JP2928564B2 - アミノ酸メチルエステル鉱酸塩の製造法 - Google Patents

アミノ酸メチルエステル鉱酸塩の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アミノ酸メチルエステル鉱酸塩の製造法に
関するものである。さらに詳しくは、メタノール、水、
アミノ酸等の不純物の少ないアミノ酸メチルエステル鉱
酸塩を効率良く製造する方法に関するものである。
本発明のアミノ酸メチルエステル鉱酸塩は、ペプチド
合成の中間体として重要であり、また、ジペプチド系の
甘味料アスパルテームの合成原料、あるいは医薬原料と
して有用なものである。
〔従来の技術〕
アミノ酸のエステル化法は古くから知られており、基
本的には1888年にCurtius等が開発した方法が今日も用
いられている。この方法は、アミノ酸を懸濁したメタノ
ールに塩化水素を飽和させ、反応した後過剰のメタノー
ルを除き、さらにメタノールを添加して濃縮することを
繰り返すことにより脱水し、次にエーテルや石油エーテ
ルを用いて結晶化することにより目的物を得るものであ
る。しかし、この方法では、反応で生成した水を除くた
めに大量のアルコールを用いる必要がある上に、濃縮を
繰り返す過程で加水分解が進行する。このために、濾
過、乾燥で得られるエステル化物の収率は高々90%程度
である。さらに、得られたエステルに加水分解で生成し
た原料アミノ酸が多量に含まれる場合には、これらの不
純物からの分離が困難であるという問題も生じる。
また、結晶化にエーテル類を用いるため、それらの取
り扱いや回収上の問題から、工業的な実施は困難であ
る。
他にも、アミノ酸をp−トルエンスルホン酸、エタノ
ールおよび四塩化炭素と加熱して、生成する水を共沸混
合物として系外に除き、アミノ酸エチルエステルのp−
トルエンスルホン酸塩として得る方法(日化誌83,1151,
1962年)も知られているが、不揮発性の酸を用いる必要
があることや、アルコールとしてメタノールを用いた場
合にはメタノールと四塩化炭素が共沸してメタノールが
系外に除かれるため、大量のメタノールを使用する必要
があるなど、工業的には問題があった。
また、特開平1−165560には、アミノ酸とアルコール
を反応させてアミノ酸エステルを製造する際に、反応で
生成した水を原料アルコールに同伴して系外に留去しな
がらエステル化する方法が開示されている。しかしこの
方法は、水を除くために大量のアルコールが必要である
点で前述の方法と同じであり、非常に効率が悪い。
また、これらの方法でエステル化の後結晶が析出して
そのまま濾過操作により分離することができても、これ
らの濾過ケーキは反応で生成した水とかなりの量のメタ
ノールを含んでいる。これらの水やアルコールを含んだ
アミノ酸エステルをそのまま反応原料に使用すると反応
結果に悪影響を及ぼすことが多い。従って原料として用
いるアミノ酸エステル中の水やアルコールを除くことは
重要な問題である。しかし、反応混合物からの脱水およ
び脱水アルコールを完全に行うために長時間高温下での
操作を行うと、エステルの加水分解あるいはアミノ酸の
ラセミ化が進行するために、穏和な条件下で単離精製操
作を行う必要があり、効率が悪く、また収率も率いため
に工業的には問題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
この発明の目的は、アミノ酸とエタノールから、鉱酸
の存在下で、アミノ酸メチルエステル鉱酸塩を製造する
方法において、メタノール、水、アミノ酸等の不純物の
少ない高純度のアミノ酸メチルエステル鉱酸塩を効率良
く製造する方法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、鉱酸の存在下、アミノ酸とメタノール
からアミノ酸のメチルエステルの鉱酸塩を製造する方法
において、エステル化反応終了後冷却して結晶として析
出したアミノ酸メチルエステル鉱酸塩を濾過して単離
し、得られたアミノ酸メチルエステル鉱酸塩を含む湿結
晶を乾燥することにより、加水分解なく乾燥することが
でき、メタノールおよび水を殆ど含まないアミノ酸メチ
ルエステル鉱酸塩が得られることを見出した。
また、濾液は再びエステル化反応を用いることにより
アミノ酸メチルエステル鉱酸塩を高収率で効率良く製造
できることを見出した。
さらに、アミノ酸メチルエステル鉱酸塩を含む湿結晶
を有機溶媒で洗浄すると、メタノール含量の少ないアミ
ノ酸メチルエステル鉱酸塩が得られることを見出し、本
発明を完成した。
すなわち本発明は、鉱酸の存在下、アミノ酸を、その
重量の0.5ないし2倍の重量のメタノール中で、メタノ
