JP2025102732A - 静電荷像現像用トナーセット - Google Patents

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寛人 林
Hiroto Hayashi
知広 村上
Tomohiro Murakami
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Abstract

【課題】高速印刷時の低温定着性に優れ、かつ紙面上カブリを抑制することができる静電荷像現像用トナーセット及び該トナーセットの調製方法に関すること。
【解決手段】結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有する、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーを含む静電荷像現像用トナーセットであり、結着樹脂100質量部に対する離型剤の含有量の対比において、前記のイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーのなかで、ブラックトナー中の離型剤の含有量が最も多い、静電荷像現像用トナーセット及び該トナーセットの調製方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる静電荷像現像用トナーセット及び該トナーセットの調製方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置を用いてフルカラー印刷を行う場合、一般的に、いわゆる色の三原色と呼ばれる、イエロー、シアン、及びマゼンタのトナーに、ブラックトナーを加えた4色からなるトナーセットが用いられている(特許文献1~3参照)。
一方、電子写真システムの発展に伴い、さらなるカラー印刷における高画質化に対応した静電荷像現像用トナーの開発が求められており、また、高速化、例えば、A4縦方向で1枚あたり0.5~1.0秒程度の高速印刷にも対応可能な低温定着性を有するトナーが求められている。
特開2006-71740号公報 特開2008-249989号公報 特開2003-295516号公報
しかしながら、高速印刷時の低温定着性を向上させるために種々検討がなされているものの、紙面上カブリとの両立が困難である。
本発明は、高速印刷時の低温定着性に優れ、かつ紙面上カブリを抑制することができる静電荷像現像用トナーセット及び該トナーセットの調製方法に関する。
本発明は、
〔1〕 結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有する、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーを含む静電荷像現像用トナーセットであり、結着樹脂100質量部に対する離型剤の含有量の対比において、前記のイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーのなかで、ブラックトナー中の離型剤の含有量が最も多い、静電荷像現像用トナーセット、並びに
〔2〕 結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有する、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーを少なくとも組み合わせて、静電荷像現像用トナーセットを調製する方法であって、結着樹脂100質量部に対する離型剤の含有量の対比において、前記のイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーのなかで、ブラックトナー中の離型剤の含有量が最も多い、静電荷像現像用トナーセットの調製方法
に関する。
本発明の静電荷像現像用トナーセットは、高速印刷時の低温定着性の向上と紙面上カブリの抑制において優れた効果を奏するものである。
本発明の静電荷像現像用トナーセットは、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有する、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーを含む静電荷像現像用トナーセットであり、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーのなかで、ブラックトナー中の離型剤の含有量が最も多いことを大きな特徴としている。本発明の方法により、高速印刷時の低温定着性、及び紙面上カブリに優れたトナーが得られる理由は定かではないが、以下のように推察される。なお、下記メカニズムは推定であり、これに限定されるものではない。
ブラックトナーは黒色着色剤由来の導電パスが多いため帯電性が低く、イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナーとの帯電量差が大きいため、紙面上のカブリを生じやすい。本発明者らが鋭意検討した結果、ブラックトナー中の離型剤含有量を増量した場合、離型剤により黒色着色剤の分散性が向上し導電パスが低下することで帯電性が向上することが判明した。一般的には、低帯電性の離型剤を増量すると帯電性が低下するというのが当業者の技術常識であるため、離型剤の増量により帯電性が向上するとの知見は、当業者にも驚くべき新規な効果であると言える。従って、本発明では、イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナーよりも、ブラックトナーの離型剤の含有量を多くすることで、各色での帯電量差が小さくなり紙面上カブリが抑制されるものと考えられる。
また、ブラックトナーに用いられる黒色着色剤は、他のイエロー着色剤、シアン着色剤、マゼンタ着色剤に比べフィラー効果が強く、特に高速印刷時の低温定着性に劣る。しかしながら、本発明では、イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナーよりもブラックトナーの離型剤の含有量を多くすることで、最も定着性に不利であったブラックトナーが十分に可塑化されるためか、高速印刷時における低温定着性も向上することでき、低温定着性と紙面上カブリ抑制との両立を達成できることが分かった。
結着樹脂100質量部に対する離型剤の含有量の対比において、前記の如く、前記のイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーのなかで、ブラックトナー中の離型剤の含有量が最も多い。
結着樹脂100質量部に対する離型剤の含有量として、ブラックトナー中の離型剤の含有量と、イエロートナー、シアントナー及びマゼンタトナー中の離型剤の最大含有量との差は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、そして、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。なお、懸濁重合法により得られるトナーの結着樹脂には、重合性モノマー、重合開始剤、連鎖移動剤等の重合によりポリマー中に取り込まれる成分全てを含むものとし、コアシェル型トナーの場合には、シェル用樹脂も結着樹脂に含めるものとする。
本発明のトナーセットは、少なくとも、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーを組み合わせて調製されるものであり、必要に応じて、他色のトナーを組み合わせてもよい。本発明のトナーセットに含まれるトナー(以下、各色トナーともいう)はいずれも、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有し、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーは、着色剤と離型剤が異なる以外は、同様であるのが好ましい。
イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナー、好ましくは各色トナーはいずれも、懸濁重合法、乳化凝集法等により得られた重合トナーであっても、溶融混練法により得られた粉砕トナーのいずれであってもよいが、本発明においては、紙面上カブリの抑制の観点から、懸濁重合法により得られたトナーが好ましく、また、コア粒子をシェル層で被覆したコアシェル型トナーが好ましい。
懸濁重合法によりトナーを得る場合、例えば、重合性モノマー、着色剤、及び離型剤を含む重合性モノマー組成物を、水系媒体中、重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法により、トナーが得られる。具体的には、水系媒体中、重合開始剤の存在下で重合性モノマー組成物の造粒を行った後、懸濁重合する方法が好ましい。
重合性モノマーは、モノビニルモノマーを主成分とすることが好ましい。
モノビニルモノマーとしては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、α-メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸の誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル;メチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、N-ビニルピロリドン等の含窒素ビニル化合物等が挙げられる。これらのモノビニルモノマーは、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、モノビニルモノマーのなかでは、スチレン、スチレン誘導体、及び(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
モノビニルモノマーの含有量は、重合性モノマー中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下、より好ましくは99質量%以下である。
また、重合性モノマー組成物中のモノビニルモノマーの含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下、より好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下である。
重合性モノマーは、耐ホットオフセット性の観点から、モノビニルモノマーとともに、架橋性の重合性モノマーを含むことが好ましい。架橋性の重合性モノマーとは、2つ以上の重合可能な官能基を持つモノマーのことをいう。架橋性の重合性モノマーとしては、ジビニルモノマーが好ましく、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、これらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等のジ(メタ)アクリル酸エステル;N,N-ジビニルアニリン、ジビニルエーテル等のその他のジビニル化合物等が挙げられる。これらの架橋性の重合性モノマーは、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。架橋性の重合性モノマーの含有量は、モノビニルモノマー100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上であり、そして、好ましくは5質量部以下、より好ましくは2質量部以下である。
