JP2543833B2 - プラズマ重合膜の製造方法 - Google Patents

プラズマ重合膜の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、プラズマ重合膜の製造方法に関する。さら
に詳しくは、電極を構成する金属元素含有物質と炭素を
含有する重合性の原料ガスとを推積・重合させたプラズ
マ重合膜の製造方法に関する。
先行技術とその問題点 重合膜、特に薄膜を利用した技術は近年ますます重要
度を増している。この薄膜の形成方法には種々の方法が
あるが、なかでも真空薄膜形成法は、エレクトロニクス
を中心とした知識産業や電子工業、時計工業、カメラな
どの光学工業等においては欠くことのできない重要な技
術となっている。それだけに薄膜およびその製造方法そ
のもの、その応用についての研究は非常に盛んで、つぎ
つぎに新しい膜および方法が開発されている。
なかでも特にプラズマ重合膜は、その優れた膜特性が
注目されており、種々の用途に利用されている。しかし
ながらこのものは主として、有機ガスを原料ガスとして
用いるために、形成される膜は有機膜であり、例えば導
電性付与等の膜の改質は困難とされてきた。
そこで、本発明者らは、原料ガスとして有機金属モノ
マーガスを用いて金属を含有させたプラズマ重合膜を形
成する旨の提案を行っている(特開昭58−222115号公
報)。
このものは、従来のプラズマ重合膜に帯電防止等の効
果を付与した改質膜である。しかしながら、この場合に
は、原料の供給が必ずしも豊富でなく、原料中の炭素と
金属の比率を任意に変えることが困難である。そのた
め、薄膜中に含有される金属の種類と含有率がある程度
限定され、薄膜の基本的性質例えば電気伝導度、帯電防
止能等を任意にかえることは容易ではない。
また特開昭58−88829号公報には、金属を含むフッ化
カーボン系の重合膜を有する磁気記録媒体およびその製
造方法が提案されている。
これによれば耐久性、耐食性に優れた特性を有する保
護膜を有する媒体およびその製造方法が得られるとされ
ている。しかしながらこの提案に開示されている条件の
範囲内[後述のW/(F・M)107Joule/kg]では膜中
に含有される金属元素の量を多くすることはできず、例
えば、導電性を付与するまでには至らず、しかもこの含
有量を任意にかえることもできない。
II発明の目的 本発明の目的は、 薄膜中に含有される金属の種類と含有率を任意にかえ
ることができ、薄膜の基本的性質、例えば電気伝導度等
を任意にかえることができ、膜厚の制御等が容易で、製
造コストが容易なプラズマ重合膜の製造方法を提供する
ことにある。
III発明の開示 このような目的は、下記の本発明によって達成され
る。
すなわち、本発明は、原料ガスを電極間に流入して電
極を構成する金属元素含有物質と炭素を含有する重合性
の原料ガスとを埋積、重合させるプラズマ重合膜の製造
方法において、 重合膜の形成が5Pa以下の作動圧でW/(F・M)[こ
こに、Wはプラズマ投入電力(Joule/sec)であり、F
は原料ガス流量、Mは原料ガス分子量でF・Mの単位は
kg/sec]値が108Joule/kg以上の条件で行われ、 膜中の金属元素Mtと炭素Cの原子比Mt/(C+Mt)が
0.01以上であることを特徴とするプラズマ重合膜の製造
方法である。
IV発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明の重合膜はプラズマ雰囲気下にて、電極を構成す
る金属元素含有物質と炭素を含有する重合性の原料ガス
とを推積・重合させて形成される。従って、重合膜中に
は金属元素Mtと炭素Cが含有されており、この原子比Mt
/(C+Mt)は0.01以上、特に0.05〜0.999である。Mt/
(C+Mt)が0.01未満であると、重合膜が導電性等の電
