JP2820902B2 - コルゲーターベルト及びそれを用いたコルゲーターベルトの接手部 - Google Patents

コルゲーターベルト及びそれを用いたコルゲーターベルトの接手部

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JP2820902B2
JP2820902B2 JP32770394A JP32770394A JP2820902B2 JP 2820902 B2 JP2820902 B2 JP 2820902B2 JP 32770394 A JP32770394 A JP 32770394A JP 32770394 A JP32770394 A JP 32770394A JP 2820902 B2 JP2820902 B2 JP 2820902B2
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政広 松永
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正文 石原
猛志 上山
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敷島紡績株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、段ボールシートを製造
するコルゲーターマシンに使用するコルゲーターベルト
及びそれを用いたコルゲーターベルトの接手部に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】グルーマシンで接着剤を塗布された片面
段ボール紙とライナー紙とを加圧接着し、段ボールシー
トを製造するため、図1に示すようにヒーティングパー
ト(1)とクーリングパート(2)からなるコルゲータ
ーマシンのダブルフェーサー部(3)には、段ボールシ
ートの搬送手段として厚手の織物を無端状に接合してな
るコルゲーターベルト(4)が配置されている。
【0003】接着剤を塗布された片面段ボール紙(5)
とライナー紙(6)とは、コルゲーターベルト(4)に
よって圧接された状態でダブルフェーサー部(3)に供
給され、熱板(7)による加熱とコルゲーターベルト
(4)とバラストロール(8)との加圧密着によって、
乾燥・接着され、所定の厚みを有する段ボールシート
(9)に形成される。この段ボールシート(9)はクー
リングパート(2)を通過した後、カッターに搬送さ
れ、所定の寸法に裁断された製品として取り出される。
コルゲーターベルト(4)に要求される特性は、段ボー
ルシート(9)に対する密着性を保つためと、バラスト
ロール(8)から伝わる加圧力をシートに均等に伝達す
るための適度の重量、剛性と厚み、熱に対する耐久性等
である。
【0004】これらの要件を満たし得るコルゲーターベ
ルト(4)としてたとえば、図2および図3に例示する
ような多層織綿ベルトが多用されている。しかし、単に
綿ベルトを多層織にするだけでは硬すぎて騒音が大きい
等の問題があった。
【0005】従来からこの問題を解決する提案が下記の
通り、種々なされてきている。まず、特開昭50−71
965号には、図4に示すものが提案されている。これ
は強力で伸長しにくい材料からなる引張力を吸収する引
張層(中間層)(10)を有し、引張層(10)の片側
または両側が外側層(11)によって被われた構造のも
のが提案されている。なお、(10a)は接結糸であ
る。そして、外側層(11)が高吸湿性の繊維材料、例
えば合成又は天然にて得られるセルローズ繊維を混合し
た繊維糸、特にポリエステルから成っている旨記載され
ており、その効果として、吸湿性および含湿性が著しく
改善され、ならびに帯電防止特性、および申し分ない紙
および板紙の連行が得られることをあげている。
【0006】次に、特開昭61−287607号には、
図5に示すように、経糸(12)に大径のモノフィラメ
ント糸を、表層及び中間層の緯糸(13)には大径のモ
ノフィラメント糸を、裏層の緯糸(14)には太いかさ
高性のスパン糸の撚糸または引揃え糸を使用した多重織
としたものが提案されており、その効果として、耐久
性、乾燥性、通気性ならびに段ボールシートの平滑性の
向上をあげている。
【0007】さらに、特開平5−93342号には、図
6に示すように、引張力を吸収し、かつ上部のプライ
(15)及び下部のプライ(16)に挟まれている中間
のプライ(17)を有し、経糸(15a)〜(15i)
は上下両側で少なくとも2本の緯糸(16a)に跨って
走っており、上部及び下部のプライでは経糸は一群をな
してそれぞれ互いにずれて形成されており、すべてのプ
ライは結び糸(17a)〜(17d)によって互いに絡
み合っており、緯糸はプライ内で結ばれた構成のものが
開示されており、その効果として、優れた静音走行、従
って使用場所での雑音レベルの所望の低下が達成され、
また寿命が延びることをあげている。
【0008】コルゲーターベルトはコルゲーターマシン
に掛け入れた後、ベルトをエンドレス状に接合する。こ
のベルトをエンドレス状に接合するには、一般的には両
端に金属製フックを植設した継手が用いられる。しか
し、このままでは金属フックがベルト表面から突出して
おり、シートにマークを発生させたり、又ベルト本体と
継手部分にわずかな段差があるとこのためシートに高低
差を生じ印刷時にむらができることになる。
【0009】このため上記の問題を解決するための提案
が、下記の通り、種々なされている。まず、実公昭45
−11844号には、図7に示すように、ベルト本体
(18)の両遊端の表面の緯糸を抜き取り、組織を解舒
して夫々薄層部(イ)(ロ)をこしらへ、この薄層部を
金属製フック(19)(20)で連結接合し、解舒によ
り残った房状経糸(21)で接合部を被覆接着してエン
ドレスベルトとすることが記載されている。
【0010】その結果、接合部を房状経糸で被覆するの
で接合部がベルト本体より厚くなることがなく、金属製
フックが内部に埋装されるから、使用中接合部に凹凸が
生じず、シートにマークが付くことなく、しかもベルト
の走行が円滑となり、コルゲーターマシンの作業能率が
増大する旨記載されている。
【0011】次に、実開昭60−154643号には、
図8(A)に示すように、ベルト本体(22)の接合を
金属状結合部分を使用せず、帯状物の両端部(22’)
(22”)をテーパー状に削取り、その面を接着剤(2
3)により接着して、エンドレスとすることが記載され
ている。又、その公報の中で従来技術として、図8
(B)、(C)に示すように、夫々金属結合部をシリコ
ンゴム(24)で被覆したもの及び金属結合部に当て布
(25)をしたものが示されている。しかし、いずれも
継手部はベルト厚みと同一であり、シリコンゴム(2
