JP2915524B2 - アルミニウム・有機物混合膜 - Google Patents

アルミニウム・有機物混合膜

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、アルミニウム・有機物混合膜に関するも
のである。さらに詳しくは、この発明は、耐ピンホール
性、耐食性および耐侯性に優れ、密着強度も良好なアル
ミニウム・有機物混合膜に関するものである。
(従来の技術) 従来より、金属、ガラス、セラミックス、プラスティ
ック等の基板に、金属、無機物、有機ポリマーなどの蒸
着薄膜を形成し、絶縁膜、反射膜、光学薄膜、表示素
子、電子デバイスなどとして広く用いてきている。この
ような薄膜形成のための反応プロセスについても、これ
までに真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティン
グ、CVD,MOCVD,MBE等の様々な方法が知られている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の薄膜やその形成方法において
は、所望の特性、機能性を有する薄膜を製造するために
は、未だに改善すべき課題があり、また、薄膜の利用に
ついても様々な見地からの検討が必要とされている現状
にある。
このような課題の一つとして、たとえば基板の種類や
性状に対応し、耐ピンホール性、耐食性、耐侯性などの
表面機能性を向上させることができ、しかも密着強度に
優れた薄膜がこれまでに必ずしも実現されていないこと
が挙げられる。
この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたもの
であり、耐ピンホール性、耐食性および耐侯性に優れ
た、密着強度も良好なアルミニウム・有機混合膜を提供
することを目的としている。
(課題を解決するための手段) この発明は、上記の課題を解決するものとして、アル
ミニウムまたはその合金とポリカーボネートとの混合膜
を高周波励起型イオンプレーティングにより、Ag,Al,ま
たはMgの金属、もしくはAl2O3,MgO,またはSiO2である基
板表面に気相蒸着させてなることを特徴とするアルミニ
ウム・有機物混合膜を提供する。
この発明のアルミニウム・有機物混合膜を形成するに
あたっては、アルミニウムまたはその合金とポリカーボ
ネートとを同時に蒸発させて、高周波励起型イオンプレ
ーティングにより蒸発粒子、あるいは蒸発粒子とガス分
子を真空反応装置内のグロー放電によってプラズマ励起
し、イオン化粒子、中性粒子またはラジカルの状態とし
て、Ag,Al,またはMgの金属、もしくはAl2O3,MgO,または
SiO2である基板表面に蒸着する。この時の真空反応装置
内の圧力は、たとえば10-2〜10-5Torr程度の真空状態と
することができ、また、基板温度は、室温〜400C程度の
範囲とすることができる。なお、蒸着に際し、反応装置
内にアルゴン等の不活性ガスを導入することも可能であ
る。
この発明においては、アルミニウム・有機物混合膜を
形成する基板の材質や性状などにより、たとえば第1図
に示したように、基板(1)表面に有機重合膜(2)を
蒸着し、その上にアルミニウム・有機物混合膜(3)を
積層し、一体化して配設することができる。また、第2
図に示したように、さらにその上に有機重合膜(4)を
積層一体化することもできる。あるいはまた、第3図に
示したように、基板(1)表面にアルミニウム・有機物
混合膜(3)を蒸着し、この上に有機重合膜(5)を積
層して一体化したり、第4図に示したように、さらにそ
の上にアルミニウム・有機物混合膜(6)を積層一体化
して配設することもできる。
この場合の有機重合膜(2)(4)(5)の原料とし
ては、前述したアルミニウム・有機物混合膜の原料と同
様のポリカーボネートだけでなく、ポリアクリレート、
ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエチレン等の有機
ポリマー、または炭化水素等の有機モノマーガスを例示
することができ、また、その形成方法としても、高周波
励起型イオンプレーティングによるプラズマ重合とする
ことができる。
(実施例) 以下、実施例を示し、この発明のアルミニウム・有機
物混合膜についてさらに詳しく説明する。
実施例1 基板としてAlを用い、5×10-5Torrのアルゴンガスを
導入して、Al基板をボンバード処理し、次いで4×10-3
Torrのアルゴン圧条件下で高周波励起型イオンプレーテ
ィングによりポリカーボネートの蒸発粒子をプラズマイ
オン化して重合膜を蒸着した。この後に、同一の圧力条
件下でアルミニウムとポリカーボネートとの蒸発粒子を
プラズマイオン化して混合膜を重合膜に積層一体化し
た。なお、放電電力は300Wとした。
塩水テストを行ったところ、ピンホールは生じなかっ
た。耐食性、耐侯性ともに良好であった。また、この混
合積層膜は密着強度、耐摩耗性にも優れていた。
実施例2 実施例1で得られた混合多層膜の表面に、4×10-3To
rrのアルゴン圧条件下でポリカーボネート重合膜を積層
一体化した。
硬質の透明重合膜が得られ、表面の保護性に優れてい
た。
実施例3 基板としてMgを用い、実施例1と同様に、5×10-5To
rrのアルゴンガスを導入してMg基板をボンバード処理
し、次いで4×10-3Torrのアルゴン圧条件下で高周波励
起型イオンプレーティングによりポリカーボネートとの
蒸発粒子をプラズマイオン化して重合膜を蒸着した。こ
の後に、同一の圧力条件下でアルミニウムとポリカーボ
ネートとの蒸発粒子をプラズマイオン化して混合膜を重
合膜に積層一体化した。なお、放電電力は300Wとした。
塩水テストを行ったところ、ピンホールは生じなかっ
た。耐食性、耐侯性ともに良好であった。また、この混
合積層膜は密着強度、耐摩耗性にも優れていた。
実施例4 実施例3と同様に、Ag基板を5×10-5Torrのアルゴン
ガス圧条件下でボンバード処理した後、4×10-3Torrの
アルゴン圧条件下で高周波励起型イオンプレーティング
によりアルミニウムとポリカーボネートとの蒸発粒子を
プラズマイオン化して混合膜を蒸着した。この後に、同
一の圧力条件下でポリカーボネート重合膜を積層一体化
した。
塩水テストを行ったところ、ピンホールは生じなかっ
た。耐食性、耐侯性に優れ、硬質透明保護膜による表面
保護性も良好であった。また、この混合積層膜は密着強
度、耐摩耗性にも優れていた。
実施例5 基板としてSiO2,MgOを各々用い、実施例1と同様にし
てアルミニウム・有機物混合多層膜を蒸着した。
塩水テストによるピンホールは発生しなかった。耐食
性、耐侯性に優れ、密着強度、耐摩耗性も良好であっ
た。
もちろんこの発明は、以上の例によって限定されるも
のではない。有機重合膜の種類、蒸着条件等の細部につ
いては様々な態様が可能であることはいうまでもない。
(発明の効果) 以上詳しく説明した通り、この発明によって、耐ピン
ホール性、耐食性および耐侯性に優れ、密着強度、耐摩
耗性も良好なアルミニウム・有機物混合膜、またはこの
混合膜と有機重合膜との積層膜が提供される。特にAl,M
g基板に適用したものは、軽量であるMgの特質を生かし
つつその表面安定性に極めて優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図および第4図は、各々、この発
明の一例を示した断面図である。 1……基板 2,4,5……有機重合膜 3,6……アルミニウム・有機物混合膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/00 - 14/58 B21D 53/44