子機能を有しない。本発明においては、目的の電子機能
を発現させる様にMt/(C+Mt)を適宜、変更・設定す
ればよい。
なお、通常、膜中の金属元素Mtの含優量は0.5〜99.9a
t%程度である。このような金属元素含有量を有するプ
ラズマ重合膜は、後述するプラズマ重合条件下において
のみ実現するものである。なお、金属元素は、膜中に1
種あるいは2種以上含有されてもよい。
本発明に用いる電極を構成する金属元素含有物質とし
ては、通常、各種の金属単体や合金あるいは金属化合物
が用いられる。
金属単体としては、例えば、Cu、、Al、Fe、Co、Ni、
Ga、Mg、Ti、Mn、Zn、Se、Ag、Cd、In、Sn、Au、Pb、M
o、W、Cr、B、Be、Bi、Hf、Nb、Pd、Pt、Sb、Si、T
a、Te、V、Zr、Tlなどや、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、P
m、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希
土類金属が挙げられる。
合金としては、Mu−Al、Co−Ni、Co−Cr、Co−Fe、Al
−Cu、Al−Si、Cu−Sn、Ge−Ta、Au−Ge、Cu−Zr、Cu−
Mn、Cr−Si、In−Sn、Ni−Cr、Sb−In、Fe−Dy、Fe−T
b、Fe−Ni、Fe−P、Li−Al、Li−Bi、Sb−Sn、Mo−S
i、Li−Sn、Li−Ca、Li−Cu、Li−In、Li−Si、Ni−
P、Ti−Si、Pb−Sn、Cd−Te、Co−Nb、Co−P、Co−T
a、Co−Zr、Co−Gd、Cu−Bi−Mu、Ni−Fe−Cr、Co−Fe
−Nb、Co−Fe−Zr、Co−Mo−Zr、Co−Ta−Zr、Fe−Al−
Si、Fe−Dy−Si、Co−B−Fe−Si、Fe−Al−Ni−Si、Fe
−B−Co−Siなどが挙げられる。
金属化合物としては、AlF3、BaF2、BiF3、CaF2、Ca
F3、LaF3、LiF、MgF2、NaF1、YF3などのフッ化物や、 Al2O3、As2O3、B2O3、Bi2O3、CdO、CaO、CeO、CeO2、
Cr2O3、CoO、Eu2O3、Er2O3、GeO2、HfO2、In2O3、Fe
2O3、La2O3、MgO、MnO2、MoO3、Nb2O5、Ho2O3、Nd2O3、
NiO、Nd2O5、PbO、Sb2O3、SiO、SiO2、SeO2、SnO2、Ta2
O5、Tm2O3、TiO2、TeO2、WO3、V2O5、Y2O3、Yb2O3、Zn
O、ZrO2、Pr6O11、Sm2O3、Tb4O7、BaTiO3、BiTiO3、CaO
−Y2O3、Cr−SiO、In2O3−SnO3、LiTaO3、LiNbO4、PbTi
O3、PbZrO3、SnO2−Sb2O3、ZrO2−Co、ZrO2−SiO2、Ta
−SiO2、WO3−Nb2O5、WO3−TiO3、In2O3−SnO2などの酸
化物や、 As2S3、Bi2S3、CdS、Cu2S、Ga2S、HgS、In2S3、PbS、
MoS2、NiS、SuS、TaS2、TiS2、WS2、ZnS、Sb2S3などの
硫化物や、 AS2Se3、Bi2Se3、CdSe、PbSe、Sb2Se3、SnSe、ZnSeな
どのセレン化物や、 Bi2Te3、CdTe、Ca2Te、GeTe、SnTe、ZnTeなどのテル
ル化物や、 AlN、BN、NbN、Si3N4、TaN、TiN、VN、ZrN、TiCNなど
の窒化物や、 Al4C3、B4C、Cr3C2、HfC、Mo2C、NbC、SiC、TaC、Ti
C、WC、VC、ZrCなどの炭化物や、 AlB2、CrB2、HfB2、LaB2、LaB6、MoB2、NbB2、TaB2、
TiB2、WB、VB2、ZrB2などのホウ素化物や、 InAs、InGa、InP、GaAs、GaP、InSb、GaSb、ZnP2、Zn
