JP2026502425A - 減衰/衝撃吸収機能を有する層間接着剤層を有する電子物品 - Google Patents

減衰/衝撃吸収機能を有する層間接着剤層を有する電子物品

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Abstract

パラレルプレート測定システムを用いる動的機械分析レオメータによって1Hzで測定される場合、tanδピークでの温度が35℃未満であり、かつピークtanδ値が1.0超である層間接着剤層を有する電子物品。本発明の電子物品において、当該層間接着剤層は、減衰/衝撃吸収層として電子物品に耐衝撃性を提供すると共に、2つの機能層の間に配置されて、当該2つの機能層を接合する又は組み付ける。好ましくは、本発明の当該電子物品は、ディスプレイデバイスである。

Description

(関連出願の相互参照)
なし。
(発明の分野)
本発明は、減衰/衝撃吸収機能を有する機能層を接合する/組み付ける層間接着剤層を有する電子物品に関する。特に、本発明は、tanδ曲線測定において特定の粘弾性特性を示す層間接着剤層と、接合/組付機能を備えた減衰/緩衝機能層とを有する電子物品(電子デバイス、機器、部品/モジュール、及びユニットを含む)に関する。この電子物品は、当該層間接着剤層を介して、減衰/衝撃吸収層として電子物品に耐衝撃性を提供すると共に、透明ディスプレイユニットが他の機能ユニットに直接接合される、又は組み付けられる構造を有するディスプレイデバイス用途において有用である。好ましくは、当該層間接着剤層は、シリコーン系感圧接着剤層である。
最近の電子物品(電子デバイス、機器、部品/モジュール、及びユニット;代表的には、LED又はOLED型のディスプレイデバイス及びそのモジュール)は、多数の機能層からなり、電極層やディスプレイ層を含む複数の層からなるフィルムを基板で挟んだ構造をとっている。そのような電子物品を構築する/組み付けるために、層間接着剤層(複数可)は、電子物品において当該機能層を結合する/組み付けるための「組付層」として機能層間に配置される。特に、シリコーン系感圧接着剤層(PSA)アクリル系又はゴム系感圧接着剤組成物と比較して、電気絶縁性、耐熱性、耐寒性、各種被着体に対する接着性に優れる。ポリシロキサン感圧接着剤の上記特徴、並びに必要に応じて高い透明性が達成され得るという特性を利用して、近年、先進電子材料やスマートデバイス等のディスプレイ素子の分野への応用が検討されている。更に、特許文献1~4には、シリコーン系PSAのtanδ曲線における特性が開示されているものの、シリコーン系PSA単独層を、ディスプレイデバイス等の電子物品における減衰/衝撃吸収機能を有する層間組付層として用いることについては開示も示唆もされていない。
一方、電子物品に耐衝撃性を提供すると共に機械的及び電気的信頼性を改善するために、電子物品の従来の設計(例えば、自動車ディスプレイ、折り畳み式ディスプレイ等に適用されるLED又はOLED型のディスプレイデバイス)では、発泡体テープ(例えば、PU発泡体、PE発泡体、又はアクリル発泡体)又は他の層間減衰又は衝撃吸収層が、2つの接着剤層の間に挟まれるように適用されて、他の機能層(例えば、ディスプレイ層及び電極層)を以下のように接合する:[ディスプレイ層/第1の接着剤層/減衰又は衝撃吸収層/第2の接着剤層/電極層]。ディスプレイ電子機器、特にOLEDディスプレイを有するスマートフォンは、ますます薄くなっており、層間減衰又は衝撃吸収は、落下試験中にスクリーンをクラックから保護するためにますます重要になる。例えば、特許文献5及び6では、シリコーン系PSA層を有する発泡体シートやシリコーン系PSA層を用いた減衰積層体を用いることが提案されているが、市場においては、当該減衰又は衝撃吸収層に対してより優れた減衰性が求められている。加えて、発泡体層又は他の当該減衰又は衝撃吸収層は、他の機能層に接合する/組み付けるために両側に接着剤層を必要とするので、電子物品(例えば、LED又はOLED型のディスプレイデバイス)を構築するために複数の積層プロセスを必要とし、当該電子物品は、内部多層減衰又は衝撃吸収層によって厚くかつ重くなる傾向がある。したがって、より良好な信頼性を有するより薄く軽い電子物品を達成するために、より良好で改善された組付層が市場において必要とされている。
[特許文献1]国際公開第2018149720(A1)号
[特許文献2]国際公開第2018149718(A1)号
[特許文献3]国際公開第2018149717(A1)号
[特許文献4]特開第2003313515(A)号
[特許文献5]特開第2019167484(A)号
[特許文献6]特開平第04-214341(A)号
本発明は、上記のような問題点を解決するために案出されたものであって、その目的は、電子物品に耐衝撃性を提供すると共に機械的及び電気的信頼性を向上する、より薄い減衰又は衝撃吸収層を有し、機能層が電子物品内に堅固に接合された、又は組み付けられた電子物品を提供することにある。また、本発明の目的は、その層間減衰又は衝撃吸収層を構築するために複数の積層プロセスを必要としない、電子物品のための簡略化された製造プロセスを提供することである。更に、本発明の目的は、減衰/衝撃吸収層としての電子物品における層間接着剤層の使用を提供することであり、電子物品において、いかなる追加の発泡体層又は減衰/衝撃吸収層も存在しない。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の1つの目的は、tanδピークでの温度が35℃未満であり、かつピークでのtanδ値が1.0超である層間接着剤層を有する電子物品によって達成される。当該層間接着剤層についてtanδ曲線を測定する場合、tanδの値が0.5を超える温度範囲の絶対値で定義される場合、層間接着剤層の当該tanδピークの幅は、90℃より狭いことが好ましい。本発明において、当該層間接着剤層は、下記成分(A)~(D)を含有するシリコーン系感圧接着剤形成組成物を硬化することによって得られる感圧シリコーン接着剤層であることが好ましい。
(A)1分子中に平均して1個より多いアルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサン、
(B)分子中の全ケイ素原子に対する水酸基及び加水分解性基の合計含有量が9モル%以下であるオルガノポリシロキサン樹脂、
(C)1分子中に少なくとも2個のSi-H結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び
(D)ヒドロシリル化反応触媒。
本発明の電子物品は、減衰/衝撃吸収層として電子物品に耐衝撃性を提供すると共に、当該2つの機能層の間に配置されて、2つの機能層を接合する又は組み付ける層間接着剤層を含む。好ましくは、本発明の当該電子物品は、ディスプレイデバイスである。
本発明はまた、本発明の電子物品の製造プロセスであって、少なくとも2つの機能層を、パラレルプレート測定システムを用いる動的機械分析レオメータによって1Hzで測定される場合、tanδピークでの温度が35℃未満であり、かつピークでのtanδ値が1.0超である層間接着剤層で組み付ける又は接合する工程を含む、電子物品の製造プロセスを提供する。
本発明はまた、電子物品における減衰/衝撃吸収層としての層間接着剤層の使用であって、層間接着剤層が、パラレルプレート測定システムを用いる動的機械分析レオメータによって1Hzで測定される場合、tanδピークでの温度が35℃未満であり、かつピークでのtanδ値が1.0超である、使用を提供する。
当該層間接着剤層は、本発明の電子物品における機能層を接合する、又は組み付けるために実用上十分な接着性を有し、また、減衰/衝撃吸収層として電子物品に耐衝撃性を提供するため、本発明の当該層間接着剤層以外の別個の減衰又は衝撃吸収層を使用することなく、より薄くて軽い積層構造を有する電子物品を構築することができる。本発明の電子物品は、電子物品に耐衝撃性を提供すると共に、機械的及び電気的信頼性を向上させる、より良好な減衰又は衝撃吸収層を示す。加えて、本発明の電子物品における当該層間接着剤層は、組付/接合層機能及び減衰/衝撃吸収層機能の両方を有する単一コーティング層であり得るため、本発明の電子物品の製造プロセスは、その層間減衰又は衝撃吸収層を構築するために多工程積層/コーティングプロセスを必要としない簡略化されたプロセスであり得る。
実施例7で得られた層間接着剤層を用いた積層体の落球試験結果を示し、球接触点にクラックは観察されなかった。 比較例1で得られた層間接着剤層を用いた積層体の落球試験結果を示し、球接触点に明確なクラックが観察された。
[接着剤層の測定されたtanδ曲線に関する粘弾性特性の定義]
本明細書では、層間接着剤層についてのtanδピークでの温度、温度範囲(測定されたtanδ曲線における温度の2点間の絶対値を含む)、tanδ値、及び測定されたtanδ曲線に関連する他の粘弾性特性は、パラレルプレート測定システムを用いる動的機械分析レオメータによって1Hzで測定されるものを意味する。
[電子物品の構造]
本明細書に記載される場合、「電子物品」という用語は、電子デバイス、電子機器、及び電子部品/モジュール/ユニットを含むことができる。まず、本発明に係る電子物品の構造について説明する。電子物品は、tanδピークでの温度が35℃未満であり、該ピークでのtanδ値が1.0超である少なくとも1層の層間接着剤層を有することを特徴とする。電子物品では、当該層間接着剤層は、当該2つの機能層の間に配置されて、当該2つの機能層を接合する又は組み付ける。好ましくは、当該電子物品は、多数の機能層からなるLED又はOLED型のディスプレイデバイス及びそのモジュールであって、電極層及びディスプレイ層を含む複数の機能層からなる積層体が基板間に挟まれた構造を有し、当該機能層が当該層間接着剤層により接合される又は組み付けられる。本発明の電子物品の好ましい形態では、当該層間接着剤層は2つの機能層の間に配置され、当該機能層の少なくとも1つは実質的に透明であり得る。また、当該層間接着剤層は、組付/接合層機能及び減衰/衝撃吸収層機能の両方を有するので、本発明の電子物品は、2つの機能層の間に配置された更なる層間減衰/衝撃吸収層を有する必要がない。当該層間接着剤層のこの二機能的特徴のために、本発明を通して、電子物品は、2つの機能層の間の層間接着剤層以外のいかなる追加の層間減衰/衝撃吸収層も使用することなく構築することができる。
最も好ましくは、本発明の電子物品は、LED又はOLED型ディスプレイデバイス及びそのモジュールであり、ディスプレイユニットが層間接着剤層を用いて他の機能ユニットに直接接合される又は組み付けられる構造を有し、層間接着剤層は、ディスプレイデバイス中の当該ユニットの間に挟まれた単一の接着剤/組付層である。本発明のディスプレイデバイスは、当該層間接着剤層を除いて、層間減衰/衝撃吸収層を実質的に含まないように設計することができるため(すなわち、デバイスから厚く多層の減衰/衝撃吸収層を省略する)、当該ディスプレイの全体の厚さは、従来のデバイスと比較して、より薄くかつより軽くすることができる。
