JPH10266085A - 化学パルプの酸性漂白白水による処理方法及び印刷用紙または塗工用原紙 - Google Patents

化学パルプの酸性漂白白水による処理方法及び印刷用紙または塗工用原紙

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JPH10266085A
JPH10266085A JP7167797A JP7167797A JPH10266085A JP H10266085 A JPH10266085 A JP H10266085A JP 7167797 A JP7167797 A JP 7167797A JP 7167797 A JP7167797 A JP 7167797A JP H10266085 A JPH10266085 A JP H10266085A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】化学パルプの漂白において、漂白反応を促進さ
せると共に塩素化合物の使用量を減らしてAOXを低減
させる。更に広葉樹パルプに特有の印刷において問題と
なるベッセルピックの発生を減少させる。かつベッセル
ピックの少なく、AOXの含有量の少ない印刷用紙また
は塗工用原紙を提供することである。 【解決手段】化学パルプの漂白において、酸性漂白白水
を用いて酸性高温処理を蒸解、洗浄後、酸素漂白前また
は後に実施し、洗浄脱水工程を経て、または経ないで、
更に多段漂白を行い、叩解、抄造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学パルプの酸性
漂白白水による処理方法及び印刷用紙または塗工用原紙
に関する。更に詳しくは化学パルプの漂白において、酸
性漂白白水を用いて酸性高温処理を蒸解、洗浄後、酸素
漂白前または後に実施し、洗浄脱水工程を経て、または
経ないで、更に多段漂白を行うことによって、漂白反応
を促進させると共に塩素化合物の使用量を減らしてAO
Xを低減させる方法に関する。更に広葉樹パルプに特有
の印刷において問題となるベッセルピックの発生を酸性
漂白白水による処理によって減少させる方法に関するも
ので、かつベッセルピックの少なく、AOXの含有量の
少ない印刷用紙または塗工用原紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パルプ漂白の目的は、パルプ繊維の内部
や表面に付着しているリグニンや着色物質を分解、変質
させたり可溶性にして取り除き、白色度を上昇させるこ
とである。
【0003】従来、化学パルプの漂白は、蒸解後に、塩
素、次亜塩素酸塩、過酸化水素及び二酸化水素等で段階
的に処理する方法が一般的に取られてきた。近年は、排
水負荷量の軽減及び漂白薬品費の削減を目的として酸素
漂白を加える方法が多く採用されている。
【0004】一方、最近は、ダイオキシンを含む、AO
Xの規制や安全性の点から、塩素系薬品を使用しない、
いわゆる非塩素漂白方法が開発され操業されるようにな
ってきた。非塩素漂白方法には、塩素及び二酸化塩素等
の塩素系薬品を全く使用しないTCF法、塩素のみを使
用しないECF法がある。
【0005】過酸化物及びオゾンによる非塩素漂白方法
は、既に公知の通りである。しかしながら、過酸化物又
はオゾン漂白では、パルプが前処理されていない限り、
過酸化物又はオゾンがパルプスラリー中に存在するM
n、Fe等の微量金属によって分解され、漂白効率が低
下するために漂白剤を多量に使用することとなり、コス
トアップにつながり、且つ分解によって生じたラジカル
等活性化学種によるパルプ粘度の低下の問題がある。
【0006】そこで、微量金属の対策として、特開平5
−148784号公報はリグノセルロース含有パルプを
pH1〜6の範囲で酸処理後、アルカリ土類金属含有化
合物をpH1〜7の範囲で処理するオゾン、過酸化物の
漂白方法が、また、特開平5−148785号公報では
リグノセルロース含有パルプをpH3.1〜9.0の範
囲内にて窒素ポリカルボン酸の錯化剤により処理するオ
ゾン、過酸化物の漂白方法等が提案されている。
【0007】しかし、これらの方法による前処理は微量
金属の除去には限界があり、効果的ではないだけでな
く、カッパー価低減効果はほとんど認められない。
【0008】一方、最近、酵素による脱リグニン方法が
研究されている。酵素としては、セルラーゼ、キシラナ
ーゼ、ペクチナーゼ、リパーゼ等が知られている。例え
ば、特公平2−264087号公報では、pH4〜8の
