JP2665809B2 - 多官能ウレタンアクリレート - Google Patents

多官能ウレタンアクリレート

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、高硬度で、耐擦傷性、密着性、柔軟性に優
れた、電子線、紫外線硬化型プラスチックハードコート
剤に関する。
〈従来の技術およびその問題点〉 プラスチック素材、例えばポリメチルメタクリレー
ト、ポリカーボネート、ABS、ポリ塩化ビニル等の表面
に保護層を設け、表面硬度、耐擦傷性を向上させる従来
からの方法として、熱硬化によりシリコーン系樹脂等を
コーティングする方法、あるいは、多官能アクリル化合
物を主成分とする組成物をプラスチック表面に塗付した
後、電子線、紫外線を照射することにより、硬化を行い
ハードコートを行う方法が知られている。
しかし、熱硬化によるハードコートの場合、プラスチ
ック基材の耐熱性に制限があるため、加熱温度を充分に
上げられない場合や、ハードコート層そのものが柔軟性
に欠けるためプラスチックフィルム等の柔軟性の要求さ
れる基材へは、適用が困難であるという欠点がある。
また、電子線、紫外線照射による硬化の場合は、表面硬
度、耐擦傷性に優れるものの、プラスチック基材への密
着性良好な硬化膜を得るのは難しく、プラスチック表面
にコロナ放電処理あるいは、アルカリ処理等を施した
後、電子線、紫外線硬化樹脂をコーティングする方法が
とられている。さらに、熱硬化の場合と同じく表面硬
度、耐擦傷性を維持しつつ、柔軟性を持たせることを困
難であって、未だ、柔軟性を有するハードコート剤は得
られていない。
〈発明の目的〉 本発明は、前記問題を解消し、プラスチックフィルム
のような柔軟性の要求される基材にコーティングしても
クラック等の発生がなく、表面硬度、耐擦傷性に優れた
プラスティックハードコーティング剤に使用しうる電子
線、紫外線硬化型多官能ウレタンアクリレートを提供す
るものである。
〈問題点を達成するための手段〉 前記目標を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、
分子中にε−カプロラクトン成分を含有させることによ
り硬化膜に柔軟性を付与し、さらに分子中のアクリロイ
ル基の濃度を高めることにより架橋密度の高い硬化膜が
得られることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明は、ε−カプロラクトン変性トリオ
ール1モルに対して、脂環式ジイソシアネートを3モル
付加させて得られる末端にイソシアネート基を有するウ
レタンプレポリマー1モルに対して、3モルのペンタエ
リスリトールトリアクリレートを付加させて得られる、
1分子中に、アクリロイル基を9個有する多官能ウレタ
ンアクリレートである。本発明の多官能ウレタンアクリ
レートは電子線、紫外線硬化型プラスチックハードコー
ト剤に使用することができる。
本発明の多官能ウレタンアクリレートの出発原料の一
つであるε−カプロラクトン変性トリオールは、下記一
般式(1) (ただし、(1)式中、R1はトリオール残基を表し、
l,m,nはそれぞれ正の数を表し、l+m+nの平均は1.9
〜12.4を表す。) で表される化合物である。
ε−カプロラクトン変性トリオールとしては、トリメ
チロールプロパンを開始剤として、触媒の存在下にε−
カプロラクトンを120〜220℃に加熱撹はんし開環重合す
ることにより得られる。
触媒としては、テトラメトキシチタン、テトラエトキ
シチタン、テトラn−プロポキシチタン、テトライソプ
ロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどの有機チタ
ン系化合物、ジ−nブチル錫ジラウレート、ジイソブチ
ル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテートなどの有機錫
化合物、マグネシウム、カルシウム、亜鉛などの酢酸塩
と酸化アンチモンまたは過塩素酸をあげることができ
る。触媒の添加量としては、ε−カプロラクトンモノマ
ーに対して10〜1,000ppmの範囲で用いることが好まし
い。
脂環式のジイソシアネートとしては、イソホロンジイ
ソシアネート、4、4′−ジフェニルメタンジイシシア
ネートの水素添加されたもの、トリメチレンキシレンジ
イソシアネートの水素添加されたもの、トリレンジイソ
シアネートの混合物の水素添加されたのも等が一般的で
あるが、脂環式の骨格を有し、分子中に2個のイソシア
ネート基を有する化合物であれば使用可能である。その
中でも、イソホロンジイソシアネートは耐候性、耐加水
分解性および耐黄変性が良好な点から特に好ましい。
ε−カプロラクトン変性トリオールに脂環式ジイソシ
アネートを付加させる反応はε−カプロラクトン変性ト
リオールに触媒の存在下、窒素雰囲気中で反応温度50〜
100℃、好ましくは、60−70℃の温度範囲で脂環式ジイ
ソシアネートを滴下することにより行う。反応温度が50
℃未満では反応速度が小さく、逆に100℃を越えるとイ
ソシアネート基どうしの副反応等により目的の化合物が
得られないので好ましくない。この反応は、触媒を用い
ることが望ましい。触媒としては、テトラブチルチタネ
ート、テトラプロピルチタネート、テトラエチルチタネ
ネート等のチタン化合物、オクチル酸スズ、ジブチルス
ズオキシド、ジブチルスズジラウレート等の有機スズ化
合物、さらには、塩化第一スズ、臭化第一スズ、ヨウ化