このようなディスプレイデバイスの表面形状としては、平面ではなく、曲面形状や湾曲形状であってもよく、例えば、各種フラットパネルディスプレイ(FPD)の他、自動車(電気自動車を含む)や航空機等に用いられる曲面ディスプレイや曲面透過型スクリーン等が挙げられる。更に、これらのディスプレイデバイスは、画面やディスプレイに機能やプログラムを実行するためのアイコン、電子メールやプログラム等の通知インジケータ、カーナビゲーションデバイス、スピーカ用メンブレン、オーディオデバイス、エアコンデバイス等の各種デバイスの操作ボタンを表示することができ、これらのアイコン、通知インジケータ、又は操作ボタンに指で触れることで入力操作を追加することができるタッチパネル機能を有する。CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、表面電界ディスプレイ(SED)、電界放出ディスプレイ(FED)等のディスプレイデバイスや、これらのディスプレイデバイスを用いたタッチパネル等のデバイスとして適用することができる。
[当該層間接着剤層の機能、厚さ、粘弾性特性]
本発明の電子物品において、二機能特性を有する単一層として、層間接着剤層は、組付/接合層機能及び減衰/衝撃吸収層機能の両方を有する。すなわち、層間接着剤層は、電子物品内の2つの機能層を接合する、又は組み付けるのに十分な接着性を有し、減衰/衝撃吸収層として電子物品に耐衝撃性を提供して、機械的及び電気的信頼性を改善する。当該層間接着剤層の厚さは限定されず、電子物品の要件、構造、及びサイズに従って当業者によって最適化することができるが、層間接着剤層の好ましい厚さは、1~1000μm、より好ましくは10~500μm、最も好ましくは50~300μmの範囲である。厚さが当該下限未満である場合、接着力及び減衰/衝撃吸収は、本発明の目的を達成するのに不十分であり得る。一方、厚さが当該上限を超えると、厚い層間接着剤層を有する電子物品の薄型化及び軽量化を達成することができない。
本発明の電子物品のための層間接着剤層において当該二官能性特徴を達成するために、層間接着剤層は、35℃未満、30℃未満、25℃未満、20℃未満、又は15℃未満のtanδピークでの温度を満たし、ピークでのtanδ値は、1.0超、1.2超、1.5超、又は1.7超である。好ましくは、ピークでのtanδ値は、1.00~4.00、1.00~2.00、又は1.00~1.50の範囲であり、tanδピークでの温度は、-70℃~25℃、-60℃~20℃、-50℃~15℃、-40℃~10℃、又は-20℃~5℃に位置する。更に、当該層間接着剤層においてより良好な減衰/衝撃吸収特性を達成するために、tanδの値が0.5を超える温度範囲の絶対値によって定義される場合、層間接着剤層における当該tanδピークの幅は、90℃、80℃、70℃、60℃、又は50℃より狭い。例えば、パラレルプレート測定システムを用いる動的機械分析レオメータによって1Hzで測定される場合、-60℃~25℃の温度範囲においてtanδの値が0.5を超え、かつtanδピークが当該温度範囲の間に位置するとき、層間接着剤層の当該tanδピークの幅は、当該温度範囲の絶対値として85℃であると定義される。同様に、-50℃~15℃の温度範囲においてtanδの値が0.5を超え、かつtanδピークが当該温度範囲の間に位置するとき、層間接着剤層の当該tanδピークの幅は、当該温度範囲の絶対値として65℃であると定義される。好ましくは、層間接着剤層における当該tanδピークの幅は、当該層間接着剤層においてより良好な減衰/衝撃吸収特性を達成するために、50~90℃未満の範囲である。一方、層間接着剤層中の当該tanδピークの幅が90℃以上である場合、tanδピークの形状が広すぎて、電子物品中の機能層を接合する/組み付けるための十分な接着力を有する十分な減衰/衝撃吸収特性を達成することができない。最も好ましくは、本発明では、パラレルプレート測定システムを用いる動的機械分析レオメータによって1Hzで測定される場合、層間接着剤層のtanδ曲線は、以下の条件を満たす。
i)tanδピークでの温度(好ましくは、1.00~2.50の範囲のピークでのtanδ値)が、-70℃~25℃に位置する、
ii)tanδの値が0.5を超える温度範囲の絶対値によって定義される場合のtanδピークの幅が、50℃から90℃未満の範囲である。
本発明では、当該層間接着剤層の材料は特に限定されず、当該層間接着剤層がtanδ曲線測定において当該粘弾性特性を満足するものであれば、任意の種類の接着剤材料も本発明に適用することができる。例えば、シリコーン系感圧接着剤(PSA)、アクリル系又はゴム系接着剤、及びポリウレタン系接着剤から選択される少なくとも1つを使用して、本発明の電子物品において、組付/接合層機能及び減衰/衝撃吸収層機能の両方を有する層間接着剤層として適用することができる。シリコーン系感圧接着剤層(PSA)層は、電気絶縁性、耐熱性、耐寒性、電子物品における各種被着体に対する接着性に優れることから、シリコーン系PSA層は、好ましくは、本発明の電子物品における層間接着剤層として例示される。
[シリコーン系PSA形成組成物]
本発明の一実施形態として、本発明の電子物品に適用される当該層間接着剤層は、シリコーン系感圧接着剤形成組成物を硬化させることによって得ることができる。この組成物は、実用に十分な接着性と、接着剤層の測定されたtanδ曲線に関する上述の粘弾性特性とを有する感圧接着剤層を形成するように、ヒドロシリル化反応を含む硬化反応を介して急速に硬化する。以下、組成物中の各成分、オルガノポリシロキサン樹脂の範囲、直鎖状オルガノポリシロキサンに対するオルガノポリシロキサン樹脂の質量比、及び感圧接着剤層の特徴について説明する。
上記のように、本発明に係るオルガノポリシロキサン組成物は、感圧接着剤層(一定の接着力を有する)を形成するように、ヒドロシリル化反応を介して硬化する。この組成物では、分子中の全ケイ素原子に関する水酸基と加水分解性基の含有量の合計が9モル%以下であるオルガノポリシロキサン樹脂が用いられており、主剤として機能する鎖状オルガノポリシロキサン(アルケニル基を有する)に対するオルガノポリシロキサン樹脂の配合範囲が特定の範囲にある。
本発明に係る一実施形態では、本発明に適用されるシリコーン系PSA層を得るためのオルガノポリシロキサン組成物は、成分(A)~(E)を含む。
(A)1分子中に平均して1個より多いアルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサン、
(B)分子中の全ケイ素原子に対する水酸基及び加水分解性基の合計含有量が9モル%以下であるオルガノポリシロキサン樹脂、
(C)分子中に少なくとも2個のSi-H結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び
(D)ヒドロシリル化反応触媒。
更に、本発明に係る更なる実施形態では、シリコーン系PSA形成組成物は、(A’)分子中に炭素-炭素二重結合含有反応性基を含有しない直鎖状オルガノポリシロキサンを更に含有してもよい。
また、組成物は、ヒドロシリル化反応触媒を含有するため、取扱い性の観点から、(E)硬化遅延剤を更に含有してもよく、本発明の目的に反しない範囲で、その他の添加剤を更に含有してもよい。必要であれば、固定添加剤としての少なくとも1つのテトラアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランのプレポリマーを配合して、そのレオロジー/粘弾性特性に影響を及ぼすことなくその接着力を改善することができる。
本発明では、成分(A)は、1分子中に平均して1個を超えるアルケニル基を有する直鎖状(すなわち、鎖状)オルガノポリシロキサンであり、好ましくは1分子中に1.5個以上のアルケニル基、より好ましくは1分子中に2.0個以上のアルケニル基を有する。本発明に係るいくつかの実施形態では、1分子中に平均してアルケニル基の数は、1.01~5.0、1.01~4.0、1.01~3.0、1.01~2.0、1.01~1.5、1.5~5.0、1.5~4.0、1.5~3.0、1.5~2.0、2.0~5.0、2.0~4.0、2.0~3.0、3.0~5.0、3.0~4.0、又は4.0~5.0の範囲であってもよい。成分(A)のオルガノポリシロキサンのアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等の炭素数2~10のアルケニル基が挙げられ、ビニル基又はヘキセニル基が特に好ましい。成分(A)のアルケニル基の結合位置としては、分子鎖末端及び/又は分子側鎖が挙げられる。なお、成分(A)は、単一成分であってもよく、異なる2つ以上の成分の混合物であってもよい。
成分(A)のオルガノポリシロキサンにおけるアルケニル基以外のケイ素結合有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基等のアリール基;ベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3-クロロプロピル基、及び3,3,3-トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられ、メチル基及びフェニル基が特に好ましい。
本発明では、成分(A)は、成分(B)とは異なり、直鎖状オルガノポリシロキサン分子構造を有する。例えば、成分(A)は、直鎖状又は一部分岐直鎖状であることが好ましく、部分的に環状の三次元ネットワークを含んでいてもよい。好ましくは、オルガノポリシロキサンの主鎖は、繰り返しジオルガノシロキサン単位(すなわち、-SiO2/2又はD単位)からなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状又は分岐鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、分岐鎖状オルガノポリシロキサンを提供するシロキサン単位とは、後述するT単位又はQ単位である。
成分(A)の室温における性状は、油状又は生ゴム状物質であってもよく、成分(A)の25℃における粘度が50mPa.s以上、特に100mPa.s以上であることが好ましい。特に、本発明に係る直鎖状オルガノポリシロキサン組成物が溶媒型である場合、成分(A)の少なくとも一部は、(A1)25℃における粘度が100,000mPa.s以上であるか、又はJIS K6249に規定された方法に準拠して測定される可塑度(25℃において4.2gの球状試料に1kgfの荷重を3分間かけたときの厚さを1/100mmまで読み取って100倍した値)が50~200、好ましくは80~200、より好ましくは100~200の範囲内である生ゴム状アルケニル基含有オルガノポリシロキサンである。
