JP2710048B2 - 垂直磁気記録媒体とその製造方法 - Google Patents

垂直磁気記録媒体とその製造方法

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JP2710048B2 JP30443787A JP30443787A JP2710048B2 JP 2710048 B2 JP2710048 B2 JP 2710048B2 JP 30443787 A JP30443787 A JP 30443787A JP 30443787 A JP30443787 A JP 30443787A JP 2710048 B2 JP2710048 B2 JP 2710048B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は垂直磁気記録媒体とその製造方法に関する。
本発明は特に低保磁力の水平磁化膜と高保磁力の垂直磁
化膜とを組み合わせた形式の面内等方性垂直磁気記録媒
体に関する。 (従来技術とその問題点) 垂直磁気記録方式は、従来の面内磁気記録方式にくら
べて、記録密度を大幅に向上させることができるので、
高密度記録に適している。垂直磁気記録媒体としては、
例えば、第1図に示されるように、非磁性基体1の上
に、高透磁率層となる水平磁化膜2を形成するととも
に、この水平磁化膜の上に磁気記録層となる垂直磁化膜
3を積層した2層構造のものが知られている。前記水平
磁化膜はNi−Fe−Mo、Ni−Fe系のスーパーマロイ又はパ
ーマロイ等で構成され、垂直磁化膜はCo−Cr等で構成さ
れている。 このような2層構造の垂直磁気記録媒体は特開昭61−
129728号に示されている様に単磁極型の磁気記録再生ヘ
ッドによる記録再生に適しており、水平磁化膜が垂直磁
化の減磁作用を小さくし、さらに磁束の収束作用を行な
うなどの優れた作用効果を奏することが知られている。 上記の垂直直録媒体の工業的製造には、一般に長尺の
非磁性基体を走行させながら水平磁化膜及び垂直磁化膜
を順次スパッタ形成するスパッタ法が用いられている。
ところが、水平磁化膜をスパッタ法によって形成した場
合、磁気記録媒体の磁気記録特性が面内で一定になら
ず、マグネトロンスパタ法では長さ方向で磁化困難、幅
方向で磁化容易となる磁気異方性を生じ、再生出力の方
向による変動が大きくなる。かかる磁気記録媒体を磁気
デイスクとして使用すると、再生出力のモジュレイショ
ン(エンベロープの変動)が大きくなる問題がある。 本発明者等は、特開昭61−129728号に示されるよう
に、マグネトロンスパッタ法において、水平磁化膜の特
性を改善することにより、この問題を解決できることを
見出した。すなわち、水平磁化膜に垂直磁気異方性を持
たせることにより垂直磁気記録媒体の初透磁率μを面
内方向でほぼ一定にすることができ、磁気履歴曲線を方
向によらずほぼ一定にすることができた。かかる条件を
満たす垂直異方性磁界Hkは200e以上であることが示され
た。しかしながら、垂直異方性の制御は温度、スパッタ
条件などの調整により水平磁化膜に垂直方向に発達した
粒子構造を持たせるものであり、製造条件の制御が非常
に困難であり、製品が不安定になるという欠点があっ
た。 面内異方性を減少させる試みには、特開昭61−51814
号がある。すなわち水平磁化膜をスパッタ法等の物理堆
積法により形成する際に、雰囲気を0.3〜10%の酸素を
含有するアルゴンガスとすることにより面内磁気異方性
を減少している。0.3%未満の酸素を用いたのでは面内
磁気異方性は低下しないことが報告されている。この文
献のスパッタ法は、磁気異方性がマグネトロンスパッタ
の場合と違って非磁性基体の走行方向に磁化容易軸が生
じる垂直磁気記録媒体に適用される技術であり、マグネ
トロンスパッタ法に上記の条件を適用して水平磁化膜を
製造してみても効果は認められない。またこの文献の技
術によると水平磁化膜の酸素含有量が多いため、磁気記
録媒体の再生出力低下が大きくなるので好ましくない。 一方、特開昭62−162222号には、スパッタ法を実施す
る際に、水平磁化膜と垂直磁化膜との間に非磁性酸化層
を形成することにより磁気記録密度を向上させることが
提案されている。この方法では垂直磁化膜又は水平磁化
膜膜の一方の界面に面した部分が酸化層として形成され
るのである。このような酸化層は20vol%以上の酸素を
