JP2959706B2 - 地盤改良剤 - Google Patents

地盤改良剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グラウト注入用な
どの地盤の改良剤に関する。
【0002】
【従来の技術】地盤の改良のためのグラウト注入剤とし
ては、種々のものが従来から用いられてきた。現在の多
くは、水ガラス系またはセメント系のものが大半であ
る。
【0003】我が国のグラウト剤の歴史を振り返ってみ
れば、1960年代に樋口氏がセメント懸濁液と希釈水ガラ
ス溶液とを組み合わせたゲルタイムの短い不安定水ガラ
スグラウト(LW)、その後このLWに改良を加えて、
微粒子の高炉コロイドセメントと低モル比の水ガラス希
釈溶液とを組み合わせた、ゲルタイムが十数分の高強度
で恒久性の高い不安定水ガラスグラウト(C−LW)、
さらに高炉水砕スラグとポルトランドセメントの混合比
率を変化させ各モル比の水ガラス希釈溶液とを組み合わ
せた比較的にゲルタイムの長いグラウト(MS)が基礎
になっている。
【0004】現在では、浸透を目的とした場合には、水
ガラスと硬化剤とを組み合わせた溶液型のものが多い。
【0005】他方、高い強度を得る目的の場合には、懸
濁液型または半懸濁液型のものが汎用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高炉水砕スラグなどの
カルシウムを含む化合物に対してアルカリを添加する
と、加水分解が生じて高炉水砕スラグの潜在水硬性が発
現する。この性質を利用して、本出願人は先に、特開平
4−293994号公報において、高炉水砕スラグなど
のカルシウム含有物の優れた水硬性を利用するととも
に、浸透性および長時間経過後の強度に優れた地盤改良
剤として、酸化カルシウムの含有量が20〜50重量%
であり、内部構造の90%以上がガラス質であり、ブレ
ーン値が5000cm2 /g以上の微粉末と、水酸化ナト
リウムまたは水酸化カリウムと、BET 表面積が40m2
g以上のホワイトカーボンとを主材とする地盤改良剤を
提案した。
【0007】この場合、後に実施例で明らかにするよう
に、時間の経過とともに強度が増大する。たとえば、2
8日の圧縮強度が50kgf/cm2 程度になる。
【0008】しかし、強度が高いことは通常は好ましい
ことであるが、グラウト注入による地盤改良は仮設工事
として利用されることが多く、その後、本工事によっ
て、一旦強化した地盤を掘削する場合もあり、このよう
な用途の場合には、経時とともに強度が一元的または直
線的に増大することは好ましくなく、ある時間以降は強
度がそれ以上増大しないまたは増大するとしてもその勾
配が緩やかであることが望まれる。
【0009】したがって、本発明の前提たる課題は、強
度が実用上充分であるとともに、経時変化によって強度
の増加がさほどないようにすることにある。
【0010】この課題に対して、本出願人は、特開平6
−41533号公報において、前記材料系に対して石灰
岩および粘土の微粉の混合物である混和材を添加して、
強度の発現を抑制するものを先に提案した。
【0011】しかし、前記の混和材の粘土成分は特殊な
工程を経て得られるものであり、そのコスト高を招く要
因となるばかりでなく、容易に入手するもしくは汎用的
に入手できるものではない。
【0012】したがって、本発明の主たる課題は、強度
の発現の抑制材として、容易にかつ安価に入手できるも
のを使用しながら、前記前提たる課題を解決することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の地盤改良剤は、酸化カルシウムの含有量が20〜5
0重量%であり、内部構造の90%以上がガラス質であ
り、ブレーン値が5000cm2 /g以上の微粉末と、ア
ルカリ刺激剤と、炭酸カルシウムとを主材とし、前記炭
酸カルシウムが前記微粉末に対して35〜90重量%で
あることを特徴とするものである。
【0014】ここに、前記アルカリ刺激剤としては、次
記の群から選ばれた一種以上からなるものを選択するこ
とができる。 (1)水酸化ナトリウム (2)水酸化カリウム (3)アルミン酸ナトリウム (4)炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム
・カリウムからなる炭酸塩の少なくとも一種 (5)SiO2 /Na2 Oのモル比が2.5以下の非コ
ロイド性でかつイオン性である活性化水ガラス さらに、前記炭酸カルシウムは、次記の組成からなるも