4)又は当て布(25)の部分はベルト本体(22)よ
り厚く、その部分がとび出したものとなっている。
【0012】さらに、特開平2−242990号には、
図9に示すようにフラット織り多層構造のコルゲーター
ベルトの織成体(26)の端部(26’)(26”)を
補完的に段状に形成し、織成体内に切り込まれた舌端
(27)(28)を形成し、この両舌端間にクリッパー
継ぎ目(29)を装置することが記載されている。
【0013】又、特開平4−236836号には、図1
0に示すように、搬送ベルト(30)の各端部にU字状
のクランプ(31)(32)を固定し、そのクランプを
ヒンジ状に噛み合せヒンジ連結部(33)を形成してベ
ルト連結装置として、クランプをフロック材(34)で
被覆するようにした連結装置が示されている。
【0014】コルゲーターベルトに使用する糸の素材と
しては、熱に対する耐久性、寸法安定性等の目的のため
従来用いられていた綿に代って合成繊維が単独で又は他
の素材と併用して用いられるようになってきている。し
かし、合成繊維の糸を用いると著しく静電気が充電され
ることになる問題点が発生してきた。この問題を解決す
る方法として、静電防止樹脂を出来上った製品の表面に
適当な間隔で塗布する方法がある。この方法は簡単では
あるが、使用条件、使用場所等によっては充分でなく、
又効果が永続しない問題がある。
【0015】又、ニードル構造のコルゲーターベルトで
は例えば特開昭61−275450号には、図11に示
すように、基布(35)にバット(36)(36)をニ
ードリングしたニードル状のベルト構造のもので、金属
繊維を混入したバットが基布の上下面に植毛することに
より、静電防止を行うものが示されている。さらに、導
電性の繊維をコルゲーターベルトを織るときに一部使用
することも考えられる。しかし、この方法は導電性繊維
の個所が一部違った表面性のものとなり、均一な表面性
とならない問題があった。
【0016】ところで、現状では、コルゲーターベルト
に要求される特性には次にようなものがある。 1.一般的な特性として (1)熱に対する耐久性 (2)シートの密着性を付与させる平滑性 (3)シートに接しない側のバラストロールから伝わる
荷重をシートへ均等に伝達するための適度な厚みと剛性 (4)乾燥を促進するための吸湿性と保湿性 (5)シートを正確に搬送するための走行性、寸法安定
性 がある。
【0017】2.使用上、下記の効果が伴う特性として (1)騒音の低下 (2)汚れがつき難く、落し易い (3)長時間使用できる (4)問題のない継手部の構造 (5)静電防止対策 がある。
【0018】そのため、従来であれば、上記の特性をあ
る程度満せば充分であったものが、最近では上記特性の
全て満足させなければコルゲーターベルトの使用者の要
求に対応できなくなってきている。上記のコルゲーター
ベルトとして要求される特性を備えるためには、コルゲ
ーターベルトとして必要とされる品質、性能がどうある
べきかについて、次に示す必要項目別につき検討を行っ
た。その結果、次に示すようような品質、性能を備える
必要のあることが判明した。
【0019】1.厚さ (1)一般に、コルゲーターマシンでは、10mmのベ
ルト厚みで使用するようになっている。 (2)一般的には、厚みが増加することは、重量が増し
剛性が増加することになり、シートの貼り合せには良
い。 (3)厚みを得るためには、多層織や太い糸を使用す
る。 (4)特殊な用途では、8.5mm近辺のベルトを使用
しているケースもある。 ・上記(1)〜(4)を満足するものとして一般品は1
0〜11mm、特殊用途では8.5mmが好ましい。
【0020】2.重量 (1)重い方が良く、綿ベルトとほぼ同じ重量か又は少
なくとも90%以上の重量が必要。 (2)比重の大きい素材、吸水性の高い素材の方が重量
増加につながりより好ましい。 ・上記(1)〜(2)を満足するものとして、一般的に
は7.5kg/m2以上、少なくとも7.0kg/m2以
上が好ましい。
【0021】3.吸湿性 (1)熱板とベルトにはさまれたシートからの水分は、
ベルト側にしか拡散する部分がないので、ベルトに吸湿
性を持たせるのが好ましい。 (2)紡績糸などの毛細管現象を生じ易い構造の糸、材
質的に吸湿性のある糸、例えば綿、レーヨンなどの糸が
良い。 ・上記(1)〜(2)から、吸湿性のある糸を使用する
のが好ましい。
【0022】4.低騒音特性 (1)シートに接しない側のバラストロールが接触する
ベルトの裏面側は、ベルトによるロール振動を少なくす
る様、平滑な表面(ロングクリンプ織など)が良い。 (2)ベルトの屈曲時、ロール等の通過時に、滑らか
で、柔らかく屈曲できるために、柔らかい合成繊維材質
が好ましい。又、表裏の織組織は平滑なロングクリンプ
織の方が良い。 ・上記(1)〜(2)を考慮して合成繊維材質の仕様な
らびに織組織はロングクリンプ織が好ましい。
【0023】5.剛性 (1)シートに接しない側のバラストロールの力をコル
ゲーターベルトのタテ・ヨコ方向の剛性によってシート
へ均一に伝えるため、一定以上の剛性は不可欠。 (2)綿ベルトと比べると、合成繊維素材のベルトは材
質の影響でどうしても50〜70%に低下する。しか
し、このレベルは必要とする。 ・上記(1)〜(2)から綿ベルトの1/2以上が好ま
しい。
【0024】6.表面性 (1)シートマーク防止、騒音防止を考慮して平滑な表
面性が必要である。
【0025】7.防汚性 (1)粘剤が付着する場合、綿繊維の方がつき易く、ポ
リエステルとは接着力が小さいと考えられる。従って、
ポリエステルの配合は少なくとも50%以上必要。 (2)汚れがからみ難い様にフラットな表面の織もの、
例えばロングクリンプ織の方が良い。 ・上記(1)〜(2)を考慮するとポリエステル50%
以上で織組織はロングクリンプ織が好ましい。
【0026】8.走行性 (1)シートの振れが問題とならないためには、マシン
上でのベルトの振れは5mm以内を目標とする。
【0027】9.寸法安定性 (1)高温(180〜190℃)の熱板に接触するた
め、熱収縮を生じない処理が必要。 (2)長さ方向、幅方向に収縮を生じない様に製織。 ・上記(1)〜(2)から熱収縮のない糸の使用か又は
少ない糸が好ましい。
【0028】10.通気性 (1)既存のベルトの通気度範囲は、10〜300cc
/min./cm2である。
【0029】11.静電防止対策 (1)熱板の温度があがりきっていない通紙の際に、静
電気によって接着不充分なシートが静電気によってつい
ていくことがある。導電糸の織り込み、又は導電樹脂の
塗布による対処が必要。 ・要するに導電糸又は導電樹脂の使用が必要である。
【0030】12.継手部の構造 (1)合成繊維素材のベルトでは、ベルト本体が綿ベル