なお、接触不良等を防止するために、オルガノポリシロキサンアルケニル基中の揮発性又は低分子量のシロキサンオリゴマー(例えば、オクタメチルテトラシクロシロキサン(D4)、デカメチルペンタシクロシロキサン(D5)等)を低減又は除去することが好ましい。その程度は所望したように設計できるが、成分(A)全体の1質量%未満、各シロキサンオリゴマーについては0.1質量%未満でなければならず、必要に応じて検出限界付近まで低減しなければならない。
(A1)成分中のアルケニル基の含有量は特に限定されないが、成分(A1)中のアルケニル基中のビニル(CH=CH)部分の含有量(以下、「ビニル含有量」という)は、0.005~0.400質量%の範囲内であることが好ましく、0.005~0.300質量%の範囲内であることがより好ましく、0.005~0.200質量%の範囲内であることが特に好ましい場合がある。
本発明に係るいくつかの実施形態では、成分(A1)よりも粘度の低い成分(A)も、本発明の成分(A)として利用可能である。具体的には、25℃で100,000mPa.s未満の粘度を有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)が利用可能である。なお、成分(A2)の粘度以外の例は、成分(A1)と同じである。
本発明では、成分(A)の50質量%以上が成分(A1)である高重合度のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンであることが好ましく、75~100質量%が成分(A1)であることが特に好ましい。すなわち、本発明の成分(A)として、成分(A1)(=高重合度のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン)と成分(A2)(=低重合度のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン)とを併用する場合、成分(A2)に対する成分(A1)の質量比は、50:50~100:0、好ましくは75:25~100:0、より好ましくは75:25~90:10である。
本発明では、成分(B)のオルガノポリシロキサン樹脂は、基材に対する接着力を付与する接着付与成分であり、成分(A)に対して一定比率のオルガノポリシロキサン樹脂混合物を用いて、低温での貯蔵弾性率と実用的な接着力範囲を同時に達成している。より具体的には、成分(B)は、平均分子量が小さいオルガノポリシロキサン樹脂であり、水酸基や加水分解性基の含有量が抑制されており、成分(B)同士の加水分解・重合反応が起こりにくく、平均分子量が小さいオルガノポリシロキサン樹脂を選択的に用いることにより、その硬化物である感圧接着剤層において、所定の貯蔵弾性率及び実用的な接着力の範囲が得られる。
具体的には、成分(B)は、分子中の全ケイ素原子数に対する水酸基及び加水分解性基の合計含有量が9モル%以下、8質量%以下、6質量%以下であるオルガノポリシロキサン樹脂である。本発明に係る成分(B)は、分子中の水酸基と加水分解性基の含有量の合計が、オルガノポリシロキサン樹脂分子中の全ケイ素原子に対して9モル%以下の範囲であり、分子中の全ケイ素原子に対して好ましくは7モル%以下である。なお、成分(B)では、水酸基及び加水分解性基の含有量は、これらの官能基を全て水酸基に換算して表すことができる。この場合、オルガノポリシロキサン樹脂分子中の水酸基以外の加水分解性基が全て水酸基(OH)であると仮定して質量%を算出した場合、上記水酸基及び加水分解性基の含有量の合計は、オルガノポリシロキサン樹脂分子中の水酸基及び水酸基に変換されたこれらの加水分解性基の含有量が、2.0質量%以下、1.6質量%以下、1.5質量%以下、1.2質量%以下となるように表すことができる。水酸基又は加水分解性基は、後述する樹脂構造中のシロキサン単位のうち、T単位又はQ単位等のケイ素原子に直接結合した基であり、シラン又はシラン誘導体を加水分解することによって得られる基である。したがって、合成したオルガノポリシロキサン樹脂をトリメチルシラン等のシリル化剤で加水分解することによって、水酸基や加水分解性基の含有量を低減することができる。
成分(B)では、水酸基又は加水分解性基の量が上記上限を超えると、オルガノポリシロキサン樹脂分子間の縮合反応が進行し、硬化物中に分子量の大きいオルガノポリシロキサン樹脂構造が形成されやすくなる。このような高分子量のオルガノポリシロキサン樹脂は、組成物全体の硬化性を損なう傾向があり、低温における組成物の硬化性が不十分となる場合があり、得られる感圧接着剤層が実用上十分な貯蔵弾性率を有しない場合がある。
本発明では、成分(B)は、三次元構造を有するオルガノポリシロキサン樹脂である。例えば、RSiO2/2単位(D単位)及びRSiO3/2単位(T単位)(式中、各Rは独立して一価有機基を表す)からなり、水酸基又は加水分解性基の含有量が上記範囲内である樹脂、T単位のみからなり、水酸基又は加水分解性基の含有量が上記範囲内である樹脂、RSiO1/2単位(M単位)及びSiO4/2単位(Q単位)からなり、水酸基又は加水分解性基の含有量が上記範囲内である樹脂が挙げられる。特に、RSiO1/2単位(M単位)とSiO4/2単位(Q単位)からなり、分子中の全ケイ素原子に対する水酸基及び加水分解性基の含有量の合計が0~7モル%(これらの官能基が全て水酸基に変換されている場合には0.0~1.6質量%の範囲内であることが好ましい)である樹脂(MQ樹脂ともいう)が好ましく用いられる。
Rの一価有機基としては、炭素数1~10の一価炭化水素基が好ましく、例えば、炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数6~10のシクロアルキル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。特に、Rの90モル%以上が炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であることが好ましく、Rの95~100モル%がメチル基又はフェニル基であることが特に好ましい。
好ましくは、成分(B)は、(B1)RSiO1/2単位及びSiO4/2単位から実質的になるオルガノポリシロキサン樹脂又はその混合物であって、Rが一価有機基であり、Rの90モル%以上が炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基である、オルガノポリシロキサン樹脂又はその混合物である。成分(B)がRSiO1/2単位(M単位)とSiO4/2単位(Q単位)とからなる樹脂である場合、Q単位に対するM単位のモル比は0.5~2.0であることが好ましい。これは、モル比が0.5未満であると、基材に対する接着力が低下するおそれがあり、モル比が2.0超であると、接着剤層を構成する材料の凝集力が低下するためである。また、成分(B)には、本発明の特性を損なわない範囲で、D単位やT単位が含まれていてもよい。更に、接触不良等を防止するために、これらのオルガノポリシロキサン樹脂中の低分子量シロキサンオリゴマーを低減又は除去してもよい。
本発明では、成分(B)として機能する当該オルガノポリシロキサン樹脂の重量平均分子量(Mw)は限定されず、特定のMwを有する少なくとも1種のオルガノポリシロキサン樹脂又は異なるMwを有する2種以上のオルガノポリシロキサン樹脂の混合物を、成分(B)として使用することができる。実用的な観点から、成分(B)のゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算で求められるMwは、500~20000(g/モル)、好ましくは1,000~17500(g/モル)、最も好ましくは2000~16500(g/モル)である。
[成分(A)に対する成分(B)の質量比]
本発明に係る感圧接着剤層形成オルガノポリシロキサン組成物は、成分(A)(鎖状反応性シロキサン成分)に対する成分(B)(オルガノポリシロキサン樹脂)の質量比が特定の範囲内にあることを特徴とする。成分(A)に対する成分(B)の質量比は、固定添加剤としての成分(D)と組み合わせて、0.5~3.5、0.5~2.5、0.5~1.5、0.5~0.75、0.75~3.5、0.75~3.0、0.75~2.5、0.75~1.5、1.5~3.5、1.5~2.5又は2.5~3.5の範囲内である。具体的には、(A’)分子中に炭素-炭素二重結合含有反応性基を含有しない鎖状オルガノポリシロキサンが任意選択である場合、成分(A)に対する成分(B)の質量比は、0.9~1.8、0.9~1.6、0.9~1.4、0.9~1.2、1.2~1.8、1.2~1.6、1.2~1.4、1.4~1.8、1.4~1.6、又は1.6~1.8の範囲内である。一方、この組成物が成分(A’)を含有し、成分(A’)に対する成分(A)の質量比が95:5~60:40、90:10~60:40、80:20~60:40、70:30~60:40、90:10~70:30、又は80:20~70:30の範囲内である場合、成分(A)に対する成分(B)の質量比は、0.9~2.4、0.9~2.0、0.9~1.6、又は0.9~1.2の範囲内である。すなわち、成分(A)と成分(A’)とが上記質量比で用いられていれば、たとえ成分(A)に対する成分(B)の質量比が1.8超~2.4の範囲内であっても、本発明の技術的効果を達成することができる。
成分(A’)が本発明に係る組成物中の必須成分でない場合、所望の接着力及び貯蔵弾性率を達成するために、成分(A)及び(A’)の合計に対する成分(B)の質量比は、0.9~1.8の範囲内であり、1.0~1.77、1.2~1.6、又は1.4~1.5の範囲内であってもよい。なお、成分(A)に対する成分(B)の質量比の場合、成分(A’)の更なる使用に関しては、本発明の技術的効果を損なうことなく、本発明の好ましい態様の一つである。
対照的に、成分(A’)が本発明に係る組成物において必須成分であり、成分(A’)に対する成分(A)の質量比が95:5~40:60の範囲内である場合、成分(A)及び(A’)の合計に対する成分(B)の質量比は、0.9~2.4、0.9~2.0、0.9~1.6又は0.9~1.2の範囲内であり、0.9~2.3の範囲内又は1.0~2.3の範囲内であってもよい。
本発明では、成分(C)は、1分子中に2個以上のSi-H結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、本発明のオルガノポリシロキサン組成物における架橋剤である。成分(C)の分子構造は特に限定されず、直鎖状、一部分岐直鎖状、分岐鎖状、環状、又はオルガノポリシロキサン樹脂構造が挙げられ、直鎖状、一部分岐直鎖状、又はオルガノポリシロキサン樹脂構造が好ましい。ケイ素結合水素原子の結合位置は特に限定されず、例えば、分子末端、側鎖、又は分子末端及び側鎖の両方が挙げられる。ケイ素結合水素原子の含有量は、0.1~2.0質量%、好ましくは0.5~1.7質量%、より好ましくは0.8~1.5質量%である。
