JP2566085C - - Google Patents

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JP2566085C
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は高密度磁気記録媒体に関し、特に、高容量のデータ記録用の磁気ディ
スクに適した磁気記録媒体に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 磁気記録技術は、媒体の繰り返し使用が可能であること、信号の電子化が容易
であり周辺電子機器との組み合わせによるシステムの構築が可能であること、信
号の修正も簡単にできること等の他の記録方式にはない優れた特長を有すること
から、ビデオ、オーディオ、コンピューター用途等を始めとして様々な分野で幅
広く利用されてきた。そして、機器の小型化、記録再生信号の高品位化、記録の
長時間化、記録容量の増大等の要求に対応するために、記録媒体に対しては記録
密度のより一層の向上が常に望まれてきた。 【0003】 そのために、磁性体の改良、磁性層の表面性の改良、磁性層中における磁性体
粒子の分散性や充填度の向上等の方策が試みられてきた。 【0004】 また、記録再生時の厚み損失や自己減磁を軽減して出力を高めるために、磁性
層の厚さを1.0μm以下に薄くする手段が、磁気記録媒体の高密度化及び高容
量化の手段として有効である。特に、磁性層の薄層化は、ビデオ用途にあっては
、ハイビジョン対応のVTR用のビデオテープとして、また、近年のパソコンの
普及、アプリケーション・ソフトの高度化、処理情報の増大の動向から10Mバ
イト以上の高容量化が強く要求されるようになってきたフロッピーディスク等の
ディジタル記録用の磁気記録ディスクにおいても磁気ヘッドの挟トラック化に合
わせて磁気記録媒体を高容量化する上で、出力の向上と共に重ね書き特性の改良
の面でも重要となっている。即ち、通常、フロッピーディスク等のコンピュータ
ー用途の磁気記録媒体においては、記録波長の異なる記録信号の重ね書き(オー
バーライト)が必要であるが、従来は、周波数で2倍の関係にある2種類の信号
、1f及び2f信号のオーバーライトができれば良かったが、最近強く要望され
ている10Mバイト以上の高容量の磁気記録ディスクに対しては、記録波長が短
くなっただけではなく、RLL信号などの周波数比3:8の領域にある複数の信 号のオーバーライトが要求されている。記録波長が短く、記録周波数の差が大き
い信号を使用した場合、記録波長の短い信号を記録波長が長い信号の上に重ね書
き(オーバーライト)をうまく行うためには、特開昭58−122623号公報
、特開昭61−74137号公報等に開示されてるように、単に磁性層の磁気特
性を向上させるだけでは限界があった。 【0005】 すなわち、今までの1.0μm以上の厚さの磁性層では、先に記録されている
より長い波長の記録信号の上により短い記録信号を重ね書きしても磁力線が磁性
層の深いところまで達しないために、先に記録されたより長い波長の信号が消去
できないのである。 【0006】 一方、磁性層が薄くなるとに従って磁性層は剥離し易くなり、剥離した磁性層
が新たなドロップ・アウトの発生要因となるのでこの問題にも対処する必要があ
る。磁性層の剥離の問題は、非磁性支持体との間に非磁性層を形成しても免れる
ことはできなかった。特にこの磁性層の剥離の問題は、層を形成する際の塗布方
法を下層が乾燥してから上層を塗布するいわゆる逐次重層塗布の場合に顕著であ
った。 【0007】 塗布方法として、例えば、特開昭63-191315号公報等に開示されてい
る非磁性支持体上に塗布された非磁性層が湿潤状態にあるうちに磁性層用塗布液
を塗布するウェット・オン・ウェット塗布方式で塗布すると磁性層の剥離の問題
はかなり軽減される。 【0008】 磁気記録媒体の耐久性を高めるために研磨剤を余り多く含有させると磁性層が
薄いために強磁性粉末の充填度がもともと低いので電磁変換特性が高くできず、
結果的に高密度、高容量の磁気記録媒体が得られ難かった。 【0009】 磁性層中に研磨剤を添加する方法としては、多数提案されている。例えば、モ
ース硬度が高い粒子を磁性層中に研磨剤として添加した磁気記録媒体が特開昭5 7−179945号公報、特開昭62−92127号公報、特公昭58−450
88号公報に、また、粒子サイズとモース硬度を特定した粒子を研磨剤として磁
性層に添加した磁気記録媒体が特公昭49ー39402号公報、特公昭55ー1
5771号公報、特開昭57ー162129号公報に記載されている。 【0010】 しかしながら、これらの方法はいずれも磁性層が比較的厚いことを前提とした
技術であり、厚さが1μm以下の比較的薄い磁性層に適用すると磁性層の表面性
が低下したり、また、前記のウェット・オン・ウェット方式で磁性層を塗布する
と研磨剤の効果が充分に生かされないという問題があった。 【0011】 厚さが薄い磁性層に研磨剤を添加する技術としては、特開昭62−89223
号公報に、モース硬度が6以上で磁性層の厚さの0.4乃至0.65倍の平均粒
子径を有する研磨剤を添加した磁気ディスクが記載されている。 【0012】 しかしながら、この方法では、ウェット・オン・ウェット方式で磁性層を形成
する場合には、研磨剤が有効に機能しないという問題があった。 【0013】 耐久性の問題は、特に、磁性層の強磁性粉末が磁気特性が優れている強磁性金
属もしくは六方晶系フェライトになると低下する傾向にあった。 【0014】 さらに、近年の磁気記録媒体の民生分野への普及にともなって、その使用環境
条件が著しく広くなるとともに大きな問題になってきた。即ち、8ミリビデオな
どのビデオカメラ用途ではあらゆる環境条件下にある戸外で使用されることが多
く、また、コンピューター用途のフロッピーディスクなどの磁気記録ディスクで
は、環境条件もさることながら長時間使用されることが多くなってきている。ま
た、フロッピーディスクなどでは媒体をカートリッジやジャケットに装填して使
用されるが、カートリッジやジャケットの内側に設けられた不織布からなるライ
ナーと磁性層が接触するのでそれに対する耐久性も必要となる。 【0015】 以上のように、磁気記録媒体の高密度記録化、高容量化にとって磁性層を1μ
m以下に薄くすることが有効であるが、それに伴う磁性層の耐久性の低下に対処
するための有効な手段はいまだ提案されていない。 【0016】 【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、前記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、電磁変換
特性が良好でかつ走行耐久性に優れる高密度記録・高容量の磁気記録媒体を提供
することであり、特に、高記録密度での重ね書き特性に優れ、記録容量が大きい
磁気記録ディスクに好適な磁気記録媒体を提供することである。 【0017】 【課題を解決するための手段】 前記本発明の目的は、非磁性支持体上に非磁性粉末及び結合剤樹脂を主体とす
る非磁性層及び強磁性粉末及び結合剤樹脂を主体とする磁性層が、この順で形成
されている磁気記録媒体において、該磁性層の厚さは1.0μm以下であり、前
記磁性層中にモース硬度6以上でかつ前記磁性層の厚さよりも平均粒子径が大き
い研磨剤を含有し、前記磁性層中の研磨剤粒子は非磁性層の方にも入り込んでい
ことを特徴とする磁気記録媒体により達成することができる。 【0018】 本発明の磁気記録媒体においては、非磁性支持体上に少なくとも非磁性層及び
磁性層がこの順で形成されており、前記磁性層は1μmと薄いので、厚み損失な
どによる出力の低下が少なくすることができ、且つコンピューター用途の磁気記
録ディスクにおいて記録波長を短くするときに問題となる重ね書き特性も良好で
あるので高密度記録媒体として、さらに高容量の磁気記録ディスクとして好適な
媒体である。また磁性層の下層に非磁性層を形成することにより、磁性層を単独
で非磁性支持体上に形成する場合よりも磁性層の厚さなどの均一性が優れている
。 【0019】 そして、モース硬度が6以上で磁性層中に磁性層の厚さよりも平均粒子径が大
きい研磨剤を含有させることにより、磁性層が1μmと薄くなると問題となる耐 久性の低下が改良された磁気記録媒体とすることができるのである。 【0020】 本発明の磁気記録媒体は、非磁性層の塗布液がまだ湿潤状態にあるうちに、磁