3P2、TlCO3、TlNO3、BaTiO3などのその他の化合物等が
挙げられる。
電極は金属そのものでもよく、金属材料電極上に金属
含有セラミックス、フェライト等を焼成して作成しても
よい。
本発明のMt/(C+Mt)原子比の測定は、SIMS(2次
イオン質量分析)に従い測定することができる。SIMSを
用いる場合、Ar等でイオンエッチングを行いながらCお
よびMtのプロファイルを測定して、層平均値を算出して
Mt/(C+Mt)とすればよい。
比率の計算は金属元素Mtと炭素Cのそれぞれのカウン
ト数から、その検出感度比をコレクションファクターと
して算出を行う。
SIMSの測定については、表面科学基礎講座(1984)第
3巻表面分析の基礎と応用P70“SIMSおよびLAMMA"の記
載に従えばよい。
その他、Auger、ESCA等によっても測定可能である
が、もっとも感度よく、しかも広い範囲の組成物につい
て測定できるのはSIMSである。
なお、Mt/(C+Mt)は膜厚方向に勾配をつけること
もできる。
本発明の重合膜の形成に際して、重合性の原料ガスと
しては、特に制限はなく各種の有機ガスを用いることが
できる。これらの中では特に、操作性の良いことから、
常温で気体のものが好ましい。
また異なる有機原料ガスを同時に二種以上用いること
もできる。
この場合には、後述するFおよびMはその総和で算入
される。
このような原料ガスとしては、プラズマ重合可能な公
知の種々の有機原料ガスが可能である。
以下、具体的に例示すると、 炭化水素、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2
−ブテン、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、アセチ
レン、メチルアセチレン、プロパジエン、1,7−オクタ
ジエン、1,3,5−ヘキサトリエン、ベンゼン、スチレ
ン、ナフタリン、ビニルナフタリン、シクロヘキサジエ
ン、2−メチルプロペン、シクロペンテン、シクロヘキ
セン、2−ビニル−1,3−ブタジエン等、 フッ化炭素、例えばテトラフロロメタン、オクタフロ
ロプロパン、オクタフロロシクロブタン、テトラフロロ
エチレン、ヘキサフロロプロピレン等、 フッ化炭化水素、例えばフロロメタン、ジフロロメタ
ン、トリフロロメタン、ジフロロエタン、テトラフロロ
エタン等、 有機アミノ化合物、例えばメチルアミン、ジメチルア
ミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−
プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、n−ブチ
ルアミン、n−アミルアミン、n−ヘキシルアミン、ラ
ウリルアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、エタノールアミン、ジエ
タノールアミン、アリルアミン、アリニン、N−メチル
アリニン、アリルジメチルアミン、2−アミノエチルエ
ーテル、1−ジメチルアミノ−2−クロロエタン、シク
ロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、アリルアミ
ン、アリルメチルアミン、アリルジメチルアミン、エチ
レンイミン、1−メチルエチレンイミン、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ホルムアミド、カプロンアミド、アミ
ノアセタール、ベンジルアミン、ピペリジン、ヒロリジ
ン、モルホリン等のアミン、イミン、アミド、イミド
等、 有機けい素化合物、例えばトリメチルクロロシラン、
トリメチルメトキシシラン、ビニルジメチルクロロシラ
ン、メチルクロロメチルメトキシクロロシラン、メチル
ジクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン、ビニルメ
チルジクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシランおよびこれら
の加水分解混合物としてのオルガノシロキサン等, その他の有機不飽和化合物、例えば塩化ビニル、塩化
ビニリデン、アクロレイン、アリルアルコール、マイレ
ン酸、アクリル酸、メタクリル酸メチル、シクロヘキセ
ノール、フタル酸、フェノール、アニリン、メチルアニ
リン、ジクロルベンゼン、ベンズアルデヒド、ピリジ
ン、チオフェン等がある。
また、膜中には、H、N、O、F、S、B、Si等が含
有されてもよい。
本発明の重合膜の形成に際し、用いられる重合装置の
模式図が第1図に示されている。
上述したような重合性の原料ガスは、電極31、35の所
定の間隙に流入される。そしてこの電極間に、例えば高
周波による交流高電圧を印加する。
電極35は周波数可変型の電源4に接続され、他方の電
極31は接地されている。電源とアースの接続は逆でもよ
い。またバイアス電位をかけてもよい。重合の際に電極
35は上記プラズマ重合膜にとり込まれる金属元素の供給
材料としての機能をも有し、後述する条件のもとにプラ
ズマ重合すると、この電極を構成する金属元素は、重合
膜中にとり込まれる。なお第1図の点線で囲まれた部分
10は、通常、真空槽の中に設置されている。
このような重合膜は下記の条件のもとに形成される。
すなわち、W/(F・M)[ここに、、Wはプラズマ投入
電力(Joule/sec)であり、Fは原料ガス流量、Mは原
料ガス分子量でF・Mの単位はkg/sec]値が108Joule/k
g以上、特に109Joule/kg以上で行われることが好まし
い。この値が108Joule/kg未満であると、電極を構成す
る金属元素を十分プラズマ重合膜中にとり込むことが困
難である。なお、前記特開昭58−88829号ではW/(F・
M)は107Joule/kgであり、このような条件下ではMt/
(C+Mt)が0.01以上の成膜は不可能である。第1図に
示される電極31、35の電極面積は任意であり、電極31と
35との間隙長さ(図中gで示される長さ)はプラズマ電
源の出力と電極構造によって、もっとも効率的にディポ
ディションできる値を選べばよい。
電極間に流入させる重合性の原料ガス流量は、装置の
プラズマ電源出力によって依存し、W/(F・M)が前述
の範囲内に入るように選定すればよい。
プラズマ発生源としては、高周波電源、マイクロ波電
源、直流電源、交流電源等いずれも利用できる。
真空槽内の作動圧は0.05Pa〜5Paとする。この値が5Pa
をこえると、平均自由工程が短くなり、プラズマ重合膜
中に金属元素がほとんどとり込まれなくなる。また、0.
05Pa未満であるとプラズマが安定に発生せず重合膜が効
率的に作成できない。
本発明においては、第1図に示すごとく(第1図にお
いては磁界Bを矢印方向に印加させている)プラズマ雰
囲気中に磁界を電場に対してほぼ直角方向に印加させる
いわゆる直交電磁界形にすることが好ましい。
このような磁場を用いてプラズマ重合することによ
り、従来に比べ多量の金属元素をプラズマ重合膜中に含
有せしめることができる。
このような方式としては、同軸マグネトロン、平板マ
グネトロン等があるが、特に限定されるものではない。
この場合、被着体表面での磁界強度は、10〜10000G程
度である。
なお、成膜に際し上記W/(F・M)を制御したり、原
料ガス流量、原料ガス組成、作動圧をコントロールする
ことにより、容易に膜厚方向に金属Mtの濃度分布変化な
いし勾配をつけることもできる。
なお、キャリアガスとしてAr、N2、He、H2などを使用
できる。
また前述した重合性の原料ガスに加えて、H2、O2、
O3、H2O、N2、NO、N2O、NO2などのNOX、NH3、CO、CO2等