成分(C)中の例示的なケイ素結合有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等の炭素数1~8のアルキル基;フェニル基及びトリル基等のアリール基;ベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基;3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられ、その総数の50モル%以上が炭素数1~8のアルキル基又はフェニル基であることが好ましい。製造の容易さ、並びに上記好ましい成分(A)及び(B)との相溶性の観点から、他の有機基としては、メチル基又はフェニル基が好ましい。
本発明の成分(C)がオルガノポリシロキサン樹脂であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンである場合、その例としては、一般式:R’SiO1/2で表されるシロキサン単位、一般式:R’HSiO1/2で表されるシロキサン単位、及び式:SiO4/2で表されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンコポリマー;一般式:R’HSiO1/2で表されるシロキサン単位及び式:SiO4/2単位で表されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンコポリマー;一般式:R’HSiO1/2で表されるシロキサン単位及び式:R’SiO3/2で表されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンコポリマー;一般式:R’HSiO2/2で表されるシロキサン単位、一般式:R’SiO3/2で表されるシロキサン単位、又は一般式:HSiO3/2で表されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンコポリマー;及びこれらのオルガノポリシロキサンの2種以上の混合物が挙げられる。なお、式中のR’は、炭素数1~8のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はハロゲン化アルキル基であり、上記と同様のものが例示される。
成分(C)の例としては、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、テトラ(ジメチルハイドロジェンシロキシ)シラン、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、環状メチルハイドロジェンオリゴシロキサン、環状メチルハイドロジェンシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンシロキサン/ジフェニルシロキサンコポリマー、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンシロキサン/ジフェニルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシランの加水分解縮合物、(CHHSiO1/2単位及びSiO4/2単位からなるコポリマー、(CHHSiO1/2単位、SiO4/2単位、及び(C)SiO3/2単位からなるコポリマー、(CHHSiO1/2単位及びCHSiO3/2単位からなるコポリマー、並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
直鎖状構造の場合には、特に、分子構造式:RMeSiO(MeSiO)(HMeSiO)SiMeで表されるメチルハイドロジェンポリシロキサンが好適である。
(式中、Meはメチル基、Rはメチル基又は水素原子であり、q及びrは0.3≦r/(q+r)≦1及び5≦(q+r)≦200を満たす数である)。なお、成分(C)は、2種以上を併用してもよい。
同様に、以下のオルガノシロキサンを例として挙げることができる。なお、式中、Me、Phはそれぞれメチル基、フェニル基を表し、mは1~100の整数であり、nは1~50の整数であり、b、c、d、及びeの各々は正の数であり、1分子中のb、c、d、及びeの和は1である。
HMeSiO(PhSiO)SiMe
HMePhSiO(PhSiO)SiMePhH
HMePhSiO(PhSiO)(MePhSiO)SiMePhH
HMePhSiO(PhSiO)(MeSiO)SiMePhH
(HMeSiO1/2(PhSiO3/2
(HMePhSiO1/2(PhSiO3/2
(HMePhSiO1/2(HMeSiO1/2(PhSiO3/2
(HMeSiO1/2(PhSiO2/2(PhSiO3/2
(HMePhSiO1/2(PhSiO2/2(PhSiO3/2
(HMePhSiO1/2(HMeSiO1/2(PhSiO2/2(PhSiO3/2
[SiH/Vi比]
本発明に係る組成物は、ヒドロシリル化反応硬化性であり、成分(C)の使用量は、組成物がヒドロシリル化反応によって十分に硬化することができる限り、特に限定されない。ただし、組成物中の成分(A)中のアルケニル基の量(物質量)と成分(B)中のアルケニル基の量(物質量)との合計に対する成分(C)中のケイ素原子結合水素原子(SiH)基の量、すなわち、モル比は、1.0~100の範囲内であることが好ましく、5.0~60の範囲内であってもよく、10~50の範囲内であってもよく、20~50の範囲内であってもよい。
一方、ガラス等の基板との接着性を向上させるためには、1分子中のSiH基の数を3個以上5個以上とすることができ、好ましくは10個より多く、より好ましくは20個以上である。例えば、組成物中の成分(A)中のアルケニル基の量(物質量)と成分(B)中のアルケニル基の量(物質量)との合計に対する成分(C)中のケイ素原子結合水素原子(SiH)基の物質量は、10~60の範囲と10~50の範囲となるように設計することができる。SiH基の量が上記下限未満であると、基材との接着性を向上させるという技術的効果が得られない場合がある。一方、SiH基の量が上記上限を超えると、未反応の残存硬化剤量が多くなり、硬化物の脆性等の硬化物性に悪影響を与えたり、ガス発生等の問題を引き起こしたりする場合がある。ただし、組成物のSiH/Vi比が上記範囲外であっても、実用上十分な感圧接着剤層を形成することができる。
[ヒドロシリル化反応触媒]成分(D)
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、ヒドロシリル化反応触媒を含有する。ヒドロシリル化反応触媒としては、例えば、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒等が挙げられ、本組成物の硬化を著しく促進する点で白金系触媒が好ましい。この白金系触媒の例としては、白金微粉末、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金-アルケニルシロキサン錯体、白金-オレフィン錯体、及び白金-カルボニル錯体が挙げられ、白金-アルケニルシロキサン錯体が特に好ましい。このアルケニルシロキサンとしては、例えば、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン、これらのアルケニルシロキサンのメチル基の一部がニトリル、アミド、ジオキソラン、スルホラン、エチル基、フェニル基等からなる群から選択される基で置換されたアルケニルシロキサン、これらのアルケニルシロキサンのビニル基がアリル基、ヘキセニル基等で置換されたアルケニルシロキサン等が挙げられる。特に、白金-アルケニルシロキサン錯体の安定性が良好であることから、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンが好ましい。ヒドロシリル化反応を促進する触媒としては、鉄、ルテニウム、鉄/コバルト等の非白金系金属触媒を用いることができる。
本発明では、ヒドロシリル化反応触媒の含有量は特に限定されないが、組成物中の固形分全量に対する白金系金属の量は、0.1~200ppmの範囲内であり、0.1~150ppmの範囲内であってもよく、0.1~100ppmの範囲内であってもよく、0.1~60ppmの範囲内であってもよい。ここで、白金系金属とは、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、イリジウムからなるVIII族の金属元素である。ただし、実用上は、ヒドロシリル化触媒の配位子を除いた白金金属の含有量が上記範囲内であることが好ましい。なお、固形分とは、本発明のオルガノポリシロキサン組成物を硬化反応させた際に硬化層を形成する成分(主に主剤、接着性付与成分、架橋剤、触媒、その他の不揮発性成分)であり、加熱硬化時に揮発する溶媒等の揮発性成分は含まない。
本発明に係るオルガノポリシロキサン組成物中の白金系金属の含有量が60ppm以下、50ppm以下、40ppm以下、30ppm以下、25ppm以下又は20ppm以下である場合、特に硬化後又は加熱されたとき又は紫外線のような高エネルギー線にさらされたときに透明感圧接着剤層の変色又は着色を抑制することができる。一方、白金系金属の含有量は、オルガノポリシロキサン組成物の硬化性の観点から、0.1ppm以上であり、この下限未満であると、硬化不良の原因となる場合がある。
本発明では、成分(E)は硬化遅延剤(=硬化阻害剤)であり、常温での可使時間を延長し、保存安定性を向上させるように、組成物中のアルケニル基と成分(C)中のSiH基との架橋反応を抑制するために配合される。したがって、実用上、本発明に係る感圧接着剤層形成オルガノポリシロキサン組成物には、成分(E)を添加してもよい。
成分(E)の具体例としては、アセチレン系化合物、エン-イン化合物、有機窒素化合物、有機リン化合物、及びオキシム化合物が挙げられる。具体例としては、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、フェニルブタノール等のアルキンアルコール;3-メチル-3-ペンテン-1-イン、3,5-ジメチル-1-ヘキセン-3-イン等のエン-イン化合物;2-エチニル-4-メチル-2-ペンテン、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン等のメチルアルケニルシクロシロキサン、並びにベンゾトリアゾールが挙げられる。