性層の塗布液をその非磁性層用塗布層の上に塗布して製造されるので、厚さが均
一な磁性層が得られ且つ磁性層の厚さが薄いと問題となる密着性が改良されてい
る。 【0021】 特に、本発明の磁気記録媒体の製造方法では、磁性層中に含有させる研磨剤の
平均粒子径が磁性層の厚さよりも大きくとも、非磁性層用塗布層が湿潤状態にあ
るうちに磁性層用塗布液がその上に塗布されるので非磁性層の方にも磁性層中の
研磨剤粒子の一部が入り込むので、磁性層の表面に研磨剤粒子が突出することに
よる磁性層の表面性の低下がなく、それでいて磁性層表面に研磨剤粒子が存在す
るので良好な電磁変換特性であって、耐久性も優れた磁気記録媒体を得ることが
できる。 【0022】 本発明の磁気記録媒体の磁性層の厚さは、1μm以下であり、好ましくは0.
05乃至0.8μm以下、更に好ましくは0.1乃至0.5μm以下である。 【0023】 磁性層の厚さが厚くなると、出力が低下したり、重ね書き特性も低下するので
好ましくない。また、磁性層の厚さが薄くなると均一な厚さの磁性層が得られな
くなり、また出力も低下するので好ましくない。 【0024】 本発明の磁気記録媒体の磁性層には、モース硬度が6以上であって磁性層の厚
さよりもその平均粒子径が大きい研磨剤を含有させる。即ち、本発明の磁気記録
媒体の磁性層に含有している研磨剤のモース硬度は6以上であり平均粒子径は磁
性層の厚さよりも大きい。 【0025】 また、本発明の磁気記録媒体の磁性層が含有する研磨剤の平均粒子径は、磁性
層の厚さよりも大きく、特に、磁性層の厚さの1.1倍以上であることが好まし い。 【0026】 本発明の磁気記録媒体の磁性層中に含有される研磨剤の平均粒子径は、磁性層
の厚さより大きいことが必要であるが、0.05乃至3μm、好ましくは0.2
乃至1.5μmである。 【0027】 研磨剤の平均粒子径が小さくなり、磁性層の厚さよりも小さくなると磁気記録
媒体の耐久性が低下し、また、耐久性を保つためにより多くの研磨剤を含有させ
ることが必要となり、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることが難しくなる
。 【0028】 本発明における磁気記録媒体の磁性層に含有される研磨剤の含有量については
つぎの如くである。 【0029】 本発明における磁気記録媒体の磁性層中における磁性層の厚さよりも平均粒子
径が大きい研磨剤の含有量は、強磁性粉末に対して1乃至20重量%であり、望
ましくは3乃至18重量%である。 【0030】 含有量が余り多くなると、磁性層の表面性が低下し、強磁性粉末の充填度が低
下するので磁気記録媒体の電磁変換特性が低下し、また余り少ないと磁気記録媒
体の耐久性が低下するので望ましくない。 【0031】 本発明の磁気記録媒体の磁性層に含有させる研磨剤としては、従来から公知の
種々の研磨剤を使用することができる。 【0032】 本発明におけるモース硬度が6以上で磁性層の厚さよりも平均粒子径が大きい
研磨剤としては、例えば、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケ
イ素、酸化セリウム、α−酸化鉄、窒化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、
二酸化珪素、窒化ホウ素、溶融アルミナ、炭化珪素、酸化クロム(Cr23) 、コランダム、人造コランダム、ダイアモンド、人造ダイアモンド、ザクロ石、
エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)等が挙げられる。 【0033】 中でも、アルミナは、磁気ヘッドと磁性層の間における摩擦係数の変動を軽減
して、いわゆるスティック・スリップに対しても安定な特性の磁気記録媒体を得
ることができる。 【0034】 アルミナの具体的な例としては、住友化学社製、AKP−10、AKPー12
、AKP−15、20、AKP−30,AKP−50、AKP−1520、AK
P−1500、日本化学工業社製、G5,G7,S−1、酸化クロムK、上村工
業社製UB40B、不二見研磨剤社製WA8000、WA10000、戸田工業
社製TF180などが上げられる。 【0035】 次に、本発明の磁気記録媒体を製造する場合について詳細に説明する。 【0036】 本発明の磁気記録媒体に研磨剤を含有させる方法に特に限定はなく、磁性層の
他の成分と共に添加しても良いし、研磨剤をあらかじめ結合剤樹脂で分散処理し
たのち磁性塗料中に添加してもかまわない。 【0037】 本発明の磁気記録媒体の磁性層に使用する強磁性粉末は、酸化鉄系強磁性粉末
、強磁性金属粉末もしくは板状六方晶系フェライト粉末等が使用できる。中でも
、高密度記録用の磁気記録媒体に適した、粒子サイズの小さい強磁性金属粉末や
バリウムフェライトを強磁性粉末とする場合、磁性層の耐久性が問題となること
が多かったが、本発明の磁気記録媒体ではその問題がかなり改良されている。 【0038】 強磁性粉末が強磁性金属粉末の場合、その粒子サイズは、望ましくは比表面積
は30乃至60m2/gであってX線回折法から求められる結晶子サイズが10
0乃至300A(オングストローム)である。比表面積が余り小さいと高密度記
録に充分に対応できなくなり、又余り大きくても分散が充分に行えずに平滑な面 の磁性層が形成できずこれまた高密度記録に対応できなくなるので好ましくない
。 【0039】 一方、板状六方晶系フェライト粉末の場合、比表面積は25乃至50m2/g
であって、板状比が2乃至6、粒子長が0.02乃至1.0μmである。強磁性
金属粉末と同じ理由からその粒子サイズが大きすぎても小さすぎても高密度記録
が難しくなる。 【0040】 前記強磁性金属粉末は、少なくともFeを含むことが必要であり、具体的には
、Fe,Fe−Co,Fe−Ni又はFe−Ni−Coを主体とした金属単体あ
るいは合金である。本発明の磁気記録媒体を高記録密度化するために、前記のよ
うに粒子サイズが小さいことが必要であると同時に磁気特性としては、飽和磁化
は少なくとも110emu/g以上、望ましくは120emu/g以上である。
又抗磁力としては、800Oe(エルステッド)以上、望ましくは900Oe以
上である。そして、その粒子の軸比は5以上あることが望ましい。更に特性を改
良するために、組成中にB,C,Al,Si、P等の非金属が添加されることも
ある。通常、前記金属粉末の粒子表面は、化学的に安定させるために酸化物の層
が形成されている。 【0041】 前記板状六方晶系フェライトとしては、平板状でその平板面に垂直な方向に磁
化容易軸がある強磁性体であって、バリウムフェライト、ストロンチウムフェラ
イト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、あるいはそれらのコバルト置換体
等があり、中でも特にバリウムフェライトのコバルト置換体、ストロンチウムフ
ェライトのコバルト置換体が好ましい。更に必要に応じてその特性を改良するた
めにIn,Zn,Ge,Nb,V等の元素を添加してもよい。本発明の磁気記録
媒体を高記録密度化するために、前記板状六方晶フェライト粉末の粒子サイズは
前記のように小さいことが必要であると同時に磁気特性としては、飽和磁化は少
なくとも50emu/g以上、望ましくは53emu/g以上である。又抗磁力
としては、500Oe以上、600Oe以上であることが望ましい。六方晶系フ ェライトは、長波長記録の場合は出力は他の磁性粒子に比較して低めではあるが
高周波帯域の記録波長が1.0μm以下の短波長記録となると、他の磁性粒子よ
りもむしろ高出力が期待できるという特徴がある。更に、磁気記録ディスクのよ
うな円盤状磁気記録媒体にあっては、円周方向の出力が均一で変動がないことが
望まれ、そのためには面内配向度比ができるだけ高いことが必要となる。六方晶
系フェライトを磁性粒子として使用すると0.9以上もの高い配向度比が実現で
きる。 【0042】 なお、飽和磁化量及び抗磁力等の強磁性粉末の磁気特性は、VSM−PI(東
英工業製)を用い最大印加磁場10kOeとした。また比表面積の測定はカンタ
ーソーブ(米国、カンタークロム社製)を用いたBET法によるものである。2
50℃、30分間窒素雰囲気で脱水後BET一点法(分圧0.30)で測定した
値である。 【0043】 これら強磁性粉末の含水率は0.01乃至2重量%とするのが好ましい。含水
率は結合剤樹脂の種類によって最適化するのが好ましい。強磁性粉末のpHも用