また、本発明において、保存性と低温定着性の観点から、重合性モノマーは、さらに、マクロモノマーを含むことが好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素-炭素不飽和二重結合を有する反応性のオリゴマー又は反応性の重合体である。
マクロモノマーの数平均分子量は、好ましくは1,000以上、より好ましくは3,000以上であり、そして、好ましくは30,000以下、より好ましくは20,000以下、さらに好ましくは10,000以下である。
マクロモノマーの含有量は、モノビニルモノマー100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上、さらに好ましくは0.05質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下である。
着色剤としては、顔料及び染料が用いられ、発色性の効果をより向上させる観点から、顔料が好ましい。顔料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用できるが、有機顔料が好ましい。
イエロートナーの着色剤としては、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、イソインドリン化合物、ベンズイミダゾロン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物等の有機顔料、アゾ系、アントラキノン系等の染料等が挙げられ、有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー17,74,93,95,109,111,128,139,151,154,155,174,180,185,214等が挙げられる。これらの中でも、縮合アゾ化合物が好ましく、C.I.ピグメントイエロー93及びC.I.ピグメントイエロー214がより好ましい。
シアントナーの着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等の有機顔料、ベンゾキノン系、アントラキノン系、インジゴ系、フタロシアニン系等の染料等が挙げられ、有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメントブルー1,7,15,15:1,15:2,15:3,15:4,60,62,66等が挙げられる。これらの中でも、銅フタロシアニン化合物が好ましく、C.I.ピグメントブルー15がより好ましい。
マゼンタトナーの着色剤としては、モノアゾ化合物、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等の有機顔料、ベンゾキノン系、アントラキノン系、インジゴ系等の染料等が挙げられ、有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド2,3,5,6,7,23,48:1,48:2,48:3,48:4,57:1,81:1,122,144,146,150,166,169,177,184,185,202,206,220,221,238,254,269、C.I.ピグメントバイオレッド19が挙げられる。これらの中でも、キナクリドン化合物が好ましく、C.I.ピグメントレッド122、及びC.I.ピグメントバイオレッド19がより好ましい。
ブラックトナーの着色剤としては、カーボンブラック、無機系複合酸化物等の無機顔料、アジン系、アニリンブラック系等の染料等が挙げられる。
着色剤の含有量は、トナーの発色性を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、そして、好ましくは15質量部以下、より好ましくは13質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。
離型剤としては、炭化水素ワックス、エステルワックス、シリコーンワックス、脂肪酸アミドワックス等が挙げられる。
炭化水素ワックスとしては、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物又は石油系炭化水素ワックス;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリブテンワックス等のポリオレフィンワックス等の合成炭化水素ワックス等が挙げられる。
エステルワックスとしては、モンタンワックス等の鉱物又は石油系エステルワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の植物系エステルワックス;ミツロウ等の動物系エステルワックス、脂肪酸等のカルボン酸と脂肪族アルコール等のアルコールとを縮合させて得られた合成エステルワックス等が挙げられる。
脂肪酸アミドワックスとしては、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等が挙げられる。
これらの中でも、トナーの離型性の観点から、炭化水素ワックス又はエステルワックスが好ましく、エステルワックスがより好ましい。
離型剤の融点は、トナーの離型性の観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは65℃以上、さらに好ましくは70℃以上であり、そして、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、さらに好ましくは85℃以下、さらに好ましくは80℃以下である。
イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナー中の離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは7質量部以上であり、そして、好ましくは15質量部以下、より好ましくは13質量部以下、さらに好ましくは11質量部以下である。
一方、ブラックトナー中の離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは7質量部以上、さらに好ましくは9質量部以上であり、そして、好ましくは25質量部以下、より好ましくは22質量部以下、さらに好ましくは18質量部以下、さらに好ましくは16質量部以下、さらに好ましくは14質量部以下である。
重合性モノマー組成物は、さらに、荷電制御剤、連鎖移動剤や、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫等の無機微粒子、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等を含んでいてもよい。
荷電制御剤は、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよい。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-04」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリヱント化学工業(株)製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリヱント化学工業(株)製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(クラリアント社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP-B」(オリヱント化学工業(株)製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成工業(株)製)等;スチレン-アクリル系樹脂、例えば「FCA-161P」、「FCA-201-PS」、「FCA-701PT」(藤倉化成(株)製)等が挙げられる。
負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-31」、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリヱント化学工業(株)製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」、「T-77」(保土谷化学工業(株)製)等;ベンジル酸化合物の金属化合物、例えば、「LR-147」、「LR-297」(以上、日本カーリット(株)製)等;サリチル酸化合物の金属化合物、例えば、「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-88」、「ボントロンE-304」(以上、オリヱント化学工業(株)製)、「TN-105」(保土谷化学工業(株)製)等;銅フタロシアニン染料;4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(クラリアント社製)、ニトロイミダゾール誘導体等;有機金属化合物等が挙げられる。
これらは、1種又は2種以上を用いてもよい。
本発明においては、紙面カブリの観点から、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナー、好ましくは各色トナーは、正帯電性トナーであることが好ましい。従って、荷電制御剤としては、正帯電性荷電制御剤を含有することが好ましく、高分子型の荷電制御樹脂を含有することがより好ましく、4級アンモニウム塩含有樹脂を含有することがさらに好ましい。
4級アンモニウム塩含有樹脂としては、4級アンモニウム塩含有スチレン系樹脂が好ましい。
4級アンモニウム塩含有スチレン系樹脂は、特に限定されないが、例えば、スチレンモノマー(M1)及び/又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(M2)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマーの4級アンモニウム塩(M3)との共重合体であることが好ましい。
スチレンモノマー(M1)は、スチレンであり、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-クロロスチレン等のスチレンの誘導体は含まない。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(M2)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、アルキル基の炭素数は4以上12以下が好ましく、これらのなかでは、ブチル(メタ)アクリレート又は2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、ブチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマーの4級アンモニウム塩(M3)としては、式(I):