キシラナーゼを含む酵素による未晒パルプの処理方法。
又、特公平2−293486号公報では、pH3〜10
でヘミセルラーゼを含む酵素による未晒パルプの処理方
法等が提案されている。
【0009】更に、酵素によるパルプの改質方法が研究
されている。例えば、特公平2−20756号公報で
は、抄紙時にセルラーゼとセロビオースを1/0.05
〜0.5の比率で添加することで叩解が促進され電力が
低減する。又、特公昭63−135597号公報では、
FP活性が20mg/酵素g以上の酵素の添加によるベ
ッセルピックの防止等が提案されている。
【0010】しかし、これらの方法は、脱リグニン効
果、漂白性の改善とセルロースの改質等を同時に与える
ことができないだけでなく、パルプ収率が低下する。
【0011】上記のような過酸化物やオゾンの漂白にお
ける前処理として、酸処理や酸性の酵素処理等が多く報
告されているが、いずれも上記に示す様な問題点が存在
する。
【0012】そこで、過酢酸、カロ酸、混合過酸等の酸
性条件下での活性過酸化物による脱リグニン効果と漂白
性の改善についての研究が盛んに行われているがコスト
高や品質の低下、薬品の安全性等の問題から実際に使用
されていない状況にある。
【0013】更に、1996年11月の紙パルプ技術協
会主催の『オゾン漂白セミナー』においてアールストロ
ーム社がオゾンと二酸化塩素の前処理として硫酸でpH
3.5−4、110℃処理することでカッパー価が下が
り、オゾンと二酸化塩素の添加量を節減できると発表し
ている。しかし、酸処理による白色度の向上が認められ
ず、更にパルプ粘度とパルプ収率の低下が起こってい
る。更に硫酸の使用によるコスト高や高温のため密閉型
装置が必要である等の問題がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の従来技術の問題点(1)高価な硫酸の使用、(2)カ
ッパー価の低減効果が小さい、(3)漂白性の改善効果
が低い、(4)セルロースの改質によるベッセルピック
防止効果が低い、(5)パルプ収率の低下、(6)パル
プ粘度の低下、等を解決することであり、漂白反応を促
進させると共に塩素化合物の使用量を減らしてAOXを
低減させる方法である。更に広葉樹パルプに特有の印刷
において問題となるベッセルピックの発生を酸性漂白白
水による処理によって減少させる方法であり、かつベッ
セルピックの少なく、AOXの含有量の少ない印刷用紙
または塗工用原紙を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに
漂白工程から排出される酸性白水で漂白前のパルプ(蒸
解パルプ及び酸素漂白パルプ等)を処理することによ
り、上記問題点のほとんどを解消でき、漂白効果が高
く、かつ広葉樹パルプにおいてベッセルピックの少ない
パルプとAOXの低減ができることを見出し本発明の化
学パルプの酸性漂白白水による処理方法及び印刷用紙ま
たは塗工用原紙を完成するに至った。即ち、化学パルプ
の漂白において、酸性漂白白水を用いて酸性高温処理を
蒸解、洗浄後、酸素漂白前または後に実施し、洗浄脱水
工程を経て、または経ないで、更に多段漂白を行う方法
であり、また、その方法によって作られた漂白パルプを
原料として作られる印刷用紙または塗工用原紙である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に使用される化学パルプ
は、蒸解あるいは酸素漂白された広葉樹パルプまたは針
葉樹パルプである。尚、針葉樹パルプよりも南方系広葉
樹パルプの方が漂白性の改善効果が大きく、更に広葉樹
に特有であるベッセルピックに対しては、特に優れてた
効果が認められる。
【0017】本発明の酸性漂白白水による酸性高温処理
に使用される酸性漂白白水とは、塩素、二酸化塩素、塩
素と二酸化塩素、オゾン、有機過酸、無機過酸、混合過
酸類、耐酸性の酵素による処理から発生する1つ以上の
白水である。
【0018】処理温度は、50〜130℃、好ましくは
60〜110℃、より好ましくは70〜100℃であ
る。ここで、処理温度が50℃未満では処理効率が低
く、130℃を超える場合は期待したほどの効果が現れ
ないだけでなくパルプ粘度とパルプ収率の低下が起こ
る。
【0019】処理時間は、20〜240分、好ましくは
30〜180分、より好ましくは60〜120分であ
る。ここで、処理時間が20分未満では効果が小さく、
2400分より長い場合はそれ以上の効果が現れない。
【0020】処理pHが1〜5、好ましくはpH2〜4
である。ここで、処理pHが1未満では装置の腐食の問
