JP2021027794A - ロータシャフトの製造方法 - Google Patents

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Yuya Kumasaka
悠也 熊坂
宏 金原
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宏 金原
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Abstract

【課題】ロータシャフトの軽量化が可能なロータシャフトの製造方法を提供すること。【解決手段】本発明に係るロータシャフトの製造方法は、板状部材1を用いて、外周方向に突出している突出部11を備えるとともに、多角形状の外周形状を有する中空状のロータシャフト20を成形するロータシャフトの製造方法であって、板状部材1をプレス加工して、板状部材1の第1の方向に延びるとともに板状部材1の表面から突出している突出部11を有し、且つ、第1の方向と直交し板状部材1の表面と平行な第2の方向から見た際に少なくとも2つのU字状の断面形状を有する中間成形品10を成形する工程と、中間成形品10の隣り合うU字状の断面同士が繋がっている部分を押圧して、外周形状が多角形状のロータシャフト20を成形する工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明はロータシャフトの製造方法に関するものである。
ロータの構成として、回転可能なロータシャフトと、当該ロータシャフトと組み付けられたロータコア(積層鋼板)との構成が知られている。特許文献1には、軸方向の固定のための突出部を有するロータシャフト(ロータ軸)を鍛造成形を用いて作製するロータシャフト(ロータ軸)の製造方法が開示されている。なお、特許文献1における突出部は、鍛造によって成形したロータシャフト(ロータ軸)を、かしめ治具を用いて押し潰すことによって形成されている。
特開2019−075877号公報
鍛造成形を用いてロータシャフトを成形する場合、軽量化の観点で改善の余地があるという問題がある。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、ロータシャフトの軽量化が可能なロータシャフトの製造方法を提供するものである。
本発明に係るロータシャフトの製造方法は、
板状部材を用いて、外周方向に突出している突出部を備えるとともに、多角形状の外周形状を有する中空状のロータシャフトを成形するロータシャフトの製造方法であって、
前記板状部材をプレス加工して、前記板状部材の第1の方向に延びるとともに前記板状部材の表面から突出している突出部を有し、且つ、前記第1の方向と直交し前記板状部材の表面と平行な第2の方向から見た際に少なくとも2つのU字状の断面形状を有する中間成形品を成形する工程と、
前記中間成形品の隣り合う前記U字状の断面同士が繋がっている部分を押圧して、外周形状が多角形状のロータシャフトを成形する工程と、を備える。
本発明に係るロータシャフトの製造方法では、板状部材をプレス加工して、板状部材の第1の方向に延びるとともに板状部材の表面から突出している突出部を有し、且つ、第1の方向と直交し板状部材の表面と平行な第2の方向から見た際に少なくとも2つのU字状の断面形状を有する中間成形品を成形する工程と、中間成形品の隣り合うU字状の断面同士が繋がっている部分を押圧して、外周形状が多角形状のロータシャフトを成形する工程と、を備える。このような構成を備える製造方法によって、外周形状が多角形状であり中空状のロータシャフトを成形することができる。当該製造方法によって、板状部材から中空状のロータシャフトを成形できるため、ロータシャフトを軽量化できる。
本発明により、ロータシャフトを軽量化できる。
実施の形態にかかるロータシャフトの製造方法を示すフローチャートである。 実施の形態にかかるプレス加工を行い成形した中間成形品を示す平面図である。 図2のIII−III線に沿う側面断面図である。 図2のIV−IV線に沿う正面断面図である。 実施の形態にかかる曲げ加工を行った中間成形品を示す正面断面図である。 実施の形態にかかる押圧の途中段階を示す正面断面図である。 図6の斜視図である。 実施の形態にかかる押圧によって成形したロータシャフトを示す正面断面図である。 図8の斜視図である。 実施の形態にかかる押圧後、接触部分に溶接を施した状態を示す斜視図である。 抜き加工後の板状部材を示す平面図である。 図11のXII―XII線に沿う側面断面図である。 図11のXIII―XIII線に沿う正面断面図である。 ロータシャフトの周長を示す正面断面図である。 比較例のロータシャフトの製造方法で製造したロータシャフトをロータコアに配置した状態を示す断面図である。 図15の領域Aの拡大断面図である。