トに比べて柔らかくなる。そのため、継手部分の厚さが
大きかったり局部的な突起はシートに傷をつけ易くなる
ため、継手部分は、本体部分よりも厚くしない。 (2)使用中の経時変化で、ベルト本体は比較的早い時
期にある一定量だけ厚みが減少するため、この分を見込
んだフック植付け部分などの厚さ設定が必要。 (3)シートに接しない裏面側は、バラストロールの振
動を生じない平滑な仕上げが必要。 (4)植付け後のフックにゆるみを生じない様に足元端
のかえりが得られ、フック先端も芯線を中心として屈曲
するタイプが必要。 (5)シートに接する表面側は、当布つき、又は樹脂に
よるテーパー仕上げの2種類を用意し、使用先に合せて
対応がとれることが必要。 (イ)耐熱性の高い素材製の当布を、物理的摩損を生じ
難い位置へ縫い付けが必要 (ロ)又は、耐熱性の高い樹脂をテーパー状に塗布が必
要。 ・上記(1)〜(5)を満足させるには、本体部分以下
の厚さにする必要がある。
【0031】
【発明が解決するための課題】前記した各従来技術につ
いて、検討を行ったが、いずれの方法も上記必要とする
品質、性能を充分満足させるものがないことが判明し
た。そこで、次に必要とされる品質、性能を具体的にど
う実現させるかについて、検討を行った。その検討に当
って、確認を要する内容については試験あるいは試織等
を行い、上記に記載した品質、性能について仕様の確立
を図り、本発明に到達したものである。コルゲーターベ
ルトの品質、性能をどう実現すべきかについて、以下に
説明する項目について検討を行い仕様の確立を図ったの
で、この点について説明を行う。
【0032】1.使用する糸の素材について (1)前記4項の低騒音特性、7項の防汚性から考える
とポリエステルと紡績糸の配合は50%以上できるだけ
多い方が望ましい。 (2)前記2項の重量、3項の吸湿性とから、吸湿性の
大きい素材が好ましい。吸湿性の点ではレーヨンが綿よ
りも優れている。比重は、綿=1.54、ポリエステル
=1.38、レーヨン=1.50で綿とレーヨンはほぼ
同じで、ポリエステルより大きい。 (3)耐乾熱性については、ポリエステルが最も優れて
いるが、高温になればレーヨンが綿よりも優れている。 (4)上記結果より、経糸にはポリエステル繊維とレー
ヨン繊維の混紡が最適であることが分った。 (5)ポリエステル繊維とレーヨン繊維との混紡する割
合について検討を行った。その混紡する比率と強度特性
との関係を検討すると、ポリエステル繊維の割合が55
(%)近辺より低くなると、強度が急に弱くなり、55
(%)近辺から65(%)迄は増加する。しかし、65
(%)をこえるとポリエステル繊維の割合が増加しても
それ以上は少ししか強度が強くならないことが分った。 (6)前記5項の剛性を考慮に入れると、ポリエステル
繊維とレーヨン繊維との混紡比率は65:35〜55:
45の範囲が適当であることが判明した。 (7)その中でもその混紡比率が65:35の比率がポ
リエステル繊維とレーヨン繊維の夫々の特性を最も有効
に利用し、コルゲーターベルトとしては最適であること
が判明した。
【0033】2.組織について (1)前記4項の低騒音特性、6項の表面性、7項の防
汚性から考えると、組織としてはロングクリンプ織が適
当であることが判明した。 (2)又、シートのスリップを防ぐためには、シートに
接する表面側とシートに接しない裏面側とで組織を変え
ることが有効であることが判った。 (3)上記(1)(2)項をふまえて検討を行った結
果、シートに接する表面側は、ロングクリンプ織で2/
2綾織が、シートに接しないバラストロールに接する裏
面側は、ロングクリンプ織で3/1綾織が最適であるこ
とが判明した。なお、表面側を3/1綾織とし、裏面側
を2/2綾織とするか、又は表面側を1/3綾織とし、
裏面側を3/1綾織としても同様の効果が得られる。
【0034】3.多層織の層数について (1)前項1項の厚さ、2項の重量、5項の剛性を得る
ためには、層数を多くした多重織とすることが必要であ
る。 (2)そのため、3重織、4重織、あるいは、6重織に
するかについて、試織等を行い確認し、何重織にするの
が最適かについて検討を行った。 (3)その結果、上記1項を満足し、ベルトの幅方向の
剛性を向上させ、しかも製織時の織機への負荷軽減でき
る点より判断して、4重織にするのが最適であることが
判明した。
【0035】4.経糸密度について (1)4重織組織として、経糸密度を変更して試織等を
行い、経糸密度はどの程度が適当なのか検討を行った。 (2)この結果、後記する実施例1で示す場合の経糸密
度が116.2(本/2.54cm)が得られた。 (3)この実施例1について、前記6項の表面性につい
て検討を行った。その結果、経糸密度が116.2(本
/2.54cm)であれば、表面性の点で充分であるこ
とが分った。又、これ以上大幅に経糸密度を増加させる
と、製織時問題があることが判明した。 (4)従って、経糸密度は、116.2(本/2.54
cm)前後であれば充分であることが判明した。
【0036】5.寸法安定性について (1)前記9項の寸法安定性については、熱収縮を生じ
ない処置が必要であるので、使用する糸としては低熱収
縮率の糸を使用し、又製織時に長さ及び幅方向に収縮を
生じない製織方法を採用した。 (3)又、経糸中間層に使用する糸は低熱収縮率のポリ
エステル繊維のマルチフィラメント糸を使用し、強力な
寸法安定性が得られるものとした。 (4)なお、コルゲーターベルトの用途によっては、糸
として低熱収縮率のものを使用せずに、熱セット糸を使
用して実現することも確認できた。従って用途に応じて
低熱収縮率の糸を使用するか又は熱セット糸を使用する
ことができる。 (5)又、必要に応じてベルト製織後ヒートセットを行
うことにより同様の効果が得られることも判明した。
【0037】6.通気性について (1)既存のベルトの通気度範囲を調査した結果10〜
300cc/min./cm2であることが判明した。
従って、この範囲内の通気度のものが好ましい。 (2)試織等を行い確認した結果、充分この範囲内の通
気度のものが得られることが判明した。
【0038】7.重量及び厚みについて (1)重量及び厚みについては、上記1〜5の仕様に基
づき、検討を行い、必要があれば試織等を行った結果、
重量については少なくとも、7.0kg/m2以上が、
厚みについては、8〜11mmのものが得られることが
判明した。なお好ましい厚みについては10〜11mm
である。
【0039】以上の結果、前記コルゲーターベルトとし
て要求される特性を全て満足させる本発明のコルゲータ
ーベルトが得られた。又、必要に応じて、コルゲーター
ベルトの表面側及び裏面側について、夫々の片面側のみ
あるいは両面側に製織後合成樹脂を塗布することによ
り、コルゲーターベルトとして要求される特性を向上さ