題とパルプの粘度とパルプ収率が低下し、pH5より高
い場合、処理の効果が現れない。
【0021】パルプ濃度は1〜30重量%、好ましくは
3〜25重量%、より好ましくは5〜20重量%であ
る。ここで、パルプ濃度が1重量%未満では処理効率が
悪く、30重量%より濃い場合には撹拌混合が不十分と
なり好ましくない。
【0022】後段の多段漂白としては、以下の〜の
少なくとも一つ以上を組合せて漂白する。 塩素、二酸化塩素、次亜塩素酸塩の1つ以上の薬品を
用いて酸性水媒体中で漂白。 オゾンを用いて酸性水媒体中で漂白。 過酸化物又は過酸化物と酸素を用いてアルカリ性水媒
体中で漂白。 過酸化物を用いて酸性水媒体中で漂白。 還元剤を用いてアルカリ性水媒体中で漂白。 耐酸性の酵素による処理。
【0023】本発明には、酸性の漂白段からの洗浄脱離
液を前段の酸性漂白の希釈水や洗浄水として戻し最終的
に酸性高温処理を行った後、排出する方法、及び更にア
ルカリ性の漂白からの洗浄脱離液を前段の希釈水や洗浄
水として戻し最終的に黒液回収工程で処理する方法を組
合わせることができる。強酸性白水中には重金属(マン
ガン、鉄等)が含まれているため、回収工程内に蓄積す
る、更に塩素系漂白剤の白水による装置の腐食が考えら
れる。そこで、本システムではアルカリ性白水のみ黒液
回収工程に戻し、塩素を含む酸性白水のみ排出する方法
である。尚、塩素系漂白剤を使用しないTCFの場合、
例えばオゾン漂白について白水中の重金属の除去(例え
ばキレート処理等)を行うことで全量について黒液回収
に戻すことが可能である。
【0024】本発明の酸性漂白白水による酸性高温処理
によって製造された針葉樹または広葉樹の化学パルプを
原料として常法にて抄造されるPPC、感熱紙、インク
ジェット、バブルジェット、レーザービーム等の印刷用
紙または塗工用原紙である。更に、化学パルプがユーカ
リ類及び/またはフタバガキ科の1つ以上を含む南方系
広葉樹パルプを原料として酸性漂白白水による酸性高温
処理によって製造された化学パルプを原料として常法に
て抄造される印刷用紙または塗工用原紙である。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
尚、実施例において記載の部、%は全て重量部、重量%
によるものである。又、白色度は、JIS−P812
3、パルプ粘度は、TAPPI T−230 om−8
2、カッパー価は、TAPPI T−236 hm−8
5、濾水度は、JIS−P8121、不透明度は、JI
S−P8138、引張強度は、JIS−P8113、引
裂強度は、JIS−P8119、平滑度は、TAPPI
T−479、内部結合(以下IBと略す)は、インタ
ーナルボンドテスター(東西精機製作所社製)、ベッセ
ルピック(以下VPと略する)は、RI試験機(石川島
機械社製)にて30cm2(n=3)あたりのベッセル
数、COD、色度はJIS−K0102、AOXは全有
機ハロゲン分析装置TOX−10型(三菱化学社製)に
て測定した。
【0026】以下の実施例で用いて酸性漂白白水は、当
社実機プラントより発生した塩素(C)/二酸化塩素
(D)漂白白水(pH約2、COD1000ppm、色
度1200ppm)、D白水(pH約4、80ppm、
色度160ppm)、ラボのオゾン(Z)漂白より発生
した白水(pH約2、COD140ppm、色度130
ppm)の3種類を使用し、pH調整には硫酸を用い
た。
【0027】(処理pHの検討) 実施例1 広葉樹(ユーカリ系約75%配合)の酸素漂白後の洗浄
脱水したパルプ(酸素漂白パルプと略す、カッパー価
9.3、粘度22.9cp、白色度47.8%)に、C
/D白水を用いてpH1に調整し、パルプ濃度を10
%、90℃、90分間処理したところ、カッパー価が
3.7、白色度が52.3%、粘度が9.3mPasの
パルプを得た。
【0028】実施例2 実施例1の酸素漂白パルプに、C/D白水を用いてpH
2に調整し、パルプ濃度を10%、90℃、90分間処
理したところ、カッパー価が5.2、白色度が49.4
%、粘度が19.5mPasのパルプを得た。
【0029】実施例3 実施例1の酸素漂白パルプに、C/D白水を用いてpH
4に調整し、パルプ濃度を10%、90℃、90分間処
理したところ、カッパー価が6.9、白色度が48.3
%、粘度が22.9mPasのパルプを得た。
【0030】実施例4 実施例1の酸素漂白パルプに、C/D白水を用いてpH
5に調整し、パルプ濃度を10%、90℃、120分間
処理したところ、カッパー価が7.8、白色度が47.