本発明の感圧接着剤層形成オルガノポリシロキサン組成物は、組成物の硬化挙動の観点から、80~200℃で硬化可能であり、組成物調製後、室温で8時間後の粘度上昇が、1.5倍以内であることが好ましい。増粘の抑制は、取り扱い性、ポットライフ、硬化後の特性の観点から重要であり、大量の過剰な成分(C)を含有し、白金系金属の含有量が任意選択で少なくても、少なくとも一定温度(80~200℃)以上の高温で硬化させることによって硬化性を確保することができる。なお、このような組成物は、上記各成分、ヒドロシリル化触媒、及び成分(E)の適切な組み合わせ及び配合量を選択することによって実現することができる。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、上記の好ましい成分(A)及び(B)に加えて、溶媒として有機溶媒を含有してもよい。有機溶媒の種類や混合量は、コーティング作業性等を考慮して調整することができる。例示的な有機溶媒は、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘプタン、ヘキサン、オクタン、イソパラフィン等の脂肪族炭化水素系溶媒;酢酸エチル及び酢酸イソブチル等のエステル系溶媒;ジイソプロピルエーテル及び1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒;トリクロロエチレン、パークロロエチレン、塩化メチレン等の塩素化脂肪族炭化水素系溶媒;及び溶媒揮発性油を含み、シート状基材の濡れ性等に応じて2種以上を組み合わせることができる。有機溶媒の配合量は、成分(A)~(C)の混合物をシート状基材表面に均一に塗布できる量であることが好ましい。例えば、配合量は、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の合計量100質量部に対して、5~3000質量部であってもよい。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分以外の成分を任意選択で含有してもよい。例えば、組成物は、接着促進剤;ポリジメチルシロキサン又はポリジメチルジフェニルシロキサンなどの非反応性オルガノポリシロキサン;フェノール型、キノン型、アミン型、リン型、ホスファイト型、イオウ型、及びチオエーテル型酸化防止剤等の酸化防止剤;リン酸エステル系、ハロゲン系、リン系、アンチモン系等の難燃剤;及びカチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等からなる1種以上の帯電防止剤を含有してもよい。なお、これらの成分に加えて、顔料、染料、無機微粒子(例えば、補強性充填剤、誘電性充填剤、導電性充填剤、熱伝導性充填剤)等を任意選択で混合することができる。
[(A’)分子中に炭素-炭素二重結合含有反応性基を含有しない直鎖状/鎖状オルガノポリシロキサン]
本発明に係るオルガノポリシロキサン組成物は、アルケニル基、アクリル基、又はメタクリル基等の炭素-炭素二重結合含有反応性基を含有しないポリジメチルシロキサン又はポリジメチルジフェニルシロキサン等の非反応性オルガノポリシロキサンを含むことができる。その結果、感圧接着剤層の損失係数(tanδ)、貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)、及び接着性を向上させることができる。例えば、感圧接着剤層の損失係数は、水酸基末端を有するポリジメチルシロキサン、又はトリメチルシロキシ末端を有するポリジメチルシロキサン若しくはポリジメチルジフェニルシロキサンを使用して増加させることができ、そのような組成物は本発明の範囲内に含まれる。
具体的には、成分(A)と(A’)成分との合計に対する成分(B)の質量比が0.9~2.4の範囲内である場合、成分(A’)に対する成分(A)の質量比が95:5~40:60の範囲内でなければならず、成分(A’)に対する成分(A)の質量比が90:10~40:60の範囲内であることが好ましい。
[固定添加剤としての任意選択のテトラアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランのプレポリマー]
接着力を高める又は向上させるために、本発明では、少なくとも1つのシリコーン系PSA組成物の固定添加剤として、テトラアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランのプレポリマーを配合することができる。硬化シリコーンPSA層におけるレオロジー/粘弾性特性は、一般に、その架橋ポリマー構造(ポリマー鎖長を含む)、樹脂構造(シリコーン樹脂単位及びMwを含む)、及びその中のモル比によって決定され、低いTg又は弾性率と高い接着力との間のトレードオフ関係をもたらすが、固定添加剤としてテトラアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランのプレポリマーを使用することによって、硬化シリコーンPSA層における低いTg又は弾性率特性に影響を及ぼすことなく接着力のみを増加させることができる。
本発明の好ましい実施形態では、組成物を硬化させることによって得られる50μmの厚さを有する感圧接着剤層の接着力は、ガラス基板等についてJIS Z 0237に準拠する180°剥離試験方法を使用して300mm/分の引張速度で測定される場合、同じ組成物から得られるが固定添加剤としてテトラアルコキシシランを含まない感圧接着剤層の接着力よりも20%超、好ましくは30%~80%大きい。
当該技術的利益を達成するために、当該テトラアルコキシシランは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、又はそれらの混合物によって例示される。当該テトラアルコキシシランの代わりにグリシドキシプロピルトリメトキシシラン又はビニルトリメトキシシランのような他のシランを使用しても、シリコーン系感圧接着剤層のレオロジー/粘弾性特性に影響を及ぼすことなく接着力を改善又は増強することはできない。更に、接着力を十分に向上させるためには、成分(A)~(C)の合計質量に対するテトラアルコキシシランの量は、成分(A)に対する成分(B)の質量比を0.5~3.5の範囲とした場合、0.1~9.0質量%の範囲であり、好ましくは0.2~7.0質量%の範囲であり、より好ましくは0.5~5.0質量%の範囲である。テトラアルコキシシランの含有量が上記下限未満であると、基材との接着性を向上させるという技術的効果が十分に得られない場合がある。対照的に、テトラアルコキシシランの量が上記上限を超えると、過剰量のテトラアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランのプレポリマーが硬化物性に悪影響を及ぼす場合がある。
シリコーン系PSA形成組成物の調製方法は特に限定されず、各成分を均一に混合することにより実行される。必要に応じて溶媒を添加し、公知の攪拌機や混練機を用いて0~200℃の温度で混合することによって組成物を調製することができる。
[当該シリコーン系PSA形成組成物を用いた接着剤層の形成]
上記シリコーン系PSA形成組成物は、基材に塗布された際に硬化接着剤層を形成し、80~200℃の温度条件下、好ましくは90~190℃の温度条件下で加熱されることにより硬化物を形成する。塗布方法としては、例えば、グラビアコーティング、オフセットコーティング、オフセットグラビア、ロールコーティング、リバースロールコーティング、エアナイフコーティング、カーテンコーティング、コンマコーティング等が挙げられる。
当該シリコーン系PSA形成組成物から硬化された接着剤層は、本発明の電子物品において層を結合する/組み付けるために機能層の間に配置される。
[感圧接着剤層の透明性、色調、又は着色及び変色に関する特性]
本発明に適用される層間接着剤層は、前述のシリコーン系PSA層であることが好ましく、透明又は不透明な組付層であり得る。すなわち、透明性は、本発明の層間接着剤層における任意の特性であり、当該層間接着剤層が電子デバイス内のどこに位置するかに依存する。当該層間接着剤層がパネルユニットの上に、そのカバーガラス又は他の透明カバーユニットに近接して配置される場合、それは「透明」層間接着剤層であるべきである。一方、当該層間接着剤層がパネルユニットの底部に位置する場合、層間接着剤層には透明性は要求されない。それにもかかわらず、本発明の層間接着剤層は、実質的に透明、半透明、又は不透明であってもよく、その透明性は、当該層間接着剤層の用途に従って設計することができる。例えば、本発明のディスプレイデバイスに適用される層間感圧接着剤層としては、当該シリコーン系PSA形成組成物を硬化することによって得られる厚さ1~1000μmのフィルム状硬化物が、視覚的に透明であることが好ましく、カーボンブラック等の着色添加剤を含有しないことが好ましい。なお、厚さ100μmの硬化層から形成されるディスプレイデバイス用の感圧接着剤層の波長450nmの光の透過率は、視覚的に透明である場合、より客観的には空気に対する値を100%とした場合に、80%以上であり、好適には90%以上であり、95%以上となるように設計されていてもよい。一方、光透過性を必要としない電気又は電子部品の接着等には、半透明~不透明の感圧接着剤層を用いてもよく、光透過性以外の必要とされる特徴に応じて着色性や光透過性を損なう充填剤成分又は添加剤を用いてもよい。
当該層間接着剤層は、上記透明性に加えて、任意選択で硬化層中の白金系金属の含有量を低減することによって、硬化物が着色しないように設計することができる。具体的には、本発明のオルガノポリシロキサン組成物を硬化することによって得られる厚さ100μmの硬化層を硬化させた直後の、JIS Z 8729に規定されるL表色系で測定されるb値を0.15以下~0.10以下とすることができる。このようなb値を有することは、硬化層が実質的に透明であり、黄色ではないことを意味する。
本発明の硬化層は、高温や紫外線等の高エネルギー線に長時間さらされても、色調が大きく変化せず、特に黄変の問題が生じないように設計することができる。具体的には、以下のいずれの評価を行っても、本発明のオルガノポリシロキサン組成物を硬化することによって得られる厚さ100μmの硬化層について、評価直後にJIS Z 8729に規定されるL表色系で測定したb値の変化(Δb)が、0.20以下、好ましくは0.15以下となるように設計することができる。なお、Δbは、数値変化の絶対値である。
(1)熱老化評価:硬化層を105℃で300時間エージングする。
(2)高エネルギー線照射:硬化層の試料に、365nmにおける強度が12mW/cmであり、254nmにおける強度が3.5mW/cmである水銀ランプ(例えば、Ushio Electric Co.,Ltd.製の光学モジュールX等)を用いて、紫外線を室温で75時間照射する。
[電子物品に適用される層間感圧接着剤層としての使用]
被着体との接着性を向上させるために、接着剤層や基材の表面にプライマー処理、コロナ処理、エッチング処理、プラズマ処理等の表面処理を行ってもよい。しかしながら、当該シリコーン系PSA形成組成物を硬化することによって得られる接着剤層は、上述したように、ディスプレイデバイス等の基板に対する接着性に優れるため、必要に応じてこれらの工程を追加して、被着体との接着性を更に向上させることができ、これらの工程を省略することにより、より高い生産効率を達成することができる。
