JP2025123734A - 溶融亜鉛めっき鋼帯、溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法及び溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法 - Google Patents
溶融亜鉛めっき鋼帯、溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法及び溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法Info
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Abstract
【課題】調質圧延時における亜鉛剥離を抑制してワークロール粗度転写不良に起因する品質不良が溶融亜鉛めっき鋼帯の表面に発生するのを抑制することができる溶融亜鉛めっき鋼帯、溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法及び溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法を提供する。
【解決手段】溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法は、溶融亜鉛めっき鋼帯SSと接触し、両端から圧延荷重F1が掛けられて溶融亜鉛めっき鋼帯SSを圧延する上下一対のワークロール21と、ワークロール21を上下方向からそれぞれ支持する上下一対のバックアップロール22と、ワークロール21の両端に掛けられる圧延荷重F1と反対方向にベンダー荷重F2を作用させて溶融亜鉛めっき鋼帯SSの形状を制御するワークロールベンダー30とを備えた調質圧延機10を用いて、溶接点P通過時のワークロール21による圧延荷重F1を30~100tに制御して溶融亜鉛めっき鋼帯SSを圧延する。
【選択図】図2
【解決手段】溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法は、溶融亜鉛めっき鋼帯SSと接触し、両端から圧延荷重F1が掛けられて溶融亜鉛めっき鋼帯SSを圧延する上下一対のワークロール21と、ワークロール21を上下方向からそれぞれ支持する上下一対のバックアップロール22と、ワークロール21の両端に掛けられる圧延荷重F1と反対方向にベンダー荷重F2を作用させて溶融亜鉛めっき鋼帯SSの形状を制御するワークロールベンダー30とを備えた調質圧延機10を用いて、溶接点P通過時のワークロール21による圧延荷重F1を30~100tに制御して溶融亜鉛めっき鋼帯SSを圧延する。
【選択図】図2
Description
本発明は、溶融亜鉛めっき鋼帯、溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法及び溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法に関する。
溶融亜鉛めっき鋼帯の製造設備においては、冷間圧延された先行鋼帯の尾端と後行鋼帯の先端とを溶接点で溶接した鋼帯を焼鈍炉で焼鈍し、焼鈍された鋼帯を溶融亜鉛めっき浴に浸漬した後、めっき付着量を調整して冷却し、その後、調質圧延機にて溶融亜鉛めっき鋼帯を調質圧延する。
溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延時においては、溶融亜鉛めっき鋼帯の表面の亜鉛が剥離し、調質圧延機のワークロールの表面に亜鉛が凝着する。ワークロールの表面に亜鉛が凝着した箇所は、局所的にワークロールの表面粗さが小さくなり、ワークロール粗度転写不良に起因する品質不良が溶融亜鉛めっき鋼帯の表面に発生する。この品質不良は、溶融亜鉛めっき鋼帯の表面の鋼帯長手方向に沿って周期的に複数形成される粗度転写不良部である。この粗度転写不良部は、いわゆる「ダルハゲ」と称されるものであり、ワークロールの表面に亜鉛が凝着することで、ワークロールの表面粗さが小さくなり、表面が小さな表面粗さとなっているワークロールの表面粗さが溶融亜鉛めっき鋼帯の表面に転写されて、その転写された部分の表面粗さが鏡面のような小さい欠陥を意味する。
溶融亜鉛めっき鋼帯の表面にこの「ダルハゲ」が形成されるのを防止するには、調質圧延時における亜鉛剥離の抑制、剥離した亜鉛のワークロールの表面への凝着の阻止、及びワークロールの表面に凝着した亜鉛の除去が考えられる。
