JP2022014657A - 皮革用インクセット、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 カラーインク及びクリアインクを有し、皮革に対する印刷に用いられる皮革用インクセットであって、前記カラーインクは、色材、有機溶剤、及び樹脂を含有し、前記カラーインクの乾燥膜の最大引張応力は、2.0N/mm2以上であり、前記クリアインクは、有機溶剤、及び樹脂を含有し、前記クリアインクの乾燥膜の最大引張応力は、2.0N/mm2以上であることを特徴とする皮革用インクセット。
【選択図】なし
Description
本実施形態の皮革用インクセットは、カラーインク及びクリアインクを有し、皮革に対する印刷に用いられる。
ここで、皮革用とは、カラーインク及びクリアインクを用いて行う印刷における被印刷物(記録媒体とも称する)が皮革であることを意味する。また、皮革用インクセットに含まれるカラーインク及びクリアインクは、それぞれ、1つであってもよいし複数であってもよい。また、皮革用インクセットは、これに含まれるカラーインク及びクリアインクがともに使用されればよく、例えば、カラーインク及びクリアインクが物理的に組み合わされているものに加え、カラーインク及びクリアインクが物理的に分離しているが、これらがともに使用されることを前提としているもの等も含まれる。
カラーインクは、色材、有機溶剤、及び樹脂を含有し、必要に応じて、有機溶剤、水、界面活性剤等のその他の成分を含有することが好ましい。ここで、カラーとは、色材により着色されているインクの色を表し、イエロー、マゼンダ、シアン、及びこれらの中間色に限定されず、ブラック、ホワイト、金属光沢なども含む。
クリアインクは、有機溶剤、及び樹脂を含有し、必要に応じて、有機溶剤、水、界面活性剤等のその他の成分を含有することが好ましい。ここで、クリアとは、インク中に実質的に色材を含有しないことで実質的に着色されていないことを表す。また、クリアインクは、皮革のカラーインクが付着した領域に対して後から付与されるインクであることが好ましい。
なお、カラーインク及びクリアインクに含まれる各組成物については後述するが、色材以外の組成物に関する説明は共通するため、これらをまとめて説明する。
-最大引張応力-
カラーインクの乾燥膜の最大引張応力は2.0N/mm2以上であり、且つ、クリアインクの乾燥膜の最大引張応力は2.0N/mm2以上である。なお、カラーインクの乾燥膜の最大引張応力は15.0N/mm2以下であることが好ましく、クリアインクの乾燥膜の最大引張応力は15.0N/mm2以下であることが好ましい。
皮革に対してインクを用いて印刷を行う場合、紫外線硬化型インクを用いる方法が挙げられる。しかし、紫外線硬化型インクを用いて皮革上で硬化して形成された印刷層は硬く、皮革の柔らかな触り心地等の風合いが損なわれる課題がある。また、皮革の柔らかな触り心地等の風合いが損なわれないように印刷できる紫外線硬化型インク以外のインク(重合性化合物を含有しないインク)としては、ラテックスインクなどが挙げられる。しかし、ラテックスインクなどで皮革上に形成された印刷層は耐擦過性が不十分である課題がある。
そこで、紫外線硬化型インクではなく、乾燥膜における最大引張応力が、それぞれ、2.0N/mm2以上であるカラーインク及びクリアインクを用いることで、皮革の柔らかな触り心地等の風合いの維持と耐擦過性の向上とを両立している。
まず、カラーインク及びクリアインクを、それぞれ、直径50mmのテフロン(登録商標)シャーレに入れ、70℃の熱風循環式恒温槽中で2日間乾燥させ、平均厚みが0.6±0.15mmの範囲内である乾燥膜を得る。次に、得られた乾燥膜から5mm×50mmの大きさの試験片をカッターで切り出し、以下の測定条件に従って引っ張り試験を行うことにより乾燥膜の最大引張応力を測定する。なお、乾燥膜の平均厚みは、マイクロメーターを用いて3点以上で計測した乾燥膜の厚みの平均値である。また、シャーレに投入するカラーインク及びクリアインクの量は、乾燥後の平均厚みが上記範囲を満たす量となるように適宜調整するが、例えば8gである。
(最大引張応力の測定条件)
・装置:株式会社島津製作所製オートグラフAG-10N
・ロードセル:50N
・引っ張り速度:150mm/min
・チャック間距離:4mm
・サンプル幅:5mm
・測定時温度:25℃
カラーインク及びクリアインクのその他物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE-80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7~12が好ましく、8~11がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宣選択することができる。吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、インク中の固形分の粒径の最大頻度が最大個数換算で20nm以上1,000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分には樹脂粒子や顔料が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラックWave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
カラーインク及びクリアインクに使用する有機溶剤としては、特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類及び多価アルコールアリールエーテル類等のエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド化合物、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、下記一般式(1)で表される化合物(アミド化合物)、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物としては、例えば、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