当該シリコーン系PSA形成組成物は、剥離ライナーに塗布し、上記温度条件で加熱した後、剥離ライナーを剥離してフィルム状基材、テープ状基材、シート状基材(以下、「フィルム状基材」という)に貼付した後、又はフィルム状基材に塗布した後、基材表面に感圧接着剤層を形成するように、上記温度条件で加熱硬化することによって硬化させることができる。これらのフィルム状基材上でシリコーン系PSA形成組成物を硬化させることによって得られる硬化層、特にフィルム状感圧接着剤層を備えた積層体は、電子物品の構築及び積層タッチスクリーン又はフラットパネルディスプレイの使用において機能層を結合する又は組み付けるために使用される。上述したように、接着剤層は、組付/結合層機能及び減衰/衝撃吸収層機能の両方を有する単一コーティング層として適用され、本発明の電子物品の製造プロセスは、その層間減衰又は衝撃吸収層を構築するために多工程積層/コーティングプロセスを必要としない簡略化されたプロセスであり得る。
シリコーン系PSA形成組成物のコーティング量は、ディスプレイデバイス等の用途に応じて所望の厚さに設計することができ、一例として、硬化後の感圧接着剤層の厚さは、1~1000μm、5~900μm、10~800μmであってもよい。ただし、これに限定されるものではない。
本発明に係る感圧接着剤層は、要求される特性に応じて、単層であってもよく、2層以上の感圧接着剤層が積層された多層構造であってもよい。感圧接着剤フィルム(フィルム毎に形成される)を結合することによって複数の感圧接着剤層を形成してもよいし、フィルム基材(剥離層を含む)等の上にシリコーン系PSA形成組成物を塗布して硬化させる工程を複数回行ってもよい。
感圧接着剤層は、部材間の接着又は付着機能、減衰/衝撃吸収層機能に加えて、誘電層、導電層、放熱層、絶縁層、補強層等から選択される他の機能層を兼ねてもよい。
当該シリコーン系PSA形成組成物を硬化することによって得られる接着剤層が感圧接着剤層、特に感圧接着剤層である場合には、該硬化層は、剥離コーティング能力を有する剥離層を備えたフィルム基材に剥離可能に接着されたラミネートフィルムとして取り扱われることが好ましい。剥離層は、剥離ライナー、セパレータ、剥離層、剥離コーティング層とも呼ばれ、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、アルキド系剥離剤、フルオロシリコーン系剥離剤等の剥離コーティング能を有する剥離層であることが好ましく、基材の表面に物理的に微細な凹凸を形成することにより、本発明の感圧接着剤層用樹脂シートに接着しにくい基材そのものとして形成してもよい。特に、本発明に係る積層体では、フルオロシリコーン系剥離剤を硬化することによって得られる剥離層が、剥離層として使用されることが好ましい。
上記シリコーン系PSA層であることが好ましい層間接着剤層は、上述したようなtanδ曲線測定における粘弾性特性及び接着強度を有するため、弾性接着部材として各種電子機器や電気デバイスの部材として有用である。特に、層間接着剤層は、電子材料、ディスプレイデバイス用部材、トランスデューサ(センサ、スピーカ、アクチュエータ、ジェネレータを含む)用部材として有用であり、硬化物の用途としては、電子部品用部材、ディスプレイデバイス用部材が好適である。本発明に係る硬化物は、透明であっても不透明であってもよいが、特にフィルム状の硬化物、特に実質的に透明な感圧接着剤フィルムは、ディスプレイパネルやディスプレイの部材として好適であり、指先等で画面に触れることでデバイス、特に電子デバイスを操作することができる、いわゆるタッチパネル用途に特に有用である。また、不透明な弾性接着剤層は透明性を必要としないため、接着剤層自体に一定の弾性や柔軟性が要求されるセンサ、スピーカ、アクチュエータ等に用いられるフィルム状又はシート状部材の用途に特に有用である。
更に、本発明に係る層間接着剤層は、従来のシリコーン感圧接着剤層と同等の感圧接着剤特性を達成することができ、ディスプレイデバイス等の基板への接着性を改善することができ、また、本発明の電子物品における減衰/衝撃吸収層として電子物品に耐衝撃性を提供する。
これらの実施例は、当業者に本発明を例示することを目的とするものであり、請求項に記載の本発明の範囲を制限するものとして解釈すべきではない。表1の材料を、これらの実施例で使用した。なお、本発明における各成分の粘度及び可塑度は、以下の方法を使用して室温で測定した。
(粘度)
粘度(mPa.s)は、JIS K7117-1に準拠した回転粘度計を用いて測定された値であり、動粘度(mm/s)は、JIS Z8803に準拠したウベローデ粘度計を用いて測定された値である。
(可塑度)
可塑度は、JIS K 6249に規定された方法に準拠して測定した値(25℃において4.2gの球状試料に1kgfの荷重を3分間かけたときの厚さを1/100mmまで読み取り、これに100を乗じた値)で表した。
[硬化性オルガノポリシロキサン組成物の調製]
実施例及び比較例の各々に記載された硬化性オルガノポリシロキサン組成物を、表1に示される成分を使用して調製した。また、実施例及び比較例の配合を表2にまとめる。
[オルガノポリシロキサン成分の分子量の測定]
オルガノポリシロキサン樹脂等のオルガノポリシロキサン成分の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、Waters製のゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)を使用して、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、標準ポリスチレン換算で求めた。
[粘弾性:動的機械分析:tanδ]
各組成物を、フルオロシリコーン剥離コーティングでコーティングされた剥離ライナーに、硬化後の厚さが約120μmになるように塗布し、続いて70℃で10分間及び150℃で10分間硬化させた。5枚以上の感圧接着剤フィルムを積層して、500μm~1200μmの厚さを有するフィルム試料を得、その両面を剥離ライナーで挟んだ。フィルムを直径8mmの円形に切断し、機械チラーシステムを備えたTAモデルDHR-2レオメータによるパラレルプレート測定システムを用いて動的機械分析に供した。測定条件は、周波数1Hz、昇温速度3℃/分で-70℃~200℃の範囲とし、貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”、tanδを求め、そこからtanδピークでの温度(Tg)、ピークでのtanδ値、tanδ値が0.5を超える温度範囲を記録した。
実施例1
21.0重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-1、3.0重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-2、53.5重量部のMQシリコーン樹脂B-3、47.0重量部のトルエン、0.44重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーC-1、0.05重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンシロキサンポリマーC-2、及び0.12重量部の硬化阻害剤E-1を室温で十分に混合した後、0.97重量部の白金系ヒドロシリル化反応触媒Dを混合物に添加し、十分に混合して、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を形成した。成分A-1及び成分A-2中のアルケニル基の量に対する成分C-1及び成分C-2中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は36.2であり、固形分に対する白金金属の含有量は80.0ppmであった。
この組成物を上記方法で硬化させた後、上記方法で粘弾性を測定し、評価結果を表3に示した。
実施例2
21.0重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-1、53.5重量部のMQシリコーン樹脂B-3、40.0重量部のトルエン、0.44重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーC-1、及び0.10重量部の硬化阻害剤E-1を室温で十分に混合し、その後、0.92重量部の白金系ヒドロシリル化反応触媒Dを混合物に添加し、十分に混合して、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を形成した。成分A-1中のアルケニル基の量に対する成分C-1中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は33.1であり、固形分に対する白金金属の含有量は80.1ppmであった。
この組成物を上記方法で硬化させた後、上記方法で粘弾性を測定し、評価結果を表3に示した。
実施例3
21.0重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-1、71.5重量部のMQシリコーン樹脂B-3、45.4重量部のトルエン、0.44重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーC-1、及び0.10重量部の硬化阻害剤E-1を室温で十分に混合し、その後、1.12重量部の白金系ヒドロシリル化反応触媒Dを混合物に添加し、十分に混合して、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を形成した。成分A-1中のアルケニル基の量に対する成分C-1中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は33.1であり、固形分に対する白金金属の含有量は79.9ppmであった。
この組成物を上記方法で硬化させた後、上記方法で粘弾性を測定し、評価結果を表3に示した。
実施例4
25.0重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-2、45.7重量部のMQシリコーン樹脂B-2、2.4重量部のMQシリコーン樹脂B-3、49.1重量部のトルエン、0.28重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンシロキサンポリマーC-2、0.01重量部の硬化阻害剤E-1、及び0.21重量部の硬化阻害剤E-2を室温で十分に混合し、その後、0.91重量部の白金系ヒドロシリル化反応触媒Dを混合物に添加し、十分に混合して、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を形成した。A-2成分中のアルケニル基の量に対するC-2成分中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は40.2であり、固形分に対する白金金属の含有量は81.7ppmであった。