含有する雰囲気中で形成されるか、あるいは、0.1〜5vo
l%の酸素雰囲気において、マスク間隙の調整により酸
素の局在化を生じさせて高い酸素含有量の部分を生成し
た水平磁化膜の表面に作用させて所要の酸化を行なわせ
ることにより形成される。この方法は記録密度を高める
ことができるが、水平磁化膜の等方性を高めるための方
策としては何等記載されておらず、単に垂直磁気異方性
を有する軟磁性材料から選択することとし、その例示と
してパーマロイやスーパーマロイなどが例示されている
だけである。しかしこれらの材質の選択だけではマジュ
レイションを確実に回避することができないことは上に
述べたとおりである。 (発明の目的) 本発明の目的は、非磁性基体に低保磁力の水平磁化膜
と高保磁力の垂直磁化膜を順次形成した垂直磁気記録媒
体において、面内方向に等方性の高い磁気記録媒体を提
供することにある。 (発明の概要) 本発明は、非磁性基体の表面に水平磁化膜と垂直磁化
膜とを順次積層して設けた磁気記録媒体において、前記
水平磁化膜に、垂直磁気異方性磁界20〜1500eを有する
ように酸素及び窒素の少なくとも一種を含有させたこと
を特徴とする等方性垂直磁気記録媒体を提供する。 本発明はまた、非磁性基体の表面に水平磁化膜と垂直
磁化膜とを順次積層することを含む垂直磁気記録媒体の
製造方法において、前記水平磁化膜は、1.0〜3.0×10-3
Paの分圧を有する酸素及び/又は窒素の存在下、全圧1.
0〜2.0×10-1Paのアルゴン雰囲気中で、スパッタリング
して、垂直磁気異方性磁界が20〜1500eと成るように形
成されることを特徴とする等方性垂直磁気記録媒体の製
造方法を提供する。 本発明によると、等方性の高い垂直磁気記録媒体が提
供され、例えば、フロッピーデイスク等に好適に使用す
ることができる。 (発明の具体的な説明) 本発明は、上記のように、水平磁化膜をマグネトロン
スパッタ法等のスパッタ法により製造するに際して、そ
の雰囲気として、1.0〜3.0×10-3Paの分圧を有する酸素
及び/又は窒素を含有する、全圧1.0〜2.0×10-1Paのア
ルゴン雰囲気を用いることを特徴とする。この酸素又は
窒素の量はvol%に換算するとアルゴンに対して約0.5〜
1.5%に成るが、これは明かに前記公知例の場合では効
果のない量である。本発明者は面内異方性が垂直異方性
磁界Hkの大きさに依存すること、これは雰囲気の酸素又
は窒素含有量により制御されるが、Hkを測定すれば記録
媒体の特性を確実に予測することができることを見出し
た。酸素等は水平磁化膜の材料によって効果が異なるも
のであり、同一の保磁力でも磁気履歴曲線が異なり保磁
力を確実な指標とすることはできないが、Hkの値は正確
に垂直異方性を示し、従って面内異方性の改善を確実に
予想することができる。 酸素等の大きい含有量はむしろ磁気記録媒体の再生出
力を低下するので好ましくないことが分かった。一般
に、垂直磁気記録体の必要な条件には、面内方向に等方
性であること、高出力であること、高密度記録が可能な
ことが重要であるが、酸素又は窒素の量が1.5%をこえ
ても等方性は優れており、また記録密度の点でも優れて
いるが、出力の低下を免れないという欠点を有する。本
発明は従来の知見に反して酸素含有量を低下させたほう
が出力の高い等方性の記録媒体を提供することができた
のである。 本発明では、水平磁化膜はNi−Fe系またはNi−Fe−Mo
系合金を用いるが、そのほか高透磁率合金なら使用でき
る。また、垂直磁化膜は純アルゴン雰囲気中でCo−Cr、
その他垂直磁化膜として知られている高保磁力合金をス
パッタリングすることにより形成しうる。スパッタリン
グはマグネトロンスパッタリングを用いることが好まし
い。 第2図は、マグネトロンスパッタ方式の製造装置を概
略的に示したものである。図において、7は2×10-4Pa
以下に排気した後、分圧が1.0〜3.0×10-3Paの酸素又は
窒素を導入した、全圧1.0〜2.0×10-1Paのアルゴン雰囲
気とした真空槽、8はターゲット、9はこのターゲット
の背面側に配置されたマグネットである。10は矢印aの
方向に走行する非磁性体、11は非磁性体10を供給する供
給ロール、12は巻き取りロール、13は冷却ドラムであ
る。前記ターゲット8は、水平磁化膜を形成する場合に
はNi−Fe−Mo又はNi−Fe合金等の軟磁性体で、垂直磁化