8%、粘度が23.0mPasのパルプを得た。実施例
1〜4までの結果について表1に示す。pH1ではカッ
パー価の低下が大きく、白色度も増加するが極端にパル
プ粘度が低下している。またpH5ではパルプ粘度の低
下は見られないが、白色度が変わらず、若干カッパー価
の低下が低い傾向にある。尚、pHの傾向はD白水、Z
白水でも同様の傾向が認められ、更にC/D白水よりも
カッパー価の低下率が0.5〜1.0程度良好であっ
た。
【0031】
【表1】
【0032】(処理濃度の検討) 実施例5 実施例1の酸素漂白パルプに、C/D白水を用いてpH
2に調整し、パルプ濃度を5%、90℃、90分間処理
したところ、カッパー価が5.6、白色度が49.1
%、粘度が21.8mPasのパルプを得た。
【0033】実施例6 実施例1の酸素漂白パルプに、C/D白水を用いてpH
2に調整し、パルプ濃度を15%、90℃、90分間処
理したところ、カッパー価が5.0、白色度が49.6
%、粘度が19.4mPasのパルプを得た。
【0034】実施例7 実施例1の酸素漂白パルプに、C/D白水を用いてpH
2に調整し、パルプ濃度を25%、90℃、90分間処
理したところ、カッパー価が4.6、白色度が50.1
%、粘度が19.1mPasのパルプを得た。実施例5
〜6までの結果について表2に示す。処理濃度が低濃度
より高濃度の方がカッパー価の低下が大きく、白色度も
増加する傾向にある。処理濃度が10%と15%ではそ
れほどの差が見られないこと、設備等を考慮すると中濃
度でも十分である。
【0035】
【表2】
【0036】(処理温度の検討) 実施例8 実施例1の酸素漂白パルプに、C/D白水を用いてpH
2に調整し、パルプ濃度を10%、130℃、60分間
処理したところ、カッパー価が3.1、白色度が54.
9%、粘度が9.8mPasのパルプを得た。
【0037】実施例9 実施例1の酸素漂白パルプに、C/D白水を用いてpH
2に調整し、パルプ濃度を10%、110℃、90分間
処理したところ、カッパー価が3.3、白色度が52.
9%、粘度が12.8mPasのパルプを得た。
【0038】実施例10 実施例1の酸素漂白パルプに、C/D白水を用いてpH
2に調整し、パルプ濃度を10%、70℃、90分間処
理したところ、カッパー価が7.6、白色度が48.0
%、粘度が22.8mPasのパルプを得た。
【0039】実施例11 実施例1の酸素漂白パルプに、C/D白水を用いてpH
2に調整し、パルプ濃度を10%、50℃、120分間
処理したところ、カッパー価が7.9、白色度が47.
9%、粘度が22.9mPasのパルプを得た。実施例
8〜11の結果について表3に示す。50℃では時間を
長くすることでいくらか効果が見られる。しかし、13
0℃では時間を短くした場合でもパルプ粘度の低下が大
きかった。従って、物性、装置等を考慮すると圧力容器
を必要としない100℃以下が望ましい。
【0040】
【表3】
【0041】(処理時間の検討) 実施例12 実施例1の酸素漂白パルプに、C/D白水を用いてpH
2に調整し、パルプ濃度を10%、90℃、30分間処
理したところ、カッパー価が8.1、白色度が48.9
%、粘度が22.3mPasのパルプを得た。
【0042】実施例13 実施例1の酸素漂白パルプに、C/D白水を用いてpH
2に調整し、パルプ濃度を10%、90℃、180分間
処理したところ、カッパー価が4.6、白色度が50.