カラーインクに使用する有機溶剤としては、上記有機溶剤の中でも、下記一般式(1)で表される化合物を用いることが好ましく、カラーインク及びクリアインクの両方に使用されていることがより好ましい。一般式(1)で表される化合物が含有されることで、カラーインク及びクリアインクの皮革に対する浸透性が向上し、カラーインク及びクリアインクのそれぞれが形成する印刷層の皮革に対する定着性が向上し、結果としてインクセットにより形成される画像の耐擦過性が向上するためである。なお、表面に樹脂層を有する難浸透性または非浸透性の皮革を用いる場合、これら皮革ではカラーインク及びクリアインクの浸透性が低く画像の耐擦過性が低下しやすい傾向にあるため、一般式(1)で表される化合物を用いることがより好ましい。
炭化水素基は、炭素数が1以上8以下であれば特に制限はなく、例えば、直鎖又は分岐鎖のアルキル基、或いは環状のアルキル基などが挙げられる。
これらアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、エチルヘキシル基、オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
カラーインク及びクリアインク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル-スチレン系樹脂、アクリル-シリコーン系樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよく、これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いてもよい。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。これらの樹脂の中でも、皮革に対する耐擦過性及び定着性の観点から、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂が好ましい。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、各インク全量に対して、1.0質量%以上30.0質量%以下が好ましく、耐擦過性の観点から、3.0質量%以上15.0質量%以下がより好ましい。
カラーインクに含有される色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、顔料として、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、黒色用以外としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35が挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
分散剤として、竹本油脂社製RT-100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
顔料分散体に対し、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
カラーインク及びクリアインクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましい。シリコーン系界面活性剤としては、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF-618、KF-642、KF-643(信越化学工業株式会社)、EMALEX-SS-5602、SS-1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ-2105、FZ-2118、FZ-2154、FZ-2161、FZ-2162、FZ-2163、FZ-2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK-33、BYK-387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。 これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS-111、S-112、S-113、S-121、S-131、S-132、S-141、S-145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC-93、FC-95、FC-98、FC-129、FC-135、FC-170C、FC-430、FC-431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF-470、F-1405、F-474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、UR、キャプストーンFS-30、FS-31、FS-3100、FS-34、FS-35(いずれも、Chemours社製);FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF-136A,PF-156A、PF-151N、PF-154、PF-159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS-3100、FS-34、FS-300、株式会社ネオス製のFT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF-151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