せることができる。塗布する樹脂としては、通常抄紙機
のドライパートに使用されるドライヤーカンバスの樹脂
加工等に使用される、例えばアクリル酸エステル樹脂等
が有効である。コルゲーターベルトの裏面(BS側)に
樹脂を塗布する方法としては、(a)キッシング、
(b)ディッピング、(c)ローラー、(d)刷毛塗
り、(e)スプレー等可能である。なお、塗布する樹脂
は、前記アクリル酸エステル樹脂に限らず、同様な効果
を示すものであれば可能なのは勿論である。
【0040】次にコルゲーターベルトの継手部の構造に
ついて説明を行なう。前記従来技術の項で示した、実公
昭45−11844号については、解舒により残った房
状経糸で、被覆接着するので接合部の厚みを均一にする
ためには、房状経糸をきれいに接合部にそろえる必要が
あるので、作業が面倒である問題があった。又、実開昭
60−154643号については、接着面は接着剤のみ
で接着されているので、使用中に強い力を受けると、は
がれ易く寿命が長くできない問題があった。次に、実開
平2−292990号については、織成体に舌端を切込
む作業が必要であり、正確な寸法で切込みを入れるのが
難しい問題があった。さらに、特開平4−236836
号については、フロック材で被覆するので、フロック材
を散布した後、加熱させる等の工程が必要である。
【0041】このため、本発明では、前記12項の継手
部の構造として (1)本体部以下の厚み (2)平滑な仕上げ (3)屈曲し易い構造 (4)物理的に摩損を生じない などの対策が必要である。
【0042】又、ベルトの構造、必要な強度等を考える
と、継手部に金属フックを使用することが絶対的な条件
となるので、この点に鑑みて、継手部の構造を検討し、
下記に示す本発明の構造に到達した。
【0043】1.まず使用する金属フックの形状を (1)従来使用していた金属フックの先端が角形に近い
もの、例えば図12(B)に示すものでは、金属フック
(37)をベルト端部に植設するとき、金属フック(3
7)を噛み合せその共通孔に芯線(38)を挿入し、ベ
ルト(39)をエンドレスにするのであるが、その芯線
(38)を挿入する位置が金属フック相互でずれ易く、
芯線挿入に手間どる問題があった。その対策として、図
12(A)のように、金属フック(40)の先端が芯線
(41)の形状に沿うような、円弧形状に近いものに変
更し、ベルト(42)両端に植設した金属フック(4
0)を噛み合せるときに、芯線(41)の挿入がし易
く、又挿入する位置がずれないものとした。
【0044】2.継手部の構造として、前記12項の継
手部の構造(1)(2)に対応するため、継手部は本体
より図12(A)に示すよう所定の寸法hだけ沈めた厚
さとした。hは、たとえば0.5〜3.0mmの範囲で
ある。
【0045】3.継手部の構造として、前記12項の継
手部の構造(5)項に対応して使用中の物理的摩損に対
応するため、 (I)継手部に耐熱性の高い素材の当布を装着する。 (II)継手部に耐熱性の高い樹脂をテーパー状に塗布
する。
【0046】次に、コルゲーターベルトの静電防止対策
について説明を行なう。前記従来技術の項で示した、特
開昭61−275450号については、ニードル構造の
コルゲーターベルトについての対策であるので織成した
ベルトには適用できない。又、前記した静電防止樹脂を
塗布する方法、導電性繊維を一部使用する方法について
は、前記した如くベルトに使用する素材の材質、織組
織、多重織とするかどうかといったベルト構造と切り離
して考えると充分な対策は行えないことが判明した。
【0047】一方、静電防止対策としては、上記以外に
根本的に解決する方法はないので、本発明のベルト構造
について、 (1)導電糸を織り込む方法 (2)導電性樹脂を塗布する方法 について最適な対応策を検討して、次のような方法で実
現したものである。
【0048】(1)導電性繊維を織り込む方法 ベルトの走行方向に所定間隔で、シートに接しない裏面
側の経糸をポリエステル繊維とレーヨン繊維の混紡糸に
金属繊維をつる巻にした糸で差し替えて挿入した。つる
巻にした理由は、撚り合せると金属繊維がポリエステル
繊維とレーヨン繊維の混紡糸の中に沈みこみ表面に出て
こず導電効果を発揮できなくなるためである。このた
め、本発明では、ポリエステル繊維とレーヨン繊維の混
紡糸を芯として、金属繊維がつる巻状にカバーして、外
面に表出するようにつる巻にした糸としたものである。
又、導電性繊維は、シートに接しない側の裏面側にのみ
挿入するようにし、シートと接する表面側には表出させ
ないようにした。従ってシートと接する面の表面性は均
一なものとなる。金属繊維としては、例えば、日本精線
(株)製のステンレス繊維である「ナスロン」等があ
る。なお、導電性繊維としては金属繊維に限らず例えば
炭素繊維等でも同様である。この場合前述したようにポ
リエステル繊維とレーヨン繊維の混紡糸に炭素繊維等を
つる巻状にカバーすることでも可能であるが、導電性繊
維の材質によっては、つる巻にする必要はなく、混紡糸
と導電性繊維を撚り合せた糸でシートに接しない裏面側
の経糸を差し替えて挿入することでも可能である。 (2)導電性樹脂を塗布する方法 ベルトの走行方向に所定間隔で導電性樹脂を塗布する。
【0049】
【課題を解決するための手段】本発明は、シートに接す
る表面側、シートに接しない裏面側及び接結用の経糸に
はポリエステル繊維とレーヨン繊維との混紡糸を、中間
層の経糸にはポリエステル繊維のマルチフィラメント糸
を、緯糸にはポリエステル繊維の紡積糸を使用し、4重
織のロングクリンプ組織とし、シートに接する表面側は
2/2綾織に、シートに接しない裏面側は3/1綾織と
するか、表面側は3/1綾織に、裏面側は2/2綾織
に、又は表面側は1/3綾織に、裏面側は3/1綾織と
したコルゲーターベルトを第1の発明とし、
【0050】経糸に使用するポリエステル繊維とレーヨ
ン繊維の混紡糸のポリエステル繊維とレーヨン繊維の混
合比率を65:35〜55:45としたコルゲーターベ
ルトを第2の発明とし、
【0051】前記コルゲーターベルトの厚さを8〜11
mm好ましくは10〜11mmとし、重量は少なくとも
7.0kg/m2以上とし、通気度は10〜300cc
/min./cm2としたコルゲーターベルトを第3の
発明とし、
【0052】少なくとも前記表面側、裏面側及び接結用
の経糸に使用するポリエステル繊維とレーヨン繊維の混
紡糸並びに緯糸に使用するポリエステル繊維の紡績糸は
低熱収縮率の糸であるコルゲーターベルトを第4の発明
とし、
【0053】上記コルゲーターベルトを用いて、その両
端に金属フックを植設し、両端を噛み合わせ接合してエ
ンドレスベルトとするコルゲーターベルトの接手部にお
いて、金属フックをベルト本体より沈ませて植設し、接