7%、粘度が18.3mPasのパルプを得た。実施例
12、13の結果を表4に示す。30分では短く、18
0分では期待したほどの効果が見られなかった。従っ
て、30〜180分の間でも十分である。
【0043】
【表4】
【0044】実施例14 実施例1の酸素漂白パルプに、D白水を用いてpH2に
調整し、パルプ濃度を10%、90℃、90分間処理し
たところ、カッパー価が4.6、白色度が50.8%、
粘度が19.2mPasのパルプを得た。
【0045】実施例15 実施例1の酸素漂白パルプに、Z白水を用いてpH2に
調整し、パルプ濃度を10%、90℃、90分間処理し
たところ、カッパー価が4.5、白色度が50.9%、
粘度が19.1mPasのパルプを得た。
【0046】実施例16 実施例1の酸素漂白パルプに、Pa(Paは混合過酸処
理を表す)白水を用いて、pH2、パルプ濃度10%、
90℃の条件で90分間処理し、カッパー価が4.9、
白色度50.1%、粘度が18.6mPasのパルプを
得た。Z白水ほどではないが、C/D白水に匹敵する効
果が認められる。
【0047】比較例1 過酸化物の漂白前処理として行われる酸処理条件にて、
実施例1の酸素漂白パルプに硫酸(3.5%)にてpH
2に調整し、パルプ濃度を5%、60℃、60分間処理
したところ、カッパー価が8.1、白色度が48.3
%、粘度が21.1mPasのパルプを得た。
【0048】比較例2 次に、オゾンの低減として前処理条件にて、比較例1と
同様に硫酸(2.0%)にてpH4に調整し、パルプ濃
度を10%、110℃、180分間処理したところ、カ
ッパー価が4.7、白色度が50.7%、粘度が13.
8mPasのパルプを得た。実施例14、15及び16
と比較例1、2の結果を表5に示す。C/D白水よりD
白水、Z白水の方が効果があることが判った。更に硫酸
を使用した場合、pH2の低温ではほとんど効果が認め
られない。また高温pH4では白水と同等の効果が見ら
れるがパルプ粘度の低下が大きい。
【0049】
【表5】
【0050】実施例17 針葉樹(国産材50%とラジアータパイン50%配合)
の酸素漂白パルプ(カッパー価14.3、粘度16.1
cp、白色度30.2%)に、D白水を用いてpH2に
調整し、パルプ濃度を10%、90℃、180分間処理
したところ、カッパー価が11.8、白色度が32.3
%、粘度が15.9mPasのパルプを得た。この結果
により、針葉樹パルプに関しては非常に効果が薄いこと
が判った。
【0051】実施例18 広葉樹(ユーカリ系約75%配合)の蒸解パルプ(カッ
パー価17.4、粘度36.9cp)にC/D白水を用
いてpH2に調整し、パルプ濃度を10%、90℃、9
0分間処理した後に、洗浄脱水せずに酸素漂白としてN
aOH(E)0.8%(対絶乾パルプ)と約490kP
aのO2(酸素)を添加、110℃、60分間反応した
ところカッパー価7.8、粘度25.6mPas、白色
度51.6%のパルプを得た。
【0052】実施例19 実施例18の蒸解パルプにC/D白水を用いてpH2に
調整し、パルプ濃度を10%、90℃、90分間処理
し、洗浄脱水したところカッパー価が12.9、粘度が
35.3cpの化学パルプを得た。更に、酸素漂白とし
てE0.6%と約490kPaのO2を添加、110
℃、60分間反応したところカッパー価7.3、粘度2
5.9mPas、白色度52.3%のパルプを得た。
【0053】実施例20 実施例18の蒸解パルプに、酸素漂白としてパルプ濃度
12%、E0.8%と約490kPaのO2を添加、1
10℃、60分間反応した。洗浄脱水せずにC/D白水
を用いてpH2に調整し、パルプ濃度を10%、90
℃、90分間処理したところカッパー価7.5、粘度2
5.7mPas、白色度51.9%のパルプを得た。
【0054】実施例21 実施例18の蒸解パルプに、酸素漂白としてパルプ濃度
12%、E0.4%と約490kPaのO2を添加、1
10℃、60分間反応した。次にC/D白水を用いてp
H2に調整し、パルプ濃度を10%、90℃、90分間
処理した後に洗浄脱水せずに、酸素漂白としてパルプ濃
度12%、E0.5%と約490kPaのO2を添加、
110℃、60分間反応したところカッパー価7.3、
粘度25.8mPas、白色度52.0%のパルプを得
た。
【0055】実施例22 実施例18の蒸解パルプに、酸素漂白としてパルプ濃度
12%、E0.4%と約490kPaのO2を添加、1
10℃、60分間反応した。次にC/D白水を用いてp
H2に調整し、パルプ濃度を10%、90℃、90分間
処理した後に、洗浄脱水したところカッパー価が12.