鋼表面に生成するマンガン酸化物量を所定値以下に抑制することで、ロールの表面粗度上昇を抑制するものとして、従来、例えば、特許文献1に示す缶用鋼板用原板が知られている。
鋼表面に生成するマンガン酸化物量を所定値以下に抑制することで、ロールの表面粗度上昇を抑制するものとして、従来、例えば、特許文献1に示す缶用鋼板用原板が知られている。
特許文献1に示す缶用鋼板用原板は、調質圧延前の鋼板表面のマンガン酸化物量が2mg/m2以下としたものである。
特許文献1に示す缶用鋼板用原板によれば、調質圧延前の鋼板表面のマンガン酸化物量を2mg/m2以下とすることにより、ロールにピックアップされるマンガン酸化物の量を抑制し、ロールの表面粗度上昇を抑制して、調質圧延時の缶用鋼板用原板の表面粗度を安定的に制御することができる。
特許文献1に示す缶用鋼板用原板によれば、調質圧延前の鋼板表面のマンガン酸化物量を2mg/m2以下とすることにより、ロールにピックアップされるマンガン酸化物の量を抑制し、ロールの表面粗度上昇を抑制して、調質圧延時の缶用鋼板用原板の表面粗度を安定的に制御することができる。
また、ワークロール表面に付着する亜鉛粉等の異物によって溶融亜鉛めっき鋼帯が損なわれることを防止するものとして、従来、例えば、特許文献2に示す溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法が知られている。
特許文献2に示す溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法は、溶融亜鉛めっき鋼帯を調質圧延するにあたり、ワークロール表面に200~500kg/cm2の高圧流体を吹き付けるものである。
特許文献2に示す溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法によれば、ワークロール表面に200~500kg/cm2の高圧流体を吹き付けることによって、ワークロールに目詰まりする亜鉛粉等の異物を除去することができ、ワークロール表面に付着する亜鉛粉等の異物によって溶融亜鉛めっき鋼帯が損なわれることを防止することができる。
しかしながら、これら従来の特許文献1に示す缶用鋼板用原板及び特許文献2に示す溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法にあっては、以下の課題があった。
即ち、特許文献1に示す缶用鋼板用原板の場合、ロールにピックアップされるマンガン酸化物の量を抑制することはできるが、ワークロールの表面に亜鉛が付着することを抑制することはできない。
即ち、特許文献1に示す缶用鋼板用原板の場合、ロールにピックアップされるマンガン酸化物の量を抑制することはできるが、ワークロールの表面に亜鉛が付着することを抑制することはできない。
また、特許文献2に示す溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法の場合、ワークロールの表面に凝着した亜鉛を除去することはできるが、ワークロールの表面に亜鉛が付着することを抑制することはできず、高圧流体による亜鉛粉等の異物の除去が行えるまで、ワークロール粗度転写不良に起因する品質不良が溶融亜鉛めっき鋼板の表面に発生することを阻止できなかった。
従って、本発明はこれら従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、調質圧延時における亜鉛剥離を抑制してワークロール粗度転写不良に起因する品質不良が溶融亜鉛めっき鋼帯の表面に発生するのを抑制することができる溶融亜鉛めっき鋼帯、溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法及び溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、溶融亜鉛めっき鋼帯がその溶融亜鉛めっき層が非合金溶融亜鉛めっき層である非合金鋼帯である場合に、調質圧延時に溶融亜鉛めっき鋼帯の表面に発生する「ダルハゲ」の要因について調査した。非合金鋼帯の溶融亜鉛めっき鋼帯を調質圧延装置にて調質圧延するに際しては、亜鉛めっきが軟質であるため先行鋼帯と後行鋼帯との溶接点での硬度差が大きいため、オープンクローズ制御が一般的に行われている。このオープンクローズ制御は、溶融亜鉛めっき鋼帯の溶接点が調質圧延機を通過するまでは上下一対のワークロールによって圧延し、当該溶接点が調質圧延機を通過するときには上下一対のワークロールを開放し、当該溶接点が調質圧延機を通過した後に上下一対のワークロールを閉じて溶融亜鉛めっき鋼帯の圧延を継続するのである。