Figure 2025102732000001
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数が1以上5以下のアルキレン基、R~Rは各々独立して炭素数が1以上5以下のアルキル基を示す)
で表される化合物が好ましい。
式(I)において、Rとしては、メチル基が好ましい。Rとしては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられ、これらの中ではエチレン基が好ましい。R~Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられ、これらの中ではメチル基又はエチル基が好ましく、エチル基がより好ましい。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの中では、安価であることから、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
4級アンモニウム塩含有スチレン系樹脂の製造方法としては、例えば、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを常法に従って、パラトルエンスルホン酸アルキルエステルを用いて第4級化して、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマーの4級アンモニウム塩(M3)とした後、これとスチレンモノマー(M1)及び/又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(M2)とを混合し、重合開始剤の存在下で共重合させる方法等が挙げられる。
パラトルエンスルホン酸アルキルエステルとしては、例えば、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸プロピル等が挙げられ、これらの中では、4級化が容易であることから、パラトルエンスルホン酸メチルが好ましい。
パラトルエンスルホン酸アルキルエステルの使用量は、これと反応させるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート1モルに対して、好ましくは0.8モル以上、より好ましくは1モル以上であり、そして、好ましくは1.5モル以下、より好ましくは1.2モル以下である。
共重合の方法としては、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等、いずれの方法を用いてもよいが、得られる共重合体の質量平均分子量の制御が比較的容易であること、また、反応操作が容易であることなどから、溶液重合が好ましい。
溶液重合で使用する溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、ノルマルブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤等が挙げられ、これらの中では、共重合体の溶解性の点から、ケトン系溶剤又はアルコール系溶剤が好ましい。
重合開始剤としては、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、1,1-ジ(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、ジベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物系開始剤、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)等のアゾ系開始剤等が使用される。
重合開始剤の使用量は、モノマーの合計100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下が好ましい。
4級アンモニウム塩含有スチレン系樹脂においては、スチレンモノマー(M1)単位と(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(M2)単位とジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの4級アンモニウム塩(M3)単位の合計量中の、スチレンモノマー(M1)単位の含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上であり、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下である。
4級アンモニウム塩含有スチレン系樹脂においては、スチレンモノマー(M1)単位と(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(M2)単位とジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの4級アンモニウム塩(M3)単位の合計量中の、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(M2)単位の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。
4級アンモニウム塩含有スチレン系樹脂においては、スチレンモノマー(M1)単位と(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(M2)単位とジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの4級アンモニウム塩(M3)単位の合計量中の、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの4級アンモニウム塩(M3)単位の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、そして、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
前記4級アンモニウム塩含有スチレン系樹脂の市販品としては、例えば、「FCA-161P」、「FCA-201-PS」、「FCA-701-PT」(以上、藤倉化成(株)製)が挙げられる。
4級アンモニウム塩含有樹脂の軟化点は、保存性の観点から、好ましくは90℃以上、より好ましくは95℃以上、さらに好ましくは100℃以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは140℃以下、より好ましくは135℃以下、さらに好ましくは130℃以下である。
4級アンモニウム塩含有樹脂のガラス転移温度は、保存性の観点から、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは45℃以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは90℃以下、より好ましくは85℃以下、さらに好ましくは80℃以下である。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。
連鎖移動剤としては、tert-ドデシルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン-4-チオール等のメルカプタン類等が挙げられる。連鎖移動剤は、重合開始前又は重合途中に添加することができる。
連鎖移動剤の含有量は、重合性モノマー100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
重合性モノマー、着色剤、離型剤、及び必要に応じてその他添加剤を混合し、各成分を溶解させて、重合性モノマー組成物が得られる。
水系媒体としては、水を主成分とするものが好ましい。水系媒体中の水の含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上であり、そして、100質量%以下である。水としては、脱イオン水又は蒸留水が好ましい。
水系媒体に含まれうる水以外の成分としては、例えば、炭素数1以上5以下のアルキルアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の炭素数3以上5以下のジアルキルケトン;テトラヒドロフラン等の環状エーテル等の水に溶解する有機溶剤が挙げられる。
水系媒体は、分散安定剤を含有していることが好ましい。
分散安定剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、酸化チタン等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の金属水酸化物等の金属化合物や、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼラチン等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤;両性界面活性剤等の有機高分子化合物等が挙げられる。分散安定剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
分散安定剤の中でも、金属化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを含有する分散安定剤は、着色重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、洗浄後の分散安定剤残存量が少ないので、画像を鮮明に再現することができ、環境安定性を悪化させないので好ましい。
分散安定剤の含有量は、重合性モノマー100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下が好ましい。
重合性モノマー組成物の重合に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’-アゾビス(4-シアノバレリック酸)、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ-tert-ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルブタノエート、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-tert-ブチルパーオキシイソフタレート、及びtert-ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物が挙げられる。また、上記重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を用いてもよい。
重合開始剤の量は、重合性モノマー100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、そして、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。
