JP2025002918A - 車両用ドア構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】シングルレール式のウィンドレギュレータによるドアガラスの昇降時にドアガラスの突っかかり挙動を抑制することができる車両用ドア構造を提供する。
【解決手段】車両用ドア構造100は、ウィンドレギュレータ110と、ドアガラス104の前縁120、後縁122に接する前側ガラスラン114、後側ガラスラン116と、前側ガラスランと鈍角を成すルーフガラスラン118とを備え、ドアガラスは鈍角部130を有し、ウィンドレギュレータは、ガイドレール132と、ドアガラスの下縁140を一対のホルダ154、156を介しそれぞれ保持しガイドレールにスライド可能に取り付けられたキャリアプレート134とを有し、キャリアプレートは、ワイヤ144に牽引されガイドレール上をスライドする本体152と、一対のホルダをつなぎ本体にスライド可能に取り付けられ一対のホルダとともに車両前後方向にスライドするスライドレール158とを有する。
【選択図】図3
【解決手段】車両用ドア構造100は、ウィンドレギュレータ110と、ドアガラス104の前縁120、後縁122に接する前側ガラスラン114、後側ガラスラン116と、前側ガラスランと鈍角を成すルーフガラスラン118とを備え、ドアガラスは鈍角部130を有し、ウィンドレギュレータは、ガイドレール132と、ドアガラスの下縁140を一対のホルダ154、156を介しそれぞれ保持しガイドレールにスライド可能に取り付けられたキャリアプレート134とを有し、キャリアプレートは、ワイヤ144に牽引されガイドレール上をスライドする本体152と、一対のホルダをつなぎ本体にスライド可能に取り付けられ一対のホルダとともに車両前後方向にスライドするスライドレール158とを有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両用ドア構造に関するものである。
一般的な車両用ドア構造は、車両用ドアのドアガラスを上下方向に昇降させる構成となっている。このドアガラスの昇降機構として、シングルレール式のウィンドレギュレータが知られている。シングルレール式のウィンドレギュレータは、上下方向に延びるガイドレールと、キャリアプレートとを有する。
キャリアプレートは、ドアガラスの下縁を保持し、ガイドレールにスライド可能に取り付けられている。キャリアプレートは、ガイドレールの下端に位置するモータユニットの動力で所定のワイヤを介してガイドレール上を昇降する。このようにしてシングルレール式のウィンドレギュレータは、ドアガラスを上下方向に昇降させることができる。
特許文献1の車両用ドア構造では、フロントピラーが倒れるように傾斜したセダンタイプの車両において、ドアサッシュの前側サッシュとルーフサッシュとが鈍角を成していて、ドアサッシュの形状に対応するウインドガラスを、シングルレール式のウィンドレギュレータによって昇降させている。
特許文献1の車両用ドア構造では、ウインドガラスは、前側サッシュとルーフサッシュとが成す鈍角に対応する鈍角部を有し、さらにウインドガラスの前縁にはガラスランが接している。なおガラスランは、前側サッシュの上端から下端まで連続して配置されウインドガラスの昇降を誘導する。
しかし、シングルレール式のウィンドレギュレータによって、鈍角部を有するドアガラスを昇降させると、ドアガラスの鈍角部がガラスランに接触して突っかかり、ガラス昇降不良が発生する場合がある。ガラス昇降不良が発生すると、ドアガラスの昇降時に、ガラスランにドアガラスが強く押し当てられてガラスランが引き裂かれたり、ドアガラスの昇降速度が瞬間的に低下することでドアガラスの挟み込み防止装置が誤作動を生じ誤反転したりする可能性があった。
ガラス昇降不良の発生を抑制する対策として、例えばガラスランにシリコンなどの潤滑剤を塗布することが考えられるものの、コストが大幅に増加してしまう。またシングルレール式に代えて、ダブルレール式やXアーム式のウィンドレギュレータを適用しようとしても、シングルレール式のウィンドレギュレータに比べて部品が大きくなり、重量の増加や車両用ドア内でのレイアウトの自由度が損なわれてしまう。