膜を形成する場合はCo−Cr合金等の硬磁性材料で構成す
ることはもち論である。また、ターゲットは第3図に示
すように、非磁性基体10の幅W1をカバーする幅W2を有す
る矩形状に形成し、その背面側に、外形に沿う矩形リン
グ状の外側コア91及び中脚コア92を有するマグネット9
を配した構造となっている。 上記の装置において、冷却ドラム13とターゲット8側
を負とする400〜500Vの高電圧を印加すると、真空槽内
でプラズマが発生し、Ar+イオンがターゲットの負電位
に引かれてその表面に衝突し、ターゲット8に対向させ
た非磁性基体10の表面に析出する。ターゲット8の表面
における金属原子の放出跡は第3図に示したようにター
ゲット8の表面に配置されたマグネット9の形状に応じ
て矩形となる。 実施例 上記の装置を用い、水平磁化膜としてFe−Niを用い、
垂直磁化膜としてCo−Crを用い、上記の条件の範囲内で
種々の垂直磁気記録媒体を製作した。 水平磁化膜を成膜した段階でその垂直異方性磁界を測
定した。この磁界は第4図のように垂直磁化膜を面内方
向に磁化したとき、磁気飽和を生じる前に磁化曲線が折
れるところの磁界と定義され、これは測定方向によって
差がない。更に垂直磁化膜の形成後、3.5インチのデイ
スク状に打ち抜き、磁気ヘッドを用いて1周分(1トラ
ック)の出力変動すなわちモジュレイションを測定し
た。なお、モジュレイションとは(最大出力−最小出
力)/(最大出力+最小出力)×100%のことである。
それが5%以下のときに合格と判定した。更に、再生出
力を測定した。 (作用効果) 以上の結果から明らかなように、酸素及び/又は窒素
分圧を所定の範囲に限定することにより、水平磁化膜の
垂直異方性磁界を200e以上にすることができる。この特
性の水平磁化膜を用いることにより垂直磁気記録媒体の
モジュレイションは充分に小さくすることができる。し
かし酸素分圧が高くなるとHkが1500eを越えることにな
り、記録媒体の再生出力が低下するので好ましくない。
更にこのことは角型比によっても立証される。一方酸素
等の量が少ないとモジュレイションが大きくなり、記録
密度も減少する傾向が現われる。 以上のように、本発明によると垂直磁気記録媒体の面
内異方性を最低に抑制すると同時に、再正出力も維持す
ることができる点で、従来提案されなかった優れた垂直
磁気記録媒体である。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明が適用される垂直磁気記録媒体の1例を
示す断面図、第2図は本発明を実施する装置の1例を示
す該略図、第3図は本は同装置のターゲット部の平面
図、及び第4図は垂直異方性磁界の説明図である。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.非磁性基体の表面に水平磁化膜と垂直磁化膜とを順
    次積層して設けた磁気記録媒体において、前記水平磁化
    膜に、垂直磁気異方性磁界20〜1500eを有するように酸
    素及び窒素の少なくとも一種を含有させたことを特徴と
    する面内等方性垂直磁気記録媒体。 2.非磁性基体の表面に水平磁化膜と垂直磁化膜とを順
    次積層することを含む垂直磁気記録媒体の製造方法にお
    いて、前記水平磁化膜は、1.0〜3.0×10-3Paの分圧を有
    する酸素及び/又は窒素の存在下、全圧1.0〜2.0×10-1
    Paのアルゴン雰囲気中で、スパッタリングして、垂直磁
    気異方性磁界が20〜1500eと成るように形成されること
    を特徴とする等方性面内垂直磁気記録媒体の製造方法。 3.水平磁化膜はNi−Fe系またはNi−Fe−Mo系パーマロ
    イである前記第2項記載の垂直磁気記録媒体の製造方
    法。 4.垂直磁化膜は純アルゴン雰囲気中でCo−Crをスパッ
    タリングすることにより形成される前記第2項または第
    3項記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。 5.スパッタリングはマグネトロンスパッタリングであ
    る前記第2項ないし第4項のいずれかに記載の垂直磁気
    記録媒体の製造方法。
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