ールでエステル化する反応溶液から、アミノ酸のメチル
エステルの鉱酸塩を高純度で高収率で製造および分離す
る循環製造方法において、 1)エステル化反応により得られる反応溶液から、冷却
によりエステル化したアミノ酸の鉱酸塩を結晶として析
出させ、 2)析出した結晶を濾過分離し、 3)分離した湿結晶から、乾燥または有機溶媒による洗
浄でメタノールおよび水を除去し、 4)濾液または濾液を濃縮して得る固形物を、反応溶液
中に蓄積される水分が20重量%以下に保たれるように反
応系に循環して再びエステル化反応に用いることを特徴
とするアミノ酸メチルエステル鉱酸塩の製造法である。
本発明に用いるアミノ酸は、天然物、非天然物を問わ
ず、また、ラセミ体、光学活性体のいずれであってもよ
い。例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、
イソロイシン、フェニルアラニン、セリン、スレオニン
等の中性アミノ酸や、リジン、アルギニン等の塩基性ア
ミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ
酸、およびそれらの官能基が保護された誘導体等であ
る。
本発明で用いる鉱酸は、アミノ酸のアミノ基と塩を形
成するとともに、エステル化の触媒となるものである
が、一般的には塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸が用
いられる。好ましくは、エステル化反応後、過剰に用い
た鉱酸を容易に除き得る塩酸が適当である。
用いる鉱酸は、アミノ酸に対して等モル以上用いられ
る。通常少過剰から5倍モル程度が用いられるが、多す
ぎると得られるアミノ酸メチルエステル鉱酸塩に付着す
る鉱酸が多くなり、中和に要するアルカリの量が多くな
る。
エステル化に用いるメタノールは、溶剤用も含め原料
アミノ酸重量の0.5〜2倍重量用いるとよい。多すぎる
とエステル化終了後冷却した時に、目的とするアミノ酸
メチルエステル鉱酸塩の収率が少なくため、できるだけ
少なく用い高濃度で反応を行うことが好ましい。しか
し、少なすぎると析出した結晶のスラリー粘度が高くな
り撹拌、移液等の操作が困難になる。
反応に不活性有機溶媒を加えて希釈することもでき
る。用いる有機溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘ
キサン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドエロフラン、ジ
オキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、塩化エチ
レン、トリクロロエチレン、テトラクロルエチレン等の
脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶媒、酢酸メチル、プロピ
オン酸メチル等の脂肪族エステル系溶媒、リン酸トリメ
チル等のリン酸エステル系溶媒を挙げることができる。
その他のエステル化の条件は特に限定されるものでは
なく、用いるアミノ酸のエステル化の難易度を考慮し温
度、時間等の条件は適宜選択しうる。通常大過剰の鉱酸
を用い、室温で数日放置するか、または、メタノールの
還流温度近くまで加温して数時間反応させる方法がとら
れる。
反応後20℃以下好ましくは10℃以下に冷却することに
より析出したアミノ酸メチルエステル鉱酸塩を、通常の
方法で濾過することにより、小量の水とメタノールが付
着した濾過ケーキが得られるが、続いて乾燥することに
より高純度のアミノ酸メチルエステル鉱酸塩を得ること
ができる。
乾燥に高温長時間かけるとアミノ酸メチルエステルが
加水分解を受けるため、出来るだけ低温で行うほうが良
い。通常、20〜80℃、好ましくは60℃以下で乾燥する。
また、好ましくは100mmHg以下の減圧下で乾燥を行う。
濾液は、そのままメタノール、鉱酸、アミノ酸を追加
してエステル化反応に用いる。リサイクルを繰り返す
と、エステル化で生じた水が反応液中に蓄積するが、生
成水の一部は、濾過ケーキに付着して系外に除かれるた
め、濾液中の水の量は、一定値以下に保つことができ
る。この蓄積量は濾過ケーキに付着して除かれる量と、
濾液とともにリサイクルされる量の比できまり、反応を
高濃度で行い、循環される濾液量を減らすことで、蓄積
する水の量を減らすことができる。
このように濾液のリサイクルを繰り返すことにより、
反応液中に蓄積される水分を20%以下に保つことによ
り、エステル化反応の反応率を高く維持することができ
る。
しかし通常は、濾液をリサイクルする前に濃縮し、含
まれる水を除いておくことが好ましい。この場合、濾液
の濃縮を比較的高温度下で行ってアミノ酸メチルエステ
