JP2667246B2 - 芳香族ポリエーテルケトン系樹脂組成物 - Google Patents

芳香族ポリエーテルケトン系樹脂組成物

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JP2667246B2 JP1090828A JP9082889A JP2667246B2 JP 2667246 B2 JP2667246 B2 JP 2667246B2 JP 1090828 A JP1090828 A JP 1090828A JP 9082889 A JP9082889 A JP 9082889A JP 2667246 B2 JP2667246 B2 JP 2667246B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は優れた耐熱特性を有する芳香族ポリエーテル
ケトン系樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
芳香族ポリエーテルケトン樹脂は機械的、化学的およ
び熱的性質に優れたエンジニアリングプラスチックであ
ることより、電気・電子機器、機械、自動車等の用途へ
の使用が期待されている。しかし最近の技術進歩に伴
い、芳香族ポリエーテルケトン樹脂が有する特性、特に
耐熱特性を一段と高めたものが要求されるようになって
きた。この為、芳香族ポリエーテルケトン樹脂に繊維状
補強材、特に炭素繊維を配合することにより機械強度を
向上させ耐熱性を改良する方法が実施されている。
炭素繊維はエポキシ樹脂をマトリックスとする炭素繊
維強化プラスチックに多く使用されているため、炭素繊
維の収束剤としては、エポキシ樹脂が使われている。し
かし、エポキシ樹脂収束剤は、エポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂がマトリックスである場合には有効であるが、芳
香族ポリエーテルケトン樹脂等の熱可塑性樹脂に対して
は接着性が悪いため、機械強度の良好な樹脂組成物が得
られない。このために、特開昭53−106752号公報に見ら
れるごとく、熱可塑性樹脂に対してはポリアミド樹脂を
収束剤として用いることが試みられている。しかし芳香
族ポリエーテルケトン樹脂の形成には370℃以上の高温
が必要であるため、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂にて
収束した炭素繊維を使用した場合には、成形中に収束剤
が熱分解して、ボイドの生成、ウエルド部強度の低下等
の問題を生じていた。
また特開昭56−120730号公報には芳香族ポリスルホン
樹脂にて収束した炭素繊維の使用が開示されており、ボ
イドの生成、ウエルド部強度の低下等の問題をなくして
いるが、機械強度の向上が少なく、より一層の機械強度
向上が要求されている。更に芳香族ポリスルホン樹脂に
て収束された炭素繊維を使用した芳香族ポリエーテルケ
トン樹脂組成物は、炭素繊維と芳香族ポリエーテルケト
ン樹脂との界面に芳香族ポリスルホン樹脂が存在するた
め、この樹脂組成物は芳香族ポリスルホン樹脂が侵され
る薬液に親戚した場合、機械強度が低下することが指摘
されている。
さらにまた上記芳香族ポリエーテルケトン樹脂に炭素
繊維を配合した場合機械強度は向上するが、マトリック
スのガラス転移温度を越えた温度範囲での強度低下は改
善されないという欠点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、マトリックス自体の耐熱性を改良
し、高温時機械強度に優れた炭素繊維配合芳香族ポリエ
ーテルケトン系樹脂組成物を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは前記目的を達成するために種々検討した
結果、芳香族ポリエーテルケトン樹脂に特定量のポリエ
ーテルイミドを配合することにより得られる樹脂組成物
をマトリックスとして用いることが有効であることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、 (a)下記(1)式で表される繰り返し単位を有する芳
香族ポリエーテルケトン95〜60重量%と、下記(2)式
で表される繰り返し単位を有するポリエーテルイミド5
〜40重量%とからなる樹脂組成物の75〜55重量%と、 (b)下記(3)〜(10)式 で表される繰り返し単位のうちの一種以上を有する芳香
族ポリスルホン樹脂で表面を被覆した後、300〜400℃で
加熱された炭素繊維の25〜45重量%とからなる芳香族ポ
リエーテルケトン系樹脂組成物である。
本発明において用いられる芳香族ポリエーテルケトン
は下記(1)式で表される繰り返し単位を有する熱可塑
性結晶性樹脂である。
本発明においては、ASTM D1238に準じ、380℃、2.16k
g荷重条件下で測定したメルトフローインデックスが5
〜50g/10min、望ましくは10〜25g/10minの範囲内のポリ
エーテルケトンが好ましく用いられる。
市販されているものとして、英国インペリアル・ケミ
カル・インダストリーズ社の「ビクトレックス ポリエ
ーテルケトンPEK 220P(商標)」があげられる。
本発明において用いられるポリエーテルイミドは下記
(2)式で表される繰り返し単位を有する。市販されて
