JP2682896B2 - 半導体レーザ素子の作製方法 - Google Patents

半導体レーザ素子の作製方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は内部電流狭窄構造を有する半導体レーザ素
子の作製方法に関する。
【従来の技術】
この種の半導体レーザ素子としては、例えば第6図に
示すようなSA(セルフ・アライメント;自己整合型)構
造のものが知られている。この半導体レーザ素子は、n
型GaAs基板201の表面に、n型Ga0.55AL0.45Asクラッド
層202と、p型Ga0.86Al0.14As活性層203と、p型Ga0.55
Al0.45Asクラッド層204と、ストライプ状(この断面に
垂直な方向に延びる)溝211を有するn型GaAs電流狭窄
層205と、上記ストライプ状の溝211内で上記クラッド層
204とつながるp型Ga0.55Al0.45Asクラッド層206と、p
型GaAsコンタクト層207と、電極209を順に備えている。
また、基板201の裏面に電極208を備えている。この半導
体レーザ素子は、ストライプ状の溝211によって電流通
路を制限して、活性層203のうちストライプ状の溝211近
傍の領域のみがレーザ発振に寄与するようにしている。
これにより無効電流を低減するようにしている。 この半導体レーザ素子は、従来、次のようにして作製
されている。まず、第5図(a)に示すように、MOCVD
(有機金属化学気相成長)法により、n型GaAs基板201
の表面に、n型Ga0.55Al0.45Asクラッド層202を1.5μm,
p型Ga0.86Al0.14As活性層203を0.08μm,p型Ga0.55Al
0.45Asクラッド層204を0.2μm,n型GaAs電流狭窄層205を
1μmの厚さでそれぞれ成長する。次に、第5図(b)
に示すように、化学エッチングにより電流狭窄層205の
表面205aからクラッド層204の表面204aに達する幅5μ
m,深さ1μmのストライプ状の溝211を形成する。この
後、第5図(d)に示すように、2回目のMOCVD成長を
行なって、p型Ga0.55Al0.45Asクラッド層206を1μm,p
型GaAsコンタクト層207を2μmの厚さでそれぞれ成長
する。このように各層を形成した後、第6図に示したよ
うに、基板201の両側に電極208,209をそれぞれ形成す
る。
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記ストライプ状の溝211を化学エッチッ
ングにより形成する際は、n型GaAs電流狭窄層205をエ
ッチングした後、その下のp型Ga0.55Al0.45Asクラッド
層204の表面204aでエッチッグを止めなければならな
い。このため、GaAsとGa0.55Al0.45Asとで選択性を有す
るアンモニア−過酸化水素系のエッチング液を使用して
いる。例えば、アンモニアと過酸化水素との比γ(=H2
O2/NH4OH)=10のものは、温度30℃において、GaAsの
エッチングレートが15μm/min,Ga0.55Al0.45Asのエッチ
ングレートが1μm/minとなる。上記ストライプ状の溝2
11を形成する際は、このようにGaAs−GaAlAsに対して優
れた選択性を有するエッチング液を使用している。とこ
ろが、このアンモニア−過酸化水素系のエッチング液は
酸化性が強いため、エッチング終了時に下層のp型Ga
0.55Al0.45Asクラッド層204の表面204aに酸化膜210を形
成してしまう。このような酸化膜210が存在すると、次
に、成長するクラッド層206の結晶性が悪化する。ま
た、この酸化膜210は電気抵抗が高いため、動作時に電
流通路が乱れて素子特性が悪化する。このため、第5図
(c)に示すように、クラッド層206を成長する前にこ
の酸化膜210を除去する目的で、酸系(HCl、H3PO4、HF
など)のエッチング液でリンス処理を施すことがある。
しかしながら、このようなリンス処理を施した場合、下
地のp型Ga0.55Al0.45Asクラッド層204にダメージを与
