JP2021069327A - 釣竿用中実体及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】マトリクス樹脂の破壊を抑制し、また強化繊維の剥離を防止することが可能な釣竿用中実体を提供する。【解決手段】実施形態に係る釣竿用中実竿体10は、CNF(セルロースナノファイバー)13を添加したマトリクス樹脂12と、強化繊維11と、を含む繊維強化プラスチックで成形される。【選択図】図2

Description

本発明は、釣竿用中実体及びその製造方法に関する。
従来より、様々な釣竿用中実体に用いることが可能な強化繊維に合成樹脂を含侵したプリプレグを含む様々な複合材料が知られている。
このような複合材料として、例えば、特許文献1に高分子系母材を繊維状強化材で強化した繊維強化複合材料であって、さらに、高分子系母材中にミクロフィブリルセルロースを分散させた複合材料が開示されている。
また、同特許文献には、複合材料が疲労特性ならびに衝撃特性に優れたものであるため、スポーツ用品の中でも例えばテニスラケットやゴルフのクラブシャフト、野球のバットなど打球部位を有する球技用具に好適に適用可能であることが開示されている。
特開2010−24413号公報
通常、中実状のソリッド体は竿としてそのまま使用するのではなく、その表面を研磨して所定形状に成形して使用される。しかしながら、ソリッド体の表面部の強化繊維は研削によって切断されるため、このような繊維切断部分から繊維剥離が生じ、破損しやすくなり耐久性が低下してしまうという問題があった。特に、テーパ加工のあるソリッド体では、繊維層間剥離が圧縮破壊よりも早く発生するため、これを回避することがさらに求められている。
本発明の目的の一つは、マトリクス樹脂の破壊を抑制し、また強化繊維の剥離を防止することが可能な釣竿用中実体を提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体は、CNF(セルロースナノファイバー)を添加したマトリクス樹脂と、強化繊維と、を含む繊維強化プラスチックで成形される。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体において、添加された当該CNF(セルロースナノファイバー)は、SP値が8.8−12.7の溶媒に分散可能である。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体は、前記CNF(セルロースナノファイバー)は、マトリックス樹脂のSP値±2のSP値を有する液体に分散して添加される。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体において、前記マトリクス樹脂は、前記CNF(セルロースナノファイバー)の添加量が0.3−5%である。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体において、前記マトリクス樹脂は、エポキシ、不飽和ポリエステル若しくはビニルエステルを含むよう構成される。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体において、前記強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維若しくは有機繊維を含むよう構成される。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体は、テーパして形成されている。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体のテーパ角は、0.2〜2.5度に形成されている。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体の製造方法は、強化繊維を形成し、マトリクス樹脂を形成し、該マトリクス樹脂にCNF(セルロースナノファイバー)を添加し、前記強化繊維と、CNF(セルロースナノファイバー)添加マトリクス樹脂とで繊維強化プラスチックを形成し、前記繊維強化プラスチックを引抜成形する各ステップを備える。
本発明の上記各実施形態によれば、CNFがマトリクス樹脂中で疑似架橋を構成することで、せん断応力によるマトリクス樹脂の破壊を抑制すると共に、CNFがマトリクス樹脂と強化繊維との間に介在することで接着性が向上し、強化繊維の剥離を防止することが可能な釣竿用中実竿体及びその製造方法を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る釣竿を示す図である。 本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体の断面を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体の製造方法の概略を示す図である。 本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体のせん断強度試験の結果を示す図である。
以下、本発明に係る釣竿の実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