この組成物を上記方法で硬化させた後、上記方法で粘弾性を測定し、評価結果を表3に示した。
実施例5
27.4重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-2、45.7重量部のMQシリコーン樹脂B-2、2.4重量部のMQシリコーン樹脂B-3、54.7重量部のトルエン、0.33重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンシロキサンポリマーC-2、0.02重量部の硬化阻害剤E-1、及び0.21重量部の硬化阻害剤E-2を室温で十分に混合し、その後、0.95重量部の白金系ヒドロシリル化反応触媒Dを混合物に添加し、十分に混合して、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を形成した。成分A-2中のアルケニル基の量に対する成分C-2中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は43.3であり、固形分に対する白金金属の含有量は81.5ppmであった。
この組成物を上記方法で硬化させた後、上記方法で粘弾性を測定し、評価結果を表3に示した。
実施例6
16.3重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-1、7.0重量部の非官能性(トリメチルシリル封鎖)ポリジメチルシロキサンガムA’、45.0重量部のMQシリコーン樹脂B-3、36.8重量部のトルエン、0.40重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーC-1、及び0.20重量部の硬化阻害剤E-1を室温で十分に混合した後、0.36重量部の白金系ヒドロシリル化反応触媒Dを混合物に添加し、十分に混合して、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を形成した。成分A-1中のアルケニル基の量に対する成分C-1中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は38.7であり、固形分に対する白金金属の含有量は33.6ppmであった。
この組成物を上記方法で硬化させた後、上記方法で粘弾性を測定し、評価結果を表3に示した。
実施例7
14.0重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-1、9.3重量部の非官能性(トリメチルシリル封鎖)ポリジメチルシロキサンガムA’、45.0重量部のMQシリコーン樹脂B-3、36.8重量部のトルエン、0.40重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーC-1、及び0.20重量部の硬化阻害剤E-1を室温で十分に混合した後、0.36重量部の白金系ヒドロシリル化反応触媒Dを混合物に添加し、十分に混合して、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を形成した。成分A-1中のアルケニル基の量に対する成分C-1中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は45.2であり、固形分に対する白金金属の含有量は33.6ppmであった。
この組成物を上記方法で硬化させた後、上記方法で粘弾性を測定し、評価結果を表3に示した。
[例えば、実施例7で得られた層間接着剤層を用いた積層体の落球試験結果]
厚さ120μm、寸法149mm×69.5mmの感圧接着剤フィルムを、寸法449mm×430mm×20mmのステンレス鋼シートと寸法149mm×69.5mm×0.342mmのガラスシートとの間に、プラスチックハンドローラを使用して積層した。この積層体を、ステンレス板を下に、ガラス板を上にして水平に置き、直径11.11mm、重さ5.6gのステンレス球を300mmの高さからガラス表面に落下させた。感圧接着剤フィルムが積層体に与える耐衝撃性を、ガラスシートが破損するか否かについて観察した。結果を図1に示した。
実施例8
11.7重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-1、11.7重量部の非官能性(トリメチルシリル封鎖)ポリジメチルシロキサンガムA’、45.0重量部のMQシリコーン樹脂B-3、36.8重量部のトルエン、0.40重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーC-1、及び0.20重量部の硬化阻害剤E-1を室温で十分に混合した後、0.36重量部の白金系ヒドロシリル化反応触媒Dを混合物に添加し、十分に混合して、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を形成した。成分A-1中のアルケニル基の量に対する成分C-1中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は54.2であり、固形分に対する白金金属の含有量は33.6ppmであった。
この組成物を上記方法で硬化させた後、上記方法で粘弾性を測定し、評価結果を表3に示した。
比較例1
23.3重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-1、56.8重量部のMQシリコーン樹脂B-1、2.9重量部のMQシリコーン樹脂B-3、30.0重量部のトルエン、0.25重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンシロキサンポリマーC-2、及び0.15重量部の硬化阻害剤E-1を室温で十分に混合し、その後、1.08重量部の白金系ヒドロシリル化反応触媒Dを混合物に添加し、十分に混合して、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を形成した。成分A-1中のアルケニル基の量に対する成分C-2中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は35.6であり、固形分に対する白金金属の含有量は78.7ppmであった。
この組成物を上記方法で硬化させた後、上記方法で粘弾性を測定し、評価結果を表3に示した。
[例えば、比較例1で得られた層間接着剤層を用いた積層体の落球試験結果]
厚さ120μm、寸法149mm×69.5mmの感圧接着剤フィルムを、寸法449mm×430mm×20mmのステンレス鋼シートと寸法149mm×69.5mm×0.342mmのガラスシートとの間に、プラスチックハンドローラを使用して積層した。この積層体を、ステンレス板を下に、ガラス板を上にして水平に置き、直径11.11mm、重さ5.6gのステンレス球を300mmの高さからガラス表面に落下させた。感圧接着剤フィルムが積層体に与える耐衝撃性を、ガラスシートが破損するか否かについて観察した。結果を図2に示した。
比較例2
23.3重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-1、6.0重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-2、56.8重量部のMQシリコーン樹脂B-1、2.9重量部のMQシリコーン樹脂B-3、44.0重量部のトルエン、0.32重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンシロキサンポリマーC-2、及び0.18重量部の硬化阻害剤E-1を室温で十分に混合した後、1.17重量部の白金系ヒドロシリル化反応触媒Dを混合物に添加し、十分に混合して、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を形成した。成分A-1及び成分A-2中のアルケニル基の量に対する成分C-2中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は36.8であり、固形分に対する白金金属の含有量は78.6ppmであった。
この組成物を上記方法で硬化させた後、上記方法で粘弾性を測定し、評価結果を表3に示した。
比較例3
23.3重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-1、13.5重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-2、56.8重量部のMQシリコーン樹脂B-1、2.9重量部のMQシリコーン樹脂B-3、61.4重量部のトルエン、0.42重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンシロキサンポリマーC-2、及び0.22重量部の硬化阻害剤E-1を室温で十分に混合した後、1.28重量部の白金系ヒドロシリル化反応触媒Dを混合物に添加し、十分に混合して、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を形成した。成分A-1及び成分A-2中のアルケニル基の量に対する成分C-2中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は39.0であり、固形分に対する白金金属の含有量は78.5ppmであった。
この組成物を上記方法で硬化させた後、上記方法で粘弾性を測定し、評価結果を表3に示した。
比較例4
23.3重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-1、19.5重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-2、56.8重量部のMQシリコーン樹脂B-1、2.9重量部のMQシリコーン樹脂B-3、75.4重量部のトルエン、0.44重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンシロキサンポリマーC-2、及び0.25重量部の硬化阻害剤E-1を室温で十分に混合した後、1.38重量部の白金系ヒドロシリル化反応触媒Dを混合物に添加し、十分に混合して、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を形成した。成分A-1及び成分A-2中のアルケニル基の量に対する成分C-2中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は35.4であり、固形分に対する白金金属の含有量は78.5ppmであった。
