JP2877883B2 - 感温素子のリード線接続構造 - Google Patents

感温素子のリード線接続構造

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、感温素子にリード線を接続する構造に関す
る。
(従来の技術) 感温素子は、第4図に示すように、セラミック素子本
体1の両面に電極2を一体に設け、その電極2にリード
線3を当て、該リード線3を電極2に固着し、リード線
3の引出し部を残して素子全体を保護用絶縁ガラス層4
により覆って構成される。
この感温素子において、リード線3の電極2への接続
は、第5図に示すように、パラレルギャップ溶接により
行なうことが提案されている(特開昭54−43560号、特
開昭62−81001号)。すなわち、2本の電極棒5をリー
ド線3上に押し当て、この間に電圧を印加してリード線
3ないしは電極2の一部に通電することにより、電極棒
5間のリード線3を電極2に接する底部まで溶融させ
(溶融部を3aで示している)、溶接する。
(発明が解決すべき課題) このように、従来は、溶接の名の通り、リード線3の
一部を底部まで、すなわち断面形状の全体を溶融させて
溶接している。しかしこの溶接時の熱が素子本体1に伝
達されるため、抵抗−温度特性の劣化が生じるという問
題点がある。また、特開昭62−81001号に記載のよう
に、リード線に貴金属を用いれば、コスト高を招くとい
う問題点がある。
本発明は、このような問題点を解決すること、すなわ
ち、リード線の溶接時の溶融熱による素子本体の特性劣
化を生じるおそれがなく、廉価に実現できる感温素子の
リード線接続構造を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するため、本発明は、素子本体両面
に、Ni−B合金からなる電極を、2μm〜10μmの厚み
に、かつその表面粗さを0.5μmRmax〜3μmRmaxに形成
し、鉄、ニッケル、コバルト系合金からなるリード線を
素子本体両面の電極にパラレルギャップ溶接により溶接
し、該溶接によるリード線の表面からの溶け込み深さ
を、リード線の直径あるいは厚さの1/5〜4/5としたこと
を特徴とする。
すなわち本発明は、パラレルギャップ溶接において
は、リード線は電極に圧接した状態で溶接されることか
ら、リード線の一部の断面全体を溶融させなくとも、電
極面との接触部分を軟化させた状態とすれば、接続が可
能であることを確認し、上記構造を実現したものであ
る。
(作用) 本発明は上述の構造を有するので、リード線の溶融熱
は従来より大幅に少なくなり、素子本体への熱的影響が
減少する。
(実施例) 第1図は本発明によるリード線の接続構造の一実施例
を溶接状態で示す側面図、第2図はその一部断面図であ
る。本実施例において、素子本体1はアルミナ−炭化ホ
ウ素系セラミックからなり、この素子本体1は、常温な
いし約500℃の範囲において、温度Tの逆数(1/T)が抵
抗Rの対数1nRに比例する負の抵抗−温度特性を有する
ものである。この素子本体1に対し電極2は無電解メッ
キにより形成されたニッケル−ホウ素(Ni−B)合金か
らなる。リード線3は、例えばコバール線のような鉄、
ニッケル、コバルト系合金からなる。これらの素子本体
1、電極2、リード線3、さらにこれらの周囲を覆うガ
ラス層(図示せず)も、熱膨張率が近似した材質のもの
が選択される。また、溶接棒5として、Ni−WまたはNi
−Crが用いられる。
しかして本発明においては、リード線3の溶接部3a
は、リード線3の一部の断面全体を溶融させるのではな
く、表面側から途中の深さまで溶融させることによって
溶接する。この溶け込み深さは、第2図に示すように、
リード線3の表面(電極2の反対側の面)より1/5〜4/5
(=A/D)程度が好適である。この溶け込み深さが1/5未
満であると、溶接強度が十分でなく、4/5を超えると、
素子本体1への熱的影響が生じて来る。このリード線3
は、丸線のみでなく、角線も用いられる。
このような溶け込み深さAを得るための電極棒5の形
状は、第1図に示すギャップGが0.2mm〜0.4mmであるこ
とが好ましい。ギャップGが0.2mm以上なければ必要な
溶け込み深さが得がたく、また、0.4mmを超えると、溶
接部3aの溶け込み部が第2図に示すように湾曲面状に形
成されることから、電極2との接触部まで溶融状態にな