本発明は、このような課題に鑑み、シングルレール式のウィンドレギュレータによるドアガラスの昇降時にドアガラスの突っかかり挙動を抑制することができる車両用ドア構造を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる車両用ドア構造の代表的な構成は、車両用ドアのドアガラスと、ドアガラスを上下方向に昇降させるシングルレール式のウィンドレギュレータとを備える車両用ドア構造において、車両用ドア構造はさらに、ドアガラスの前縁に接する前側ガラスランと、ドアガラスの後縁に接する後側ガラスランと、前側ガラスランと後側ガラスランとの上端同士をつなぎ前側ガラスランと鈍角を成すルーフガラスランとを備え、ドアガラスは、前側ガラスランとルーフガラスランとが成す鈍角に対応する鈍角部を有し、ウィンドレギュレータは、上下方向に延びるガイドレールと、ドアガラスの下縁を車両前後方向に離間した位置で一対のホルダを介しそれぞれ保持しガイドレールにスライド可能に取り付けられたキャリアプレートとを有し、キャリアプレートは、所定のワイヤに牽引されてガイドレール上を上下方向にスライドする本体と、車両前後方向に延び一対のホルダをつないでいて本体にスライド可能に取り付けられていて一対のホルダとともに本体に対して車両前後方向にスライドするスライドレールとを有することを特徴とする。
本発明によれば、シングルレール式のウィンドレギュレータによるドアガラスの昇降時にドアガラスの突っかかり挙動を抑制することができる車両用ドア構造を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る車両用ドア構造の代表的な構成は、車両用ドアのドアガラスと、ドアガラスを上下方向に昇降させるシングルレール式のウィンドレギュレータとを備える車両用ドア構造において、車両用ドア構造はさらに、ドアガラスの前縁に接する前側ガラスランと、ドアガラスの後縁に接する後側ガラスランと、前側ガラスランと後側ガラスランとの上端同士をつないでいて前側ガラスランと鈍角を成すルーフガラスランとを備え、ドアガラスは、前側ガラスランとルーフガラスランとが成す鈍角に対応する鈍角部を有し、ウィンドレギュレータは、上下方向に延びるガイドレールと、ドアガラスの下縁を車両前後方向に離間した位置で一対のホルダを介しそれぞれ保持しガイドレールにスライド可能に取り付けられたキャリアプレートとを有し、キャリアプレートは、所定のワイヤに牽引されてガイドレール上を上下方向にスライドする本体と、車両前後方向に延び一対のホルダをつなぎ本体にスライド可能に取り付けられていて一対のホルダとともに本体に対して車両前後方向にスライドするスライドレールとを有することを特徴とする。
上記構成のキャリアプレートは、ガイドレール上を上下方向にスライドする本体に加え、一対のホルダとともに本体に対して車両前後方向にスライドするスライドレールを有している。このため、ドアガラスの昇降時に鈍角部が前側ガラスランに接触し、ドアガラスが前側ガラスランに押されると、キャリアプレートのスライドレールは、ドアガラスを保持するホルダとともに本体に対して車両後側にスライドする。スライドレールがホルダとともに車両後側にスライドすることで、ドアガラスは、ドアガラスの重心あるいは重心付近を回転中心として回転する。これにより、ドアガラスは、鈍角部が前側ガラスランに接触するだけでなく、後方下端の角部が後側ガラスランに接触する。この後方下端の角部は、ドアガラスの後縁と下縁が交差する角部であって、鈍角部の対角に位置している。
つまり上記構成では、ドアガラスの昇降時に鈍角部が前側ガラスランに接触してドアガラスが回転すると、ドアガラスは、鈍角部と、鈍角部の対角に位置する角部との2点でガラスランに接触することになる。したがって、ドアガラスの鈍角部が前側ガラスランに接触しても、後方下端の角部と後側ガラスランとの接触で生じる垂直力と摩擦力とによって突っかかりを相殺するモーメントが発生し、ドアガラスの突っかかり挙動を抑制することができる。
このため、ドアガラスの昇降時に、前側ガラスランにドアガラスが強く押し当てられて前側ガラスランが引き裂かれたり、ドアガラスの昇降速度が瞬間的に低下することでドアガラスの挟み込み防止装置が誤作動を生じ誤反転したりすることを抑制することができる。
