JP2940465B2 - 電子機器と成型品の製造方法 - Google Patents

電子機器と成型品の製造方法

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JP2940465B2
JP2940465B2 JP8078530A JP7853096A JP2940465B2 JP 2940465 B2 JP2940465 B2 JP 2940465B2 JP 8078530 A JP8078530 A JP 8078530A JP 7853096 A JP7853096 A JP 7853096A JP 2940465 B2 JP2940465 B2 JP 2940465B2
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薫 志水
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光触媒または抗菌部
材の利用方法に関し、詳しくは、筐体または映像表示体
の内少なくとも一方の表面に光触媒または抗菌部材を備
え、表面に付着した有機物(アセトアルデヒドやアンモ
ニアや垢や油煙やタバコの煙等)の分解作用、殺菌作
用、脱臭作用を備えた電子機器(音響・映像機器など)
に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピューター、コンピュー
タ端末などのディスプレイ装置、CRT(陰極線管)ま
たは液晶パネルを用いたテレビジョン受信機、CRTま
たは液晶パネルの映像を拡大投射する投射型テレビジョ
ン受信機などの映像機器や計測器、またはFM文字多重
ラジオ、ステレオ、ラジカセ、MD(ミニディスク)等
の音響機器は、油煙やタバコの煙や手脂またはこれらに
付着するほこり(塵埃)を嫌う。
【0003】理由は、故障または電気的な接続不良の原
因になる恐れがある為である。これらを避けるには筐体
(キャビネット)内に収納した電子回路を保護するため
開口部をできるだけ少なくし、油煙、タバコの煙、ほこ
り(塵埃)の侵入を防止することが望ましい。しかし、
内部に収納したCRTや映像制御回路等の発熱により最
小限の放熱孔は必要となる。この放熱孔より油煙、タバ
コの煙、ほこりなどが侵入する。また、CRTや筐体の
表面に付着する。場合によっては悪臭を発する。
【0004】従来、CRTなどの映像表示体や筐体の表
面に付着した汚れは人手により洗剤などを併用し拭き取
っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法で
は、音響・映像機器の表面に付着した有機物等の汚れや
悪臭は人手により除去され、自動的に分解、除去される
ものでなかった。
【0006】本発明はCRTや筐体の表面に付着した油
煙やタバコの煙や有機物や手垢等の分解作用、殺菌作
用、脱臭作用を備えた音響・映像機器を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明における音響・映像などの電子機器は、光触
媒または抗菌部材の粉末粒子を音響・映像機器の表面に
備えた構成とし、近紫外線を受けることにより表面に付
着した汚染物質や悪臭を除去する、または表面に付着し
た細菌の繁殖を防止することを特徴とする。
【0008】光触媒または抗菌部材を表面に備える具体
的手段の一例としては、音響・映像機器の表面に、光触
媒または抗菌部材を含んだ接着剤を塗布する構成として
いる。
【0009】さらにもう一つの手段としては、筐体(キ
ャビネット)または映像表示体を成形する過程たとえば
射出成形過程において、光触媒または抗菌部材の粉末粒
子を、成形材料たとえば樹脂部材またはガラス部材の表