本実施形態の皮革用インクセットは、皮革に対する印刷に用いられる。言い換えると、皮革は被印刷物であり、皮革用インクセットに含まれるカラーインク及びクリアインクは、この皮革に対して吐出等されることで付与される。
合成皮革としては、特に制限はなく、天然繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等から構成される織布・編布基材の表面に合成樹脂を塗布したものなどを用いることができる。
人工皮革としては、特に制限はなく、ナイロン、ポリエステル等のマイクロファイバから構成される不織布に合成樹脂を含侵した基材又はその表面に更に合成樹脂を塗布したものなどを用いることができる。
皮革印刷物は、皮革と、皮革上に付与されたカラーインクにより形成されたカラー印刷層と、カラー印刷層上に付与されたクリアインクにより形成されたクリア印刷層と、を有する。
本実施形態の皮革用インクセットに含まれるカラーインク及びクリアインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
記録装置、記録方法とは、皮革である記録媒体に対してカラーインク及びクリアインクを付与することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体は、カラーインク及びクリアインクが一時的にでも付着可能であればよい。
記録方法は、皮革に対してカラーインクを吐出するカラーインク吐出工程と、皮革のカラーインクが吐出された領域に対してクリアインクを吐出するクリアインク吐出工程と、を有する。なお、カラーインク吐出工程及びクリアインク吐出工程は、同一の記録装置で実行されてもよいが、別の装置で実行されてもよい。
記録装置、記録方法は、カラーインクおよびクリアインクなどを乾燥させる加熱工程に用いる加熱手段を有しても良い。加熱手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱する手段が含まれる。加熱手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱は、印刷前、印刷中、印刷後などに行うことができる。具体的には、カラーインクを付与された後であってクリアインクを付与する前の皮革を加熱する加熱工程(第一の加熱工程と称してもよく、本工程に用いる手段を第一の加熱手段とする)、カラーインク及びクリアインクが付与された後の皮革を加熱する第二の加熱工程(第二の加熱工程と称してもよく、本工程に用いる手段を第二の加熱手段とする)などを有することが好ましい。第一の加熱工程及び第二の加熱工程における加熱温度は100℃以下であることが好ましく、90℃以下であることがより好ましい。加熱温度が上記温度以下であることにより、熱で皮革の風合いが低下することを抑制することができる。言い換えると、皮革用の記録装置は加熱温度が100℃以上である加熱手段を有さないことが好ましく、皮革用の記録方法は加熱温度が100℃以上である加熱工程を有さないことが好ましい。また、カラーインク及びクリアインクの乾燥性向上の観点から第一の加熱工程及び第二の加熱工程における加熱温度は50℃以上であることが好ましい。
加熱手段、乾燥手段として赤外線ヒーターを用いた場合、少なくとも近赤外線照射装置を備えていることが好ましい。近赤外線照射装置は、ハロゲンランプと反射ミラーから成る装置が知られている。
また、記録装置、記録方法は、カラーインク及びクリアインクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷が可能である広幅の記録装置や、ロール状に巻き取られた連続した記録媒体への印刷が可能である連帳プリンタも含まれる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを付与(一例として、吐出)可能となる。
上記の通り、クリアインクは、皮革のカラーインクが吐出された領域に対して吐出されることが好ましい。このとき、クリアインクの印刷率は、クリアインクが吐出された領域において20%以上80%以下であることが好ましく、40%以上80%以下であることがより好ましい。印刷率が20%以上80%以下であることで、カラーインクの印刷層及びクリアインクの印刷層により形成される皮革上の画像における耐擦過性が向上する。耐擦過性が向上するメカニズムは明らかでないが、印刷率が20%以上80%以下であると擦過物とカラーインクの印刷層とにおける接触面積が小さくなることに起因すると推察される。
-ポリマーAの合成-
スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12g、ポリエチレングリコールメタクリレート4g、スチレンマクロマー4g、及びメルカプトエタノール0.4gをフラスコ内で混合し、65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108g、ポリエチレングリコールメタクリレート36g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60g、スチレンマクロマー36g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を、2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。
反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、固形分濃度50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