上記のウィンドレギュレータはさらに、ガイドレールの上端に取り付けられワイヤが巻き掛けられた滑車部と、ガイドレールの下端に位置するモータユニットであってレギュレータモータにより回転するドラムの回転力によってワイヤを介してガイドレール上のキャリアプレートを昇降させるモータユニットとを有し、キャリアプレートのスライドレールは、車両前後方向に延びる側壁と、側壁の上縁から車外側に屈曲した上壁であって車両前後方向にわたって上方に突出した上側突起部が形成された上壁と、側壁の下縁から車外側に屈曲した下壁であって車両前後方向にわたって下方に突出した下側突起部が形成された下壁とを含み、キャリアプレートはさらに、滑車部に巻き掛けられたワイヤの一端を固定する本体に設けられた第1固定部と、モータユニットのドラムに巻き掛けられてガイドレールに沿って延びるワイヤの他端を固定する本体に設けられた第2固定部と、本体を車内側に凹ませることで形成された凹部と、凹部に設けられスライドレールの上側突起部および下側突起部を車両前後方向にスライド可能にそれぞれ保持する上側溝部および下側溝部とを有し、第1固定部および第2固定部は、側面視で凹部と重なる位置にある。
このようにキャリアプレートの本体には、ワイヤの一端および他端をそれぞれ固定する第1固定部および第2固定部が設けられている。このため本体は、ワイヤに牽引されることでガイドレール上を上下方向にスライドすることができる。
キャリアプレートのスライドレールは、上壁に形成された上側突起部および下壁に形成された下側突起部が、本体の凹部に設けられた上側溝部および下側溝部に車両前後方向にスライド可能に保持されている。これにより、スライドレールは、一対のホルダとともに本体に対して車両前後方向に確実しスライドすることができ、さらに脱落することがない。なおスライドレールの上側突起部および下側突起部は、例えばドアガラスから垂れてくる雨水が本体の凹部に浸入することを抑制することができる。これによりスライドレールは、本体に対してより確実に車両前後方向にスライド可能となる。
また本体では、第1固定部および第2固定部が側面視で凹部と重なる位置にある。このように、ドアガラスの昇降時にワイヤを介して力がかかる第1固定部および第2固定部が側面視で凹部と重なる位置にあるため、ドアガラスの昇降時に本体にがたつきが生じることがなく、本体の姿勢が安定する。これにより本体は、ドアガラスの昇降時にガイドレールとの隙間を一定に保った状態でガイドレール上を上下方向に安定してスライドすることができる。
上記の第1固定部および第2固定部の位置と、キャリアプレートとガイドレールの嵌合位置は、ドアガラスの重心よりも、ドアガラスの縦辺のうち短い縦辺の側に設定されている。このため、ドアガラスの昇降時の振動を抑制することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。かかる実施例に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施例に係る車両用ドア構造100を示す図である。図中の車両ドア構造100は、車両右側のフロントドアに適用されたものであって車内側から見た状態を示している。図2は、図1の車両用ドア構造100の要部を示す図である。
以下各図において、車両前後方向をそれぞれ矢印Front、Back、車幅方向の左右をそれぞれ矢印Left、Right、車両上下方向をそれぞれ矢印Up、Downで例示する。なお以下の説明では、図1の車両右側の車両用ドア構造100を例示するが、これに限定されず、車両左側のフロントドアや、車両右側および車両左側のリヤドアに本実施例を適用してもよい。
車両用ドア構造100は、車両用ドア102のドアガラス104を備える。車両用ドア102は、外装となるドアアウタパネル106と、ドアアウタパネル106に車内側から連結しているドアインナパネル108とを有する。そして、これらパネルの間にドアガラス104を収納可能となっている。なお図2は、ドアインナパネル108を省略した状態の車両用ドア構造100を示している。
てとなっている。
てとなっている。
ドアガラス104は、電動で昇降するいわゆるパワーウィンドウである。車両用ドア構造100は、ドアガラス104を上下方向に昇降させる昇降機構としてシングルレール式のウィンドレギュレータ110を備える。