ここで、オープンクローズ制御によって当該溶接点が調質圧延機を通過した後に上下一対のワークロールを閉じて溶融亜鉛めっき鋼帯の圧延を継続するときには、図10に示すように、溶融亜鉛めっき鋼帯SSの幅方向中央部近傍から圧延が開始され、徐々に幅方向の全体にわたって圧延が継続されることを知見した。図10において、符号S1は先行鋼帯、S2は後行鋼帯、Pは先行鋼帯S1と後行鋼帯S2との溶接点、Tは、圧延部で図10において破線の内側部分に施される。
一方、溶融亜鉛めっき鋼帯SSに対する「ダルハゲ」の発生傾向も図11に示すように一致し、粗度転写不良部(ダルハゲ)Xが当該溶接点Pが調質圧延機を通過した後の溶融亜鉛めっき鋼帯SSの幅方向中央部近傍に搬送方向(前後方向)に沿って周期的に発生していることがわかった。
前述の溶接点Pが調質圧延機を通過した後に上下一対のワークロールを閉じて溶融亜鉛めっき鋼帯SSの圧延を開始するときには、図12に示すように、ワークロールベンダー30によるベンダー荷重により、上下一対のワークロール21の幅方向中央部Cの近傍に溶融亜鉛めっき鋼帯SSを押圧するようなたわみが生じている。図12において、符号10は調質圧延機、22はバックアップロールである。ワークロールベンダー30によるベンダー荷重は、上下一対のワークロール21の両端に掛けられる圧延荷重と反対方向に作用するものである。このため、図13に示すように、溶融亜鉛めっき鋼帯SSの溶接点Pの後(溶接点からの距離が+側)の溶融亜鉛めっき鋼帯SSの幅方向中央部近傍に局所荷重がかかっていることが知見された。図13には、オープンクローズ制御の場合の溶融亜鉛めっき鋼帯SSの幅方向中央部における圧延線荷重の溶接点P前後の変化状態が示されている。
前述の溶接点Pが調質圧延機を通過した後に上下一対のワークロールを閉じて溶融亜鉛めっき鋼帯SSの圧延を開始するときには、図12に示すように、ワークロールベンダー30によるベンダー荷重により、上下一対のワークロール21の幅方向中央部Cの近傍に溶融亜鉛めっき鋼帯SSを押圧するようなたわみが生じている。図12において、符号10は調質圧延機、22はバックアップロールである。ワークロールベンダー30によるベンダー荷重は、上下一対のワークロール21の両端に掛けられる圧延荷重と反対方向に作用するものである。このため、図13に示すように、溶融亜鉛めっき鋼帯SSの溶接点Pの後(溶接点からの距離が+側)の溶融亜鉛めっき鋼帯SSの幅方向中央部近傍に局所荷重がかかっていることが知見された。図13には、オープンクローズ制御の場合の溶融亜鉛めっき鋼帯SSの幅方向中央部における圧延線荷重の溶接点P前後の変化状態が示されている。
このような結果から、溶融亜鉛めっき鋼帯SSが非合金鋼帯である場合において、調質圧延時に溶融亜鉛めっき鋼帯SSの表面に発生する「ダルハゲ」の要因は、溶接点Pが調質圧延機10を通過した後に上下一対のワークロール21を閉じて溶融亜鉛めっき鋼帯SSの圧延を開始するときのワークロール21の幅方向中央部Cの近傍のたわみ、溶融亜鉛めっき鋼帯SSの幅方向中央部近傍の局所荷重であることがわかった。溶接点P通過後の圧延開始時に溶融亜鉛めっき鋼帯SSの幅方向中央部近傍に局所荷重がかかることにより、亜鉛剥離を生じ、剥離した亜鉛が上下一対のワークロール21の表面に付着することが原因でワークロール粗度転写不良に起因する品質不良(粗度転写不良部X、ダルハゲ)が溶融亜鉛めっき鋼帯SSの表面に発生していると推定したのである。
この推定から、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る溶融亜鉛めっき鋼帯は、先行鋼帯の尾端と後行鋼帯の先端とを溶接点で溶接した鋼帯に亜鉛めっきを施してなる溶融亜鉛めっき鋼帯であって、前記溶接点の前後30mの範囲において、粗度転写不良部が2個/m2以下であることを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法は、溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法であって、溶融亜鉛めっき鋼帯と接触し、両端から圧延荷重が掛けられて前記溶融亜鉛めっき鋼帯を圧延する上下一対のワークロールと、該上下一対のワークロールを上下方向からそれぞれ支持する上下一対のバックアップロールと、前記上下一対のワークロールの両端に掛けられる圧延荷重と反対方向にベンダー荷重を作用させて前記溶融亜鉛めっき鋼帯の形状を制御するワークロールベンダーとを備えた調質圧延機を用いて、前記溶融亜鉛めっき鋼帯における先行鋼帯の尾端と後行鋼帯の先端との溶接点の通過時の前記上下一対のワークロールによる圧延荷重を30~100tに制御して前記溶融亜鉛めっき鋼帯を圧延することを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法は、前述の溶融亜鉛めっき鋼帯を製造する溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法であって、溶融亜鉛めっき処理を施した溶融亜鉛めっき鋼帯を前述の調質圧延方法により調質圧延することを要旨とする。
本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼帯、溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法及び溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法によれば、調質圧延時における亜鉛剥離を抑制してワークロール粗度転写不良に起因する品質不良が溶融亜鉛めっき鋼帯の表面に発生するのを抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
図1には、本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法が適用される連続溶融亜鉛めっき製造設備の一例が示されている。
図1に示す連続溶融亜鉛めっき製造設備1は、先行鋼帯S1の尾端と後行鋼帯S2の先端とを溶接点P(図6参照)で溶接した鋼帯Sに亜鉛めっきを施して溶融亜鉛めっき鋼帯SSを製造するものである。本実施形態では、溶融亜鉛めっき鋼帯SSは、一例として、表面粗さが0.6~1.7μm、板幅が900~1800mm、板厚が0.8mm以下の溶融亜鉛めっき鋼帯が製造される。溶融亜鉛めっき鋼帯SSは、その溶融亜鉛めっき層が非合金溶融亜鉛めっき層である非合金鋼帯である。
図1に示す連続溶融亜鉛めっき製造設備1は、先行鋼帯S1の尾端と後行鋼帯S2の先端とを溶接点P(図6参照)で溶接した鋼帯Sに亜鉛めっきを施して溶融亜鉛めっき鋼帯SSを製造するものである。本実施形態では、溶融亜鉛めっき鋼帯SSは、一例として、表面粗さが0.6~1.7μm、板幅が900~1800mm、板厚が0.8mm以下の溶融亜鉛めっき鋼帯が製造される。溶融亜鉛めっき鋼帯SSは、その溶融亜鉛めっき層が非合金溶融亜鉛めっき層である非合金鋼帯である。
連続溶融亜鉛めっき設備1は、図1に示すように、鋼帯Sの走行ラインの上流側から順に、第1ペイオフリール2a及び第2ペイオフリール2b、接合装置3、入側ルーパー4、酸洗装置5、焼鈍炉6、溶融亜鉛めっき装置8、合金化処理装置9、調質圧延機10、後処理装置11、出側ルーパー12、検査装置13、及び巻取リール14を備えている。
連続溶融亜鉛めっき製造設備1においては、第1ペイオフリール2aから巻き出された冷間圧延された先行鋼帯S1の尾端と、第2ペイオフリール2bから巻き出された冷間圧延された後行鋼帯S2の先端とが、接合装置3において溶接点Pで溶接される。先行鋼帯S1と後行鋼帯S2とを溶接した鋼帯Sは酸洗装置5において酸洗された後、焼鈍炉で焼鈍される。そして、焼鈍された鋼帯Sは、スナウト7を介して溶融亜鉛めっき装置8にて亜鉛めっき処理が施され溶融亜鉛めっき鋼帯SSとなる。溶融亜鉛めっき装置8では、焼鈍された鋼帯Sがスナウト7を介して溶融亜鉛めっき浴に浸漬された後、めっき付着量を調整して冷却される。そして、溶融亜鉛めっき鋼帯SSは、合金化処理装置9を経て(本実施形態の場合、溶融亜鉛めっき鋼帯SSは非合金鋼帯なので、合金化処理装置9において合金化処理はなされない)、表面を平滑にして表面外観を良好にし、機械的性質を調整するため、調質圧延機10にて調質圧延される。その後、溶融亜鉛めっき鋼帯SSは、後処理装置11、出側ルーパー12、検査装置13を経て巻取リール14により巻き取られる。
ここで、調質圧延機10について、図2及び図3を参照して説明すると、調質圧延機10は、溶融亜鉛めっき鋼帯SSと接触し、両端から圧延荷重F1が掛けられて溶融亜鉛めっき鋼帯SSを圧延する上下一対のワークロール21と、上下一対のワークロール21を上下方向からそれぞれ支持する上下一対のバックアップロール22とを備えている。また、調質圧延機10は、上下一対のワークロール21の両端に掛けられる圧延荷重F1と反対方向にベンダー荷重F2を作用させて溶融亜鉛めっき鋼帯SSの形状を制御するワークロールベンダー30を備えている。