面に配設した構成としている。
【0010】光触媒または抗菌部材を含ませる接着剤と
しては熱硬化性のアクリル系樹脂部材(例えばアクリル
メラミン樹脂)やアルキッドメラミン樹脂部材、または
酢酸ビニール系、またはフッ素樹脂系、またはシリコン
樹脂系、またはエポキシ樹脂系またはUV樹脂(紫外線
硬化樹脂)等の有機バインダの内いずれか一つとしてい
る。
【0011】接着剤に含ませる光触媒としては例えば二
酸化チタン、または二酸化チタンと活性炭との混合物等
任意の光触媒を用いてよい。
【0012】音響・映像機器の表面に固定した光触媒の
表面は、当初、前記有機バインダ(アクリル系樹脂接着
剤等)により被覆されている。しかし、光触媒は300
nm〜400nmの近紫外線を受けることにより、近紫
外線を受けた側(大気と接する表面側)の有機バインダ
は分解除去され光触媒が露出する。そして光触媒として
機能する。
【0013】二酸化チタン、または二酸化チタンと活性
炭との混合物等からなる光触媒を映像機器の表面に配設
することにより、表面の汚れを防いだり表面の菌を殺し
たり、しみついた匂いを取る。
【0014】即ち、太陽や蛍光灯や紫外線ランプなどか
ら300nm〜400nmの近紫外線を受けた光触媒は
活性化して有機物、窒素酸化物、塩素化合物等を酸化し
分解する。
【0015】光触媒を含んだ接着剤の塗布厚さは最小
0.1ミクロンメートル〜30ミクロンメートル程度と
している。接着剤に配合する光触媒の配合比は0.5W
%〜20W%とし、光触媒の重量平均粒径を0.01ミ
クロンメートル〜100ミクロンメートルの範囲として
いる。
【0016】光触媒の構成としては例えば特開平4−4
5853号公報などが提案されている。ここでは、還元
性の触媒活性成分を担持した触媒と、酸化性の触媒活性
成分を担持した光触媒とを互いに接触させ、しかも撥水
性物質をいずれかに接触させることにより、高活性な光
触媒を構成している。
【0017】具体例としては、銅、水銀等の炭酸ガスの
還元反応に対して触媒活性を持つ成分を、カーボンブラ
ック等の導電性担体に担持させる。また、銀、白金等の
水の酸化酸化反応に対して触媒活性を持つ成分を、二酸
化チタン等の半導体に担持させる。そして両者を互いに
接触させるが、活性点が離れているので、電荷の再結合
を妨げる。また、撥水性物質をいずれかに接触させるの
で、触媒は浮上して水溶液表面層に存在し高活性な光触
媒を得る。
【0018】また、チタンのアルコキシド化合物を等モ
ルのエタノール等に溶解させ、塩酸等を加えて加水分解
する。得られたチタン酸化物は粘結剤なしで任意の形状
に形成できる。
【0019】なお、二酸化チタンはアナターゼ型のもの
が好ましいが、銅、銀、白金、その他の金属でメタライ
ズされたルチル型二酸化チタンとしてもよい。
【0020】また、W0↓2、CdS、SrTiO↓
2、MoS↓2のような半導体で光触媒を形成するよう
にしてもよい。
【0021】本発明は上記した構成によって、映像機器
の表面に付着した有機物や悪臭等を特別の装置や人手を
用いることなく除去することが可能となる。
【0022】即ち、光触媒に太陽光または蛍光灯等の近
紫外線が当たることにより、有機物や窒素酸化物などを
酸化して光触媒上に捕捉することができる。その結果、
健康で快適な生活を可能にする。また、環境良化を図れ
る。
【0023】光触媒は時間の経過とともに、主として表
面の活性部分が生成物により覆われ、汚染物質除去能力
が除々に低下するが、濡れ雑巾や化学雑巾などで拭き取
ることにより活性が回復する。
【0024】接着部材に含ませる抗菌部材の形態として
は粉末粒子状または液状の内何れか一つの形態としてい
る。粉末粒子状をなす抗菌部材の外形寸法を約0.05
ミクロンメートル〜約100ミクロンメートルとしてい
