に電力を取り出すための出力取り出し端子部が形成されている光電変換素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、低照度光においても、良好な光電変換性を有し、経時安定性に優れる光電変換素子を提供するために、第1の電極と、光増感化合物を有する電子輸送層と、ホール輸送層と、第2の電極とを有する光電変換素子であって、前記ホール輸送層が、p型半導体材料、及び塩基性化合物を有し、前記ホール輸送層のイオン化ポテンシャルが、前記p型半導体材料のイオン化ポテンシャルを超え、かつ、前記p型半導体材料のイオン化ポテンシャルの1.07倍未満であり、前記光増感化合物のイオン化ポテンシャルが、前記ホール輸送層のイオン化ポテンシャルを超え、前記塩基性化合物の酸解離定数(pKa)が、6以上10以下である光電変換素子が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、低照度から高照度まで優れた出力の直線性を有する光電変換素子を提供することを課題とする。
上記の目的を達成するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
第1の電極、ホールブロッキング層、光電変換層、第2の電極、及び第3の電極を有する光電変換素子であって、
前記第1の電極、前記ホールブロッキング層、前記光電変換層、及び前記第2の電極が積層されてなる光電変換部と、
前記第2の電極が前記第3の電極と接触している電極接触部と、
前記光電変換部と前記電極接触部とを区画する区画部と、を有し、
前記電極接触部において前記第2の電極と前記第3の電極とが接触している面積(S1)と、前記光電変換部の面積(S2)とが、下記式(1)を満たし、
200luxでの初期最大出力電力をPmax1、20000luxでの初期最大出力電力をPmax2とした時、出力の直線性(Pmax2/Pmax1)が80%以上120%以下である光電変換素子。
1.0×10-5 ≦ 100×(S1/S2)≦2.44 ・・・式(1)
本発明によると、低照度から高照度まで優れた出力の直線性を有する光電変換素子を提供することができる。
図1Aは、光電変換素子の一例を説明するための図である(その1)。 図1Bは、光電変換素子の一例を説明するための図である(その2)。 図1Cは、光電変換素子の一例を説明するための図である(その3)。 図1Dは、光電変換素子の一例を説明するための図である(その4)。 図1Eは、光電変換素子の一例を説明するための図である(その5)。 図2は、光電変換素子の他の一例を説明するための図である。 図3は、電極接触部における貫通孔の一例の図である。 図4は、光電変換素子の他の一例の断面図である。 図5Aは、光電変換素子の製造方法の一例を説明するための図である(その1)。 図5Bは、光電変換素子の製造方法の一例を説明するための図である(その2)。 図5Cは、光電変換素子の製造方法の一例を説明するための図である(その3)。 図5Dは、光電変換素子の製造方法の一例を説明するための図である(その4)。 図5Eは、光電変換素子の製造方法の一例を説明するための図である(その5)。 図5Fは、光電変換素子の製造方法の一例を説明するための図である(その6)。 図6は、電子機器としてマウスを用いた一例を示す概略図である。 図7は、マウスに光電変換素子を実装した一例を示す概略図である。 図8は、電子機器としてパソコンに用いられるキーボードを用いた一例を示す概略図である。 図9は、キーボードに光電変換素子を実装した一例を示す概略図である。 図10は、キーボードのキーの一部に小型の光電変換素子を実装した一例を示す概略図である。 図11は、電子機器としてセンサを用いた一例を示す概略図である。 図12は、電子機器としてターンテーブルを用いた一例を示す概略図である。 図13は、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換モジュールと、光電変換素子及び/又は光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせた電子機器の一例を示す概略図である。 図14は、図13において光電変換素子と機器の回路との間に光電変換素子用の電源ICを組み込んだ一例を示す概略図である。 図15は、図14において、蓄電デバイスを電源ICと機器の回路との間に組み込んだ一例を示す概略図である。 図16は、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換モジュールと、電源ICとを有する電源モジュールの一例を示す概略図である。 図17は、図16において電源ICに蓄電デバイスを追加した電源モジュールの一例を示す概略図である。 図18Aは、光電変換モジュールの一例を示す図である(その1)。 図18Bは、光電変換モジュールの一例を示す図である(その2)。 図19Aは、光電変換モジュールにおける互いに隣接する光電変換素子間の一例を示す断面概略図である。 図19Bは、互いに隣接する光電変換素子間において、電子輸送層及びホール輸送層の少なくともどちらか一方が延設されていない光電変換モジュールの一例を示す断面概略図である。 図19Cは、互いに隣接する光電変換素子間において、電子輸送層及びホール輸送層の少なくともどちらか一方が延設されていない光電変換モジュールの他の一例を示す断面概略図である。 図19Dは、互いに隣接する光電変換素子間において、光電変換層が延設されていない光電変換モジュールの一例を示す断面概略図である。 図19Eは、互いに隣接する光電変換素子間において、光電変換層が延設されていない光電変換モジュールの他の一例を示す断面概略図である。 図19Fは、互いに隣接する光電変換素子間において、光電変換層が延設されていない光電変換モジュールの他の一例を示す断面概略図である。 図19Gは、互いに隣接する光電変換素子間において、光電変換層が延設されていない光電変換モジュールの他の一例を示す断面概略図である。 図19Hは、互いに隣接する光電変換素子間において、光電変換層が延設されていない光電変換モジュールの他の一例を示す断面概略図である。 図19Iは、互いに隣接する光電変換素子間において、光電変換層が延設されていない光電変換モジュールの他の一例を示す断面概略図である。 図19Jは、互いに隣接する光電変換素子間において、光電変換層が延設されていない光電変換モジュールの他の一例を示す断面概略図である。 図19Kは、互いに隣接する光電変換素子間において、光電変換層が延設されていない光電変換モジュールの他の一例を示す断面概略図である。
(光電変換素子)
本発明における光電変換素子は、第1の電極、ホールブロッキング層、光電変換層、第2の電極、及び第3の電極を少なくとも有し、更に必要に応じて、基材などのその他の部材を有する。
前記光電変換素子は、光電変換部と、電極接触部と、区画部とを有する。
前記光電変換部は、前記第1の電極、前記ホールブロッキング層、前記光電変換層、及び前記第2の電極が積層されてなる。
前記電極接触部においては、前記第2の電極が前記第3の電極と接触している。
前記区画部は、前記光電変換部と前記電極接触部とを区画する。前記区画部は、前記光電変換部で生成した電流が前記電極接触部でリーク及び短絡することを防ぐものである。
前記光電変換部とは、光電変換が実効的に働く箇所である。
前記電極接触部とは、例えば、光電変換部において生じた電気エネルギーを素子外に取り出す箇所、又は素子内に電流を取り込む箇所である。そのため、例えば、光電変換素子が太陽電池の場合、前記第3の電極は、電流取り出し電極であり、前記電極接触部は、電流取り出し部ということができる。
なお、前記電極接触部の全面において前記第2の電極と前記第3の電極とが接触している必要はない。
前記光電変換素子においては、前記電極接触部において前記第2の電極と前記第3の電極とが接触している面積(S1)と、前記光電変換部の面積(S2)とが、下記式(1)を満たす。
1.0×10-5 ≦ 100×(S1/S2) ・・・式(1)
そうすることにより、低照度から高照度まで優れた出力の直線性を有する光電変換素子が得られる。より好ましくは、下記式(1-1)を満たすものである。
1.0×10-4 ≦ 100×(S1/S2) ・・・式(1-1)
100×(S1/S2)が、1.0×10-5を下回ると、低照度から高照度までの出力の直線性が低下する。特に、直列抵抗Rsの増大から取り出し電流が低下する。これは、高照度側で顕著である。
ここでの低照度とは、200luxを指し、高照度とは、20000luxを指す。
前記面積(S1)が前記面積(S2)に対して大きすぎると、光電変換素子の外形に対する単位面積当たりの出力が低下する。その点において、前記面積(S1)と、前記面積(S2)とは、下記式(1-2)を満たすことが好ましい。
1.0×10-5 ≦ 100×(S1/S2)≦ 10.0 ・・・式(1-2)
より好ましくは、下記式(1-3)を満たすものであり、更に好ましくは、下記式(1-4)を満たすものである。
1.0×10-5 ≦ 100×(S1/S2)≦ 3.0 ・・・式(1-3)
1.0×10-5 ≦ 100×(S1/S2)≦ 1.0 ・・・式(1-4)
前記光電変換素子においては、前記区画部を介して前記電極接触部に前記光電変換層が延在しており、前記電極接触部において、前記第2の電極が前記電極接触部に延在した前記光電変換層を貫通して前記第3の電極と接触していることが、リーク電流の低減及び短絡リスクの低減の点で好ましい。電極間が想定外の場所で接触すると短絡してしまうため、必要箇所以外は半導体層あるいは絶縁層を介し、電気的に短絡しないようにする方が好ましく、また、光電変換素子を押したり、曲げたりといった応力が加わったとき電極間が触れる確率を減らすため物理的に電極間距離を長くすることも有用である。
前記光電変換層は、例えば、電子輸送層、及びホール輸送層を有する。
前記区画部における前記光電変換部側の端から前記電極接触部側の端までの幅が、前記電子輸送層の平均厚みの100倍以上であること好ましい。そうすることにより、前記光電変換部で生成した電流が前記電極接触部でリークすることを防ぐという前記区画部の機能がより顕著になる。上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記区画部が広いと、光電変換素子の外形に対する単位面積当たりの出力が低下する。その点で、前記区画部における前記光電変換部側の端から前記電極接触部側の端までの幅は、前記電子輸送層の平均厚みの1000倍以下であることが好ましく、より好ましくは500倍以下であり、更に好ましくは300倍以下である。
以下、光電変換素子の実施態様を、図面を用いて説明する。
図1A~図1Eを用いて、光電変換素子の一例を説明する。
図1Aは、光電変換素子の断面図である。この断面図は、光電変換素子の光電変換部51の断面図である。そのため、図1Aに電極接触部、及び区画部は図示されていない。
光電変換素子の光電変換部51は、基板1、第1の電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5をこの順で有する。
光電変換層4は、電子輸送層14及びホール輸送層24を有する。
図1Bは、図1Aの光電変換素子全体をXの方向から見た図である。ここで、図1Bにおいては、光電変換部、電極接触部、及び区画部を説明し易いように、基板1を省略している。光電変換素子は、図1Bに示すように、多くの面積を占める光電変換部51と、光電変換素子の端部に形成された電極接触部52と、光電変換部51及び電極接触部52を区画する区画部53を有する。光電変換部51には、第1の電極2が配されている。電極接触部52には、第3の電極12が配されている。第1の電極2と第3の電極12とは同一平面上にある。区画部53においては、第1の電極2と第3の電極12とが接しないようになっている。
また、図1Bの光電変換素子を上下方向に180°回転させた図を、図1Cに示す。光電変換素子は、光電変換部51、区画部53、及び電極接触部52に跨る第2の電極5を有する。なお、区画部53において、内側に第2の電極5は窪んでいる。また、電極接触部52において、第3の電極12と接触する箇所において、第2の電極5は内側に窪んでいる。
図1B及び図1CのA-B線に沿った断面を図1Dに示す。
電極接触部52において、第2の電極5は、第3の電極12と接している。
光電変換層4は区画部53を介して電極接触部52に延在している。そして、電極接触部52において、第2の電極5は、電極接触部52に延在した光電変換層4を貫通して第3の電極12と接触している。
A-B線は、貫通孔を通る線である。
なお、第1の電極2又は第3の電極12、ホールブロッキング層3、光電変換層4、及び第2の電極5の合計の厚みは、一例として、1μm~3μmである。それに対して、貫通孔の直径は、一例として、5μm~85μmである。
図1Dにおいて、電極接触部52の第2の電極5は、複数の貫通孔を介して基板1と接触している。電極接触部52において第2の電極5を第3の電極12と接触させるために形成された光電変換層を貫通する貫通孔の合計の面積(S11)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低照度から高照度までの出力の直線性と光電変換素子の外形に対する単位面積当たりの出力の両立の点から、下記式(2)を満たすことが好ましい。より好ましくは、下記式(2-1)を満たすものであり、更に好ましくは、下記式(2-2)を満たすものである。
1.0×10-3 ≦ 100×(S11/S2) ≦ 10.0 ・・・式(2)
1.0×10-3 ≦ 100×(S11/S2) ≦ 5.0 ・・・式(2-1)
1.0×10-3 ≦ 100×(S11/S2) ≦ 3.0 ・・・式(2-2)
区画部53における光電変換部51側の端から電極接触部52側の端までの幅(W)は、例えば、電子輸送層14の平均厚みの100倍以上である。
ここで、電極接触部52において第2の電極5と第3の電極12とが接触している面積(S1)とは、第2の電極5と、第3の電極12とが直接接触している個所の合計の接触面積であり、図1Dにおいて破線の楕円で囲った接触箇所の合計の接触面積である。この接触面積は、例えば、第3の電極12の厚み、及び貫通孔の直径から計算により求めることができる。
なお、外部から内部又は内部から外部への電流の移動に寄与しない接触箇所については、面積(S1)に含めない。例えば、後述する図3の態様の電極接触部52において、複数の貫通孔が一体化した貫通孔13における個々の貫通孔によって囲まれたひし形の部分においては、第2の電極5と第3の電極12とが接触している場合があるが、その場所は、外部から内部又は内部から外部への電流の移動に寄与しない。そのため、ひし形の部分において、第2の電極5と第3の電極12とが接触していたとしても、その接触面積は面積(S1)には含まない。
一方、図1CのA’-B’線に沿った断面を図1Eに示す。A’-B’線は貫通孔を通らない線である。
電極接触部52において、貫通孔以外の箇所には、光電変換部51の光電変換層4が区画部53を介して延在していることが確認できる。
