JP2023007799A - 試験片およびこれを用いたアルコールの検出方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、濃度0.01%~0.64%のアルコールに対する感度が長期保存によって変化することのない、保存安定性に優れた試験片の提供を目的とする。
【解決手段】
アルコールに反応して変色する試薬を含浸させ乾燥した担体を含む試験片であって、25℃~40℃の温度条件下、乾燥から24時間以上保持した後で濃度0.01%~0.64%のアルコールを検出するための、前記試験片。
【選択図】なし
Description
[1] アルコールに反応して変色する試薬を含浸させ乾燥した担体を含む試験片であって、
25℃~40℃の温度条件下、乾燥から24時間以上保持した後で濃度0.01%~0.64%のアルコールを検出するための、前記試験片。
[2] アルコールに反応して変色する試薬がアルコールオキシダーゼを含む、[1]に記載の試験片。
[3] 担体に含浸させる溶液中のアルコールオキシダーゼの濃度が0.1U/mL~100U/mLである、[2]に記載の試験片。
[5] 唾液中のアルコール濃度を検出するための、[1]~[4]のいずれか一つに記載の試験片。
[6] 変色に必要なアルコールの濃度が各々異なる2つ以上の担体を含む、[1]~[5]のいずれか一つに記載の試験片。
[8] [1]~[7]のいずれか一つに記載の試験片を用いた、アルコールの検出方法。
[9] 変色した担体の個数および/または色の濃さによりアルコールの濃度を測定する、[8]に記載の方法。
[10] 変色した担体の個数および/または色の濃さを点数化することを含む、[8]または[9]に記載の方法。
アルコールに反応して変色する試薬を担体に含浸させる工程と、これを乾燥する工程と、担体を25℃~40℃の温度条件下、乾燥から24時間以上保持させる工程とをこの順で含む、前記方法。
[12] [1]~[7]のいずれか一つに記載の試験片、および、アルコールの濃度と担体の変色との対応関係を示す色見本を含む、検出用キット。
乾燥から24時間経過以降にアルコールに対する感度が安定化する理由は定かではなく、アルコールに反応して変色する試薬の変化をその構造または特性で直接特定することも困難である。本発明を理論により束縛することを目的としないが、一つの仮説として、アルコールに反応して変色する試薬に含まれる特定の成分中に熱への耐性があるものとないものとが存在し、その結果、25℃~40℃の温度条件下、乾燥から24時間経過するまでに熱への耐性がないものが失活し、その後は熱への耐性があるもののみが残ることが考えられる。この場合、保持後のアルコールに対する感度が経時的に変化する恐れがなく、アルコール検出時までにさらに時間が経過した試験片(保存後の試験片)であっても安定した感度でのアルコール検出が可能となると考えられる。
保持の温度条件が25℃より低い場合には、試験片のアルコールに対する感度が安定するまでの時間が長くなりすぎたり、アルコールに対する感度が十分に安定化していない試験片を与える恐れがあるため、好ましくない。また、保持の温度条件が40℃より高い場合には、アルコールに反応して変色する試薬が必要以上に失活し、濃度0.01%~0.64%のアルコール検出に必要な感度が十分に得られない恐れがあるため、好ましくない。
保持時間が24時間未満の場合、アルコールに反応して変色する試薬の失活が十分に進んでおらず、さらなる失活の余地が残る状態となるため、アルコール検出の感度が経時的に変化する恐れがあり、好ましくない。
試験片の保持は、試験片を乾燥剤とともに保持するなどの乾燥条件下で行うことが好ましい。また、試験片の保持は、試験片をアルミ袋に閉じるなどの遮光条件下で行うことが好ましい。
乾燥後の溶媒の残存量は少ないほど良いが、例えば、溶媒として水を用いた場合、25℃で一晩減圧乾燥することにより達成され得る一般的な範囲で十分である。
本発明の好ましい態様において、アルコールオキシダーゼはEC 1.1.3.13に分類されるものであって、例えば酵母由来のものが挙げられる。
本発明の好ましい態様において、ペルオキシダーゼはEC 1.11.1.7に分類されるものであって、例えば西洋わさび由来のものが挙げられる。
本発明の試験片により検出されるアルコールの濃度は0.01~0.64%の範囲であり、好ましくは0.02~0.4%の範囲である。本明細書中、アルコールの濃度を示す「%」は体積%(vol%)を意味する。
検出されるアルコールの濃度をかかる範囲に設定することにより、試験片を特定の目的、例えば、ドライバーの飲酒運転の取り締まりの目的に用いることができる。
本発明の好ましい態様において、溶媒は、アルコールに反応して変色する試薬を溶解させることができ、かつ、乾燥によって除去可能なものであれば特に制限がない。典型的には、溶媒として水が用いられる。
