JP2907672B2 - プロセスの適応制御方法およびプロセスの制御システム - Google Patents

プロセスの適応制御方法およびプロセスの制御システム

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JP2907672B2 JP5052668A JP5266893A JP2907672B2 JP 2907672 B2 JP2907672 B2 JP 2907672B2 JP 5052668 A JP5052668 A JP 5052668A JP 5266893 A JP5266893 A JP 5266893A JP 2907672 B2 JP2907672 B2 JP 2907672B2
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  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロセス適応制御方法
および制御システムに係り、特に、プロセスが分布定数
系の場合でもプロセスの特性に適応して、良好な制御特
性を得るのに好適なプロセス適応制御方法および制御シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】制御対象となるプロセスには、その制御
上の特徴として、応答の遅れが大きいものがある。例え
ば、火力プラントの制御上の特徴は、蒸気温度の応答の
遅れが大きいことである。例えば、主蒸気温度の時定数
は、10分から20分程度である。したがって、通常の
フィードバック制御では、負荷指令が大きく変化する
と、主蒸気温度が大きく変動し、タービンの熱ストレス
を増大させ、寿命が減少するという問題がある。このた
め、火力プラントは、制御が難しいとされている。
【0003】これに対処するため、火力プラントのモデ
ルを制御システムに内蔵し、このモデルを用いてプラン
トの近い将来の動きを予測して、この予測結果に基づい
て操作量を決定することが提案されている。また、プロ
セスのモデルを内蔵し、このモデルを使用して操作量を
決定する制御方法においては、モデルの構築およびモデ
ルのパラメータ調整が必要になる。そのための方法が提
案されている。すなわち、(1)Y.Sato,et
al.,”Steam PredictionCont
rol for Thermal Power Pla
nt,”IEEE/PES 1984 Winter
Meeting,Dallas,Texas.U.S.
A.January 29−February 3,1
984.、(2)佐藤、他,「カルマン・フィルタによ
るボイラ蒸気温度予測制御」、第18回SICE(計測
自動制御学会)学術講演会、1201、昭和54年8月
29日〜9月1日、(3)Y.Sato,et a
l.,”Steam Temperature Pre
diction Control for Therm
al Power Plant”,IEEE Tran
s.on PowerApparatus and S
ystems,Vol.PAS−103,No.9,S
eptember(1984),pp.2382−23
87,に記載されているプロセス適応制御方法がある。
これらの文献では、このプロセス適応制御方法を、火力
プラントに適用している。これらで用いられる予測モデ
ルは、最終段過熱器の特性を物理式で表した集中定数化
モデルである。このモデルは、前段過熱器の出口蒸気温
度を外乱として、最終段過熱器の出口蒸気温度すなわち
主蒸気温度を予測している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近、電力
需要の増大と共に、昼夜の電力需要の格差も増大してき
ている。そのため、大容量の火力プラントでも、負荷追
従運転(中間負荷運用)およびDSS(Daily S
tart Stop)運転が要求されるようになってき
ている。これらの要求に伴い、火力プラント制御システ
ムに対して、起動時制御特性および負荷追従特性の向上
が求められている。
【0005】しかし、従来の予測制御では、これに対し
て十分に対応することが困難となっている。それは、従
来の予測制御では、上述した文献に記載されているよう
に、火力プラントを集中定数化モデルで近似しているこ
とによる。
【0006】火力プラントは、火炉水壁、1次過熱器、
2次過熱器、3次過熱器等の複数の熱交換器で構成され
る。これらの熱交換器の中を、上流から下流に向かって
水が流れるうちに、燃焼ガスのエネルギーを吸収して蒸
気となり、さらに過熱蒸気となる。すなわち、火力プラ
ントは、分布定数系である。それにもかかわらず、上記
従来技術では、火力プラントの最終段過熱器を集中定数
化モデルで近似し、このモデルにより火力プラントの近
い将来の動きを予測して、この予測結果に基づいて操作
量を決定している。
【0007】そのため、予測に、前段過熱器の出口蒸気
温度の変化を考慮できないので、予測性能および制御性
の向上が望めないという問題がある。すなわち、従来技
術は、本来分布定数系である火力プラントを集中定数化
モデルで近似しているため、プラントの特性を精度よく
模擬することができない。そのため、このようなモデル
で火力プラントの近い将来の動きを予測しても、予測精
度の向上に限界があり、制御性の向上にも限界がある。
【0008】本発明の第1の目的は、分布定数系からな
るプラントの特性を精度よく模擬できるモデルを用いて
プロセスを制御することができるプロセス適応制御方法
提供することにある。
【0009】また、第2の目的は、分布定数系からなる
プラントの特性を精度よく模擬できるモデルを用いてプ
ロセスを制御することができるプロセス制御システム
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の一態様によれば、プロセスのモデルを内蔵
し、このモデルを使用して制御量の予測値を求め、この
予測値に基づいて操作量を決定するプロセスの適応制御
方法において、前記プロセスを、当該プロセスの流れに
沿う、2つ以上のサブプロセスで構成し、かつ、各サブ
プロセスを、それぞれについて個別に物理式に基づく集
中定数化モデルで構成すると共に、サブプロセスごと
に、前記集中定数化モデルに対してカルマン・フィルタ
を構成して、このカルマン・フィルタで、状態量および
その誤差を推定し、 上流側のサブプロセスのモデルによ
って得られる当該サブプロセスの状態量の予測値を、下
流側のサブプロセスのモデルの入力変数の少なくとも一
部とし、上流側のサブプロセスについてそのモデルによ
り状態量の予測値を求め、得られた状態量の予測値を下
流側のサブプロセスのモデルに入力して、当該サブプロ
セスの状態量の予測値を求め、これを最下流のサブプロ
セスの状態量の予測値が求まるまで実行し、かつ、前記
上流側のサブプロセスの状態量の予測値を求める演算か
ら最下流のサブプロセスの状態量の予測値を求める演算
までの一連の演算を、予め定められた回数繰り返し、前
記各サブプロセスについて得られた状態量の予測値のう
ち少なくとも最下流のサブプロセスについて得られた状
態量の予測値に基づいて、前記プロセスの操作量を決定
することを特徴とするプロセスの適応制御方法が提供さ