<実施の形態1>
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図に示した右手系xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。特に言及のない限り、z軸プラス向きが鉛直上向きである。また、xy平面が水平面である。
図1は、実施の形態にかかるロータシャフトの製造方法を示すフローチャートである。図1に示すように、本実施の形態にかかるロータシャフトの製造方法は、板状部材をプレス加工して突出部を有する中間成形品を成形し(ステップS1)、当該中間成形品を押圧することによって多角形状の外周形状を有する中空状のロータシャフトを成形する(ステップS2)。
以下、図1のフローチャートに対応する各図を参照しつつ、各ステップについて詳細に説明する。
<ステップS1:プレス加工>
ステップS1では、プレス加工によって、板状部材から、突出部と、少なくとも2つのU字状の断面形状とを有する中間成形品を成形する。まず、本実施の形態における用語について説明する。
「プレス加工」とは、ダイとパンチとの間に配置された板状部材を、当該ダイ及びパンチの形状に沿うように圧縮力や引張力を加えながら成形する加工を指す。換言すると、ダイ及びパンチを用い、所望の形状へと材料の流入を促す、絞り曲げ加工を指す。
「板状部材」とは、本実施の形態にかかる製造方法によって製造するロータシャフトの材料である。板状部材の材料としては、プレス成形が可能であって、ロータシャフトとして用いるために必要な強度を有する材料を用いることができる。具体的には、例えば、高張力鋼板(ハイテン、High Tensile Strength Steel)、熱鍛鋼板、冷鍛鋼板、亜鉛メッキ鋼板等を用いることができる。各鋼板の材料としては、鉄、チタン、アルミニウム、マグネシウム、ステンレス等の金属や、金属と樹脂との複合材料も含む。板状部材の形状としては、例えば矩形状のものや、プレス加工によって生じ得る外周部の歪みをあらかじめ考慮した形状のもの等を用いることができる。
「突出部」とは、最終成形品であるロータシャフトがロータコア(積層鋼板)に締結され回転する際に、軸方向の変位を抑制可能な部分を指す。当該突出部は、ロータシャフト本体と同様、多角形状の外周形状を有することが好ましい。
「多角形状」の外周形状とは、多角形と、多角形に近い形状との両者を含む。
「多角形」とは、直線状の辺の組み合わせから構成され、内角の和が180°以上のものを意味する。具体的には例えば、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等を含む。
「多角形に近い形状」とは、多角形のように直線状の辺の組み合わせから構成されるが、角の部分や一部の辺において曲線状の部分を有する場合を意味する。
なお、軸方向の変位の抑制以外の他の用途に使用する、他の突出部も形成してもよい。その場合、当該他の突出部は用途に応じて外周形状を変更することが可能である。例えば、外周形状が円形であっても、上述の多角形状などの非円形であってもよい。「円形」には、正円と楕円の両方を含む。
図2は、実施の形態にかかるプレス加工を行い成形した中間成形品を示す平面図である。図2に示すように、板状部材1の第1の方向(x軸方向)に延びるとともに、当該板状部材1の表面から突出している突出部11が形成されるように、また、第1の方向(x軸方向)に直交し、第2の方向(y軸方向)に延びる方向にU字状の断面形状を有する少なくとも2つのU字部12、13が成形されるようにプレス加工を行うことで、中間成形品10を成形する。突出部11とU字部12、13の詳細な構造は、図3及び図4を用いて後述する。
板状部材1の第1の方向の加工および第2の方向の加工は、一種類のダイとパンチを用いて同じタイミングで行ってもよいし、それぞれ異なるダイとパンチを用いて異なるタイミングで行ってもよい。第1の方向の加工と第2の方向の加工を別々に行う場合、加工順は限定されず、いずれの加工を先に行ってもよい。
まず、プレス成形によって得られる突出部11について、図2及び図3を参照して説明する。図2に示すように、板状部材1の第1の方向(x軸方向)に延びる方向に突出部11を形成する。例えば、図2に示すように、板状部材1の第2の方向(y軸方向)の所定の位置において、第1の方向(x軸方向)のx軸負側からx軸正側までの全体に突出部11を形成することができる。