図1Dにおいては、電極接触部52の第2の電極5は、貫通孔を介して基板1と接触しているが、図2に示すように、電極接触部52の第2の電極5は、第3の電極12と接触しているものの、基板1と接触していなくてもよい。
ここで、電極接触部52において第2の電極5と第3の電極12とが接触している面積(S1)とは、第2の電極5と第3の電極12とが直接接触している個所の合計の接触面積であり、図2において破線の楕円で囲った接触箇所の合計の接触面積である。この接触面積は、例えば、貫通孔の直径から計算により求めることができる。
また、光電変換部の面積(S2)については、例えば、光電変換部51における第2の電極5の面積を、面積(S2)とすることができる。
図1Dにおいては、電極接触部52の第2の電極5は、独立した複数の貫通孔を介して第3の電極12と接触している。しかし、電極接触部52におけるホールブロッキング層3及び光電変換層4を貫通する貫通孔は、独立した複数の貫通孔である必要はなく、例えば、図3に示すような、複数の貫通孔が一体化した貫通孔13であってもよい。図3は、光電変換素子を第2の電極5側から見たときの、電極接触部52の一例の拡大図である。複数の貫通孔が一体化した貫通孔13に第2の電極5が入り込み、貫通孔13に追従する凹みが生じている。
貫通孔13の形状は特に限定されるものでなく、立方状、円柱状、4角錐状、すり鉢状など、適宜選択できる。好ましくは、すり鉢状であり、すり鉢状であると斜面に沿って第2の電極を安定した膜厚で製膜することができる。
図4は、光電変換素子の他の一例の断面図である。
図4の光電変換素子10は、図1Aの光電変換素子10において、電子輸送層14を、表面に光増感化合物を吸着させた電子輸送性半導体微粒子14Pで作製した例である。この場合、電子輸送層14において、ホール輸送層24を構成するホール輸送材料が、電子輸送性半導体微粒子14Pの間に存在している。
<基板>
前記基板としては、その形状、構造、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基板の材質としては、透光性及び絶縁性を有するものが好ましい。そのような材質としては、例えば、ガラス、プラスチック板、プラスチックフィルム、プラスチック膜、セラミック、無機物透明結晶体等の基板が挙げられる。これらの中でも、電子輸送層を形成する際に焼成する工程を含む場合は、焼成温度に対して耐熱性を有する材質のものが好ましい。また、基板としては、可とう性を有するものが好ましい。
前記基板の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50μm以上5mm以下などが挙げられる。
<第1の電極>
前記第1の電極としては、その形状、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第1の電極の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一層構造であってもよいし、複数の材料を積層する構造であってもよい。
第1の電極の材質としては、導電性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、透明導電性金属酸化物、カーボン、金属などが挙げられる。
前記透明導電性金属酸化物としては、例えば、インジウム・スズ酸化物(以下、「ITO」と称する)、フッ素ドープ酸化スズ(以下、「FTO」と称する)、アンチモンドープ酸化スズ(以下、「ATO」と称する)、ニオブドープ酸化スズ(以下、「NTO」と称する)、アルミドープ酸化亜鉛(以下、「AZO」と称する)、インジウム・亜鉛酸化物、ニオブ・チタン酸化物などが挙げられる。
前記カーボンとしては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンなどが挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、銀、アルミニウム、ニッケル、インジウム、タンタル、チタンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、透明性が高い透明導電性金属酸化物が好ましく、ITO、FTO、ATO、NTO、AZOがより好ましい。
前記第1の電極の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm以上100μm以下が好ましく、50nm以上10μm以下がより好ましい。なお、第1の電極の材質がカーボンや金属の場合には、第1の電極の平均厚みとしては、透光性を得られる程度の平均厚みにすることが好ましい。
前記第1の電極は、スパッタ法、蒸着法、スプレー法等の公知の方法などにより形成することができる。
また、前記第1の電極は、前記基板上に形成されることが好ましく、予め基板上に第1の電極が形成されている一体化された市販品を用いることができる。
一体化された市販品としては、例えば、FTOコートガラス、ITOコートガラス、酸化亜鉛:アルミニウムコートガラス、FTOコート透明プラスチックフィルム、ITOコート透明プラスチックフィルムなどが挙げられる。他の一体化された市販品としては、例えば、酸化スズ若しくは酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、又はメッシュ状やストライプ状等の光が透過できる構造にした金属電極を設けたガラス基板などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して混合又は積層したものでもよい。また、電気的抵抗値を下げる目的で、金属リード線などを併用してもよい。
また、一体化された市販品における電極を適宜加工して、後述する光電変換モジュールを作製するために、複数の第1の電極が形成された基板を作製してもよい。
前記金属リード線の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケルなどが挙げられる。
前記金属リード線は、例えば、蒸着、スパッタリング、圧着などで基板に形成し、その上にITOやFTOの層を設ける、あるいはITOやFTOの上に設けることにより併用することができる。
<ホールブロッキング層>
前記ホールブロッキング層は、例えば、電解質が電極と接して、電解質中のホールと電極表面の電子が再結合(いわゆる逆電子移動)することによる電力低下を抑制するために設けられる。前記ホールブロッキング層の効果は、固体型色素増感型太陽電池において特に顕著である。これは、電解液を用いた湿式色素増感太陽電池と比較し、有機ホール輸送材料等を用いた固体型色素増感型太陽電池はホール輸送材料中のホールと電極表面の電子の再結合(逆電子移動)速度が速いことに起因している。
前記ホールブロッキング層は、例えば、前記第1の電極上に配置されている。
前記ホールブロッキング層の材料としては、可視光に対して透明であり、かつ電子輸送性材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の単体半導体、金属のカルコゲニドに代表される化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などが挙げられる。
金属のカルコゲニドとしては、例えば、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタルの酸化物;カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物;カドミウム、鉛のセレン化物;カドミウムのテルル化物などが挙げられる。他の化合物半導体としては、例えば、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物;ガリウム砒素、銅-インジウム-セレン化物、銅-インジウム-硫化物などが挙げられる。
ペロブスカイト構造を有する化合物としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどが挙げられる。
これらの中でも、酸化物半導体が好ましく、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化スズがより好ましく、酸化チタンが更に好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、単層としても積層してもよい。また、これらの半導体の結晶型は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単結晶でもよいし、多結晶でもよいし、あるいは非晶質でもよい。
ホールブロッキング層の製膜方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿式製膜のゾルゲル法、四塩化チタンからの加水分解法、乾式製膜のスパッタリング法などが挙げられる。これらの中でも、スパッタリング法が好ましい。ホールブロッキング層の製膜方法がスパッタリング法であると、膜密度を十分に高くでき、損失電流を抑制することができる。
前記ホールブロッキング層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、透過率及び逆電子移動抑制の観点から、5nm以上1,000nm以下が好ましく、湿式製膜では500nm以上700nm以下がより好ましく、乾式製膜では5nm以上30nm以下がより好ましい。
<光電変換層>
前記光電変換層は、電子輸送層と、ホール輸送層とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<<電子輸送層>>
前記電子輸送層は、電子輸送性半導体を有する。
前記電子輸送層は、表面に光増感化合物を吸着させた電子輸送性半導体を有することが好ましい。
前記電子輸送層は、光増感化合物で生成された電子を第1の電極あるいはホールブロッキング層まで輸送する目的で形成される。このため、電子輸送層は、第1の電極あるいはホールブロッキング層に隣接して配置されることが好ましい。
前記電子輸送層は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
前記電子輸送性半導体としては、電子輸送性半導体微粒子が好ましく用いられる。
多層の場合、粒径の異なる半導体微粒子の分散液を多層塗布することも、種類の異なる半導体や、樹脂、添加剤の組成が異なる塗布層を多層塗布することもできる。
なお、一度の塗布で膜厚が不足する場合には、前記多層塗布は有効な手段である。
一般的に、前記電子輸送層の平均厚みが増大するほど単位投影面積当たりの担持光増感材料量も増えるため光の捕獲率が高くなるが、注入された電子の拡散距離も増えるため、電荷の再結合によるロスも大きくなってしまう。したがって、前記電子輸送層の平均厚みは、50nm以上100μm以下が好ましく、100nm以上50μm以下がより好ましく、120nm以上10μm以下が更に好ましい。
前記電子輸送性半導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の単体半導体、金属のカルコゲニドに代表される化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属のカルコゲニドとしては、例えば、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタルの酸化物;カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物;カドミウム、鉛のセレン化物、カドミウム等のテルル化物などが挙げられる。
他の化合物半導体としては、例えば、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム砒素、銅-インジウム-セレン化物、銅-インジウム-硫化物などが挙げられる。
前記ペロブスカイト構造を有する化合物としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどが挙げられる。
前記電子輸送性半導体の中でも、酸化物半導体が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブがより好ましい。
前記電子輸送性半導体の結晶型については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、単結晶、多結晶、及び非晶質のいずれでも構わない。
前記半導体微粒子のサイズとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一次粒子の平均粒径は1nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上50nm以下がより好ましい。
また、より大きい平均粒径の半導体微粒子を混合又は積層して入射光を散乱させる効果により、効率を向上させることも可能である。この場合、前記半導体微粒子の平均粒径は50nm以上500nm以下が好ましい。
前記電子輸送層の作製方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コスト等を考慮した場合、湿式製膜法が好ましく、半導体微粒子又はゾルを分散したペーストを調製し、前記第1の電極の上、又は前記ホールブロッキング層上に塗布する方法が特に好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法として、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
前記半導体微粒子の分散液を機械的粉砕、又はミルを使用して作製する場合、少なくとも半導体微粒子単独、又は半導体微粒子と樹脂の混合物を水又は有機溶剤に分散して形成される。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒としては、例えば、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、α-テルピネオールなどが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1-クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン、1,5-ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記半導体微粒子の分散液、あるいはゾルゲル法等によって得られた前記半導体微粒子のペーストには、粒子の再凝集を防ぐため、酸、界面活性剤、キレート化剤などを添加してもよい。
前記酸としては、例えば、塩酸、硝酸、酢酸などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記キレート化剤としては、例えば、アセチルアセトン、2-アミノエタノール、エチレンジアミンなどが挙げられる。
また、製膜性を向上させる目的で、増粘剤を添加することも有効な手段である。
前記増粘剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどが挙げられる。
