JP2023122402A - 内燃機関の点火制御システム及び内燃機関の点火方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
車を購入したユーザーが安価に、且つ、内燃機関のフィーリングの変化や出力向上を楽しむことができる点火制御システムを提供する。
【解決手段】
同時点火を行う同時点火気筒グループと、同時点火を行わない非同時点火気筒グループに分けると共に、前記同時点火気筒グループの気筒では、1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近のみならず、当該同時点火気筒グループの中の他の気筒における1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でも点火を行い、前記非同時点火気筒グループの気筒では、1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でのみ点火を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関に関し、特に詳しくは点火を制御する技術に関する。
従来から、内燃機関の同時点火という技術は存在する(非特許文献1を参照)。
内燃機関における「同時点火」は色々な意味で用いられる場合があるが、本願明細書における「同時点火」は、多気筒の4ストローク内燃機関の全ての気筒において、1サイクルの間に2度点火を行うことを意味している。
即ち、本来点火するタイミング(圧縮行程~膨張行程に移行する上死点付近)だけでなく、本来点火する必要のないタイミング(例えば4気筒の内燃機関の場合は排気行程~吸気行程に移行する上死点付近)においても全ての気筒において点火するという技術である。図6には、4気筒内燃機関の場合の点火パターンを示しており、(a)が通常の点火(同時点火ではない)、(b)が同時点火の場合を示している。同様に、図7は、3気筒内燃機関の場合の点火パターンを示しており、(a)が通常の点火(同時点火ではない)、(b)が同時点火の場合を示している。
なお、図面における「追加点火」とは、同時点火を行うために、本来点火する必要のないタイミング(4気筒の内燃機関の場合は排気行程~吸気行程に移行する上死点付近)に追加された点火を意味している。このような同時点火は、点火系の部品構成や構造を簡素化する目的で行われる場合や、内燃機関の出力向上及び排気ガス浄化の目的で行われる場合もあった。
OKWAVE 同時点火の仕組みhttps://okwave.jp/qa/q1694677.html
購入した車を自分好みにチューニングするなどして楽しむユーザーは常に一定数存在し、今でもそういった需要がある。しかしながらメーカーから新車で供給される自動車のレベルが日毎に高まっていることもあり、ユーザーが安価にチューニングして楽しめる内容が少なくなってきているのが実情である。
特に点火系においては、点火プラグやイグニッションコイル、プラグコード等を効率のよいものに交換する程度しかできないのが現状であった。
そこで本発明は、こういった問題点を解決するべくなされたものであって、車を購入したユーザーが安価に、且つ、内燃機関のフィーリングの変化や出力向上を楽しむことができる点火制御システムを提供する事をその課題としている。
上記課題を解決するべく、本願発明は、多気筒の4ストローク内燃機関において、同時点火を行う同時点火気筒グループと、同時点火を行わない非同時点火気筒グループに分けると共に、前記同時点火気筒グループの気筒では、1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近のみならず、当該同時点火気筒グループの中の他の気筒における1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でも点火を行い、前記非同時点火気筒グループの気筒では、1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でのみ点火を行うことを特徴とする。
発明者は偶然、多気筒の中の一部の気筒だけ意図的に「同時点火」をさせないことによって、エンジンフィーリングが変化することを発見した。その後試行錯誤を繰り返して、特定のルールのもと「従来からある同時点火の点火を間引くように制御する」ことによって、多気筒の4ストローク内燃機関の出力やフィーリングを向上させることができるということに辿りついたのである。即ち、例えば、3気筒または4気筒の4ストローク内燃機関において、特定の2気筒のみ同時点火(1サイクルの間に連続ではない2回の点火)を行うのである。
より具体的には、例えば、前記4ストローク内燃機関が4気筒のとき、前記同時点火気筒グループが1番シリンダー及び4番シリンダー、又は、2番シリンダー及び3番シリンダーであるように制御する。要するに、4気筒の内燃機関全体を見たときに「同時点火する」「同時点火しない」を繰り返すように制御するのである。
また、例えば、前記4ストローク内燃機関が3気筒のとき、前記同時点火気筒グループが1番シリンダー及び3番シリンダー、又は、1番シリンダー及び2番シリンダーであるように制御する。要するに、3気筒の内燃機関全体を見たときに「2回連続して同時点火する」「同時点火しない」を繰り返すように制御するのである。
なお、本願発明は見方を変えると、多気筒の4ストローク内燃機関において、同時点火を行う同時点火気筒グループと、同時点火を行わない非同時点火気筒グループに分けると共に、前記同時点火気筒グループの気筒では、1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近のみならず、当該同時点火気筒グループの中の他の気筒における1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でも点火を行い、前記非同時点火気筒グループの気筒では、1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でのみ点火を行うことを特徴とする内燃機関の点火方法として捉える事も可能である。
本発明を適用することで、車を購入したユーザーが安価に、且つ、内燃機関のフィーリングの変化や出力向上を楽しむことができる点火制御システムを提供することができる。