ドアガラス104は、図1に示す窓枠であるドアサッシュ112に囲われている。ドアサッシュ112には、図2に示す前側ガラスラン114、後側ガラスラン116およびルーフガラスラン118が設けられていて、この前側ガラスラン114および後側ガラスラン116に沿ってドアガラス104が昇降する。これらのガラスランは、樹脂またはゴム製で弾性を有するシール部材であって、ドアサッシュ112とドアガラス104との間の隙間を封じている。
前側ガラスラン114は、ドアガラス104の前縁120に接している。後側ガラスラン116は、ドアガラス104の後縁122に接している。ルーフガラスラン118は、前側ガラスラン114の上端124と後側ガラスラン116の上端126とをつないでいて、図2に示すように、その前端128が前側ガラスラン114の上端124と鈍角を成すように傾斜している。なおドアガラス104の前縁120と後縁122は、ドアガラス104の縦辺であって、後縁122よりも前縁120の方が短くなっている。
このため、ドアガラス104は、前側ガラスラン114とルーフガラスラン118とが成す鈍角に対応する鈍角部130を有する。ここで、鈍角部130を有するドアガラス104を昇降させると、ドアガラス104の鈍角部130が前側ガラスラン114に接触して突っかかり、ガラス昇降不良が発生する場合があり得る。
そこで車両用ドア構造100では、シングルレール式のウィンドレギュレータ110によってドアガラス104を昇降するときにドアガラス104の突っかかり挙動を抑制することができる構成を採用した。
図3は、図2のウィンドレギュレータ110の要部を示す図である。図3(a)は、図2のウィンドレギュレータ110の一部を拡大して示す図である。図3(b)は、図3(a)のA-A断面図である。
ウィンドレギュレータ110は、ガイドレール132と、キャリアプレート134と、滑車部136と、図2に示すモータユニット138とを有する。ガイドレール132は、ドアインナパネル108に設置されていて、図2に示すように上下方向に延びている。キャリアプレート134は、ドアガラス104の下縁140を一対のホルダ154、156(図3(a)参照)を介しそれぞれ保持し、さらにガイドレール132にスライド可能に取り付けられている。一対のホルダ154、156は、ドアガラス104の下縁140を車両前後方向に離間した位置でそれぞれ保持する。
滑車部136は、ガイドレール132の上端142に取り付けられ、ワイヤ144が巻き掛けられている。モータユニット138は、図2に示すようにガイドレール132の下端146に位置していて、レギュレータモータ148とドラム150とを有する。モータユニット138は、レギュレータモータ148により回転するドラム150の回転力によって、ワイヤ144を介してガイドレール132上のキャリアプレート134を昇降させる。
キャリアプレート134は、図3(a)に示すように本体152と、スライドレール158とを有する。本体152は、ワイヤ144に牽引されてガイドレール132上を上下方向にスライドする。
スライドレール158は、車両前後方向に延び一対のホルダ154、156をつないでいて、本体152にスライド可能に取り付けられ、一対のホルダ154、156とともに本体152に対して車両前後方向にスライドする。
スライドレール158は、図3(a)に示す車両前後方向に延びる側壁160と、図3(b)に示す上壁162および下壁164とを含む。上壁162は、側壁160の上縁166から車外側に屈曲した壁である。また上壁162には、車両前後方向にわたって上方に突出した上側突起部168が形成されている。下壁164は、側壁160の下縁170から車外側に屈曲した壁である。また下壁164には、車両前後方向にわたって下方に突出した下側突起部172が形成されている。
キャリアプレート134はさらに、第1固定部174と、第2固定部176と、凹部178とを有する。第1固定部174は、図3(a)に示すように本体152に設けられていて、滑車部136に巻き掛けられたワイヤ144の一端144aを固定する。第2固定部176は、図3(b)に示すように本体152に設けられていて、ワイヤ144の他端144bを固定する。ワイヤ144の他端144bは、図2に示すモータユニット138のドラム150に巻き掛けられてガイドレール132に沿って延びている。