いる結合剤樹脂との組み合わせにより最適化するのが好ましい。その範囲は4乃
至12であるが好ましくは5乃至10である。 【0044】 本発明の磁気記録媒体で使用できる結合剤樹脂は、磁性層であっても非磁性層
であっても本質的に区別なく使用することができる。結合剤樹脂としては従来公
知の熱可塑系樹脂、熱硬化系樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。
熱可塑系樹脂としては、ガラス転移温度が−100乃至150℃、数平均分子
量が1000乃至200000、好ましくは10000乃至100000、重合
度が約50乃至1000程度のものである。 【0045】 このような結合剤樹脂としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコ−ル
、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニ
トリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレ ン、ビニルブチラ−ル、ビニルアセタ−ル、ビニルエ−テル、等を構成単位とし
て含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。 【0046】 また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂
、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル
系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコ−ン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹
脂、ポリエステル樹脂とイソシアネ−トプレポリマ−の混合物、ポリエステルポ
リオ−ルとポリイソシアネ−トの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの
混合物等があげられる。 【0047】 これらの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細
に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を第一層、または第二層に使
用することも可能である。これらの例とその製造方法については特開昭62−2
56219号公報に詳細に記載されている。 【0048】 以上の樹脂は単独または組合せて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニ
ル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコ−ル樹
脂、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体、ニトロセルロース、中から
選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソ
シアネ−トを組み合わせたものがあげられる。 ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポリウレタン、ポリエ−テルポリウレタ
ン、ポリエ−テルポリエステルポリウレタン、ポリカ−ボネ−トポリウレタン、
ポリエステルポリカ−ボネ−トポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタン
など公知のものが使用できる。ここに示したすべての結合剤について、より優れ
た分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、COOM,SO3M、OSO3M、
P=O(OM)3、O−P=O(OM)2、(以上につきMは水素原子、またはア
ルカリ金属塩基)、OH、NR2、N+3(Rは炭化水素基)エポキシ基、S H、CN、などから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合または付加
反応で導入したものををもちいることが好ましい。このような極性基の量は10
-1乃至10-8モル/gであり、好ましくは10-2乃至10-6モル/gである。 【0049】 本発明に用いられるこれらの結合剤の具体的な例としてはユニオンカ−バイト
社製 VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD,VROH,VYE
S,VYNC,VMCC,XYHL,XYSG,PKHH,PKHJ,PKHC
,PKFE,日信化学工業社製、MPR−TA、MPR−TA5,MPR−TA
L,MPR−TSN,MPR−TMF,MPR−TS、MPR−TM、電気化学
社製1000W、DX80,DX81,DX82,DX83、日本ゼオン社製M
R110、MR100、400X110A、日本ポリウレタン社製ニッポランN
2301、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−510
5、T−R3080、T−5201、バーノックD−400、D−210−80
、クリスボン6109,7209,東洋紡社製バイロンUR8200,UR83
00、UR8600、RV530,RV280、大日精化社製、ダイフェラミン
4020,5020,5100,5300,9020,9022,7020,三
菱化成社製、MX5004,三洋化成社製、サンプレンSP−150,旭化成社
製、サランF310,F210などがあげられる。 【0050】 本発明に用いられる結合剤は各層の磁性体および非磁性粉体に対し、5乃至5
0重量%の範囲、好ましくは10乃至30重量%の範囲で用いられる。塩化ビニ
ル系樹脂を用いる場合は5乃至100重量%、ポリウレタン樹脂合を用いる場合
は2乃至50重量%、ポリイソシアネ−トは2乃至100重量%の範囲でこれら
を組み合わせて用いるのが好ましい。 【0051】 本発明において、ポリウレタンを用いる場合はガラス転移温度が−50乃至
100℃、破断伸びが100乃至2000%、破断応力は0.05乃至10kg
/cm2、降伏点は0.05乃至10kg/cm2が好ましい。 【0052】 本発明にもちいるポリイソシアネ−トとしては、トリレンジイソシアネ−ト、
4−4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−
ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフチレン−1,5−ジイソシアネ−ト、o
−トルイジンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、トリフェニルメ
タントリイソシアネ−ト等のイソシアネ−ト類、また、これらのイソシアネ−ト
類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成し
たポリイソシアネ−ト等を使用することができる。これらのイソシアネート類の
市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製、コロネートL、コロネ
−トHL,コロネ−ト2030、コロネ−ト2031、ミリオネ−トMRミリオ
ネ−トMTL、武田薬品社製、タケネ−トD−102,タケネ−トD−110N
、タケネ−トD−200、タケネ−トD−202、住友バイエル社製、デスモジ
ュ−ルL,デスモジュ−ルIL、デスモジュ−ルNデスモジュ−ルHL,等があ
りこれらを単独または硬化反応性の差を利用して2つもしくはそれ以上の組合せ
で第1層、第2層とももちいることができる。 【0053】 本発明の磁気記録媒体の磁性層中には、そのほか、潤滑剤、帯電防止剤、分散
剤、可塑剤、防黴剤等が添加できる。 【0054】 本発明の磁性層に使用する潤滑剤としては、ジアルキルポリシロキサン(アル
キルは炭素数1乃至5個)、ジアルコキシポリシロキサン(アルコキシは炭素数
1乃至4個)、モノアルキルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数
1乃至5個、アルコキシは炭素数1乃至4個)、フェニルポリシロキサン、フロ
ロアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1乃至5個)などのシリコンオイ