ルの加水分解が起こっても、再びエステル化条件下反応
させるため、まったく問題ない。従って、濃縮温度はア
ミノ酸のラセミ化が起こらない温度であればよい。好ま
しくは、20〜60℃減圧下で行う。
本発明の方法において、エステル化反応後、20℃以
下、好ましくは10℃以下に冷却して析出した結晶を濾過
した後、有機溶媒で洗浄することによりメタノール含量
の少ないアミノ酸メチルエステル鉱酸塩のウェットケー
キを得ることができる。
有機溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘキサン等
の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル系溶媒、塩化メチレン、塩化エチレン、トリ
クロロエチレン、テトラクロルエチレン等の脂肪族ハロ
ゲン化炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸
プロピル、プロピオン酸メチル等の脂肪族エステル系溶
媒、リン酸トリメチル、リン酸トリ−n−ブチル等のリ
ン酸エステル系溶媒を挙げることができる。しかし、こ
れら溶媒に対するアミノ酸メチルエステル鉱酸塩の溶解
度が大きいと、洗浄操作により収量が少なくなるためト
ルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒が好ま
しい。特に好ましくは、トルエンが用いられる。
溶媒の量は、特に限定されるものではないが、通常ア
ミノ酸メチルエステル鉱酸塩ウェットケーキと同容量以
上が用いられ、数回洗浄される。この様な操作で得られ
るアミノ酸メチルエステル鉱酸塩中のメタノールの許容
量は、アミノ酸メチルエステルの使用目的により異なる
が、一般的にはアミノ酸メチルエステル鉱酸塩に対して
5%以下であれば問題ない。
以下、実施例により本発明の方法を詳しく説明する。
〔実施例〕
実施例1 L−フェニルアラニン165.2gを、塩化水素79gを含む
メタノール165.2gに加え、40℃で4時間撹拌する。反応
液の高速液体クロマトグラフィーによる分析の結果、L
−フェニルアラニンメチルエステルへの転化率は99%以
上に達した。
反応後、3℃まで冷却し濾過することにより258.6gの
濾過ケーキを得た。このケーキの分析の結果、水分は3.
6%でメタノールは13.0%であった。
この濾過ケーキを50℃で10時間通風乾燥することによ
り純度96.8%、水分0.2%、L−フェニルアラニン1.2%
を含むL−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩197.
6gを得た。
収率88.7%。
一方、150.8gの濾液は、100mmHgの減圧下、60℃で濃
縮することによりL−フェニルアラニンメチルエステル
塩酸塩19.8%、L−フェニルアラニン塩酸塩23.3%、水
分10.3%を含む固形物43.9%を得た。この固形物を136.
3gのメタノールに溶解し、新たにL−フェニルアラニン
150.2gを加えて40℃以下で塩酸ガス79gを吸収させる。4
0℃で4時間反応した後3℃まで冷却して析出した結晶
を濾過した。得られた濾過ケーキを50℃で10時間通風乾
燥することにより、1.1%のL−フェニルアラニンを含
む水分0.1%、純度97.2%のL−フェニルアラニンメチ
ルエステル塩酸塩199.5gを得た。新たに加えたL−フェ
ニルアラニンに対する収率は98.9%であった。
濾液はフェニルアラニン換算で14.9gのフェニルアラ
ニンメチルエステル塩酸塩とフェニルアラニン塩酸塩と
を含み、再びエステル化反応に用いる。
実施例2 実施例1と同様の方法でエステル化反応を行い、冷却
して析出した結晶を濾過、乾燥することにより、純度9
7.3%、水分0.1%、L−フェニルアラニン1.1%を含む
L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩193.3gを得
た。
収率87.2%。
一方、L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩1
6.3%、L−フェニルアラニン0.5%、水分4.4%を含む1
49.7gの濾液を濃縮せずそのまま用い、64.8gのメタノー
ルと新たにL−フェニルアラニン145.8gを加えて40℃以
下で塩酸ガス49.1gを吸収させる。40℃で4時間反応し
た後5℃まで冷却して析出した結晶を濾過した。得られ
た濾過ケーキを50℃で10時間通風乾燥することにより、
1.1%のL−フェニルアラニンを含む水分0.1%、純度9
