JP2965136B2 - 耐候性の優れた農業用蛍光フィルム - Google Patents

耐候性の優れた農業用蛍光フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐候性の優れた農業
用蛍光フィルムに関するものである。更に詳しくは、本
発明は農業用フィルムの製造に用いられる熱可塑性樹脂
に蛍光剤を混合し、更に特定の耐候剤及び流滴剤を混合
することによって農業用フィルムが一般的に持つ特性、
即ち、保温性及び耐候性と共に蛍光特性を示し、作物生
育に一層効果的に作用することのできる農業用蛍光フィ
ルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】農業用フィルムに用いられる樹脂として
ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩
化ビニル、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が挙げら
れる。これらの樹脂を農業用フィルムとして普遍的に使
用するために、樹脂に保温剤を配合してハウス内の温度
を作物生育に適合した温度に維持し、流滴剤を添加して
ハウスフィルム表面に宿る水玉が作物上に落ちること
や、日光を散らせて光透過量が低下されるのを防止し、
耐候剤を添加してフィルムを路地で1年程度使用しても
紫外線によってフィルムが酸化されることがないように
する技術を利用してきた。又、今まで農業用フィルムは
大部分単層フィルムで製造及び使用されてきたが、最近
は2層又は3層に製造してフィルム特性を更に向上させ
たものが開発されている。例えば、フィルムの流滴性を
更に向上させるために高吸収性樹脂を多層フィルムの中
層又は内層に含浸させるか、あるいは3層フィルムで製
造することによって保温性を更に向上させるか、3層フ
ィルムの各層に流滴剤を均等に含浸させて流滴性を更に
向上させた農業用フィルム等が知られている。
【0003】しかし、かかる従来のフィルム等は農業用
フィルムに要求される特性のいずれか一つの特性を更に
向上させることには成功したが、根本的に作物生育に必
要な、即ち光合成に必要な光線を多く透過させることが
できなく、作物の早期収穫及び多量収穫という目的を達
成するにはあまり寄与することができなっかた。従っ
て、農業用フィルムの光線透過性を向上させるためのに
多くの研究が行われた。即ち、植物の光合成作用に必要
な光の波長は450乃至750nmであるが、特開昭5
0−88147号公報には420乃至470nmの範囲
の青色光を示す青色増量蛍光剤を混合した農業用フィル
ムが開示されている。しかし、このフィルムは青色光を
発現させるが、植物の光合成に一層効果的な赤色光を発
現させないので、植物成長にあまり寄与することができ
なかった。
【0004】又、特開昭56−80459号公報には無
機蛍光剤を混合使用することによって、有機蛍光剤を使
用することによる蛍光特性の発現期間が短縮される短所
を持っている特公昭49−16301号公報の技術を補
完しているが、可視光線透過量が少ないし、流滴性、耐
候性等が補完されなかったので、作物生育にあまり寄与
することができなかった。
【0005】一方、国際公開特許WO85−01945
号公報には作物の生育に非常に効果的な赤色光を示す蛍
光剤を混合して蛍光特性が改良しただけでなく、保温効
果及び耐候性も一般フィルム(保温剤及び耐候剤を配合
していないフィルム)に比べて補完したものが開示され
ているが、このフィルムも耐候剤を含有するフィルムに
比べてフィルム寿命が短いという短所を持っており、特
開平3−198721号公報の技術は紫外線による蛍光
剤の寿命が短縮されるのを補完したが、蛍光特性のみ長
期維持されるだけでフィルム自体の耐候性を向上させる
ことができなかったので、これらの既存の蛍光フィルム
は農家で温床用フィルムに使用するには余り寿命が短く
て不適格であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】それ故に、本発明者等
は従来の農業用蛍光フィルムが持つ短所を補完すること
によって、好ましい蛍光特性を示すと同時に優秀な耐候
性を示す農業用蛍光フィルムを開発するため広範囲な研
究を行い、蛍光剤をこの蛍光剤と干渉効果の少ない耐候
剤と共に使用すると、このような問題を解決することが
できる点に着眼し、使用可能な蛍光剤及び耐候剤の特性
及び組成比を具体的に研究した。従って、本発明は好ま
しい蛍光特性を示すと同時に優秀な耐候性を持つ農業用
蛍光フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、200乃至4
00nmの範囲の紫外線を吸収して赤色光を発現する蛍
光剤、280nm以下の紫外線を吸収し、300nm以
上の紫外線は吸収しないか、あるいは250乃至400
nmの範囲の紫外線を吸収するが吸収バンドが単一分散