る。添加量は重量比0.5%〜10%程度としている。
抗菌部材を成形品等の表面に配設することにより、成形
品に付着した細菌の生存環境を絶つ。
【0025】また、抗菌部材としてはゼオライト(抗菌
性金属イオン/銀、銅、亜鉛)、キトサン、ヨモギ、ヒ
ノキ(ヒノキチオール)、ヒバなどの内いずれか一つで
構成している。
【0026】ゼオライトは銀、銅、亜鉛など殺菌力のあ
る物質を含んだ抗菌性セラミックスをなす。
【0027】キトサンはカニ殻やエビ殻に多く含まれる
天然多糖で抗菌、抗カビ性を備える。粉末粒子として成
形品の表面に埋設、または接着部材に混入、または溶液
または水などに混入する割合は重量比約0.3%〜約数
%で十分で、粒径約5ミクロンメートル以下の微粉末と
している。
【0028】ヨモギはヨモギに含まれるタンニンが抗ア
レルギー、痒み止め効果を、クロロフィル(葉緑素)が
殺菌、制菌などの効果を備え、ヨモギの抽出液を含んだ
粒径約0.05ミクロンメートル〜約20ミクロンメー
トルのマイクロカプセルとして埋設、または塗布して対
象物の表面に固定すればよい。
【0029】ヒノキはヒノキに含まれるトロピロンが細
菌、カビなどを寄せ付けない防腐剤の役割を果たし、他
の抗菌部材と同様に数ミクロンメートルの粒径のマイク
ロカプセルとして用いればよい。
【0030】また、液状の抗菌部材としてはヒノキやヒ
バの精油(エッセンシャルオイル)、またはメトロニダ
ゾール、その他に、酢酸銀または硝酸銀を純水に溶解
し、該溶液にK↓2SO↓3とK↓2S↓2O↓3を順
次添加し、銀のチオスルファト錯体塩または銀塩の内少
なくとも一つを含む溶液としている。
【0031】また、銀のチオスルファト錯体塩または銀
塩の内少なくとも一つを含水無晶形二酸化珪素に担持吸
着させ、さらにその外表面に外殻被覆層を形成した抗菌
性複合体、または有機砒素のバイナジンなどを重量比約
0.5%〜約10%の割合で混入させればよい。
【0032】上記の他に、抗菌部材としてヨードホル
ム、銀シリカゲル系抗菌剤粒子、ジフェニール・エーテ
ル系またはシリコン第4級アンモニゥム塩(商品名AC
P−20、TK−520)、リン酸ジルコニゥムと酸化
銀の混合物、イソチオシアン酸エステルを抗菌成分とし
サイクロデキストリンで包接した化合物等任意に用いて
よい。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、光触媒を備え、近紫外線を受けることにより表面に
付着した汚染物質または臭気を除去することを特徴とす
る電子機器としたものであり、光触媒は電子機器の表面
に付着した有機物(アセトアルデヒドやアンモニアや油
煙やタバコの煙等)、窒素酸化物、塩素化合物等の汚染
物質を酸化し分解するという作用を有する。
【0034】本発明の請求項2に記載の発明は、筐体ま
たは映像表示体の内少なくとも一方に光触媒を備え、近
紫外線を受けることにより筐体または映像表示体の表面
に付着した汚染物質または臭気を除去することを特徴と
する電子機器としたものであり、電子機器の表面に付着
した汚染物質を酸化し分解するという作用を有する。
【0035】本発明の請求項3に記載の発明は、光触媒
をコンパウンドに混合し筐体を成形したことを特徴とす
る電子機器としたものであり、成形過程で光触媒を成形
品に付与できるという作用を有する。
【0036】本発明の請求項4に記載の発明は、筐体ま
たは映像表示体の内少なくとも一方の表面に光触媒を備
え、近紫外線を受けることにより筐体または映像表示体
の表面に付着した汚染物質または臭気を除去することを
特徴とする光触媒を備えた電子機器としたものであり、
電子機器の表面に付着した汚染物質を酸化し分解すると
いう作用を有する。
