JP2611367B2 - 荷重センサセル - Google Patents

荷重センサセル

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、ロバーバル機構を備えた荷重センサセルに
関し、例えば電子天びん等における荷重検出機構等とし
て利用されるセンサセルに関する。
<従来の技術> ロバーバル機構を備えた荷重センサセルの構造を、例
えば第4図に電子天びんに組み込んだ状態で示す。ロバ
ーバル機構1は、互いに平行な2本のはり11,12の両端
部を、それぞれ薄肉部11a,11b,12aおよび12bを介して固
定柱13と可動柱14に接続した機構であり、この機構によ
り、可動柱14に荷重Fが作用したときには各薄肉部11a,
11b,12aおよび12bが撓み、可動柱14は固定柱13に対して
平行に変位することになる。なお、このロバーバル機構
1は母材の刳貫き加工等によって一体形成される場合が
多い。
可動柱14の固定柱13に対する変位は、固定柱13にアー
ム3を介して一端が固定され、他端がこの可動柱14に固
定されたセンサ2によって検出され、このセンサ2の出
力がFを表すよう構成されている。なお、センサ2とし
ては種々のものがあるが、例えば弦の張力変化による弦
の固有振動数変化を検出する方式のもの、可動柱14の変
位を零に戻すべくFと反対向きの電磁力を発生して、そ
の平衡状態における電磁力を発生するに要した電流値か
らFを求める方式のもの、あるいは単に歪ゲージを利用
したもの等がある。
さて、このようなロバーバル機構1とセンサ2等から
なる荷重センサセルは、電子天びんに組み込む場合、そ
の固定柱13が天びんベース4に固着され、また、可動柱
14に秤量皿5が装着され、この秤量皿5に作用する荷重
Fを検出するわけである。
<発明が解決しようとする課題> ところで、上述のような荷重センサセルにおいて、ロ
バーバル機構1は各薄肉部11a,11b,12aおよび12bを頂点
とする平行四辺形を正しく形成している必要があり、こ
れが狂っていると、可動柱14に対する荷重の作用点の相
違によってセンサ2による荷重検出信号の大きさが変化
してしまう。つまり、天びんに組み込んだ場合には、秤
量皿5上のどの位置に試料を載せるかによって、その測
定荷重値に相違が生じる。これは一般に偏置誤差と称さ
れる。
第5図はこの偏置誤差に関する模式的な説明図であ
る。この図において、平行四辺形が完全でなく例えばh2
≠h1なら、偏位量dで荷重Fが作用したとき、その測定
荷重値WはFと一致せず、 F=W−dF(h2−h2)/h2l となることが知られている。
そこで、従来、このような偏置誤差が生じないよう
に、製造段階において薄肉部11a,11b,12aおよび12bのい
ずれかを削って調整することが行われている。例えば第
5図においてh2>h1であったとすると、h1=h2となるま
で薄肉部11aもしくは12aをヤスリ等で徐々に削り、偏置
誤差が測定精度に対して問題とはならない程度にまで調
整していた。
以上のような調整法によると、削った部分の金属の結
晶配列に転位が生じて加工硬化を起こし、これによって
薄肉部の機械的特性が変化してしまったり、あるいは、
削る際に生ずる加工熱により、再調整のための偏置誤差
の再測定時に測定値がドリフトしてしまうという問題が
あった。更に、このようなヤスリ等により削り取り加工
はその加工量を定量的に把握しにくく、熟練を要するも
のであって、ロボット等を用いたフィードバック制御に
は通さないという問題もある。
<課題を解決するための手段> 本発明は上記した問題点を一挙に解決するためになさ
れたもので、その構成を実施例に対応する第1図を参照
しつつ説明すると、本発明の荷重センサセルは、ロバー
バル機構1の薄肉部11a,11b,12aおよび12bのうち、少く
とも一つのものに、可動柱14に対する荷重作用点の相違
による荷重検出誤差(偏置誤差)を補正するための薄膜
Tが形成されていることによって、特徴づけられる。
<作用> 偏置誤差発生の原因は、前記したようにロバーバル機
構1の平行四辺形の狂いにあり、従って、これを正しく
調整するために、薄肉部11a,11b,12aおよび12bのいずれ
かを削るのではなく、厚くしてもよいわけである。
薄膜Tが形成された薄肉部11a等は、その薄膜Tの膜
厚分だけ実質的に厚くなり、これによって平行四辺形の
狂いの調整が可能となる。
ここで、薄膜Tの膜厚制御は比較的容易であり、加工
