JP2026123710A - 防水改修工法及び防水改修構造 - Google Patents

防水改修工法及び防水改修構造

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Abstract

【課題】
湿式タイプの下地調整材や機械的固定方法を用いることによる不都合のないかぶせ方式の防水改修工法及び防水改修構造を提供すること。
【解決手段】
既設防水層の上面に乾式タイプの不陸調整シートを敷設固定する工程と、次いで該乾式タイプの不陸調整シートの上面に加硫ゴム系シートを敷設固定する工程とからなる防水改修工法により、既設防水層の上面に乾式タイプの不陸調整シートを介して加硫ゴムシートの新設防水層が敷設固定された防水改修構造を得る。
【選択図】 図3

Description

本発明は乾式タイプの下地調整材を用いた防水改修工法及び防水改修構造に関する。さらに詳しくは、建築物の屋上防水の改修工法に適したもので、既設の防水材を撤去せずにその上から新たな防水材として加硫ゴム系シートを用いるようにしたかぶせ方式の防水改修工法及び防水改修構造に関する。
一般的にかぶせ方式の防水改修工法は、既設及び新設の防水材の相性・組合せが悪い場合、液状やペースト状等の湿式タイプの下地調整材を用いるか、もしくは、双方の相性を良くするために層間プライマーを用いる手法が多い。
建築構造物に使用されている防水材の種類や施工構造は多種多様である。通常、建築物の耐用年数と同等以上の性能を有する防水材であれば問題ないが、現時点の技術ではそのようなものは存在しない。建築物を建て替えする前に防水材の機能が損なわれ、新たな防水材に交換するケースが多い。交換とは古くなった防水材を一旦撤去し、新たな防水材を設置することである。この新たな防水材は、撤去した防水材と同等以上の防水性能を有するものが選定されることになる。これを撤去方式の防水改修工法と称している。
ところが、機能低下した防水材を撤去して新たな防水材を設置するとなると、その間、日常の生活や業務等ができなくなる。また、防水材の撤去作業には時間や労力等コストも膨大となるため、近年においては「シート防水による屋上リニューアルの手引き 合成高分子ルーフィング協会発行」(非特許文献1)に記載の通り、防水材を交換せずに新たな防水材を設置する技術が生まれている。この技術によって防水材の機能低下や、部分的な不具合が生じたとしても、既設の防水材を撤去せずにその上から新規の防水材を設置することができる。これをかぶせ方式の防水改修工法と称している。このかぶせ方式の防水改修工法は既設の防水材を撤去しないため、既設の防水材と交換する撤去方式と比べると廃材が少なくなる。このため工事期間の短縮化が図れてコスト面にも有利に働く等のメリットがあり数多く採用されている。しかし、このかぶせ方式の防水改修工法はメリットばかりではない。新旧の防水材は同じ素材・工法であることが原則である。同じ素材であれば、それぞれの防水材の相性も良く、代替品として同一の性能を担保することができるからである。
現在、防水材技術の進歩や、建築業界のコスト競争激化に伴い、ユーザーからは高機能の防水材や、防水材の交換期間(工期)を短縮することが、より一層求められてきている。この動きが活発化し、新旧の防水材が同一素材であることや、防水材双方の相性を無視した機械的固定工法が増えている。この機械的固定工法は、前記非特許文献1や特開2008-106598号公報(特許文献1)に記載の通り、固定金具を用いて新設の防水材を設置する画期的な防水改修工法である。具体的な施工の手順は、既設防水層の状況に関係なくアンカーやデイスク等を用いて新旧防水材、建築構造物の躯体自身に部分的に固定しながら防水層を形成していく。この技術によって、新旧防水材の相性は無関係となった。さらにはエアー式の打込み機を使用して固定金具を固定すると、より施工スピードがアップし、工期短縮やコストダウンにも貢献できるので、省力化を可能とした防水改修工法として各防水メーカーが機械的固定工法に主軸を置き換えてきた。建築構造物屋上を中心とした防水市場では、かぶせ方式の防水改修工法といえば機械的固定工法であるという定説さえ生まれることになった。
加硫ゴム系シートを用いるかぶせ方式の接着工法は、新旧防水材を全面的に接着固定する手法である。全面的に固定するために使用する材料として、接着剤、プライマー等、液状のものを一般的に使用している。これらの材料は新旧防水材の接着固定に適したものでなければならない。しかしながら、これら接着剤、プライマー等の湿式タイプは、塗り付け後、次の工程に進むまで乾燥養生の時間が必要となる。また、新設する加硫ゴム系シートの専用接着剤の成分中には有機溶剤が含まれている。この有機溶剤を含んだ専用接着剤は、既設防水材の熱アスファルトや改質アスファルトシートに直接塗り付けすると、既設防水材を溶解し、防水改修に支障を来す。このため、新旧防水材の組合わせの場合、その層間に絶縁が必要となる。絶縁には樹脂モルタル等の下地調整材が用いられる。これらの材料は、無機質系材料で、セメントや珪砂で構成されている。このほか樹脂としてエポキシ系やウレタン系等がある。この無機質系材料及び樹脂、さらには水を混合することにより化学反応させて、最終的に硬化物として形成される。これも前述の接着剤、プライマーと同様に塗り付け後、適正に乾燥した状態で次の工程に進む必要がある。この乾燥するまでの間、待ち時間が発生する。これらはいずれも湿式タイプの下地調整材を使用する防水改修のデメリットとなる。樹脂モルタル等の下地調整材は塗り付けしたその日のうちに次の工程へ進むことができないものが多い。また、乾燥養生時間は下地調整材の塗膜厚さや外気温に左右され、この養生時間が工事期間に影響する。
