JP2852105B2 - パルプのオゾン漂白法 - Google Patents

パルプのオゾン漂白法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、パルプのオゾン漂白法に関するものであ
り、さらに詳細には漂白工程において、漂白性を改善す
るために、界面活性剤を助剤として使用する漂白法に関
するものである。
[従来の技術] パルプの漂白には、塩素系、酸素系およびオゾンによ
る漂白法が知られている。
従来、塩素系漂白剤を用いた多段漂白がその主流とな
っていたが、最近では漂白排水の処理の容易な酸素系漂
白剤を用いる例が多く見られる。
酸素漂白では、パルプ濃度の高い(20%以上)高濃度
漂白が、1970年に初めて南アフリカとスウェーデンで実
操業に採用された。酸素を使用する高濃度漂白は、塩素
系漂白よりセルロースの分解が著しいために、それを抑
制する目的で一般的にマグネシウム塩が添加されてい
る。
近年では、撹拌効率のよい中濃度ミキサーが開発され
たことにより、装置コストの安価な中濃度漂白(5〜20
%)の採用が主流となってきた。
一方、パルプのオゾン漂白は、小規模の応用段階には
あるものの、未だに研究開発の段階にある。スウェーデ
ンのデファイブレーター社製の漂白プラントは、NACOプ
ロセスとして、イタリアでわらを原料としたオゾン漂白
に利用されている。このオゾン漂白は、パルプ濃度5〜
6%の低濃度と中濃度の境界域で行われている。
パルプ濃度が高濃度(20%以上)および低濃度(5%
以下)でのオゾン漂白の実施例はない。
[発明が解決しようとする課題] オゾンは水への溶解度が低く、水中での分解速度が比
較的速い。また、オゾンを漂白薬品としてパルプ漂白工
程で使用する場合は、パルプをとりまく水の層にガスの
拡散する速さがオゾンの反応速度を決定するといわれて
いる(Z.オーサワ(Z.Osawa)TAPPI 46巻(2)79−84
ページ(1963年)参照)。そのため、水の層の厚さが薄
い、すなわち水の使用量の少ない高濃度漂白について研
究した例が多い。
しかしながら、オゾン漂白におけるパルプの高濃度漂
白ではパルプを効率よく撹拌することが困難であるた
め、不均一な漂白となりやすく且つセルロースの分解が
著しくなり、パルプの品質が低下してしまうという欠点
がある。このため、現在までにセルロース保護剤の研究
が行われ、アルコールや尿素(特公昭52−6364号)、各
種の有機酸(特公昭57−53916号)の添加による漂白法
が提案されているが、パルプに対する薬品添加量が多く
現実的ではない。
パルプ濃度が中濃度または低濃度のオゾン漂白では、
パルプの撹拌が容易となり、より均一な反応を生じさせ
ることが可能になるため、セルロースの分解を抑制でき
ることがすでに明らかとなっている。しかし、中濃度や
低濃度のオゾン漂白は、一般的に反応速度が遅く、漂白
に長時間を要するために、生産性が低下するという大き
な問題が生じる。
そのため、パルプの低濃度のオゾン漂白において、酸
性での処理(特公昭53−29723号)、加圧処理(特公昭5
3−41242号)、オゾン濃度の高い水の利用(特公昭55−
49199号)、および撹拌装置の工夫(特公昭60−50156
5)等が提案されているが、依然としてパルプの高濃度
の漂白に比べて反応速度は遅い。
パルプの中濃度および低濃度のオゾン漂白における反
応速度を向上させるためには、オゾンのパルプスラリー
への分散を促進する必要がある。
本発明は、従来の方法がもつ以上のような課題を解決
し、パルプの低濃度および中濃度、さらには高濃度のオ
ゾン漂白の反応速度を高め、生産性の高いパルプの漂白
方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、界面活性剤をパルプのオゾン漂白工程
に助剤として使用することにより、生産性の高い漂白法
を提供できることを見いだした。
すなわち、本発明は、オゾンを用いて行うパルプのオ
ゾン漂白法において、非イオン界面活性剤および/また
はアニオン界面活性剤を使用することを特徴とする、パ
ルプのオゾン漂白法を提供するものである。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
界面活性剤は、脱墨パルプの製造工程や消泡剤として
は利用されてきたが、これまで紙パルプ工業の漂白工程
に使用されたことはない。
本発明においては、意外にも漂白工程に界面活性剤を
添加することにより、オゾン漂白反応を効果的に促進す
ることを見いだした。
該界面活性剤としては、非イオン界面活性剤またはア
ニオン界面活性剤を、漂白工程に添加することができ
る。
本発明に使用できる非イオン界面活性剤としては、疎
水基原料に高級アルコール、アルキルフェノール、ポリ
プロピレングリコール、高級脂肪酸、油脂のいずれかを
用い、親水基原料にポリエチレングリコール、エチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド、グリセリン、ソル
ビトール、ショ糖、ジエタノールアミンのいずれかを用
いて製造したものが挙げられる。特に好ましいのはポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アル
キロールアミドである。
アニオン界面活性剤としては、疎水基原料に高級アル
コール、アルキルフェノール、アルキルベンゼン、高級
脂肪酸、油脂、マレイン酸ジエステルのいずれかを用
い、親水基としてスルホン酸塩、硫酸エステル塩、脂肪
酸塩のいずれかを有するものが挙げられる。特に好まし
いのは、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムとポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩
である。
非イオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤の添加量