図3は、図2のIII−III線に沿う側面断面図である。ダイ上に配置した板状部材1に対し、z軸負方向(白抜き矢印方向)にパンチを押し込み、図3に示すように板状部材1の表面からz軸負方向に突出するような突出部11を形成する。突出部11は、最終成形品であるロータシャフトが、モータのアンバランス発生時であっても軸方向の変位を抑制できる程度の幅Wを有していることが好ましい。
次に、プレス成形によって得られるU字部について、図2及び図4を参照して説明する。図2に示すように、U字部12及び13は、第1の方向(x軸方向)に直交し、板状部材1の第2の方向(y軸方向)に延びる方向に形成する。
図4は、図2のIV−IV線に沿う正面断面図である。図4に示すように、ダイ上に配置した板状部材1に対し、z軸負方向(白抜き矢印方向)にパンチを押し込み、U字部12、13を形成する。図4に示すように、U字部12、13は、板状部材1の表面(xy平面)と平行な第2の方向(y軸方向)から見た際に、U字状の断面形状を有する。すなわち、正面断面視U字状の形状を有する。
各U字部は、ロータシャフトの各辺を形成する壁部および底部を備える。より具体的には、U字部12は壁部12a、12c及び底部12bを備え、U字部13は壁部13a、13c及び底部13bを備える。各辺が平面状の多角形のロータシャフトを成形する場合は、図4に示すように、壁部12a、13aと、底部12b、13bとを、プレス成形によって平面状に成形することが好ましい。壁部12c、13cについては、後述する押圧によって平面状に成形することができる。
U字部の数は、所望のロータシャフトの外周面の形状、すなわちロータコア(不図示)の内周面の形状に応じて適宜変更可能である。本実施の形態では、外周面が多角形状のロータシャフトを成形するため、U字部を少なくとも2以上設けることが好ましい。また、図4に示すように、一例としてU字部を2つ設ける場合は、隣り合うU字部12、13の断面同士が繋がっている部分を中心として線対称となるように各U字部を形成することが好ましい。
なお、突出部について、図2では板状部材1の第2の方向(y軸方向)の所定の位置において、第1の方向(x軸方向)のx軸負側からx軸正側までの全体に突出部11が形成されているが、これに限定されない。例えば、図2に示す第2の方向(y軸方向)の所定の位置において、第1の方向(x軸方向)の一部に突出部を形成することができる。換言すると、x軸方向の同一線上に、一部が突出していない断続的な突出部、すなわち複数の突出部を形成することができる。当該複数の突出部を形成する場合は、各突出部が同一線上において均等な間隔で配置されるように形成することが好ましい。
また、U字部について、U字部を3つ以上設ける場合は、複数のU字部のうち、x軸方向の中央部を中心として線対称となるように各U字部を形成することが好ましい。また、図4に示すように、本実施の形態では、プレス加工された板状部材1は、プレス加工によって絞り曲げされていない端部14及び15を有している。
ここで、端部14、15を有する場合の曲げ加工について説明する。上述したプレス加工後、当該端部を曲げる曲げ加工を行う。図5は、実施の形態にかかる曲げ加工を行った中間成形品を示す正面断面図である。図5は、図4の中間成形品10を曲げ加工した中間成形品10aである。図5に示すように、xy平面に延在していた端部14、15(破線部)を、例えばそれぞれyz平面に延在するように曲げ加工を行う。換言すると、以下に説明する押圧を経て中間成形品が多角形状の外周形状を有する管となった際に、端部14の端面14aと、端部15の端面15aとが対向して接触可能な位置となるように、曲げ加工を行う。例えば、図5に示すようにU字部を2つ備え、両端に端部を有する場合は、最終成形品であるロータシャフトは八角形となる。
なお、曲げ加工は、両端部を有さないようにプレス加工を行った場合、すなわち、y軸負側の端部からy軸正側の端部まで、少なくとも2つのU字部を形成した場合であって、端部の端面同士が以下の押圧工程に起因する変形によって接触可能な形状であれば、省略可能である。
<ステップS2:押圧>
ステップS2では、押圧によって、多角形状の外周形状を有するロータシャフトを成形する。本実施の形態では、一例として最終的に直線状の辺の組み合わせからなる八角形のロータシャフトを製造する。本実施の形態において押圧する部分は、中間成形品の隣り合うU字部の、U字状の断面同士が繋がっている部分である。図5に示すように、U字状の断面同士が繋がっている凸状の部分の高さhを減少させる方向(z軸負方向)に押圧して、凸状の部分が平面状、すなわち直線状の辺になるまで塑性変形させる。換言すると、最終的に当該凸状の部分の高さhがゼロになるまで押圧する。凸状の部分の押圧は、例えばパンチやマンドレル等を用いて行うことができる。