重合性モノマー組成物を水系媒体中に投入し、重合開始剤の存在下で、重合性モノマー組成物の造粒を行うことができる。重合開始剤は、重合性モノマー組成物を水系媒体に分散させた後、造粒前の水系媒体に添加しても、水系媒体に分散させる前に重合性モノマー組成物中にあらかじめ添加してもよい。
造粒の方法は特に限定されないが、例えば、(インライン型)乳化分散機(商品名:マイルダー MDN303V(太平洋機工(株)製)、商品名「エバラマイルダー」((株)荏原製作所製))、高速乳化・分散機(商品名「T.K.ホモミクサー MARK II型」(プライミクス(株)製))等の強攪拌が可能な装置を用いて行うことが好ましい。
造粒後、造粒された重合性モノマー組成物が分散した水系媒体を加熱し、重合を開始する。
重合性モノマー組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上であり、そして、好ましくは95℃以下である。また、重合の反応時間は、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上であり、そして、好ましくは20時間以下、より好ましくは15時間以下である。
重合終了後に、常法に従い、濾過、分散安定剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作により、着色重合体粒子の水分散液から着色重合体粒子をトナー粒子として分離することができる。濾過、洗浄、脱水、及び乾燥の操作は、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。
洗浄方法としては、分散安定剤として無機水酸化物等の無機化合物を使用した場合、トナー粒子の水分散液への酸又はアルカリの添加により、分散安定剤を水に溶解し除去することが好ましい。分散安定剤として、難水溶性無機水酸化物のコロイドを使用した場合、酸を添加して、トナー粒子水分散液のpHを6.5以下に調整することが好ましい。添加する酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸や蟻酸、酢酸等の有機酸を用いることができるが、除去効率の大きいことや製造設備への負担が小さいことから、硫酸が好ましい。
脱水、及び濾過の方法は、種々の公知の方法等を用いることができ、特に限定されない。例えば、遠心濾過法、真空濾過法、加圧濾過法等が挙げられる。
本発明において、懸濁重合法により得られた着色重合体粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、着色重合体粒子をコア粒子とし、その外側にシェル層を形成することで、コアシェル型トナー(カプセルトナー)が得られる。例えば、低軟化点の樹脂を含むコア粒子を、それより高い軟化点を有する樹脂を含むシェル層で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。
着色重合体粒子をコア粒子として用いて、コアシェル型トナーを製造する方法としては特に制限はなく、従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の点から好ましい。
in situ重合法によるコアシェル型トナーは、例えば、以下の方法により製造することができる。
シェル層を形成する樹脂(シェル用樹脂)のための重合性モノマー(シェル用重合性モノマー)と、必要に応じその他のシェル用添加物を脱イオン水に溶解又は分散させて、シェル用重合性モノマーの水分散液とする。このシェル用重合性モノマーの水分散液に、シェル用重合性モノマー等を重合するための重合開始剤を添加し、着色重合体粒子が分散している水系媒体中に入れ、重合することでコアシェル型トナーを得ることができる。
シェル用重合性モノマーとしては、前述の重合性モノマーと同様なものが使用できるが、シェル層は、保存性の観点から、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を含有することが好ましい。従って、シェル用重合性モノマーとしては、メタクリル酸メチルが好ましい。
メタクリル酸メチルの含有量は、シェル用重合性モノマー中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは100モル%である。
その他のシェル用添加物としては、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫等の無機微粒子、及びウレタンアクリレートポリマー等の2つ以上の重合可能な官能基を持つ架橋性ポリマーを含有してもよい。
シェル用重合性モノマーの重合に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸金属塩;2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]等のアゾ系開始剤等の水溶性重合開始剤等が挙げられる。
重合開始剤の量は、シェル用重合性モノマー100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、そして、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。
シェル層の重合温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上であり、そして、好ましくは95℃以下である。また、重合の反応時間は、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上であり、そして、好ましくは20時間以下、より好ましくは15時間以下である。
重合終了後、常法に従い、濾過、分散安定剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作により、着色重合体粒子と同様に、コアシェル型トナーの水分散液からコアシェル型トナーを分離することができる。
懸濁重合法により得られたトナーの円形度は、好ましくは0.975以上、より好ましくは0.978以上、さらに好ましくは0.980以上であり、そして、好ましくは0.995以下、より好ましくは0.992以下、さらに好ましくは0.990以下である。
溶融混練法により粉砕トナーを製造する場合は、例えば、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有する原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレンアクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、これらの樹脂を2種以上含む複合樹脂等が挙げられ、これらのなかでは、低温定着性の観点から、ポリエステル樹脂が好ましい。
ポリエステル樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分の重縮合物であり、アルコール成分は、保存性の観点から、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含有することが好ましい。
ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等が挙げられ、式(II):
Figure 2025102732000002
(式中、OR及びROはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン基及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の値は、1以上、好ましくは1.5以上であり、そして、16以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは4以下、さらに好ましくは2.5以下である)
で表される化合物が好ましい。
ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上であり、そして、100モル%以下である。
他のアルコール成分としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール等の脂肪族ジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコール等が挙げられる。
カルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸系化合物、脂肪族ジカルボン酸系化合物、3価以上のカルボン酸系化合物等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸系化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、これらの酸の無水物、これらの酸の炭素数が1以上3以下のアルキルエステル等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸系化合物としては、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、炭化水素基で置換されたコハク酸誘導体、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、これらの酸の無水物、これらの酸の炭素数が1以上3以下のアルキルエステル等が挙げられる。
3価以上のカルボン酸系化合物としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの酸の無水物、これらの酸の炭素数が1以上3以下のアルキルエステル等が挙げられる。
アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸系化合物が、適宜含有されていてもよい。
なお、本明細書において、マクロモノマーやヒドロキシカルボン酸は、アルコール成分及びカルボン酸成分には含めない。
カルボン酸成分のカルボキシ基のアルコール成分の水酸基に対する当量比(COOH基/OH基)は、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.8以上であり、そして、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下である。
ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中、好ましくはエステル化触媒の存在下、さらに必要に応じて、助触媒、重合禁止剤等の存在下、好ましくは160℃以上、より好ましくは200℃以上であり、そして、好ましくは250℃以下、より好ましくは240℃以下の温度で重縮合させて製造することができる。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)等のチタン化合物等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1質量部以下である。エステル化触媒の助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。重合禁止剤としては、tert-ブチルカテコール等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