【0037】つぎに、請求項5に記載の発明は、映像表
示体をCRTまたは液晶表示装置またはプラズマディス
プレイ装置またはエレクトロクロミック表示装置または
発光ダイオードを用いた表示装置の内、何れか一つとし
たことを特徴とする請求項4に記載の電子機器としたも
のであり、電子機器の表面に付着した汚染物質を酸化し
分解するという作用を有する。
【0038】つぎに、請求項6に記載の発明は、光触媒
を二酸化チタンまたは二酸化チタンと活性炭との混合物
の内いずれか一方を主成分としたことを特徴とする請求
項5に記載の光触媒を備えた電子機器としたものであ
り、筐体または映像表示体の表面に付着した汚染物質を
酸化し分解するという作用を有する。
【0039】つぎに、請求項7に記載の発明は、筐体ま
たは映像表示体の内少なくとも一方の表面に光触媒を含
んだ接着材を塗布したことを特徴とする電子機器とした
ものであり、筐体または映像表示体の表面に付着した汚
染物質を酸化し分解するという作用を有する。
【0040】つぎに、請求項8に記載の発明は、筐体ま
たは映像表示体の内少なくとも一方の表面に光触媒を埋
設したことを特徴とする電子機器としたものであり、筐
体の表面に付着した汚染物質を酸化し分解するという作
用を有する。
【0041】つぎに、請求項9に記載の発明は、筐体ま
たはスクリーンの内少なくとも一方の表面に光触媒を含
んだ接着材を塗布したことを特徴とする光触媒を備えた
電子機器としたものであり、筐体の表面に付着した汚染
物質を酸化し分解するという作用を有する。
【0042】つぎに、請求項10に記載の発明は、筐体
またはスクリーンの内少なくとも一方の表面に光触媒を
埋設したことを特徴とする光触媒を備えた電子機器とし
たものであり、筐体の表面に付着した汚染物質を酸化し
分解するという作用を有する。
【0043】つぎに、請求項11に記載の発明は、筐体
の表面に抗菌部材を備え、細菌の繁殖を防止することを
特徴とする電子機器としたものであり、コンパウンドに
混合することに較べ、混入量を減らし、殺菌効果が向上
するという作用を有する。
【0044】つぎに、請求項12に記載の発明は、筐体
の表面に抗菌部材を含んだ接着材を塗布したことを特徴
とする電子機器としたものであり、筐体の表面に付着し
た細菌の繁殖を防止するという作用を有する。
【0045】つぎに、請求項13に記載の発明は、筐体
の表面に抗菌部材を埋設したことを特徴とする電子機器
としたものであり、筐体の表面に付着した細菌の繁殖を
防止するという作用を有する。
【0046】以下、本発明の実施の形態における電子機
器を、CRT(陰極線管)を用いたテレビジョン受信機
と、CRTの映像を拡大投射する投射型テレビジョン受
信機に光触媒を付与する例により図1から図5を用いて
説明する。
【0047】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1におけるテレビジョン受信機100の斜視図を示
す。図2は図1を切断線A〜Aで切断した要部断面図を
示す。
【0048】本発明のテレビジョン受信機100は図1
および図2に示すように、筐体2(キャビネット)内に
所定の電子回路基板20を備えるとともに、CRT(陰
極線管)1とスピーカ本体4とスピーカボックス5とを
所定に収納してなる。
【0049】筐体2は樹脂部材たとえばポリスチレン
(PS)を所定の形状に射出成形してなる。さらに筐体
2は、筐体2を構成する少なくとも一つの主面たとえば
前面と左右の側面とに、直径寸法0.3mm〜1mmか
らなる微細孔3を複数箇所穿設してスピーカ用放音孔域
を配設してなる。
【0050】また、前記CRT1は表面すなわち映像表
示面側とその内面側の内、少なくとも一方に光触媒10
の粉末粒子を備えた構成としている。図1の実施例では