8.2%のL−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩19
0.1%を得た。新たに加えたL−フェニルアラニンに対
する収率は98.1%であった。
ここで得られた濾液を濃縮せずそのままリサイクルす
る操作を繰り返した5回目の反応マス中の水分は8.3%
であった。エステル化反応後の反応率は97%に達し、冷
却後濾過、乾燥して得られた結晶は2.3%のL−フェニ
ルアラニン、水分0.1%を含み、純度96.3%であり、6
回行った反応を通算して新たに加えたL−フェニルアラ
ニンに対する収率は97.1%であった。
比較例1 実施例1と同様の方法でエステル化反応を行った後、
メタノールを減圧下温度50℃で濃縮し、さらにメタノー
ル200gを加えて濃縮する操作を2回繰り返す。得られた
オイル状残渣にエチルエーテルを加えて結晶化し、濾
過、乾燥することにより純度93.3%のL−フェニルアラ
ニンメチルエステル塩酸塩211.1gを得た。収率91.3%で
水分0.3%、L−フェニルアラニンを5.1%含んでいた。
実施例3 L−フェニルアラニンのかわりにL−アラニン89.1g
を用い、メタノールを89.1gに、塩酸を42.6gにした他は
実施例1と同様の方法でエステル化反応を行い、冷却し
て析出した結晶を濾過、乾燥することにより、純度97.7
%、水分0.1%、L−アラニン1.2%を含むL−アラニン
メチルエステル塩酸塩120.5gを得た。
収率84.3%。
一方、70.2gの濾液は、100mmHgの減圧下、60℃で濃縮
することによりL−アラニンメチルエステル塩酸塩26.5
%、L−アラニン塩酸塩30.5%、水分8.5%を含む固形
物30.3%を得た。この固形物を71.0gのメタノールに溶
解し、新たにL−アラニン76.5gを加えて40℃以下で塩
酸ガス42.6gを吸収させる。40℃で4時間反応した後3
℃まで冷却して析出した結晶を濾過した。得られた濾過
ケーキを50℃で10時間通風乾燥することにより、0.9%
のL−アラニンを含む水分0.1%、純度98.7%のL−ア
ラニンメチルエステル塩酸塩120.4gを得た。新たに加え
たL−アラニンに対する収率は99.1%であった。濾液は
フェニルアラニン換算で12.2gのアラニンメチルエステ
ル塩酸塩とアラニン塩酸塩とを含み、再びエステル化反
応に用いる。
実施例4 L−フェニルアラニンのかわりにL−アスパラギン酸
133.1gを用い、メタノールを133.1gに、塩酸を64gにし
た他は実施例1と同様の方法でエステル化反応を行い、
冷却して析出した結晶を濾過、乾燥することにより、純
度96.5%、水分0.2%、L−アスパラギン酸とL−アス
パラギン酸のα及びβ−モノメチルエステルの合計で2.
6%を含むL−アスパラギン酸ジメチルエステル塩酸塩1
60.5gを得た。
収率78.4%。
一方、116.2gの濾液は、100mmHgの減圧下、60℃で濃
縮することによりL−アスパラギン酸ジメチルエステル
塩酸塩5.6%、L−アスパラギン酸塩酸塩55.2%、水分
6.4%を含む固形物61.1gを得た。この固形物を100.7gの
メタノールに溶解し、新たにL−アスパラギン酸104.4g
を加えて40℃以下で塩酸ガス64gを吸収させる。40℃で
4時間反応した後3℃まで冷却して析出した結晶を濾過
した。得られた濾過ケーキを50℃で10時間通風乾燥する
ことにより、L−アスパラギン酸とL−アスパラギン酸
のα及びβ−モノメチルエステルの合計で2.8%を含む
水分0.2%、純度97.1%のL−アスパラギン酸ジメチル
エステル塩酸塩156.4gを得た。新たに加えたL−アスパ
ラギン酸に対する収率は98.0%であった。濾液はアスパ
ラギン酸換算で18.6gのアスパラギン酸メチルエステル
塩酸塩とアスパラギン酸塩酸塩とを含み、再びエステル
化反応に用いる。
実施例5 L−フェニルアラニンのかわりにL−セリン105.6gを
用い、メタノールを105.6gに、塩酸を50.5gにした他は
実施例1と同様の方法でエステル化反応を行い、冷却し
て析出した結晶を濾過、乾燥することにより、純度97.0
%、水分0.2%、L−セリン0.7%を含むL−セリンメチ
ルエステル塩酸塩134.4gを得た。
収率83.8%。
一方、84.9gの濾液は、100mmHgの減圧下、60℃で濃縮
することによりL−セリンメチルエステル塩酸塩12.1
%、L−セリン塩酸塩39.5%、水分12.8%を含む固形物
43.9gを得た。この固形物を78.2gのメタノールに溶解
し、新たにL−セリン89.1gを加えて40℃以下で塩酸ガ
ス50.5gを吸収させる。40℃で4時間反応した後3℃ま
で冷却して析出した結晶を濾過した。得られた濾過ケー
キを50℃で10時間通風乾燥することにより、0.9%のL