以下、図6〜図9を参照し、押圧によって中間成形品が多角形状の外周形状を有するロータシャフトへと変形するまでの形状の段階的な変化を説明する。
図6は、実施の形態にかかる押圧の途中段階を示す正面断面図である。また、図6は、図5の中間成形品を押圧したものである。図6に示すように、U字状の断面同士が繋がっている凸状の部分をz軸負方向(白抜き矢印方向)に押圧し、高さhを段階的に減少させることによって、凸状の部分を塑性変形させる。
ここで、「高さhを段階的に減少させる」とは、高さhがゼロになるまで押圧を連続的に行うことと、押圧を断続的に行うことの両者を含む。押圧を「断続的に行う」とは、高さhを一旦図6に示すような途中段階まで減少させ一時停止させつつ、数回の押圧を経て高さhをゼロになるまで減少させることを意味する。また、「高さhがゼロになるまで」とは、最終成形品であるロータシャフトの多角形状の外周形状の各辺が直線の場合である。例えば各辺が曲線状の部分を有する場合は、当該形状に応じて、高さhを適宜調節し、所望の形状に形成することができる。
図7は、図6の斜視図である。図6及び図7に示すように、隣り合うU字部のU字状の断面同士が繋がっている凸状の部分の高さhが減少するように押圧を行うと、凸状の部分が平面状に塑性変形する。当該塑性変形に起因して、U字部12、13が黒矢印で示す方向に押し上げられる。すなわち、凸状の部分の押圧に起因して、U字部12、13の端部14、15の相対的な位置関係が近付くような変形が生じる。つまり、凸状の部分を押圧することによって、端面14aと端面15aとが近づくように変形させることができる。
図8及び図9は、本実施の形態の製造方法を用いて製造したロータシャフト20を示している。
図8は、実施の形態にかかる押圧によって成形したロータシャフトを示す正面断面図である。図8に示すように、上述の、U字状の断面同士が繋がっている凸状の部分が平面状となるまで押圧し(z軸負方向、白抜き矢印で示す)、端面14aと端面15aとを接触させる。端面14aと端面15aとが接触すると、両者の接触面に発生する圧縮応力によって、接触面同士が固定される。
図9は、図8の斜視図である。図8及び図9に示すように、本実施の形態の製造方法によって、多角形状の外周形状を有するロータシャフト20を製造することができる。中間成形品の段階でU字部を2つ備え、両端に端部を有する場合、図8及び図9に示すように、直線状の辺の組み合わせからなる八角形のロータシャフト20を製造することができる。
なお、図8に示すように、ロータシャフト20の各辺の厚さについて、プレス加工によって絞り曲げ加工された際の厚さを最終成形品の厚さとすることができる。すなわち、管状の形状全体の厚さを均一な厚さとすることができる。
また、図9に示すように、突出部11はロータシャフト20の外側径方向に向かって突出しているため、突出部11の外径は、ロータシャフト20の本体の外径より大きい外径を有している。また、本実施の形態では、図9に示すように、突出部11はロータシャフト20の所定の位置の表面から外周側に突出し、且つ、当該ロータシャフト20の外周面を一周するように形成される。
このようにして、上述の製造方法を用いて、突出部を備えるとともに、多角形状の外周形状を有する中空状のロータシャフト20を成形することができる。
なお、本実施の形態では、図9に示すように、突出部11はロータシャフト20の所定の位置の表面から外周側に突出し、且つ、当該ロータシャフト20の外周面の所定の位置を一周するように形成されているが、これに限定されない。具体的には、ロータシャフト20を高速回転させた際に、軸方向の変位が抑制できる形状であればよい。より具体的には、例えば、同一外周上の一部が突出している突出部、すなわち複数の突出部を形成してもよい。当該複数の突出部は、ロータシャフトの同一外周上の均等な位置に形成されることが好ましい。
また、突出部11の所定の位置として、y軸負側寄りに1つ形成しているが、締結するロータコアの形状に応じて所望の位置に形成することが可能である。また、突出部11の数は少なくとも1以上であればよく、ロータコアの形状に応じて2以上の突出部を形成することも可能である。例えば、第2の方向(y軸方向)の両側に設けることも可能である。さらに、軸方向の変位を抑制する突出部11以外の突出部を形成する場合、当該突出部の外周形状は円形状であってもよく、非円形状であってもよい。