近年、かぶせ方式の機械的固定工法が一般的であることは先に述べたが、一方ではこの工法もデメリットがある。例えば、機械的固定工法は固定金具を用いて新設防水材を部分的に固定するため、接着剤を使った全面固定の接着工法と比べて既設防水材との固定力が低減する懸念がある。この固定力の低減は、自然界の気象(特に強風)によって新設防水材の被害をもたらす。被害事例としては新設防水材の固定金具付近の引き裂け及び剥がれの発生や、風の吹き込みによってシート接合部の口開きが生じてめくれた状況となるケースがあった。また、固定金具の固定する際、機械機器による騒音の発生や、建物躯体に含有しているアスベストが近隣まで飛散する懸念等、施工が起因する環境側面で問題となるところがあった。
特開2008-106598号公報
シート防水による屋上リニューアルの手引き 合成高分子ルーフィング協会発行(2006年)
上述した湿式タイプの下地調整材や機械的固定方法を用いることによる不都合のないかぶせ方式の防水改修工法及び防水改修構造の提案が求められている。
本発明は、上記課題を解決するべく鋭意検討の結果、乾式タイプのアスファルトシート等の乾式不陸調整シートを防水改修の下地調整材(不陸調整シート)として活用し、新たな防水材として加硫ゴム系シートを用いることで上記課題を解決した。
即ち、本発明の防水改修構造は次の通りのものである。
(1)既設防水層の防水改修構造であって、既設防水層の上面に乾式タイプの不陸調整シートを介して加硫ゴム系シートの新設防水層が敷設固定された防水改修構造。
(2)前記既設防水層がアスファルト防水層である(1)記載の防水改修構造。
(3)前記アスファルト防水層は熱アスファルト防水層、或いは、改質アスファルト防水層である(2)記載の防水改修構造。
(4)前記乾式タイプの不陸調整シートは改質アスファルトシートである(1)乃至(3)の何れかに記載の防水改修構造。
(5)前記改質アスファルトシートは上面に耐溶剤性フィルムを備える(4)記載の防水改修構造。
(6)前記改質アスファルトシートはシート内に補強繊維層を備える(4)または(5)記載の防水改修構造。
また、本発明の防水改修工法は次の通りのものである。
(7)既設防水層の防水改修工法であって、該既設防水層の上面に乾式タイプの不陸調整シートを敷設固定する工程と、次いで該乾式不陸調整シートの上面に加硫ゴム系シートを敷設固定する工程とを含む防水改修工法。
(8)前記既設防水層がアスファルト防水層である(7)記載の防水改修工法。
(9)前記乾式タイプの不陸調整シートは改質アスファルトシートである(7)または(8)記載の防水改修工法。
(10)前記改質アスファルトシートは上面に耐溶剤性フィルムを備える(9)記載の防水改修工法。
(11)前記改質アスファルトシートはシート内に補強繊維層を備える(9)または(10)記載の防水改修工法。
(12)前記乾式タイプの不陸調整シートは、前記既設防水層の上面に接着剤を塗布するか定形シールを張付けしてから既設防水層の上面に敷設固定する(7)乃至(11)の何れかに記載の防水改修工法。
(13)前記加硫ゴム系シートは、前記乾式タイプの不陸調整シートの上面にゴム系接着剤を塗布してから敷設固定する(7)乃至(12)の何れかに記載の防水改修工法。
本発明の防水改修工法及びその構造は新設防水材を加硫ゴム系シートに限定し、定形化された改質アスファルトシート等の乾式タイプの下地調整材(不陸調整シート)を用いるようにしたものである。この工法は、湿式タイプの下地調整材と違い、乾燥までの養生時間や待ち時間も不要で連続した施工が可能で、防水改修工事の工期短縮につながる。また、併せて下地表面の凹凸をシートの柔軟性で緩和して、加硫ゴム系シートの表面を平滑な面に仕上げる効果が得られる。
また、機械的固定工法のように施工途中の騒音やアスベストの飛散する懸念はない。本防水改修工法は、乾式タイプの下地調整材(不陸調整シート)と加硫ゴム系シートを全面的に接着できる。よって、強風に対する抵抗性が向上し、シートの飛散被害の発生を軽減することができる。また、乾式タイプの不陸調整シートの上面に耐溶剤性フィルムを備えることで工期の短期化を図ることができる。
本発明の防水改修工法を示す説明図である。 本発明の防水改修工法を示す説明図である。 本発明の防水改修構造を示す説明図である。 本発明の防水改修工法に用いる不陸調整シートの断面説明図である。 本発明の防水改修構造の接着試験の説明図である。 本発明の防水改修構造の接着試験の説明図である。
本発明の防水改修工法及びその構造は乾式タイプの改質アスファルト等の乾式タイプの不陸調整シートを下地調整材として活用し、新たな防水材として加硫ゴム系シートを用いるものである。即ち、本発明の防水改修工法は既設防水層の上面に乾式不陸調整シートを敷設固定する工程と、次いで該乾式タイプの不陸調整シートの上面に加硫ゴム系シートを敷設固定する工程とからなる防水改修工法である。また、本発明の防水改修構造は既設防水層の上面に乾式タイプの不陸調整シートを介して加硫ゴムシートの新設防水層が敷設固定された防水改修構造である。