りやすい。また、電極棒5の先端部の厚さW1は、0mm〜
0.2mm、本体部の厚さW2は、熱放散の必要から6.5mm以上
であることが好ましい。また、加圧力は電極棒5の1本
当たり100g〜500gであることが接触抵抗を安定させ、か
つ素子を損傷させないという理由で好ましい。
第3図は、リード線3の直径が0.25mmである場合にお
いて、電極棒5間に印加する電極パルスの一例を示すも
ので、まずプレヒートパルスP1(波高値0.5V、パルス長
0.2msec)を加え、0.1msec後に本溶接パルスP2(1.0V−
1.25Vパルス長10msec+1.25Vパルス長10msec)を加え、
30A〜50Aの電流が流れるようにする。本溶接パルスの電
圧を高くして電流値が50Aを超えるようにすると、リー
ド線3が直径Bの全範囲にわたって溶け込むようにな
る。
このような溶接部3aの溶け込み深さを前記範囲で安定
して得るには、リード線3の直径Dあるいは厚さは0.3m
m以下であることが好ましい。溶け込み深さが0.3mmを超
えると、必要溶け込み深さを得るには電流が大きくなっ
てリード線3と電極棒5との接触抵抗が電流の流れに影
響を与えて安定した溶け込み深さを得ることができな
い。また、リード線3として必要な剛性を持たせるに
は、0.1mm以上の直径あるいは厚みが必要である。
また、電極2をNi−B合金により形成し、その表面粗
さを無電解メッキにより、0.5μmRmax〜3μmRmaxとす
ることが、必要な溶接強度を得る上で好ましい。
また、前記電極2の厚さは、必要な導電性と強度を得
る上で2μm〜10μmの範囲であることが好ましい。
なを実際の試作の結果を説明すると、素子本体1、電
極2およびリード線3の材質を前記実施例ものとし、電
極2の厚さを3.5μm、その表面粗さを1μmRmax、リー
ド線3の直径を0.25mm、ギャップGを0.3m、電極棒5の
加圧力を250gとした条件のもとで、本溶接パルスの電流
値を50A以上としてリード線3の一部を全直径にわたっ
て溶け込ませた場合には不良率が15%であったが、本溶
接パルスP2の電流値を30A〜50Aとして溶け込み深さ(A/
D)を1/5〜4/5の範囲におさめた場合には、不良率が3
%となり、歩留りが向上した。
本発明は、上記以外の材質の負、正の抵抗−温度特性
を有する感温素子にも適用できる。
(発明の効果) 本発明によれば、素子本体両面に、Ni−B合金からな
る電極を、2μm〜10μmの厚みに、かつその表面粗さ
を0.5μmRmax〜3μmRmaxに形成し、鉄、ニッケル、コ
バルト系合金からなるリード線を前記素子本体両面の電
極にパラレルギャップ溶接により溶接し、該溶接による
リード線の表面からの溶け込み深さを、リード線の直径
あるいは厚さの1/5〜4/5としたので、素子本体に与える
熱的影響が緩和され、性能劣化が防止され、歩留りが向
上する。また、本発明は、リード線として、コバール線
のような鉄、ニッケル、コバルト系合金を用いるので、
廉価にリード線の接続構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による感温素子のリード線の接続構造の
一実施例を示す側面図、第2図はその要部を示す断面
図、第3図は本発明の構造を得るための印加電圧パルス
の一例を示すタイムチャート、第4図は従来の感温素子
を示す斜視図、第5図はその一部断面図である。 1:素子本体、2:電極、3:リード線、3a:溶接部、4:ガラ
ス層、5:電極棒

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】素子本体両面に、Ni−B合金からなる電極
    を、2μm〜10μmの厚みに、かつその表面粗さを0.5
    μmRmax〜3μmRmaxに形成し、 鉄、ニッケル、コバルト系合金からなるリード線を前記
    素子本体両面の電極にパラレルギャップ溶接により溶接
    し、 該溶接によるリード線の表面からの溶け込み深さを、リ
    ード線の直径あるいは厚さの1/5〜4/5とした ことを特徴とする感温素子のリード線接続構造。
  2. 【請求項2】前記溶接におけるパラレルギャップ長を0.
    2mm〜0.4mmとしたことを特徴とする請求項1記載の感温
    素子のリード線接続構造。
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