JP2899090B2 - 超音波モータ用合成樹脂製ロータ - Google Patents

超音波モータ用合成樹脂製ロータ

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JP2899090B2 JP2234863A JP23486390A JP2899090B2 JP 2899090 B2 JP2899090 B2 JP 2899090B2 JP 2234863 A JP2234863 A JP 2234863A JP 23486390 A JP23486390 A JP 23486390A JP 2899090 B2 JP2899090 B2 JP 2899090B2
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洋三郎 辻川
信治 相良
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Fukoku Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、圧電体の振動を利用した超音波モータに関
し、特にロータを望ましい曲げ弾性率を有する合成樹脂
製にしたものである。
[従来の技術] 超音波モータは、圧電体によりステータに進行波を生
じさせ、ステータに圧接したロータに進行波を作用させ
て、ロータを回転させるようになっている。一般にロー
タはアルミ製であり、ロータに進行波が有効に作用する
ように、ロータがステータと接する面にスライダーを接
着し、両者間に適切な摩擦が生じるようにしている。
[発明が解決しようとする課題] ロータはステータの進行波により回転されるものであ
り、本発明者らの研究の結果、ロータの回転特性は、ロ
ータを形成する材料の弾性率に大きな関係があり、アル
ミニウムのような縦弾性率72万kgf/cm2に匹敵する樹脂
組成物は、未だ見出されておらず、ロータを合成樹脂に
より作成することは困難であることがわかっていた。
更に、アルミ製ロータに接着するスライダーとして
は、従来、芳香族ポリエステル樹脂であるエコノールE1
01を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に充填した
樹脂組成物(射出成形できない)を、0.2〜0.5mm厚のシ
ート状に加工したものから、図面に記載したスライダー
形状に打抜いたものを、アルミ製ロータにエポキシ樹脂
等の接着剤で、接着することにより、ステータと、アル
ミ製ロータの間に適切な摩擦力を生じさせると共に、耐
摩耗製を持たせる必要があった。
本発明は、かようにスライダーとしては、ステータと
の適切な摩擦抵抗を有しながら、耐摩耗性に優れるとい
う二律背反的現象を有し、かつ又、アルミ製ロータの如
く非常に高弾性率の合成樹脂組成物が実現可能か、また
最低どの程度の弾性率が必要かという、とても常識では
考えられない極めて難しい課題を抱えていた。
本発明は、これらの問題を一挙に解決する樹脂組成物
を見出すとともに、アルミ製ロータ部分と、スライダー
部分を同一材料で一体成形することにより、望ましい特
性の合成樹脂製ロータを確実に得られるようにし、しか
も摩擦音が少なく、軽量の超音波モータを作成できるよ
うにすることを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記課題を解決するために、熱可塑性樹脂
40〜60重量部、チタン酸カリウムウィスカー15〜30重
量部、炭素繊維15〜35重量部、ポリテトラフルオロ
エチレン粉末5〜15重量部からなる樹脂組成物より形成
されている超音波用ロータであり、その曲げ弾性率が13
万kgf/cm2以上、望ましくは、23万kgf/cm2以上に成形す
ることにより、従来のアルミ製ロータ部分と、PTFE/エ
コノール製スライダー部分を一体化できる。しかも、合
成樹脂製ロータを組込んだ超音波モータの回転性能は非
常に良好で、従来品の如く、スライダーとロータの接着
の必要性がないため、出力性能が安定するとともに信頼
性も上がり、ロータ自体を樹脂化することにより、摩擦
音も少なく、軽量化も可能となった。また、金型の仕上
げさえ、希望の形状にすれば、射出成形のみで殆ど仕上
げ加工が不要なため、生産効率が極めて高くなり、今後
の超音波モータの普及に大きく寄与するものと思われ
る。
本発明に、使用可能な熱可塑性樹脂としては、特に限
定はないが、摺動発熱、耐久性の面からエンジニアリン
グプラスチックス特に、ポリフェニレンサルファイド、
ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、液晶ポリ
マー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケト
ン、ポリアミドイミド、ポリイミド等の耐熱性エンプラ
が好適であり、なかでもポリフェニレンサルファイドが
現状のところもっとも実用的である。
また、その使用量を40〜60重量部に限定した理由は、
40重量部未満であると、射出成形性が悪くなり、60重量
部を越えると曲げ弾性率13万kgf/cm2以上の実現が困難
となる。
チタン酸カリウムウィスカーとしては、市販の平均繊
維径0.1〜2μm、平均繊維長5〜100μmのものがその
まま使用でき、補強効果の面からアスペクト比(平均繊
維長/平均繊維径)が10以上のものが好ましい。チタン
酸カリウムウィスカーは、ウィスカー(単結晶繊維)で
あることによる強度、曲げ弾性率の向上効果の他に、モ
ース硬度が4と、相手材料(ステータとしてリン青銅と
いう比較的軟質金属を使用)を傷つけない特徴と、ステ
ータで発生する進行波に追随するための摩擦力を発生さ
せるのに効果がある。また、ミクロ強化繊維(典型的な
ものは、平均繊維径0.3μm、平均繊維長15μm)のた
めに、成形品の表面を非常に平滑に(金型の転写性を良
く)する働きもある。
その配合量を15〜30重量部に限定した理由は、15重量
部未満では、曲げ弾性率の向上、摩擦力の保持、成形品
の表面平滑性の維持(炭素繊維の併用による表面荒れの
防止)効果が少なくなる一方、30重量部を越えると、曲
げ弾性率の向上及び耐摩耗性の向上効果の大きい炭素繊
維及び、摩擦粉発生防止効果も大きいPTFEの添加量を、
射出成形時の流動性を維持したまま必要量配合すること
が困難となるためである。
炭素繊維としては、曲げ弾性率の向上効果の大きい引
張弾性率350万kgf/cm2以上の高弾性炭素繊維が望ましい
が、引張弾性率240万kgf/cm2以上の高強度炭素繊維でも
充分に使用可能である。
従来は、PAN系が性能的に良かったが、最近ではピッ
チ系でも充分使用可能である。市販品は通常繊維径が10
μm前後であり、繊維長としては補強効果と加工性(ペ
レット製造時の押出成形及びロータ製造時の射出成形)
から、0.5〜6mm特に6mmのものが一般的であり性能的に
も優れている。
配合量としては15〜35重量部が適当であり、15重量部
未満では、樹脂組成物の曲げ弾性率を15万kgf/cm2以上
にもたらすことが困難であり、一方、35重量部以上にす
ると、加工性、殊にペレット製造時の押出成形性が悪く
又射出成形した時のロータの摺動面の平滑性が損なわれ
望ましくない。
ポリテトラフルオロエチレン粉末としては、平均粒子
径50μm以下望ましくは、平均粒子径10μm以下の微粉
末が望ましい。
ポリテトラフルオロエチレンは、相手材(リン青銅)
との摺動性(潤滑性)を良くすることにより、樹脂組成
物の耐摩耗性(摩耗粉の発生を低減することにより)を
改良する働きがあり、配合量としては、5〜15重量部が
適当で、5重量部未満では、効果が少なく、15重量部を
超えると樹脂組成物の曲げ弾性率のみならず、強度的
(殊に衝撃強度)に問題が生じかつ又、PTFE自体かなり
高価なため、不経済であることが判明した。
本発明の樹脂組成物を製造するには、熱可塑性樹脂、
チタン酸カリウムウィスカー、炭素繊維、ポリテトラフ
ルオロエチレン粉末を、所定量ずつ計量し、タンブラー
ミキサー等のブレンダーで均一に混合後、押出機等の溶
融混練機で混練後、ペレット化する方法が一般的であ
る。
また、本発明の合成樹脂製ロータは、使用する熱可塑
性樹脂に応じて、射出成形機のシリンダー温度、金型温
度、射出圧力、射出時間を設定することにより、非常に
効率良く生産が可能である。
尚、本発明の樹脂組成物には、その基本物性、成形加
工を阻害しない範囲で、チタン酸カリウムウィスカーま
たは炭素繊維の一部を、タルク、マイカ、黒鉛等の無機
充填剤で置き換えることも可能であり、場合によっては
カーボンブラック等の着色剤や使用する熱可塑性樹脂に
適した熱安定剤等を配合することももちろん可能であ
る。
[本発明の作用効果] 本発明によると、従来アルミ製のロータと、合成樹脂
(柔らかく耐摩耗性のある)製のスライダーを別々に製
造し、接着することにより組立てていたものを、単一の
合成樹脂組成物で、しかも射出成形という非常に生産性
のよい方法で製造可能となったため、ロータとしての信
頼性と、摩擦音が少なく、軽量化が可能となり、また生
産効率が良くなったための経済的効果も極めて大きい。
[実施例] 以下に実施例を掲げ、本発明をより一層明らかにす
る。
実施例1〜5及び比較例1〜4 フォートロンW205(PPS;ポリプラスチック(株))、
TISMO D102(チタン製カリウム繊維;大塚化学
(株))、ベスファイトHTA−C6−NR(炭素繊維;東邦
レーヨン(株))、フルオンL150J(ポリテトラフルオ
ロエチレン;旭硝子(株))を第1表に示す配合に従っ
て秤量後、ブレンダーで混合し、45mm押出機を用いて、