のを使用できる。 Ig.loss: 43.0 〜45.0% SiO2 : 1.0%以下 Al2O3 : 0.2%以下 Fe2O3 : 0.3%以下 CaO : 54.5 〜55.5% MgO : 0.5%以下 また、さらに、BET 表面積が40m2/g以上のホワイト
カーボンを含有させることができる。
【0015】具体的に配合としては、前記微粉末が20
0〜500kg/m3、10%濃度基準で水酸化ナトリウム
が200〜500リットル/m3、ホワイトカーボンが1
0%水酸化ナトリウム溶液に対して0.01〜1.0重
量%であり、炭酸カルシウムは前記微粉末に対して50
〜90%とすることができる。
【0016】なお、ホワイトカーボンは、無水ケイ酸、
含水ケイ酸、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アルミ
ニウムの群から選ばれた一種または二種以上のものを使
用できる。
【0017】
【作用】本発明に係る微粉末として高炉(水砕)スラグ
微粉末を用いることができる。
【0018】このスラグ粒子に対して、アルカリ刺激
剤たとえ水酸化ナトリウムが刺激して、CaO-MgO-Al2O
3-nH2Oなる水和生成物が生じる。また、炭酸カルシウ
ムがアルカリと次記のように反応する。 CaCO3 +NaOH → Ca(OH)2 + Na2CO3 かかる〜の反応が連鎖的に生じ、ポゾラン反応によ
り生成したケイ酸カルシウムの微粒子が、スラグ粒子間
に有効に介在して強度の保証をする。
【0019】一方、前述のように強度の増大を望まない
場合には、スラグの量を低減させることが考えられる
が、間隙率が40%の場合の土1m3 に対して、スラグ
量をたとえば350kg/m3とする場合には、間隙充填率
が59%で28日圧縮強度が50kgf /m3であるのに対
して、スラグ量をたとえば200kg/m3とする場合に
は、間隙充填率が34%で28日圧縮強度が0〜4kgf
/m3と極端に低下し実用には適しない。したがって、特
開平4−293994号公報に提案の改良材では、強度
の高いものしか得ることができない。これはセメントペ
ーストのセメント水比(W/C)が強度を決定する事実
と同一である。
【0020】しかるに、本発明に従って、炭酸カルシウ
ムを使用すると、強度が実用性を満足する程度に発現す
るとともに、長期強度の過度の上昇を抑制することがで
きる。しかも、特開平6−41533号公報に従って、
石灰岩および粘土の微粉の混合物である混和材を添加す
る場合に比較して、同等の強度発現の抑制効果と必要な
強度を確保できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明を具体的にさらに詳説
する。本発明では、酸化カルシウムの含有量が20〜5
0重量%であり、内部構造の90%以上がガラス質であ
り、ブレーン値が5000cm2 /g以上の微粉末を用い
る。この代表例としては、高炉水砕スラグの微粉末を挙
げることができる。他の冶金スラグも用いることができ
る。微粉末中の酸化カルシウムの含有量はより好ましく
は25〜35重量%である。ブレーン値としては、浸透
性の点でより好ましくは8000〜16000cm2/g
である。粗大な粒子の場合、地盤中に対する浸透性が悪
い。ブレーン値が20000cm2 /g程度まで使用可能
であるものの、特にこれより高くとも、浸透性の向上は
さほど期待できず、また粉砕に要するコストの増大を招
く。
【0022】この種のスラグに対して、アルカリ刺激剤
が添加される。アルカリとしては、水酸化ナトリウムが
好適であるが、水酸化カリウムもコストの点を除けば使
用できるとともに、効果は基本的に同一であることを確
認済である。さらに、アルミン酸ナトリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム・カリウムから
なる炭酸塩の少なくとも一種、SiO2 /Na2 Oのモ
ル比が2.5以下、さらに好適にはモル比が1.45以
下の非コロイド性でかつイオン性である活性化水ガラス
も同様に使用できる。
【0023】この活性化水ガラスについて説明する。通
常の水ガラス、たとえばJISで規定されているたとえ
ば3号水ガラスは、コロイド性でありかつ非イオン性で
ある。これに対して、水ガラスと水酸化ナトリウムとを
接触させて、特公平2−36155号公報の第2頁の
(1)式および(2)式により接触と活性化させたもの
が活性化水ガラスである。
【0024】高炉水砕スラグの微粉末に対して、活性化
水ガラス液を添加すると、そのナトリウムにより潜在水
硬性が発現する。この場合、高炉水砕スラグの微粉末の
ガラス化率が低い場合であっても、活性化されていない
通常の水ガラスまたは他のアルカリの場合と異なり、高
炉水砕スラグ中からCa2+の引き出しが可能であり、凝結