ル;グラファイト等の導電性微粉末;二硫化モリブデン、二硫化タングステンな
どの無機粉末あ;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン塩化ビニル共重
合体、ポリテトラフルオロエチレン等のプラスチック微粉末;α−オレフィン重
合物;常温で液状の不飽和脂肪族炭化水素(n−オレフィン二重結合が末端の炭
素に結合した化合物、炭素数約20);炭素数12乃至20個の一塩基性脂肪酸 と炭素数3乃至12個の1価のアルコールから成る脂肪酸エステル類、フルオロ
カーボン類等が使用できる。 【0055】 中でも脂肪酸エステルが最も好ましい。 【0056】 脂肪酸エステルの原料となる アルコールとしてはエタノール、ブタノール、
フェノール、ベンジルアルコール、2−メチルブチルアルコール、2−ヘキシル
デシルアルコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、s−ブチルアルコール等の系モノアルコー
ル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
グリセリン、ソルビタン誘導体等の多価アルコールが挙げられる。 【0057】 同じく脂肪酸としては酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、アラ
キン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、パルミトレイン
酸等の脂肪族カルボン酸またはこれらの混合物が挙げられる。 【0058】 脂肪酸エステルとしての具体例は、ブチルステアレート、sec−ブチルステ
アレート、イソプロピルステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレート
、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−ヘキ
シルデシルステアレート、ブチルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステー
ト、ブチルステアレートとブチルパルミテートの混合物、ブトキシエチルステア
レート、2−ブトキシ−1−プロピルステアレート、ジプロピレングリコールモ
ノブチルエーテルをステアリン酸でエステル化したもの、ジエチレングリコール
ジパルミテート、ヘキサメチレンジオールをミリスチン酸でエステル化してジオ
ールとしたもの、グリセリンのオレエート等の種々のエステル化合物を挙げるこ
とができる。 【0059】 さらに、磁気記録媒体を高湿度下で使用するときしばしば生ずる脂肪酸エステ
ルの加水分解を軽減するために、原料の脂肪酸及びアルコールの分岐/直鎖、シ
ス/トランス等の異性構造、分岐位置を選択することがなされる。 【0060】 これらの潤滑剤は結合剤100重量部に対して0.2乃至20重量部の範囲で
添加される。 【0061】 潤滑剤としては、更に以下の化合物を使用することもできる。即ち、シリコン
オイル、グラファイト、二硫化モリブデン、窒化ほう素、弗化黒鉛、フッ素アル
コール、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステル、二硫化タン
グステン等である。 【0062】 これら潤滑剤は非磁性層にも添加することができ、その添加量は全非磁性粉末
100重量部に対して0.2乃至20重量部の範囲で添加される。潤滑剤を非磁
性層中に添加することにより、磁性層中に不足する部分を補うことができる。特
に、この効果は、磁性層が1μm以下と薄い場合に磁性層が保持できる潤滑剤の
量に限界があるので特に有効である。 【0063】 また本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性塗料製造のど
の工程で添加してもかまわない、例えば、混練工程前に磁性体と混合する場合、
磁性体と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合
、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。 【0064】 本発明の磁気記録媒体の磁性層に使用できる分散剤としては、カプリル酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸
、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸等の炭
素数12乃至18個の脂肪酸(R1 COOH、R1 は炭素数11乃至17個のア
ルキルまたはアルケニル基);前記の脂肪酸のアルカリ金属(Li、Na、K等
)またはアルカリ土類金属(Mg、Ca、Ba)からなる金属石鹸;前記の脂肪 酸エステルの弗素を含有した化合物;前記脂肪酸のアミド;ポリアルキレンオキ
サイドアルキルリン酸エステル;レシチン;トリアルキルポリオレフィンオキシ
第四級アンモニウム塩(アルキルは炭素数1乃至5個、オレフィンはエチレン、
プロピレンなど);等が使用される。この他に炭素数12以上の高級アルコール
、及びこれらの他に硫酸エステル等も使用可能である。これらの分散剤は結合剤
樹脂100重量部に対して0.5乃至20重量部の範囲で添加される。 【0065】 磁性層には、帯電によるゴミや埃などの付着物を防止するためにカーボンブラ
ックやグラファイト、金属粉等を帯電防止剤として添加してもよい。 【0066】 帯電防止剤の含有量は、通常、強磁性粉末の1乃至20重量%含有される。帯
電防止剤の量が余り多くなると強磁性粉末の充填度を低下させるので好ましくな
い。 【0067】 本発明の磁気記録媒体の非磁性層は、非磁性粉末と結合剤樹脂を主体とする層
である。非磁性粉末と結合剤樹脂の比率は、重量比で100:10乃至100:
50であることが望ましい。 【0068】 非磁性層の厚さは、0.5乃至10μm、望ましくは0.5乃至5μmである
。非磁性層の厚さが余り薄いと、均一な厚さの磁性層が得られなくなり、また余
り厚いと磁気ヘッドとの当たりが劣化するので好ましくない。 【0069】 非磁性層中に含有される非磁性粉末は、特に限定されることはなく、従来から
公知の各種の非磁性粉末が使用できる。中でも、前述した磁性層中に含有するこ
とのできる帯電防止剤を非磁性層中に含有させること磁性層が薄いだけに本発明
の磁気記録媒体の帯電性を弱めドロップ・アウトの原因となる付着物の防止に有
効である。 【0070】 前記非磁性層中に含有する導電性粒子としては、カーボンブラックが望ましく
、ゴム用ファ−ネス、ゴム用サ−マル、カラ−用ブラック、アセチレンブラック
、等を用いることができる。比表面積は5乃至500m2/g、DBP吸油量は
10乃至1500ml/100g(カーボンブラックのDBP吸油量は、カーボ
ンブラック粉末にジブチルフタレートを少しづつ加え、練り合わせながらカーボ
ンブラックの状態を観察し、ばらばらに分散した状態から一つの塊をなす点を見
いだしその時のジブチルフタレートの添加量(ml)をDBP吸油量とした。)
、粒子径は5mμ乃至300mμ、PHは2乃至10、含水率は0.1乃至10
重量%、タップ密度は0.1乃至1g/CC、が好ましい。本発明に用いられるカ
−ボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製、BLACKPEARLS
2000、1300、1000、900、800,700、VULCAN X
C−72、旭カ−ボン社製、#80、#60,#55、#50、#35、三菱化
成工業社製、#3950B、#2400B、#2300、#900,#1000
#30,#40、#10B、コロンビアカ−ボン社製、CONDUCTEX
SC、RAVEN 150、50,40,15、ライオンアグゾ社製ケッチェン
ブラックEC、ケッチェンブラックECDJ−500、ケッチェンブラックEC
DJ−600などが挙などがあげられる。カ−ボンブラックを分散剤などで表面
処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化し
たものを使用してもかまわない。また、カ−ボンブラックを塗布分散液に添加す
る前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。 【0071】 なお磁性層にカ−ボンブラックを使用する場合は強磁性粉末に対する量は0.