前記半導体微粒子は、塗布した後に粒子同士を電子的にコンタクトさせ、膜強度の向上や基板との密着性を向上させるために焼成、マイクロ波照射、電子線照射、レーザー光照射を行うことが好ましい。これらの処理は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
前記焼成する場合、焼成温度については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、温度を上げ過ぎると基板の抵抗が高くなったり、溶融したりすることがあるため、30℃以上700℃以下が好ましく、100℃以上600℃以下がより好ましい。焼成時間については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間以上10時間以下が好ましい。
前記マイクロ波照射は、電子輸送層形成側から照射しても、裏側から照射しても構わない。前記マイクロ波の照射時間については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以内で行うことが好ましい。
焼成後、半導体微粒子の表面積の増大や、光増感化合物から半導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば、四塩化チタンの水溶液や有機溶剤との混合溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
直径が数十nmの半導体微粒子を焼結等によって積層した膜は、多孔質状態を形成する。このナノ多孔構造は、非常に高い表面積を持ち、その表面積はラフネスファクターを用いて表わすことができる。
前記ラフネスファクターは、基板に塗布した半導体微粒子の面積に対する多孔質内部の実面積を表す数値である。したがって、前記ラフネスファクターは大きいほど好ましいが、電子輸送層の膜厚との関係から、20以上が好ましい。
<<光増感化合物>>
本発明においては、変換効率の更なる向上のため、光増感化合物を電子輸送層の電子輸送性半導体の表面に吸着させることが好ましい。
前記光増感化合物は、使用される励起光により光励起される化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特表平7-500630号公報、特開平10-233238号公報、特開2000-26487号公報、特開2000-323191号公報、特開2001-59062号公報等に記載の金属錯体化合物;特開平10-93118号公報、特開2002-164089号公報、特開2004-95450号公報、J.Phys.Chem.C,7224,Vol.111(2007)等に記載のクマリン化合物;特開2004-95450号公報、Chem.Commun.,4887(2007)等に記載のポリエン化合物;特開2003-264010号公報、特開2004-63274号公報、特開2004-115636号公報、特開2004-200068号、特開2004-235052号公報、J.Am.Chem.Soc.,12218,Vol.126(2004)、Chem.Commun.,3036(2003)、Angew.Chem.Int.Ed.,1923,Vol.47(2008)等に記載のインドリン化合物;J.Am.Chem.Soc.,16701,Vol.128(2006)、J.Am.Chem.Soc.,14256,Vol.128(2006)等に記載のチオフェン化合物;特開平11-86916号公報、特開平11-214730号公報、特開2000-106224号公報、特開2001-76773号公報、特開2003-7359号公報等に記載のシアニン色素;特開平11-214731号公報、特開平11-238905号公報、特開2001-52766号公報、特開2001-76775号公報、特開2003-7360号等に記載メロシアニン色素;特開平10-92477号公報、特開平11-273754号公報、特開平11-273755号公報、特開2003-31273号等に記載の9-アリールキサンテン化合物;特開平10-93118号公報、特開2003-31273号等に記載のトリアリールメタン化合物;特開平9-199744号公報、特開平10-233238号公報、特開平11-204821号公報、特開平11-265738号、J.Phys.Chem.,2342,Vol.91(1987)、J.Phys.Chem.B,6272,Vol.97(1993)、Electroanal.Chem.,31,Vol.537(2002)、特開2006-032260号公報、J.Porphyrins Phthalocyanines,230,Vol.3(1999)、Angew.Chem.Int.Ed.,373,Vol.46(2007)、Langmuir,5436,Vol.24(2008)等に記載のフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物などが挙げられる。これらの中でも、金属錯体化合物、クマリン化合物、ポリエン化合物、インドリン化合物、チオフェン化合物が好ましく、三菱製紙株式会社製の下記構造式(1)、下記構造式(2)、下記構造式(3)で表される化合物、更に下記一般式(3)を含む化合物がより好ましい。なお、これらの光増感化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上混合して用いることもできる。
Figure 0007600618000004
前記一般式(3)において、X、及びXは、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、又はセレン原子を表す。
は置換基を有していてもよいメチン基を表す。その置換基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、チエニル基、フリル基などのヘテロ環が挙げられる。
は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、2-プロピル基、2-エチルヘキシル基等、アリール基及びヘテロ環基としては前述のものが挙げられる。
はカルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、ボロン酸、フェノール類などの酸性基を表す。Rは、1つであってもよいし、複数であってもよい。
Z1、及びZ2は、それぞれ独立して、環状構造を形成する置換基を表す。
Z1は、ベンゼン環、ナフタレン環などの縮合炭化水素系化合物、チオフェン環、フラン環などのヘテロ環が挙げられ、それぞれ置換基を有していてもよい。その置換基の具体例としては前述のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、2-イソプロポキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。
Z2は、それぞれ下記に示す(A-1)~(A-22)が挙げられる。
上記一般式(3)を含む光増感化合物の具体例としては、以下に示す(B-1)~(B-36)が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
前記電子輸送性半導体に前記光増感化合物を吸着させる方法としては、例えば、光増感化合物の溶液中、又は光増感化合物の分散液中に、半導体材料を含む電子輸送層を浸漬する方法、光増感化合物の溶液、又は光増感化合物の分散液を電子輸送層に塗布して吸着させる方法などを用いることができる。
光増感化合物の溶液中、又は光増感化合物の分散液中に、半導体材料を形成した電子輸送層を浸漬する方法としては、例えば、浸漬法、ディップ法、ローラー法、エアーナイフ法などが挙げられる。
光増感化合物の溶液、又は光増感化合物の分散液を、電子輸送層に塗布して吸着させる方法としては、例えば、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法などが挙げられる。
また、二酸化炭素等を用いた超臨界流体中で吸着させても構わない。
前記光増感化合物を吸着させる際には、縮合剤を併用してもよい。
前記縮合剤は、電子輸送性半導体表面に物理的又は化学的に光増感化合物を結合させるような触媒的作用をするもの、及び化学量論的に作用し、化学平衡を有利に移動させるものの何れであってもよい。
更に、縮合助剤として、チオールやヒドロキシ化合物を添加してもよい。
前記光増感化合物を溶解、又は分散する溶媒としては、例えば、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1-クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン、1,5-ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光増感化合物は、その種類によっては化合物間の凝集を抑制した方がより効果的に働くものが存在するため、凝集解離剤を併用しても構わない。
前記凝集解離剤としては、特に制限はなく、用いる色素に応じて適宜選択することができ、例えば、コール酸、ケノデオキシコール酸等のステロイド化合物、長鎖アルキルカルボン酸又は長鎖アルキルホスホン酸などが挙げられる。
前記凝集解離剤の添加量は、前記光増感化合物1質量部に対して、0.01質量部以上500質量部以下が好ましく、0.1質量部以上100質量部以下がより好ましい。
これらを用い、前記光増感化合物又は前記光増感化合物と前記凝集解離剤を吸着する際の温度としては、-50℃以上200℃以下が好ましい。
なお、前記吸着は静置しても攪拌しながら行っても構わない。
前記攪拌する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スターラー、ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパーザー、超音波分散などが挙げられる。
前記吸着に要する時間は、5秒間以上1,000時間以下が好ましく、10秒間以上500時間以下がより好ましく、1分間以上150時間以下が更に好ましい。
なお、前記吸着は暗所で行うことが好ましい。
<<ホール輸送層>>
前記ホール輸送層の構成材料としては、例えば、酸化還元対を有機溶媒に溶解した電解液、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリックスに含浸したゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩、固体電解質、無機ホール輸送材料、有機ホール輸送材料などが挙げられる。
無機ホール輸送材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CuSCN、CuI、CuBr、NiO、V、酸化グラフェンなどが挙げられる。
これらの中でも、有機ホール輸送材料が好ましい。なお、以下、有機ホール輸送材料を例として説明する箇所があるが、これに限られるものではない。
有機ホール輸送材料などとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特公昭34-5466号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特公昭45-555号公報等に示されているトリフェニルメタン化合物、特公昭52-4188号公報等に示されているピラゾリン化合物、特公昭55-42380号公報等に示されているヒドラゾン化合物、特開昭56-123544号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特開昭54-58445号公報に示されているテトラアリールベンジジン化合物、特開昭58-65440号公報又は特開昭60-98437号公報に示されているスチルベン化合物、スピロ型化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スピロ型化合物が好ましい。
スピロ型化合物としては、例えば、下記一般式(4)を含む化合物などが挙げられる。
ただし、前記一般式(4)中、RからRは、それぞれ独立して、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチル-4-トリルアミノ基などの置換アミノ基を表す。
前記スピロ型化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下に示す例示化合物(D-1)から(D-20)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
スピロ型化合物は、2つのベンジジン骨格分子が捻れて結合しているため、球状に近い電子雲を形成し、分子間におけるホッピング伝導性が良好であることにより、優れた光電変換特性を示す。また、溶解性が高いため、各種有機溶媒に溶解し、アモルファス(結晶構造をもたない無定形物質)であり、多孔質状の電子輸送層に密に充填されやすい。更に、450nm以上の光吸収特性を有さないため、光増感化合物に効率的に光吸収を行わせることができ、固体型色素増感型太陽電池にとって特に好ましい。
<<塩基性化合物>>
前記ホール輸送層は、塩基性化合物を有する。
前記塩基性化合物は、電子輸送層近傍の界面に存在すると考えられ、電子輸送層からの逆電子移動(即ち、電子輸送層からホール輸送層への電子移動)を抑制していると考えられる。
前記塩基性化合物としては、下記一般式(A)又は一般式(B)からなる塩基性化合物が好ましく、下記一般式(1)、及び一般式(2)で示される3級アミン化合物が更に好ましい。ホール輸送層に下記一般式(A)又は一般式(B)の塩基性化合物を含有すると、高い開放電圧が得られ、高い光電変換特性が得られる点で有利である。更に、ホール輸送層が一般式(1)、及び一般式(2)で示される3級アミン化合物の少なくともいずれかを有することにより、低照度光においても、高い光電変換性と、経時安定性とを両立することができる。
(式中、R、Rは、それぞれ独立に、アルキル基又は芳香族炭化水素基を表し、同一又は異なる基を表すか、若しくは、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む複素環基を表す。)
(式中、R、Rは、それぞれ独立に、アルキル基又は芳香族炭化水素基を表し、同一又は異なる基を表すか、若しくは、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む複素環基を表す。)
Figure 0007600618000020
Figure 0007600618000021
ただし、前記一般式(1)、及び前記一般式(2)中、Ar及びArは、置換基を有していてもよいアリール基を表し、前記Ar及び前記Arは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合してもよい。
以下に、前記一般式(A)、及び前記一般式(B)の塩基性化合物の具体的な例示化合物を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