は、ともに対パルプ0.1〜2.0%の添加が好ましい。
非イオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤とは単独
で使用することもでき、また、併用することもできる。
また、オゾン漂白を酸性条件で行うとセルロースの分
解が抑制されることは公知であるが、特に酸性条件下に
おいて、非イオン界面活性剤であるポリオキシエチレン
・アルキルフェニルエーテル界面活性剤の添加によっ
て、セルロースの分解が非常に抑制される効果を合わせ
持つことが明らかとなった。
これらの界面活性剤の添加の効果は、漂白時のパルプ
濃度に影響されない。
さらに、本発明方法は、木材パルプおよび非木材パル
プいずれについても使用可能である。
[作 用] パルプのオゾン漂白条件下で適度な起泡性を持つ界面
活性剤を選択し、漂白時に添加することによって、漂白
薬品をパルプスラリー中に効果的に分散させることが可
能であると考えられる。
また、界面活性剤はミセルをつくるため、水に溶けに
くいオゾンを安定な状態で水中に保持すると考えられ
る。
[実 施 例] 以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明す
る。
実施例−1 ブナパルプ(白色度30.2、カッパー価17.2)を、パル
プ濃度15%、オゾン濃度35mg/(約1.8%濃度)、オゾ
ン流量4/分、漂白時間30分、20℃、pH7の各条件に
おいて、これに三洋化成(株)製のポリオシエチレン・
オクチルフェニルエーテル型非イオン界面活性剤(オク
タポール80)またはポリオキシエチレン・ノニルフェニ
ルエーテル型非イオン界面活性剤(ノニポール60)をそ
れぞれ対パルプ1%添加してオゾン漂白した。
パルプの白色度はTAPPI試験法T525hm−85、カッパー
価は、JIS p−8211に従って測定した。その結果を表−
1に示す。
表−1より、非イオン界面活性剤を添加して漂白した
パルプの場合は、着色の原因であるリグニンの残存量を
示すカッパー価が低く、白色度が高くなり、漂白反応が
速くなったことが判る。
実施例−2 ブナパルプ(白色度31.1、カッパー価18.4)を、パル
プ濃度15%、オゾン濃度35mg/(約1.8%濃度)、オゾ
ン流量4/分、漂白時間30分、20℃、pH7の各条件に
おいて、これに脂肪酸アルキロールアミド型非イオン界
面活性剤(プロプァン2012E)、またはジオクチルスル
ホコハク酸ナトリウム型のアニオン界面活性剤(サンモ
リンOT−70)とポリオキシエチレン・アルキルフェニル
エーテル硫酸エステルナトリウム塩型アニオン界面活性
剤(ノニポールS−40)をそれぞれ対パルプ1%添加し
てオゾン漂白した。
パルプの白色度はTAPPI試験法T525hm−85、カッパー
価はJIS p−8211に従って測定した。その結果を表−2
に示す。
表−2より、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性
剤ともに、脱リグニン反応の促進効果を持つが、非イオ
ン界面活性剤の効果のほうが大きいことが判る。
実施例−3 ブナパルプ(白色度31.1、カッパー価18.4)を、パル
プ濃度15%、オゾン濃度35mg/(約1.8%濃度)、オゾ
ン流量4/分、漂白時間10〜30分、20℃の各条件にお
いて、pH2に調整して、これにポリオキシエチレン・ア
ルキルフェニルエーテル型非イオン界面活性剤(オクタ
ポール80またはノニポール85)をそれぞれ対パルプ1%
添加してオゾン漂白した。
セルロースの重合度の指標であるパルプ粘度は、TAPP
I試験法T230om−82に従って測定した。その結果を表−
3に示す。
表−3より、カッパー価7まで漂白した場合、pH2で
処理したパルプは、無添加であっても、pH7で漂白した
ものよりパルプ粘度は高いが、界面活性剤を添加すると
さらに高くなり、セルロースの分解を非常に抑制する効
果があることが判る。
実施例−4 ブナパルプ(白色度30.2、カッパー価17.2)を、パル
プ濃度2または30%、オゾン濃度35mg/(約1.8%濃
度)、オゾン流量4/分、漂白時間30分、20℃、pH7
の各条件において、これにポリオキシエチレン・オクチ
ルフェニルエーテル型非イオン界面活性剤を対パルプ1
%添加して、パルプの高濃度または低濃度でオゾン漂白
した。
パルスの白色度はTAPPI試験法T525hm−85、カッパー
価はJIS p−8211に従って測定した。その結果を表−4
に示す。
表−4より、該界面活性剤は、パルプ濃度に関係なく
漂白反応の促進効果を示したことが判る。
[発明の効果] 木材および非木材のオゾン漂白法において、非イオン
またはアニオン界面活性剤を添加することにより、漂白
反応の速度を向上させる効果がある。
この効果は、特に反応速度の遅いパルプの低濃度およ
び中濃度漂白に有効であるが、高濃度漂白においても利
用することができる。
また、反応速度が向上することにより、撹拌動力やオ
ゾン供給量の減少等、漂白時の反応条件を緩和すること
が可能となるため、エネルギーの節約効果が得られる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オゾンを用いて行うパルプのオゾン漂白法
    において、非イオン界面活性剤および/またはアニオン
    界面活性剤を使用することを特徴とする、パルプのオゾ
    ン漂白法。
  2. 【請求項2】非イオン界面活性剤として、ポリオキシエ
    チレン・アルキルフェニルエーテル界面活性剤を使用す
    ることを特徴とする、請求項1に記載の漂白法。
  3. 【請求項3】非イオン界面活性剤として、脂肪酸アルキ
    ロールアミド界面活性剤を使用することを特徴とする、
    請求項1に記載の漂白法。
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