6、粘度が35.9mPsの化学パルプを得た。、酸素
漂白としてパルプ濃度12%、E0.3%と約490k
PaのO2を添加、110℃、60分間反応したところ
カッパー価7.0、粘度26.0mPas、白色度5
2.6%のパルプを得た。
【0056】比較例3 実施例18の蒸解パルプを酸素漂白としてE1.0%と
約490kPaのO2を添加、110℃、60分間反応
したところカッパー価9.0、粘度23.9mPas、
白色度48.9%のパルプを得た。更に、実施例2、実
施例18〜22と比較例1のパルプを、C/D−E−H
(次亜塩素酸ソーダ)−Dにて以下の条件で漂白を行っ
た。実施例2の漂白条件は、Cの添加率は0.6%、D
の添加率は0.06%、50℃、30分間、パルプ濃度
は3.5%にて漂白した。次いでEの添加率は0.6
%、60℃、90分間、パルプ濃度は12%にて漂白し
た。Hの添加率は0.3%、65℃、2時間、パルプ濃
度は12%にて漂白した。Dの添加率は0.2%、70
℃、2.5時間、パルプ濃度は12%に漂白した。実施
例18〜22の条件は、全て同じとしてCの添加率は
1.0%、Dの添加率は0.1%、50℃、30分間、
パルプ濃度は3.5%、次いでEの添加率は0.6%、
60℃、90分間、パルプ濃度は12%にて漂白した。
Hの添加率は0.3%、65℃、2時間、パルプ濃度は
12%にて漂白した。Dの添加率は0.2%、70℃、
2.5時間、パルプ濃度は12%に漂白した。更に、比
較例3は酸性処理せずにC/D−E−H−Dにて同様に
以下の条件で漂白した。Cの添加率1.4%、Dの添加
率0.14%で50℃、30分間、パルプ濃度3.5%
にて漂白した。Eの添加率0.8%で、60℃、90分
間、パルプ濃度12%にて漂白した。Hの添加率0.4
%で、65℃、2時間、パルプ濃度は12%にて漂白し
た。Dの添加率で0.3%、70℃、2.5時間、パル
プ濃度は12%に漂白した。実施例18〜22と比較例
3の結果を表6、7に示す。蒸解と酸素漂白の間に導入
した時、または酸素漂白の後に導入することでカッパー
価の低下効果と白色度が向上、パルプ粘度の改善される
ことが判った。更に洗浄脱水を加えることでなお一層改
善されることが判った。また、本発明の処理を導入する
ことで蒸解も改善でき、収率の向上も期待できる。
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】実施例23 実施例2で処理、漂白したパルプを、PFIミルにて叩
解(4000rev)し、手抄き(坪量60g/c
2)を行った、物性、排水等について評価した。
【0060】実施例24 実施例14で処理されたパルプを、D1−P(過酸化水
素)−D2にて漂白、更にPFIミルにて叩解(400
0rev)し、手抄き(坪量60g/cm2)を行い、
物性、排水等について評価した。尚、D1段は、添加率
0.6%で、70℃、1.5時間漂白した。P段は、P
の添加率0.5%、Eの添加率0.3%で、65℃、2
時間漂白した。D2は、添加率0.3%で、75℃、
2.5時間漂白した。各漂白におけるパルプ濃度は全て
12%にて行った。
【0061】実施例25 実施例15で処理されたパルプを、Z−P−Dにて漂
白、更にPFIミルにて叩解(4000rev)し、手
抄き(坪量60g/cm2)を行い、物性、排水等につ
いて評価した。尚、Z段は、添加率0.6%で、pH
2、室温、15分間漂白した。P段は、Pの添加率0.