手部の金属フック植設部上面に耐熱性のある当布をベル
ト本体に装着したことを特徴とするコルゲーターベルト
の接手部を第5の発明とし、
【0054】上記コルゲーターベルトを用いて、その両
端に金属フックを植設し、両端を噛み合わせ接合してエ
ンドレスベルトとするコルゲーターベルトの接手部にお
いて、金属フックをベルト本体より沈ませて植設し、接
手部の金属フック植設部上面に、ベルト本体上面より金
属フックの噛み合わせ部にテーパー状に耐熱性のある樹
脂を塗布したことを特徴とするコルゲーターベルトの接
手部を第6の発明とし、
【0055】前記コルゲーターベルトにおいて、ベルト
の走行方向に所定間隔で導電性樹脂を塗布したコルゲー
ターベルトを第7の発明とし、前記コルゲーターベルト
において、ベルトの走行方向に所定間隔で、裏面側の経
糸をポリエステル繊維とレーヨン繊維の混紡糸に金属繊
維、炭素繊維等の導電性繊維をつる巻にした糸か、又は
混紡糸と金属繊維、炭素繊維等の導電性繊維を撚り合せ
た糸で差し替えて挿入したコルゲーターベルトを第8の
発明とするものである。
【0056】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照しながら説
明する。 〔実施例1〕図13 は本発明による実施例1のコルゲーターベルト
(43)の経糸方向断面図である。織組織は4重織であ
る。シートに接する表面側経糸(44)及びシートに接
しない裏面側経糸(45)はテトロン(ポリエチレンテ
レフタレート繊維の商標名。以下、Tと記す。)とレー
ヨン繊維(以下、Rと記す)との混紡糸〔以下(T+
R)と記す〕の12番手の糸を8本撚糸したものをさら
に3本引揃えたものである。接結用経糸(46)は(T
+R)の12番手の糸を6本撚糸したものをさらに2本
引揃えたものである。中間層経糸(47)はTのマルチ
フィラメント糸の1500デニールの1本を2本撚糸
し、さらに2本引揃としたものである。緯糸(48)は
Tの紡績糸10番手を32本撚糸したものである。シー
トに接する表面側(PS側)は2/2綾織とし、シート
に接しないバラストロールに接する裏面側(BS側)は
3/1綾織とした。各中間層経糸(47)は夫々1本の
緯糸(48)に跨って組織されている。
【0057】本実施例で使用した(T+R)及びTの各
糸は低熱収縮率の糸で、その収縮率は(T+R)が18
0゜Cで2.0%、200゜Cで3.6%であり、又T
が180゜Cで2.1%、200゜Cで3.2%であっ
た。なお、熱収縮率はこの数値に限定されず本発明のコ
ルゲーターベルトを実現できる範囲内であれば可能なの
は勿論である。又、ベルトの寸法安定性のためには、熱
収縮のない糸として、低熱収縮率の糸に限らず、用途に
よっては、糸として低熱収縮率のものを使用せずに熱セ
ット糸を使用しても同様に可能である。密度が、経糸に
ついては116.2本/2.54cm、緯糸については
(6×4)本/2.54cmであった。その結果、表1
に示すごとく、得られたコルゲーターベルト(43)の
厚さは10.47mm、重量は7873g/m2、通気
度は23cc/min./cm2であった。又、タテ方
向強度は2148kg/3cm、ヨコ方向強度は192
1kg/3cmであった。
【0058】
【表1】
【0059】本実施例によれば必要とされる品質、性能
について、厚さは10.47mmで、重量は7873k
g/m2、通気度は23cc/min./cm2で検討し
た範囲内にあることが分る。本実施例ではシートに接す
るPS側を2/2綾織、シートに接しないバラストロー
ルに接するBS側は3/1綾織として説明したが、これ
に限らずPS側を3/1綾織、BS側を2/2綾織とし
ても同様の効果が得られる。なお、本実施例ではベルト
の寸法安定性のために使用する糸を低熱収縮率の糸か又
は熱セット糸にする場合について説明を行ったが、ベル
トの寸法安定性のためにはこの方法に限らず必要に応じ
てベルト製織後ヒートセット加工を行うことにより同様
の効果を得ることができる。
【0060】〔実施例2〕図14に本発明による実施例
2のコルゲーターベルト(49)の経糸方向断面図を示
す。織組織は4重織である。本実施例は、シートに接す
る表面側(PS側)は1/3綾織とし、シートに接しな
いバラストロールに接する裏面側(BS側)は3/1綾
織としたものである。使用する糸番手、合数、密度は実
施例1の表1に示す仕様と同じである。その結果、表1
に示す実施例1と同様のコルゲーターベルト(49)が
得られた。
【0061】〔比較例1〕図15は比較例1のコルゲー
ターベルト(50)の経糸方向断面図である。織組織は
6重織である。シートに接する表面側経糸(51)は綿
の紡績糸8番手を7本撚糸したものをさらに2本引揃え
たものである。シートに接しない裏面側経糸(52)は
綿(以下Cと記す。)の紡績糸8番手を15本撚糸した
ものである。芯糸(53)はTのマルチフィラメント糸
の250デニールの4本を撚糸し、さらに3本撚糸した
ものを2本引揃えたものである。接結用経糸(54)は
Cの紡績糸8番手を5本撚糸したものと、Tのマルチフ
ィラメント糸の250デニールの2本を撚糸したものを
2本引揃えたものと撚糸したものである。緯糸(55)
はCの紡績糸8番手を12本撚糸したものとTの紡績糸
10番手を3本撚糸したものと撚糸したものである。密
度が、経糸については114.9本/2.54cm、緯
糸については(7×6)本/2.54cmであった。
【0062】その結果、表2に示すごとく、得られたコ
ルゲーターベルト(50)の厚さは10.33mm、重
量は7747g/m2、通気度は10cc/min./
cm2であった。又、タテ方向強度は1017kg/3
cm、ヨコ方向強度は492kg/3cmであった。
【0063】
【表2】
【0064】次に実施例1に示すコルゲーターベルト
(43)の品質、性能を確認するために、次記の試験を
行ったので説明を行う。なお、図13の実施例1の効果
を説明するため図15の比較例1に示すコルゲーターベ
ルト(50)も同様に試験を行ったので、比較を行いな
がら説明を行う。
【0065】1.コルゲーターマシンを走行させたとき
の寸法安定性 テストマシンに実施例1及び比較例1に示すコルゲータ
ーベルトを掛入れ、走行速度100m/min.、室温
170゜C、ベルトの引張張力3kg/cmで試験を行
った。コルゲーターマシンでの運転状態を想定して、コ
ルゲーターベルトに水分を含ませた状態(WET)から
乾燥シリンダーで乾燥させた状態(DRY)を約60分
を1サイクルとしてコルゲーターベルトを走行させた。
この時のベルトの走行方向(タテ方向)Aと走行方向と
直角方向(ヨコ方向)Bの寸法挙動を測定し、寸法安定
性を確認した。その試験結果は図16に示す通りで、比
較例1ではタテ方向(A)の寸法挙動は約1(%)から