図1は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図である。図示のように、本発明の一実施形態による釣竿1は、竿体2と、竿体2にリールシート9を介して取り付けられたリールRと、竿体2に取り付けられた釣糸ガイド8と、を備える。図示の実施形態においては、リールシート9及び釣糸ガイド8の各々が、竿体の外周面に取り付けられる取付部品に該当する。
竿体2は、例えば、元竿3、中竿5、及び穂先竿7等を連結することによって構成されている。これらの各竿体は、例えば、並継ぎ式に継合される。元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、振出方式、逆並継方式、インロー方式、又はこれら以外の公知の任意の継合方式により継合され得る。竿体2は、単一の竿体から構成されていても良い。
元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、例えば、繊維強化樹脂製の管状体で構成されている。この繊維強化樹脂製の管状体は、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂プリプレグ(プリプレグシート)を芯金に巻回し、このプリプレグシートを加熱して硬化させることにより作成される。このプリプレグシートに含まれる強化繊維として、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、及びこれら以外の任意の公知の強化繊維を用いることができる。当該プリプレグシートに含まれるマトリクス樹脂として、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。その他、熱硬化性樹脂として、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂及びウレタン樹脂を用いることができる。プリプレグシートが硬化された後には、芯金が脱芯される。また、管状体の外表面は、適宜研磨される。各竿体は、中実状に構成されてもよい。本発明に係る繊維強化プリプレグの一実施形態の詳細については後述する。
図示の実施形態において、元竿3、中竿5及び穂先竿7には、リールシート9に装着されるリールRから繰り出される釣糸を案内する複数の釣糸ガイド8(釣糸ガイド8A〜8D)が設けられている。より具体的には、元竿3には釣糸ガイド8Aが設けられ、中竿5には釣糸ガイド8Bが設けられ、穂先竿7には釣糸ガイド8Cが設けられている。穂先竿7の先端には、トップガイド8Dが設けられている。
次に、図2を参照して、本発明に係る釣竿用中実竿体10の一実施形態を説明する。同図は、本発明に係る釣竿用中実竿体10の断面を模式的に示すものである。
図示の例では、本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体10は、CNF(セルロースナノファイバー)を添加したマトリクス樹脂と、強化繊維と、を含む繊維強化プラスチックで成形される。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体10によれば、CNFがマトリクス樹脂中で疑似架橋を構成することで、せん断応力によるマトリクス樹脂の破壊を抑制すると共に、CNFがマトリクス樹脂と強化繊維との間に介在することで接着性が向上し、強化繊維の剥離を防止することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体において、添加された当該CNF(セルロースナノファイバー)は、SP値が8.8−12.7の溶媒に分散可能である。このような溶媒として、エタノールやキシレンを用いることができるが、これらに限られない。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体10において、当該CNF(セルロースナノファイバー)13は、マトリックス樹脂のSP値±2のSP値を有する液体に分散して塗布される。このような液体の他にも、スチレン、メタクリル酸メチル等(有機溶剤の場合は、沸点が130℃以上)を用いることができるが、これらに限られない。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体10において、当該マトリクス樹脂は、当該CNF(セルロースナノファイバー)の添加量が0.3−5%である。本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体10において、より好ましくは、当該マトリクス樹脂は、当該CNF(セルロースナノファイバー)の添加量が1−3%である。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体10において、当該マトリクス樹脂は、エポキシ、不飽和ポリエステル若しくはビニルエステルを含むよう構成される。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体10において、当該強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維若しくは有機繊維を含むよう構成される。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体10は、テーパして形成されている。また、本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体10のテーパ角は、0.2〜2.5度に形成されるが、これに限られない。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体10によれば、CNFがマトリクス樹脂中で疑似架橋を構成することで、せん断応力によるマトリクス樹脂の破壊を抑制すると共に、CNFがマトリクス樹脂と強化繊維との間に介在することで接着性が向上し、強化繊維の剥離を防止することが可能となる。
