JP2515517B2 - 光記録媒体の製造方法 - Google Patents

光記録媒体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光記録媒体の製造方法に関し、更に詳しくは
光ディスク記録媒体の記録層の塗布方法に関するもので
ある。
[従来の技術] 従来、光学的有機記録媒体はプラスチックなどの透明
な基板上に有機色素を主成分とする記録層を設け、該記
録層の表面に集束したレーザー光を走査し、レーザー光
が照射された表面の部分のみにピットが形成され、情報
が高密度に記録される。
この記録された情報は、弱いレーザー光を走査して、
ピットが形成された部分とピットが形成されていない部
分の反射率、透過率等の光学的変化を検出することによ
り読み出しが行われる。
上記の光学的有機記録媒体の記録層を形成する方法と
しては、塗布による形成方法がスパッタ法、真空蒸着法
等の形成方法よりも生産性、コスト、歩留り等の点で有
利である。
塗布方法としてはスピンコート、浸漬法、ロールコー
ト、バーコート、ナイフコート、ブレードコート、スプ
レーコート、凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印
刷、凹版印刷、スクリーン印刷、タンポ印刷等の方法が
行われているが、これらのうち継ぎ目がなく、均一でか
つ平滑な表面が得られ、低廉かつ生産性のよい塗布方法
としては浸漬塗布方法が好適である。
第1図は浸漬塗布方法の一例を示す説明図である。同
第1図において、浸漬塗布方法は、駆動モーター5の駆
動により昇降ねじ4を回転し、基板1を支持している支
持棒6を上下に移動せしめて基板1を塗布槽3中の塗布
液2に浸漬し、次いで引き上げることにより基板上に記
録層を形成する方法である。
この場合、塗膜の膜厚は塗布液の濃度、塗布溶剤の蒸
気圧および引き上げ速度によって決定され、塗布液の濃
度が高く、引き上げ塗布速度が速く、塗布溶剤の蒸気圧
が高いほど膜厚は厚くなることが知られている。
しかしながら、引き上げ速度が速い場合には、塗膜が
乾燥して固定されるまでに、だれを生じて被塗布体の上
部の膜厚は薄く、下部の膜厚は厚くなるという現象が起
こる。特に、塗布液の濃度が低くて、塗布溶剤の蒸気圧
が低く、塗膜の乾燥がおそい場合には、だれ現象が非常
に発生しやすい。
このような傾向は、特に光ディスク基板のように、中
央部に穴を有する被塗布体の場合、穴の周囲において特
に著るしい。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記の様な従来技術の欠点を改善するために
なされたものであり、浸漬塗布方法によって記録層を塗
布する工程において、特定の塗布溶剤を使用して塗布液
の濃度を調整し、さらに特定の塗布速度で基板を引き上
げることにより、良好な表面性および膜厚が得られるこ
とを知見し本発明を完成したものである。
[問題点を解決するための手段] 即ち、本発明は、有機染料を含有する記録層を基板上
に具備する光記録媒体の製造方法において、有機染料お
よび塗布溶剤を含有し、不揮発分濃度を0.1〜10%に調
整した塗布液を用意する工程、及び該塗布液に基板を浸
漬し、次いで該基板を該塗布液中から1.3〜25cm/分の速
度で引き上げて該記録層を形成する工程を有し、また該
塗布溶剤がエタノール、n−プロパノール、n−ブタノ
ール、n−ペンタノール、iso−プロパノール及びiso−
ブタノールからなる群から選ばれる溶剤であることを特
徴とする光記録媒体の製造方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、光記録媒体の浸漬塗布法によって記録層を
塗布する工程において、最も良好な表面性および膜厚が
得られる塗布溶剤の蒸気圧、塗布液の不揮発分濃度およ
び引き上げ塗布速度の関係を示したものである。
光記録媒体において、記録層の膜厚は記録感度、再生
信号強度、再生信号の誤まり率等に影響を及ぼすもの
で、使用される染料および樹脂等の種類によって最適値
が定められている。通常は0.03〜0.7μの範囲に選ばれ
るが、この定められた膜厚に塗布するためには、塗布液
の濃度が低い場合には、塗布溶剤として沸点が低く、蒸
発熱の小さいものを選び、引き上げ塗布速度を速くすれ
ばよい。
他方、塗布液の濃度が高い場合には、塗布溶剤として