1乃至30重量%であることが好ましい。さらに非磁性層には全非磁性粉末に対
し3乃至20重量%含有させることが好ましい。カ−ボンブラックは磁性層・非
磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、
これらは用いるカ−ボンブラックにより異なる。従って本発明に使用されるこれ
らのカ−ボンブラックは、その種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油量、
電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的に応じて使い分けることはも
ちろん可能である。使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便
覧」カ−ボンブラック協会編を参考にすることができる 【0072】 非磁性層中に含有させる非磁性粉末としては、その他、前記の磁性層中に含有
させる研磨剤などを使用することができる。 【0073】 これら非磁性粉末の粒子サイズは0.01乃至2μmが好ましいが、必要に応
じて粒子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒
径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。タップ密度は0.3乃至
2g/cc、含水率は0.1乃至5重量%、pHは2乃至11、比表面積は1乃
至30m2/gが好ましい。本発明に用いられる非磁性粉末の形状は針状、球状
、サイコロ状のいずれでも良い。本発明に用いられる非磁性粉末の具体的な例と
しては、住友化学社製、AKP−20、AKP−30,AKP−50、HIT−
50、日本化学工業社製、G5,G7,S−1、戸田工業社製、TF−100,
TF−120,TF−140、石原産業社製TT055シリーズ、ET300W
、チタン工業社製STT30などがあげられる。 【0074】 非磁性層に使用する結合剤樹脂は、磁性層用のものと本質的に変わるところは
なく同じものが使用できる。 【0075】 以上の各組成物を結合剤樹脂の有機溶媒と共に混合し、混分散機で分散処理
して均一な塗布液を作成する。 【0076】 磁性層中もしくは非磁性層中に添加される各素材は、必ずしも100%純粋で
はなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物 等の不純
分がふくまれてもかまわない。これらの不純分は30重量%以下が好ましく、さ
らに好ましくは10重量%以下である。 【0077】 また本発明で用いられる各素材のすべてまたはその一部は、塗布液を製造する
どの工程で添加してもかまわない、例えば、混練工程前に磁性体と混合する場合
、磁性体と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場
合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。 【0078】 本発明で用いられる前記有機溶媒は任意の比率でアセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ
ロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ
−ル、ブタノ−ル、イソブチルアルコ−ル、イソプロピルアルコール、メチルシ
クロヘキサノール、などのアルコ−ル類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブ
チル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコ−ル等のエステル類、グリコ
−ルジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、などのグ
リコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベン
ゼン、などの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四
塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン、等の塩
素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用でき
る。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未
反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分がふくまれてもかまわない
。これらの不純分は30重量%以下が好ましく、さらに好ましくは10重量%以
下である。本発明で用いる有機溶媒は必要ならば磁性層と非磁性層でその種類、
量を変えてもかまわない。 【0079】 上層の磁性層用塗布液に揮発性の高い溶媒をもちい表面性を向上させる、下層 の非磁性層塗布液に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)
を用い塗布の安定性をあげ、下層の非磁性層塗布液には溶解性パラメータの高い
溶媒を用い充填度を上げるなどがその例としてあげられるがこれらの例に限られ
たものではないことは無論である。 【0080】 本発明の磁気記録媒体の製造において、塗布液を製造する工程は、少なくとも
混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程
からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発
明に使用する磁性体粒子、結合剤樹脂、研磨剤、非磁性粒子、帯電防止剤、潤滑
剤、溶剤などすべての原料はどの工程のどの段階で添加してもかまわない。また
、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリ
ウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して
投入してもよい。 【0081】 本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として
を用いることができることは勿論であるが、混練工程では連続ニ−ダや加圧ニ−
ダなど強い混練力をもつものを使用することにより、本発明の磁気記録ディスク
の残留磁束密度(Br)を高くすることができる。連続ニ−ダまたは加圧ニ−ダ
を用いる場合は磁性体粒子と結合剤樹脂のすべてまたはその一部(ただし全結合
剤樹脂の30重量%以上であることが望ましい)および磁性粒子100重量部に
対し15乃至500重量部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細に
ついては特開平1−106388号公報、特開平1−79274号公報に記載さ
れている。本発明では、特開昭62−212933号公報に開示されているよう
な同時重層塗布方式を用いることによりより効率的に生産することができるる。 【0082】 本発明の磁気記録媒体を製造する際の非磁性層及び磁性層の塗布方法は、非磁
性支持体上に塗布された非磁性層用塗布層がまだ湿潤状態にあるうちに、磁性層
用塗布液をその上に塗布するいわゆるウェット・オン・ウェット方式の塗布方法
を採用するのが好ましい。この塗布方式を採用することにより、非磁性層に対す る磁性層の密着性を高めることができ、本発明のように磁性層の厚さが1.0μ