映像を表示する外面側のみに光触媒10を備えたCRT
としている。勿論、映像表示面以外のファンネル部表面
に光触媒を備える構成としてよい。
【0051】同じく、筐体2の内面側と外面側の両側表
面に光触媒10の粉末粒子を備えた構成としている。即
ち、筐体2は天面と左右側面と正面の四つの主面の外面
側および内面側に光触媒を配設してなる。
【0052】さらに、ビス締結により筐体の後部を構成
するバックカバーの内面側と外面側の両表面にも光触媒
を所定に配設している。
【0053】CRT1および筐体2の表面に光触媒を備
える第一の手段としては、光触媒を含んだ接着剤を表面
に塗布する構成としている。
【0054】光触媒を含む接着剤としては前述のごと
く、熱硬化性のアクリル系樹脂部材(例えばアクリルメ
ラミン樹脂)やアルキッドメラミン樹脂部材、または酢
酸ビニール系、またはフッ素樹脂系、またはシリコン樹
脂系、またはウレタン樹脂系またはポリエステル樹脂
系、またはフェノール樹脂系、またはポリ塩化ビニル系
等の合成樹脂部材(または有機バインダ)の内いずれか
一つとしている。
【0055】接着剤に含ませる光触媒としては例えば二
酸化チタン、または二酸化チタンと活性炭との混合物等
任意の光触媒を用いてよい。
【0056】光触媒層の塗布厚さは最小0.3ミクロン
メートル〜30ミクロンメートル程度としている。
【0057】接着剤に配合する光触媒の配合比は0.5
W%〜20W%とし、光触媒の重量平均粒径を0.01
ミクロンメートル〜40ミクロンメートルの範囲として
いる。
【0058】好ましくは20ミクロンメートル〜40ミ
クロンメートルとし、反射防止を兼ねている。二酸化チ
タンからなる光触媒を用い反射防止膜を兼ねる場合、ア
ルコールを溶媒とした二酸化チタンをスプレー塗布しC
RTの映像表示面に凹凸を形成すればよい。
【0059】なお、上記接着剤の他に、二酸化チタン粒
子の担持方法としてエポキシ樹脂系接着剤を用いる方法
を用いてもよい。この場合は、二酸化チタン粒子に水を
含浸し、エポキシ樹脂を含んだ接着剤に分散後、映像機
器を構成するCRTと筐体の表面に塗布する。そして、
摂氏30度〜50度で一次乾燥し、シンナーを蒸発させ
た後、摂氏80度〜200度で二次乾燥し、光触媒層を
形成するものである。
【0060】また、塗布方法としては、浸漬塗装または
吹き付け塗装または静電塗装または粉体塗装またはスク
リーン印刷またはタンポ印刷など任意の手段を用いてよ
いことは言うまでもない。
【0061】さらに、二酸化チタン粒子を顔料の分散媒
に相当する部分つまり透明接着剤にあたる部分(ビヒク
ル)に分散させて塗布してよいことも同様である。
【0062】さらに、前記CRTおよび筐体の表面に光
触媒を担持させる手段として上記接着剤を用いることの
他に、有機物系の接着剤や水溶性の接着材を用いて固定
するようにしてもよい。また、UV樹脂に光触媒の粉末
粒子を含ませCRTおよび筐体の表面に塗布するように
してもよい。
【0063】さらに、筐体2の外面に光触媒を備える第
二の手段としては、図5に示すごとく、射出成形の過程
で、光触媒の粉末粒子を成形品の表面に塗布または埋設
する方法を用いてよい。
【0064】図5は射出成形装置の概念を示す要部断面
図で、図5において、固定型122と可動型123から
なる一対の金型のキャビティ内に筐体を形成する樹脂を
注入した後、可動型123を二点鎖線で示す位置まで少
量(δ=数十μm〜数百μm)後退させて筐体の内面を
構成する側に空隙部を設ける(図示せず)。この空隙部
に光触媒注入装置41Dより光触媒の粉末粒子を含んだ
ガスを注入することにより、筐体の内面に光触媒の被膜
層を形成する構成としている。
【0065】ガスに含ませる光触媒の粉末粒子径は0.