れる。
【0011】また、本発明の他の態様によれば、 プロセ
スの操作量を決定して当該プロセスを制御するプロセス
制御システムにおいて、 プロセスをその流れに沿って構
成する、2つ以上のサブプロセスのモデルを内蔵し、こ
れらのモデルを使用して、プロセスの状態量を予測する
状態量予測システムと、 プロセスに対する目標値、およ
び、前記予測されたプロセスの状態量に基づいて、プロ
セスに対する操作量を決定する操作量決定システムとを
備え、前記状態量予測システムは、 前記サブプロセス対
応に設けられ、各サブプロセスのモデルとして予め与え
られた物理式で状態量の予測値を求める、2つ以上の予
測値演算手段と、 前記サブプロセスごとに、前記集中定
数化モデルに対して構成され、状態量およびその誤差を
推定するカルマン・フィルタと、 前記2つ以上の予測値
演算手段について、上流側の予測値演算手段で得られた
サブプロセスの状態量の予測値を、下流側の予測値演算
手段の入力変数の少なくとも一部として、下流側の予測
値演算手段が演算を実行するよう、順次演算を実行さ
せ、かつ、前記上流側のサブプロセスに対応する予測値
演算手段での予測値を求める演算から下流側のサブプロ
セスに対応する予測値演算手段での予測値を求める演算
までの一連の演算を、予め定められた回数繰り返させ
て、プロセスの状態量の予測値を求めるよう制御する手
段とを有することを特徴とするプロセス適応制御システ
ムが提供される。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【作用】本発明が適用されるプロセスとして、例えば、
火力プラントを想定することができる。この場合、火力
プラントの各熱交換器のモデルを、物理式に基づく集中
定数化モデルで構成すると共に、各モデル毎にカルマン
・フィルタを構成するので、本来分布定数系である各熱
交換器の特性を精度よく模擬できる。また、これらの各
熱交換器のモデルを統合して使用し、火力プラントの近
い将来の動きを予測するので、予測精度の向上が達成で
きる。また、この予測結果に基づいて操作量を決定する
ので、制御性の向上も達成できる。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。先ず、本実施例における制御対象である
火力プラントの概要について説明する。図2は、石炭焚
き火力プラントの例を示した説明図である。
【0021】押込みファン101からの空気は、空気予
熱器102を通って予熱され、1次空気ファン103に
よって加速されて石炭ミル107内に送風される。一
方、石炭バンカ104内の石炭は、給炭機モータ105
により駆動される給炭機106により前記石炭ミル10
7内に運搬される。石炭ミル107によって微粉状とな
った石炭は、空気流と共にボイラ126内のバーナ12
7に送られ、ここで燃焼する。
【0022】節炭器(ECO)130、火炉水冷壁10
8(WW)および1次過熱器(1SH)109を通った
水は、この燃焼ガスにより蒸気となる。この蒸気は、1
次スプレ(SP1)116を通り、2次過熱器(2S
H)110で過熱され、2次スプレ(SP2)120を
通り、3次過熱器(3SH)111で更に過熱されて、
主蒸気配管および主蒸気加減弁121を通って、高圧タ
ービン122に入る。高圧タービン122を出た蒸気
は、1次再熱器112および2次再熱器113により再
過熱され、中・低圧タービン123に送られる。
【0023】発電機124は、高圧タービン122と中
・低圧タービン123とにより駆動され発電する。中・
低圧タービン123を出た蒸気は、復水器125により
復水される。この復水は、給水ポンプ117により、再
びボイラ126の節炭器130に送られる。また、給水
ポンプ117を出た給水は、1次スプレ制御弁115お
よび2次スプレ制御弁119を介して、1次スプレ11
6および2次スプレ120に送られる。また、給水ポン
プ117を出た給水は、再熱スプレ制御弁131を介し
て再熱スプレ(SP3)132に送られる。なお、ボイ
ラ126には、燃焼ガスを再循環させるガス再循環ファ
ン114が設けられている。また、ボイラ126には、
排ガスを制御するための誘引ファン118が設けられて
いる。
【0024】また、この火力プラントには、プラントの
状態を検出するための各種センサが設けられている。す
なわち、図2に示すように、主蒸気圧力(PMS)を測定
するセンサS1と、1次過熱器出口蒸気温度(T1SH
を測定するセンサS2と、排ガス中のO2量(O2)を測
定するセンサS3と、火炉圧力(PWW)を測定するセン
サS4と、2次過熱器出口蒸気温度(T2SH)を測定す
るセンサS5と、主蒸気温度(TMS)を測定するセンサ
S6と、再熱蒸気温度(TRS)および1次再熱器出口蒸
気温度(T1RH)を測定するためのセンサS7およびS
9と、発電機124の発電量(MW)を検出するセンサ
S8とが設けられている。また、図示していないが、1
次過熱器109、2次過熱器110および3次過熱器1
11には、それぞれ入口または出口に、蒸気流量、圧力
および温度を測定する流量、圧力および温度センサが設
けられている。同様に、1次再熱器112および2次再
熱器113についても、それぞれ入口または出口に、蒸
気流量、圧力および温度を測定する流量、圧力および温
度の各センサが設けられている。前記各センサS1−S
9と、これらの流量、圧力および温度の各センサの出力
信号は、後述するマスタ制御部およびサブループ制御部
に送られる。前記再熱スプレ132は、非常用のもので
あって、温度が制限値を超えたときのみスプレを使用す
る。
【0025】本実施例では、これらのセンサ情報に基づ
いて、火力プラントの制御を行なう。本実施例における
制御は、機能的には、マスタ制御部と、それに基づくサ
ブループ制御部とで構成される。図7に、その概要を示
す。
【0026】図7に示すように、マスタ制御部1000
では、主蒸気圧力等の応答が速い部分の制御を行なう通
常制御系(1100系)と、主蒸気温度等の応答が遅い
部分についての予測制御を行なう予測制御系(1200
系)とを有する。通常制御系には、主蒸気圧力制御部1
101、ガスO2制御部1102および火炉圧力制御部
1103と、負荷指令の入力を受け付けて、それに対応
してタービン制御およびボイラ制御のためのデマンド操
作指令を出力するユニットマスタ1104とを有する。
予測制御系は、1次過熱器出口蒸気温度制御部120
1、2次過熱器出口蒸気温度制御部1202、主蒸気温
度制御部1203および再熱蒸気温度制御部1204の
各制御処理機能部が設けられている。
【0027】また、通常制御系には、前記ユニットマス
タ1104のデマンド操作指令について、前記主蒸気圧
力制御部1101からの操作量により補正して、給水制
御のための操作指令を出力する補正部1105と、前記
補正部1105の出力について、1次過熱器出口蒸気温
度制御部1201からの操作量により補正して、燃料制
御のための操作指令を出力する補正部1106と、前記
補正部1106の出力について、ガスO2制御部110
2からの操作量により補正して、空気制御のための操作
指令を出力する補正部1107と、前記補正部1107
の出力について、火炉圧力制御部1103からの操作量