mと非常に薄くとも磁性層の剥れがなく、ドロップ・アウトが生じにくい走行耐
久性の優れた磁気記録ディスクを得ることができる。更に、薄くても厚さの均一
性の高い磁性層を得ることができる。非磁性層の塗布液を塗布、乾燥して非磁性
層を形成してからその上に磁性層を塗布する方式では、磁性層が極めて薄いため
か、非磁性層と磁性層との密着性が充分でなく非磁性支持体上に形成された層と
して、2層が一体的な構造になり難いのである。 【0083】 ウェット・オン・ウェット塗布方式の具体的な方法としては、 (1) 磁性塗料で一般的に用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、
エクストルージョン塗布装置によりまず下層を塗布し、その層がまだ湿潤状態に
あるうちに、例えば、特公平1−46186号公報、特開昭60−238179
合公報及び特開平2−265672号公報に開示されている非磁性支持体加圧型
エクストルージョン塗布装置により上層を塗布する方法、 (2) 特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報及び特開平2
−265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを二つ内蔵し
た塗布ヘッドにより、下層の塗布液及び上層の塗布液をほぼ同時に塗布する方法
、 (3) 特開平2−174965号公報に開示されているバックアップロール付きエ
クストルージョン塗布装置により、上層及び下層をほぼ同時に塗布する方法、等
が挙げられる。 【0084】 なお、塗布液中に分散された粒子の凝集を防止するために、例えば、特開昭6
2−95174号公報及び特開平1−236968号公報に開示されているよう
な方法により、塗布ヘッド内部の塗布液に剪断力を付与することが望ましい。 【0085】 また、ウェット・オン・ウェット塗布方式で留意すべきこととして、塗布液の
粘弾性特性(チクソトロピック性)がある。即ち、上層と下層の塗布液の粘弾特
性の差が大きいと塗布した際に、上層塗布層と下層塗布層との界面で液の混じり 合いが起こり、本発明のように上層の磁性層の厚さが非常に薄い場合、磁性層の
表面性が低下するなどの問題を引き起こし易い。 【0086】 塗布液の粘弾性特性をできるだけ近づけるためには、まず、上層と下層の分散
粒子を同一にすることが効果的であるが、本発明の場合は、それができないので
、磁性層の塗布液中で磁性粒子が磁性により形成されるストラクチャー構造がも
たらす構造粘性と合わせるために、下層の非磁性層塗布液の非磁性粒子としてカ
ーボンブラックのように構造粘性を形成し易い粒子を使用することが望ましい。
そのために本発明において、吸油量が大きく且つ粒子サイズの小さいカーボンブ
ラックを使用することが有効であるが、同時にカーボンブラック以外の粒子サイ
ズの小さい非磁性粒子を使用することも有効である。例えば、1μm以下の酸化
チタン、酸化アルミ等の粒子では、適度な凝集により粒子の構造粘性を有した塗
布液となり易い。 【0087】 本発明の磁気記録媒体に用いられる非磁性支持体はポリエチレンテレフタレ−
ト、ポリエチレンナフタレート、等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セル
ロ−ストリアセテ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリスルフォン、などの公知のフィルムが使用できる。これらの支持
体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処
理、などをおこなっても良い。 【0088】 本発明の磁気記録媒体の厚さは、1乃至100μm、望ましくは20乃至85
μmである。 【0089】 また、非磁性支持体とその上に設けられる非磁性層との間に密着性向上のため
のポリエステル樹脂等からなる下塗り層を設けてもかまわない。これらの厚みは
、通常、0.01乃至2μm、望ましくは、0.05乃至0.5μmである。 【0090】 本発明の磁気記録媒体の非磁性層及び磁性層は、非磁性支持体の片面もしくは 両面に設けられる。 【0091】 本発明の目的を有効に達成するには、前記非磁性支持体の表面粗さは、中心線
平均表面粗さ(Ra)(カットオフ値0.25mm)で0.03μm以下、好ま
しくは0.02μm以下、さらに好ましくは0.01μmμ以下のものを使用す
るのが望ましい。また、これらの非磁性支持体は単に前記中心線平均表面粗さが
小さいだけではなく、1μm以上の粗大突起がないことが好ましい。また表面の
粗さ形状は必要に応じて非磁性支持体に添加されるフィラ−の大きさと量により
自由にコントロ−ルされるものである。これらのフィラ−の一例としては、Ca
、Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機樹脂微粉末があ
げられる。本発明に用いられる非磁性支持体のウエブ走行方向のF−5値は好ま
しくは5乃至50kg/mm2、ウエブ幅方向のF−5値は好ましくは3乃至3
0kg/mm2であり、ウエブ長い手方向のF−5値がウエブ幅方向のF−5値
より高いのが一般的であるが、特に幅方向の強度を高くする必要があるときはそ
の限りでない。 【0092】 また、前記非磁性支持体のウエブ走行方向および幅方向の100℃30分での
熱収縮率は好ましくは3%以下、さらに望ましくは1.5%以下、80℃30分
での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに望ましくは0.5%以下である。破
断強度は両方向とも5乃至100kg/mm2、弾性率は100乃至2000k
g/mm2が望ましい。 【0093】 さらに、磁性層の表面を平滑にする加圧成形処理で使用するカレンダロ−ルと
してエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあるプ
ラスチックロ−ルを使用する。また、金属ロ−ル同志で加圧成形処理することも
できる。加圧成形の処理温度は、望ましくは70℃以上、さらに望ましくは80
℃以上である。線圧力は望ましくは200kg/cm、さらに好ましくは300
kg/cm以上である。 【0094】 本発明の磁気記録媒体の磁性層面の表面固有抵抗は望ましくは105乃至5×
109オーム/sq、磁性層の0.5%伸びでの弾性率はウエブ塗布方向、幅方
向とも望ましくは100乃至2000kg/mm2、破断強度は望ましくは1乃
至30kg/cm2、磁気記録媒体の弾性率はウエブ塗布方向、幅方向とも望ま
しくは100乃至1500kg/mm2、残留のびは望ましくは0.5%以下、
100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は望ましくは1%以下、さらに望まし
くは0.5%以下、最も望ましくは0.1%以下である。 【0095】 磁性層中に含まれる残留溶媒は望ましくは100mg/m2以下、さらに望ま
しくは10mg/m2以下であり、磁性層に含まれる残留溶媒が非磁性層に含ま
れる残留溶媒より少ないほうが好ましい。 【0096】 磁性層が有する空隙率は磁性層、非磁性層とも望ましくは30容量%以下、さ
らに望ましくは10容量%以下である。非磁性層の空隙率が磁性層の空隙率より
大きいほうが好ましいが非磁性層の空隙率が5%以上であれば小さくてもかまは
ない。 【0097】 本発明の磁気記録媒体は非磁性層と磁性層を有するが、目的に応じ非磁性層と