第一スズ等を用いることができる。使用量は、全仕込量
に対して、10−1,000PPMである。触媒の使用量が10PPM
未満では反応速度が小さく、逆に1,000PPMを越えると反
応系中に存在する未反応のイソシアネート基と生成した
ウレタン基の活性水素と反応するので好ましくない。こ
の反応の終点は分子末端に存在するイソシアネート基の
濃度を定量し、その値が1分子当りのイソシアネート基
の理論含有量に達したことを確認することによって終わ
らせる。生成物はそのまま次の反応に供することができ
る。
かかる反応の生成物は、式(2)で表される。
ただし、(2)式において、Xは以下 −CONH−R2−NCO を表す。
(ただし、(2)式中R1はトリオールの残基を表し、
R2は脂環式ジイソシアネート化合物のイソシアネート基
を除いた部分を表し、l,m,nは前記l,m,nと同じ意味を表
す。) 上記、一分子中にイソシアネート基3個を有するプレ
ポリマーに、ペンタエリスリトールトリアクリレート3
モルを付加させる反応は、乾燥空気雰囲気下、反応温度
40−80℃、好ましくは、50−70℃の温度範囲で行う。乾
燥空気雰囲気下で行うのはイソシアネート基が水分と反
応するのを防ぐためである。反応温度が40℃より低い温
度では反応速度が小さく、また、80℃より高い温度では
アクリロイル基がラジカル重合を起こすので好ましくな
い。この反応には触媒を用いることが好ましい。触媒と
しては、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタ
ネート、テトラエチルチタネート等のチタン化合物、オ
クチル酸スズ、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジ
ラウレート等の有機スズ化合物さらには、塩化第一ス
ズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一スズ等を用いることがで
きる。
使用量は全仕込量に対し10−1,000PPMである。使用量
が10ppm未満だと反応速度が小さく逆に1,000ppmを越え
ると分子末端のイソシアネート基どうしが反応し、目的
の化合物が得られないため好ましくない。また、反応に
際しては、ラジカル重合禁止剤として、ハイドロキノ
ン、di−t−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモ
ノメチルエーテル、p−t−ブチルカテコール、フェノ
チアジン等を全仕込量に対して、200〜5,000ppm添加す
ることが好ましい。ラジカル重合禁止剤を添加するのは
アクリロイル基の重合を防止するためである。
かかる反応の生成物は下記、式(3)で表される。
ただし、(3)式において、Yは以下を表す。
−CONH−R2−Z……Y 上記Y中のZは以下を表す。
上記Z中のPENTAは以下を表す。
(ただし、(3)式中R1,R2およびl,m,nは前記R1、R
2およびl,m,nと同じ意味を表す。) 脂環式ジイソシアネートと、ε−カプロラクトン変性
トリオールとのウレタン化反応および、このウレタンか
反応で得た分子末端にイソシアネート基を3個有するプ
レポリマーとペンタエリスリトールトリアクリレートと
のウレタン化反応は、アミン類、スズ化合物または金属
のアセチルアセトネート錯体等の任意の公知のウレタン
化触媒を用いることもできる。この触媒としては、トリ
エチレンジアミン、モルホリン、N−エチルモルホリ
ン、ピペリジン、トリエタノールアミン、トリエチルア
ミン、第一スズオクタエート、第一スズラウレート、第
一スズオレコート、第一スズトーレート、ジブツルスズ
オキサイド等を挙げることができる。
本発明の多官能ウレタンアクリレートは、電子線、紫
外線硬化型のプラスチックハードコーティング剤として
使用するに際し、粘度を低下させるために、アクリロイ
ル基を有する多官能反応性希釈剤と共に用いても良い。
多官能反応性希釈剤としては、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジベンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレート、グリセロー
ルペンタアクリレート、トトリメチロールプロパントリ
アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレー
ト、1、6−ヘキサンジオールジアクリレート等、複数
のアクリロイル基を有する化合物を使用できる。
本発明をさらに具体的に説明するために、次に実施例
を挙げるが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定
されるものではない。
実施例1 窒素導入管、温度計、冷却管及び撹はん装置を備えた
3L4つ口フラスコにε−カプロラクトン変性トリオール
(PCL 303、ダイセル化学工業(株)社商品名;OH価 54
0.1 mgKOHg) 312部(1モル)、ジブチルスズジラウ
レート 4.890部、溶媒として酢酸エチル468部を加え、
イソホロンジイソシアネート666部(3モル)を窒素雰
囲気下反応温度80℃以下に保ちながら滴下ロートより約
4時間で滴下し、滴下終了後約3時間80℃で反応を続け
た。反応生成物として、NCO濃度9.00%のε−カプロラ
クトン変性ウレタンプレポリマー/酢酸エチル溶液1451
部を得た。
ついで、これにハイドロキノンモノメチルエーテル5.