いるものとしては、米国ゼネラル・エレクトリック社製
の商品名「ウルテム」が広く知られており、例えば特開
昭56−826号公報に記載された方法によって容易に製造
することができる。
本発明においては、320℃、2.16kg荷重条件下で測定
したメルトフローインデックスが0.3〜5g/10min、望ま
しくは0.5〜3g/10minの範囲のポリエーテルイミドが好
ましく用いられる。
芳香族ポリエーテルケトンとポリエーテルイミドの配
合割合は、芳香族ポリエーテルケトン95〜70重量%、望
ましくは90〜70重量%、ポリエーテルイミド5〜30重量
%、望ましくは10〜30重量%が適当である。芳香族ポリ
エーテルケトンが95重量%を越え、ポリエーテルイミド
が5重量%未満の場合には目的とする樹脂組成物の高温
での機械強度の向上効果が不十分であり、また芳香族ポ
リエーテルケトンが70重量%未満、ポリエーテルイミド
が30重量%を越えた場合には得られる樹脂組成物は、芳
香族ポリエーテルケトンが有している優れた化学的特性
を失ってくる。
本発明において、収束剤として炭素繊維の表面を被覆
するのに用いられる芳香族ポリスルホン樹脂は、アリー
レン結合、エーテル結合及びスルホン結合を結合単位と
する線状重合体であり、次式のような繰り返し単位から
なるものを用いる。
これらの芳香族ポリスルホン樹脂は、例えば特公昭40
−10067号公報、特公昭42−7799号公報、及び特公昭41
−617号公報等に記載された方法によって製造すること
ができ、少なくともこれらの一種または二種以上の混合
物が用いられる。市販されているものとしては、式
(3)で示される代表例として、英国インペリアル・ケ
ミカル・インダストリーズ社の「ビクトレックス ポリ
エーテルスルホン(商標)」が挙げられ、式(4)で示
される代表例として、英国アモコ・ケミカル社の「ユー
デル・ポリスルホン(商標)」等がある。
また本発明では使用される炭素繊維はアクリル系、レ
ーヨン系、リグニン系、ピッチ系等が挙げられ、いずれ
も使用される。本発明では繊維強度の最も高いアクリル
系が最も好ましく使用される。炭素繊維の形態は、チョ
ップトストランド、ロービング、織物等いずれでも良
い。これらの炭素繊維は予めその表面を酸化処理してお
くと更に好ましい。これら炭素繊維への芳香族ポリスル
ホン樹脂への被覆方法としては、芳香族ポリスルホン樹
脂をジクロルメタン、クロロホルム、1,2ジクロルエタ
ン、1,1,1,2,2−テトラクロルエタン、ジメチルスルホ
オキシド、ノルマルメチルペンタン、メチルエチルケト
ン、1,1,2−トリクロルエタンなどの溶剤に溶解した溶
液に、炭素繊維を浸し、その後乾燥し溶剤を除去して、
芳香族ポリスルホン樹脂を被覆した炭素繊維を得る。
通常、炭素繊維に対する芳香族ポリスルホン樹脂の被
覆量は炭素繊維100重量部に対し0.1〜10重量部が良く、
0.1重量部以下では本発明の効果はえられず、また10重
量部以上被覆させても、機械強度の向上は期待できず意
味がない。
以上のようにして芳香族ポリスルホン樹脂を被覆した
炭素繊維の熱処理は、空気中300〜400℃、特に好ましく
は340〜380℃の温度下に曝すことにより行われる。加熱
処理時間は3〜20時間、特に好ましくは5〜15時間であ
る。
このようにして得られる芳香族ポリスルホン樹脂を被
覆した炭素繊維と芳香族ポリエーテルケトンとポリエー
テルイミドの樹脂組成物との混合には種々の手法が採用
できる。例えば被覆、加熱処理した炭素繊維を3〜6mm
長さに切断し、これと芳香族ポリエーテルケトンとポリ
エーテルイミドの樹脂組成物を個々別々に溶融押出機に
供給して混合することもできるし、あらかじめヘンシェ
ルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダーなど
の混合機で予備ブレンドした後、溶融押出機に供給する
こともできる。更に被覆、加熱処理した炭素繊維ロービ
ングを直接溶融押出機に供給し、芳香族ポリエーテルケ
トンとポリエーテルイミドの樹脂組成物と混合すること
もできる。すなわち、炭素繊維、ポリエーテルケトン、
ポリエーテルイミドの3成分は最終的に本発明の組成比
になるのであればその混合順序、混合方法に制限は無
い。
本発明において芳香族ポリスルホン樹脂を被覆した炭
素繊維と芳香族ポリエーテルケトンとポリエーテルイミ
ドの樹脂組成物との配合割合は、炭素繊維25〜45重量
%、芳香族ポリエーテルケトンとポリエーテルイミドの
混合物75〜55重量%である。炭素繊維の量が25重量%未
満の場合には、得られる樹脂組成物の機械強度が低く好
ましくない。また炭素繊維を45重量%越えて配合した場
合には、得られた樹脂組成物の均一な溶融混合が難しく
なり、溶融流動性も著しく低下して射出成形などの加工
性を損なう結果となる。本発明の樹脂組成物には、必要
に応じ、タルク、炭酸カルシュウム、マイカ、ガラスビ
ーズ等の充填材、ガラス繊維、チタン酸カリ繊維、アラ
ミド繊維、セラミック質繊維等の繊維状補強材、安定
剤、着色剤を樹脂組成物の品質、性能を損なわない範囲
で混和してもよい。
上記した本発明の改良された炭素繊維と芳香族ポリエ
ーテルケトンとポリエーテルイミドとの樹脂組成物は、
射出成形法、押出成形法、トランスファー成形法、圧縮
成形法等公知の成形法により所定の成形品に成形するこ