えるという問題がある。また、上記リンス処理を施した
後、次のクラッド層206を形成するためにMOCVD成長装置
内に基板200をセットするまでの間に、大気中でp型Ga
0.55Al0.45Asクラッド層204の表面204aに薄い酸化膜210
が再形成されてしまう。 そこで、この発明の目的は、ストライプ状の溝内のク
ラッド層表面の酸化膜を上記クラッド層表面にダメージ
を与えることなく除去でき、しかも上記酸化膜が再形成
されないうちに次のクラッド層を形成できる半導体レー
ザ素子の作製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、電流狭窄層
に設けたストライプ状の溝によって電流通路を制限し
て、上記電流狭窄層に対してクラッド層を介して設けら
れた活性層のうち上記ストライプ状の溝近傍の領域のみ
がレーザ発振に寄与するようにした半導体レーザ素子の
作製方法において、上記ストライプ状の溝を形成するた
めに基板上に成長した電流狭窄層を選択的に化学エッチ
ングした後、上記基板をプラズマ発生可能な有機金属化
学気相成長装置の反応室に収納し、上記反応室内を排気
しつつ上記基板表面にプラズマを照射して、上記化学エ
ッチングを行ったとき上記ストライプ状の溝の底のクラ
ッド層表面に生じた酸化膜を除去し、続いて、上記基板
を大気中に取り出すことなく上記反応室に収納したま
ま、有機金属化学気相成長法により上記基板上に上記ク
ラッド層とつながるクラッド層を成長させることを特徴
としている。
【作用】
化学エッチングを行ったとき上記ストライプ状の溝の
底のクラッド層表面に生じた酸化膜は、反応室内でプラ
ズマを照射することによって、基板表面にダメージを与
えることなく除去される。しかも、酸化膜が除去された
基板は大気中に取り出されることなく、真空状態の反応
室に収納されたまま、MOCVD法によって上記クラッド層
とつながるクラッド層の成長がなされる。したがって、
上記ストライプ状の溝の底面に酸化膜が再形成されない
うちに次のクラッド層が形成される。したがって、従来
に比して素子特性が向上する。
【実施例】
以下、この発明の半導体レーザ素子の作製方法を実施
例により詳細に説明する。なお、この実施例は、半導体
レーザ素子の基板にMOCVD成長を行なう場合、第3図に
示すMOCVD成長装置100を使用するものとする。このMOCV
D成長装置100の成長炉(反応室)101の外周には、基板
ホルダ(サセプタ)104を加熱するとともにプラズマを
発生させる誘導加熱用コイル102が巻回されている。高
周波加熱用発振器106はこの誘導加熱用コイル102に周波
数400KHz,最大出力20KWまでの高周波を連続制御で印加
することができる。成長炉101内は図示しない真空ポン
プによって0.1Torr以下の真空度まで到達可能であり、
供給ライン108を通して原料ガスが供給され、ニードル
弁107で調節がなされた場合、真空度0.1〜100Torrの範
囲で制御できるようになっている。105はサブチャンバ
である。 第6図に示したのと同一構造(SA構造)の半導体レー
ザ素子を作製する場合、次のようにして行う。 まず、第1図(a)に示すように、MOCVD成長法に
より、n型GaAs基板301の表面に、n型Ga0.55Al0.45As
クラッド層302を1.5μm,p型Ga0.86Al0.14As活性層303を
0.08μm,p型Ga0.55Al0.45Asクラッド層304を0.2μm,n型
GaAs電流狭窄層305を1μmの厚さでそれぞれ上記MOCVD
成長装置100を用いて成長する。 次に、MOCVD成長装置100からこの状態の基板300を
取り出し、第1図(b)に示すように、従来と同様にア
ンモニア−過酸化水素系のエッチング液を用いて、n型
GaAs電流狭窄層305の表面305aからクラッド層304の表面
304aに達する幅5μm、深さ1μmのストライプ状の溝
311を形成する。ストライプ状の表面311内のクラッド層
表面304aに、従来と同様に酸化膜310が形成される。 次に、第3図に示すように、MOCVD成長装置100の成