凹部178は、図3(b)に示すように本体152を車内側に凹ませることで形成された部位である。また凹部178には、上側溝部180および下側溝部182が設けられている。上側溝部180および下側溝部182は、スライドレール158の上側突起部168および下側突起部172を車両前後方向にスライド可能にそれぞれ保持する。
また本体152において、図3(a)に示すように第1固定部174および第2固定部176は、側面視で凹部178(図3(b)参照)と重なる位置にある。さらに図2に示すようにキャリアプレート134は、ドアガラス104の面積中心である重心Gよりも車両前側に配置されている。
このためキャリアプレート134の本体152に設定されている第1固定部174および第2固定部176の位置も、ドアガラス104の重心Gよりも車両前側に設定されている。また、キャリアプレート134とガイドレール132の嵌合位置も、ドアガラス104の重心Gよりも車両前側に設定されている。
図4は、図2の車両用ドア構造100のドアガラス104の昇降時での挙動を示す図である。図4(a)、図4(b)は、上記のウィンドレギュレータ110、比較例のウィンドレギュレータ110Aによってドアガラス104を上昇させた場合のドアガラス104の挙動をそれぞれ示している。
比較例のウィンドレギュレータ110Aは、キャリアプレート134Aを有する。キャリアプレート134Aは、上記のスライドレール158を有していない点で、上記のキャリアプレート134と異なる。このため、比較例のウィンドレギュレータ110Aでは、キャリアプレート134Aがガイドレール132上を上下方向にスライド可能であるが、一対のホルダ154、156とともに車両前後方向にスライドすることはできない。
このため比較例のウィンドレギュレータ110Aによってドアガラス104を上昇させると、鈍角部130が前側ガラスラン114に点Bで接触した場合、鈍角部130には矢印Cに示す下向きの力が作用する。そしてドアガラス104は、前側ガラスラン114に押されて、点Dを回転中心として矢印Eに示すように反時計方向に回転する。この回転中心Dは、図示のようにキャリアプレート134Aとガイドレール132の嵌合位置となっている。そのため、ドアガラス104は、回転時に鈍角部130のみが前側ガラスラン114に接触し、他の箇所はガラスランに接触しない。
つまり、比較例のウィンドレギュレータ110Aによってドアガラス104を昇降させたときには、ドアガラス104は1点のみでガラスランに接触し、垂直力と摩擦力のモーメントバランスによってドアガラス104の突っかかり挙動が発生する。
これに対して図4(a)に示すキャリアプレート134は、ガイドレール132上を上下方向にスライドする本体152に加え、一対のホルダ154、156とともに本体152に対して車両前後方向にスライドするスライドレール158(図3参照)を有している。
車両用ドア構造100において、ドアガラス104の上昇時に鈍角部130が前側ガラスラン114に点Bで接触すると、鈍角部130には矢印Cに示す下向きの力が作用する。このため、ドアガラス104が前側ガラスラン114に押されて、キャリアプレート134のスライドレール158は、ドアガラス104を保持するホルダ154、156とともに本体152に対して車両後側にスライドする(矢印F)。
これにより、ドアガラス104は、点Hを回転中心として矢印Iに示すように反時計方向に回転する。この回転中心Hは、図2に示すドアガラス104の重心Gあるいは重心G付近となる。その結果、ドアガラス104は、鈍角部130が前側ガラスラン114に接触するだけでなく、後方下端の角部184が後側ガラスラン116に点Jで接触する。この後方下端の角部184は、ドアガラス104の後縁122と下縁140が交差する角部であって、鈍角部130の対角に位置している。
つまり車両用ドア構造100では、ドアガラス104の昇降時に鈍角部130が前側ガラスラン114に接触してドアガラス104が回転すると、ドアガラス104は、鈍角部130と、鈍角部130の対角に位置する角部184との2点でガラスランに接触することになる。したがって、ドアガラス104の鈍角部130が前側ガラスラン114に接触しても、後方下端の角部184と後側ガラスラン116との接触で生じる垂直力と摩擦力とによって突っかかり挙動を相殺するモーメントが発生し、ドアガラス104の突っかかり挙動を抑制することができる。