図1は本発明の防水改修工法の工程を示す説明図であり、図中1はRCコンクリート等からなる下地を示す。下地1の上面には熱アスファルトや改質アスファルト等からなる既設防水層2が敷設されている。本発明の防水改修工法に従って、まず、既設防水層2の上面にゴムアスファルト系の接着剤3aを塗布量0.5kg/m2で点状に塗り、その後、厚さ4mm程度の改質アスファルトシートからなる乾式タイプの不陸調整シート4を既設防水層2の上面に敷設固定する。
前記ゴムアスファルト系の接着剤3aは点状に塗った例を示したが既設防水層2の上面の全面に塗り付けるようにしてもよい。
図2は図1の点状の接着剤3aに代えて、ブチルゴムを主成分とした長尺帯状の定形シール材3bを既設防水層2の上面に張付けるようにした例を示すものである。このように既設防水層2の上面に定形シール材3bを張付けた後、改質アスファルトシートからなる乾式タイプの不陸調整シート4を既設防水層2の上面に敷設固定する。
次に、図3に示すように、既設防水層2の上面に敷設固定された乾式タイプの不陸調整シート4の全面に専用接着剤5としてゴム系接着剤を塗布量0.2kg/m2で塗布し、その後、専用接着剤5を塗布された乾式不陸調整シート4の上面に加硫ゴムシート6として厚さ1.0~2.0mmの接着層付き加硫ゴム系シートを敷設固定して、本発明の改修防水構造を得た。
上記専用接着剤5としてはクロロプレンゴム系またはブチルゴム系等の使用が好ましい。
前記不陸調整シートは防水機能を有するため、仮防水材としても有効である。特に前記の厚み4mmの均一材料の不陸調整シートは柔軟性に富み、下地張付けすることで、下地の凹凸(不陸)を緩和する効果が有る。また、ムーブメントに対して伸び特性に追従し、ひび割れ、破断等が生じない。
尚、本実施の形態では上記加硫ゴムシート6の上面の全面にゴムシートと相性の良い仕上げ塗料7か、もしくは、珪砂を混合した前述の仕上げ塗料7を塗布量0.2kg/m2~0.5kg/m2で塗布するようにした。
尚、図4に示す通り、前記不陸調整シートの表面は、専用接着剤5の有機溶剤によって溶解しないよう加工処理された樹脂からなる耐溶剤性特殊フィルム層4aを施している。この特殊フィルム層4aは専用接着剤5と馴染みが良く、新設防水材の加硫ゴム系シート6と相性が良いものである。前記加工処理としてはラミネート等の加工処理が挙げられる。
上記耐溶剤性特殊フィルム層4aとしてはポリエチレン樹脂や変性アクリル樹脂、ポリエチレンテフタレート樹脂等が使用でき、ポリエチレンテフタレート樹脂等の使用が好ましい。
図中4bは合成繊維からなる補強繊維層を示す。このように乾式アスファルトシート4はシート内に補強繊維層4bを備えることで強度の強いものとなる。
上記補強繊維層4bとしてはポリエステル不織布やガラスクロス、またはそれらを複合的に組み合わせて使用でき、ポリエステルスパンボンド等の使用が好ましい。
次に、本発明防水改修構造における不陸調整シート4と加硫ゴム系シート6との接着試験を行った。
図5に示すように、スレート板からなる下地1の上にゴムアスファルト系の接着剤3aを塗布量0.5kg/m2で全面に塗布した後、改質アスファルトシートからなる不陸調整シート4を敷設固定して、その上に専用接着剤5としてゴム系接着剤を塗布量0.2kg/m2で塗布した後、加硫ゴムシート6を敷設固定して試験サンプルを用意した。
得られた試験サンプルを常温で3日間静置後、70℃の恒温槽に30日間投入後、70℃の恒温槽に60日間投入後の各条件で試験した。
接着試験は剥離接着強さ試験方法-第2部:180度剥離試験JIS K 6854-2:1999を引用し、オートグラフにて接着強度を測定した。なお、試験体を幅25mmに裁断し、これを試験片とした。試験片の剥離速度は200mm/minとし、試験片3体分の平均値を試験結果とした。
得られた試験結果を表1に示す。
尚、表中の数値の単位はN/25mmである。
試験結果より、基準値10以上の接着力を有していることが判明した。
次に、本発明防水改修構造における既設防水層2と不陸調整シート4との接着試験を行った。
図6に示すように、スレート板からなる下地1の上に既設防水層2として改質アスファルトシートを敷設固定して、その上面にアスファルト系の接着剤3aを塗布量0.5kg/m2で全面に塗布した後、改質アスファルトシートからなる不陸調整シート4を敷設固定して試験サンプルを用意した。
常温で3日間静置後、70℃の恒温槽に30日間投入後、70℃の恒温槽に60日間投入後の各条件で試験した。
接着試験は剥離接着強さ試験方法-第2部:180度剥離試験JIS K 6854-2:1999を引用し、オートグラフにて接着強度を測定した。なお、試験体を幅25mmに裁断し、これを試験片とした。試験片の剥離速度は200mm/minとし、試験片3体分の平均値を試験結果とした。
得られた試験結果を表2に示す。
尚、表中の数値の単位はN/25mmである。
試験結果より、基準値10以上の接着力を有していることが判明した。
湿式タイプの下地調整材や機械的固定方法を用いることによる不都合のないかぶせ方式の防水改修工法及び防水構造を提供することで産業上、有用である。
1 下地
2 既設防水層
3a 接着剤
3b 定形シール
4 乾式タイプの不陸調整シート
4a 特殊フィルム
4b 補強繊維層
5 専用接着剤
6 加硫ゴムシート
7 仕上げ塗料