磁性層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推定されることであ
る。例えば、磁性層の弾性率を高くし走行耐久性を向上させると同時に非磁性層
の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りを良くするなどで
ある。 【0098】 本発明の磁気記録ディスクを使用することにより、高密度の磁気記録が可能で
あり、特に、コンピューター情報を保存・読み出しに使用されるディジタルデー
タ記録媒体に必須の重ね書き特性が、例えば、最短記録波長が1.5μm以下で
あるような高密度記録になっても低下せず且つ走行耐久性も低下しないという利
点を有する。 【0099】 その利点は、本発明の磁気ディスクの構成及びその製造方法によってもたらさ
れる前記の特徴によるものであり、特に、非磁性支持体上に形成する層の前記構
成及びその層の前記塗布方法に起因している。 【0100】 また、記録波長が短波長化した場合だけではなく、トラック密度が高くなった
場合にも本発明の磁気記録ディスクを使用することにより、信号のクロストーク
が少なく、ピークシフトの分離性に優れた記録ができる。そのため、記録トラッ
ク幅が50μm以下、トラック密度14トラック/mm以上の条件で、最短記録
波長が1.5μm以下の記録をしても重ね書き適性に優れ、走行耐久性も良好な
記録・再生が可能である。 【0101】 本発明の新規な特徴を以下の実施例及び比較例によって、具体的に説明する。
尚、「部」とあるのはすべて「重量部」のことである。 【0102】 【実施例】 〔実施例1〕 (非磁性層用組成) 非磁性粉末 TiO2 (石原産業製 TY50) 90部 (平均粒子径 0.34μm、BET 法による比表面積 5.9m2/g 、pH 5.9) カーボンブラック(ライオンアグゾ社製ケッチェンブラックEC) 10部 (平均粒子径 30mμ、DBP吸油量 350ml/100g、 BET法による比表面積 950m2/g ) 塩化ビニル- 酢酸ビニル- ビニルアルコール共重合体 14部 (−N(CH3)3 +Cl-の極性基を5×10-6 eq/g 含む 組成比 86:13:1 重合度400 ) ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 -SO3Na基 1×10-4 eq/g 含有) secーブチルステアレート 5部 2ーブトキシ−1ープロピルステアレート 5部 オレイン酸 1部 メチルエチルケトン 200部 【0103】 (磁性層用組成) 強磁性金属粉末 (組成 Fe:Ni=96:4) 100部 (抗磁力Hc 1600Oe、比表面積 58m2/g 結晶子サイズ 195A、飽和磁化 σs 130emu/g 粒子サイズ(長軸径) 0.20μ、針状比 10) 塩化ビニル系共重合体 14部 (ーSO3Na含有量:1×10-4eq/g) ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 -SO3Na基 1×10-4eq/g含有) α−アルミナ(住友化学社製AKP−15) 10部 (平均粒子サイズ 0.7μm、比表面積 3.1m2/g、モース硬 度 9.0) カ−ボンブラック(粒子サイズ 0.10μm) 0.5部 イソヘキサデシルステアレート 6部 オレイン酸 2部 メチルエチルケトン 200部 【0104】 上記の磁性層用組成物及び非磁性相溶組成物のそれぞれを連続ニ−ダで混練し
たのち、サンドミルをもちいて分散させた。得られた分散液にポリイソシアネ−
トを非磁性層の塗布液には10部、磁性層の塗布液には12部を加え、さらにそ れぞれに酢酸ブチル40部を加え,1μmの平均孔径を有するフィルタ- を用いて濾
過し、非磁性層形成用および磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調整した。 得られた非磁性層塗布液を、乾燥後の非磁性層の厚さが2μmになるように、
その上に磁性層用塗布液を、磁性層の乾燥後の厚さが0.45μmになるように
、厚さ62μmで中心線表面粗さが0.01μmのポリエチレンテレフタレ−ト
支持体上に同時重層塗布をおこない、両層がまだ湿潤状態にあるうちに周波数5
0Hz、磁場強度200ガウスまた周波数50Hz、120ガウスの2つの磁場
強度交流磁場発生装置の中を通過されランダム配向処理をおこない乾燥後、7段
のカレンダで温度90℃、線圧300kg/cmにて処理を行い、3.5吋に打
ち抜き表面研磨処理施した後、ライナーが内側に設置済の3.5吋カートリッジ
に入れ、所定の機構部品を付加し、3.5吋フロッピーディスクの試料を作成し
た。 【0105】 〔実施例2〕 実施例1において、磁性層に使用したαーアルミナを以下のものに変更した他
は実施例1と同一の条件で3.5吋フロッピーディスクの試料を作成した。 αーアルミナ(住友化学社製 AKP−10) 10部 平均粒子サイズ1.0μm、比表面積 2.1m2/g 【0106】 〔実施例3〕 実施例1において、非磁性層塗布液を乾燥後の厚さが2μmになるようにさら
にその直後にその上に上層磁性層乾燥厚さが0.2μmになるように塗布した以
外は、実施例1と同一の条件で3.5吋フロッピーディスクの試料を作成した。 【0107】 〔実施例4〕 実施例1において、磁性層に使用したαーアルミナの添加量を以下のように変
更した以外は、実施例1と同一の条件で3.5吋フロッピーディスクの試料を作
成した。 α−アルミナ(住友化学社製AKP−15) 3部 平均粒子サイズ0.7μm、比表面積 3.1m2/g 【0108】 〔実施例5〕 実施例1において、磁性層に使用したαーアルミナの添加量を以下のように変
更した以外は、3.5吋フロッピーディスクの試料を作成した。 α−アルミナ(住友化学社製AKP−15) 18部 平均粒子サイズ0.7μm、比表面積 3.1m2/g 【0109】 〔比較例1〕 実施例1において、磁性層に使用したαーアルミナを以下のように変更した以
外は、実施例1と同一の条件で3.5吋フロッピーディスクの試料を作成した。α−アルミナ(住友化学社製 HITー50) 10部 平均粒子サイズ0.25μm、比表面積 8.5m2/g 【0110】 〔比較例2〕 実施例3において、磁性層に使用したαーアルミナを以下のものに変更した以
外は、実施例1と同一の条件で3.5吋フロッピーディスクの試料を作成した。 α−アルミナ(住友化学社製HITー100) 10部 平均粒子サイズ0.06μm、比表面積 26m2/g 【0111】 〔比較例3〕 実施例1において、磁性層の組成からαーアルミナを除去した以外は実施例1
と同一の条件で3.5吋フロッピーディスクの試料を作成した。 【0112】 〔比較例4〕 実施例1において、非磁性塗布液のみ支持体上に乾燥後の厚さが2μmになる
ように塗布後、実施例1の条件で、乾燥、カレンダー処理を行った。その後、そ
の非磁性層の上に磁性層を乾燥後の厚さが0.45μmになるように塗布し、磁
性層の塗布層が湿潤状態のあるうちに実施例1と同一の条件でランダム配向、乾 燥、カレンダー処理を3.5吋フロッピ−ディスクの試料を作成した。 【0113】 〔比較例5〕 実施例1において、磁性層の乾燥後の厚さが1.2μmになるようにした以外
は、実施例1と同一の条件で3.5吋フロッピーディスクの試料を作成した。 【0114】 〔比較例6〕 実施例1において、非磁性層を形成せずに磁性層のみを実施例1と同一の条件
で塗布した以外は、実施例1と同一の条件で3.5吋フロッピーディスクの試料
を作成した。 【0115】 以上のようにして作成した3.5吋のフロッピーディスクの試料を以下の測定