により硬化させることができる。しかも、きわめて優れ
た浸透性を示す。
【0025】さらに、本発明においては微粒ホワイトカ
ーボンを添加することができる。この微粒ホワイトカー
ボンとしては、無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水ケイ酸カ
ルシウム、含水ケイ酸アルミニウムの群から選ばれた一
種または二種以上のものを用いることができる。BET 表
面積としては、40m2/g以上、好ましくは50〜30
0m2/gのものを好適に用いることができる。また、含
水ケイ酸カルシウムは、アルカリ溶液によるスラグ粒子
の加水分解速度を遅延させるので、ゲルタイムの調整が
容易となり、望ましい。
【0026】また、本発明における炭酸カルシウムとし
ては、前記の組成からなるものを使用できる。この場
合、炭酸カルシウムの粒度構成としては、平均1〜5μ
m 、最大15μm の程度(5000〜50000cm2
g)の微粉が好ましい。
【0027】本発明に係る地盤改良剤の好適な配合は、
酸化カルシウム含有微粉末が200〜500kg/m3、1
0%濃度基準で水酸化ナトリウムが200〜500リッ
トル/m3、ホワイトカーボンが10%水酸化ナトリウム
溶液に対して0.01〜1.0重量%であり、さらに前
記炭酸カルシウムは微粉末に対して35〜90重量%
(特に好適には50〜80重量%)であるものである。
【0028】微粉末は、少量のアルカリ刺激剤によって
も硬化反応を生じるが、強度の早期発現の点で所要量の
アルカリ刺激剤を添加する必要があり、10%濃度基準
で水酸化ナトリウムが200リットル/m3以上含有する
のが好ましい。逆に、水酸化ナトリウムが過剰である
と、地盤中にアルカリが残存し、生活環境を阻害する要
因を発生させる虞れがある。水酸化ナトリウムの濃度に
よって、添加量は一次反比例的に調節できる。たとえ
ば、5%濃度の場合には、400〜1000リットル/
m3となる。ホワイトカーボン微粒子の添加量は、効果を
発現させるために、0.01重量%以上添加することが
望ましい。逆に、過度に添加量が多いと、ゲルタイムが
短くなるとともに、浸透性を阻害する。炭酸カルシウム
は微粉末に対して35重量%以上とするのが望ましい。
35重量%未満では、強度が過度になりがちである。8
5重量%を超えると、目的の強度を得られない。
【0029】本発明に係る地盤改良剤において、さら
に、7000〜10000cm2 /gのセメントを25kg
/m3以下の範囲で配合することができる。このセメント
の配合は、浸透領域全体において固結を確実にならしめ
る機能がある。
【0030】本発明に係る地盤改良剤は、通常、各材料
を予め調合し一液で対象地盤施す、たとえば注入管を
介して地盤中に注入することができるが、酸化カルシウ
ム含有微粉末の懸濁液とアルカリ刺激剤たとえば水酸化
ナトリウム溶液とを別に注入管に送給し、注入管内でま
たは地盤中で合流混合させることができる。この場合、
ホワイトカーボンは一方の液側に添加することができ
る。さらに、本発明に係る地盤改良剤は、グラウト注入
の場合のほか、攪拌混合工法などの他の工法にも用いる
ことができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例を示し本発明の効果を明らかに
する。 (比較例1,2、実施例1〜6)薬液1m3に対して、高
炉水砕スラグの微粉末(ブレーン値15000cm2
g:酸化カルシウムの含有量が20〜50重量%であ
り、内部構造の90%以上がガラス質)を350kg/
m3、および10%濃度の水酸化ナトリウムを350リッ
トル/m3を基本配合とし、28日圧縮強度、経時的粘度
変化および浸透試験による浸透距離を調べた(比較例
1)。なお、実験は、練り置き時間を10分に設定し、
注入管により豊浦標準砂を充填したモールド(直径5m
mφ×長さ100 mm)に対して、注入圧力1kg/cm2
一液注入を行ったものである。
【0032】この比較例1において、前記微粉末の量の
一部を前記組成の炭酸カルシウムに置換して同様の特性
を調べた(比較例2および実施例1〜6)。結果を、表
1、図1および図2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】この結果から、粘度変化および浸透性はい
ずれも大差ないものの、強度において、炭酸カルシウム
の配合によって著しく変化する。一般に、仮設工事に用
いる場合には、28日圧縮強度としては、20kgf/cm
2 以下(場合により最高25kgf/cm2 程度までは許容
できることがある)、特に15kgf/cm2 であることが
