JP2534793B2 - 電気絶縁装置用絶縁基板の製造方法 - Google Patents

電気絶縁装置用絶縁基板の製造方法

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JP2534793B2 JP2139587A JP13958790A JP2534793B2 JP 2534793 B2 JP2534793 B2 JP 2534793B2 JP 2139587 A JP2139587 A JP 2139587A JP 13958790 A JP13958790 A JP 13958790A JP 2534793 B2 JP2534793 B2 JP 2534793B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば混成集積回路のような電気装置用絶
縁基板の製造方法に関する。
[従来技術] 従来、混成集積回路用基板のような電気装置用絶縁基
板には、電気絶縁性の優れたセラミック基板が主に用い
られている。しかし、セラミックは機械的強度、とくに
抗折力が弱く、加工することができない。またセラミッ
ク基板は、基板が大きくなるにしたがって、平坦度が悪
くなり、このためセラミックで大型の基板を作ることは
困難である。
このためセラミック基板に代えて金属基体を用いるこ
とが幾つか提案されている。特願昭62−303756号(特開
平1−145887号)は、クロム10〜30重量%に必要により
アルミニウム0.05〜7重量%、シリコン0.05〜5重量
%、チタン0.1〜3重量%などを添加した金属基体を、
水素を含む還元雰囲気中で加熱処理して、鉄酸化物を含
まない皮膜を形成し、ついでこの基体の一部または全部
にガラス絶縁層を形成する電気装置用絶縁基板の製造方
法を開示している。
電気装置用の基体にガラス絶縁層を形成する公知の方
法には、スクリーン印刷法がある。この印刷法により、
スルーホールを有する基体にガラス絶縁層を形成する場
合、まず、基体の一面にある鉄酸化物を含まない皮膜の
上にペースト化した或いはスラリー化したガラス質物質
を印刷し、ついでレベリングし、次ぎにガラス質物質を
真空引きしてスルーホール内にガラス質物質を移動せし
め、このことによりスルーホール内にガラス質物質を被
覆せしめ、これを乾燥後焼成する。そしてまた基体の他
面についても同様の工程を繰返す。
この方法では、基板のスルーホール内壁にガラス絶縁
層を被覆するために、ガラス質物質の真空引き工程が必
要であり、しかもこの工程は、スルーホールの径寸法や
位置により、作業が困難な場合がある。さらにこの方法
で得られる絶縁基板は、ガラス厚が40μmで、スルーホ
ールの耐電圧が最大500V程度と低い問題がある。
そこで、本発明者は、電気泳動法に着目した。しか
し、電気泳動法は、基体が導電性でないと有効に働かな
い問題がある。この場合、一般に、金属表面にNiめっき
処理がなされる。
[発明が解決しようとする技術的課題] 本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、 その目的とするところは、BA皮膜が導電性を有するこ
とに着目し、基板のスルーホール内壁などに、簡単な工
程でガラス絶縁物を被覆でき、しかも得られた絶縁基板
のスルーホール部の耐電圧が高い方法を提供することで
ある。
[課題を解決する手段及び作用] 本発明の電気絶縁装置用絶縁基板の製造方法は、クロ
ム10〜30重量%と残部鉄及び不可避的不純物からなる合
金基体、クロム10〜30重量%とアルミニウム0.05〜7重
量%と残部鉄及び不可避的不純物からなる合金基体、ク
ロム10〜30重量%とシリコン0.05〜5重量%と残部鉄及
び不可避的不純物からなる合金基体或いはクロム10〜30
重量%とアルミニウム0.05〜7重量%およびチタン0.1
〜3重量%と残部鉄及び不可避的不純物からなる合金基
体を、水素を含む還元雰囲気中で、鉄酸化物が鉄と酸素
とに分解する露点以下で加熱処理して、金属基体表面
に、鉄酸化物を含まない皮膜を形成する工程と、この金
属基体に形成された皮膜上の少なくとも一部に電気泳動
法によりガラス絶縁層を形成する工程とを具備してい
る。
本発明では、まず金属基体1を用意する。好適な金属
基体1は、加工性、耐食性、耐熱性がいずれも優れたも
のであるのがよく、その組成は、クロム10〜30重量%と
残部鉄及び不可避的不純物からなる合金を基本とする。
この組成にアルミニウム0.05〜7重量%又はシリコン0.