により補正して、排ガス制御のための操作指令を出力す
る補正部1108と、前記補正部1105の出力につい
て、2次過熱器出口蒸気温度制御部1202からの操作
量により補正して、1次スプレ制御のための操作指令を
出力する補正部1109と、前記補正部1105の出力
について、主蒸気温度制御部1203からの操作量によ
り補正して、2次スプレのための操作指令を出力する補
正部1110と、前記補正部1105の出力について、
再熱蒸気温度制御部1204からの操作量により補正し
て、再循環ガス制御のための操作指令を出力する補正部
1111とが設けられる。
【0028】前記ユニットマスタ1104は、発電量に
関する経済負荷配分制御(ELD:Economic Load Disp
atching cntrol)に関する指令と、周波数の自動調整制
御(AFC:Automatic Frequency Cntrol)に関する指
令とを受けて、当該火力プラントにおける負荷変化率、
負荷変化幅の制限、および、周波数についての補正を行
なって、それらに対応する操作指令を演算して出力す
る。
【0029】1次過熱器出口蒸気温度制御部1201、
2次過熱器出口蒸気温度制御部1202、主蒸気温度制
御部1203および再熱蒸気温度制御部1204の各処
理機能部は、それぞれ対応するセンサからの情報に基づ
いて、それぞれの目標値についての操作量を演算して、
出力する。同図7において、二重線で示すブロック内の
処理部は、制御量の決定に際して、予測制御を行なう。
【0030】サブループ制御部2000には、前記ユニ
ットマスタ1104の出力信号とセンサS8からの発電
量を示す信号とを受けて、主蒸気加減弁121を制御す
るタービン制御部2001と、前記補正部1105の出
力信号を受けて給水ポンプ117を制御する給水制御部
2002と、前記補正部1106の出力信号を受けて給
炭機モータ105を制御する燃料制御部2003と、前
記補正部1107の出力信号を受けて押込みファン10
3を制御する空気制御部2004と、前記補正部110
8の出力信号を受けて誘引ファン118を制御する排ガ
ス制御部2005と、前記補正部1109の出力信号を
受けて1次スプレ制御弁115を制御する1次スプレ制
御部2006と、前記補正部1110の出力信号を受け
て2次スプレ制御弁119を制御する2次スプレ制御部
2007と、前記補正部1111の出力信号を受けてガ
ス再循環ファン114を制御する再循環ガス制御部20
08とを有する。
【0031】これらは、例えば、図8に示すようなハー
ドウエアシステム構成となる。すなわち、前記マスタ制
御部1000の通常制御系の機能を分担して処理する第
1のマスタ制御コントローラ1100と、予測制御系の
機能を分担して処理する第2のマスタ制御コントローラ
1200と、サブループ制御部2000の各処理部を構
成する、タービン制御コントローラ2010、給水制御
コントローラ2020、燃料制御コントローラ203
0、空気制御コントローラ2040、排ガス制御コント
ローラ2050、1次スプレ制御コントローラ206
0、2次スプレ制御コントローラ2070および再循環
ガス制御コントローラ2080とを有する。これらの各
コントローラは、伝送用ネットワークで接続され、互い
に信号の授受を行なう。また、本実施例では、予測制御
で使用する予測モデルのチューニングを行なうためのモ
デルチューニングシステム1300が、前記伝送用ネッ
トワーク1500に接続される。これらのコントローラ
およびチューニングシステムは、それぞれコンピュータ
システムで構成される。それらのコンピュータシステム
は、図示していないが、例えば、中央処理ユニット、メ
モリ、インタフェース等を有する構成のものが用いられ
る。
【0032】なお、図9に示すように、モデルチューニ
ングシステムを第2のマスタ制御コントローラ1200
において処理する構成としてもよい。
【0033】火力プラントの制御量のうち制御が難しい
のは、蒸気温度である。例えば、1次過熱器出口蒸気温
度T1SH、2次過熱器出口蒸気温度T2SH、主蒸気温度T
MSおよび再熱蒸気温度TRSの4つがそれである。また、
これらの蒸気温度の制御のために、燃料流量Ff,1次
スプレ流量FSP1,2次スプレ流量FSP2および再循環ガ
ス流量Fgrfの4つの操作量がある。本発明は、これら
を予測制御により制御するようにしたものである。そし
て、その際に、従来にない予測モデルを用いたことに特
徴がある。
【0034】次に、本発明の予測制御を、前記した火力
プラントの蒸気温度制御に適用した実施例について説明
する。
【0035】図1に、本発明の一実施例の構成の概要を
示す。本実施例は、火力プラント1の蒸気温度の目標値
の予測値を求める目標値予測システム2、蒸気温度の予
測値を求める蒸気温度予測システム3および目標値の予
測値と蒸気温度の予測値に基づいて操作量を決定する操
作量決定システム4と、蒸気温度予測のためのモデルの
パラメータをチューニングするモデル・チューニング・
システム5と、予測システムの予測値を用いるか、制御
量を直接用いるかの選択を行なうスイッチ6とを備えて
構成される。目標値予測システム2、蒸気温度予測シス
テム3、操作量決定システム4およびスイッチ6は、前
記予測制御系の処理を実行する第2のマスタ制御コント
ローラ1200において実現される。また、モデル・チ
ューニング・システム5は、モデルチューニングシステ
ムを構成するコンピュータ1300によって実現され
る。
【0036】目標値予測システム2は、蒸気温度の目標
値rの近い将来値を(1)式により予測する。ここでは、
1次過熱器出口蒸気温度T1SH、2次過熱器出口蒸気温
度T2 SH、主蒸気温度TMSおよび再熱蒸気温度TRSのそ
れぞれの目標値^r1、^r2、^r3および^r4を算出
する。
【0037】
【数1】
【0038】ここで、 ^r1(k,n):現在時点kにおいて、1次過熱器出
口蒸気温度T1SHの目標値r1のnサンプリング先の予測
値 ^r2(k,n):現在時点kにおいて、2次過熱器出
口蒸気温度T2SHの目標値r2のnサンプリング先の予測
値 ^r3(k,n):現在時点kにおいて、主蒸気温度T
MSの目標値r3のnサンプリング先の予測値 ^r4(k,n):現在時点kにおいて、再熱蒸気温度
RSの目標値r4のnサンプリング先の予測値 ri(k) :蒸気温度の目標値riの現在時点kに
おける値(i=1〜4) ai(k) :蒸気温度の目標値riの現在時点kにおけ
る変化率(i=1〜4) △T :サンプリング周期 なお、本実施例では、目標値を近い将来の予測により決
定しているが、本発明は、これに限定されない。
【0039】蒸気温度予測システム3は、蒸気温度系の
モデルを使用して、蒸気温度の近い将来値を予測する。
蒸気温度系のモデルは、図3に示すように、火力プラン
ト1の各熱交換器のモデルを無駄時間要素301および
303と、物理式に基づく集中定数化モデル304との
組合せにより構成している。また、本実施例では、熱交
換器は、水・蒸気系で、上流側から下流側に順次接続さ
れ、水・蒸気の状態変化が上流側から下流側に伝達され
る構成となっている。本実施例では、これらの各熱交換
器のモデルを統合して使用し、蒸気温度の近い将来値を
予測する。
【0040】集中定数系のモデルは、各熱交換器の水・