沸点が高く、蒸発熱の大きいものを選んで、引き上げ塗
布速度を遅くすればよい。
この様な観点から、本発明者等の実験の結果、本発明
においては、引き上げ塗布速度1.3〜25cm/分において、
不揮発分濃度が0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%に調整
した塗布液を用いることが望ましい。
不揮発分濃度が0.1%未満の場合には、引き上げ塗布
速度を25cm/分をこえる高速にしなくては所望の膜厚が
得られず、しかもこのような高速で引き上げると、塗膜
のだれ、すなわち重力による塗布面のずり落ちが発生し
て膜厚のムラがひどくなって光ディスク媒体として不適
当である。また不揮発分濃度が10%をこえると引き上げ
塗布速度を著しく遅くしても膜厚が厚くなりすぎたり、
塗料としての流動性が低下して不適当である。
本発明に用いられる塗布溶剤としては蒸気圧が20℃に
おいて1.5mmHg以上、好ましくは10〜400mmHgの溶剤が望
ましく、蒸気圧が1.5mmHg未満の場合には引き上げ塗布
速度を遅くしてもだれが生じ、特に基板の中央部の穴の
付近で著しいために塗布膜の形成が困難である。
また、本発明において基板を前期濃度の塗布液から引
き上げる塗布速度は1.3〜25cm/分、好ましくは3〜20cm
/分が望ましく、1.3cm/分未満では膜厚が薄くなりす
ぎ、また25cm/分をこえると膜厚が厚くなり、だれが生
ずるので好ましくない。
本発明の光記録媒体の製造方法において、記録層を形
成する塗布液に含有される不揮発分としては、シアニ
ン,メロシアニン,トリフェニルメタン,ナフトキノ
ン,キサンテン,スクアリウム,アズレン,メチンおよ
びピリリウムなどを含めて、アゾ,スチルベン,フタロ
シアニン系の直接染料、アゾ,アントラキノン,トリフ
ェニルメタン,キサンテン,アジン系の酸性染料、シア
ニン,アゾ,アジン,トリフェニルメタン,アズレン,
メチン,ピリリウム系の塩基性染料、アゾ,アントラキ
ノン,キサンテン,トリフェニルメタン系の媒染、酸性
媒染染料、アントラキノン,インジゴイド系の建染染
料、アゾ,アントラキノン,フタロシアニン,トリフェ
ニルメタン系の油溶染料、硫化染料、およびジチオール
系の金属錯体等が単独又は複数適宜混合して使用され
る。
また、必要に応じて成膜性および塗膜安全性を考慮し
てバインダーを混合することもできる。
好適なバインダーとしては、広範な樹脂から選択する
ことができる。具体的にはニトロセルロース,リン酸セ
ルロース,硫酸セルロース,酢酸セルロース,プロピオ
ン酸セルロース,酪酸セルロース,ミリスチン酸セルロ
ース,パルミチン酸セルロース,酢酸・プロピオン酸セ
ルロース,酢酸・酪酸セルロースなどのセルロースエス
テル類、メチルセルロース,エチルセルロース,プロピ
ルセルロース,ブチルセルロースなどのセルロースエー
テル類、ポリスチレン,ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニ
ル,ポリビニルブチラール,ポリビニルアセタール,ポ
リビニルアルコール,ポリビニルピロリドンなどのビニ
ル樹脂類、スチレン−ブタジエンコポリマー,スチレン
−アクリロニトリルコポリマー,スチレン−ブタジエン
−アクロニトリルコポリマー,塩化ビニル−酢酸ビニル
コポリマーなどの共重合樹脂類、ポリメチルメタクリレ
ート,ポリメチルアクリレート,ポリブチルアクリレー
ト,ポリアクリル酸,ポリメタクリル酸,ポリアクリル
アミド,ポリアクリロニトリルなどのアクリル樹脂類、
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ポ
リ(4,4′−イソプロピリデンジフェニレン−コ−1,4−
0シクロヘキシレンジメチレンカーボネート),ポリ
(エチレンジオキシ−3,3′−フェニレンチオカーボネ
ート),ポリ(4,4′−イソプロピリデンジフェニレン
カーボネート−コ−テレフタレート),ポリ(4,4′−
イソプロピリデンジフェニレンカーボネート),ポリ
(4,4′−sec−ブチリデンジフェニレンカーボネー
ト),ポリ(4,4′−イソプロピリデンジフェニレンカ
ーボネート−ブロック−オキシエチレン)などのポリア
リーレート樹脂類、あるいはポリアミド類、ポリイミド
類、ポリウレタン類、エポキシ樹脂類、フェノール樹脂
類、ポリエチレン,ポリプロピレン,塩素化ポリエチレ