05〜5重量%をさらに添加した合金でもよい。またクロ
ム10〜30重量%とアルミニウム0.05〜7重量%とチタン
0.1〜3重量%と残部鉄及び不可避的不純物からなる合
金でもよい。さらにクロム10〜30重量%とニッケル6〜
20重量%と残部鉄および不可避的不純物からなる合金で
もよい。これら合金で、クロムの添加範囲を上記範囲に
した理由は、含有量が少なすぎると上記効果が発揮され
ず、また多すぎると材料の加工性が悪くなるためであ
る。アルミニウム、シリコン、チタン、ニッケルについ
ても同様のことがいえる。この金属基体は、金属学的組
織の違いによっても本発明の効果にほとんど影響を与え
ないため、その金属学的組織はとくに限定されない。例
えば、圧延組織のものでも、焼鈍組織のものでも有効で
ある。
ついでこの様に準備された金属基体を、水素を含む還
元雰囲気中で加熱処理して、金属基体表面に、導電性が
劣化しない程度の、鉄酸化物を含まない皮膜2を形成す
る。水素を含む還元雰囲気は、例えばアンモニアの分解
によって形成される水素と窒素との混合雰囲気であり、
かつ加熱処理は鉄酸化物が鉄と窒素とに分解する露点以
下でおこなう。この加熱処理により得られた鉄酸化物を
含まない皮膜は、いわゆるBA皮膜:光輝焼鈍(Bright A
nnealing:通称BA)によつて得られる半導体性の皮膜
で、金属基体が鉄−クロム系合金であるにもかかわら
ず、鉄酸化物を含まず、場合によってはクロム酸化物を
も含まず、主にアルミニウム酸化物など、酸素分圧の解
離度の低い酸化物からなる。この皮膜とガラス質絶縁物
層との密着性は、金属基体とガラス質絶縁物層との密着
性よりも良好で、その結果金属基体とガラス質絶縁物層
の密着性、とくに高温での加熱を繰返した時の密着性を
向上させることができる。この様な優れた密着特性を有
するのは、この皮膜(酸化物)の緻密性が高く、金属基
体から鉄分がガラス層内に拡散することがないためと発
明者は推定している。鉄酸化物を鉄と酸素とに分解する
ために、すなわち皮膜に鉄酸化物を含ませないために、
還元雰囲気の露点を好ましくは−20℃以下、特に好まし
くは−40℃以下とするのがよい。この様に低い露点で加
熱処理することにより、形成される皮膜はアモルファス
が多く、結晶質の少ない構造とすることも出来、好適で
ある。なお、皮膜のアモルファス化は、金属基体の成
分、皮膜形成時の雰囲気、皮膜形勢後の冷却速度、及び
加熱処理温度を制御することによりおこなわれる。加熱
温度は、500〜1200℃、特に好ましくは800〜900℃とす
るのがよい。処理時間は短くても良く、所定の温度に達
していることが重要である。しかし、金属基体を高温、
例えば900℃以上の温度に長時間さらすと、材料の加工
性が劣化するので、この点に注意を要する。この様に還
元雰囲気で生成された皮膜は、厚さが100〜200Åで、絶
縁性にならず、半導体的な電気伝導性を有している。
ついでこの皮膜の上の一部または全部に電気泳動法に
よりガラス絶縁層3を形成する。ここでは、上記皮膜が
半導体的な電気伝導性を有しているため、電気泳動法の
有効適用が可能となる。とくに金属基体のスルーホール
の内壁をガラス絶縁層で良好に被覆することができる。
なお、基板が小さい場合、電気泳動法のみによりガラ
ス絶縁層を形成することも可能であるが、基板が大きい
場合、電気泳動法によりスルーホールの内壁にガラス絶
縁層を形成し、それ以外の箇所については、スクリーン
印刷法で被覆するようにするのが効率的である。
[実施例] クロム15重量%、アルミニウム4重量%、残部鉄およ
び不可避的不純物からなる厚さ0.4mmの金属基体(25.4m
m×25.4mm)を用意し、これを水素75容量%−窒素25容
量%の混合雰囲気中、露点−40℃、温度870℃で30秒間
加熱処理して、金属基体表面にBA皮膜を形成した。この
皮膜の厚さは、約200Åであり、鉄及び鉄酸化物がな
く、アルミニウム酸化物を主体とする緻密なアモルファ
ス構造であった。
また、ガラス懸濁液を作成した。まず、日本電気硝子
社製の結晶化ガラス(GA−30:商標名)を用意した。こ
の結晶化ガラス200gをイソプロピルアルコール500ccと
とともに2ボールミルにて、24時間湿式粉砕し、平均
粒径2〜3μmまで細かくしてスラリーとした。このよ
うにして得られたスラリーを分散剤と混ぜてガラス懸濁
液を作製した。
ついで、電着槽の底部にスターラーを配置するととも
に、槽内両側に対電極を配置し、この中に上記ガラス懸
濁液を入れ、さらに上記BA皮膜を形成した金属基体を上
記対電極の間に位置させた(金属基体と対電極との間
隔:15〜20mm)。そして金属基体をマイナス、対電極を
プラスとしてDC電圧100〜300Vを1分間印加し、つい