約4(%)の範囲であり、ヨコ方向(B)の寸法挙動は
約0(%)〜約−1(%)の範囲である。これに対し、
実施例1では、タテ方向(A)の寸法挙動は約2.2
(%)〜0(%)の範囲であり、ヨコ方向(B)の寸法
挙動は0(%)〜約−0.4(%)の範囲であり、タテ
方向(A)及びヨコ方向(B)の寸法挙動はいずれも比
較例1より大幅に少ないことが分る。この結果、実施例
1は比較例1に比べて寸法安定性が大幅に向上している
ことが分る。
【0066】2.摩擦係数 シートとの滑り、ならびに、コルゲーターマシンの駆動
ベルトと駆動ドラムとの滑りを測定する。図17に示す
ように段ボールシート(55)の上に各ベルトのサンプ
ル(56)を重ねて、一定荷重W=5kgをかけ、ロー
ラー(57)を介して、引張試験機で引張り、 動き始めた時の力F1、動き始めた以後移動させる
ための力F2を測定した。その各摩擦力F1及びF2と荷
重(W)とから次式により夫々摩擦係数μ1及びμ2を算
出した。 摩擦係数(μ)=摩擦力(F)/荷重(W) 従って、この時μ1は静摩擦係数で、μ2は動摩擦係数と
した。上記の方法により測定した結果は表3の通りであ
った。
【表3】 上記の通り実施例1と比較例1とを比較してみると、静
摩擦係数μ1は比較例1の方が少し大きく、動摩擦係数
μ2は実施例1の方が少し大きいことが分る。この結果
から判断すると摩擦係数については、実施例1と比較例
1はほぼ同程度であることが分る。従って、実施例1で
も実用上問題ないことが分った。
【0067】3.剛軟度 コルゲーターマシンのロール等通過時又はコルゲーター
ベルトの屈曲時に滑らかで柔かく屈曲できるためにある
程度の剛軟度が必要なので、この確認を行う。図18に
示す通り、120℃×20分処理後、5分放冷した各ベ
ルトの2cm幅×18cm長のサンプル(58)を片持
支持し、遊端に50gのウエイト(59)を載置したと
きのたわみ量mmを測定し、たわみ量の大きさにより、
剛軟度を判断した。即ちたわみ量が少ない程、剛性が大
きく、たわみ量が大きい程、柔軟度が高いことになる。
その測定結果は表4に示す通りで、
【表4】 タテ方向は、コルゲーターベルトの走行方向 ヨコ方向は、コルゲーターベルトの走行方向と直角の方
向を示す。ヨコ方向の剛軟度は実施例1と比較例1とは
ほぼ同じである。タテ方向の剛軟度は実施例1の方が比
較例1に比べて約1.8倍大きいことが分る。
【0068】従って、実施例1はタテ方向の剛軟度が比
較例1に比べて大きいので、コルゲーターマシンのロー
ル等通過時又はコルゲーターベルトの屈曲時に滑らかで
柔かく屈曲するので、低騒音特性を備えていることが分
る。一方で、シートに接しない側のバラストロールの力
をコルゲーターベルト(43)のタテ・ヨコ方向の剛性
によってシートへ均一に伝えるためには、一定以上の剛
性が必要である。実施例1は比較例1の綿ベルトと比べ
て、ヨコ方向はほぼ同じで、タテ方向は比較例1の約5
7(%)となる。しかし、このレベルであると充分使用
でき実用上問題はない範囲内である。
【0069】4.騒音測定 低騒音特性のコルゲーターベルトが得られたのかどうか
確認するため図19に示す通り、現在稼動中のコルゲー
ターマシンにコルゲーターベルト(60)を掛入れて、
実際に運転中の騒音がどうかについて、異なる使用先
(4社)のA、B、C、Dの4個所で騒音計により騒音
を測定した。表5にその測定結果を示す。
【表5】 その結果、全ての測定個所で実施例1の方が比較例1に
比べて最低で0.9dB、最大で8.5dB騒音値が少
なくなっていることが分る。従って、実施例1のコルゲ
ーターベルトは比較例1のコルゲーターベルトに比べて
低騒音であることが判明した。次に、本発明のコルゲー
ターベルトの継手部の実施例について説明を行なう。
【0070】〔実施例3〕 図20は本発明による実施例3のコルゲーターベルト
(61)のベルト継手部(90)の経糸方向断面図であ
る。コルゲーターベルト(61)の両端部に金属フック
(62)(62)を植設し、金属フック(62)(6
2)を噛み合せ、その共通孔に芯線(63)を挿入しベ
ルトをエンドレス状にする。この場合使用する金属フッ
ク(62)の構造は、図12(A)に示すように、金属
フック(62)の先端部(62a)の形状が円弧状のも
のとした。このような構造の金属フック(62)を使用
することにより、金属フック(62)(62)を噛み合
せたときに、芯線(63)の挿入がし易くなり、芯線
(63)が固定できるので金属フック(62)(62)
にゆるみが生じず、又ベルト(61)が屈曲し易い継手
部(90)が得られる。継手部(90)はシートに接す
るベルト表面側(61’)より図12(A)に示すよう
にベルト(61)の本体部の厚さより所定寸法大だけ沈
めた厚さとした。本実施例ではh=1.7mmとした。
【0071】このため、ベルト表面側(61’)は、継
手部(90)より厚さが小さくなり、継手部分がベルト
表面側(61’)より突出することがなく、シートに傷
を付ける等の問題が発生することがない。又、ベルト
(61)は使用中の経時変化で比較的早い時期にある一
定量だけ厚みが減少するので、所定寸法hはこの分を見
込んだ寸法とすることでこの問題も解消できる。
【0072】継手部(90)は使用中の物理的摩損に対
応するため、耐熱性の高い素材例えば芳香族ポリアミド
繊維、ポリアミド繊維等の素材の当布(65)をベルト
表面側(61’)に縫着個所(64)にミシン縫い等で
装置する。当布(65)の厚さは金属フック(62)の
上面にベルト表面側(61’)より出ない範囲のものと
する。芳香族ポリアミド繊維の例としては、テクノーラ
(帝人(株)社商標)がある。又、当布(65)を樹脂
加工してさらに摩損に強いものとすることができる。
【0073】〔実施例4〕図21 は本発明による実施例4のコルゲーターベルト
(66)のベルト継手部(67)の経糸方向断面図であ
る。本実施例4が実施例3と異なるのは、実施例3では
物理的摩損に対応するため継手部の金属フックの上面に
当布を装着しているが、当布のかわりに、金属フックの
上面に樹脂を塗布して樹脂部(68)としたことであ
る。樹脂部(68)はベルト表面側(69)より図21
に示すようにテーパー状に金属フック先端部(70a)
近辺まで耐熱性のある例えばシリコン樹脂等を塗布した
ものである。樹脂部(68)は金属フック先端部(70
a)近辺までとすることで、継手部(67)の屈曲性を
悪くしないためである。塗布するシリコン樹脂として、
本実施例では、シリコーン接着材(東レ・ダウコーティ
ング・シリコーン(株)製)を使用した。上記以外の構
造は実施例3と同じである。次に本発明のコルゲーター
ベルトの静電防止対策の実施例について説明を行なう。
【0074】〔実施例5〕図22 は本発明による実施例1のコルゲーターベルト