Claims (16)

  1. 既設防水層の防水改修構造であって、既設防水層の上面に乾式タイプの不陸調整シートを介して加硫ゴム系シートの新設防水層が設けられた防水改修構造。
  2. 前記既設防水層がアスファルト防水層である請求項1記載の防水改修構造。
  3. 前記乾式タイプの不陸調整シートは改質アスファルトシートである請求項1記載の防水改修構造。
  4. 前記乾式タイプの不陸調整シートは改質アスファルトシートである請求項2記載の防水改修構造。
  5. 前記改質アスファルトシートは上面に耐溶剤性フィルムを備える請求項3記載の防水改修構造。
  6. 前記改質アスファルトシートは上面に耐溶剤性フィルムを備える請求項4記載の防水改修構造。
  7. 前記改質アスファルトシートはシート内に補強繊維層を備える請求項3乃至6の何れかに記載の防水改修構造。
  8. 既設防水層の防水改修工法であって、該既設防水層の上面に乾式タイプの不陸調整シートを敷設固定する工程と、次いで該乾式タイプの不陸調整シートの上面に加硫ゴム系シートを敷設固定する工程とを含む防水改修工法。
  9. 前記既設防水層がアスファルト防水層である請求項8記載の防水改修工法。
  10. 前記乾式タイプの不陸調整シートは改質アスファルトシートである請求項8記載の防水改修工法。
  11. 前記乾式タイプの不陸調整シートは改質アスファルトシートである請求項9記載の防水改修工法。
  12. 前記改質アスファルトシートは上面に耐溶剤性フィルムを備える請求項10記載の防水改修工法。
  13. 前記改質アスファルトシートは上面に耐溶剤性フィルムを備える請求項11記載の防水改修工法。
  14. 前記改質アスファルトシートはシート内に補強繊維層を備える請求項10乃至13記載の防水改修工法。
  15. 前記乾式タイプの不陸調整シートは、前記既設防水層の上面に接着剤を塗布するか定形シールを張付けしてから既設防水層の上面に敷設固定する請求項8乃至13の何れかに記載の防水改修工法。
  16. 前記乾式タイプの不陸調整シートは、前記既設防水層の上面に接着剤を塗布するか定形シールを張付けしてから既設防水層の上面に敷設固定する請求項14記載の防水改修工法。
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