水溶液のpHを安定化させるため、溶媒である水に緩衝剤を添加した緩衝液を用いてもよい。このような緩衝液の例として、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、炭酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、トリス(トリスヒドロキシメチルアミノメタン)緩衝液、各種グッド緩衝液などが挙げられる。これらのうち、酵素が働く中性~弱アルカリ性に緩衝域を有するリン酸緩衝液、および、トリス(トリスヒドロキシメチルアミノメタン)緩衝液、ならびに、3-モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)または4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)などのグッド緩衝液がより好ましい。
本発明の試験片に適用される検体のアルコールは、本発明の試薬により変色を示すものであれば特に限定されないが、好ましくは1級アルコール、より好ましくはメタノールまたはエタノール、最も好ましくはエタノールである。
前記担体の大きさ、厚さ、形状などには特に制限がない。
試験片が複数の担体を含む場合、アルコールの測定可能な濃度範囲ならびに試験片および担体の製造の簡便性などの観点から、担体の個数は、好ましくは2~10個であり、より好ましくは2~5個であり、なおより好ましくは2~4個であり、特に好ましくは2~3個である。
かかる試験片を採用することにより、濃度0.01%~0.64%のアルコールの検出に対して良好かつ経時的に安定した感度が得られるため、好ましい。
前記のとおり保持した試験片をさらに保存する場合、アルコールに反応して変色する試薬の失活を防ぐ観点から低温条件下で保存することが好ましいが、40℃以下の温度条件であれば最低60日間は性能の劣化なく保存することができる。
試験片の保存は、試験片を乾燥剤とともに保存するなどの乾燥条件下で行うことが好ましい。また、試験片の保存は、試験片をアルミ袋に閉じるなどの遮光条件下で行うことが好ましい。
本発明による試験片を用いたアルコールの検出方法は、少なくとも検体が担体に供される態様であれば、特に制限がない。検体を担体に供する方法は、例えば、検体を担体上に滴下する方法、試験片ごと検体に浸す方法が含まれる。
0.08%エタノールを発明品と対照品の担体上に供し、5分後の外観を観察した(各サンプル数:2)。図5に示すとおり、(A)発明品および(B)対照品ともに良好な発色反応を示した。
発明品と対照品を乾燥剤と共にアルミ袋に閉じ、25℃で62日間保存した試験片の担体上にそれぞれ0.08%エタノールを供し、5分後の外観を観察した(各サンプル数:2)。図6に示すとおり、(A)発明品は長期保存前と同等の感度で発色反応を示した。他方、(B)対照品は長期保存前に比べて感度が低下しており、非常に弱い発色反応を示すのみであった。
発明品と対照品を乾燥剤と共にアルミ袋に閉じ、37℃で62日間保存した試験片の担体上にそれぞれ0.08%エタノールを供し、5分後の外観を観察した(各サンプル数:2)。図7に示すとおり、(A)発明品は長期保存前と同等の感度で発色反応を示した。他方、(B)対照品は長期保存前に比べて感度が極度に低下しており、発色反応をほとんど確認することができなかった。
Claims (12)
- アルコールに反応して変色する試薬を含浸させ乾燥した担体を含む試験片であって、
25℃~40℃の温度条件下、乾燥から24時間以上保持した後で濃度0.01%~0.64%のアルコールを検出するための、前記試験片。 - アルコールに反応して変色する試薬がアルコールオキシダーゼを含む、請求項1に記載の試験片。
- 担体に含浸させる溶液中のアルコールオキシダーゼの濃度が0.1U/mL~100U/mLである、請求項2に記載の試験片。
- 25℃~40℃の温度条件下、乾燥から24時間~240時間保持した後で濃度0.01%~0.64%のアルコールを検出するための、請求項1~3のいずれか一項に記載の試験片。
- 唾液中のアルコール濃度を検出するための、請求項1~4のいずれか一項に記載の試験片。
- 変色に必要なアルコールの濃度が各々異なる2つ以上の担体を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の試験片。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載の試験片を25℃~40℃の温度条件下、乾燥から24時間以上保持した、試験片。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の試験片を用いた、アルコールの検出方法。
- 変色した担体の個数および/または色の濃さによりアルコールの濃度を測定する、請求項8に記載の方法。
- 変色した担体の個数および/または色の濃さを点数化することを含む、請求項8または9に記載の方法。
- 請求項7に記載の試験片を製造する方法であって、
アルコールに反応して変色する試薬を担体に含浸させる工程と、これを乾燥する工程と、担体を25℃~40℃の温度条件下、乾燥から24時間以上保持させる工程とをこの順で含む、前記方法。 - 請求項1~7のいずれか一項に記載の試験片、および、アルコールの濃度と担体の変色との対応関係を示す色見本を含む、検出用キット。
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