硬化等を生じず、所期の目的を達成できる。
<実施例> 第1図は本発明実施例の正面図である。
基本的構造は従来の荷重センサセルと同等であり、2
本の互いに平行なはり11,12の両端に、それぞれ薄肉部1
1a,11b,12aおよび12bを介して固定柱13と可動柱14が接
続された一体形成型のロバーバル機構1と、前記した弦
振動式等のセンサ2およびアーム3によって構成されて
いる。
さて、この実施例では、薄肉部11aと12bの外側に、そ
れぞれ薄膜Tが形成されており、これによってロバーバ
ル機構1の平行四辺形が正しく調整され、偏置誤差発生
を防止している。
ここで、偏置誤差は、第1図中左右方向以外に、実際
には紙面に直交する方向についても生じるものであっ
て、この方向の調整は各薄肉部における同方向への厚さ
の調整によって行われる。すなわち、第2図はロバーバ
ル機構1のみを抽出した斜視図で示す薄膜Tの形成位置
の説明図で、一方のはり11の両端の薄肉部11aおよび11b
には、それぞれA1,A2およびA3,A4の計4箇所の膜形成位
置が用意されており、他方のはり12の両端の薄肉部12a
および12bにもそれぞれ同様であって、合計8箇所が薄
膜形成位置として選択できるようになっている。これら
のうち、どこにどれだけの厚さの薄膜を形成するのか
は、母材を刳貫いたままでのロバーバル機構1の偏置誤
差の方向と量によって決定することができる。
薄膜Tの材質としては、ロバーバル機構1の母材と同
一の金属か、あるいは母材と同程度のヤング率等の機械
的特性を有する金属が好ましい。また、薄膜Tの製膜法
としては、スパッタリング、電解メッキ、あるいは蒸着
等の方法を採用することができ、薄膜形成部以外の母材
をマスクすることによって前述した8箇所のうち任意の
1または複数箇所への製膜が可能である。また、その膜
厚は、製膜条件と製膜時間によって精密で定量的な制御
が可能であり、再調整等の必要はないと同時に、加工変
質層等も生じない。
なお、薄膜Tの形成箇所と膜厚tは、上述の例のよう
に偏置誤差の測定結果により決定するほかに、例えば第
3図に示すように、調整前のロバーバル機構1の各部の
寸法L,H1,H2,H3およびH4等を計測して、計算によって簡
便的に求めることができ、膜厚tの制御が容易なことと
相俟って、コンピュータを使用した補正にも容易に適応
できる。
<発明の効果> 以上説明したように、本発明によれば、ロバーバル機
構の各薄肉部のうちの適宜のものに薄膜を形成すること
によって偏置誤差を解消するよう構成したから、従来の
ようにヤスリ等による削り込み作業が不要となり、加工
硬化による性能劣化が生じず、また、比較的容易な膜厚
制御によって調整できるので、熟練に頼ることなく定量
的な調整が可能となり、再調整が殆んど不要となるとと
もに、調整作業の全自動化にも容易に対応できるように
なった。
なお、精密な測定に供される電子天びんに用いる荷重
センサセルの場合には、まず従来通りのヤスリ等による
粗調整の後、膜形成による精調整を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の正面図、 第2図はそのロバーバル機構1のみを抽した斜視図で示
す薄膜形成位置の説明図、 第3図は本発明の他の実施例の薄膜形成位置とその膜厚
tの決定法の説明図、 第4図はロバーバル機構を備えた荷重センサセルを天び
んに組み込んだ状態で示す一般的構造の説明図、 第5図は偏置誤差の模式的説明図である。 1……ロバーバル機構 11,12……はり 11a,11b,12a,12b……薄肉部 13……固定柱 14……可動柱 2……センサ 3……アーム 4……天びんベース 5……秤量皿 T……薄膜

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに平行な2本のはりの両端に、それぞ
    れ薄肉部を介して固定柱と可動柱が接続されてなるロバ
    ーバル機構の、上記可動柱に作用する荷重を、その荷重
    による上記可動柱の固定柱に対する変位に基づいて出力
    信号が変化する検出手段によって検出する装置におい
    て、上記薄肉部のうち少くともいずれか一つのものに、
    上記可動柱に対する荷重作用点の相違による荷重検出誤
    差を補正するための薄膜が形成されていることを特徴と
    する、荷重センサセル。
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