蒸気系およびガス系に対してエネルギ保存式により表わ
される。また、ガス温度については、ガス温度計算モデ
ル306が用いられる。このガス温度計算モデル306
は、燃料流量Ffと、空気流量Faと、ガス再循環流量F
grfとに基づいて、ガス温度を計算する。
【0041】なお、物理式に基づく集中定数化モデル3
04に対して、カルマン・フィルタ305が構成され
る。このカルマン・フィルタ305により状態変数の値
を推定し、この推定値に基づいて前記各熱交換器のモデ
ルを統合して使用し、蒸気温度の近い将来値を予測す
る。
【0042】図3に示す前段の集中定数化モデル(i)
304には、蒸気流量Fsが無駄時間要素302を介し
て、蒸気温度θsi-lが無駄時間要素301を介して、お
よび、ガス温度θgi-lが無駄時間要素303を介してそ
れぞれ入力され、該モデル(i)304は、蒸気温度θ
siを出力する。また、後段の集中定数化モデル(i+
1)304には、蒸気流量Fsが無駄時間要素302を
介して、前段から出力された蒸気温度θsiが無駄時間要
素301を介して、および、ガス温度θgiが無駄時間要
素303を介してそれぞれ入力される。該モデル(i+
1)304は、蒸気温度θsi+1を出力する。なお、図3
では、熱交換器を2段分示しているが、本発明は、これ
に限定されない。
【0043】無駄時間要素301、302および303
は、本実施例では、図4に示すように1次遅れ要素をカ
スケード接続して構成される3次遅れ要素で近似してい
る。無駄時間要素301を構成する各1次遅れ要素の各
時定数は、本実施例の場合、T1=15秒を想定してい
る。無駄時間要素302を構成する各1次遅れ要素の各
時定数は、T2=5秒を想定している。また、無駄時間
要素303を構成する各1次遅れ要素の各時定数は、T
3=30秒を想定している。従って、無駄時間要素30
1の場合、その時定数は45秒程度となり、また、無駄
時間要素303の場合、その時定数は150秒程度とな
る。一方、無駄時間要素302の場合、その時定数は、
15秒程度となり、比較的小さい。従って、無駄時間要
素302は、省略することもできる。
【0044】熱交換器における集中定数化モデルは、図
10に示すモデルを想定して、エネルギ保存の法則より
導かれる。図10に示すモデルは、熱交換器の管壁を構
成するメタルの一方側に蒸気が、他方側にガスが流れ、
ガスから蒸気へメタル(図10において、斜線で示す部
分)を介して熱が伝達される状態を想定している。ここ
では、入口ガス温度θgini、ガス流量Fgiのガスが熱交
換器のメタルと接触して、メタルに伝熱量Qgmiの熱を
与えて、出口温度θgiとなって流出する。一方、入口蒸
気温度θsini、蒸気流量Fsiの蒸気が熱交換器のメタル
と接触して、メタルから伝熱量Qmsiの熱を受けて、出
口温度θsiとなって流出する。ガス流量Fg iすなわち、
ボイラ・ガス流量FgBFは、後述するように、空気流量
a、燃料流量Ffおよび再循環ガス流量Fgrfの合計で
ある。
【0045】このような物理モデルに基づいて、集中定
数化モデル式は、後述するようにエネルギ保存の法則か
ら導かれる(2)および(3)式により表わされる。
【0046】なお、以下の数式で使用される記号は、下
記の通りである。
【0047】V:容積 γ:比重量 H:エンタルピ F:流量 Q:伝熱量 M:重量 C:比熱 θ:温度 P:圧力 A:伝熱面積 α:対流熱伝達率 β:輻射熱伝達率 また、サフィックスは、下記の通りである。
【0048】s:水・蒸気 g:ガス m:メタル gm:ガスからメタル ms:メタルから水・蒸気 i:i番目の熱交換器 水・蒸気系、すなわち、熱交換器の管内部流体のエネル
ギ保存式は、(2)式で表わされる。また、管メタル系
のエネルギ保存式は、(3)式で与えられる。
【0049】
【数2】
【0050】
【数3】
【0051】ここで、Vsi:熱交換器の管内部流体(水
・蒸気)の容積(m3) γsi:管内部流体(水・蒸気)の比重量(kg/m3) Hsi:管内部流体(水・蒸気)の出口エンタルピ(kc
al/kg) Hsini:管内部流体(水・蒸気)の入口エンタルピ(k
cal/kg) Fsi:管内部流体(水・蒸気)の流量(kg/s) Amsi:管メタルから管内部流体(水・蒸気)への伝熱
面積(m2) Agmi:管外部流体(ガス)から管メタルへの伝熱面積
(m2) αmsi:管メタルから管内部流体(水・蒸気)への対流
熱伝達率(kcal/m2・s・℃) αgmi:管外部流体(ガス)から管メタルへの対流熱伝
達率(kcal/m2・s・℃) Mmi:熱交換器の管メタルの重量(kg) Cmi:管メタルの比熱(kcal/kg・℃) θmi:管メタルの温度(℃) θsi:管内部流体(水・蒸気)の出口温度(℃) θgini:管外部流体(ガス)の入口温度(℃)i :i番目の熱交換器 また、熱交換器の管外部流体(ガス)は、管内部流体お
よびメタル部の応答に比べると、その応答が極めて速
い。従って、ここでは、ガス系は、静的にエネルギ保存
式が成立つとして考える。このため、熱交換器入口ガス
温度θginiは、次式で与えられる。
【0052】
【数4】
【0053】ここで、η :燃料発熱効率 Hu:燃料発熱量(kcal/kg) Ff:燃料流量(kg/s) Ha:空気エンタルピ(kcal/kg) Fa:空気流量(kg/s) Hgrf:再循環ガスのエンタルピ(kcal/kg) Fgrf:再循環ガス流量(kg/s) Cpg:ガス比熱(kcal/kg・℃) βWW:火炉輻射熱伝達係数 FgBF:ボイラ・ガス流量(kg/s) QWW:火炉水壁熱吸収量(kcal/s) QHEX:火炉水壁以外のガス側上流熱交換器の総熱吸収
量(kcal/s) なお、前記空気エンタルピHaは、空気の比熱をCpa
空気の温度をθaとすると、 Ha≒Cpa・θa で与えられる。また、再循環ガスのエンタルピH
grfは、ガスの比熱をCpg、ガスの節炭器付近での温度
をθgeとすると、 Hgrf≒Cpg・θge で与えられる。
【0054】熱交換器の水・蒸気系の伝熱を定圧過程と
近似すると、次式が成り立つ。なお、以下では熱交換器
の番号iは省略する。
【0055】
【数5】
【0056】ここで、Cps:定圧比熱(kcal/kg
・℃) Hso:基準エンタルピ(kcal/kg) なお、ここでは、(7)式を、次式で近似する。
【0057】 Cps=(ΔHs/Δθsp ……(8) (5)、(6)式を(2)式に代入して、整理すると、
次式が得られる。
【0058】
【数6】
【0059】また、(3)式を変形すると、次式が得ら
れる。
【0060】
【数7】
【0061】(9)、(10)式をまとめると、次式が
得られる。
【0062】
【数8】
【0063】
【数9】
【0064】ここで、Aij:状態遷移行列の要素 Bij:駆動行列の要素 なお、前記(11)、(12)式のx1およびu2は、測
定可能な量であり、x2は、測定できない量である。ま
た、管メタルからの水・蒸気への熱伝達率αmsおよび管
外部流体(ガス)から管メタルへの熱伝達率αgmは、次
式で近似する。
【0065】 αms=f(Fs) ……(23) αgm=f(FgBF) ……(24) (11)、(12)式を離散時間表現すると、次式に示