−セリンを含む水分0.1%、純度97.2%のL−セリンメ
チルエステル塩酸塩133.6gを得た。新たに加えたL−セ
リンに対する収率は98.4%であった。濾液はセリン換算
で16.2gのセリンメチルエステル塩酸塩とセリン塩酸塩
とを含み、再びエステル化反応に用いる。
実施例6 L−フェニルアラニンのかわりにL−リンジ塩酸塩18
6.2gを用い、メタノールを182.6gに、塩酸を87.3gにし
た他は実施例1と同様の方法でエステル化反応を行い、
冷却して析出した結晶を濾過、乾燥することにより、純
度96.6%、水分0.2%、L−リジン塩酸塩1.3%を含むL
−リジンメチルエステル二塩酸塩134.4gを得た。収率8
1.3%。
一方、190.9gの濾液は、100mmHgの減圧下、60℃で濃
縮することによりL−リジンメチルエステル二塩酸塩2
3.3%、L−リジン二塩酸塩51.0%、水分12.3%を含む
固形物52.0gを得た。この固形物を162.2gのメタノール
に溶解し、新たにL−リジン塩酸塩151.0gを加えて40℃
以下で塩酸ガス87.3gを吸収させる。40℃で4時間反応
した後3℃まで冷却して析出した結晶を濾過した。得ら
れた濾過ケーキを50℃で10時間通風乾燥することによ
り、L−リジン塩酸塩1.5%を含む水分0.2%、純度96.3
%のL−リジンメチルエステル二塩酸塩197.0gを得た。
新たに加えたL−リジン塩酸塩に対する収率は98.4%で
あった。濾液はリジン酸換算で31.0gのリジンメチルエ
ステル塩酸塩とリジン塩酸塩とを含み、再びエステル化
反応に用いる。
実施例7 L−フェニルアラニン165.2gとメタノールを165.2gを
用い、塩酸のかわりに98%硫酸120.1gを加えて60℃で8
時間反応させた。実施例1と同様に冷却して析出した結
晶を濾過、乾燥することにより、純度95.7%、水分0.3
%、L−フェニルアラニン2.4%を含むL−フェニルア
ラニンメチルエステル塩酸塩184.9gを得た。
収率63.8%。
一方、200.7gの濾液は、100mmHgの減圧下、50℃で濃
縮することによりL−フェニルアラニンメチルエステル
塩酸塩24.0%、L−フェニルアラニン硫酸塩50.5%、水
分16.5%を含む固形物120.3%を得た。この固形物を15
3.7gのメタノールに溶解し、新たにL−フェニルアラニ
ン109.9gと98%硫酸66.6gを加える。60℃で8時間反応
した後3℃まで冷却して析出した結晶を濾過した。得ら
れた濾過ケーキを50℃で10時間通風乾燥することによ
り、3.0%のL−フェニルアラニンを含む水分0.2%、純
度95.4%のL−フェニルアラニンメチルエステル硫酸塩
181.9gを得た。新たに加えたL−フェニルアラニンに対
する収率は94.1%であった。濾液はフェニルアラニン換
算で56.3gのフェニルアラニンメチルエステル硫酸塩と
フェニルアラニン硫酸塩とを含み、再びエステル化反応
に用いる。
実施例8 L−フェニルアラニン165.2gとメタノールを165.2gを
用い、塩酸の代わりに89%燐酸132.1gを加えて60℃で8
時間反応させた。実施例1と同様に冷却して析出した結
晶を濾過、乾燥することにより、純度95.1%、水分0.3
%、L−フェニルアラニン3.0%を含むL−フェニルア
ラニンメチルエステル燐酸塩169.4gを得た。
収率58.1%。
一方、227.2gの濾液は、100mmHgの減圧下、60℃で濃
縮することによりL−フェニルアラニンメチルエステル
燐酸塩18.8%、L−フェニルアラニン燐酸塩55.7%、水
分16.3%を含む固形物138.9%を得た。この固形物を15
5.1gのメタノールに溶解し、新たにL−フェニルアラニ
ン101.1gと89%燐酸67.4gを加える。60℃で8時間反応
した後3℃まで冷却して析出した結晶を濾過した。得ら
れた濾過ケーキを50℃で10時間通風乾燥することによ
り、3.2%のL−フェニルアラニンを含む水分0.2%、純
度95.1%のL−フェニルアラニンメチルエステル硫酸塩
169.8gを得た。新たに加えたL−フェニルアラニンに対
する収率は95.2%であった。濾液はフェニルアラニン換
算で63.6gのフェニルアラニンメチルエステル燐酸塩と
フェニルアラニン燐酸塩とを含み、再びエステル化反応
に用いる。
実施例9 L−フェニルアラニン165.2gを、塩化水素98gを含む
メタノールを165.2gに加え、40℃で4時間撹拌する。反
応液の高速液体クロマトグラフィーによる分析の結果、
L−フェニルアラニンメチルエステルへの転化率は99%
以上に達した。
反応後、3℃まで冷却し濾過することにより252.4gの
濾過ケーキを得た。このケーキの分析の結果、水分は3.