01ミクロンメートル〜100ミクロンメートルの範囲
としている。
【0066】なお、前記空隙部の内面へ光触媒を含んだ
ガスを注入するタイミングは任意に実施される。例え
ば、光触媒の粉末粒子を含んだガスを注入する場合、前
記金型キャビティ内の樹脂が冷却・固化する前に実施し
ている。
【0067】なお当然のことながら、樹脂が冷却・固化
してから光触媒を含んだガスを注入してもよい。この場
合、光触媒が付着面から剥離しないよう前記ガス中にバ
インダーや接着用樹脂や希釈溶剤などを含めてもよい。
【0068】また、光触媒を含んだ高圧ガスが前記バイ
ンダーや接着用樹脂や希釈溶剤を含まない場合、注入後
に再度、後退していた金型を前進させ光触媒の塗布面を
押圧し、光触媒層を成形品の表面または表面近傍に埋設
する様にしてもよい。
【0069】さらに、光触媒を注入するノズルは一ヵ所
に限らず複数箇所任意に配設してよい。前記溶剤として
はアルコール、トルエン、シンナー、アセトン等の任意
の溶剤を、前記接着剤としてはエポキシ樹脂、またはア
クリル樹脂や塩化ビニール樹脂やABS樹脂やPS樹脂
やポリアミド樹脂やポリカーボネート樹脂やスチレン系
樹脂等、任意の樹脂部材を所定量含んでよい。
【0070】さらに、成形品(筐体)を構成する射出成
形可能な部材としても前記の他に任意に実施してよい。
例えば、ABSやPSやPPやPEやPETなどの樹脂
部材等を用いてよい。勿論、生分解性プラスチックとし
てもよい。例えば、グルテン等の変性蛋白質部材、紙と
変性蛋白質とを混練した部材、寒天部材、ジャガイモの
でんぷんを水で練った部材、天然高分子ノバモント(商
品名マタービー/日本合成化学工業)、微生物産性ポリ
エステル系ICI(商品名バイオポール/アイ・シ・ア
イ・ジャパン)、化学合成法脂肪族系ポリエステル(商
品名ビオノーレ/昭和高分子)など任意に用いてよい。
【0071】本発明は上記した構成によって、射出成形
に用いる樹脂部材の特性を変えることがない。例えば、
樹脂部材の成形特性を変化させること無く、デザインの
多様性や使用目的に応じて任意の構造や曲面形状を構成
できる。さらに、成型品の品質も劣化しない。
【0072】さらに、射出成形の過程で光触媒の被膜層
を形成でき、被膜層構成のための作業を不要にする。従
って、プロセスが簡略化されコストを低減できる。
【0073】映像機器の表面に備えた光触媒は太陽や蛍
光灯や紫外線ランプなど300nm〜400nmの近紫
外線を受けることにより活性化し、有機物、窒素酸化
物、塩素化合物等を酸化し分解する。
【0074】光触媒の構成としては例えば特開平4−4
5853号公報などが提案されている。ここでは、還元
性の触媒活性炭成分を担持した触媒と、酸化性の触媒活
性炭成分を担持した光触媒とを互いに接触させ、しかも
撥水性物質をいずれかに接触させることにより、高活性
な光触媒を構成している。
【0075】具体例としては、銅、水銀等の炭酸ガスの
還元反応に対して触媒活性を持つ成分を、カーボンブラ
ック等の導電性担体に担持させる。また、銀、白金等の
水の酸化反応に対して触媒活性を持つ成分を、二酸化チ
タン等の半導体に担持させる。
【0076】そして、両者を互いに接触させるが、活性
点が離れているので、電荷の再結合を妨げる。また、撥
水性物質をいずれかに接触させるので、触媒は浮上して
水溶液表面層に存在し高活性な光触媒を得る。
【0077】なお、圧力流体としては圧縮空気の他に窒
素ガスや不活性ガス(例えばアルゴンガス)等任意に用
いてよい。
【0078】以上のように本発明の実施の形態1におけ
るテレビジョン受信機(映像機器)はCRTや筐体の表
面に付着した有機物や悪臭等を特別の装置や人手を用い
ることなく除去することが可能となる。
【0079】(実施の形態2)図3は本発明の実施の形
態2における投射型テレビジョン受信機200の概念の
縦断面図を示す。図4は図3の投射型テレビジョン受信
機200を構成するCRTと光学系と透過型スクリーン
31の要部断面図を示す。