また、調質圧延機10の入側にはアンチクリンピングロール23が設置され、調質圧延機10の出側にはアンチクロスブレーキングロール24が設置され、溶融亜鉛めっき鋼帯SSは、調質圧延機10の入側から出側に向けて通板される。また、調質圧延機10は、ワークロール21及びバックアップロール22のそれぞれに洗浄水を噴射する洗浄ノズル26及びワークロール21及びバックアップロール22のそれぞれに備えられたポリッシャーロール27を有し、ワークロール21及びバックアップロール22のそれぞれに付着した異物を除去する。
また、調質圧延機10には、上下一対のワークロール21を圧下させる圧下装置28が設けられている。そして、圧下装置28には、圧下装置28によるワークロール21の圧下量を制御する圧下制御装置29が接続されている。圧下制御装置29は、圧下装置28によるワークロール21の圧下量を制御することで上下一対のワークロール21の両端に掛けられる圧延荷重F1の大きさを制御する。なお、圧下制御装置29には、図示しない上位計算機が接続され、この上位計算機から圧延荷重F1、圧下率、溶融亜鉛めっき鋼帯SSの板厚及び摩擦係数、ワークロール21の半径等の情報が入力されて、ワークロール21の圧下量を制御する。
そして、調質圧延機10を用いて溶融亜鉛めっき鋼帯SSを調質圧延するに際し、圧下制御装置19は、溶融亜鉛めっき鋼帯SSにおける先行鋼帯S1の尾端と後行鋼帯S2の先端との溶接点Pの通過時の上下一対のワークロール21による圧延荷重F1を30~100tに制御して溶融亜鉛めっき鋼帯SSを圧延する。圧下制御装置19は、走行する溶融亜鉛めっき鋼帯SSの溶接点Pの位置のトラッキング情報を図示しないメジャーリングロールから取得する。
図4には、図1に示す連続溶融亜鉛めっき設備1における調質圧延機10を用いて低圧制御で溶融亜鉛めっき鋼帯を調質圧延した時の圧延荷重F1及びベンダー荷重F2の変化状態の一例が示されている。
本実施形態では、図4に示すように、溶接点Pの前約2.5m以前(溶接点からの距離が約-2.5m以下)では、圧延荷重F1を約550tで圧延し、溶接点Pの前約2.5m~前約2mmにかけて圧延荷重F1を徐々に低下させて圧延した。そして、溶接点Pの前約2m(溶接点からの距離が約-2m以下)~溶接点後約5m(溶接点からの距離が約+5m)にかけて圧延荷重F1を低圧の約50tで圧延し、溶接点Pの後約5m~後約10mmにかけて圧延荷重F1を徐々に上昇させて圧延し、溶接点Pの後約10m以降では、圧延荷重F1を約550tで圧延している。
なお、前述したように、溶接点Pの通過時の上下一対のワークロール21による圧延荷重F1は、約50tに限らず、30~100tの範囲であればよい。当該圧延荷重F1が100tよりも大きい場合、亜鉛めっきが軟質であり先行鋼帯S1と後行鋼帯S2との溶接点Pでの硬度差が大きいため、ワークロール21に傷が発生してしまうおそれがある。一方、当該圧延荷重F1が30t未満の場合、溶接点P通過後に溶融亜鉛めっき鋼帯SSの幅方向中央部近傍に局所荷重がかかることにより、亜鉛剥離を生じ、剥離した亜鉛が上下一対のワークロール21の表面に付着することが原因でワークロール粗度転写不良に起因する品質不良(粗度転写不良部X、ダルハゲ)が溶融亜鉛めっき鋼帯SSの表面に発生するおそれがある。
また、溶接点Pの通過時の上下一対のワークロール21による圧延荷重F1を低圧(30~100t)に制御する区間は、溶接点Pの前約2m(溶接点からの距離が約-2m以下)~溶接点後約5m(溶接点からの距離が約+5m)に限らず、溶接点Pの前10m以内~溶接点後10m以内であることが好ましい。このような区間で上下一対のワークロール21による圧延荷重F1を前述の低圧に制御することで、溶接点Pの通過時の上下一対のワークロール21による圧延荷重F1を確実に前述の低圧に制御することができる。
また、溶接点Pの通過時の上下一対のワークロール21による圧延荷重F1を低圧(30~100t)に制御する区間以外の通常の制御区間では、圧延荷重F1を約550tにする場合に限らず、200~800tとすることが好ましい。溶接点Pの通過時の上下一対のワークロール21による圧延荷重F1は、前述の通常の制御区間での圧延荷重F1よりも小さいことが好ましい。溶接点Pの通過時の上下一対のワークロール21による圧延荷重F1を、通常の制御区間での圧延荷重F1以上の大きさとすると、亜鉛めっきが軟質であり先行鋼帯S1と後行鋼帯S2との溶接点Pでの硬度差が大きいため、ワークロール21に傷が発生してしまうおそれがある。