(71)の経糸方向断面図である。図23は本発明によ
る図22の実施例5のコルゲーターベルト(71)をA
面より見た図面を示す。図24は導電糸導入部(72
a)のベルト(71)のヨコ方向についての挿入間隔を
示す図面である。シートに接しない裏面側経糸(73)
の1リピート、図22、図23で示す経糸(73)の番
号7、11、8、12の次には、導電糸(72)の1リ
ピート7、11、8、12を挿入する例を示したもので
ある。導電糸(72)を1リピート挿入する間隔の1例
を図24に示す。この例では挿入間隔L1 =20cmと
したもので、導電糸挿入部(72a)を20cm間隔と
することを示している。
【0075】本実施例では、導電糸(72)はシートに
接しない裏面側経糸(73)のみに配すようにし、導電
糸(72)はシートに接する表面側に表出しないように
したものである。導電糸(72)の仕様は、(T+R)
の混紡糸12番手7本を芯として金属繊維であるナスロ
ン(日本精線(株)製、ステンレス繊維)20番手1本
をつる巻状にカバーした糸を3本引揃えたものである。
このような仕様とすることにより、金属繊維がつる巻状
にカバーして外面に表出するようにし、静電防止対策と
したものである。
【0076】導電糸(72)を挿入する間隔L1 は本実
施例では20cmとしたが、ベルトの走行速度、シート
の品質、周囲環境等に応じて発生する静電気の大小に対
応して所定の間隔にできることは勿論である。本実施例
では金属繊維としてステンレス繊維について説明を行っ
たが、ステンレス繊維に限らず導電性が良好で、しかも
比較的強度の大きな素材が良く、例えば銀、ニッケル、
鋼、鉄あるいはこれらの合金又はこれらの金属化合物、
金属酸化物等がある。
【0077】本実施例による静電防止の効果を示すた
め、図25に示す如く、静電気測定を行った。
【0078】図25に示す通り、コルゲーターマシンで
の運転状態を想定して、テストマシンに実施例1のコル
ゲーターベルト(77)について、本実施例による導電
糸を挿入したものと、挿入していない比較例2を掛入
れ、走行速度100m/min.、室温26゜C、湿度
92%、ベルトの引張張力3kg/cm、乾燥シリンダ
ーの温度250゜Cで試験を行い、シシド静電気(株)
製静電気測定器「スタチロンM」にて、(A)及び
(B)の個所で静電気を測定した。表6にその測定結果
を示す。
【0079】
【表6】 その結果によると、実施例5の方が比較例2に比べて大
幅に静電気の値が減少しており、本実施例による効果が
あることを示している。
【0080】〔実施例6〕実施例5では導電糸として
(T+R)の混紡糸に金属繊維をつる巻状にカバーした
糸を使用する場合を説明した。本実施例6では導電糸と
して(T+R)の混紡糸に炭素繊維又は炭素繊維を含有
した糸(以下炭素繊維等という)をつる巻状にカバーし
た糸とするか又は撚り合わせる場合について説明を行
う。導電糸の挿入間隔及び配する方法は実施例5と同様
である。導電糸の仕様は(T+R)の混紡糸12番手7
本を芯としてナイロン繊維に炭素微粒子含有の導電性繊
維メガIII(ユニチカ(株)製、導電性複合繊維)20
番手1本をつる巻状にカバーした糸を3本引揃えたもの
である。本実施例では炭素繊維を含有した糸を使用した
例を説明したが、炭素繊維単独の糸は勿論その他炭素繊
維を含有した糸でも同様に可能である。又、本実施例で
は(T+R)の混紡糸を芯としてメガIIIをつる巻状に
カバーして導電糸とすることで説明したが、これに限ら
ず炭素繊維等の材質によっては、つる巻にする必要はな
く、(T+R)の混紡糸と炭素繊維等を撚り合わせた糸
を導電糸としてシートに接しない裏面側の経糸と差し替
えて挿入することも可能である。
【0081】〔実施例7〕図26は本発明による実施例
7を示す図面であって、本発明の実施例1に示すコルゲ
ーターベルト(78)の裏面側に導電樹脂を所定間隔L
1 、L2 及びL3にベルト(78)のタテ方向に塗布し
たことを示す。導電樹脂を塗布した個所を導電樹脂塗布
部(78a)で示す。本実施例ではL1 =L2 =8c
m、L3 =45cmとした場合を示したものである。塗
布する導電樹脂として本実施例では、日本アチソン
(株)製のエレクトロダッグ(Electrodag)
109B、組成(重量比)グラファイト20%、塩ビ2
0%、メチルイソブチルケトン(MIBK)60%を使
用し、配合比(重量比)エレクトロダッグ109Bを1
00、アラルダイトAW−106を3、ハードt−HV
−953Uを3を使用した。この仕様の導電性樹脂をコ
ルゲーターベルト(78)に塗布し静電防止対策とした
ものである。
【0082】導電樹脂を塗布する間隔は本実施例に限定
されずに、ベルトの走行速度、シートの品質、周囲環境
等に応じて、発生する静電気の大小により対応して所定
の間隔にできることは勿論である。本実施例による、静
電防止の効果を示すため、実際に運転中のコルゲーター
マシンにコルゲーターベルトを掛入れ、導電樹脂塗布部
(78a)と導電性樹脂塗布部(78a)と次の樹脂塗
布部(78a)との間の図26で示す間隔L3 の中央の
個所(79a)とで、コルゲーターベルト(78)を走
行させ、シシド静電気(株)製、静電気測定器「スタチ
ロンM」にてシートに接する側(表面側)及びシートに
接しない側(裏面側)で測定した。表7にその測定結果
を示す。
【0083】
【表7】 その結果によると、実施例7は導電樹脂を塗布していな
い比較例3に比べると静電防止効果のあることを示して
いる。
【0084】導電樹脂を塗布する方法としては、(a)
キッシング、(b)ディッピング、(c)ローラー、
(d)刷毛塗り、(e)スプレー等で可能である。又、
塗布する幅は1〜10mm位とする。本実施例では導電
樹脂として、日本アチソン(株)製のエレクトロダック
を使用した場合を示したが、導電樹脂としてはこれに限
らず同様な効果を示すものであれば実施可能なのは勿論
である。
【0085】各実施例で説明した糸の太さ、密度等はコ
ルゲーターベルトの用途に応じて必要な範囲で可能なの
は勿論である。又、その結果コルゲーターベルトとして
は、厚みは8〜11mm好ましくは10〜11mmのも
のが、通気度は10〜300cc/min./cm2 の
ものが得られる。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、ロングクリンプ織と
し、シートに接する表面側は2/2綾織にシートに接し
ない裏面側は3/1綾織とするか、表面側は3/1綾織
に裏面側は2/2綾織、又は表面側は1/3綾織、裏面
側は3/1綾織としたので、シートの密着性を付与させ
る平滑性を備える。
【0087】経糸の表面側及び裏面側に使用する糸の素