さらに、接触した端面同士をより確実に固定するために、製造したロータシャフト20の端面同士の接触部分に対して溶接を行い固定してもよい。図10は、実施の形態にかかる押圧後、接触部分に溶接を施した状態を示す斜視図である。図10に示すように、接触部分に溶接を施すと、接触部分にビードBが形成され、接触部分がより強固に固定される。溶接には、アーク溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接、ガス圧接、摩擦圧接等、各種溶接方法を適宜用いることができる。
なお、最終成形品の成形精度をより高めるために、実施の形態1のステップS1とS2との間に、抜き加工を行ってもよい。本実施の形態における「抜き加工」とは、図11〜図13に示すように、板状部材のプレス加工によって板状部材の外周部に歪みが生じた場合、プレス加工後の板状部材の歪みが生じた辺を打ち抜き、より精度の高い矩形状に加工することを指す。歪みの程度に応じて、抜き加工によって板状部材の外周部の少なくとも一辺を打ち抜くことができ、最大で四辺を打ち抜くことができる。
図11は、抜き加工後の板状部材を示す平面図であり、図12は、図11のXII―XII線に沿う側面断面図であり、図13は、図11のXIII―XIII線に沿う正面断面図である。
図11〜図13の各図において、破線部がプレス加工によって板状部材1の外周部に歪みが生じた部分を示す。また、各図では、一例として、板状部材の四辺に歪みが生じた場合を示す。抜き加工後の構成は図2〜図4と同様のため、図2〜図4と同一の符号を付し、説明は省略する。
図14は、ロータシャフトの周長を示す正面断面図である。図13の中間成形品10の一点鎖線で示す板状部材の長さLと、図14のロータシャフト20の一点鎖線で示す周長Pとは一致する。したがって、抜き加工によって板状部材を打ち抜く場合は、中間成形品10の長さLが図14の一点鎖線で示す周長Pの長さとなることを考慮して、抜き加工を行うことが好ましい。
なお、プレス加工によって板状部材の外周部に生じた歪みが、ロータシャフトとして成形した場合に問題が無い程度の僅かな歪みの場合、または、プレス加工によって生じ得る外周部の歪みをあらかじめ考慮した形状の板状部材を用いて成形した場合等は、上記抜き加工は省略することができる。
なお、本実施の形態にかかるロータシャフトの製造方法は、ロータシャフト以外の突出部を備える回転体である回転軸、例えば、ベアリング、ファン、ハードディスクドライブ(HDD)等の回転軸や、回転刃等の成形にも用いることができる。
従来、鍛造成形を用いてロータシャフトを成形した場合、軽量化の観点で改善の余地があるという問題があった。
これに対し、本実施の形態にかかるロータシャフトの製造方法では、板状部材をプレス加工して、板状部材の第1の方向に延びるとともに板状部材の表面から突出している突出部を有し、且つ、第1の方向と直交し板状部材の表面と平行な第2の方向から見た際に少なくとも2つのU字状の断面形状を有する中間成形品を成形する工程と、中間成形品の隣り合うU字状の断面同士が繋がっている部分を押圧して、外周形状が多角形状のロータシャフトを成形する工程と、を備える。このような構成を備える製造方法によって、多角形状の外周形状を有する中空状のロータシャフトを成形することができる。当該製造方法によって、板状部材から中空状のロータシャフトを成形できるため、ロータシャフトを軽量化できる。より具体的には、板状部材から成形することによって、鍛造成形によって製造されたロータシャフトよりも、多角形状の外周形状の各辺を均一な厚さとすることが可能であるため、軽量化できる。ロータシャフトの軽量化は、回転体として有利である。また、ロータシャフトの軽量化の実現は、当該モータを搭載する車体の軽量化へと繋がり、有利である。
また、例えば順送プレス加工によって突出部を有するロータシャフトを成形することは困難であるが、本実施の形態にかかるロータシャフトの製造方法によって、板状部材から突出部を有するロータシャフトを成形できるため、板状部材以外に突出部形成のための他の部材を追加することなく、突出部を有するロータシャフトを成形できる。また、板状部材からプレス加工、押圧加工を経ることによって突出部を有するロータシャフトを成形するため、追加の切削加工等の機械加工が不要である。
さらに、板状部材として高張力鋼を用いた場合、突出部の強度を上げるために別の材料を組み合わせて成形することや、突出部に焼き入れを行うなどの追加の加工を行うことが不要となる。すなわち、材料と工程数を減少させることができる。また、中間成形品の凸部の押圧によって容易に中空状のロータシャフトを成形できるため、加工のための機器として、例えばカムなどの他の構成が不要となる。よって、鍛造成形や機械加工等によるロータシャフトの製造方法と比較して、材料の種類や加工工程を低減しつつ、突出部を備える多角形状の外周形状を有する中空状のロータシャフトを成形することができる。したがって、コストを低減することができる。