得られたペーストを純水200gに入れて充分に撹拌した後、エバポレータでメチルエチルケトンを除去し、平均孔径5μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過した後、固形分濃度が20%になるように水分量を調整し、固形分濃度20質量%のスチレン-アクリル系樹脂で被覆されたブラック顔料分散体を得た。
ブラック顔料分散体の調製例において、カーボンブラックの代わりにピグメントブルー15:4(SENSIENT社製、SMART Cyan 3154BA)を使用した以外は、ブラック顔料分散体の調製例と同様にして、固形分濃度20質量%のスチレン-アクリル系樹脂で被覆されたシアン顔料分散体を得た。
ブラック顔料分散体の調製例において、カーボンブラックの代わりにピグメントレッド122(Sun Chemical社製、Pigment Red 122)を使用した以外は、ブラック顔料分散体の調製例と同様にして、固形分濃度20質量%のスチレン-アクリル系樹脂で被覆されたマゼンタ顔料分散体を得た。
ブラック顔料分散体の調製例において、カーボンブラックの代わりにピグメントイエロー74(SENSIENT社製、SMART Yellow 3074BA)を使用した以外は、ブラック顔料分散体の調製例と同様にして、固形分濃度20質量%のスチレン-アクリル系樹脂で被覆されたイエロー顔料分散体を得た。
温度計、窒素ガス導入管、及び撹拌器を備えた窒素置換された容器中で、2倍量のポリエステルポリオール(商品名:ポリライトOD-X-2251、DIC株式会社製、平均分子量2,000)200.4g、2,2-ジメチロールプロピオン酸15.7g、イソホロンジイソシアネート48.0g、有機溶剤としてメチルエチルケトン77.1gを、DMTDL(ジブチルスズジラウレート)0.06gを触媒として使用し反応させた。反応を4時間継続した後、希釈溶剤としてメチルエチルケトン30.7gを供給し、更に反応を継続した。反応物の平均分子量が20,000から60,000の範囲に達した時点で、メタノール1.4gを投入し反応を終了することによって、ウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
次に、ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に48質量%水酸化カリウム水溶液を13.4g加えることでウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、次いで、水715.3gを加え十分に撹拌した後、エージング及び脱溶剤することによって、固形分濃度が30質量%のポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョンである樹脂エマルジョン1を得た。
得られたポリエステル系ウレタンエマルジョンについて、「造膜温度試験装置」(株式会社井元製作所製)で測定した最低造膜温度(MFT)は74℃であった。
-カラーインクAの調製例-
下記のインク処方に基づいて各材料を調合後、混合撹拌し、平均孔径5μmのフィルター(ザルトリウス社製、ミニザルト)で濾過し、カラーインクAを作製した。
[インク処方]
・ブラック顔料分散体:20.0質量%
・アクリル樹脂(モビニール6800、ジャパンコーティングレジン株式会社製、固形分濃度:45質量%):固形分量で8.0質量%(添加量は17.8質量%)
・一般式(1)に含まれる3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド:12.0質量%
・プロピレングリコール:14.0質量部%
・エチレングリコールモノブチルエーテル:2.0質量%
・2-エチル-1,3-ヘキサンジオール:1.0質量%
・Triton HW1000(ダウ・ケミカル社製):1.0質量部
・イオン交換水:残量(各材料の合計量が100質量%となる量)
カラーインクAの調整例において、表1のインク処方に変更した以外は、カラーインクAの調整例と同様にして、カラーインクB~Iを作製した。なお、表1中の各種材料の数値の単位は「質量%」である。また、表1中の樹脂の含有量は固形分量である。
-クリアインクXAの調製例-
下記のインク処方に基づいて各材料を調合後、混合撹拌し、平均孔径5μmのフィルター(ザルトリウス社製、ミニザルト)で濾過し、クリアインクXAを作製した。
[インク処方]
・ポリウレタン樹脂(スーパーフレックス300、第一工業製薬株式会社製、固形分濃度:30質量%):固形分量で2.0質量%(添加量は6.7質量%)
・アクリル樹脂(モビニール6800、ジャパンコーティングレジン株式会社製、固形分濃度:45質量%):固形分量で9.0質量%(添加量は20.0質量%)
・一般式(1)の3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド:10質量%
・プロピレングリコール:14.0質量%
・エチレングリコールモノブチルエーテル:2.0質量%
・2-エチル-1,3-ヘキサンジオール:1.0質量%
・KF-353(信越化学工業社製):0.2質量%
・Triton HW1000(ダウ・ケミカル社製):0.8質量%
・イオン交換水:残量(各材料の合計量が100質量%となる量)
クリアインクXAの調整例において、表2のインク処方に変更した以外は、クリアインクXAの調整例と同様にして、クリアインクXB~XDを作製した。なお、表2中の各種材料の数値の単位は「質量%」である。また、表2中の樹脂の含有量は固形分量である。
・W6110(三井化学株式会社製、固形分濃度:35質量%)
・モビニール6969D(ジャパンコーティングレジン株式会社製、固形分濃度:40質量%)
・AF1600(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)
カラーインク及びクリアインクの乾燥膜における最大引張応力については次のようにして求めた。