望ましい。また、過度に強度が低いと目的の地盤の強化
の効果がない。したがって、炭酸カルシウムの配合量と
しては、35〜90重量%、特に50〜80重量%が望
ましいことが判る。
【0035】(実施例7〜11)実施例3の微粉末を1
75kg/m3、炭酸カルシウムを175kg/m3の配合を基
準にして、アルカリ刺激剤の種類を代えて、28日圧縮
強度を調べたところ、表2に示す結果を得た。なお、表
2には実施例3の結果を併示した。
【0036】
【表2】
【0037】表2によれば、挙示のアルカリ刺激剤によ
っても同様の硬化を図ることができる。なお、浸透距離
については、示していないが、実施例3と実質的に同等
であり、優れた浸透性を示す。
【0038】(実施例12〜16および参考例)実施例
3の配合に対して、ホワイトカーボン(含水ケイ酸)お
よびセメント(9000cm2 /g)を添加して、添加の
効果を調べた。また、実施例3の微粉末のブレーン値を
変更して、ブレーン値の影響を調べた。結果を表3に示
す。
【0039】
【表3】
【0040】この結果から、ホワイトカーボンの添加は
浸透性および強度の向上をもたらす。セメントの添加は
浸透性に悪化の傾向を示すものの、強度の向上効果が高
くなることが判る。
【0041】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、高炉水砕
スラグなどのカルシウム含有物の優れた水硬性を利用で
きるとともに、浸透性および長時間経過後の強度が適度
である地盤改良剤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルカリ刺激剤の添加量の相違による経時的粘
度変化グラフである。
【図2】アルカリ刺激剤の添加による浸透性の調査結果
の棒グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダニエル グヴァノ フランス国 92110 クリシ アレガン ベッタ 1 (72)発明者 ウベール バットモン フランス国 92000 ナンテール市 ワ ットフォールアベニュー 6 ソールタ ンシュ エンタープライズ内 (56)参考文献 特開 平4−293993(JP,A) 特開 平2−107542(JP,A) 特開 平6−41533(JP,A) 特表 平2−503689(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 17/02 C09K 17/06 C09K 17/12 E02D 3/12 101

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化カルシウムの含有量が20〜50重量
    %であり、内部構造の90%以上がガラス質であり、ブ
    レーン値が5000cm2 /g以上の微粉末と、アルカリ
    刺激剤と、炭酸カルシウムとを主材とし、 前記炭酸カルシウムが前記微粉末に対して35〜90重
    量%であることを特徴とする地盤改良剤。
  2. 【請求項2】前記アルカリ刺激剤が、次記の群から選ば
    れた一種以上からなる請求項1記載の地盤改良剤。 (1)水酸化ナトリウム (2)水酸化カリウム (3)アルミン酸ナトリウム (4)炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム
    ・カリウムからなる炭酸塩の少なくとも一種 (5)SiO2 /Na2 Oのモル比が2.5以下の非コ
    ロイド性でかつイオン性である活性化水ガラス
  3. 【請求項3】前記炭酸カルシウムは、次記の組成からな
    る請求項1または2記載の地盤改良剤。 Ig.loss: 43.0 〜45.0% SiO2 : 1.0%以下 Al2O3 : 0.2%以下 Fe2O3 : 0.3%以下 CaO : 54.5 〜55.5% MgO : 0.5%以下
  4. 【請求項4】さらに、BET 表面積が40m2/g以上のホ
    ワイトカーボンを含む請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の地盤改良剤。
  5. 【請求項5】前記微粉末が200〜500kg/m3、10
    %濃度基準で水酸化ナトリウムが200〜500リット
    ル/m3、ホワイトカーボンが10%水酸化ナトリウム溶
    液に対して0.01〜1.0重量%であり、前記混和材
    は微粉末に対して50〜80重量%である請求項1記載
    の地盤改良剤。
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