次に、上記一般式(1)、及び上記一般式(2)で示される3級アミン化合物の具体例としては、例えば、以下に示す例示化合物C-1からC-20などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ホール輸送層における塩基性化合物の含有量は、ホール輸送材料の全量に対して、1質量部以上50質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下がより好ましい。塩基性化合物の含有量が好ましい範囲であることにより、高い開放電圧を維持でき、高い出力が得られ、かつ様々な環境で長期使用しても高い安定性と耐久性が得られる。
<<<酸化剤>>>
前記ホール輸送層は、酸化剤を含有することが好ましい。ホール輸送層が酸化剤を含有することにより、有機ホール輸送材料の一部がラジカルカチオンになることで、導電性が向上し、出力特性の耐久性や安定性を高めることができる。
酸化剤により有機ホール輸送材料が酸化されることにより、良好なホール伝導性を示すとともに、光電変換層の周囲環境の影響による酸化状態の解除(還元)を抑制することができることで良好な経時安定性を示す。
前記酸化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサクロロアンチモン酸トリス(4-ブロモフェニル)アミニウム、ヘキサフルオロアンチモネート銀、ニトロソニウムテトラフルオボラート、硝酸銀、金属錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、金属錯体が好ましい。
前記金属錯体としては、例えば、金属カチオン、配位子、アニオンから構成される構成などが挙げられる。
前記金属カチオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロム、マンガン、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、バナジウム、金、白金などのカチオンなどが挙げられる。これらの中でも、マンガン、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルテニウム、銀、バナジウムのカチオンが好ましく、コバルトのカチオンがより好ましい。即ち金属錯体はコバルト錯体がより好ましい。
前記配位子としては、少なくとも一つの窒素を含有する5及び/又は6員複素環を含むものが好ましく、置換基を有していてもよい。具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記アニオンとしては、例えば、水素化物イオン(H)、フッ化物イオン(F)、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)、水酸化物イオン(OH)、シアン化物イオン(CN)、硝酸イオン(NO )、亜硝酸イオン(NO )、次亜塩素酸イオン(ClO)、亜塩素酸イオン(ClO )、塩素酸イオン(ClO )、過塩素酸イオン(ClO )、過マンガン酸イオン(MnO )、酢酸イオン(CHCOO)、炭酸水素イオン(HCO )、リン酸二水素イオン(HPO )、硫酸水素イオン(HSO )、硫化水素イオン(HS)、チオシアン酸イオン(SCN)、テトラフロオロホウ素酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、テトラシアノホウ素酸イオン(B(CN) )、ジシアノアミンイオン(N(CN) )、p-トルエンスルホン酸イオン(TsO)、トリフルオロメチルスルホン酸イオン(CFSO2-)、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンイオン(N(SOCF )、テトラヒドロキソアルミン酸イオン([Al(OH)、あるいは[Al(OH)(HO))、ジシアノ銀(I)酸イオン([Ag(CN))、テトラヒドロキソクロム(III)酸イオン([Cr(OH))、テトラクロロ金(III)酸イオン([AuCl)、酸化物イオン(O-)、硫化物イオン(S )、過酸化物イオン(O 2-)、硫酸イオン(SO 2-)、亜硫酸イオン(SO 2-)、チオ硫酸イオン(S 2-)、炭酸イオン(CO 2-)、クロム酸イオン(CrO 2-)、二クロム酸イオン(Cr 2-)、リン酸一水素イオン(HPO 2-)、テトラヒドロキソ亜鉛(II)酸イオン([Z(OH)2-)、テトラシアノ亜鉛(II)酸イオン([Zn(CN)2-)、テトラクロロ銅(II)酸イオン([CuCl2-)、リン酸イオン(PO 3-)、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオン([Fe(CN)3-)、ビス(チオスルファト)銀(I)酸イオン([Ag(S3-)、ヘキサシアノ鉄(II)酸イオン([Fe(CN)4-)などが挙げられる。これらの中でも、テトラフロオロホウ素酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラシアノホウ素酸イオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンイオン、過塩素酸イオンが好ましい。
前記金属錯体としては、下記一般式(5)で示される3価のコバルト錯体が特に好ましい。金属錯体が3価のコバルト錯体であると、酸化剤としての機能が優れる点で有利である。
ただし、前記一般式(5)中、R~R10は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、ターシャルブチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Xは、上記1価のアニオンから選択されるいずれかを示す。
以下に、前記一般式(5)で表されるコバルト錯体の具体例を記載する。ただし、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記金属錯体としては、下記一般式(6)で示される3価のコバルト錯体も有効に用いられる。
ただし、前記一般式(6)中、R11~R12は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、ターシャルブチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Xは、上記1価のアニオンから選択されるいずれかを示す。
以下に、前記一般式(6)で表されるコバルト錯体の具体例を記載する。ただし、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸化剤の含有量は、ホール輸送材料100質量部に対して、0.5質量部以上50質量部以下が好ましく、5質量部以上30質量部以下がより好ましい。酸化剤の添加によって、すべてのホール輸送材料が酸化される必要はなく、一部のみが酸化されていれば有効である。
<<<アルカリ金属塩>>>
前記ホール輸送層は、添加剤として、アルカリ金属塩を有することが好ましい。これにより、電荷の移動がスムーズになり、良好な光電変換特性を得られる点で有利である。
前記アルカリ金属塩のカチオンは、電子輸送層近傍の界面に存在すると考えられ、アルカリ金属塩のアニオンは、ホール輸送層中にドープされると考えられる。
前記アルカリ金属塩としては、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過塩素酸リチウム、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)ジイミド、リチウムジイソプロピルイミド、酢酸リチウム、テトラフルオロホウ素酸リチウム、ペンタフルオロリン酸リチウム、テトラシアノホウ素酸リチウム等のリチウム塩、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、ナトリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)ジイミド、酢酸ナトリウム、テトラフルオロホウ素酸ナトリウム、ペンタフルオロリン酸ナトリウム、テトラシアノホウ素酸ナトリウム等のナトリウム塩、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、過塩素酸カリウム等のカリウム塩などが挙げられる。これらの中でも、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)ジイミド、リチウムジイソプロピルイミドが好ましい。
前記アルカリ金属塩の含有量は、ホール輸送材料100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下が好ましく、5質量部以上30質量部以下がより好ましい。
前記ホール輸送層は、単一材料からなる単層構造でもよく、複数の化合物を含む積層構造であってもよい。ホール輸送層が積層構造の場合には、第2の電極に近いホール輸送層に高分子材料を用いることが好ましい。製膜性に優れる高分子材料を用いると、多孔質状の電子輸送層の表面をより平滑化することができ、光電変換特性を向上させることができる点で有利である。また、高分子材料は、多孔質状の電子輸送層内部へ浸透しにくいことから、多孔質状の電子輸送層表面の被覆性に優れ、電極を設ける際の短絡防止にも効果が得られる場合がある。
前記ホール輸送層に用いられる高分子材料としては、特に制限はなく、公知のホール輸送性高分子材料などが挙げられる。
前記ホール輸送性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン化合物、ポリフェニレンビニレン化合物、ポリフルオレン化合物、ポリフェニレン化合物、ポリアリールアミン化合物、ポリチアジアゾール化合物などが挙げられる。
前記ポリチオフェン化合物としては、例えば、ポリ(3-n-ヘキシルチオフェン)、ポリ(3-n-オクチルオキシチオフェン)、ポリ(9,9’-ジオクチル-フルオレン-コ-ビチオフェン)、ポリ(3,3’’’-ジドデシル-クォーターチオフェン)、ポリ(3,6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(2,5-ビス(3-デシルチオフェン-2-イル)チエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(3,4-ジデシルチオフェン-コ-チエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(3,6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン-コ-チエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(3,6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン-コ-チオフェン)、ポリ(3,6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン-コ-ビチオフェン)などが挙げられる。
ポリフェニレンビニレン化合物としては、例えば、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン]、ポリ[2-メトキシ-5-(3,7-ジメチルオクチルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン]、ポリ[(2-メトキシ-5-(2-エチルフェキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン)-コ-(4,4’-ビフェニレン-ビニレン)]などが挙げられる。
前記ポリフルオレン化合物としては、例えば、ポリ(9,9’-ジドデシルフルオレニル-2,7-ジイル)、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレンフルオレン)-alt-コ-(9,10-アントラセン)]、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレンフルオレン)-alt-コ-(4,4’-ビフェニレン)]、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレンフルオレン)-alt-コ-(2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレン)]、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジイル)-コ-(1,4-(2,5-ジヘキシルオキシ)ベンゼン)]などが挙げられる。
前記ポリフェニレン化合物としては、例えば、ポリ[2,5-ジオクチルオキシ-1,4-フェニレン]、ポリ[2,5-ジ(2-エチルヘキシルオキシ-1,4-フェニレン]などが挙げられる。
前記ポリアリールアミン化合物としては、例えば、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-alt-コ-(N,N’-ジフェニル)-N,N’-ジ(p-ヘキシルフェニル)-1,4-ジアミノベンゼン]、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-alt-コ-(N,N’-ビス(4-オクチルオキシフェニル)ベンジジン-N,N’-(1,4-ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’-ビス(4-オクチルオキシフェニル)ベンジジン-N,N’-(1,4-ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’-ビス(4-(2-エチルヘキシルオキシ)フェニル)ベンジジン-N,N’-(1,4-ジフェニレン)]、ポリ[フェニルイミノ-1,4-フェニレンビニレン-2,5-ジオクチルオキシ-1,4-フェニレンビニレン-1,4-フェニレン]、ポリ[p-トリルイミノ-1,4-フェニレンビニレン-2,5-ジ(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン-1,4-フェニレン]、ポリ[4-(2-エチルヘキシルオキシ)フェニルイミノ-1,4-ビフェニレン]などが挙げられる。
前記ポリチアジアゾール化合物としては、例えば、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-alt-コ-(1,4-ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール]、ポリ(3,4-ジデシルチオフェン-コ-(1,4-ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール)などが挙げられる。
これらの中でも、キャリア移動度やイオン化ポテンシャルの観点から、ポリチオフェン化合物及びポリアリールアミン化合物が好ましい。
前記ホール輸送材料に各種添加剤を加えても構わない。