本発明の実施形態の一例である点火パターン(4気筒内燃機関)を示した図である。 本発明の実施形態の一例である点火パターン(3気筒内燃機関)を示した図である。 シャーシダイナモによる測定結果を示したグラフである。 本発明を4気筒内燃機関に適用した一例としての回路図である。 本発明を3気筒内燃機関に適用した一例としての回路図である。 従来の点火パターン(4気筒内燃機関)を示した図である。 従来の点火パターン(3気筒内燃機関)を示した図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例である点火制御システム及び方法について説明を加える。なお、図面理解容易の為、各部の大きさや寸法を誇張して表現している部分があり、実際の製品と必ずしも一致しない部分があることを付記しておく。また各図面は符号の向きに見るものとし、当該向きを基本に上下左右、手前、奥と表現する。
本発明の点火制御システムは、各気筒に備わる点火プラグの点火パターンを自由に制御できる限りにおいてその構成は問わない。重要なのは特定の気筒だけ同時点火を行い、それ以外の気筒は同時点火を行わないという制御である。
内燃機関が4気筒の場合は、例えば、図1のように点火を制御する。1番シリンダーでは、1サイクルの間に訪れる2回のピストン上死点付近のそれぞれで点火を行う(標準点火+追加点火)。2番シリンダーでは、1サイクルの間に訪れる2回のピストン上死点付近のうち、片方(圧縮行程~膨張行程に移行するとき)でのみ点火を行う(標準点火のみ)。3番シリンダーでは、1サイクルの間に訪れる2回のピストン上死点付近のうち、片方(圧縮行程~膨張行程に移行するとき)でのみ点火を行う(標準点火のみ)。4番シリンダーでは、1サイクルの間に訪れる2回のピストン上死点付近のそれぞれで点火を行う(標準点火+追加点火)。
要するに、1番シリンダーと4番シリンダーのみ同時点火を行い(同時点火気筒グループ)、2番シリンダーと3番シリンダーは同時点火を行っていない(非同時点火気筒グループ)。換言すると、通常の同時点火から、2番シリンダーと3番シリンダーの同時点火を間引くように制御している。
更に換言すると、同時点火気筒グループである1番シリンダーと4番シリンダーでは、1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近のみならず、当該同時点火気筒グループの中の他の気筒における1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でも点火を行い、非同時点火気筒グループである2番シリンダーと3番シリンダーでは、1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でのみ点火を行っているのである。
なお、これとは逆に、2番シリンダーと3番シリンダーのみ同時点火を行い、1番シリンダーと4番シリンダーは同時点火を行わないように制御してもよい。
更に図4に示した回路図を参照しつつ説明する。図4は特定の2気筒として1番シリンダー及び4番シリンダーを同時点火する場合の回路図として示している。なお、図面にある「No.1コイル」とは1番シリンダーに備わっている点火コイルのことを意味しており、その他のコイルも同様である。ECUは車両側のECUである。点火制御ユニットは、本発明を実現するために追加される制御ユニットである。点火信号1は、本来はNo.1コイルに直接送られる点火のための信号であるが、これを制御ユニットに一旦取り込んでいる。同様に、点火信号4は、本来はNo.4コイルに直接送られる点火のための信号であるが、これを制御ユニットに一旦取り込んでいる。
そのような回路構成の下で、点火信号1が制御ユニットに入力されると、制御ユニットは「No.1コイル」だけでなく「No.4コイル」へも同時に点火信号を送る。点火信号4が制御ユニットに入力されると、制御ユニットは「No.4コイル」だけでなく「No.1コイル」へも同時に点火信号を送る。即ち、「No.1コイル」と「No.4コイル」はエンジン1サイクルに2回の点火をおこなう。一方で、「No.2コイル」と「No.3コイル」へ送られる点火信号(点火信号2、点火信号3)について制御せず、標準状態のままとしている。なお、制御を行う特定の2気筒(コイル)の組み合せは、「No.1コイル」と「No.4コイル」に限らずその他の気筒(コイル)の組み合せであってもよい。
内燃機関が3気筒の場合は、例えば、図2のように点火を制御する。1番シリンダーは1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近のみならず、3番シリンダーにおける1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でも点火を行っている。2番シリンダーでは、1サイクルの間に訪れる2回のピストン上死点付近のうち、片方(圧縮行程~膨張行程に移行するとき)でのみ点火を行う。3番シリンダーは1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近のみならず、1番シリンダーにおける1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でも点火を行っている。
要するに、1番シリンダーと3番シリンダーのみ同時点火を行い(同時点火気筒グループ)、2番シリンダーは同時点火を行っていない(非同時点火気筒グループ)。換言すると、通常の同時点火から、2番シリンダーの同時点火を間引くように制御している。
なお、これとは逆に、1番シリンダーと2番シリンダーのみ同時点火を行い、3番シリンダーは同時点火を行わないように制御してもよい。
更に図5に示した回路図を参照しつつ説明する。図5は特定の2気筒として1番シリンダー及び3番シリンダーを同時点火する場合の回路図として示している。なお、図面にある「No.1コイル」とは1番シリンダーに備わっている点火コイルのことを意味しており、その他のコイルも同様である。ECUは車両側のECUである。点火制御ユニットは、本発明を実現するために追加される制御ユニットである。点火信号1は、本来はNo.1コイルに直接送られる点火のための信号であるが、これを制御ユニットに一旦取り込んでいる。同様に、点火信号3は、本来はNo.3コイルに直接送られる点火のための信号であるが、これを制御ユニットに一旦取り込んでいる。