また、本実施形態では、図4に示すように、ベンダー荷重は6~10tに制御しているが、このベンダー荷重は、-5~+35tとすることが好ましい。また、ライン張力については2900~3100kg/mm2に制御しているが、このライン張力は、2500~3500kg/mm2とすることが好ましい。
また、図5には、図1に示す連続溶融亜鉛めっき設備1における調質圧延機10を用いて図4に示す圧延荷重F1による低圧制御で溶融亜鉛めっき鋼帯SSを調質圧延した時の溶融亜鉛めっき鋼帯SSの幅方向中央部における圧延線荷重の変化状態の一例が示されている。
圧延線荷重は、圧延荷重F1(t)をワークロール21の溶融亜鉛めっき鋼帯SSに対する接触幅(mm)で除して算出される。
本実施形態において、図4に示す圧延荷重F1で溶接点Pを挟んで圧延した場合、溶接点Pの前約2.5m以前(溶接点からの距離が約-2.5m以下)では、溶融亜鉛めっき鋼帯SSの幅方向中央部における圧延線荷重は約0.32t/mm、溶接点Pの前約2.5m~前約2mmにかけて当該圧延線荷重は徐々に低下した。また、溶接点Pの前約2m(溶接点からの距離が約-2m以下)~溶接点後約5m(溶接点からの距離が約+5m)にかけて当該圧延線荷重は0.2t/mm、溶接点Pの後約5m~後約10mmにかけて当該圧延線荷重は徐々に上昇し、溶接点Pの後約10m以降では、当該圧延線荷重は約0.32t/mmであった。
本実施形態において、図4に示す圧延荷重F1で溶接点Pを挟んで圧延した場合、溶接点Pの前約2.5m以前(溶接点からの距離が約-2.5m以下)では、溶融亜鉛めっき鋼帯SSの幅方向中央部における圧延線荷重は約0.32t/mm、溶接点Pの前約2.5m~前約2mmにかけて当該圧延線荷重は徐々に低下した。また、溶接点Pの前約2m(溶接点からの距離が約-2m以下)~溶接点後約5m(溶接点からの距離が約+5m)にかけて当該圧延線荷重は0.2t/mm、溶接点Pの後約5m~後約10mmにかけて当該圧延線荷重は徐々に上昇し、溶接点Pの後約10m以降では、当該圧延線荷重は約0.32t/mmであった。
溶接点Pの前約2m(溶接点からの距離が約-2m以下)~溶接点後約5m(溶接点からの距離が約+5m)にかけて当該圧延線荷重は0.2t/mmと低圧でなされている。
これは、図5において破線で示すオープンクローズ制御を行った場合の、溶接点Pが調質圧延機10を通過した後の溶融亜鉛めっき鋼帯SSの幅方向中央部近傍の局所荷重がなくなり、圧延荷重が均一化されたことを示すものである。
これは、図5において破線で示すオープンクローズ制御を行った場合の、溶接点Pが調質圧延機10を通過した後の溶融亜鉛めっき鋼帯SSの幅方向中央部近傍の局所荷重がなくなり、圧延荷重が均一化されたことを示すものである。
これにより、溶融亜鉛めっき鋼帯SSの表面における亜鉛剥離が抑制され、ワークロール粗度転写不良に起因する品質不良の発生を防止できる。その結果、図6に示すように、調質圧延後の溶融亜鉛めっき鋼帯SSは、溶接点Pの前後30mの範囲において、粗度転写不良部(図11における符号Xで示す粗度転写不良部)が2個/m2以下となる。溶接点Pの前30mよりも前、あるいは溶接点Pの後30mよりも後では、オープクローズ制御、低圧制御とを問わず、通常は、粗度転写不良部は形成されない。ここで、「粗度転写不良部」とは、前述したように、いわゆる「ダルハゲ」と称されるものであり、ワークロール21の表面に亜鉛が凝着することで、ワークロール21の表面粗さが局所的に小さくなり、ワークロール21の表面粗さが溶融亜鉛めっき鋼帯SSの表面に転写されて、その転写された部分の表面粗さが鏡面のような小さい欠陥を意味する。この粗度転写不良部Xは、溶接点Pの前後30mの範囲において、前後方向に沿って周期的に形成される。粗度転写不良部Xの大きさは、一般に1~10mmであり、光学欠陥検出計で検出することができる。