長炉101に上記基板300を収納し、サセプタ104上に載置
する。そして、供給ライン108を通して成長炉101内にN2
を供給する一方、真空ポンプによって成長炉内101を排
気し、ニードル弁107および真空ポンプの排気量を調節
して、成長炉101内を真空度1Torr程度に設定する。ま
た、高周波加熱用発振器106を作動させ、周波数400KHz,
出力5Kwに設定する。すると、コイル102に高周波電流が
流れて、成長炉101内に放電が起こり、プラズマが発生
する。このプラズマ中に上記ストライプ状の溝311が形
成された基板300を曝すことにより、基板300の表面をク
リーニングする。ここで、クラッド層表面304aにダメー
ジを与えることなく酸化膜310を除去することができ
る。なお、このプラズマ照射時間は、酸化膜310の膜厚
に応じて増減する。 続いて、プラズマ照射により清浄化された上記基板
300を成長炉101の外へ取り出すことなく、そのままの状
態で原料ガスを供給する。そして、第1図(d)に示す
ように、MOCVD成長法により、p型Ga0.55Al0.45Asクラ
ッド層306を1μm,p型GaAsコンタクト層307を2μmの
厚さで成長する。最後に、従来と同様に、この基板300
の両側に電極を形成する。 このようにした場合、基板300が大気に触れることが
ないので、クラッド層表面304aに酸化膜310が再形成さ
れないうちに次のクラッド層306を形成することができ
る。したがって、酸化膜310の存在によって素子特性が
悪化するのを防止することができる。実際にこの半導体
レーザ素子を作製したところ、従来の素子に比して、駆
動電圧を0.05V低減でき、特性温度を15°K向上させる
ことができた。また、破壊出力に至るまでキンクの無い
発振特性を得ることができた。 また、第4図に示すような逆メサ構造640を有する半
導体レーザ素子は、次のようにして作製する。 まず、第2図(a)に示すように、MOCVD成長法に
より、n型GaAs基板601の表面に、n型Ga0.55Al0.45As
クラッド層602を1.5μm,p型Ga0.86Al0.14As活性層603を
0.08μm,p型Ga0.55Al0.45Asクラッド層604を1.2μmの
厚さでそれぞれ上記MOCVD成長装置100を用いて成長す
る。 次に、MOCVD成長装置100からこの状態の基板600を
取り出し、第2図(b)に示すように、p型0.55Al0.45
Asクラッド層604上に幅2μmのSiO2(或いはSi3N4)マ
スク630をストライプ状に設ける。そして、SiO2マスク6
30の両側のクラッド層604を深さ1μmまで化学エッチ
ングして除去して、クラッド層604の中央にストライプ
状のメサ部611を形成する。このとき、クラッド層604の
エッチング面604aに酸化膜610が形成される。 次に、第3図に示したのと同様に、再びMOCVD成長
装置100の成長炉101内に上記基板600をセットする。そ
して、上記と同様の手法でプラズマを発生させて、第
2図(c)に示すように、基板600の表面をクリーニン
グし、酸化膜610を除去する。 続いて、プラズマ照射により清浄化された上記基板
600を成長炉101の外へ取り出すことなく、そのままの状
態で原料ガスを供給する。そして、第2図(d)に示す
ように、クラッド層604のエッチング面604a上にn型GaA
s電流狭窄層605を1μmの厚さで選択的にエピタキシャ
ル成長する。 次に、MOCVD成長装置100から上記基板600を取り出
して、第2図(e)に示すように、SiO2(或いはSi
3N4)マスク630を除去する。再びMOCVD成長装置100の成
長炉101内に上記基板600をセットし、上記と同様の手
法でプラズマを発生させて、基板600の表面をクリーニ
ングする。 続いて、プラズマ照射により清浄化された上記基板
600を成長炉101の外へ取り出すことなく、そのままの状
態で原料ガスを供給する。そして、第2図(f)に示す
ように、p型GaAsコンタクト層607を2μmの厚さで成
長する。このように各層を成長した後、第4図に示すよ