なお、本発明において、ポリエステル樹脂は、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステル樹脂であってもよい。変性されたポリエステル樹脂としては、例えば、特開平11-133668号公報、特開平10-239903号公報、特開平8-20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステル樹脂が挙げられるが、変性されたポリエステル樹脂のなかでは、ポリエステル樹脂をポリイソシアネート化合物でウレタン伸長したウレタン変性ポリエステル樹脂が好ましい。
ポリエステル樹脂の軟化点は、帯電安定性の観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。
なお、ポリエステル樹脂は、低温定着性及び定着幅の観点から、軟化点の異なる樹脂からなるものであってもよい。2種の樹脂の軟化点の差は、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上であり、そして、好ましくは60℃以下、より好ましくは40℃以下である。
軟化点が高い方のポリエステル樹脂(樹脂AH)の軟化点は、定着幅の観点から、好ましくは100℃以上、より好ましくは110℃以上、さらに好ましくは120℃以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。
また、軟化点が低い方のポリエステル樹脂(樹脂AL)の軟化点は、帯電安定性の観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは130℃以下、より好ましくは125℃以下、さらに好ましくは120℃以下である。
樹脂AHの樹脂ALに対する質量比(樹脂AH/樹脂AL)は、好ましくは10/90以上、より好ましくは20/80以上、さらに好ましくは30/70以上であり、そして、好ましくは90/10以下、より好ましくは80/20以下、さらに好ましくは75/25以下である。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、保存性の観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上であり、そして、帯電安定性の観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下である。
ポリエステル樹脂の酸価は、低温定着性の観点から、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは3mgKOH/g以上であり、そして、帯電安定性の観点から、好ましくは15mgKOH/g以下、より好ましくは10mgKOH/g以下である。
ポリエステル樹脂の含有量は、結着樹脂中、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、そして、100モル%以下である。
また、結着樹脂の含有量は、トナー中、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%未満、より好ましくは98質量%以下、さらに好ましくは95質量%以下である。
着色剤と離型剤の種類や量については、懸濁重合法について説明したものと同様である。
溶融混練に供される原料は、結着樹脂、着色剤、及び離型剤以外に、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を含んでいてもよい。
荷電制御剤の種類については、懸濁重合法について説明したものと同様である。
荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電安定性の観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。荷電制御剤が樹脂(高分子型)の場合は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、そして、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。
溶融混練法により得られた粉砕トナーの円形度は、好ましくは0.920以上、より好ましくは0.925以上、さらに好ましくは0.930以上であり、そして、好ましくは0.980以下、より好ましくは0.975以下、さらに好ましくは0.970以下である。
本発明のトナーには、転写性を向上させるために、外添剤が外添されていることが好ましい。外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の無機微粒子や、メラミン系樹脂微粒子、ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子等の有機微粒子が挙げられ、2種以上が併用されていてもよい。これらの中では、シリカが好ましく、トナーの転写性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであることがより好ましい。
シリカ粒子の表面を疎水化するための疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、環状シラザン、シリコーンオイル、アミノシラン、オクチルトリエトキシシラン(OTES)、メチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
外添剤の平均粒子径は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、好ましくは5nm以上であり、そして、好ましくは250nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは90nm以下である。
トナー粒子と外添剤との混合による外添処理は、常法に従って行うことができ、ヘンシェルミキサー等の混合機を用いることができる。
外添剤の含有量は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、外添剤で処理する前のトナー粒子100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上であり、そして、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
トナーの体積中位粒径(D50)は、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上であり、そして、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。また、トナーを外添剤で処理している場合には、外添剤で処理する前のトナー粒子の体積中位粒径をトナーの体積中位粒径とする。
前記の如く、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーを少なくとも組み合わせ、そのまま一成分現像用方式の画像形成装置に、又は各色トナーをそれぞれキャリアと混合して、二成分現像方式の画像形成装置に、それぞれ用いることができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。樹脂等の物性は、以下の方法により測定することができる。
〔マクロモノマーの数平均分子量〕
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により数平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mLになるように、樹脂をテトラヒドロフランに溶解させる。ついで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業(株)製、商品名:FP-200)を用いて濾過して不溶成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用いて、溶離液としてテトラヒドロフランを、毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定化させる。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の分子量が既知の単分散ポリスチレン(東ソー(株)製;2.63×10、2.06×10、1.02×10、ジーエルサイエンス(株)製;2.10×10、7.00×10、5.04×10)を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO-8010(商品名、東ソー(株)製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(いずれも商品名、東ソー(株)製)
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター「CFT-500D」((株)島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂の吸熱の最大ピーク温度〕
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いて、試料0.01~0.02gをアルミパンに計量し、室温(25℃)から降温速度10℃/minで0℃まで冷却し、0℃にて1分間維持する。その後、昇温速度10℃/minで180℃まで昇温しながら測定する。観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を吸熱の最大ピーク温度とする。結晶性樹脂においては、吸熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01~0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで150℃まで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱の最大ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K 0070:1992の方法に基づき測定する。ただし、測定溶媒のみJIS K 0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いて、試料0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温した後、200℃から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次いで、試料を昇温速度10℃/minで昇温し、熱量を測定し、吸熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔外添剤の平均粒子径〕