また、端面同士を圧縮応力によって固定するため、安定した高い寸法精度を実現することができる。さらに端面同士を溶接によって固定することで、端面同士のより確実な固定が可能となる。
さらに、本実施の形態にかかるロータシャフトの製造方法によって製造されたロータシャフトは、外周形状がロータコアの内周形状に対応する多角形状であるため、ロータシャフトとロータコアとの締結のために、例えば焼嵌めなどの加熱工程を要さず締結することができる。したがって、加工数を減少させることができ、コストを低減することができる。
さらに、プレス加工の際に外周部に歪みが生じた場合であっても、プレス加工と押圧加工との間に抜き加工を行うことで、より精度の高いロータシャフトを製造することができる。
<実施の形態2>
本実施の形態に係るロータシャフトの製造方法が、実施の形態1の製造方法と異なる点は、突出部を形成する際に用いる加工方法である。具体的には、本実施の形態では、突出部を形成するプレス加工として、コイニング加工を用いて行ってもよい。コイニング加工は、加工後のスプリングバック量が極めて少なく、目的とする形状を高い精度で形成可能な加工方法である。突出部の形成にコイニング加工を用いることにより、より高い寸法精度で突出部を形成することができる。
他の構成および方法は、実施の形態1と同様である。
図15は、比較例のロータシャフトの製造方法で製造したロータシャフトをロータコアに配置した状態を示す断面図である。図16は、図15の領域Aの拡大断面図である。図15に示す比較例では、ロータシャフト100の突出部111を切削加工で形成している。ロータシャフト100は、ロータコア120に配置されている。ロータコア120は、積層された電磁鋼板121と磁石122とを含む。
図16に示すように、ロータシャフト100の突出部111を切削加工で形成した場合、ロータシャフト100の突出部111とロータコア120との間にぬすみ(隙間)200が形成される場合がある。ロータシャフト100の回転時には、イナーシャトルクが発生し、ロータシャフト100の回転速度を高速にすると、より高いイナーシャトルクが発生する。隙間200が形成された場合、ロータシャフト100以外の構造、例えばロータコア120に当該イナーシャトルクの負荷がかかり、ロータコア120の内部構造が影響を受ける場合がある。また、このような隙間200が形成された突出部111を備えるロータシャフト100は、軸方向の変位を抑制することが困難となり得る。
これに対し、本実施の形態に係るロータシャフトの製造方法では、ロータシャフトの突出部の形成にコイニング加工を用いている。コイニング加工によって突出部を形成することにより、より高い寸法精度で突出部を形成することができる。したがって、ロータシャフトの突出部とロータコアとの間の隙間の形成を抑制することができる。また、ロータシャフトの高速回転時において高いイナーシャトルクが発生した場合であっても、軸方向の変位を抑制可能である。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1 板状部材
10、10a 中間成形品
11、111 突出部
12、13 U字部
12a、12c、13a、13c 壁部
12b、13b 底部
14、15 端部
14a、15a 端面
20、100 ロータシャフト
120 ロータコア
121 電磁鋼板
122 磁石
A 領域
B ビード
h 高さ
L 長さ
P 周長
S1、S2 ステップ
W 幅

Claims (2)

  1. 板状部材を用いて、外周方向に突出している突出部を備えるとともに、多角形状の外周形状を有する中空状のロータシャフトを成形するロータシャフトの製造方法であって、
    前記板状部材をプレス加工して、前記板状部材の第1の方向に延びるとともに前記板状部材の表面から突出している突出部を有し、且つ、前記第1の方向と直交し前記板状部材の表面と平行な第2の方向から見た際に少なくとも2つのU字状の断面形状を有する中間成形品を成形する工程と、
    前記中間成形品の隣り合う前記U字状の断面同士が繋がっている部分を押圧して、外周形状が多角形状のロータシャフトを成形する工程と、を備える、
    ロータシャフトの製造方法。
  2. 前記突出部を形成する前記プレス加工は、コイニング加工である、請求項1に記載のロータシャフトの製造方法。
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