ン,ポリブテン,ポリイソブチレンなとのポリオレフィ
ン類、天然ゴム,イソプレンゴム,クロロプレンゴム等
のエラストマー類などを用いることができ、その他場合
により樹脂以外の鯨ロウ,ミツロウ,ラノリン,カルナ
バワックス,キャンデリラワックス,モンタンワック
ス,セレシンワックス等の天然ワックス、パラフィンワ
ックス,マイクロクリスタリンワックス等の石油ワック
ス、酸化ワックス,エステルワックス,フィッシャート
ロプシュワックス等の合成ワックス、ラウリン酸,ミリ
スチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,ベヘニン酸等
の高級脂肪酸、ステアリルアルコール,ベヘニルアルコ
ール等の高級アルコール、ショ糖の脂肪酸エステル,ソ
ルビタンの脂肪酸エステル等のエステル類、オレイルア
ミド等のアミド類を適宜混合させることができる。
本発明において、塗布溶剤は蒸気圧が20℃において1.
5mmHg以上の溶剤が用いられ、その具体例を示すと、エ
タノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペ
ンタノール、iso−プロパノール、iso−ブタノール等が
挙げられる。
[作用] 本発明の光記録媒体の製造方法は、塗布溶剤として蒸
気圧が20℃において1.5mmHg以上の溶剤を使用し、不揮
発分濃度を0.1〜10%に調整した塗布液に基板を浸漬
し、塗布速度1.3〜25cm/分で引き上げて記録層を形成す
るので、塗布液は含有されている不揮発分により粘度が
調整されると共に前記塗布溶剤の蒸発速度および引き上
げ塗布速度との相乗作用により、膜厚0.03〜0.7μの塗
膜の記録層をだれが生ずることなく基板上に形成するこ
とができるものと推定される。
[実施例] 以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1 第1図に示す様な形状の、一方の中央部に20mmφの穴
を有する200mmφのポリカーボネート製の基板を用いて
実験を行った。
下記の構造式[I]で示されるポリメチン染料を用い
て、不揮発分濃度が12%、10%、5%、1%、0.5%、
0.1%になるように、エタノール、n−プロパノール、
n−ブタノールおよびn−ヘキサノールを塗布溶剤とし
て塗布液を調整した。
これらの塗布液を用いて乾燥後の膜厚が0.07μとなる
ように浸漬法で塗布した。各塗布溶剤における不揮発分
濃度と引き上げ速度との関係を第1表乃至第4表に示
す。
以上の第1表乃至第4表の結果から明らかな様に、n
−ヘキサノールのように蒸気圧の小さい溶剤では良好な
塗布を行うことができなかった。
[発明の効果] 以上説明した様に本発明の光記録媒体の製造方法によ
れば、浸漬塗布工程においてだれが生ずることなく、膜
厚0.03〜0.7μの良好な表面性を有する均一な厚さの記
録層を基板上に形成した光記録媒体を容易に得ることが
できる優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は浸漬塗布方法の一例を示す説明図である。 1……基板、2……塗布液 3……塗布槽、4……昇降ねじ 5……駆動モーター、6……支持棒

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機染料を含有する記録層を基板上に具備
    する光記録媒体の製造方法において、有機染料および塗
    布溶剤を含有し、不揮発分濃度を0.1〜10%に調整した
    塗布液を用意する工程、及び該塗布液に基板を浸漬し、
    次いで該基板を該塗布液中から1.3〜25cm/分の速度で引
    き上げて該記録層を形成する工程を有し、また該塗布溶
    剤がエタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、
    n−ペンタノール、iso−プロパノール及びiso−ブタノ
    ールからなる群から選ばれる溶剤であることを特徴とす
    る光記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】基板が中央部に穴を有する特許請求の範囲
    第1項記載の光記録媒体の製造方法。
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