条件で評価した。 【0116】 (配向度比) 振動試料型磁束計(東英工業社製)を使用しHm 10kOeの磁場をかけ測定
し、試料を10度おきに0度乃至360度まで磁場を回転させ角型比を求め、そ
の角型比の最小値を最大値で除した値を算出し配向度とした。 【0117】 (再生出力の測定) 東京エンジニアリング製ディスク試験装置SK606B型を用いギャップ長0
.45μmのメタルインギャップヘッド用い、それぞれ記録周波数625kHz
で半径24.6mmの位置において記録した後ヘッド増幅機の再生出力をテクト
ロニクス社製オシロスコープ7633型で測定した。 実施例1の出力を100
として相対値で示した。 【0118】 (モジュレーション) 再生出力の測定と同様の条件、装置を使用し、再生波形の1周における最大値
Vmax と最小値Vmin を ((Vmax −Vmin)/(Vmax +Vmin))×10 0(重量%) の式に代入して求めた。 【0119】 (重ね書き特性) 重ね書き特性は上記の試験装置を用い半径39.5mmの位置で、交流消磁済
みサンプルに312.5kHz記録しアドバンテスト社製TR4171型スペク
トラムアナライザで312.5kHz成分の出力O1(dB)を測定した後直ち
に1MHzを重ね書きしその時の312.5kHz成分の出力O2(dB)から
重ね書き O2−O1(dB)を求めた。 【0120】 (耐久性) 日本電気(株)製フロッピーディスクドライブFD1331型を用い、記録周
波数625kHzで全240トラックに記録した後半径が中心から37.25m
mの位置において以下のフローを1サイクルとするサーモサイクル試験を実施し
た。このサ−モ条件下において、パス回数で2500万回まで走行させたときの
走行状態をもって、走行耐久性を評価した。 [サーモサイクルフロー] (25℃ 50%RH条件下に1時間保持)→(2時間昇温)→(60℃ 20
%RH条件下に7時間保持)→(2時間降温)→(25℃ 50%RH条件下に
1時間保持)→(2時間降温)→(5℃ 50%RH条件下に7時間保持)→(
昇温2時間)→(25℃ 50%RH条件下に1時間保持)→以後繰り返し(中
心線平均表面粗さ(Ra)) 三次元表面粗さ計(小坂研究所製)を用いカットオフ値0.25mmで測定し
た。以上の評価方法で得られた実施例、比較例のそれぞれの特性値の評価結果を
以下の表1に示した。 【0121】 【表1】 【0122】 本発明の実施例1〜実施例5は再生出力、モジュレーション、オーバーライト
の各電磁変換特性において優れた特性を示し、サイクル耐久性においても安定し
た結果を示している。 【0123】 また磁性層厚みより小さい平均粒子サイズの研磨剤を使用した比較例1乃至比
較3は、耐久性においてヘッド貼り付きで停止あるいは、磁性層の削れが発生し
た。また、同時重層塗布でない比較例4は表面粗さがやや大きく、再生出力が幾
らか低いものの耐久性が良好であった。 非磁性層を設けなかった比較例6の磁気記録媒体は表面性が劣化し、再生出力
が大幅低下、サイクル耐久性も不十分な結果となった。 【0124】 磁性層の塗布後乾燥厚みが厚いものは十分なオバーライト特性が得られていな
い。通常、デジタル記録媒体においてはー30dB以下のオバーライト特性が必
要とされる。さらには走行耐久性も実施例に比較して劣った(比較例5)。 【0125】 〔実施例6〕 実施例1において、磁性層の組成物のα−アルミナを下記のダイヤモンド粉末
変更した以外は、実施例1と同一の条件で3.5吋フロッピーディスクの試料を
作成した。 ダイヤモンド粉末 1部 (平均粒子サイズ 0.3μm、モース硬度 10) 【0126】 〔実施例7〕 実施例1において、非磁性層の非磁性粒子であるTiO2をα−Fe23(戸
田工業製TF−100):平均粒子径0.34μm、BET法の非表面積 11
2/g pH 5.6に変えた以外は、実施例1と同一の条件で3.5吋のフ
ロッピーディスクのサンプルを作成した。 【0127】 〔実施例8〕 実施例6において、磁性層のダイヤモンド粉末として平均粒子径が0.6μm
のものを使用した以外は実施例1と同一の条件で3.5吋のフロッピーディスク
のサンプルを作成した。 【0128】 〔実施例9〕 実施例6において、磁性層の乾燥後の厚さが0.2μmとなるように塗布した以
外は、実施例6と同一の条件で3.5吋のフロッピーディスクのサンプルを作成
した。 【0129】 〔比較例7〕 実施例6において、磁性層の乾燥後の厚さが1.2μmになるようにした以外
は、実施例6と同一の条件で3.5吋のフロッピーディスクの試料を作成した。 【0130】 〔比較例8〕 実施例6において、非磁性層を形成せずに磁性層のみを実施例6と同一の条件
で塗布した以外は、実施例6と同一の条件で3.5吋フロッピーディスクの試料
を作成した。 実施例6〜実施例9及び比較例7及び比較例8の評価結果を以下の表2に示す
。 【0131】 【表2】 【0132】 【発明の効果】 非磁性層の塗布層が湿潤状態にあるうちにその上に磁性層用塗布塗布層を形成
した非磁性層及び1μm以下の磁性層が非磁性支持体上にこの順で形成されてい
る磁気記録媒体において、磁性層中にモース硬度6以上でかつ前記磁性層の厚さ
よりも平均粒子径が大きい研磨剤を含有させるかもしくはモース硬度9以上であ
る研磨剤を含有させることにより、電磁変換特性及び重ね書き特性が共に優れ且
つ走行耐久性にも優れた特に高容量磁気記録ディスクに最適な磁気記録媒体を得
ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 非磁性支持体上に非磁性粉末及び結合剤樹脂を主体とする非磁
    性層及び強磁性粉末及び結合剤樹脂を主体とする磁性層がこの順に形成されてい
    る磁気記録媒体において、該磁性層の厚さは1.0μm以下であり、前記磁性層
    中にモース硬度6以上でかつ前記磁性層の厚さよりも平均粒子径が大きい研磨剤
    を含有し、前記磁性層中の研磨剤粒子は非磁性層の方にも入り込んでいることを
    特徴とする磁気記録媒体。 【請求項2】 前記強磁性粉末が強磁性金属粉末もしくは強磁性六方晶系フェ
    ライト粉末であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。 【請求項3】 前記磁性層中における前記強磁性粉末の粒子の配向度比が0.
    85以上であって、形状がディスクであることを特徴とする請求項1または2に
    記載の磁気記録媒体。 【請求項4】 前記磁性層中に含有される研磨剤の平均粒子径は0.05乃至
    3μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒
    体。 【請求項5】 前記磁気記録媒体がデータ記録用の磁気ディスク用であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。 【請求項6】 非磁性粉末を結合剤中に分散させた下層非磁性層用塗布液と、
    強磁性粉末とモース硬度6以上でかつ乾燥後の磁性層の厚さよりも平均粒子径が
    大きい研磨剤を結合剤中に分散させた磁性層用塗布液をそれぞれ調製し、非磁性
    支持体上に前記非磁性層用塗布液を塗布して得られた下層非磁性層が湿潤状態の
    うちに下層非磁性層の塗布と同時又は逐次に、前記磁性層の乾燥厚みが1μm以
    下となるように前記磁性層用塗布液を塗布することを特徴とする磁気記録媒体の
    製造方法。

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