【0080】図3において、符号31は透過型スクリー
ン、32はCRT、33はレンズ光学系、34はミラ
ー、35は筐体、10は光触媒を示す。
【0081】投射型テレビジョン受信機200に用いる
透過型スクリーン31は、図4に示すように、赤色光、
緑色光および青色光の投射器としてのCRT32R、3
2G、32Bから出射される光を集光フレネルレンズシ
ート41と、フレネルレンズシート41からの光を内部
に結像するとともに水平方向に拡散させるレンチキュラ
ーレンズシート42との計2枚からなる構成や、フラッ
トパネル43を加えた計3枚構成が一般に用いられてい
る。
【0082】図3および図4において、前記筐体35は
表面すなわち外面側と内面側の内、少なくとも一方に光
触媒の粉末粒子を備えた構成としている。図3の実施例
では天面、正面、左右両側面、後面のそれぞれの外面側
の主面に光触媒を備えた構成としている。
【0083】また、前記透過型スクリーンを構成するフ
レネルレンズシート41の光入射側と、前記フラットパ
ネル43の両主面に光触媒10を備えた構成としてい
る。
【0084】前記筐体35と透過型スクリーン31の表
面に光触媒を備える第一の手段としては、光触媒を含ん
だ接着剤を塗布する構成としている。
【0085】光触媒を含む接着剤としては実施の形態1
で述べたごとく、熱硬化性のアクリル系樹脂部材(例え
ばアクリルメラミン樹脂)やアルキッドメラミン樹脂部
材、または酢酸ビニール系、またはフッ素樹脂系、また
はシリコン樹脂系、またはウレタン樹脂系またはポリエ
ステル樹脂系、またはフェノール樹脂系、またはポリ塩
化ビニル系、またはエポキシ樹脂系等の合成樹脂部材
(または有機バインダ)の内いずれか一つとしている。
【0086】接着剤に含ませる光触媒としては例えば二
酸化チタン、または二酸化チタンと活性炭との混合物等
任意の光触媒を用いてよい。
【0087】光触媒層の塗布厚さは最小0.3ミクロン
メートル〜30ミクロンメートル程度としている。
【0088】接着剤に配合する光触媒の配合比は0.5
W%〜20W%とし、光触媒の重量平均粒径を0.01
ミクロンメートル〜10ミクロンメートルの範囲として
いる。これらの構成は実施の形態1の場合と同様で、光
触媒の作用についても同様である。
【0089】即ち、前記筐体35と透過型スクリーン3
1の表面に備えた光触媒が太陽や蛍光灯など300nm
〜400nmの近紫外線を受けて活性化し、筐体35と
透過型スクリーン31の表面に付着した悪臭または汚染
物質たとえば有機物、窒素酸化物、塩素化合物等を酸化
し分解、除去する。
【0090】さらに、筐体35と透過型スクリーン31
の表面に光触媒を備える第二の手段としては、図5に示
すごとく、射出成形の過程で、光触媒の粉末粒子を成形
品の表面に塗布または埋設する方法を用いている。該成
形方法は実施の形態1で説明しているので重複説明を避
ける。
【0091】なお、前記筐体35の内面側にも光触媒を
所定に配設してよいことは言うまでもない。さらに、レ
ンチキュラーレンズ表面やフレネルレンズシートのもう
一方の主面に光触媒を配設してよいことも同様である。
【0092】光触媒を備えた投射型テレビジョン受信機
(映像機器)は太陽や蛍光灯など300nm〜400n
mの近紫外線を受けて活性化し、筐体と透過型スクリー
ンの表面に付着した悪臭または汚染物質たとえば有機
物、窒素酸化物、塩素化合物等を酸化し分解、除去す
る。
【0093】なお、電子機器としては、上記CRTを用
いたテレビジョン受信機、または投射型テレビジョン受
信機等の映像機器の他に、任意の形状、任意の装置であ
ってよいことは言うまでもない。
【0094】例えば、映像表示体を液晶表示装置または
プラズマディスプレイ装置またはエレクトロクロミック
表示装置または発光ダイオードを用いた表示装置などの
内、何れか一つとし、映像表示体と該映像表示体を収納
する筐体の表面に光触媒を配設した構成としてよい。勿
論、映像機器が文字や波形、各種図形を表示する計測器