次に、図3を参照して、本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体10の製造方法について説明する。
図示のように、本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体10の製造方法は、
(a)強化繊維を形成し、(b)マトリクス樹脂を形成し、(c)該マトリクス樹脂にCNF(セルロースナノファイバー)を添加し、(d)該強化繊維と、CNF(セルロースナノファイバー)添加マトリクス樹脂とで繊維強化プラスチックを形成し、(e)該繊維強化プラスチックを引抜成形する、各ステップを備えるよう構成される。
本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体10の製造方法によれば、CNFがマトリクス樹脂中で疑似架橋を構成することで、せん断応力によるマトリクス樹脂の破壊を抑制すると共に、CNFがマトリクス樹脂と強化繊維との間に介在することで接着性が向上し、強化繊維の剥離を防止することが可能となる。
次に、図4を参照して、本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体10のせん断強度試験の結果をその他の場合と比較して説明する。
図示のように、繊維剥離に関して2つの態様での比較試験の結果が示されている。具体的には、通常の繊維強化プラスチックで成形された釣竿用中実竿体、CNF(セルロースナノファイバー)を添加したマトリクス樹脂と、強化繊維と、を含む繊維強化プラスチックで成形された釣竿用中実竿体の2種類を用いて各せん断強度を測定した。試験方法としては、JIS K 7057 に準じ、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を使用した。
図4の横軸に各態様を示し、縦軸に通常の繊維強化プラスチックで成形された釣竿用中実竿体の破壊応力を100とした場合のその他の態様における破壊応力を示す。CNF(セルロースナノファイバー)を添加したマトリクス樹脂と、強化繊維と、を含む繊維強化プラスチックで成形された釣竿用中実竿体では、通常の繊維強化プラスチックで成形された釣竿用中実竿体の破壊応力よりも14%程度高いという結果となった。
以上の結果から、本発明の一実施形態に係る釣竿用中実竿体10では、CNFがマトリクス樹脂中で疑似架橋を構成することで、せん断応力によるマトリクス樹脂の破壊を抑制すると共に、CNFがマトリクス樹脂と強化繊維との間に介在することで接着性が向上し、強化繊維の剥離を防止することが可能となることが判った。
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
1 釣竿
2 竿体
3 元竿
4 筒状部材(マンドレル)
5 中竿
7 穂先竿
8 釣糸ガイド
9 リールシート
10 釣竿用中実竿体
11 強化繊維
12 マトリクス樹脂
13 CNF(セルロースナノファイバー)
14 繊維強化プリプレグシート

Claims (9)

  1. CNF(セルロースナノファイバー)を添加したマトリクス樹脂と、強化繊維と、を含む繊維強化プラスチックで成形されたことを特徴とする釣竿用中実竿体。
  2. 添加された前記CNF(セルロースナノファイバー)は、SP値が8.8−12.7の溶媒に分散可能である、請求項1に記載の釣竿用中実竿体。
  3. 前記CNF(セルロースナノファイバー)は、マトリックス樹脂のSP値±2のSP値を有する液体に分散して添加される、請求項1又は2に記載の釣竿用中実竿体。
  4. 前記マトリクス樹脂は、前記CNF(セルロースナノファイバー)の添加量が0.3−5%である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の釣竿用中実竿体。
  5. 前記マトリクス樹脂は、エポキシ、不飽和ポリエステル若しくはビニルエステルを含む、請求項1から4までのいずれか1項に記載の釣竿用中実竿体。
  6. 前記強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維若しくは有機繊維を含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載の釣竿用中実竿体。
  7. 前記中実竿体は、テーパして形成されている、請求項1から6までのいずれか1項に記載の釣竿用中実竿体。
  8. 前記中実竿体のテーパ角は、0.2〜2.5度に形成されている、請求項7に記載の釣竿用中実竿体。
  9. 強化繊維を形成し、
    マトリクス樹脂を形成し、
    該マトリクス樹脂にCNF(セルロースナノファイバー)を添加し、
    前記強化繊維と、CNF(セルロースナノファイバー)添加マトリクス樹脂とで繊維強化プラスチックを形成し、
    前記繊維強化プラスチックを引抜成形することを特徴とする釣竿用中実竿体の製造方法。
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