平均粒子径は、個数平均粒子径を指し、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの数平均値とする。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
・測定機:「コールターマルチサイザー(登録商標)III」(ベックマン・コールター(株)製)
・アパチャー径:50μm
・解析ソフト:「マルチサイザー(登録商標)III バージョン3.51」(ベックマン・コールター(株)製)
・電解液:「アイソトン(登録商標)II」(ベックマン・コールター(株)製)
・分散液:電解液に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル「エマルゲン(登録商標)109P」〔花王(株)製、HLB(グリフィン)=13.6〕を溶解して5質量%に調整したもの
・分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー製US-1、出力:80W)にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
・測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒径分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔トナー粒子の円形度〕
下記の条件で、トナー粒子の円形度を測定する。
・測定装置:フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス(株)製)
・分散液:脱イオン水に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル「エマルゲン(登録商標)109P」〔花王(株)製、HLB(グリフィン)=13.6〕を溶解して5質量%に調整したもの
・分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー製US-1、出力:80W)にて1分間分散させ、その後、脱イオン水25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
・測定モード:HPF測定モード
アルケニル無水コハク酸の製造例1
(1) プロピレンテトラマー(新日本石油(株)製、商品名:「ライトテトラマー」)を用いて、183~208℃の加熱条件で分留してアルキレン化合物(a)を得た。得られたアルキレン化合物(a)は、後述するガスクロマトグラフィー質量分析において、40個のピークを有していた。アルキレン化合物の分布は、特開2014-013384号公報のアルキレン化合物Aの質量分析ガスクロマトグラフィーによる分析に従って測定し、C18:0.5質量%、C1020:4質量%、C1122:20質量%、C1224:66質量%、C1326:9質量%、C1428:0.5質量%(炭素数9~14のアルキレン化合物に相当するピーク数6)であった。
(2) 1Lの日東高圧(株)製オートクレーブにアルキレン化合物(a)542.4g、無水マレイン酸157.2g、抗酸化剤「チェレックス-O」(堺化学工業(株)製、Triisooctyl phosphite)0.4g、及び重合禁止剤としてブチルハイドロキノン0.1gを仕込み、加圧窒素置換(0.2MPaG)を3回繰り返した。60℃で撹拌開始後、230℃まで1時間かけて昇温して6時間反応を行った。反応温度到達時の圧力は、0.3MPaGであった。反応終了後、80℃まで冷却し、常圧(101.3kPa)に戻して1リットル容の四つ口フラスコに移しかえた。180℃まで撹拌しながら昇温し、1.3kPaにて残存アルキレン化合物を1時間で留去した。ひきつづき、室温(25℃)まで冷却後、常圧(101.3kPa)に戻して目的物のアルケニル無水コハク酸A 406.1gを得た。酸価より求めたアルケニル無水コハク酸Aの平均分子量は268であった。
樹脂製造例1
表1に示す、アルコール成分、無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分、エステル化触媒及び助触媒を、窒素導入管、脱水管を有する流下式コンデンサー、撹拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃まで昇温した後、235℃で6時間重縮合させた。その後、210℃まで降温し、表1に示す無水トリメリット酸を添加し、210℃で1時間反応させた後、さらに210℃で10kPaの減圧下にて表1に記載の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステル樹脂(樹脂A1)を得た。物性を表1に示す。
樹脂製造例2
表1に示す、アルコール成分、カルボン酸成分、エステル化触媒及び助触媒を、窒素導入管、脱水管を有する流下式コンデンサー、撹拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃まで昇温した後、235℃で6時間重縮合させた。さらに235℃で10kPaの減圧下にて表1に記載の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステル樹脂(樹脂A2)を得た。物性を表1に示す。
Figure 2025102732000003
イエロートナーの製造例1
(1)コア用重合性モノマー組成物の調製
重合性モノマーとしてスチレン75質量部及びn-ブチルアクリレート25質量部と、着色剤としてC.I.ピグメントイエロー93(サンケミカル社製、商品名:CROMOPHTAL YELLOW D1040)7質量部を、メディア型乳化分散機を用いて分散させて、重合性モノマー混合物を得た。得られた重合性モノマー混合物に、高分子型の正帯電性荷電制御剤(藤倉化成(株)製、商品名:アクリベース FCA-161P、4級アンモニウム塩含有樹脂、軟化点:110℃、ガラス転移温度:60℃)0.75質量部、離型剤としてエステルワックス「WEP-8」(日油(株)製、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、融点:80℃)8質量部、マクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亞合成(株)製、商品名:AA6、数平均分子量:6,000)0.3質量部、架橋性の重合性モノマーとしてジビニルベンゼン0.6質量部、及び連鎖移動剤としてtert-ドデシルメルカプタン1.6質量部を添加した後、混合及び溶解して、重合性モノマー組成物を調製した。
(2)水系分散媒の調製
脱イオン水280質量部に塩化マグネシウム10.4質量部を溶解した水溶液に、脱イオン水50質量部に水酸化ナトリウム7.3質量部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液を調製した。
(3)シェル用重合性モノマーの調製
メチルメタクリレート2質量部と脱イオン水130質量部を超音波乳化機にて微分散化処理して、シェル用重合性モノマーの水分散液を調製した。
(4)造粒工程
(2)で得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、室温下で、(1)で得られた重合性モノマー組成物を投入し、さらに液滴が安定するまで攪拌して、そこに重合開始剤としてtert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油(株)製、商品名:パーブチル O)4.4質量部を添加した。重合開始剤を添加した分散液を、インライン型乳化分散機(太平洋機工(株)製、商品名:マイルダー MDN303V)により、回転数15,000r/minにて高剪断攪拌して、重合性モノマー組成物の液滴を形成した。
(5)懸濁重合工程:
(4)で得られた重合性モノマー組成物の液滴を含有する分散液を、反応器に入れ、90℃に昇温して重合反応を行った。重合転化率がほぼ100%に達した後、(3)で得られたシェル用重合性モノマーの水分散液に、シェル用重合開始剤として2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-プロピオンアミド](富士フイルム和光純薬(株)製、商品名:VA-086、水溶性開始剤)0.1質量部を溶解したものを反応器に添加した。次いで、95℃で4時間保持して、重合をさらに継続した後、水冷して反応を停止し、トナー粒子の水分散液を得た。
(6)後処理工程
(5)で得られたトナー粒子の水分散液を、室温下で、攪拌しながら硫酸を滴下し、pHが6.0以下となるまで酸洗浄を行った。次いで、濾過分離を行い、得られた固形分に脱イオン水500質量部を加えて再スラリー化させて、水洗浄処理(洗浄、濾過、及び脱水)を数回繰り返し行った。次いで、濾過分離を行い、得られた固形分を乾燥機の容器内に入れ、40℃で24時間乾燥を行い、体積平均粒径(D50)が6.3μm、円形度が0.985のトナー粒子を得た。
(7)外添工程
(6)で得られたトナー粒子100質量部に、疎水性シリカ(キャボット社製、製品名「TG820F」、疎水化処理剤:HMDS及び環状シラザン、平均粒子径:8nm)1質量部と、疎水性シリカ(日本アエロジル(株)製、製品名「NA50H」、疎水化処理剤:HMDS及びアミノシラン、平均粒子径:30nm)1質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製)を用いて回転数3000r/min(周速度32m/sec)で3分間混合して、コアシェル型のイエロートナー(Y1)を得た。
イエロートナーの製造例2
離型剤として、エステルワックス「WEP-8」の代わりに、エステルワックス「WEP-6」(日油(株)製、ペンタエリスリトールテトラステアレート、融点:76℃)8質量部を用いた以外は、製造例1と同様にして、イエロートナー(Y2)を得た。
イエロートナーの製造例3
離型剤として、エステルワックス「WEP-8」の代わりに、パラフィンワックス「HNP-9」(日本精蝋(株)製、融点:75℃)8質量部を用いた以外は、製造例1と同様にして、イエロートナー(Y3)を得た。
イエロートナーの製造例4
(1)重合性モノマー組成物の調製