このため、ドアガラス104の昇降時に、前側ガラスラン114にドアガラス104が強く押し当てられて前側ガラスラン114が引き裂かれたり、ドアガラス104の昇降速度が瞬間的に低下することでドアガラス104の挟み込み防止装置が誤作動を生じ誤反転したりすることを抑制することができる。
さらに車両用ドア構造100において、キャリアプレート134の本体152には、ワイヤ144の一端144aおよび他端144bをそれぞれ固定する第1固定部174および第2固定部176が設けられている。このため本体152は、ワイヤ144に牽引されることでガイドレール132上を上下方向にスライドすることができる。
またキャリアプレート134のスライドレール158は、上壁162に形成された上側突起部168および下壁164に形成された下側突起部172が、本体152の凹部178に設けられた上側溝部180および下側溝部182に車両前後方向にスライド可能に保持されている。
これにより、スライドレール158は、一対のホルダ154、156とともに本体152に対して車両前後方向に確実にスライドすることができ、さらに脱落することがない。なおスライドレール158の上側突起部168および下側突起部172は、例えばドアガラス104から垂れてくる雨水が本体152の凹部178に浸入することを抑制することができる。これによりスライドレール158は、本体152に対してより確実に車両前後方向にスライド可能となる。
また本体152では、第1固定部174および第2固定部176が側面視で凹部178と重なる位置にある。つまり、ドアガラス104の昇降時にワイヤ144を介して力がかかる第1固定部174および第2固定部176が側面視で凹部178と重なる位置にあるため、ドアガラス104の昇降時に本体152にがたつきが生じることがなく、本体152の姿勢が安定する。これにより本体152は、ドアガラス104の昇降時に図3(b)に示すガイドレール132との隙間186を一定に保った状態でガイドレール132上を上下方向に安定してスライドすることができる。
さらに第1固定部174および第2固定部176の位置と、キャリアプレート134とガイドレール132の嵌合位置は、ドアガラス104の重心よりも、ドアガラス104の縦辺のうち短い縦辺の側(車両前側)に設定されている。このため、ドアガラス104の昇降時の振動を抑制することができる。なお仮に、車両用ドア構造100をリヤドアに適用した場合には、第1固定部174および第2固定部176の位置と、キャリアプレート134とガイドレール132の嵌合位置は、リヤドアのドアガラスの重心よりも、ドアガラスの縦辺のうち短い縦辺の側(車両後側)に設定される。
したがって車両用ドア構造100では、ドアガラス104の鈍角部130の対角に位置する角部184が後側ガラスラン116に確実に接触して、突っかかり挙動を相殺するモーメントが発生し、ドアガラス104の突っかかり挙動を十分に抑制することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、車両用ドア構造に利用することができる。
100…車両用ドア構造、102…車両用ドア、104…ドアガラス、106…ドアアウタパネル、108…ドアインナパネル、110、110A…ウィンドレギュレータ、112…ドアサッシュ、114…前側ガラスラン、116…後側ガラスラン、118…ルーフガラスラン、120…ドアガラスの前縁、122…ドアガラスの後縁、124…前側ガラスランの上端、126…後側ガラスランの上端、128…ルーフガラスランの前端、130…ドアガラスの鈍角部、132…ガイドレール、134、134A…キャリアプレート、136…滑車部、138…モータユニット、140…ドアガラスの下縁、142…ガイドレールの上端、144…ワイヤ、144a…ワイヤの一端、144b…ワイヤの他端、146…ガイドレールの下端、148…レギュレータモータ、150…ドラム、152…キャリアプレートの本体、154、156…ホルダ、158…スライドレール、160…スライドレールの側壁、162…上壁、164…下壁、166…側壁の上縁、168…上壁の上側突起部、170…側壁の下縁、172…下壁の下側突起部、174…第1固定部、176…第2固定部、178…凹部、180…凹部の上側溝部、182…凹部の下側溝部、184…ドアガラスの角部、186…隙間
Claims (3)