とができる。
このようにして成形された本発明の樹脂組成物は、機
械強度、特に高温時の機械強度に優れているため、高温
において高い機械強度を必要とされる機械部品、自動車
部品等に特に好適にもちいることができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1〜3 インペリアル・ケミカル・インダストリーズ社の「ビ
クトレックス ポリエーテルスルホン PES5003P(商
標)」を20重量%、ジクロルメタン40重量%、1,1,2ト
リクロルエタン40重量%を使用してポリエーテルスルホ
ン溶液を調製した。表面を酸処理したアクリル系炭素繊
維(東邦レーヨン社製、商品名HTA。以下の実施例、比
較例において、炭素繊維は特記した以外はこの製品を使
用した)のロービングをポリエーテルスルホン溶液に60
M/HRの速度で連続的に浸漬し、乾燥し脱溶剤を行った後
3mm長さに切断し、チョップトストランドとした。
このチョップトストランドをステンレス製のバットに
入れ、370℃に昇温した電気炉に入れ、空気雰囲気下で1
0時間加熱処理を行った。
このようにして得られた炭素繊維チョップトストラン
ドと、芳香族ポリエーテルケトン(PEK)としてインペ
リアル・ケミカル・インダストリーズ社製PEK 220Pと、
ポリエーテルイミド(PEI)としてゼネラル・エレクト
リック社製のウルテム1000とを表−1に示した割合でド
ライブレンドした後65mm径押出機にて押出温度380℃で
溶融混練しながら押出す操作を行って均一配合ペレット
を得た。
次に上記の均一配合ペレットを日精樹脂工業社製80TO
N(型締力)の射出成形機を用い、シリンダー温度380
℃、金型温度180℃の条件下でASTM 1号ダンベル試験片
を成形した。室温下(23℃)と、高温下(165℃)で引
張試験、曲げ試験を、それぞれASTM−D638,D790に準じ
実施した。その結果を表−1に示した。
比較例1 実施例1においてマトリックス樹脂としてインペリア
ル・ケミカル・インダストリーズ社製PEK 220Pだけを用
いたほかは実施例1と同様の操作で炭素繊維配合PEK樹
脂の試験片を作成し、引張強度、曲げ弾性率を測定しそ
の経過を表−1に示した。
比較例2 実施例1においてマトリックス樹脂としてゼネラル・
エレクトリック社製のウルテム1000だけを用いたほかは
実施例1と同様の操作で炭素繊維配合PEI樹脂の試験片
を作成し、引張強度、曲げ弾性率を測定しその結果を表
−1に示した。
実施例4 実施例2において炭素繊維の添加量を40重量%とした
ほかは、実施例2と同様の操作で炭素繊維配合樹脂の試
験片を作成し、引張強度、曲げ弾性率を測定しその結果
を表−1に示した。
比較例3〜4 実施例2において炭素繊維の添加量を20重量%または
50重量%としたほかは、実施例2と同様の操作で炭素繊
維配合樹脂の試験片を作成し、引張強度、曲げ弾性率を
測定しその結果を表−1に示した。
〔発明の効果〕 本発明の芳香族ポリエーテルケトン系樹脂組成物は、
マトリックス自体の高温時耐熱性が改良された由に、こ
れが炭素繊維による補強効果と相乗し、総合的に優れた
耐熱性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71:10 (56)参考文献 特開 昭59−184254(JP,A) 特開 昭61−225247(JP,A) 特開 昭64−24856(JP,A) 牧廣、小林力夫編「エンジニアリング プラスチック(初版)」(S58.10. 31)産業図書株式会社 刊 p.148− 152

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)下記(1)式で表される繰り返し単
    位を有する芳香族ポリエーテルケトン95〜60重量%と、
    下記(2)式で表される繰り返し単位を有するポリエー
    テルイミド5〜40重量%とからなる樹脂組成物の75〜55
    重量%と、 (b)下記(3)〜(10)式 で表される繰り返し単位のうちの一種以上を有する芳香
    族ポリスルホン樹脂で表面を被覆した後、300〜400℃で
    加熱された炭素繊維の25〜45重量%とからなる芳香族ポ
    リエーテルケトン系樹脂組成物。
JP1090828A 1989-04-12 1989-04-12 芳香族ポリエーテルケトン系樹脂組成物 Expired - Lifetime JP2667246B2 (ja)

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JPS59184254A (ja) * 1983-04-04 1984-10-19 Toray Ind Inc ポリアリ−ルケトン系樹脂組成物
JPS61225247A (ja) * 1985-03-27 1986-10-07 アモコ、コ−ポレ−ション 耐摩耗性ポリ(アリ‐ルエ‐テルケトン)/ポリイミド混合物
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
牧廣、小林力夫編「エンジニアリング プラスチック(初版)」(S58.10.31)産業図書株式会社 刊 p.148−152

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