まず、カラーインク8g及びクリアインク8gを、それぞれ、直径50mmのテフロン(登録商標)シャーレに入れ、70℃の熱風循環式恒温槽中で2日間乾燥させ、平均厚みが0.6±0.15mmの範囲内である乾燥膜を得た。次に、得られた乾燥膜から5mm×50mmの大きさの試験片をカッターで切り出し、以下の測定条件に従って引っ張り試験を行うことにより乾燥膜の最大引張応力を測定した。なお、乾燥膜の平均厚みは、マイクロメーターを用いて3点以上で計測した乾燥膜の厚みの平均値であった。乾燥膜の最大引張応力の測定値を表3に示す。
(最大引張応力の測定条件)
・装置:株式会社島津製作所製オートグラフAG-10N
・ロードセル:50N
・引っ張り速度:150mm/min
・チャック間距離:4mm
・サンプル幅:5mm
・測定時温度:25℃
-実施例1~13、比較例1~3-
作製したカラーインクおよびクリアインクを表3に示す組み合わせでインクセットにした。各インクセットのカラーインクおよびクリアインクを、それぞれ、インクジェットプリンタ(装置名:IPSiO GXe5500改造機、株式会社リコー製)に充填し、天然皮革(表面にアクリル樹脂層を有する牛革、平均厚み2mm、大喜皮革製)に対し印刷を行った。
まず、天然皮革に対しカラーインクを吐出してカラーインクの印刷層を形成した。具体的には、吐出されるカラーインク一滴の量は21pLとし、解像度600×600dpiにおいて100%階調のベタ画像となるように印刷した。印刷後、70℃の熱風乾燥ユニットに印刷物を通過させて乾燥、定着させ、カラーインクの印刷層が形成された天然皮革を得た。
次に、天然皮革のカラーインクの印刷層が形成された領域に対しクリアインクを吐出してクリアインクの印刷層を形成した。具体的には、吐出されるクリアインク一滴の量は21pLとし、解像度600×600dpiにおいて印刷率10~90%のハーフトーン画像となるように印刷した。印刷後、70℃の熱風乾燥ユニットに印刷物を通過させて乾燥、定着させ、カラーインクの印刷層上にクリアインクの印刷層が形成された天然皮革(皮革印刷物)を得た。
得られた皮革印刷物を2.5cm×20cmのサイズに切り出し、染色物摩擦堅ろう度試験機(型式:AR-2、インテック株式会社製)に設置し、500gの荷重で乾いた白布(カナキン3号)にて往復速度30回/分で100回往復、250回往復、及び500回往復させた。それぞれの皮革印刷物及び白布の状態を観察し、以下の基準で耐擦過性を評価した。なお、100回往復、250回往復、及び500回往復の全てにおいてB以上であることが実使用可能範囲である。結果を表3に示す。
[評価基準]
AA:基材としての皮革が露出しておらず、白布にほとんど色移りしていない
A:基材としての皮革が露出しておらず、白布に少し色移りしている
B:基材としての皮革が一部露出し、白布の一部に色移りしている
C:基材としての皮革が一部露出し、白布一面に色移りしている
D:基材としての皮革が半分以上露出している
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410cl、410c、410m、410y クリア(Cl)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各インク用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
Claims (5)
- カラーインク及びクリアインクを有し、皮革に対する印刷に用いられる皮革用インクセットであって、
前記カラーインクは、色材、有機溶剤、及び樹脂を含有し、
前記カラーインクの乾燥膜の最大引張応力は、2.0N/mm2以上であり、
前記クリアインクは、有機溶剤、及び樹脂を含有し、
前記クリアインクの乾燥膜の最大引張応力は、2.0N/mm2以上であることを特徴とする皮革用インクセット。 - 前記カラーインクにおける前記樹脂は、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のうち少なくとも1つを含有し、
前記クリアインクにおける前記樹脂は、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のうち少なくとも1つを含有する請求項1又は2に記載の皮革用インクセット。 - 皮革に対してカラーインクを吐出するカラーインク吐出工程と、
前記皮革の前記カラーインクが吐出された領域に対してクリアインクを吐出するクリアインク吐出工程と、を有するインクジェット記録方法であって、
前記クリアインクが吐出された領域において、前記クリアインクの印刷率は、20%以上80%以下であり、
前記カラーインクは、色材、有機溶剤、及び樹脂を含有し、
前記カラーインクの乾燥膜の最大引張応力は、2.0N/mm2以上であり、
前記クリアインクは、有機溶剤、及び樹脂を含有し、
前記クリアインクの乾燥膜の最大引張応力は、2.0N/mm2以上であることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 皮革に対してカラーインクを吐出するカラーインク吐出手段と、
前記皮革の前記カラーインクが吐出された領域に対してクリアインクを吐出するクリアインク吐出手段と、を有するインクジェット記録装置であって、
前記クリアインクが吐出された領域において、前記クリアインクの印刷率は、20%以上80%以下であり、
前記カラーインクは、色材、有機溶剤、及び樹脂を含有し、
前記カラーインクの乾燥膜の最大引張応力は、2.0N/mm2以上であり、
前記クリアインクは、有機溶剤、及び樹脂を含有し、
前記クリアインクの乾燥膜の最大引張応力は、2.0N/mm2以上であることを特徴とするインクジェット記録装置。
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