5%、Eの添加率0.3%で、65℃、2時間漂白し
た。D段は、添加率0.4%、75℃、2.5時間漂白
した。各漂白におけるパルプ濃度は全て12%にて行っ
た。
【0062】比較例4 比較例3で得られたパルプを実施例23と同様にPFI
ミルにて叩解(4000rev)し、手抄き(坪量60
g/cm2)を行い、物性、排水等について評価した。
【0063】比較例5 比較例1で得られたパルプをC/D−E−H−Dにて以
下の条件で漂白、更にPFIミルにて叩解(4000r
ev)し、手抄き(坪量60g/cm2)を行い、物
性、排水等について評価した。Cの添加率1.2%、D
の添加率0.12%で50℃、30分間、パルプ濃度
3.5%にて漂白した。Eの添加率0.8%で、60
℃、90分間、パルプ濃度12%にて漂白した。Hの添
加率0.4%で、65℃、2時間、パルプ濃度は12%
にて漂白した。Dの添加率で0.3%、70℃、2.5
時間、パルプ濃度は12%にて漂白した。
【0064】比較例6 比較例3と同様に酸性処理を行わず、D1−P−D2にて
漂白、更にPFIミルにて叩解(4000rev)し、
手抄き(坪量60g/cm2)を行い、物性、排水等に
ついて評価した。尚、D1段は、添加率0.8%で、7
0℃、1.5時間漂白した。P段は、Pの添加率0.7
%、Eの添加率0.4%で、65℃、2時間漂白した。
D2段は、添加率0.4%で、75℃、2.5時間漂白
した。各漂白におけるパルプ濃度は全て12%にて行っ
た。
【0065】比較例7 比較例3と同様に酸性処理を行わず、Z−P−Dにて漂
白、更にPFIミルにて叩解(4000rev)し、手
抄き(坪量60g/cm2)を行い、物性、排水等につ
いて評価した。尚、Z段は、添加率0.8%で、pH
2、室温、15分間漂白した。P段は、Pの添加率0.
6%、Eの添加率0.3%で、65℃、2時間漂白し
た。D段は、添加率0.4%で、75℃、2.5時間漂
白した。各漂白におけるパルプ濃度は全て12%にて行
った。実施例23〜25と比較例4〜6の結果を表8、
9に示す。白色度が上昇し収率、粘度の低下がなく、排
水負荷が半減している。更にカッパー価の低下により漂
白剤の添加量が約4割程度削減できることも判った。パ
ルプ物性は、強度、平滑性、更にベッセルピックがかな
り改善され、叩解性も良くなっていることが判った。
【0066】
【表8】
【0067】
【表9】
【0068】実施例26 実施例23で得られた化学パルプ(濾水度400ml)
に硫酸バンド0.7%カチオン澱粉0.6%、サイズ剤
0.02%、軽質カルシウム8%、歩留向上剤0.03
%を添加して坪量100g/m2のシートを手抄きし
た。
【0069】比較例7 比較例3で得られた化学パルプ(濾水度400ml)を
実施例25と同様に硫酸バンド0.7%カチオン澱粉
0.6%、サイズ剤0.02%、軽質カルシウム8%、
歩留向上剤0.03%を添加して坪量100g/m2
シートを手抄きした。実施例26と比較例5を比べると
実施例のパルプ強度が強く、ベッセルピックが少ない等
ため印刷用紙として評価したところ、ダイヤ印刷におけ
る印刷適性、ブリスター等が比較例よりも数段良好であ
った。
【0070】実施例27 実施例18の蒸解パルプに実施例24において発生した
各段の漂白白水を酸素漂白にP白水、酸性処理にD1白
水、D1にD2白水、PとD2に新水を用いて、酸素漂白
の条件としては、パルプ濃度12%、E0.6%と約4
90kPaのO2を添加、110℃、60分間反応した
後、実施例24と同様の条件(A−D1−P−D2)で漂
白したところ、白色度87.6%、粘度18.9mPa
sと実施例23よりも白色度が高く、高粘度の化学パル
プを得た。P白水の使用により酸素漂白後のカッパー価
が低下し白色度も上がるため、後段の漂白性が良くなる
結果となった。更にP白水がアルカリ源となるためアル
カリの節減ができるが、若干排水の負荷が上がる傾向に
あった。
【0071】
【発明の効果】実施例に示したように本発明の化学パル
プの漂白において、酸性漂白白水を用いて酸性高温処理
を蒸解、洗浄後、酸素漂白前または後に実施し、洗浄脱
水工程を経て、または経ないで、更に多段漂白を行うこ
とによって、漂白反応を促進させると共に塩素化合物の
使用量を減らしてAOXを低減させることができる。更
に広葉樹パルプに特有の印刷において問題となるベッセ
ルピックの発生を酸性漂白白水による処理によって減少
させることができる。かつベッセルピックの少なく、A
OXの含有量の少ない印刷用紙または塗工用原紙を与え
ることが可能となる。従来の低温酸処理に比べ、漂白性
の改善とセルロースの改質を同時に与えることができ、
その結果、易叩解、高白色度、高収率の化学パルプが得
られる。かつ叩解時に繊維がフィブリル化され易くな
り、ベッセルピックや紙ムケの防止が可能である。ま
た、硫酸による高温酸処理に比べ、漂白薬品の添加量が
少なく済むだけでなく、漂白白水のAOX、COD、色
度の低減が図られ、排出量の削減と白水の有効利用が可