シリンダー温度300℃で混練押出しつつカッターにてペ
レット化した。得られたペレットをシリンダー温度300
℃、金型温度130℃、射出圧力1200kgf/cm2、保圧600kgf
/cm2にてロータを射出成形した。
尚、同材料の基本物性を調べるため、物性測定用金型
で上記と同一条件で下記試験片を成形し、諸物性を測定
した。結果を第1表に示す。
比重:ASTM D792アイゾット衝撃片にて測定 曲げ弾性率:ASTM D790 摺動特性:鈴木式摩擦摩耗試験機(東洋ボールドウィン
社製) 相手剤:リン青銅(JIS C 5341)、面圧力10kgf/cm2
周速度30cm/sec、走行距離10km 第1表に示した各組成の樹脂組成物を、射出成形する
ことにより作製したロータを、図面に示すロータ3及び
スライダー3aが一体型の超音波モータに組込み、実機試
験を行いモータ特性を評価した。なお、超音波モータ
は、ステータ1に圧電体2が接着され、圧電体2に駆動
信号が印加されるとステータに進行波を生じさせるよう
になっている。またロータ3はバネ材4によりステータ
1に圧接され、ステータの進行波により回転されるよう
になっている。
試験結果では、比較例1の熱可塑性樹脂が60重量部を
超え、曲げ弾性率が13kgf/cm2未満であると、モータは
回転するが、電流値が高く効率も悪い。それに対して実
施例1〜5に示す熱可塑性樹脂40〜60重量部、チタン酸
カリウムウィスカー15〜30重量部、炭素繊維15〜35重量
部、ポリテトラフルオロエチレン粉末5〜15重量部から
なる樹脂組成物から成形したロータは、曲げ弾性率13kg
f/cm2以上で、モータの駆動電流値もそれほど現行品と
かわらず効率も良好であった。
なかでも実施例5から作製したロータは、電流値も小
さく、モータ効率も良好で、500時間運転後の摩耗粉の
発生もなく、またステータの摩耗も全く見られなかっ
た。
それに対して、比較例2のポリテトラフルオロエチレ
ンの配合量が5重量部未満のもの及び、比較例3のチタ
ン酸カリウムウィスカーが15重量部未満のものは、100
時間運転後で、前者は、摩耗粉の発生及びステータの摩
耗(損傷)が大であり、また後者は同じくステータの摩
耗が大きく実用性に乏しいことが判明した。
これらのことから、モータ特性はロータの曲げ弾性率
に大きく関係しており、超音波モータの耐久性面も考慮
すると本発明の範囲のロータ用樹脂組成物が適当である
と結論づけられる。
実施例6 実施例1〜5と同様にして、ウルテム1010(ポリエー
テルイミド;GE社)、TISMO D102(チタン酸カリウム繊
維;大塚化学(株))、ベスファイトHTA−C6−NR(炭
素繊維;東邦レーヨン(株))、フルオンL150J(ポリ
テトラフルオロエチレン;旭硝子(株))を第2表に示
す通り配合してシリンダー温度340℃の混練押出機でペ
レットを作成した。
得られたペレットをシリンダー温度370℃、金型温度1
40℃、射出圧力1200kg/cm2、保圧600kgf/cm2でロータと
物性測定用試験片を射出成形した。
測定した同材料の物性を第2表に示した。
本組成で射出成形したロータを実機試験し、モータ特
性を測定した結果、良好なモータ特性が得られた。
【図面の簡単な説明】 図面は本発明の超音波モータ用合成樹脂製ロータの一部
を破断した斜視図である。 1;ステータ、3;ロータ、3a;スライダー
フロントページの続き (72)発明者 相良 信治 群馬県邑楽郡邑楽町大字赤堀字鞍掛1508 −2 鞍掛第一工業団地 株式会社フコ ク群馬工場内 (72)発明者 秋友 英次 群馬県邑楽郡邑楽町大字赤堀字鞍掛1508 −2 鞍掛第一工業団地 株式会社フコ ク群馬工場内 (56)参考文献 特開 平2−197272(JP,A) 特開 平3−285574(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02N 2/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電体によりステータに進行波を生じさ
    せ、その進行波によりステータに圧接したロータを回転
    するようにした超音波モータのロータが、熱可塑性樹
    脂40〜60重量部、チタン酸カリウムウィスカー15〜30
    重量部、炭素繊維15〜35重量部、ポリテトラフルオ
    ロエチレン粉末5〜15重量部からなる樹脂組成物を成形
    して形成されていることを特徴とする超音波モータ用合
    成樹脂製ロータ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のロータの曲げ弾性率が13
    万Kgf/cm2以上であることを特徴とする超音波モータ用
    合成樹脂製ロータ。
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