そのような回路構成の下で、点火信号1が制御ユニットに入力されると、制御ユニットは「No.1コイル」だけでなく「No.3コイル」へも同時に点火信号を送る。点火信号3が制御ユニットに入力されると、制御ユニットは「No.3コイル」だけでなく「No.1コイル」へも同時に点火信号を送る。即ち、「No.1コイル」と「No.3コイル」はエンジン1サイクルに2回の点火をおこなう。一方で、「No.2コイル」へ送られる点火信号(点火信号2)について制御せず、標準状態のままとしている。なお、制御を行う特定の2気筒(コイル)の組み合せは、「No.1コイル」と「No.3コイル」に限らずその他の気筒(コイル)の組み合せであってもよい。
このように本願発明は、多気筒の4ストローク内燃機関において、同時点火を行う同時点火気筒グループと、同時点火を行わない非同時点火気筒グループに分けると共に、前記同時点火気筒グループの気筒では、1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近のみならず、当該同時点火気筒グループの中の他の気筒における1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でも点火を行い、前記非同時点火気筒グループの気筒では、1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でのみ点火を行うことで、多気筒の4ストローク内燃機関の出力やフィーリングの向上を可能としている。
図3に示している通り、シャーシダイナモを用いた実験でもその結果が現れている。当該実験は、3気筒内燃機関を備えた車両を用いた。実線で示したグラフが本願発明に係る点火制御を行った場合のパワーグラフである。実線で示したグラフが本願発明に係る点火制御を行った場合のパワーグラフである。一点鎖線で示したグラフは、従来からの同時点火を行った場合のパワーグラフである。破線で示したグラフは、通常の点火を行った場合のパワーグラフである。
グラフからも明らかなように、本発明にかかる点火制御を行うと、エンジン回転数の略全域において、通常の点火及び従来からの同時点火を凌ぐ出力となっている。
本願発明を適用すれば、どういった理由で出力が向上するのか明確な理由乃至原因までは現時点では解明できていないものの、上記のようなパワーチェックをはじめとして実際に車両を運転するとその違いは明らかである。
〈その他の構成例〉
上記では、4気筒及び3気筒の内燃機関の例で説明しているが、この考え方を応用して6気筒や8気筒更には12気筒の内燃機関にも適用できるものである。更に、V型や水平対向型の内燃機関への応用も同様である。

Claims (7)

  1. 多気筒の4ストローク内燃機関において、
    同時点火を行う同時点火気筒グループと、同時点火を行わない非同時点火気筒グループに分けると共に、
    前記同時点火気筒グループの気筒では、1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近のみならず、当該同時点火気筒グループの中の他の気筒における1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でも点火を行い、
    前記非同時点火気筒グループの気筒では、1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でのみ点火を行う
    ことを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  2. 請求項1において、
    前記4ストローク内燃機関が4気筒のとき、
    前記同時点火気筒グループの気筒が1番シリンダー及び4番シリンダー、又は、2番シリンダー及び3番シリンダーである
    ことを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  3. 請求項1において、
    前記4ストローク内燃機関が3気筒のとき、
    前記前記同時点火気筒グループの気筒が1番シリンダー及び3番シリンダー、又は、1番シリンダー及び2番シリンダーである
    ことを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  4. 多気筒の4ストローク内燃機関において、
    同時点火を行う同時点火気筒グループと、同時点火を行わない非同時点火気筒グループに分けると共に、
    前記同時点火気筒グループの気筒では、1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近のみならず、当該同時点火気筒グループの中の他の気筒における1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でも点火を行い、
    前記非同時点火気筒グループの気筒では、1サイクルの間に訪れる2度のピストン上死点のうち圧縮行程から膨張行程に移行するときの上死点付近でのみ点火を行う
    ことを特徴とする内燃機関の点火方法。
  5. 請求項4において、
    前記4ストローク内燃機関が4気筒のとき、
    前記同時点火気筒グループの気筒が1番シリンダー及び4番シリンダー、又は、2番シリンダー及び3番シリンダーである
    ことを特徴とする内燃機関の点火方法。
  6. 請求項4において、
    前記4ストローク内燃機関が3気筒のとき、
    前記同時点火気筒グループの気筒が1番シリンダー及び3番シリンダー、又は、1番シリンダー及び2番シリンダーである
    ことを特徴とする内燃機関の点火方法。
  7. 3気筒または4気筒の4ストローク内燃機関において、
    特定の2気筒のみ1サイクルに連続点火ではない2回の点火を行う
    ことを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
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