重合性モノマーとしてスチレン75質量部及びn-ブチルアクリレート25質量部と、着色剤としてC.I.ピグメントイエロー93(サンケミカル社製、商品名:CROMOPHTAL YELLOW D1040)7質量部を、メディア型乳化分散機を用いて分散させて、重合性モノマー混合物を得た。得られた重合性モノマー混合物に、高分子型の正帯電性荷電制御剤(藤倉化成(株)製、商品名:アクリベース FCA-161P、4級アンモニウム塩含有樹脂、軟化点:110℃、ガラス転移温度:60℃)0.75質量部、離型剤としてエステルワックス「WEP-8」(日油(株)製、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、融点:80℃)8質量部、マクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亞合成(株)製、商品名:AA6、数平均分子量:6,000)0.3質量部、架橋性の重合性モノマーとしてジビニルベンゼン0.6質量部、及び連鎖移動剤としてtert-ドデシルメルカプタン1.6質量部を添加した後、混合及び溶解して、重合性モノマー組成物を調製した。
(2)水系分散媒の調製
脱イオン水280質量部に塩化マグネシウム10.4質量部を溶解した水溶液に、脱イオン水50質量部に水酸化ナトリウム7.3質量部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液を調製した。
(3)造粒工程
(2)で得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、室温下で、(1)で得られた重合性モノマー組成物を投入し、さらに液滴が安定するまで攪拌して、そこに重合開始剤としてtert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油(株)製、商品名:パーブチル O)4.4質量部を添加した。重合開始剤を添加した分散液を、インライン型乳化分散機(太平洋機工(株)製、商品名:マイルダー MDN303V)により、回転数15,000r/minにて高剪断攪拌して、重合性モノマー組成物の液滴を形成した。
(4)懸濁重合工程
(3)で得られた重合性モノマー組成物の液滴を含有する分散液を、反応器に入れ、90℃に昇温して重合反応を行った。次いで、95℃で4時間保持して、重合をさらに継続した後、水冷して反応を停止し、トナー粒子の水分散液を得た。
(5)後処理工程
(4)で得られたトナー粒子の水分散液を、室温下で、攪拌しながら硫酸を滴下し、pHが6.0以下となるまで酸洗浄を行った。次いで、濾過分離を行い、得られた固形分に脱イオン水500質量部を加えて再スラリー化させて、水洗浄処理(洗浄、濾過、及び脱水)を数回繰り返し行った。次いで、濾過分離を行い、得られた固形分を乾燥機の容器内に入れ、40℃で24時間乾燥を行い、体積平均粒径(D50)が6.2μm、円形度が0.984のトナー粒子を得た。
(6)外添工程
(5)で得られたトナー粒子100質量部に、疎水性シリカ(キャボット社製、製品名「TG820F」、疎水化処理剤:HMDS及び環状シラザン、平均粒子径:8nm)1質量部と、疎水性シリカ(日本アエロジル(株)製、製品名「NA50H」、疎水化処理剤:HMDS及びアミノシラン、平均粒子径:30nm)1質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製)を用いて回転数3000r/min(周速度32m/sec)で3分間混合して、イエロートナー(Y4)を得た。
イエロートナーの製造例5
結着樹脂として樹脂A1 60質量部と樹脂A2 40質量部、着色剤としてC.I.ピグメントイエロー93(サンケミカル社製、商品名:CROMOPHTAL YELLOW D1040)7質量部、離型剤としてエステルワックス「WEP-8」(日油(株)製、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、融点:80℃)8質量部、及び高分子型の正帯電性荷電制御剤(藤倉化成(株)製、商品名:FCA-201-PS、4級アンモニウム塩含有樹脂、軟化点:119℃、ガラス転移温度:65℃)10質量部をヘンシェルミキサーにて混合した。
得られた混合物を、混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を用い、スクリュー回転速度200r/min、バレル設定温度100℃で溶融混練し、溶融混練物を得た。混合物の供給速度は20kg/h、平均滞留時間は約18秒であった。
得られた溶融混練物を冷却、粗粉砕した後、ジェットミルにて微粉砕し、気流式分級機(日本ニューマチック工業(株)製)を用いて分級して、体積中位粒径(D50)が6.3μm、円形度が0.945のトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、外添剤として、疎水性シリカ(キャボット社製、製品名「TG820F」、疎水化処理剤:HMDS及び環状シラザン、平均粒子径:8nm)1質量部と、疎水性シリカ(日本アエロジル(株)製、製品名「NA50H」、疎水化処理剤:HMDS及びアミノシラン、平均粒子径:30nm)1質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製)を用いて回転数3000r/min(周速度32m/sec)で3分間混合して、イエロートナー(Y5)を得た。
イエロートナーの製造例6
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、C.I.ピグメントイエロー214(ホイバッハカラージャパン(株)製、商品名:PV FAST Yellow H9G)7質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例1と同様にして、表2に示すイエロートナー(Y6)を得た。
イエロートナーの製造例7
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、C.I.ピグメントイエロー214(ホイバッハカラージャパン(株)製、商品名:PV FAST Yellow H9G)7質量部を用い、離型剤として、エステルワックス「WEP-8」の代わりに、エステルワックス「WEP-3」(日油(株)製、ベヘニルベヘネート、融点:70℃)8質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例1と同様にして、表2に示すイエロートナー(Y7)を得た。
マゼンタトナーの製造例1
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、C.I.ピグメントレッド122(クラリアント社製、商品名:Toner Magenta E)3質量部、及びC.I.ピグメントバイオレット19(クラリアント社製、商品名:Ink Jet Magenta E5B02)3質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例1と同様にして、表2に示すマゼンタトナー(M1)を得た。
マゼンタトナーの製造例2
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、C.I.ピグメントレッド122(クラリアント社製、商品名:Toner Magenta E)3質量部、及びC.I.ピグメントバイオレット19(クラリアント社製、商品名:Ink Jet Magenta E5B02)3質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例2と同様にして、表2に示すマゼンタトナー(M2)を得た。
マゼンタトナーの製造例3
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、C.I.ピグメントレッド122(クラリアント社製、商品名:Toner Magenta E)3質量部、及びC.I.ピグメントバイオレット19(クラリアント社製、商品名:Ink Jet Magenta E5B02)3質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例3と同様にして、表2に示すマゼンタトナー(M3)を得た。
マゼンタトナーの製造例4
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、C.I.ピグメントレッド122(クラリアント社製、商品名:Toner Magenta E)3質量部、及びC.I.ピグメントバイオレット19(クラリアント社製、商品名:Ink Jet Magenta E5B02)3質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例4と同様にして、表2に示すマゼンタトナー(M4)を得た。
マゼンタトナーの製造例5
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、C.I.ピグメントレッド122(クラリアント社製、商品名:Toner Magenta E)3質量部、及びC.I.ピグメントバイオレット19(クラリアント社製、商品名:Ink Jet Magenta E5B02)3質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例5と同様にして、表2に示すマゼンタトナー(M5)を得た。
マゼンタトナーの製造例6
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、C.I.ピグメントレッド122(クラリアント社製、商品名:Toner Magenta E)3質量部、及びC.I.ピグメントバイオレット19(クラリアント社製、商品名:Ink Jet Magenta E5B02)3質量部を用い、離型剤として、エステルワックス「WEP-8」の代わりに、エステルワックス「WEP-3」(日油(株)製、ベヘニルベヘネート、融点:70℃)8質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例1と同様にして、表2に示すマゼンタトナー(M6)を得た。
シアントナーの製造例1
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、C.I.ピグメントブルー15(DIC(株)製、商品名「Fastogen Blue GCTF」)5質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例1と同様にして、表2に示すシアントナー(C1)を得た。
シアントナーの製造例2
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、C.I.ピグメントブルー15(DIC(株)製、商品名「Fastogen Blue GCTF」)5質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例2と同様にして、表2に示すシアントナー(C2)を得た。
シアントナーの製造例3
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、C.I.ピグメントブルー15(DIC(株)製、商品名「Fastogen Blue GCTF」)5質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例3と同様にして、表2に示すシアントナー(C3)を得た。
シアントナーの製造例4