前記添加剤としては、例えば、ヨウ素、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化銅、ヨウ化鉄、ヨウ化銀等の金属ヨウ化物、ヨウ化テトラアルキルアンモニウム、ヨウ化ピリジニウム等の4級アンモニウム塩、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化カルシウム等の金属臭化物、臭化テトラアルキルアンモニウム、臭化ピリジニウム等の4級アンモニウム化合物の臭素塩、塩化銅、塩化銀等の金属塩化物、酢酸銅、酢酸銀、酢酸パラジウム等の酢酸金属塩、硫酸銅、硫酸亜鉛等の金属硫酸塩、フェロシアン酸塩-フェリシアン酸塩、フェロセン-フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール-アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン等、ヨウ化1,2-ジメチル-3-n-プロピルイミダゾイニウム塩、ヨウ化1-メチル-3-n-ヘキシルイミダゾリニウム塩、1,2-ジメチル-3-エチルイミダゾリウムトリフロオロメタンスルホン酸塩、1-メチル-3-ブチルイミダゾリウムノナフルオロブチルスルホン酸塩、1-メチル-3-エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルイミド等のInorg.Chem.35(1996)1168に記載のイオン液体、ピリジン、4-t-ブチルピリジン、ベンズイミダゾール、又はこれらの誘導体等の塩基性化合物、アルカリ金属塩などが挙げられる。
前記ホール輸送層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多孔質状の電子輸送層の細孔に入り込んだ構造を有することが好ましく、電子輸送層上に0.01μm以上20μm以下がより好ましく、0.1μm以上10μm以下が更に好ましく、0.2μm以上2μm以下が特に好ましい。
前記ホール輸送層は、前記光増感化合物が含まれる前記電子輸送層の上に直接形成することができる。
前記ホール輸送層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コストなどの点で、特に湿式製膜法が好ましく、前記電子輸送層上に塗布する方法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができる。例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
また、超臨界流体あるいは臨界点より低い温度・圧力の亜臨界流体中で製膜してもよい。
前記超臨界流体は、気体と液体が共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝集性高密度流体として存在し、圧縮しても凝集せず、臨界温度以上、かつ臨界圧力以上の状態にある流体である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましい。
前記超臨界流体としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、アルコール溶媒、炭化水素溶媒、ハロゲン溶媒、エーテル溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n-ブタノールなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、エタン、プロパン、2,3-ジメチルブタン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
前記ハロゲン溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロトリフロロメタンなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジメチルエーテルなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、二酸化炭素が、臨界圧力7.3MPa、臨界温度31℃であることから、容易に超臨界状態をつくり出せるとともに、不燃性で取扱いが容易である点で特に好ましい。
前記亜臨界流体としては、臨界点近傍の温度及び圧力領域において、高圧液体として存在する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
上述した超臨界流体として挙げられる化合物は、前記亜臨界流体としても好適に使用することができる。
前記超臨界流体の臨界温度及び臨界圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記臨界温度としては、-273℃以上300℃以下が好ましく、0℃以上200℃以下が特に好ましい。
更に、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体に加え、有機溶媒やエントレーナーを併用することもできる。前記有機溶媒及び前記エントレーナーの添加により、前記超臨界流体中での溶解度の調整をより容易に行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1-クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン、1,5-ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記光増感化合物を吸着した前記電子輸送性材料が含まれる前記電子輸送層上に、前記有機ホール輸送材料を設けた後、プレス処理を施しても構わない。前記プレス処理を施すことによって、前記有機ホール輸送材料がより多孔質電極である前記電子輸送層と密着するため効率が改善すると考えている。
前記プレス処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、IR錠剤成形器に代表されるような平板を用いたプレス成形法、ローラー等を用いたロールプレス法などが挙げられる。
前記プレス処理の圧力としては、10kgf/cm以上が好ましく、30kgf/cm以上がより好ましい。
前記プレス処理する時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以下が好ましい。なお、前記プレス処理時に熱を加えてもよい。
前記プレス処理の際、プレス機と電極との間に離型剤を挟んでもよい。
前記離型剤としては、例えば、ポリ四フッ化エチレン、ポリクロロ三フッ化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体、ペルフルオロアルコキシフッ化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、エチレン四フッ化エチレン共重合体、エチレンクロロ三フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記プレス処理を行った後、前記第2の電極を設ける前に、前記有機ホール輸送材料と前記第2の電極との間に金属酸化物を設けてもよい。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニッケルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酸化モリブデンが好ましい。
前記金属酸化物を前記ホール輸送層上に設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式製膜法などが挙げられる。
前記湿式製膜法としては、金属酸化物の粉末、又はゾルを分散したペーストを調製し、前記ホール輸送層上に塗布する方法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法としては、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
塗布された前記金属酸化物の平均厚みとしては、0.1nm以上50nm以下が好ましく、1nm以上10nm以下がより好ましい。
<第2の電極>
前記第2の電極は、前記ホール輸送層上に、又は前記ホール輸送層における金属酸化物上に形成することができる。
前記第2の電極は、通常前記第1の電極と同様のものを用いることができ、強度や密封性が充分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要ではない。
前記第2の電極の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、炭素化合物、導電性金属酸化物、導電性高分子などが挙げられる。
前記金属としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウムなどが挙げられる。
前記炭素化合物としては、例えば、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェンなどが挙げられる。
前記導電性金属酸化物としては、例えば、ITO、FTO、ATOなどが挙げられる。
前記導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記第2の電極の形成については、用いられる材料の種類や前記ホール輸送層の種類により、適宜ホール輸送層上に、例えば、塗布、ラミネート、蒸着、CVD、貼り合わせ等の手法により形成可能である。
光電変換素子においては、第1の電極と第2の電極の少なくともいずれかは実質的に透明であることが好ましい。第1の電極側が透明であり、入射光を第1の電極側から入射させる方法が好ましい。この場合、第2の電極側には光を反射させる材料を使用することが好ましく、金属、導電性酸化物を蒸着したガラス、プラスチック、あるいは金属薄膜が好ましく用いられる。また、入射光側に反射防止層を設けることも有効な手段である。
<第3の電極>
前記第3の電極としては、その形状、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第3の電極は、例えば、前記第1の電極を作製する際に、同時に作製される。
そのため、前記第3の電極は、前記第1の電極と同じ材質、構造、厚みであることが挙げられる。
<封止部>
少なくとも光電変換層を、外部環境から遮蔽する封止部を有することが好ましい。
前記封止部が一対の基板に挟持されてなり、少なくとも前記電子輸送層及び前記ホール輸送層が、外部環境から遮蔽されていればよく、前記光電変換素子の封止部に空隙部を有していてもよい。
前記封止部の位置としては、少なくとも前記電子輸送層、ホール輸送層を外部環境から遮蔽する位置に配されれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電子輸送層、ホール輸送層、及び第2の電極を覆うように、全面に設けてもよいし、第2の電極の上方に基板を配し、封止部材を前記基板の外縁に設け、第1の基板、第1の電極及びホールブロッキング層の少なくともいずれかと接着させてもよい。
後者のように、基板を配し、その外縁に封止部材を設ける構成は、光電変換素子、又は光電変換モジュールの内部に空隙部を設けることができる。空隙部は、酸素や湿度を制御することが可能であり、出力の向上や耐久性の向上に有効である。
前記封止部材としては、外気の水蒸気の侵入を阻害するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低融点フリットガラス、エポキシ樹脂、又はアクリル樹脂などの紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、上記のような構成材料に加え、より水蒸気の浸入を阻害するため、乾燥剤を混合してもよい。
前記封止部材としてエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
前記封止部材としてエポキシ樹脂を用い、かつホール輸送層が上記一般式(1)、及び上記一般式(2)で示される3級アミン化合物の少なくともいずれかを有することにより、光電変換素子を高温高湿環境下に保存した場合においても、保存前の高い出力を維持することができる。
また、硬化物の柔軟性と基材との密着力が良好に保てるため、良好な機械的耐久性も得られる。
前記エポキシ樹脂としては、分子内にエポキシ基を有するモノマーあるいはオリゴマーが硬化した樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水分散型、無溶剤型、固体型、熱硬化型、硬化剤混合型、紫外線硬化型などが挙げられる。これらの中でも、熱硬化型、紫外線硬化型が好ましく、紫外線硬化型がより好ましい。なお、紫外線硬化型であっても加熱されてもよい。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラック型、環状脂肪族型、長鎖脂肪族型、グリシジルアミン型、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エポキシ樹脂は、必要に応じて、硬化剤、各種添加剤を含んでもよい。
前記硬化剤としては、例えば、アミン系、酸無水物系、ポリアミド系、その他の硬化剤などが挙げられる。
アミン系硬化剤は、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族ポリアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、テトラ及びヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ヘット酸、ドデセニル無水コハク酸などが挙げられる。
その他の硬化剤としては、例えば、イミダゾール類、ポリメルカプタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記添加剤としては、例えば、充填材(フィラー)、スペーサー、重合開始剤、乾燥剤(吸湿剤)、硬化促進剤、カップリング剤、可とう化剤、着色剤、難燃助剤、酸化防止剤、有機溶剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、充填材、ギャップ剤、硬化促進剤、重合開始剤、乾燥剤(吸湿剤)が好ましく、充填材、重合開始剤が特に好ましい。
-充填材-
前記充填材としては、外部環境下の水分や酸素の浸入を抑制する上で有効であるほか、硬化時の体積収縮の低減、硬化時あるいは加熱時のガスの発生量の低減、機械的強度の向上、熱伝導性や流動性の制御等の効果を得ることができ、本発明においても様々な環境でも安定した出力を維持する上で非常に有効である。
光電変換素子の出力特性や耐久性は、外部環境から光電変換素子内部に侵入する水分や酸素の影響だけでなく、封止部材の硬化時、及び加熱時に発生するガスによる影響を無視することができない。特に、加熱時に発生するガスの影響は、高温環境下で保存する場合における出力特性に大きな影響を及ぼす。