すようになる。これが予測モデルを示す物理式である。
なお、本明細書において、“M”の記号は、その量がマ
トリクスで表現される量であることを示す。
【0066】 XM(k)=AMM(k−1)+BMM(k−1) ……(10a) ここで、AM:状態遷移マトリクス(モデル) BM:駆動マトリクス(モデル) XM(k):kサンプリング時点の状態量(モデル) XM(k−1):k−1時点の状態量(モデル) UM(k−1):k−1時点の操作量(モデル) 次に、カルマン・フィルタによる状態量の推定と、誤差
の推定を示す。ここで、kサンプリング時点の状態量の
推定値を〜XM(k)、モデル誤差をε(k)としたと
きの、kサンプリング時点の状態量の最ゆう推定値^X
M(k)を求める。
【0067】 ^XM(k)=AMM(k−1)+BMM(k−1)+ε(k)…(10b) ε(k)=K{XM(k)−〜XM(k)} ……(10c) 〜XM(k)=AM^XM(k−1)+BMM(k−1) ……(10d) ここで、K:カルマン・ゲイン 前記モデル式を用いて、各熱交換器単体のモデルをブロ
ック線図で表わすと、図4に示すようになる。すなわ
ち、熱交換器単体のモデルは、燃料流量Ff、空気流量
aおよびガス再循環流量Fgrfと、火炉水壁熱吸収量Q
WWおよび火炉水壁以外のガス側上流熱交換器の総熱吸収
量QHEXとに基づいて、ガス温度θginを計算するガス温
度計算モデル306と、熱交換器の入口蒸気温度を管内
部流体(水・蒸気)の入口エンタルHsinに変換する変
換部307と、エンタルHsin、蒸気流量Fsおよびガス
温度θginをそれぞれ近似的に3次遅れを与える無駄時
間要素301、302および303と、集中定数化モデ
ル304と、カルマン・フィルタ305とで構成され
る。
【0068】また、予測モデルの全体構成は、図5に示
すようになる。図5では、給水ポンプ117から送られ
る水が節炭器(ECO)130を経て火炉水壁(WW)
108で加熱されて、1次過熱器109、1次スプレ1
16、2次過熱器110、2次スプレ120、3次過熱
器111および主蒸気加減弁121を経て、高圧タービ
ン122に送られる。ここで、各過熱器109、110
および111では、ガス温度計算により求められるガス
温度θg1SH、θg2SHおよびθg3SHが与えられて、前記物
理式により、それぞれの出口蒸気温度が算出される。ま
た、高圧タービン122を出た蒸気は、1次再熱器11
2、再熱スプレ132および2次再熱器113を経て低
圧タービン123に送られる。ここで、1次再熱器11
2および2次再熱器113では、ガス温度計算により求
められるガス温度θg1RHおよびθg2 RHが与えられて、前
記物理式により、それぞれの出口蒸気温度が算出され
る。
【0069】ここで、予測は、前記(10b)式を用い
て、kサンプリング時点で、nサンプリング先の制御量
^XM(k,n)を求めることにより行なう。
【0070】 ^XM(k,1)=AM^XM(k)+BMM(k)+ε(k) ^XM(k,2)=AM^XM(k,1)+BMM(k)+ε(k) ・ ・ ・ ^XM(k,n)=AM^XM(k,n−1)+BMM(k)+ε(k) このようにして、行なわれる予測特性について、検討す
る。ここでは、最終段の過熱器のみについて集中定数化
モデルを構成して予測を行なう場合と、本実施例の無駄
時間要素と集中定数化モデルとを組み合わせたもので予
測を行なう場合とを比較する。同じ操作量に対して、そ
の応答特性を測定すると、図11(a)に示すようにな
る。同図から明らかなように、集中定数化モデルのみで
予測を行なう場合には、プラントの応答より応答が速く
なっっているため、誤差εが大きくなっている。そのた
め、誤差εによる引き戻し作用も大きくなり、予測精度
が悪くなる(同図(b))。一方、無駄時間要素と集中
定数化モデルとを組み合わせたものは、制御量の応答
が、プラントの応答特性と近似しているため、誤差εが
小さくなり、引き戻し作用も小さく、予測制度が向上す
る(同図(c))。
【0071】なお、本実施例においては、予測制御と通
常制御を並置し、予測値の誤差が予め定めた範囲に入る
ときのみ予測制御を行なうようにしている。図1のスイ
ッチ6は、この目的のために設けられている。誤差が大
きい場合には、通常のPI(比例・積分)制御を行な
い、誤差が小さくなったら、本発明の予測制御に切り替
える。
【0072】なお、本実施例は、コンピュータにより演
算されて実行される。そのため、モデル式は、(10
a)式に示したように、離散時間表現される。そこで、
モデル式を離散時間表現する場合について、少し詳細に
説明する。
【0073】前記エネルギ保存式から導かれる熱伝達式
モデル(11)、(12)式を離散時間表現し、マトリ
クスの要素で示すと、次式が得られる。
【0074】
【数10】
【0075】次に、(25)式を用いてカルマン・フィ
ルタ305により状態変数の推定を行なう場合につい
て、説明する。熱伝達式モデルの離散時間表現である
(25)式を用いて、蒸気温度を予測するには、状態変
数である蒸気温度θsおよび管メタル温度θmの予測開始
時点の値が必要である。しかし、管メタル温度θmは、
計測できないので、推定値を用いることになる。本実施
例では、この管メタル温度θmの推定に、カルマン・フ
ィルタを適用する。
【0076】カルマン・フィルタを適用するため、(2
5)式を次式で表わす。
【0077】 XM(k)=ΦM(k−1)・XM(k−1) −HM(k−1)・UM(k−1)……(26)
【0078】
【数11】
【0079】ここで、XM(k):kサンプリング時点
の状態変数ベクトル(蒸気温度θs、管メタル温度θm) ΦM(k−1):k−1サンプリング時点の状態遷移行
列 HM(k−1):k−1サンプリング時点の駆動行列 UM(k−1):k−1サンプリング時点の操作量 また、(26)式で表わされるシステムの観測過程は、
次式で表わされるものとする。
【0080】 YM(k)=CM・XM(k)+VM(k) ……(31) ここで、YM(i):kサンプリング時点における観測
ベクトル(蒸気温度θsに対応) XM(k):状態変数ベクトル(蒸気温度θs、管メタル
温度θm) VM(k):観測ノイズ・ベクトル CM :観測行列 (26)式、(31)式のカルマン・フィルタは、次式
により構成される。なお、ここで、’は、転置マトリク
スを意味する。
【0081】 ^XM(k)=〜XM(k) +PM(k)・CM’・WM~1{YM(k)−CM・〜XM(k)} ……(32) 〜XM(k)=ΦM(k−1)・^XM(k−1) +HM(k−1)・UM(k−1) ……(33) PM(k)={MM~1(k)+CM’・WM~1・CM}~1 ……(34) MM(k)=ΦM(k−1)・PM(k−1)・ΦM’(k−1) +HM(k−1)・UM(k−1)・HM’(k−1)…(35) ここで、^XM(k):kサンプリング時点の制御量XM
(k)の最ゆう推定値 〜XM(k):kサンプリング時点の制御量XM(k)の
推定値 次に、操作量決定システム4について説明する。操作量
決定システム4は、目標値の近い将来の予測値と蒸気温
度の近い将来の予測値に基づいて操作量を決定する。本
実施例では、PI制御を行なっている。そのアルゴリズ
ムを数14に示す。
【0082】
【数12】