の反応性ガスを1種以上添加ガスとして加えてもよい。
このような反応性ガスやキャリアガスの分子量は上記
のW/(F・M)値を算出するに際し、重合性原料ガスの
分子量Mとしては考慮しない。
プラズマ重合の原理について概説すると、気体を低圧
に保ち電場を作用させると、気体中に少量存在する自由
電子は、常圧に比べ分子間距離が非常に大きいため、電
界加速を受け5〜10eVの運動エネルギー(電子温度)を
獲得する。
この加速電子が原子や分子に衝突すると、原子軌道や
分子軌道を分断し、これらを電子、イオン、中性ラジカ
ルなど、通常の状態では不安定な化学種に解離させる。
解離した電子は再び電界加速を受けて、別の原子や分
子の解離させるが、この連鎖作用で気体はたちまち高度
の電離状態となる。そしてこれはプラズマと呼ばれてい
る。
気体分子は電子との衝突の機会が少ないのでエネルギ
ーをあまり吸収せず、常温に近い温度に保たれている。
このように、電子の運動エネルギー(電子温度)と、
分子の熱運動(ガス温度)が分離した系は低温プラズマ
と呼ばれ、ここでは化学種が比較的原型を保ったまま重
合等の加成的反応を進めうる状況を創出しており、本発
明はこの状況を利用して被着体上にプラズマ重合膜を形
成しようとするものである。なお、低温プラズマを利用
するため、被着体の熱影響は問題ない。
V 発明の具体的作用効果 本発明は、所定の条件としたプラズマ雰囲気下で電極
を構成する金属元素含有物質と重合性の原料ガスとを推
積・重合させて、所定の金属濃度を有するプラズマ重合
膜を得るものであり、このとき任意の所望とする金属濃
度と電気電導度がえられるものである。
また本発明によれば、膜中に含有される金属の種類と
その含有量を任意にかえることができるものである。こ
の場合、本発明では、有機金属化合物を原料ガスとして
用いるプラズマ重合法では原料ガスの揮発性の点で成膜
不能な例えば貴金属等を含有可能である。
そして、有機金属化合物を原料ガスとして用いる場合
と比較して、金属含有量はきわめて安定かつ精密に制御
することができる。
また、膜厚の制御や、膜厚方向の濃度制御もきわめて
精度よく容易に行うことができる。
そして、高価な有機金属化合物を用いる必要がないの
で製造コストも安価となり、製造を容易である。また、
厚い膜厚のものも容易に得られる。
さらに、プラズマ重合法以外の成膜法を用いるときと
比較して、接着強度が高く、よりち密で機械的強度の高
い導電膜がえられ、かつ他の積層膜を設けるときも積層
が容易でかつ接着力も高いものとなる。
VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに
詳細に説明する。
〔実施例1〕 基本構成を第1図と同様にする装置を用いて、被着体
を無アルカリガラスとし、この上にプラズマ重合膜を形
成した。すなわち真空チャンバを10-4Paの真空に引い
た。そして電極31と、Cuの材質からなる電極35との間隙
にほぼ電極間平面に沿うように、ガス状のCH4を重合性
原料ガス(流量4SCCM)とし、またキャリヤガスとしてA
r(流量2SCCM)をそれぞれ導入した。
その後、ガス圧を1Paに保ちながら、1000W、13.56MHz
の高周波電源を用いて、プラズマを発生させ、上記のガ
ラス上に重合膜を形成した。
重合に際して磁界強度600G(重合膜面)の静磁場を印
加した。いわゆる直交電磁界のもとで重合膜を形成した
(サンプルNo.1)。
この場合W/(F・M)値は6.3×109であった。
膜厚は360Åとし、この重合膜のMt/(C+Mt)値を測
定したところMt/(C+Mt)値は0.88であった。
またC含有量は11.7at%であった。
なお、電極31と35の間隙長さgは、3cmとした。
このサンプルにつき表面固有抵抗を測定したところ、
130Ωであった。
これに準じ、原料ガスの流量および投入電力ならびに