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムまたはその合金とポリカーボ
    ネートとの混合膜を高周波励起型イオンプレーティング
    により、Ag,Al,またはMgの金属、もしくはAl2O3,MgO,ま
    たはSiO2である基板表面に気相蒸着させてなることを特
    徴とするアルミニウム・有機物混合膜。
  2. 【請求項2】有機重合膜を形成した基板表面に、請求項
    (1)記載のアルミニウム・有機物混合膜を積層してな
    るアルミニウム・有機物混合多層膜。
  3. 【請求項3】請求項(2)記載のアルミニウム・有機物
    混合多層膜の上に、さらに有機重合膜を気相蒸着してな
    るアルミニウム・有機物混合多層膜。
  4. 【請求項4】請求項(1)記載のアルミニウム・有機物
    混合膜の上に、有機重合膜を気相蒸着してなるアルミニ
    ウム・有機物混合多層膜。
  5. 【請求項5】請求項(4)記載のアルミニウム・有機物
    混合多層膜の上に、請求項(1)記載のアルミニウム・
    有機物混合膜を気相蒸着してなるアルミニウム・有機物
    混合多層膜。
  6. 【請求項6】有機重合膜がポリカーボネート、ポリアク
    リレート、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリオレフ
    ィンおよび/またはポリエチレンからなる請求項(2)
    (3)または(4)記載のアルミニウム・有機物混合多
    層膜。
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