うに、この基板600の両側に電極608,609を形成する。 このように、2回のMOCVD成長の直前にそれぞれプラ
ズマクリーニングを行う。これによって、p型Ga0.55Al
0.45Asクラッド層604とn型GaAs電流狭窄層605との界面
604aで結晶性の良好なn型GaAs電流狭窄層605を成長で
き、電流リークを抑えることができる。また、p型Ga
0.55Al0.45Asクラッド層604とp型GaAsコンタクト層607
との界面604bで高抵抗の酸化膜を除去して、良好な電流
通路を形成することができる。したがって、発振閾値電
流,駆動電流を低減でき、素子寿命を延ばすことができ
る。 なお、この実施例はSA構造,逆メサ構造の半導体レー
ザ素子を作製する場合について述べたが、当然ながらこ
れに限られるものではない。この発明は、化学エッチン
グを行った後にMOCVD成長を要する素子について広く適
用することができる。
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の半導体レーザ素
子の作製方法によれば、化学エッチングを行ったときス
トライプ状の溝の底のクラッド層表面に生じた酸化膜
を、反応室内でプラズマを照射することによって、基板
表面にダメージを与えることなく除去できる。しかも、
上記ストライプ状の溝の底面に酸化膜が再形成されない
うちに次のクラッド層を形成することができる。したが
って、従来に比して素子特性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図はそれぞれこの発明の実施例の半導体レ
ーザ素子の作製方法を説明する工程図、第3図は上記半
導体レーザ素子の作製方法に使用するMOCVD成長装置の
構成を示す図、第4図は作製すべき逆メサ構造の半導体
レーザ素子を示す断面図、第5図は従来の半導体レーザ
素子の作製方法を示す工程図、第6図は従来の半導体レ
ーザ素子の構造を示す断面図である。 100…MOCVD成長装置、101…反応室、102…誘導加熱用コ
イル、104…サセプタ、105…サブチャンバ、106…高周
波加熱用発振器、107…ニードル弁、108…原料ガス供給
ライン、200,300,600…基板、201,301,601…n型GaAs基
板、202,302,602…n型Ga0.55Al0.45Asクラッド層、20
3,303,603…p型Ga0.86Al0.14As活性層、204,206,304,3
06,604…p型Ga0.55Al0.45Asクラッド層、205,305,605
…n型GaAs電流狭窄層、207,307,607…p型コンタクト
層、208,209,608,609…電極、210,310,610…酸化膜、21
1,311…ストライプ状の溝、320,620…プラズマ、611…
メサ部、630…SiO2マスク、640…逆メサ構造。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電流狭窄層に設けたストライプ状の溝によ
    って電流通路を制限して、上記電流狭窄層に対してクラ
    ッド層を介して設けられた活性層のうち上記ストライプ
    状の溝近傍の領域のみがレーザ発振に寄与するようにし
    た半導体レーザ素子の作製方法において、 上記ストライプ状の溝を形成するために基板上に成長し
    た電流狭窄層を選択的に化学エッチングした後、上記基
    板をプラズマ発生可能な有機金属化学気相成長装置の反
    応室に収納し、上記反応室内を排気しつつ上記基板表面
    にプラズマを照射して、上記化学エッチングを行ったと
    き上記ストライプ状の溝の底のクラッド層表面に生じた
    酸化膜を除去し、続いて、上記基板を大気中に取り出す
    ことなく上記反応室に収納したまま、有機金属化学気相
    成長法により上記基板上に上記クラッド層とつながるク
    ラッド層を成長させることを特徴とする半導体レーザ素
    子の作製方法。
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