【0083】ここで、 kpi:比例ゲイン kIi:積分ゲイン △ui(k):現在時点kにおける操作量uiの変化分 モデル・チューニング・システム5は、蒸気温度系のモ
デルの特性が火力プラントの特性に合うようにモデル・
パラメータをチューニングする。このモデル・チューニ
ング・システム5の構成を図6に示す。次に、この図に
従って、チューニング・アルゴリズムについて説明す
る。
【0084】先ず、火力プラントの制御量と予測モデル
により推定した制御量の推定値との誤差、すなわちモデ
ル誤差が小さくなるように山登り法によりモデル・パラ
メータをチューニングし、このチューニング結果を収
集、記憶する。
【0085】次に、この山登り法によるモデル・チュー
ニング結果を教師データとし、ニューラル・ネットワー
ク(ニューロ)にモデル・チューニング・ルールを学習
させる。この学習により、モデル・チューニング・ルー
ルを習得した後は、ニューラル・ネットワークにより予
測モデルのパラメータをチューニングする。
【0086】また、同様にして、前記山登り法によるモ
デル・チューニング結果に基づいて、モデル・チューニ
ング・ルールをファジィ・ルールとして抽出し、この抽
出したファジィ・ルールにより予測モデルのパラメータ
をチューニングする。
【0087】なお、前記のファジィ・ルール作成に、モ
デル・チューニング・ルールを習得したニューラル・ネ
ットワークを利用することもできる。すなわち、学習済
みのニューラル・ネットワークの入出力特性からファジ
ィ・ルールを作成することもできる。
【0088】モデルチューニングは、プラント(シミュ
レータでもよい)の時間応答データを取り込んで、これ
に基づいて、静特性のチューニングを行ない、ついで、
動特性のチューニングを行なう。このチューニングは、
例えば、マスタ制御コントローラを用いて行なうことが
できるが、別のコンピュータシステム上で行なってもよ
い。
【0089】静特性のチューニングは、負荷レベルを一
定幅ずつ変え、各負荷レベルごとに行なう。図15に示
すように、まず、現在の負荷レベルを取り込む(ステッ
プ1501)。プロセス量を取り込む(ステップ150
2)。ここでは、各熱交換器毎に、Fs、θs、Ps
g、Pg、θg等を取り込む。これらの量に基づいて、
水・蒸気のエンタルピ(Hs)分布を求める(ステップ
1503)。すなわち、各熱交換器の入口および出口に
おける水・蒸気のエンタルピ(Hs)を求める。さら
に、水・蒸気の吸収熱量(Qms、Qgm)分布を推定する
(ステップ1504)。Qms、Qgmは、これらは、系が
バランスしているときには、等しくなる。
【0090】次に、ガスのエンタルピ(Hg)分布を推
定する。これは、温度が測定できる部分での温度とガス
の比熱とを使ってもとめる(ステップ1505)。温度
が測定できる部分としては、例えば、節炭器の近傍があ
る。また、ガスの温度(θg)の分布を推定する(ステ
ップ1506)。これは、前記エンタルピの分布と比熱
を用いて推定する。さらに、メタルの温度(θm)分布
を推定する(ステップ1507)。最後に、熱伝達率
(αms、αgm、βgm)を推定する(ステップ150
8)。
【0091】次に、動特性のチューニングについて説明
する。図16に示すように、プラント(シミュレータ)
に対して、ステップ入力、ランプ入力等を与えて、それ
に対するプラントの時間応答データを取り込む(ステッ
プ1601)。入力としては、例えば、燃料流量を増加
する指令を与え、これに対する1次過熱器出口の蒸気温
度の変化のデータを取り込む。また、モデルにたいして
は、例えば、設計的に定まる初期パラメータをセットす
る(ステップ1602)。そして、モデルに、プラント
の操作量および制御量を与え、モデルの初期状態を推定
する(ステップ1603)。その後、モデルに、ステッ
プ入力、ランプ入力等を与えて、それに対する時間応答
を計算する(ステップ1604)。プラントと、モデル
との時間応答の誤差を計算する(ステップ1605)。
そして、この誤差が予め定めた範囲に収束しているか否
か判定するステップ(ステップ1606)。収束してい
ない場合には、モデルのパラメータの修正を行なう(ス
テップ1607)。この修正は、例えば、山登り法、フ
ァジィ推論、ニューラルネットワーク等を用いて行なう
ことができる。そして、ステップ1603からの手順を
繰り返して、誤差が一定の範囲に収束した時点で、チュ
ーニングを終了する。
【0092】次に、山登り法によるモデルのパラメータ
の修正について、説明する。図17、18に、その一例
を示す。図17は、モデルのチューニングを行なうシス
テムの構成の一例である。この例では、火力プラント
(シミュレータでもよい)1と、本発明の予測モデルに
よる予測システムとに、操作量UMを入力する。これ
に対応して、火力プラント1からは状態量XMが、ま
た、予測システム(モデル:mのサフィックスで示す)
3からは、予測される状態量XmMが出力される。モデル
チューニングシステム5は、これらの誤差eMを取り込
み、それを、次式により積分して、その積分値の大きさ
により評価する。そして、その積分値が最小となるよう
に、山登り法により、パラメータを修正する。
【0093】
【数13】
【0094】図18は、シンプレックス法を制約条件が
ある場合に適用できるように拡張したコンプレックス法
の原理を示す。このコンプレックス法は、n次元空間の
(n+1)個の点の集合によってシンプレックス(si
mplex)を形成し、このうち関数値の最も大きな1
点について、残りの点で張られる超平面に関する鏡像を
とって、新たなシンプレックスを形成し、この新たなシ
ンプレックスにおいて、同様の操作を行なって、また、
新たなシンプレックスを形成することを繰り返して、関
数値の極小点に達する方法である。なお、図18におい
て、評価値の大きさは、等高線で表わされる。この例で
は、極小値を求めるので、等高線は、山ではなく、谷を
表わす。また、同図において、斜線部分は、制約条件を
表わす。点が、制約条件にかかる場合、それを外すよう
に定める。
【0095】図18に示す例は、二つのパラメータP1
およびP2について、山登り法による修正を実行する例
である。すなわち、まず、パラメータP1およびP2の
初期値を与える。これには、例えば、設計値を用いるこ
とができる。また、乱数を発生させて与えてもよい。こ
の点を、図18における座標点1とする。次に、座標点
2および3を乱数により発生させる。ついで、これらの
3点のパラメータを、それぞれ火力プラントのシミュレ
ータおよびモデル3に設定して、それぞれの状態量の誤
差を求めて、前記(36)式の積分を行なう。このう
ち、最も関数値の大きい点(ここでは、1とする)につ
いて、点2および3が平面に、点1の鏡像点を求める。
ここでは、これを4とする。そして、点2、3および4
で新たなシンプレックスを構成する。そして、点4につ
いての、前記積分を実行して、その積分値を、点2およ
び3と比較して、前記と同じ操作を繰り返す。なお、点
4が、制約条件を満たさない場合には、その点を手前に
ずらした位置を新たに点4とする。このようにして、順
次、評価値の高い、本実施例では、誤差に小さいパラメ
ータの組合せを探索する。
【0096】なお、山登り法の詳細に関しては、”M.