616部、ジブチルスズジラウレート9.360部及びペンタエ
リスリトールトリアクリレート894部(3モル)を加え
空気を導入しながら60℃で8時間反応させ、NCO濃度0.0
1%以下で反応を停止した。反応生成物として、ε−カ
プロラクトン変性9官能ウレタンアクリレートオリゴマ
ー/酢酸エチル溶液(ウレタンアクリレートAとする)
2340部を得た。
実施例2 実施例1と同様にε−カプロラクトン変性トリオール
(PCL 308、ダイセル化学工業(株)社商品名;OH価 19
4.8mgKOH/g)864部(1モル)、ジブチルスズジラウレ
ート7.650部、溶媒として、酢酸エチル606部を加えイソ
ホロンジイソシアネート666部(3モル)を窒素雰囲気
下、反応温度80℃以下に保ちながら滴下ロートより約4
時間で滴下し、滴下終了後約3時間80℃で反応を続け
た。反応生成物として、NCO濃度6.70%のε−カプロラ
クトン変性ウレタンプレポリマー/酢酸エチル溶液 21
44部を得た。
ついで、これにハイドロキノンモノメチルエーテル7.
272部、ジブチルスズジラウレート1.212部及びペンタエ
リスリトールトリアクリレート894部(3モル)を加
え、空気を導入しながら、60℃で8時間反応させNCO濃
度0.01%以下で反応を停止した。
反応生成物として、ε−カプロラクトン変性9官能ウレ
タンアクリレートオリゴマー/酢酸エチル溶液(ウレタ
ンアクリレートBとする)3030部を得た。
実施例1,2で得られた多官能ウレタンアクリレートオ
リゴマーを使用して表1に示す反応性希釈剤及び、光重
合開始剤の組合せで硬化物の硬度、密着性、柔軟性につ
いて評価した。
評価試料は、ポリエチレンテレフタレート(S−25
帝人(株)社商品名)に上記組成物を4μmになるよう
にバーコーターで塗付し、高圧水銀灯(ランプ入力120W
/cm)にて紫外線を照射して硬化させたのもを使用し
た。
光重合開始剤として、イルガキュアー500(チバ・ガ
イギー社商品名)を用いた。
(1) 鉛筆硬度:JIS-K-5400に準じ、加重1kgで鉛筆硬
度を測定した。
(2) 密着性:JIS-Z-1522に準じ、ゴバン目ハクリテ
ストにより評価した。
(3) 柔軟性:上記硬化試料をコーティング面を表に
して、二つ折りにしコーティング層にクラックが生じる
かどうか評価した。
クラックなし……○ クラック発生……× 表1から明かなように、本発明により得られた多官能
ウレタンアクリレートA,Bを使用して得られた硬化膜
は、良好な密着性を示し、硬度と柔軟性を共に兼ね備え
ていることがわかる。
〈発明の効果〉 本発明の多官能ウレタンアクリレートは、高硬度で、
柔軟性、密着性を同時に兼ね備えた電子線、紫外線硬化
型コーティング皮膜を得ることができる。
本発明のウレタンアクリレートオリゴマーは、ポリメ
チルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレン
テレフタレート等のプラスチックフィルムの表面コーテ
ィング剤として使用可能であり、高硬度、耐擦傷性に優
れたプラスチックフィルムを得ることができるという利
点がある。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ε−カプロラクトン変性トリオール1モル
    に対して、脂環式ジイソシアネートを3モル付加させて
    得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレ
    ポリマー1モルに対して、3モルのペンタエリスリトー
    ルトリアクリレートを付加させて得られる、1分子中
    に、アクリロイル基を9個有する多官能ウレタンアクリ
    レート。
  2. 【請求項2】前記トリオールが、トリメチロールプロパ
    ンとε−カプロラクトンの開環反応で得られた数平均分
    子量300−1、500を有する生成物である特許請求の範囲
    第1項に記載の多官能ウレタンアクリレート。
  3. 【請求項3】前記脂肪族ジイソシアネート化合物が、イ
    ソホロンジイソシアネート、4、4′−ジフェニルメタ
    ンジイソシアネートの水素添加されたもの、トリレンジ
    イソシアネート混合物の水素添加されたもの、テトラメ
    チルキシレンジイソシアネートの水素添加されたものの
    中から選ばれるいずれか一つである特許請求の範囲第1
    項に記載の多官能ウレタンアクリレート。
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