材をポリエステル繊維とレーヨン繊維の混紡糸としたの
で、熱に対する耐久性、乾燥を促進させるための吸湿性
と保湿性、汚れがつき難く落し易い等の効果を有する。
【0088】4重織とすることで適度な厚みと剛性を備
えたものとなるので、バラストロールから伝わる荷重を
シートへ均等に伝達できる効果を有する。さらに、走行
安定性を備える。
【0089】又、本発明によれば騒音の低下、長期間使
用できる、問題のない継手部の構造、静電防止対策が可
能となる。従って、本発明のコルゲーターベルトでは、
「発明が解決するための課題」で説明した、コルゲータ
ーベルトに要求される特性を全て満足できる品質、性能
の製品が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なコルゲーターマシンの概略図。
【図2】公知のコルゲーターベルトの組織図。
【図3】公知のコルゲーターベルトの組織図。
【図4】公知のコルゲーターベルトの組織図。
【図5】公知のコルゲーターベルトの組織図。
【図6】公知のコルゲーターベルトの組織図。
【図7】公知のコルゲーターベルトの継手部の説明図。
【図8】公知のコルゲートベルトの継手部の説明図。
【図9】公知のコルゲートベルトの継手部の説明図。
【図10】公知のコルゲートベルトの継手部の説明図。
【図11】公知の導電性の繊維を混入したコルゲートベ
ルトの説明図。
【図12】コルゲートベルトの継手部の説明図。
【図13】本発明の実施例1に係るコルゲーターベルト
の組織図。
【図14】本発明の実施例2に係るコルゲーターベルト
の組織図。
【図15】比較例1に係るコルゲーターベルトの組織
図。
【図16】実施例1と比較例1のコルゲーターベルトの
寸法挙動を測定した走行試験の結果図。
【図17】摩擦係数の試験装置の説明図。
【図18】剛軟度測定装置の説明図。
【図19】騒音測定の説明図。
【図20】本発明の実施例3に係るコルゲーターベルト
の継手部の説明図。
【図21】本発明の実施例4に係るコルゲーターベルト
の継手部の説明図。
【図22】本発明の実施例1に係るコルゲーターベルト
の経糸方向断面図。
【図23】図22の実施例に係るコルゲーターベルトを
実施例5の導電糸を挿入した場合のコルゲートベルトを
A面より見た図面。
【図24】導電糸導入部の挿入間隔を示す図面。
【図25】静電測定の説明図。
【図26】導電樹脂塗布状態の説明図。
【符号の説明】
43 コルゲーターベルト 44 シートに接する表面側経糸 45 シートに接しない裏面側経糸 46 接続用経糸 47 中間層経糸 48 緯糸 PS シートに接する表面側 BS シートに接しない裏面側
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 司郎 滋賀県近江八幡市丸の内町5−58 (72)発明者 石原 正文 滋賀県近江八幡市中小森町95−83 (72)発明者 上山 猛志 滋賀県蒲生郡安土町下豊浦 2700−4 (72)発明者 田中 定雄 滋賀県蒲生郡安土町内野123 (56)参考文献 特開 平2−242990(JP,A) 特開 平5−93342(JP,A) 特開 昭61−287607(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65G 15/34 B31F 1/36

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートに接する表面側、シートに接しな
    い裏面側及び接結用の経糸にはポリエステル繊維とレー
    ヨン繊維との混紡糸を、中間層の経糸にはポリエステル
    繊維のマルチフィラメント糸を、緯糸にはポリエステル
    繊維の紡積糸を使用し、4重織のロングクリンプ組織と
    し、 シートに接する表面側は2/2綾織に、シートに接しな
    い裏面側は3/1綾織とするか、表面側は3/1綾織
    に、裏面側は2/2綾織に、又は表面側は1/3綾織
    に、裏面側は3/1綾織としたことを特徴とするコルゲ
    ーターベルト。
  2. 【請求項2】 経糸に使用するポリエステル繊維とレー
    ヨン繊維の混紡糸のポリエステル繊維とレーヨン繊維の
    混合比率を65:35〜55:45としたことを特徴と
    する請求項1記載のコルゲーターベルト。
  3. 【請求項3】 前記コルゲーターベルトの厚さを8〜1
    1mm好ましくは10〜11mmとし、重量は少なくと
    も7.0kg/m2以上とし、通気度は10〜300c
    c/min./cm2としたことを特徴とする請求項1
    及び2記載のコルゲーターベルト。
  4. 【請求項4】 少なくとも前記表面側、裏面側及び接結
    用の経糸に使用するポリエステル繊維とレーヨン繊維の
    混紡糸並びに緯糸に使用するポリエステル繊維の紡績糸
    は低熱収縮率の糸であることを特徴とする請求項1〜3
    記載のコルゲーターベルト。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜4記載のコルゲーターベ
    ルトを用いて、その両端に金属フックを植設し、両端を
    噛み合わせ接合してエンドレスベルトとするコルゲータ
    ーベルトの接手部において、金属フックをベルト本体よ
    り沈ませて植設し、接手部の金属フック植設部上面に耐
    熱性のある当布をベルト本体に装着したことを特徴とす
    るコルゲーターベルトの接手部。
  6. 【請求項6】 前記請求項1〜4記載のコルゲーターベ
    ルトを用いて、その両端に金属フックを植設し、両端を
    噛み合わせ接合してエンドレスベルトとするコルゲータ
    ーベルトの接手部において、金属フックをベルト本体よ
    り沈ませて植設し、接手部の金属フック植設部上面に、
    ベルト本体上面より金属フックの噛み合わせ部にテーパ
    ー状に耐熱性のある樹脂を塗布したことを特徴とするコ
    ルゲーターベルトの接手部。
  7. 【請求項7】 前記コルゲーターベルトにおいて、ベル
    トの走行方向に所定間隔で導電性樹脂を塗布したことを
    特徴とする請求項1〜4記載のコルゲーターベルト。
  8. 【請求項8】 前記コルゲーターベルトにおいて、ベル
    トの走行方向に所定間隔で、裏面側の経糸をポリエステ
    ル繊維とレーヨン繊維の混紡糸に金属繊維、炭素繊維等
    の導電性繊維をつる巻にした糸か、又は混紡糸と金属繊
    維、炭素繊維等の導電性繊維を撚り合せた糸で差し替え
    て挿入したことを特徴とする請求項1〜4記載のコルゲ
    ーターベルト。
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