J.Box,A New Method of Con
strained Optimization wit
hOther Methods,The comput
er J.Vol8,No1(1985),pp.42
−52”および”志水 清孝著,システム制御と数理計
画法(昭和46年2月10日発行)76−79頁”を参
照されたい。
【0097】このようにして、最適なパラメータを見つ
けだすことができる。本実施例では、チューニングを要
するパラメータとしては、無駄時間要素の時定数があ
る。本例は、プラントの運転データを利用して、山登り
法によりモデルのパラメータを調整するので、パラメー
タ調整の自動化及び調整時間の短縮ができる。
【0098】この山登り法による修正データを利用し
て、より効率的に修正を行なうため、ファジィルールを
構築して、修正を行なう方法について、説明する。図1
9に、その一例を示す。
【0099】図19には、ファジィ推論システムの構成
の一例を示す。このシステムは、モデルチューニングシ
ステム5に搭載することができる。このシステムは、フ
ァジィルールを記述するファジィルール部1901と、
各ルールの前件部および後件部の適合度を決定するため
のメンバシップ関数を記憶するメンバシップ関数部19
02と、入力変数にたいして、メンバシップ関数によっ
て定まる適合度に基づいて、ファジィルールにより推論
を行なうファジィ推論エンジン部1903とを有する。
【0100】本実施例では、図20(A)に示すよう
に、燃料流量の増加に対するプラントの1次過熱器の蒸
気温度が目標値の62%に達する立上り時間T(実線で
示す)に対するモデルの立上り時間Tm(破線で示す)
の比(Tm/T)に着眼して、それに基づくルールを記
述して、このルールに、試運転やシミュレーションで得
られる前記比(Tm/T)について、同図(B)に示す
ように、予め定めたメンバシップ関数の適合度に応じ
て、ルールを適用し、ファジィ推論を行い、パラメータ
をチューニングする。
【0101】ファジィルール部1901には、例えば、
次のようなルールが記憶される。ここでは、無駄時間要
素303の時定数T3を修正係数C3を用いて修正する例
を示す。 ルール1:(Tm/T)が小ならば、T3の修正係数C3
を大きくする。 ルール2:(Tm/T)が適正ならば、T3の修正係数
3は適正。 ルール3:(Tm/T)が大ならば、T3の修正係数C3
を小さくする。
【0102】ファジィ推論エンジン部1903では、図
21に示すように、入力された(Tm/T)を、図20
(B)に示す(Tm/T)のメンバシップ関数にあては
めて、その適合度を求める。そして、得られた適合度
を、修正係数C3のメンバシップ関数にあてはめて、そ
の適合度に含まれる部分面積について、重心を求め、そ
の重心の位置に相当する修正係数を決定する。同図に示
す例では、ルール1および2に適合度を有するので、そ
れぞれの後件部の適合度に含まれる領域の面積全体につ
いて、重心計算を行なう。
【0103】ここでは、1次過熱器についてのみ示した
が、これを他の過熱器についても同様に適用することが
できる。その場合、メンバシップ関数、ルールをそれぞ
れにあわせて作成すればよい。
【0104】なお、ファジィ推論モデルの作成は、例え
ば、図22に示すように行なわれる。すなわち、まず、
対象についてのデータを収集する(ステップ220
1)。そして、入出力変数間の定性的関係を抽出する
(ステップ2202)。ここでは、どのような変数を選
ぶかの選択をも行なう。さらに、ファジィルールおよび
メンバシップ関数を作成する(ステップ2203)。以
上により、モデル構造が決定される。そして、ファジィ
ルールおよびメンバシップ関数を調整して、モデルパラ
メータの同定を行なう(ステップ2204)。
【0105】このように、本例によれば、パラメータを
修正する係数が決定されるので、それに応じてパラメー
タの修正が自動的に行なえる。また、本例は、プラント
の運転データを利用して、ファジィ推論によりモデルの
パラメータを調整するので、パラメータ調整の自動化及
び調整時間の短縮ができる。なお、山登り法と比較し
て、ファジィ推論は、後で述べるニューラル・ネットワ
ークと同様、調整時間の、より一層の短縮ができる。
【0106】モデルのパラメータの修正は、ファジィ法
のほか、ニューラルネットワークを用いて行なうことも
できる。この場合には、ルールの作成は、過去のデータ
を学習させることにより行なう。
【0107】次に、ニューラルネットワークによるパラ
メータの修正について、説明する。ニューラルネットワ
ークでは、パラメータの修正についての過去のデータを
予め学習させることにより、パラメータの修正を行なう
ことができる。図23に、その構成を示す。図23に示
す例では、1次過熱器、2次過熱器および3次過熱器に
ついて、それぞれ立上り時間比(Tm1SH/T1SH、T
m2SH/T2SH、Tm3SH/T3SH)を入力して、それぞれに
対応する修正係数C31SH、C32SHおよびC33SHが得られ
る。図24に、それらの立上り時間比の関係を示す。
【0108】ニューラルネットワークモデルは、例え
ば、図25に示す手順で作成することができる。すなわ
ち、データを収集して(ステップ2501)、変数の選
択を含めて、入出力変数を決定する(ステップ250
2)。そして、ニューラルネットワークの層数およびユ
ニット数を決定して、構造を決める(ステップ250
2)。これで、モデル構造が決定される。次に、バック
プロパゲーションにより、学習を行なって、ニューラル
ネットワークの各ニューロンの重み係数を調整する(ス
テップ2504)。
【0109】この例では、プラントの運転データを利用
して、ニューラル・ネットワークによりモデルのパラメ
ータを調整するので、パラメータ調整の自動化及び調整
時間の短縮ができる。なお、山登り法と比較して、ニュ
ーラル・ネットワークは、調整時間のより一層の短縮が
できる。
【0110】以上に述べた実施例では、複数の熱交換器
をサブプロセスとして構成されるプロセスについて、各
サブプロセスのモデルとして、無駄時間要素と、物理式
により集中定数化モデルとを組み合わせたものを用いた
ものである。本発明のモデルは、1つのプロセスのみの
プロセスについても適用できることはいうまでもない。
【0111】また、本発明は、複数のサブプロセスから
なるプロセスに適用するに際し、無駄時間要素を省略す
る構成とすることもできる。さらに、このとき各サブプ
ロセスを、複数の集中定数化モデルで構成することもで
きる。
【0112】本発明の効果を示すためにシミュレーショ
ン結果を示す。図12に、その一例の構成を示し、図1
3に、シミュレーション結果を示す。
【0113】図12は、変圧貫流ボイラに適用した本実
施例の構成を示す。本実施例は、1次過熱器、2次過熱
器および3次過熱器をそれぞれサブプロセスとして、そ
れらに対応した集中定数化モデルと無駄時間要素をカス
ケードに接続して組み込んだ予測モデル601を有する
ものである。このモデル601により、1次過熱器出口
蒸気温度、2次過熱器出口蒸気温度および主蒸気温度の
近い将来値を予測して、この予測結果を用いて、PI制
御により、それぞれ1次スプレ量、燃料流量、2次スプ
レ量を操作する。
【0114】図13は、図12に示す実施例において現
在値を用いたフィードバック制御(PID制御)時の予
測モデルの評価結果を示す。図13に示す評価は、変圧
貫流ボイラの実規模シミュレータを用いて行なったもの
である。図13には、1次過熱器出口蒸気温度、2次過
熱器出口蒸気温度および主蒸気温度の5分先の蒸気温度
を破線で、実温度を実線で示す。この図から分かるよう
に、主蒸気温度の予測値は、実温度のほぼ5分前に変化
しており、良好な予測値が得られている。
【0115】次に、図12に示す実施例において、予測
値を用いた予測制御の評価結果を図14に示す。評価の
方法は、図13の場合と同じである。
【0116】図14から分かるように、本実施例では、
主蒸気温度の変動が、現在値フィードバック制御時の1
/3から1/2に抑えられており、大いに制御性が向上
することが分かる。
【0117】また、前述した実施例は、火力プラントの
例であるが、本発明は、これに限定されないことはいう
までもない。原子力プラント、化学プラント等にも適用
できる。また、前述した実施例では、予測と操作量決定
を1つのコントローラ上で行なうようにしたが、それぞ
れ別のコントローラで行なうようにすることもできる。
【0118】