この組成物を上記方法で硬化させた後、上記方法で粘弾性を測定し、評価結果を表3に示した。
比較例5
21.0重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-1、91.5重量部のMQシリコーン樹脂B-3、51.4重量部のトルエン、0.44重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーC-1、及び0.10重量部の硬化阻害剤E-1を室温で十分に混合し、その後、1.33重量部の白金系ヒドロシリル化反応触媒Dを混合物に添加し、十分に混合して、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を形成した。成分A-1中のアルケニル基の量に対する成分C-1中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は33.1であり、固形分に対する白金金属の含有量は79.7ppmであった。
この組成物を上記方法で硬化させた後、上記方法で粘弾性を測定し、評価結果を表3に示した。
比較例6
22.6重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-2、70.7重量部のMQシリコーン樹脂B-2、2.4重量部のMQシリコーン樹脂B-3、52.0重量部のトルエン、0.23重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンシロキサンポリマーC-2、及び0.21重量部の硬化阻害剤E-2を室温で十分に混合し、その後、1.13重量部の白金系ヒドロシリル化反応触媒Dを混合物に添加し、十分に混合して、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を形成した。成分A-2中のアルケニル基の量に対する成分C-2中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は36.5であり、固形分に対する白金金属の含有量は81.2ppmであった。
この組成物を上記方法で硬化させた後、上記方法で粘弾性を測定し、評価結果を表3に示した。
比較例7
22.6重量部のビニル官能性ポリジメチルシロキサンガムA-2、55.7重量部のMQシリコーン樹脂B-2、2.4重量部のMQシリコーン樹脂B-3、46.9重量部のトルエン、0.23重量部の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンシロキサンポリマーC-2、及び0.21重量部の硬化阻害剤E-2を室温で十分に混合し、その後、0.98重量部の白金系ヒドロシリル化反応触媒Dを混合物に添加し、十分に混合して、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を形成した。成分A-2中のアルケニル基の量に対する成分C-2中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は36.5であり、固形分に対する白金金属の含有量は81.6ppmであった。
この組成物を上記方法で硬化させた後、上記方法で粘弾性を測定し、評価結果を表3に示した。
表3に示すように、実施例1~8に係るシリコーン系PSA層形成組成物は、tanδピークでの温度が35℃未満であり、かつピークでのtanδ値が1.0超である層間接着剤層を提供した。実施例1~8に係る組成物によって得られた層間接着剤層をその構造に使用する電子物品は、当該層間接着剤層においてより良好な減衰/衝撃吸収特性を達成するように、機能層間で十分に接合される/組み付けられることが予想された。すなわち、実施例7を用いた積層体への落球試験の図1に示すように、本発明に係る層間接着剤層を有する積層体には、クラックや損傷は観察されなかった。
これに対して、比較例1~8では、本発明の要求特性を満たす層間接着剤層が得られなかった。比較例1~7に係る組成物により得られた層間接着剤層を構造に用いた電子物品は、当該層間接着剤層における減衰/衝撃吸収性が不十分であることが予想された。比較例1を使用した積層体上への落球試験の図2に示されるように、落球は、積層体において観察される巨大かつ重大なクラックをもたらした。

Claims (15)

  1. パラレルプレート測定システムを用いる動的機械分析レオメータによって1Hzで測定される場合、tanδピークでの温度が35℃未満であり、かつピークでのtanδ値が1.0超である層間接着剤層を有する電子物品。
  2. 前記tanδ値が0.5を超える温度範囲の絶対値によって定義される場合、前記層間接着剤層の前記tanδピークの幅が、90℃よりも狭い、請求項1に記載の電子物品。
  3. パラレルプレート測定システムを用いる動的機械分析レオメータによって1Hzで測定される場合、前記層間接着剤層のtanδ曲線が、以下の条件を満たす、
    i)前記tanδピークでの温度が、-50℃~25℃に位置する、及び
    ii)前記tanδ値が0.5を超える温度範囲の絶対値によって定義される前記tanδピークの幅が、50℃から90℃未満の範囲である、請求項1に記載の電子物品。
  4. 前記層間接着剤層が、成分(A)~(D)、
    (A)1分子中に平均して1個より多いアルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサン、
    (B)前記分子中の全ケイ素原子に対する水酸基及び加水分解性基の合計含有量が9モル%以下であるオルガノポリシロキサン樹脂、
    (C)1分子中に少なくとも2個のSi-H結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び
    (D)ヒドロシリル化反応触媒、
    を含むシリコーン系感圧接着剤形成組成物を硬化することによって得られる感圧シリコーン接着剤層である、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子物品。
  5. 前記成分(A)の少なくとも一部が、(A1)JIS K6249に記載の方法により測定される場合、25℃での粘度が100,000mPa.s以上であり、又は可塑度が50~200の範囲内であり、アルケニル基のビニル(CH=CH-)部分の含有量が0.005~0.400質量%の範囲内である、生ゴム状アルケニル基含有オルガノポリシロキサンであり、
    前記成分(B)が、(B1)RSiO1/2単位及びSiO4/2単位から実質的になるオルガノポリシロキサン樹脂又はその混合物であって、Rが一価有機基であり、Rの90モル%以上が炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基である、オルガノポリシロキサン樹脂又はその混合物であり、
    前記成分(C)が、前記成分(A)及び(B)中のアルケニル基の合計量に対する前記成分(C)中のSiH基の量のモル比が1~100となるような量で存在し、
    前記成分(D)が白金系触媒であり、前記組成物の固形分中の白金系金属の含有量が、溶媒を除いた前記シリコーン系感圧接着剤形成組成物中で0.1~200ppmの範囲内となるような量で存在する、請求項4に記載の電子物品。
  6. 前記成分(C)が、前記成分(A)及び(B)中のアルケニル基の合計量に対する前記成分(C)中のSiH基の量のモル比が10~60となるような量で存在する、請求項4に記載の電子物品。
  7. 前記シリコーン系感圧接着剤形成組成物が、(A’)分子内に炭素-炭素二重結合含有反応性基を含有しない直鎖状オルガノポリシロキサンを更に含む、請求項4に記載の電子物品。
  8. 前記層間接着剤層が、減衰/衝撃吸収層として前記電子物品に耐衝撃性を提供すると共に、2つの機能層の間に配置されて、前記2つの機能層を接合する又は組み付ける、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子物品。
  9. 前記層間接着剤層が、実質的に透明であり、少なくとも一方が実質的に透明である2つの機能層の間に配置されて、減衰/衝撃吸収層として電子物品に耐衝撃性を提供すると共に、前記2つの機能層を接合する又は組み付ける、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子物品。
  10. 前記電子物品が、前記層間接着剤層を介してディスプレイユニットが他の機能ユニットに直接接合される、又は組み付けられる構造を有して、電子物品に減衰/衝撃吸収層として耐衝撃性を提供するディスプレイデバイスである、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子物品。
  11. 前記層間接着剤層の厚さが10~1000μmの範囲であり、前記層間接着剤層が、2つの機能層の間に配置されて、前記2つの機能層を単一の接着剤層として接合して、又は組み付けて、前記電子物品における減衰/衝撃吸収層として前記電子物品に耐衝撃性を提供する、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子物品。
  12. 前記電子物品が、パラレルプレート測定システムを用いる動的機械分析レオメータによって1Hzで測定される場合、前記tanδピークでの温度が35℃未満であり、かつ前記ピークでの前記tanδ値が1.0超である前記層間接着剤層以外に、2つの機能層の間に配置された任意の追加の層間減衰/衝撃吸収層を実質的に含まない、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子物品。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の電子物品の製造プロセスであって、少なくとも2つの機能層を、パラレルプレート測定システムを用いる動的機械分析レオメータによって1Hzで測定される場合、前記tanδピークでの温度が35℃未満であり、かつピークでのtanδ値が1.0超である層間接着剤層で組み付ける又は接合する工程を含む、電子物品の製造プロセス。
  14. 電子物品における減衰/衝撃吸収層としての層間接着剤層の使用であって、前記層間接着剤層が、パラレルプレート測定システムを用いる動的機械分析レオメータによって1Hzで測定される場合、tanδピークでの温度が35℃未満であり、かつピークでのtanδ値が1.0超である、使用。
  15. 前記電子物品中の2つの機能層の間に単一の層間接着剤層が存在し、追加の層間発泡体層又は減衰/衝撃吸収層が存在しない、請求項14に記載の使用。
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