これに対して、調質圧延機10を用いてオープンクローズ制御によって溶融亜鉛めっき鋼帯SSを圧延する場合、溶融亜鉛めっき鋼帯SSの溶接点が調質圧延機10を通過するまでは上下一対のワークロール21によって圧延し、当該溶接点Pが調質圧延機10を通過するときには上下一対のワークロールを開放する。図7には、オープンクローズ制御によって、溶融亜鉛めっき鋼帯SSを圧延するに際し、溶融亜鉛めっき鋼帯SSにおける溶接点Pを圧延しないで当該溶接点Pが上下一対のワークロール21間を通過している状態が示されている。また、図8には、オープンクローズ制御によって、溶融亜鉛めっき鋼帯SSを圧延するに際し、溶融亜鉛めっき鋼帯SSにおける溶接点Pを圧延しないで溶融亜鉛めっき鋼帯SSが上下一対のワークロール21間を通過している状態が示されている。そして、溶融亜鉛めっき鋼帯SSの溶接点Pが調質圧延機10を通過した後には、上下一対のワークロール21を閉じて溶融亜鉛めっき鋼帯SSの圧延を継続する。
このように、調質圧延機10を用いてオープンクローズ制御によって溶融亜鉛めっき鋼帯SSを圧延した場合、前述したように、溶接点P通過後の圧延開始時に溶融亜鉛めっき鋼帯SSの幅方向中央部近傍に局所荷重がかかることにより、亜鉛剥離を生じ、剥離した亜鉛が上下一対のワークロール21の表面に付着することが原因で、図11に示すように、ワークロール粗度転写不良に起因する品質不良(粗度転写不良部X、ダルハゲ)が溶融亜鉛めっき鋼帯SSの表面に発生する。
以上のように、本実施形態に係る溶融亜鉛めっき鋼帯SSは、溶接点Pの前後30mの範囲において、粗度転写不良部Xが2個/m2以下である。
また、本実施形態に係る溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法によれば、溶融亜鉛めっき鋼帯SSと接触し、両端から圧延荷重F1が掛けられて溶融亜鉛めっき鋼帯SSを圧延する上下一対のワークロール21と、上下一対のワークロール21を上下方向からそれぞれ支持する上下一対のバックアップロール22と、上下一対のワークロール21の両端に掛けられる圧延荷重F1と反対方向にベンダー荷重F2を作用させて溶融亜鉛めっき鋼帯SSの形状を制御するワークロールベンダー30とを備えた調質圧延機10を用いて、溶融亜鉛めっき鋼帯SSにおける先行鋼帯S1の尾端と後行鋼帯S2の先端との溶接点Pの通過時の上下一対のワークロール21による圧延荷重F1を30~100tに制御して溶融亜鉛めっき鋼帯SSを圧延する。
これにより、調質圧延時における亜鉛剥離を抑制してワークロール粗度転写不良に起因する品質不良(粗度転写不良部X)が溶融亜鉛めっき鋼帯SSの表面に発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態に係る溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法によれば、前述の溶融亜鉛めっき鋼帯を製造する溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法であって、溶融亜鉛めっき処理を施した溶融亜鉛めっき鋼帯SSを前述の調質圧延方法により調質圧延するものである。
これにより、溶接点Pの前後30mの範囲において、粗度転写不良部Xが2個/m2以下の溶融亜鉛めっき鋼帯SSを製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、溶融亜鉛めっき鋼帯SSは、非合金鋼帯としてあるが、これに限定されず合金化鋼帯であってもよい。
例えば、溶融亜鉛めっき鋼帯SSは、非合金鋼帯としてあるが、これに限定されず合金化鋼帯であってもよい。
本発明の効果を検証すべく、「ダルハゲ」を原因として調質圧延された溶融亜鉛めっき鋼帯が出荷できなかった歩留ロスを調査した。この歩留ロスは、調質圧延された溶融亜鉛めっき鋼帯のうち「ダルハゲ」を原因として出荷できなかった溶融亜鉛めっき鋼帯の比率を表すものである。
図9には、「ダルハゲ」を原因として調質圧延された溶融亜鉛めっき鋼帯が出荷できなかった歩留ロスの変遷状態が示されている。
図9においては、2022年10月~2022年12月まで調質圧延に際しオープンクローズ制御を行った歩留ロスの結果が示され、2023年1月~2023年4月まで本発明例の低圧制御を行った歩留ロスの結果が示されている。
図9においては、2022年10月~2022年12月まで調質圧延に際しオープンクローズ制御を行った歩留ロスの結果が示され、2023年1月~2023年4月まで本発明例の低圧制御を行った歩留ロスの結果が示されている。
調質圧延に際しオープンクローズ制御を行った場合、歩留ロスが0.8%以上であったが、調質圧延に際し本発明例の低圧制御を行った場合(溶接点Pの通過時の上下一対のワークロール21による圧延荷重F1を30~100tに制御して溶融亜鉛めっき鋼帯SSを圧延した場合)、歩留ロスが0.7%以下となり、「ダルハゲ」を原因として出荷できなかった溶融亜鉛めっき鋼帯が減少したことが確認された。