能であり、、パルプ粘度の保護も可能である。更に、酸
性の酵素処理に比べると、パルプ収率低下が少なく後段
の漂白促進効果が大きい。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学パルプの漂白において、蒸解、洗浄
    後に酸性漂白白水を用いて酸性高温処理の後、酸素漂
    白、更に多段漂白を行うことを特徴とする化学パルプの
    酸性漂白白水による処理方法。
  2. 【請求項2】 化学パルプの漂白において、蒸解、洗
    浄、更に酸素漂白後に酸性漂白白水を用いて酸性高温処
    理の後、多段漂白を行うことを特徴とする化学パルプの
    酸性漂白白水による処理方法。
  3. 【請求項3】 化学パルプの漂白において、蒸解、洗
    浄、更に酸素漂白後に酸性漂白白水を用いて酸性高温処
    理の後、更に酸素漂白、次いで多段漂白を行うことを特
    徴とする化学パルプの酸性漂白白水による処理方法。
  4. 【請求項4】 化学パルプの漂白において、蒸解、洗浄
    後に酸性漂白白水で酸性高温処理の後、洗浄脱水、酸素
    漂白、更に多段漂白を行うことを特徴とする化学パルプ
    の酸性漂白白水による処理方法。
  5. 【請求項5】 化学パルプの漂白において、蒸解、洗
    浄、更に酸素漂白後に酸性漂白白水を用いて酸性高温処
    理の後、洗浄脱水、多段漂白を行うことを特徴とする化
    学パルプの酸性漂白白水による処理方法。
  6. 【請求項6】 化学パルプの漂白において、蒸解、洗
    浄、更に酸素漂白後に酸性漂白白水を用いて酸性高温処
    理の後、洗浄脱水、更に酸素漂白、次いで多段漂白を行
    うことを特徴とする化学パルプの酸性漂白白水による処
    理方法。
  7. 【請求項7】 該酸性漂白白水による酸性高温処理と
    は、酸性漂白白水が塩素、二酸化塩素、塩素と二酸化塩
    素、オゾン、有機過酸、無機過酸、混合過酸類、耐酸性
    の酵素による処理から発生する1つ以上の白水であり、
    処理pHが1〜5、処理温度が50〜130℃、処理時
    間が20〜240分間、処理パルプ濃度が1〜30%で
    あることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または
    6記載の化学パルプの酸性漂白白水による処理方法。
  8. 【請求項8】 後段の該多段漂白としては、以下の〜
    の少なくとも一つ以上を組合せて漂白することを特徴
    とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の化
    学パルプの酸性漂白白水による処理方法。 塩素、二酸化塩素、次亜塩素酸塩の1つ以上の薬品を
    用いて酸性水媒体中で漂白。 オゾンを用いて酸性水媒体中で漂白。 過酸化物又は過酸化物と酸素を用いてアルカリ性水媒
    体中で漂白。 過酸化物を用いて酸性水媒体中で漂白。 還元剤を用いてアルカリ性水媒体中で漂白。 耐酸性の酵素による処理。
  9. 【請求項9】 酸性の漂白段からの洗浄脱離液を前段の
    酸性漂白の希釈水や洗浄水として戻し最終的に酸性高温
    処理を行った後、排出することを特徴とする方法、及び
    または更にアルカリ性の漂白からの洗浄脱離液を前段の
    希釈水や洗浄水として戻し最終的に黒液回収工程で処理
    する方法を組合わせることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5、6、7または8記載の化学パルプの酸性漂
    白白水による処理方法。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8または9記載の酸性漂白白水による酸性高温処理によ
    って製造されたパルプを原料として常法にて抄造される
    印刷用紙または塗工用原紙。
  11. 【請求項11】 該化学パルプがユーカリ類及び/また
    はフタバガキ科の1つ以上を含む南方系広葉樹を原料す
    る請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載
    の化学パルプの酸性漂白白水による処理方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の酸性漂白白水による
    酸性高温処理によって製造されたパルプを原料として常
    法にて抄造される印刷用紙または塗工用原紙。
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CN109235125A (zh) * 2017-07-11 2019-01-18 金红叶纸业集团有限公司 生活用纸及其制备方法

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