ガス圧をかえ、下記表1のようなW/(F・M)条件とし
たところ、下記表1に示される結果がえられた。
〔実施例2〕 実施例1において、原料ガス、(キャリヤガス)、
(添加ガス)、(電極材料)を下記のようにかえ、下記
のW/(F・M)(作動圧、磁場強度)にてプラズマ重合
を行い、膜厚500Åの重合膜をえたところ下記の特性を
えた。
原料ガス(流量):C2H6 2SCCM キャリヤガス(流量):Ar 2SCCM 添加ガス(流量):NH4 10SCCM 電極材料:Al 作動圧:0.8Pa 磁場強度:600G (なお、Aについては2at%のHと1at%のNが含有され
ていた。Bについては、67at%のHが含有されてい
た。) 〔実施例3〕 実施例1において、原料ガス、(キャリヤガス)、
(添加ガス)、(電極材料)を下記のようにかえ、下記
のW/(F・M)(作動圧、磁場強度)にてプラズマ重合
を行い、膜圧250Åの重合膜をえたところ下記の特性を
えた。
原料ガス(流量):CH3NH2 20SCCM キャリヤガス(流量):Ar 2SCCM 電極材料:Cr 作動圧:0.5Pa 磁場強度:1000G (なお、Aについては10at%のHと4at%のNが含有さ
れていた。) 〔実施例4〕 実施例1において、原料ガス、(キャリヤガス)、
(添加ガス)、(電極材料)を下記のようにかえ、下記
のW/(F・M)(作動圧、磁場強度)にてプラズマ重合
を行い、膜厚300Åの重合膜をえたところ下記の特性を
えた。
原料ガス(流量):CHF3 6SCCM キャリヤガス(流量):Ar 3SCCM 電極材料:Fe 作動圧:2Pa 磁場強度:300G (なお、Aについては5at%のFと20at%のHが含有さ
れていた。) 〔実施例5〕 実施例1において、原料ガス、(キャリヤガス)、
(添加ガス)、(電極材料)を下記のようにかえ、下記
のW/(F・M)(作動圧、磁場強度)にてプラズマ重合
を行い、膜厚1000Åの重合膜をえたところ下記の特性を
えた。
原料ガス(流量):テトラメトキシシラン10SCCM キャリヤガス(流量):H2 2CCM 添加ガス(流量):O2 4SCCM 電極材料:In2O3−SnO3 作動圧:1.5Pa 磁場強度:1000G (なお、Aについては9at%Oと10at%のSiが含有され
ていた。) 〔実施例6〕 実施例1において、原料ガス、(キャリヤガス)、
(添加ガス)、(電極材料)を下記のようにかえ、下記
のW/(F・M)(作動圧、磁場強度)にてプラズマ重合
を行い、膜厚750Åの重合膜をえたところ下記の特性を
えた。
原料ガス(流量):CH4 6SCCM キャリヤガス(流量):N2 2SCCM 電極材料:Ti 作動圧:0.5Pa 磁場強度:800G (なお、Aについては5at%のHと2at%のNが含有され
ていた。) 〔実施例7〕 実施例1において、原料ガス、(キャリヤガス)、
(添加ガス)、(電極材料)を下記のようにかえ、下記
のW/(F・M)(作動圧、磁場強度)にてプラズマ重合
を行い、膜厚100Åの重合膜をえたところ下記の特性を
えた。
原料ガス(流量):C2H2 100SCCM キャリヤガス(流量):Ar 10SCCM 電極材料:Cu 作動圧:3.5Pa 磁場強度100G: (なお、Aについては38at%のHが含有されていた。) 〔実施例8〕 実施例1において、原料ガス、(キャリヤガス)、
(添加ガス)、(電極材料)を下記のようにかえ、下記
のW/(F・M)(作動圧、磁場強度)にてプラズマ重合
を行い、膜厚450Åの重合膜をえたところ下記の特性を
えた。
原料ガス(流量):C2H2 4SCCM キャリヤガス(流量):Ar 2SCCM 電極材料:GeTe 作動圧:1Pa 磁場強度:600G (なお、Aについては6at%のHが含有されていた。) 〔実施例9〕 実施例1において、原料ガス、(キャリヤガス)、
(添加ガス)、(電極材料)を下記のようにかえ、下記