この場合、封止部材に充填材やギャップ剤、乾燥剤を含有させることにより、これら自身が水分や酸素の浸入を抑制できるほか、封止部材の使用量を低減できることにより、ガスの発生を低減させる効果を得ることができる。これは、硬化時だけでなく、前記光電変換素子を高温環境に保存した際にも有効である。
前記充填材としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができ、例えば、結晶性あるいは不定形のシリカ、タルク、アルミナ、窒化アルミ、窒化珪素、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム等の無機充填材が好ましく用いられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記充填材の平均一次粒径としては、0.1μm以上10μm以下が好ましく、1μm以上5μm以下がより好ましい。充填材の平均一次粒径が0.1μm以上10μm以下であることにより、水分や酸素の侵入を抑制する効果を十分に得ることができ、粘度が適正となり、基板との密着性や脱泡性の向上、あるいは封止部の幅の制御や作業性に対しても有効である。
前記充填材は封止部内に満遍なく配置されることが好ましい。これにより、水分や酸素の侵入を抑制する効果を十分に得ることができる。ギャップ剤やスペーサーを用いた場合、その界面付近にフィラーの密度が少ない層が形成されることがある。その場合、封止部幅方向において、フィラーの密度が少ない層の距離を長くすることで水分や酸素の侵入を抑制する効果を十分に得ることができる。フィラーの密度については、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)で測定することができる。
前記充填材の含有量としては、封止部材の全量に対して、10質量部以上90質量部以下が好ましく、20質量部以上70質量部以下がより好ましい。充填材の含有量が10質量部以上90質量部以下であると、水分や酸素の浸入抑制効果が十分に得られ、粘度も適正となり、密着性や作業性も良好となる。
-ギャップ剤-
前記ギャップ剤とは、ギャップ制御剤、スペーサー剤とも称され、封止部のギャップを制御することができる。例えば、第1の基板、又は第1の電極の上に、封止部材を付与し、その上に第2の基板を載せて封止を行う場合、エポキシ樹脂にギャップ剤を混合していることにより、封止部のギャップがギャップ剤のサイズに揃うため、容易に封止部のギャップを制御することができる。
前記ギャップ剤としては、粒状でかつ粒径が均一であり、耐溶剤性や耐熱性が高いものであれば、公知の材料を使用できる。前記エポキシ樹脂と親和性が高く、粒子形状が球形であるものが好ましい。具体的には、ガラスビーズ、シリカ微粒子、有機樹脂微粒子等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ギャップ剤の粒径としては、設定する封止部のギャップに合わせて選択可能であるが、1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましい。
封止部のギャップを制御する他の方法として、スペーサーを設けてもよい。
前記スペーサーは、前記光電変換層の外周部であればどこに配置されていてもよい。例えば、第1の基板上、第1の電極上、ホールブロッキング層上、デリーション層上、第2の電極上、第2の基板上などに配置してよく、これらの組み合わせでもよい。
前記スペーサーは、封止部の外側に配置されてもよく、封止部の内部に内包されてもよい。
スペーサーの材料は、外気の水蒸気の侵入を阻害するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ガラス材料、金属材料、金属酸化物材料、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂などの紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-重合開始剤-
前記重合開始剤は、熱や光を用いて重合を開始させることを目的として添加される材料であり、熱重合開始剤、光重合開始剤が挙げられる。
前記熱重合開始剤は、加熱によってラジカルやカチオンなどの活性種を発生する化合物であり、具体的には、2,2'-アゾビスブチロニトリル(AIBN)のようなアゾ化合物、過酸化ベンゾイル(BPO)等の過酸化物などが挙げられる。
熱カチオン重合開始剤としては、例えば、ベンゼンスルホン酸エステル、アルキルスルホニウム塩などが挙げられる。
前記光重合開始剤は、エポキシ樹脂の場合、光カチオン重合開始剤が好ましく用いられる。エポキシ樹脂に光カチオン重合開始剤を混合し、光照射を行うと光カチオン重合開始剤が分解して、強酸を発生し、酸がエポキシ樹脂の重合を引き起こし、硬化反応が進行する。前記光カチオン重合開始剤は、硬化時の体積収縮が少なく、酸素阻害を受けず、貯蔵安定性が高いといった効果を有する。
前記光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタセロン化合物、シラノール・アルミニウム錯体などが挙げられる。また、光を照射することにより酸を発生する機能を有する光酸発生剤も使用できる。
光酸発生剤は、カチオン重合を開始する酸として作用し、例えば、カチオン部とアニオン部からなるイオン性のスルホニウム塩系やヨードニウム塩系等のオニウム塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合開始剤の含有量としては、封止部材の全量に対して、0.5質量部以上10質量部以下が好ましく、1質量部以上5質量部以下がより好ましい。重合開始剤の含有量が0.5質量部以上10質量部以下であると、硬化が適正に進み、未硬化物の残存を低減することができ、ガスの発生量が過剰になるのを防止でき、有効である。
-乾燥剤-
前記乾燥剤は、吸湿剤とも称され、水分を物理的あるいは化学的に吸着、吸湿する機能を有する材料であり、前記封止部材に含有させることにより、耐湿性を更に高めたり、前記アウトガスの影響を低減できたりする場合もあることから有効である。
前記乾燥剤としては、粒子状であるものが好ましく、例えば、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、シリカゲル、モレキュラーシーブ、ゼオライト等の無機吸水材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、吸湿量が多いゼオライトが好ましい。
-硬化促進剤-
前記硬化促進剤は、硬化触媒とも称され、硬化速度を速めることを目的として用いられ、主に熱硬化型のエポキシ樹脂に用いられる。
前記硬化促進剤としては、例えば、DBU(1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン-7)やDBN(1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)-ノネン-5)等の三級アミンあるいは三級アミン塩、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾールや2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール系、トリフェニルホスフィンやテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレ-ト等のホスフィンあるいはホスホニウム塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-カップリング剤-
前記カップリング剤は、分子結合力を高める効果を有し、シランカップリング剤が挙げられ、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N-(2-(ビニルベンジルアミノ)エチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記封止部材は、封止材、シール材あるいは接着剤として市販されているエポキシ樹脂組成物が知られており、本発明においても有効に使用することができる。これらの中でも、太陽電池や有機EL素子用途向けに開発、市販されているエポキシ樹脂組成物もあり、本発明において特に有効に使用できる。
前記市販品としては、例えば、商品名:TB3118、TB3114、TB3124、TB3125F(以上、スリーボンド社製)、WorldRock5910、WorldRock5920、WorldRock8723(以上、協立化学産業株式会社製)、WB90US(P)(以上、モレスコ社製)などが挙げられる。
また、エポキシ樹脂組成物は、例えば、特許第4918975号公報、特許第5812275号公報、特許第5835664号公報、特許第5930248号公報、特開2012-136614号公報に開示されており、これらも使用することができる。
また、本発明においては、シート状封止材も有効に使用できる。
前記シート状封止材とは、シート上に予めエポキシ樹脂層を形成したもので、シートはガラスやガスバリア性の高いフィルム等が用いられ、本発明における基板に該当する。シート状封止材を、光電変換素子、又は光電変換モジュールの第2の電極の上に貼り付け、その後、硬化させることにより、封止部材及び基板を一度に形成することができる。シート上に形成するエポキシ樹脂層の形成パターンにより、光電変換素子の内部に空隙部を設けた構造にすることもでき、有効である。
前記空隙部に特に酸素を含有させることが好ましい。酸素を含有させることによって、ホール輸送層のホール輸送機能を長期にわたって安定に維持することが可能になり、光電変換素子あるいは光電変換モジュールの耐久性を向上させることができる。封止することによって設けられた光電変換素子内部の空隙部の酸素濃度は、酸素が含有していれば効果が得られるが、1.0体積%以上21.0体積%以下が好ましく、3.0体積%以上15.0体積%以下がより好ましい。
前記空隙部の酸素濃度は、酸素濃度を設定したグローブボックス内で封止を行うことにより制御することができる。酸素濃度の設定は、特定の酸素濃度を有するガスボンベを使用する方法や、窒素ガス発生装置を用いる方法によって行うことができる。グローブボックス内の酸素濃度は、市販されている酸素濃度計あるいは酸素モニターを用いて測定される。
封止によって形成された前記空隙部内の酸素濃度の測定は、例えば、大気圧イオン化質量分析計(API-MS)によって行うことができる。具体的には、光電変換素子、又は光電変換モジュールを不活性ガスで満たしたチャンバー内に設置し、チャンバー内で封止を開封し、チャンバー内の気体をAPI-MSで定量分析することにより、空隙部内に含まれる気体中のすべての成分を定量し、その総和に対する酸素の割合を算出することにより、酸素濃度を求めることができる。
酸素以外のガスとしては、不活性ガスが好ましく、窒素やアルゴンなどが挙げられる。
封止を行う際、グローブボックス内は酸素濃度とともに、露点を制御することが好ましく、出力やその耐久性向上に有効である。
露点とは、水蒸気を含む気体を冷却した時、凝結が開始される温度として定義される。 露点としては、0℃以下が好ましく、-20℃以下がより好ましい。下限としては、-50℃以上が好ましい。
また、第2の電極と封止部材との間にパッシベーション層を設けてもよい。パッシベーション層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化シリコンなどが好ましい。
前記封止部材の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンス法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、凸版、オフセット、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
<光電変換素子の製造方法>
光電変換素子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
光電変換素子の製造方法の一例について図5A~図5Fを用いて説明する。ここでは、光電変換素子の端部の形状の作製方法を中心に、図1Dに示す光電変換素子の製造方法を説明する。
基板1上に区画部となる箇所を設け、第1の電極2、ホールブロッキング層2、第3の電極12が形成された積層板を用意する(図5C)。
区画部は、第1の電極2、ホールブロッキング層3を製膜する際、レジストやマスクなどで保護することでパターン製膜して作製してもよい。
ホールブロッキング層3まで積層した積層板を用いて、後から区画部を形成する場合、次のように作製することもできる。
まず、基板1上に第1の電極の前駆体2Aが形成された積層板を用意する(図5A)。なお、第1の電極の前駆体2Aの材質は、第1の電極2の材質と同じである。
次に、第1の電極の前駆体2A上に、ホールブロッキング層の前駆体2Aを形成する(図5B)。なお、ホールブロッキング層の前駆体3Aの材質は、ホールブロッキング層3の材質と同じである。
次に、基板1側から、第1の電極の前駆体2A及びホールブロッキング層の前駆体3Aの一部を除去し、区画部を作製する(図5C)。
区画部形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨法、化学エッチング法、レーザー加工法などが挙げられる。これらの中でも、レーザー加工法が好ましい。
区画部となる箇所の第1の電極の前駆体2A及びホールブロッキング層の前駆体3Aを除去することで、光電変換部となる箇所に第1の電極2及びホールブロッキング層3が形成される。また、電極接触部となる箇所に、第3の電極12が形成される。
次に、光電変換部となる箇所、区画部となる箇所、及び電極接触部となる箇所の全てに電子輸送層14及びホール輸送層24を形成する(図5D)。
次に、電極接触部となる箇所に、ホール輸送層24から基板1の表面に達する複数の貫通孔13を形成する(図5E)。貫通孔13の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨法、化学エッチング法、レーザー加工法などが挙げられる。これらの中でも、レーザー加工法が好ましい。これにより、微細な孔をサンドやエッチング、レジスト等を使うことなく形成でき、また、清浄に再現性よく加工することが可能となる。
次に、光電変換部となる箇所、区画部となる箇所、及び電極接触部となる箇所の全てのホール輸送層24上、及び貫通孔13に、第2の電極5を形成する(図5F)。
以上により、図1Dに示した光電変換素子が得られる。
<電子機器>
本発明に関する電子機器は、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換モジュールと、前記光電変換素子及び/又は光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置と、を有し、更に必要に応じてその他の装置を有する。
<電源モジュール>
本発明に関する電源モジュールは、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換モジュールと、電源ICと、を有し、更に必要に応じてその他の装置を有する。