で、金属基体と対電極との電圧を0として、金属基体を
1〜2mm/秒の引上げ速度で上昇させて、ガラス懸濁液か
ら引出した。この金属基体を乾燥後、850℃×10分の大
気焼成をおこなって、本発明の絶縁基板を製造した(結
晶質系のガラス絶縁層の厚さ40μm)。
この方法で得られた、基板のスルーホール内壁を観察
したところ、内壁全てにガラス絶縁層が被覆されている
ことが分かった。
また、スルーホール部の耐電圧を測定したところ、1K
V以上であった。さらに、表面粗さを測定した結果、0.3
〜0.4Raμmであり、この絶縁基板上に導体ペースト、
回路、抵抗などを良好にスクリーン印刷することができ
た。
比較例1 スクリーン印刷法でガラス絶縁層を形成した以外、上
記実施例と同じ条件で絶縁基板を製造した。そのスルー
ホール部の耐電圧を測定した結果、最大500Vしかなかっ
た。
比較例2 金属基体表面に、鉄酸化物を含まない皮膜を形成した
後、さらにテンパー処理して絶縁皮膜を形成し、これに
対して上記実施例と同じ条件でガラス絶縁層を形成して
絶縁基板を製造した。
この絶縁基板上に導体ペースト、回路、抵抗などをス
クリーン印刷しても、これらを形成することができなか
った。
実験例 次ぎに実施例の基板と比較例2の基板上に回路を形成
して、その導体、抵抗の回路特性を調べた。その結果を
表1に示す。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明で得らえる皮膜は、絶縁
体にならない皮膜なので、電気泳動法によりこの皮膜上
にガラス絶縁層を形成することができる。この結果、電
気泳動法を利用してもめっき処理が不要であり、従来の
スクリーン法では被覆することが出来なかった金属基体
のスルーホール内壁箇所にも良好にガラス絶縁層を形成
して、ここを被覆することが出来る。しかも、ガラス絶
縁層の表面は、厚膜回路形成に必要な表面平滑性が得ら
れる。また、金属露出部があっても、耐食性、耐熱性が
強く、再焼成時に耐え得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明にかかる絶縁基板の概略断面図であ
る。 1……金属基体、2……皮膜、3……ガラス絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 13/20 C25D 13/20 C H05K 3/44 H05K 3/44 C

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロム10〜30重量%と残部鉄及び不可避的
    不純物からなる合金基体を、水素を含む還元雰囲気中
    で、鉄酸化物が鉄と酸素とに分解する露点以下で加熱処
    理して、金属基体表面に、鉄酸化物を含まない皮膜を形
    成する工程と、この合金基体に形成された皮膜上の少な
    くとも一部に電気泳動法によりガラス絶縁層を形成する
    工程とを具備した電気絶縁装置用絶縁基板の製造方法。
  2. 【請求項2】クロム10〜30重量%とアルミニウム0.05〜
    7重量%と残部鉄及び不可避的不純物からなる合金基体
    を、水素を含む還元雰囲気中で、鉄酸化物が鉄と酸素と
    に分解する露点以下で加熱処理して、金属基体表面に、
    鉄酸化物を含まない皮膜を形成する工程と、この合金基
    体に形成された皮膜上の少なくとも一部に電気泳動法に
    よりガラス絶縁層を形成する工程とを具備した電気絶縁
    装置用絶縁基板の製造方法。
  3. 【請求項3】クロム10〜30重量%とシリコン0.05〜5重
    量%と残部鉄及び不可避的不純物からなる合金基体を、
    水素を含む還元雰囲気中で、鉄酸化物が鉄と酸素とに分
    解する露点以下で加熱処理して、金属基体表面に、鉄酸
    化物を含まない皮膜を形成する工程と、この合金基体に
    形成された皮膜上の少なくとも一部に電気泳動法により
    ガラス絶縁層を形成する工程とを具備した電気絶縁装置
    用絶縁基板の製造方法。
  4. 【請求項4】クロム10〜30重量%とアルミニウム0.05〜
    7重量%およびチタン0.1〜3重量%と残部鉄及び不可
    避的不純物からなる合金基体を、水素を含む還元雰囲気
    中で、鉄酸化物が鉄と酸素とに分解する露点以下で加熱
    処理して、金属基体表面に、鉄酸化物を含まない皮膜を
    形成する工程と、この合金基体に形成された皮膜上の少
    なくとも一部に電気泳動法によりガラス絶縁層を形成す
    る工程とを具備した電気絶縁装置用絶縁基板の製造方
    法。
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