1 連続溶融亜鉛めっき設備
2a 第1ペイオフリール
2b 第2ペイオフリール
3 接合装置
4 入側ルーパー
5 酸洗装置
6 焼鈍炉
7 スナウト
8 溶融亜鉛めっき装置
9 合金化処理装置
10 調質圧延機
11 後処理装置
12 出側ルーパー
13 検査装置
14 巻取リール
21 ワークロール
22 バックアップロール
23 アンチクリンピングロール
24 アンチクロスブレーキングロール
25 調質液スプレー
26 洗浄ノズル
27 ポリッシャーロール
28 圧下装置
29 圧下制御装置
30 ワークロールベンダー
P 溶接点
T 圧延部
S1 先行鋼帯
S2 後行鋼帯
S 鋼帯
SS 溶融亜鉛めっき鋼帯
X 粗度転写不良部
P 溶接点
2a 第1ペイオフリール
2b 第2ペイオフリール
3 接合装置
4 入側ルーパー
5 酸洗装置
6 焼鈍炉
7 スナウト
8 溶融亜鉛めっき装置
9 合金化処理装置
10 調質圧延機
11 後処理装置
12 出側ルーパー
13 検査装置
14 巻取リール
21 ワークロール
22 バックアップロール
23 アンチクリンピングロール
24 アンチクロスブレーキングロール
25 調質液スプレー
26 洗浄ノズル
27 ポリッシャーロール
28 圧下装置
29 圧下制御装置
30 ワークロールベンダー
P 溶接点
T 圧延部
S1 先行鋼帯
S2 後行鋼帯
S 鋼帯
SS 溶融亜鉛めっき鋼帯
X 粗度転写不良部
P 溶接点
Claims (4)
- 先行鋼帯の尾端と後行鋼帯の先端とを溶接点で溶接した鋼帯に亜鉛めっきを施してなる溶融亜鉛めっき鋼帯であって、
前記溶接点の前後30mの範囲において、粗度転写不良部が2個/m2以下であることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼帯。 - 溶融亜鉛めっき層が非合金化亜鉛めっき層であることを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼帯。
- 溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法であって、
溶融亜鉛めっき鋼帯と接触し、両端から圧延荷重が掛けられて前記溶融亜鉛めっき鋼帯を圧延する上下一対のワークロールと、該上下一対のワークロールを上下方向からそれぞれ支持する上下一対のバックアップロールと、前記上下一対のワークロールの両端に掛けられる圧延荷重と反対方向にベンダー荷重を作用させて前記溶融亜鉛めっき鋼帯の形状を制御するワークロールベンダーとを備えた調質圧延機を用いて、前記溶融亜鉛めっき鋼帯における先行鋼帯の尾端と後行鋼帯の先端との溶接点の通過時の前記上下一対のワークロールによる圧延荷重を30~100tに制御して前記溶融亜鉛めっき鋼帯を圧延することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法。 - 請求項1又は2に記載の溶融亜鉛めっき鋼帯を製造する溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法であって、
溶融亜鉛めっき処理を施した溶融亜鉛めっき鋼帯を請求項3に記載の調質圧延方法により調質圧延することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法。
Priority Applications (1)
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| JP2024019372A JP2025123734A (ja) | 2024-02-13 | 2024-02-13 | 溶融亜鉛めっき鋼帯、溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延方法及び溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法 |
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- 2024-02-13 JP JP2024019372A patent/JP2025123734A/ja active Pending
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