5%でメタノールは13.8%であった。
この濾過ケーキを200gのトルエンに再分散し、30分撹
拌した後濾過して215.6gのケーキを得た。分析の結果、
純度88.7%、L−フェニルアラニン2.2%、水分2.6%、
メタノール4.2%であった。収率88.7%。
実施例10 L−フェニルアラニン165.2gを、塩化水素98gを含む
メタノールを165.2gとトルエン80gの混合溶媒に加え、4
0℃で4時間撹拌する。反応液の高速液体クロマトグラ
フィーによる分析の結果、L−フェニルアラニンメチル
エステルへの転化率は99%以上に達した。
反応後、3℃まで冷却し3層に分離した反応マスをそ
のまま濾過することにより223.7gの濾過ケーキを得た。
このケーキの分析の結果、水分は2.3%でメタノールは
5.9%であった。
この濾過ケーキを200gのトルエンに再分散し、30分撹
拌した後濾過して213.4gのケーキを得た。分析の結果、
純度87.4%、L−フェニルアラニン2.4%、水分1.9%、
メタノール2.3%であった。収率86.5%。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、メタノール中生成したアミノ
酸メチルエステルを、加水分解反応を伴うメタノールの
濃縮工程を経ずに、水分が少ない濾過ケーキの形で単離
できるため、あとの工程によってはそのまま反応原料と
して使用することもできるし、乾燥しても加水分解する
ことなく高純度のアミノ酸メチルエステル鉱酸塩が得ら
れる。また、濾過ケーキを乾燥せずに有機溶媒で洗浄す
れば、メタノールの少ないアミノ酸メチルエステル鉱酸
塩のウェットケーキが得られ、目的により、反応原料と
してそのまま使用できる。
また、本発明の方法は、濾液をそのままあるいは濃縮
して再利用するため原料アミノ酸のロスを最小限に抑え
ることができ高収率であり、工業的に効率の良いアミノ
酸メチルエステルの製造法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 229/36 C07C 229/36 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭62−96453(JP,A) 特開 昭58−52252(JP,A) 特開 昭57−159746(JP,A) 特開 昭53−127412(JP,A) 特開 昭50−71642(JP,A) 特公 昭39−6656(JP,B1) 米国特許4684745(US,A) 米国特許4173562(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 229/08,229/22,229/24 C07C 229/26,229/36,227/18 C07B 61/00 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉱酸の存在下、アミノ酸を、その重量の0.
    5ないし2倍の重量のメタノール中で、メタノールでエ
    ステル化する反応溶液から、アミノ酸のメチルエステル
    の鉱酸塩を高純度で高収率で製造および分離する循環製
    造方法において、 1)エステル化反応により得られる反応溶液から、冷却
    によりエステル化したアミノ酸の鉱酸塩を結晶として析
    出させ、 2)析出した結晶を濾過分離し、 3)分離した湿結晶から、乾燥または有機溶媒による洗
    浄でメタノールおよび水を除去し、 4)濾液または濾液を濃縮して得る固形物を、反応溶液
    中に蓄積される水分が20重量%以下に保たれるように反
    応系に循環して再びエステル化反応に用いることを特徴
    とするアミノ酸メチルエステル鉱酸塩の製造法。
  2. 【請求項2】乾燥を60℃以下の温度で行うことを特徴と
    する請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】有機溶媒がトルエンである請求項1記載の
    製造法。
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