としてよいことも同様である。
【0095】さらに、3〜6インチの小型液晶テレビ、
液晶表示部を備えたビデオテープレコーダ(VTR)、
液晶表示部を備えたビデオカメラ、液晶表示部を備えた
コンパクトカメラ、ワードプロセッサ、ノートパソコン
等としてよいことも同様である。
【0096】さらに、映像機器に限らず音響機器として
FM文字多重ラジオ、ステレオ、ラジカセ、CDプレー
ヤ(コンパクトディスクプレーヤ)、MD(ミニディス
ク)、携帯電話、PHS(パーソナルハンディホンシス
テム)等としてよいことも同様である。
【0097】さらに、電子機器に配設する部材として、
光触媒に代え抗菌部材としてよいことも同様である。
【0098】また、光触媒または抗菌部材の粉末粒子を
コンパウンドに混合し、射出成形するようにしてもよ
い。この場合、成形品の表面に露出する光触媒または抗
菌部材の割合が少ないと機能効率は低下する。
【0099】
【発明の効果】以上のように本発明における電子機器は
表面に付着した悪臭または汚染物質たとえば有機物や窒
素酸化物などを酸化して光触媒上に捕捉し、特別の装置
や人手を用いることなく分解、除去することが可能とな
る。また、油煙の発生する調理室やタバコの煙が多い会
議室等での長期使用を可能にする。また、電子機器の表
面に付着した細菌の繁殖を防止する。
【0100】さらに、光触媒または抗菌部材をコンパウ
ンドに混合して筐体等を射出成形することに較べ、光触
媒または抗菌部材を電子機器の表面にのみ配設した場合
は使用量を低減でき、機能効果を向上させられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるテレビジョン受
信機の斜視図
【図2】図1を切断線A〜Aで切断した要部断面図
【図3】本発明の実施の形態2における投射型テレビジ
ョン受信機の断面図
【図4】図3を構成するCRTと光学系と透過型スクリ
ーンの要部断面図
【図5】本発明の実施の形態1、2の成形に用いる成形
装置の要部断面図
【符号の説明】
1,32,32R,32G,32B CRT(陰極線
管) 2,35 筐体(キャビネット) 3 微細孔(スピーカー用放音孔) 4 スピーカ本体 5 スピーカボックス 10 光触媒 31 透過型スクリーン 33 レンズ光学系 34 ミラー 41D 光触媒注入装置 100 テレビジョン受信機 121 成形品 122 固定型 123 可動型 124 シリンダ 150 金型 200 投射型テレビジョン受信機
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04N 5/64 571 H04N 5/64 571Z // H05K 10/00 H05K 10/00 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 5/02 A01N 55/02 B01J 21/06 B01J 35/02 G09F 9/00 H04N 5/64

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型のキャビティ内に樹脂を注入した
    後、光触媒の粉末粒子を含んだガスを注入することによ
    り射出成形の過程で成型品の表面に光触媒を配設するよ
    うにしたことを特徴とする成型品の製造方法。
  2. 【請求項2】 ガス内にバインダまたは樹脂部材の内い
    ずれか一方を含ませたことを特徴とする請求項1記載の
    成型品の製造方法。
  3. 【請求項3】 成型品を電子機器の筐体または透過型ス
    クリーンを構成するフレネルレンズシートまたはレンチ
    キュラーレンズシートまたはフラットパネルの内いずれ
    か一つとしたことを特徴とする請求項1〜2のいずれか
    1項に記載の成型品の製造方法。
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