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、C.I.ピグメントブルー15(DIC(株)製、商品名「Fastogen Blue GCTF」)5質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例4と同様にして、表2に示すシアントナー(C4)を得た。
シアントナーの製造例5
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、C.I.ピグメントブルー15(DIC(株)製、商品名「Fastogen Blue GCTF」)5質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例5と同様にして、表2に示すシアントナー(C5)を得た。
シアントナーの製造例6
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、C.I.ピグメントブルー15(DIC(株)製、商品名「Fastogen Blue GCTF」)5質量部を用い、離型剤の使用量を12質量部に変更した以外は、イエロートナーの製造例1と同様にして、表2に示すシアントナー(C6)を得た。
シアントナーの製造例7
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、C.I.ピグメントブルー15(DIC(株)製、商品名「Fastogen Blue GCTF」)5質量部を用い、離型剤として、エステルワックス「WEP-8」の代わりに、エステルワックス「WEP-3」(日油(株)製、ベヘニルベヘネート、融点:70℃)8質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例1と同様にして、表2に示すシアントナー(C7)を得た。
ブラックトナーの製造例1
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、カーボンブラック(三菱ケミカル(株)製、商品名「#25B」)7質量部を用い、離型剤の使用量を12質量部に変更した以外は、イエロートナーの製造例1と同様にして、表2に示すブラックトナー(K1)を得た。
ブラックトナーの製造例2
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、カーボンブラック(三菱ケミカル(株)製、商品名「#25B」)7質量部を用い、離型剤の使用量を12質量部に変更した以外は、イエロートナーの製造例2と同様にして、表2に示すブラックトナー(K2)を得た。
ブラックトナーの製造例3
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、カーボンブラック(三菱ケミカル(株)製、商品名「#25B」)7質量部を用い、離型剤の使用量を12質量部に変更した以外は、イエロートナーの製造例3と同様にして、表2に示すブラックトナー(K3)を得た。
ブラックトナーの製造例4
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、カーボンブラック(三菱ケミカル(株)製、商品名「#25B」)7質量部を用い、離型剤の使用量を12質量部に変更した以外は、イエロートナーの製造例4と同様にして、表2に示すブラックトナー(K4)を得た。
ブラックトナーの製造例5
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、カーボンブラック(三菱ケミカル(株)製、商品名「#25B」)7質量部を用い、離型剤の使用量を12質量部に変更した以外は、イエロートナーの製造例5と同様にして、表2に示すブラックトナー(K5)を得た。
ブラックトナーの製造例6
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、カーボンブラック(三菱ケミカル(株)製、商品名「#25B」)7質量部を用い、離型剤の使用量を15質量部に変更した以外は、イエロートナーの製造例1と同様にして、表2に示すブラックトナー(K6)を得た。
ブラックトナーの製造例7
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、カーボンブラック(三菱ケミカル(株)製、商品名「#25B」)7質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例1と同様にして、表2に示すブラックトナー(K7)を得た。
ブラックトナーの製造例8
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー93の代わりに、カーボンブラック(三菱ケミカル(株)製、商品名「#25B」)7質量部を用い、離型剤として、エステルワックス「WEP-8」7質量部の代わりに、エステルワックス「WEP-3」(日油(株)製、ベヘニルベヘネート、融点:70℃)15質量部を用いた以外は、イエロートナーの製造例1と同様にして、表2に示すブラックトナー(K8)を得た。
Figure 2025102732000004
実施例1~11及び比較例1、2
表3に示す、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーを組み合わせて、トナーセットを調製した。
試験例1〔低温定着性〕
(1) 高速下での低温定着性
市販の非磁性一成分用カラープリンタ(ブラザー工業(株)製、HL-3240CDW)を、未定着画像を取り出せるように改造して、イエロートナーが紙面上に0.30~0.40mg/cmとなるようにベタ画像を印字した。同じ用紙に3色のトナー(マゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナー)を繰り返し印字し、4色のトナーを重ねた未定着画像を得た。
次に、定着器を温度可変、及び印刷速度可変に改造した同プリンタを用意し、定着器の温度を150℃にし、A4縦方向に1枚あたり0.8秒の速度でトナーを定着させ、印刷物を得た。同様の方法で定着器の温度を5℃ずつ上げて、トナーを定着させ、印刷物を得た。
定着画像について、紙の画像部(ベタパッチ部)を手で折り曲げた後、紙を開いてその部分を指で擦った時のトナーの剥れ幅を測定した。トナーの剥れ幅が1mm以下であるもっとも低い温度を最低定着温度として、低温定着性を評価した。結果を表3に示す。
(2) 通常速度での低温定着性
定着速度を、A4縦方向に1枚あたり2.0秒に変更した以外は、(1)と同様にして、通常速度での低温定着性を評価した。結果を表3に示す。
試験例2〔紙面上カブリ〕
試験例1で使用した、改造した非磁性一成分用カラープリンタ(ブラザー工業(株)製、HL-3240CDW)にイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーのトナーセットを実装し、25℃/50%RH環境下に15時間放置した。その後、同環境下において各色印字率1%の画像を1,000枚印刷した。次に、白ベタ印字(印字率0%)を行い、印字前の紙面と白ベタを印字した紙面の白色度をX-Rite eXact(X-Rite社製)にて測定し、ΔE(白ベタ印字の白色度-印字前の紙面の白色度)を算出して、紙面上カブリを評価した。結果を表3に示す。ΔEは0に近いほど良好である。
Figure 2025102732000005
以上の結果より、実施例1~5、8~11と比較例1、2の対比から、離型剤の量が多いブラックトナーを組み合わせることにより、低温定着性と紙面上カブリ抑制が向上することが分かる。特に、低温定着性については、通常速度では同程度であっても、高速条件下では実施例のトナーセットを用いることで向上することが分かる。
また、実施例1と6の対比から、重合トナーのなかでもコアシェル型である場合に、特に紙面上カブリ抑制の効果が顕著であること、また、実施例1と7の対比から、重合トナーに限らず、粉砕トナーであっても良好な低温定着性を有し紙面上カブリも抑制されていることが分かる。
本発明の静電荷像現像用トナーセットは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (8)

  1. 結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有する、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーを含む静電荷像現像用トナーセットであり、結着樹脂100質量部に対する離型剤の含有量の対比において、前記のイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーのなかで、ブラックトナー中の離型剤の含有量が最も多い、静電荷像現像用トナーセット。
  2. 結着樹脂100質量部に対する離型剤の含有量として、ブラックトナー中の離型剤の含有量と、イエロートナー、シアントナー及びマゼンタトナー中の離型剤の最大含有量との差が、1質量部以上20質量部以下である、請求項1記載の静電荷像現像用トナーセット。
  3. イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーが、正帯電性トナーである、請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナーセット。
  4. 離型剤が、エステルワックスを含有する、請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナーセット。
  5. イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーが、コア粒子をシェル層で被覆したコアシェル型トナーである、請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナーセット。
  6. シェル層が、ポリメタクリル酸メチルを含有する、請求項5記載の静電荷像現像用トナーセット。
  7. イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーが、懸濁重合法により得られたトナーである、請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナーセット。
  8. 結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有する、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーを少なくとも組み合わせて、静電荷像現像用トナーセットを調製する方法であって、結着樹脂100質量部に対する離型剤の含有量の対比において、前記のイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーのなかで、ブラックトナー中の離型剤の含有量が最も多い、静電荷像現像用トナーセットの調製方法。
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