- 車両用ドアのドアガラスと、該ドアガラスを上下方向に昇降させるシングルレール式のウィンドレギュレータとを備える車両用ドア構造において、当該車両用ドア構造はさらに、
前記ドアガラスの前縁に接する前側ガラスランと、
前記ドアガラスの後縁に接する後側ガラスランと、
前記前側ガラスランと前記後側ガラスランとの上端同士をつないでいて該前側ガラスランと鈍角を成すルーフガラスランとを備え、
前記ドアガラスは、前側ガラスランと前記ルーフガラスランとが成す鈍角に対応する鈍角部を有し、
前記ウィンドレギュレータは、
上下方向に延びるガイドレールと、
前記ドアガラスの下縁を車両前後方向に離間した位置で一対のホルダを介しそれぞれ保持し前記ガイドレールにスライド可能に取り付けられたキャリアプレートとを有し、
前記キャリアプレートは、
所定のワイヤに牽引されて前記ガイドレール上を上下方向にスライドする本体と、
車両前後方向に延び前記一対のホルダをつなぎ前記本体にスライド可能に取り付けられていて前記一対のホルダとともに前記本体に対して車両前後方向にスライドするスライドレールとを有することを特徴とする車両用ドア構造。 - 前記ウィンドレギュレータはさらに、
前記ガイドレールの上端に取り付けられ前記ワイヤが巻き掛けられた滑車部と、
前記ガイドレールの下端に位置するモータユニットであってレギュレータモータにより回転するドラムの回転力によって前記ワイヤを介して前記ガイドレール上の前記キャリアプレートを昇降させるモータユニットとを有し、
前記キャリアプレートのスライドレールは、
車両前後方向に延びる側壁と、
前記側壁の上縁から車外側に屈曲した上壁であって車両前後方向にわたって上方に突出した上側突起部が形成された上壁と、
前記側壁の下縁から車外側に屈曲した下壁であって車両前後方向にわたって下方に突出した下側突起部が形成された下壁とを含み、
前記キャリアプレートはさらに、
前記滑車部に巻き掛けられた前記ワイヤの一端を固定する前記本体に設けられた第1固定部と、
前記モータユニットのドラムに巻き掛けられて前記ガイドレールに沿って延びる前記ワイヤの他端を固定する前記本体に設けられた第2固定部と、
前記本体を車内側に凹ませることで形成された凹部と、
前記凹部に設けられ前記スライドレールの前記上側突起部および前記下側突起部を車両前後方向にスライド可能にそれぞれ保持する上側溝部および下側溝部とを有し、
前記第1固定部および前記第2固定部は、側面視で前記凹部と重なる位置にあることを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア構造。 - 前記第1固定部および前記第2固定部の位置と、前記キャリアプレートと前記ガイドレールの嵌合位置は、前記ドアガラスの重心よりも、該ドアガラスの縦辺のうち短い縦辺の側に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2023103306A JP2025002918A (ja) | 2023-06-23 | 2023-06-23 | 車両用ドア構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2023103306A JP2025002918A (ja) | 2023-06-23 | 2023-06-23 | 車両用ドア構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2025002918A true JP2025002918A (ja) | 2025-01-09 |
Family
ID=94169596
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2023103306A Pending JP2025002918A (ja) | 2023-06-23 | 2023-06-23 | 車両用ドア構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2025002918A (ja) |
-
2023
- 2023-06-23 JP JP2023103306A patent/JP2025002918A/ja active Pending
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20260416 |