本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の具体的な実施形態について説明する。
図6には、前記電子機器として、マウスを用いた一例を示す。
図6に示すように、光電変換素子、及び光電変換モジュールと電源IC、更に蓄電デバイスとを組み合わせ、供給される電力をマウスの制御回路の電源に接続する。これにより、マウスを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でマウスを動作させることができ、配線や電池交換が不要なマウスを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、有効である。
図7には、マウスに光電変換素子を実装させた概略図を示した。光電変換素子及び電源IC、蓄電デバイスはマウス内部に実装されるが、光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。また、マウスの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置はこれに限られるものではなく、例えばマウスを手で覆っていても光が照射される位置に配置することも可能であり、好ましい場合がある。
本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図8には、前記電子機器として、パソコンに用いられるキーボードを用いた一例を示す。
図8に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をキーボードの制御回路の電源に接続する。これにより、キーボードを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でキーボードを動作させることができ、配線や電池交換が不要なキーボードを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、有効である。
図9には、キーボードに光電変換素子を実装させた概略図を示した。光電変換素子及び電源IC、蓄電デバイスはキーボード内部に実装されるが、光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。キーボードの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置はこれに限られるものではない。
光電変換素子を組み込むスペースが小さい小型のキーボードの場合には、図10に示すように、キーの一部に小型の光電変換素子を埋め込むことも可能であり、有効である。
本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図11には、前記電子機器として、センサを用いた一例を示す。
図11に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をセンサ回路の電源に接続する。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、センサモジュールを構成することが可能となる。センシング対象としては、温湿度、照度、人感、CO、加速度、UV、騒音、地磁気、気圧など、様々なセンサに応用でき、有効である。センサモジュールは、図11中Aに示すように、定期的に測定対象をセンシングし、読み取ったデータをPCやスマートフォンなどに無線通信で送信する構成になっている。
IoT社会の到来により、センサは急増することが予想されている。この無数のセンサの電池を一つ一つ交換するには大きな手間がかかり、現実的ではない。またセンサは、天井や壁など、電池交換しにくい場所にあることも作業性を悪くしている。光電変換素子により電力供給できることもメリットは非常に大きい。また、本発明の光電変換素子は、低照度でも高い出力を得ることができ、かつ出力の光入射角依存性が小さいことから、設置自由度が高いといったメリットも得られる。
本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図12には、前記電子機器として、ターンテーブルを用いた一例を示す。
図12に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をターンテーブル回路の電源に接続する。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、ターンテーブルを構成することが可能となる。
ターンテーブルは、例えば、商品を陳列するショーケースなどに用いられるが、電源の配線は見栄えが悪く、また電池交換の際には陳列物を撤去しなければならず、大きな手間がかかっていた。本発明の光電変換素子を用いることで、そのような不具合を解消でき、有効である。
<用途>
以上、本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器、及び電源モジュールについて説明したが、これらはごく一部であり、本発明の光電変換素子、あるいは光電変換モジュールが、これらの用途に限定されるものではない。
光電変換素子、及び光電変換モジュールは、発生した電流を制御する回路基盤等と組み合わせることにより、例えば、電源装置に応用できる。
電源装置を利用している機器類としては、例えば、電子卓上計算機、腕時計、携帯電話、電子手帳、電子ペーパーなどが挙げられる。
また、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として、光電変換素子を有する電源装置を用いることができる。
本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールは、自立型電源として機能させることができ、光電変換によって発生した電力を用いて、装置を動作させることが可能である。本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールは、光が照射されることにより発電することが可能であるため、電子機器を電源に接続したり、あるいは電池交換したりする必要がない。そのため、電源設備がない場所でも電子機器を動作させたり、身に着けて持ち歩いたり、電池交換が困難な場所でも電池を交換することなく、電子機器を動作させたりすることが可能である。また、乾電池を用いる場合は、その分、電子機器が重くなったり、サイズが大きくなったりするため、壁や天井への設置、あるいは持ち運びに支障を来すことがあるが、本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールは、軽量で薄いため、設置自由度が高く、身に着けたり、持ち歩く上でもメリットが大きい。
このように、本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールは、自立型電源として使用でき、様々な電子機器に組み合わせることができる。例えば、電子卓上計算機、腕時計、携帯電話、電子手帳、電子ペーパーなどの表示機器、マウスやキーボードなどのパソコンの付属機器、温湿度センサや人感センサなどの各種センサ機器、ビーコンやGPSなどの発信機、補助灯、リモコン等数多くの電子機器と組み合わせて使用することができる。
本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールは、特に低照度の光でも発電できるため、室内でも、更に薄暗い影のところでも発電することが可能であるため、適用範囲が広い。また、乾電池のように液漏れがなく、ボタン電池のように誤飲することもなく安全性が高い。更に、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として用いることができる。このように、本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールと、それが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせることで、軽量で使い勝手がよく、設置自由度が高く、交換が不要で、安全性に優れ、かつ環境負荷低減にも有効な電子機器に生まれ変わることができる。
本発明の光電変換素子及び/又は光電変換モジュールと、それが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせた電子機器の基本構成図を図13に示す。これは、光電変換素子に光が照射されると発電し、電力を取り出すことができる。機器の回路は、その電力によって動作することが可能になる。
しかし、光電変換素子は周囲の照度によって出力が変化するため、図13に示す電子機器は安定に動作することができない場合がある。この場合、図14に示すように、回路側に安定した電圧を供給するために、光電変換素子と機器の回路の間に光電変換素子用の電源ICを組み込むことが可能であり、有効である。
しかし、光電変換素子は十分な照度の光が照射されていれば発電できるが、発電するだけの照度が足りなくなると、所望の電力が得られなくなり、これが光電変換素子の欠点でもある。この場合には、図15に示すように、キャパシタ等の蓄電デバイスを電源ICと機器回路の間に搭載することによって、光電変換素子からの余剰電力を蓄電デバイスに充電することが可能となり、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない場合でも、蓄電デバイスに蓄えられた電力を機器回路に供給することが可能になり、安定に動作させることが可能となる。
このように、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換モジュールと、機器回路とを組み合わせた電子機器において、電源ICや蓄電デバイスを組み合わせることで、電源のない環境でも動作可能であり、また電池交換が不要で、安定に駆動させることが可能になり、光電変換素子のメリットを最大限に活かすことができる。
一方、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換モジュールは、電源モジュールとしても使用することが可能であり、有用である。例えば、図16に示すように、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換モジュールと、光電変換素子用の電源ICを接続すると、光電変換素子が光電変換することによって発生した電力を電源ICにて一定の電圧レベルで供給することが可能な直流電源モジュールを構成することができる。
更に、図17に示すように、電源ICに蓄電デバイスを追加することにより、光電変換素子が発生させた電力を蓄電デバイスに充電することが可能になり、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない状態になっても、電力を供給することが可能な電源モジュールを構成することができる。
図16及び図17に示した本発明の電源モジュールは、従来の一次電池のように電池交換をすることなく、電源モジュールとして使用することが可能である。
(光電変換モジュール)
本発明の光電変換モジュールは、本発明の光電変換素子を複数有し、更に必要に応じて、その他の部材などを有する。
前記複数の光電変換素子のうちの互いに隣接する第1の光電変換素子及び第2の光電変換素子において、前記第1の光電変換素子の前記第3の電極は、前記第2の光電変換素子の前記第1の電極と電気的に接続されている。例えば、前記第1の光電変換素子の前記第3の電極は、前記第2の光電変換素子の前記第1の電極と一体化されている。
なお、光電変換モジュールにおいては、通常、複数の光電変換素子における基板を、1枚の基板が兼ねていることが多い。
光電変換モジュールとしては、複数の光電変換素子が、直列又は並列に接続される構成などが挙げられる。
光電変換モジュールは、一対の基板を有し、前記一対の基板の間に前記光電変換素子配置領域を有し、前記封止部材が前記一対の基板に挟持された構成とすることができる。
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、防湿性バックシート、ガラスプレートなどが挙げられる。
ここで、光電変換モジュールにおける隣接する光電変換素子間の電気的な接続の一例を、図18A及び図18Bを用いて説明する。
図18Aは、光電変換モジュール100を基板側から見た図である。説明の関係上、基板を省略し、第1の電極2が図示されるようにしている。
図18Bは、光電変換モジュール100を第2の電極5側から見た図である。図18Bは、図18Aの光電変換モジュール100を上下方向に180°回転させた図である。
光電変換モジュール100は、3つの光電変換素子(第1の光電変換素子10A、第2の光電変換素子10B、第3の光電変換素子10C)から構成されている。
第1の光電変換素子10Aは、光電変換部51A、電極接触部52A、及び区画部53Aを有する。
第2の光電変換素子10Bは、光電変換部51B、電極接触部52B、及び区画部53Bを有する。
第3の光電変換素子10Cは、光電変換部51Cを有する。
第1の光電変換素子10Aの電極接触部52Aの第3の電極12は、第2の光電変換素子10Bの第1の電極2と一体化されている。
第2の光電変換素子10Bの電極接触部52Bの第3の電極12は、第3の光電変換素子10Cの第1の電極2と一体化されている。
第1の光電変換素子10Aにおいて、第2の電極5は、光電変換部51A、区画部53A、及び電極接触部52Aに跨っている。
第2の光電変換素子10Bにおいて、第2の電極5は、光電変換部51B、区画部53B、及び電極接触部52Bに跨っている。
これら3つの光電変換素子の第1の電極2及び第3の電極12は、例えば、透明導電層が形成された1枚の基板の透明導電層を、フォトリソグラフィによりパターニングすることにより作製することができる。その他、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨法、化学エッチング法、レーザー加工法などでも作製することができる。これらの中でも、レーザー加工法が好ましい。そうすることにより、第1の光電変換素子10Aの電極接触部52Aの第3の電極12と、第2の光電変換素子10Bの第1の電極2とを、一体化させることができる。
また、光電変換モジュールにおける光電変換層は、互いに隣接する光電変換素子間で延設され、一体化していてもよいが、電子輸送層、及びホール輸送層のどちらか一方のみ延設され、一体化している方が好ましく、光電変換層が延設されていない方がより好ましい。
光電変換層、電子輸送層、あるいはホール輸送層が延設され、一体化している場合、隣接する光電変換素子間の最小距離は10μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、100μm以上が更に好ましい。ここで隣接する光電変換素子間の最小距離は、隣接する各光電変換素子の第1の電極間あるいは第2の電極間の距離の短い方の距離である。
光電変換層が延設されていない場合、隣接する光電変換素子間の最小距離は特に限定されるものでなく、任意の距離をとることができる。