のW/(F・M)(作動圧、磁場強度)にてプラズマ重合
を行い、膜厚300Åの重合膜をえたところ下記の特性を
えた。
原料ガス(流量):CF4 0.2SCCM キャリヤガス(流量):Ar 0.1SCCM 電極材料:Ni−Cr 作動圧:0.6Pa 磁場強度:1000G (なお、Aについては2at%のFが含有されていた。) 〔実施例10〕 実施例1において、原料ガス、(キャリヤガス)、
(添加ガス)、(電極材料)を下記のようにかえ、下記
のW/(F・M)(作動圧、磁場強度)にてプラズマ重合
を行い、膜厚550Åの重合膜をえたところ下記の特性を
えた。
原料ガス(流量):塩化ビニル 4SCCM キャリヤガス:(流量):Ar 2SCCM 電極材料:GaAs 作動圧:1Pa 磁場強度:600G (なお、Aについては7at%のClと6at%のHが含有され
ていた。) 〔実施例11〕 実施例1において、原料ガス、(キャリヤガス)、
(添加ガス)、(電極材料)を下記のようにかえ、下記
のW/(F・M)(作動圧、磁場強度)にてプラズマ重合
を行い、膜厚1500Åの重合膜をえたところ下記の特性を
えた。
原料ガス(流量):CH4 3SCCM キャリヤガス(流量):Ar 2SCCM 電極材料:Cu 作動圧:0.7Pa 磁場強度:600G (なお、Aについては3at%のHが含有されていた。) 〔実施例12〕 実施例1において、原料ガス、(キャリヤガス)、
(添加ガス)、(電極材料)を下記のようにかえ、下記
のW/(F・M)(作動圧、磁場強度)にてプラズマ重合
を行い、膜厚800Åの重合膜をえたところ下記の特性を
えた。
原料ガス(流量):C2H2 6SCCM キャリアガス(流量):Ar 4SCCM 電極材料:Sm 作動圧:0.7Pa 磁場強度:600G (なお、Aについては9at%のHが含有されていた。) 〔実施例13〕 実施例2のAにおいて、W/(F・M)を9.2×1010〜
4.6×109[Joule/kg]までかえたところ、基板側から表
面側にわたってMt/(C+Mt)が0.92〜0.63の範囲で連
続的に変化した膜がえられた。
〔実施例14〕 実施例4のAにおいて、W/(F・M)を1.5×109〜1.
5×1010[Joule/kg]までかえたところ、基板側から表
面側にわたってMt/(C+Mt)が0.55〜0.86の範囲で連
続的に変化した膜がえられた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の重合膜製造装置の模式図である。 符号の説明 1……重合膜製造装置、2……被着体、31、35……電
極、4……交流および周波数可変型電源、→B……磁界
方向(矢印)、g……電極間隙の長さ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料ガスを電極間に流入して電極を構成す
    る金属元素含有物質と炭素を含有する重合性の原料ガス
    とを埋積、重合させるプラズマ重合膜の製造方法におい
    て、 重合膜の形成が5Pa以下の作動圧でW/(F・M)[ここ
    に、Wはプラズマ投入電力(Joule/sec)であり、Fは
    原料ガス流量、Mは原料ガス分子量でF・Mの単位はkg
    /sec]値が108Joule/kg以上の条件で行われ、 膜中の金属元素Mtと炭素Cの原子比Mt/(C+Mt)が0.0
    1以上であることを特徴とするプラズマ重合膜の製造方
    法。
  2. 【請求項2】Mt/(C+Mt)が0.05〜0.999である特許請
    求の範囲第1項に記載の重合膜の製造方法。
  3. 【請求項3】プラズマ雰囲気中に磁界を印加させる特許
    請求の範囲第1項または第2項に記載の重合膜の製造方
    法。
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