【発明の効果】本発明によれば、プロセスを2つ以上の
サブプロセスで構成し、各サブプロセスを集中定数化モ
デルで構成して、上流側の演算結果を下流側に入力させ
て、順次演算すると共に、その一連の演算を予め定めた
回数繰り返すことにより状態量の予測を行うため、プロ
セスが分布定数系であってもその特性を精度よく模擬で
き、予測精度を向上することができ、かつ、サブプロセ
スごとに集中定数化モデルに対してカルマン・フィルタ
を構成するため、演算負荷を低減することができる。
【0119】
【0120】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成の概要を示すブロック
図。
【図2】火力プラントの概要を示す説明図。
【図3】本発明の実施例の蒸気温度予測システムの詳細
を示すブロック図。
【図4】本発明の実施例の予測部の詳細を示すブロック
図。
【図5】本発明の実施例の水・蒸気とガス温度との関係
を示す説明図。
【図6】本発明の実施例を構成するチューニングシステ
ムの詳細を示す説明図。
【図7】本発明の実施例の構成する火力プラント制御シ
ステムの機能構成を示すブロック図。
【図8】前記図7に示すシステムのハードウエア構成の
一例を示すブロック図。
【図9】前記図7に示すシステムのハードウエア構成の
他の例を示すブロック図。
【図10】熱交換器の集中定数化モデルの原理を示す説
明図。
【図11】本実施例による応答特性の比較を示すグラ
フ。
【図12】本発明の実施例の蒸気温度制御部分の構成を
示すブロック図。
【図13】図12のシステムにおいて、現在値による制
御を行なって、その変化を見るために予測モデルを用い
た場合の応答を示すグラフ。
【図14】図12のシステムにおいて予測モデルによる
予測値を用いて制御した場合のシミュレーション評価を
示すグラフ。
【図15】本発明のプロセス制御における予測モデルの
静特性のチューニングの処理フローを示すフローチャー
ト。
【図16】本発明のプロセス制御における予測モデルの
動特性のチューニングの処理フローを示すフローチャー
ト。
【図17】本発明のプロセス制御における予測モデルの
パラメータを、山登り法によりチューニングする際のシ
ステム構成の概要を示すブロック図。
【図18】前記山登り法によるパラメータのチューニン
グの原理を示す説明図。
【図19】本発明のプロセス制御における予測モデルの
パラメータを、ファジィ推論法によりチューニングする
際のシステム構成の概要を示すブロック図。
【図20】ファジィ推論によりパラメータをチューニン
グする際の原理を示す説明図。
【図21】パラメータのチューニングをファジィ推論で
行なう場合の手順を示す説明図。
【図22】パラメータのチューニングを行なうためのフ
ァジィ推論モデルを構築する手順を示すフローチャー
ト。
【図23】本発明のプロセス制御における予測モデルの
パラメータを、ニューラルネットワーク法によりチュー
ニングする際のシステム構成の概要を示すブロック図。
【図24】ニューラルネットワーク法によりパラメータ
をチューニングする際の原理を示す説明図。
【図25】パラメータのチューニングを行なうためのニ
ューラルネットワークモデルを構築する手順を示すフロ
ーチャート。
フロントページの続き (72)発明者 遠山 栄二 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (72)発明者 木村 亨 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (56)参考文献 特開 平4−205604(JP,A) 特開 平2−301805(JP,A) 特開 昭63−128401(JP,A) 渡辺慶二、外1名、「入・出力にむだ 時間を含むシステムの制御」、システム と制御、昭和59年、第28巻、第5号、 P.269−277 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G05B 13/00 - 13/04 F22B 35/18 F01K 13/02 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロセスのモデルを内蔵し、このモデル
    を使用して制御量の予測値を求め、この予測値に基づい
    て操作量を決定するプロセスの適応制御方法において、 前記プロセスを、当該プロセスの流れに沿う、2つ以上
    のサブプロセスで構成し、かつ、各サブプロセスを、そ
    れぞれについて個別に物理式に基づく集中定数化モデル
    で構成すると共に、サブプロセスごとに、前記集中定数
    化モデルに対してカルマン・フィルタを構成して、この
    カルマン・フィルタで、状態量およびその誤差を推定
    し、 上流側のサブプロセスのモデルによって得られる当該サ
    ブプロセスの状態量の予測値を、下流側のサブプロセス
    のモデルの入力変数の少なくとも一部とし、上流側のサ
    ブプロセスについてそのモデルにより状態量の予測値を
    求め、得られた状態量の予測値を下流側のサブプロセス
    のモデルに入力して、当該サブプロセスの状態量の予測
    値を求め、これを最下流のサブプロセスの状態量の予測
    値が求まるまで実行し、かつ、前記上流側のサブプロセ
    スの状態量の予測値を求める演算から最下流のサブプロ
    セスの状態量の予測値を求める演算までの一連の演算
    を、予め定められた回数繰り返し、前記各サブプロセス
    について得られた状態量の予測値のうち少なくとも最下
    のサブプロセスについて得られた状態量の予測値に基
    づいて、前記プロセスの操作量を決定することを特徴と
    するプロセスの適応制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプロセスの適応制御方
    法において、 前記各サブプロセスのモデルを、無駄時間要素と物理式
    に基づく集中定数化モデルとの組合せにより構成し、上
    流側のサブプロセスのモデルの物理式で求められる状態
    量の予測値を、下流側のサブプロセスの無駄時間要素を
    介して、該下流側のサブプロセスのモデルの物理式に入
    力することを特徴とするプロセスの適応制御方法。
  3. 【請求項3】 プロセスの操作量を決定して当該プロセ
    スを制御するプロセス制御システムにおいて、 プロセスをその流れに沿って構成する、2つ以上のサブ
    プロセスのモデルを内蔵し、これらのモデルを使用し
    て、プロセスの状態量を予測する状態量予測システム
    と、 プロセスに対する目標値、および、前記予測されたプロ
    セスの状態量に基づいて、プロセスに対する操作量を決
    定する操作量決定システムとを備え、 前記状態量予測システムは、 前記サブプロセス対応に設けられ、各サブプロセスのモ
    デルとして予め与えられた物理式で状態量の予測値を求
    める、2つ以上の予測値演算手段と、前記サブプロセスごとに、前記集中定数化モデルに対し
    て構成され、状態量およびその誤差を推定するカルマン
    ・フィルタと、 前記2つ以上の予測値演算手段について、上流側の予測
    値演算手段で得られたサブプロセスの状態量の予測値
    を、下流側の予測値演算手段の入力変数の少なくとも一
    部として、下流側の予測値演算手段が演算を実行するよ
    う、順次演算を実行させ、かつ、前記上流側のサブプロ
    セスに対応する予測値演算手段での予測値を求める演算
    から下流側のサブプロセスに対応する予測値演算手段で
    の予測値を求める演算までの一連の演算を、予め定めら
    れた回数繰り返させて、プロセスの状態量の予測値を求
    めるよう制御する手段とを有することを特徴とするプロ
    セス適応制御システム。
  4. 【請求項4】 請求項記載のプロセス制御システムに
    おいて、 前記状態量予測システムは、各サブプロセスのモデルとして、 無駄時間要素と前記物
    理式との組合せにより構成されるモデルを内蔵し、 上流側の予測値演算手段により求められた 状態量の予測
    値を、下流側のサブプロセスの無駄時間要素を介して
    下流側の予測値演算手段に入力させることを特徴とす
    るプロセス適応制御システム。
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