上記好ましい範囲であると、隣接する光電変換素子間の電気抵抗が十分高いため、隣接する光電変換素子間を流れるリーク電流を抑えることができ、高い光電変換特性が得られる。リーク電流を抑えることは、特に低照度における光電変換特性の向上に有利である。
ここで、図19Aは、光電変換モジュールにおける互いに隣接する光電変換素子間の一例を示す断面概略図である。
図19B及び図19Cは、互いに隣接する光電変換素子間において、電子輸送層及びホール輸送層の少なくともどちらか一方が延設されていない光電変換モジュールの一例を示す断面概略図である。
図19Dから図19Kは、互いに隣接する光電変換素子間において、光電変換層が延設されていない光電変換モジュールの一例を示す断面概略図である。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて説明する。なお、本発明はここに例示される実施例に限定されるものではない。
(実施例1~14)
<光電変換素子の作製>
まず、第1の基板としてのガラス基板上に、第1の電極としてのITO導電膜をスパッタ製膜インジウムドープ酸化錫(ITO)とニオブドープ酸化錫(NTO)を順次スパッタ製膜したITOコ-トガラス上に、酸素ガスによる反応性スパッタにより、ホールブロッキング層として酸化チタンからなる緻密な層を形成した。(ITO導電膜平均厚み:250nm)
次に、ITO導電膜及びホールブロッキング層をレーザー照射により、一部を衝撃剥離した。レーザーを照射する位置は、区画部となる箇所である。
レーザー装置は、西進商事株式会社製レーザーパターニング装置を用い、発振器をTHG(Third Harmonic Generation)発振器、出力を9.0μJ、波長を355nmとした。前記レーザーパターニング装置の加工周波数、加工速度、及び加工ピッチを制御することにより、加工パターンを任意に設定できる。区画部の長さ、長軸、短軸共に表2-1及び表2-2のように加工した。
次に、酸化チタン(商品名:P90、日本アエロジル株式会社製)3g、アセチルアセトン0.2g、及び界面活性剤としてのポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製)0.3gを、水5.5g、エタノール1.0gとともに12時間ビーズミル処理を施し、酸化チタン分散液を作製した。作製した酸化チタン分散液にポリエチレングリコール(商品名:ポリエチレングリコール20,000、和光純薬工業株式会社製)1.2gを加えてペーストを作製した。作製したペーストを、前記ホールブロッキング層上に塗布し(平均厚み:1.5μm)、50℃で乾燥した後、空気中、500℃で30分間焼成し、多孔質状の電子輸送層を形成した。
前記電子輸送層を形成したガラス基板を、下記構造式(A)で表される光増感化合物(商品名:DN455、株式会社ケミクレア製)0.2mM及びケノデオキシコール酸(CDCA、東京化成工業株式会社製)0.4mMのアセトニトリル/t-ブタノール(体積比1:1)溶液に浸漬し、1時間暗所で静置して、電子輸送層の表面に光増感化合物を吸着させた。
「Ph」はフェニル基を表す。
次に、前記D-7で表されるホール輸送材料(メルク株式会社製)246.5mgのクロロベンゼン溶液1mLに、添加剤としてのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:LiTFSI、東京化成工業株式会社製)37.0mg、前記C-1で表される塩基性化合物37.5mgを加えて溶解し、ホール輸送層塗布液を調製した。
次に、前記光増感化合物を吸着させた電子輸送層上に、前記ホール輸送層塗布液を用いたスピンコートにより、ホール輸送層を形成した(平均厚み:600nm)。
次に、電極接触部形成のため、ホール輸送層からITO導電膜の表面、あるいは基板表面に達する複数の貫通孔を形成した。貫通孔はレーザー照射によって形成した。
表2-1及び表2-2における貫通孔の表記「ITO導電膜まで」は基板表面に達する貫通孔を形成したときである。また、貫通孔の表記「ホールブロッキング層まで」はITO導電膜の表面に達する貫通孔を形成したときである。
レーザー装置は、西進商事株式会社製レーザーパターニング装置を用い、ドット径と加工ピッチ、及び加工距離は表2-1及び表2-2に示す通りとした。
ドット径が0.05mm、ピッチが0.045mmのとき、ドットが重なるため図3に示すような貫通孔形状となる。ドット径が0.05mm、ピッチが0.06mmのとき、ドットは重ならず円形の貫通孔が複数形成される。
また、実施例1及び2においては、第3の電極上及び区画部から電子輸送層及びホール輸送層をレーザー照射により衝撃剥離し、除去した。
その後、ホール輸送層上に銀を真空蒸着し、第2の電極(平均厚み:100nm)を形成し、光電変換素子を作製した。
第2の電極を形成後、封止部材としてのエポキシ樹脂(紫外線硬化型、商品名:WorldRockNo.5910、協立化学産業株式会社製)を、スクリーン印刷機(マイクロ・テック社製)を用いて塗布した。幅方向の構造はスクリーン印刷版(ソノコム社製)の印刷パターン設計により、調整することができる。
次に、グローブボックス内に窒素ガスを導入し、その中に移して、前記封止部材の上に第2の基板としてのカバーガラスを載せた後、紫外線照射により前記封止部材を硬化させ、発電領域の封止を行い、実施例1~14の光電変換素子を作製した。
得られた実施例1~14の光電変換素子における発電特性を表2-1及び表2-2に示した。
貫通孔面積S11及び接触面積S1において、走査型電子顕微鏡(SEM)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用い観察及び測定を行った。
<初期最大出力電力(Pmax1)、及び直線性(Pmax2/Pmax1)>
作製した各光電変換素子について、200lxに調整した白色LED照射下で、太陽電池評価システム(直流電圧・電流源/モニター、6241A、株式会社エーディーシ-製)を用いて、IV特性を評価し、初期最大出力電力Pmax1(μW/cm)を求めた。
次に、20000lxに調整した白色LED照射下で、太陽電池評価システム(直流電圧・電流源/モニター、6241A、株式会社エーディーシ-製)を用いて、IV特性を評価し、初期最大出力電力Pmax2(μW/cm)を求めた。
得られたPmax2を初期値であるPmax1で除することにより、100倍照度に対する「直線性」(Pmax2/Pmax1)を求めた。なお、(Pmax2/Pmax1)が、80~120であれば、直線性があるといえる。
Figure 0007600618000037
表2-1、表2-2、表3-1、表3-2、及び表4において、「E」は10のべき乗を表す。即ち、「E-01」は「0.1」を表す
2-1、表2-2、表3-1、表3-2、及び表4中、「光電変換層が延在」の項目の「〇」は、区画部を介して電極接触部に光電変換層が延在しており、電極接触部において、第2の電極が電極接触部に延在した光電変換層を貫通して第3の電極と接触していることを表し、「×」は、電極接触部に光電変換層が延在していないことを表す。
Figure 0007600618000038
(実施例15~23)
図18A及び図18Bに例示するように、レーザー装置により、第1の電極であるITO導電膜をレーザーエッチングし、8セル直列基板となるように加工した。ホール輸送層形成後、レーザー加工により、光電変換素子を直列に接続するための貫通孔を形成した。
このとき、図19Cに例示するように、ITO導電膜と同時に多孔質状の酸化チタン層もレーザーエッチングした。隣接する、ITO導電膜間の平均距離は30μmとなるように加工した。
レーザー装置は、西進商事株式会社製レーザーパターニング装置を用い、ドット径と加工ピッチ、及び加工距離は表3-1及び表3-2に示す通りとした。
その後、ホール輸送層上に8セル直列となるようにパターニングされたマスクを用い、銀を真空蒸着して第2の電極(平均厚み:100nm)を形成した以外は、実施例4~13と同様にして光電変換モジュールを作製した。このとき、隣接する、銀電極間の平均距離は200μmとなるようにした。
実施例1と同様に(Pmax2/Pmax1)を求めた。結果を、表3-1、及び表3-2に示した。
(実施例24)
図19Aに例示するように、多孔質状の酸化チタン層はレーザーエッチングせず隣接する光電変換素子間の光電変換層が延在している以外は、実施例20と同様にして、光電変換モジュールを作製した。
実施例1と同様に(Pmax2/Pmax1)を求めた。結果を表3-2に示した。
(実施例25)
図19Iに例示するように、ITO導電膜と同時に多孔質状の酸化チタン層もレーザーエッチングし、ホール輸送層成膜後、ホール輸送層をレーザーエッチングし、隣接する、ITO導電膜間の平均距離は30μmとなるように加工した以外は、実施例20と同様にして、光電変換モジュールを作製した。
実施例1と同様に(Pmax2/Pmax1)を求めた。結果を表3-2に示した。
Figure 0007600618000039
Figure 0007600618000040
(比較例1~2)
ドット径と加工ピッチ、及び加工距離を表4に示す通りとし、第3の電極面積を表4の通りとした以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製した。
Figure 0007600618000041
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 第1の電極、ホールブロッキング層、光電変換層、第2の電極、及び第3の電極を有する光電変換素子であって、
前記第1の電極、前記ホールブロッキング層、前記光電変換層、及び前記第2の電極が積層されてなる光電変換部と、
前記第2の電極が前記第3の電極と接触している電極接触部と、
前記光電変換部と前記電極接触部とを区画する区画部と、を有し、
前記電極接触部において前記第2の電極と前記第3の電極とが接触している面積(S1)と、前記光電変換部の面積(S2)とが、下記式(1)を満たすことを特徴とする光電変換素子である。
1.0×10-5 ≦ 100×(S1/S2) ・・・式(1)
<2> 前記面積(S1)と、前記面積(S2)とが、下記式(1-1)を満たす前記<1>に記載の光電変換素子である。
1.0×10-4 ≦ 100×(S1/S2) ・・・式(1-1)
<3> 前記区画部を介して前記電極接触部に前記光電変換層が延在しており、
前記電極接触部において、前記第2の電極が前記電極接触部に延在した前記光電変換層を貫通して前記第3の電極と接触している前記<1>から<2>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<4> 前記光電変換層が、電子輸送層、及びホール輸送層を有し、
前記区画部における前記光電変換部側の端から前記電極接触部側の端までの幅が、前記電子輸送層の平均厚みの100倍以上である前記<1>から<3>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の光電変換素子を複数有する光電変換モジュールであって、
複数の光電変換素子のうちの互いに隣接する第1の光電変換素子及び第2の光電変換素子において、前記第1の光電変換素子の前記第3の電極が、前記第2の光電変換素子の前記第1の電極と電気的に接続されていることを特徴とする光電変換モジュールである。
<6> 前記第1の光電変換素子の前記第3の電極が、前記第2の光電変換素子の前記第1の電極と一体化されている前記<5>に記載の光電変換モジュールである。
<7> 前記互いに隣接する光電変換素子間において、電子輸送層及びホール輸送層の少なくともどちらか一方が延設されていない前記<5>から<6>のいずれかに記載の光電変換モジュールである。
<8> 前記互いに隣接する光電変換素子間において、光電変換層が延設されていない前記<5>から<6>のいずれかに記載の光電変換モジュールである。
前記<1>から<4>のいずれかに記載の光電変換素子、及び前記<5>から<8>のいずれかに記載の光電変換モジュールは、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1 基板
2 第1の電極
3 ホールブロッキング層
4 光電変換層
5 第2の電極
10 光電変換素子
12 第3の電極
13 貫通孔
14 電子輸送層
24 ホール輸送層
51 光電変換部
52 電極接触部
53 区画部
100 光電変換モジュール
特開2018-98226号公報 特開2019-176136号公報

Claims (8)

  1. 第1の電極、ホールブロッキング層、光電変換層、第2の電極、及び第3の電極を有する光電変換素子であって、
    前記第1の電極、前記ホールブロッキング層、前記光電変換層、及び前記第2の電極が積層されてなる光電変換部と、
    前記第2の電極が前記第3の電極と接触している電極接触部と、
    前記光電変換部と前記電極接触部とを区画する区画部と、を有し、
    前記電極接触部において前記第2の電極と前記第3の電極とが接触している面積(S1)と、前記光電変換部の面積(S2)とが、下記式(1)を満たし、
    200luxでの初期最大出力電力をPmax1、20000luxでの初期最大出力電力をPmax2とした時、出力の直線性(Pmax2/Pmax1)が80以上120以下であることを特徴とする光電変換素子。
    1.0×10-5 ≦ 100×(S1/S2)≦2.44 ・・・式(1)
  2. 前記電極接触部において前記第2の電極は独立した複数の貫通孔を介して前記第3の電極と接触していることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記Pmax1が6以上であり、前記Pmax2が480.38以上である、請求項1から2のいずれかに記載の光電変換素子。
  4. 前記光電変換層が、電子輸送層、及びホール輸送層を有し、
    前記区画部における前記光電変換部側の端から前記電極接触部側の端までの幅が、前記電子輸送層の平均厚みの100倍以上である、請求項1から3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の光電変換素子を複数有する光電変換モジュールであって、
    複数の光電変換素子のうちの互いに隣接する第1の光電変換素子及び第2の光電変換素子において、前記第1の光電変換素子の前記第3の電極が、前記第2の光電変換素子の前記第1の電極と電気的に接続されていることを特徴とする光電変換モジュール。
  6. 前記第1の光電変換素子の前記第3の電極が、前記第2の光電変換素子の前記第1の電極と一体化されている、請求項5に記載の光電変換モジュール。
  7. 前記互いに隣接する光電変換素子間において、電子輸送層及びホール輸送層の少なくともどちらか一方が延設されていない、請求項5から6のいずれかに記載の光電変換モジュール。
  8. 前記互いに隣接する光電変換素子間において、光電変換層が延設されていない、請求項5から6のいずれかに記載の光電変換モジュール。
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