される耐候剤、及び熱可塑性樹脂を含有する農業用蛍光
フィルムに関するものである。
【0008】以下、本発明の構成を更に詳しく説明す
る。本発明の農業用蛍光フィルムにおいて蛍光剤として
は200乃至400nmの範囲の紫外線を吸収するもの
を使用するが、かかる数値限界に臨界的意義があるもの
ではないので、その付近の紫外線を一部吸収することの
できる蛍光剤まで包含する。
【0009】本発明で最も重要な要素は、蛍光特性が優
秀な蛍光剤の選択、耐候性を増加させながら蛍光剤との
干渉効果の少ない耐候剤の選択、及び各添加剤の適切な
含量の選択にある。蛍光剤は紫外線を吸収して赤色又は
青色光を発現させるが、この時、紫外線によるフィルム
の酸化現象を抑制するために使用している耐候剤も紫外
線を吸収する作用をし、それら相互間の干渉効果で蛍光
特性が低下する。しかし、蛍光剤と紫外線吸収波長範囲
が異なるか、あるいは吸収範囲が一致するとしても吸収
バンドが単一分散(monodisperse)されることによって
干渉を起こさない耐候剤を選択することによって蛍光特
性及び耐候性を同時に向上させることができる。
【0010】本発明では200乃至400nmの波長範
囲の紫外線を吸収して600乃至650nm波長範囲の
赤色光を発現させる蛍光剤として下記一般式(I)の化
合物を使用する。 Me・Xm ・Yn-m ・Lk (I) 上記式中、MeはEu、Sm又はTbを示し、X及びY
はそれぞれ独立に塩素イオン、硝酸塩イオン、モノカル
ボン酸陰イオン又はβ−ジケトンの陰イオンを示し、n
は2又は3であり、mは0又は1であり、kは0乃至3
の整数であり、Lは下記構造式を有する化合物からなる
群から選択された化合物を示し:
【化2】 ここでRはアルキルを示す。
【0011】上記一般式(I)で示される蛍光剤の代表
例としてはEu(NO3)3 Phen、Eu(TTA)3
hen、EuCl3 Phen及びEu(BBA)3Phe
nが挙げられる。ここで、Phenは1,10−フェナ
ントロリンであり、TTAはテノイルトリフルオロアセ
トンであり、BBAはベンゾイル安息香酸である。
【0012】上記蛍光剤は好ましくは最終組成物を基準
にして0.005乃至1.0重量%の範囲で含量を変化
させながら使用し、より好ましくは0.005乃至0.
6重量%の含量で使用する。0.005重量%未満であ
る場合には蛍光特性が不十分であり、0.6重量%以上
になると蛍光特性は更に増加されるが、実際作物成長に
対する寄与度は含量増加に比べてあまり向上しないし、
1.0重量%以上であれば経済性がない。
【0013】通常の耐候剤は230乃至360nmの波
長範囲の紫外線を吸収するが、耐候剤の種類によって紫
外線を吸収する波長範囲が相違する。しかし、紫外線吸
収波長帯が270乃至360nmであると、蛍光剤との
相互干渉作用を起こして蛍光特性を大いに低下させ、か
かる現象は耐候剤の含量を増加させることによって更に
顕著になる。
【0014】従って、本発明では所期の目的に従って2
80nm以下の紫外線を吸収し、300nm以上の紫外
線は吸収しないか、あるいは250乃至400nmの紫
外線を吸収するが吸収バンドが単一分散される耐候剤を
選択使用する。
【0015】このような性質を持つ耐候剤としてはチバ
−ガイギー社より商品名チヌビン(Tinuvin )622 LD
として市販されているコハク酸と4−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノール
とのエステルのポリマーや、キマソルブ(Chimassorb)
944 LDとして市販されているポリ((6−((1,
1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ)−s−トリ
アジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン
((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ)が挙げられ、それらの化学構造式は次の通りで
ある:
【化3】
【0016】上記耐候剤を添加したフィルムで路地を被
覆した場合、1年以上が経過してもフィルムの物性を維
持することができるためには、耐候剤は好ましくは最終
組成物を基準にして0.4乃至1.2重量%の含量で使
用する。0.4重量%未満の量で使用する場合には、所
望の耐候性が不十分であり、1.2重量%を超過すると
値段上昇のため経済性がないばかりでなく、耐候剤量の
増加に比べて耐候性期間があまり増加されないし、蛍光
剤との干渉の問題点ある。
【0017】又、本発明の農業用蛍光フィルムの主成分
である樹脂としてはポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体及びポリカーボネートから選択された熱可塑
性樹脂を使用し、好ましくは0.916乃至0.930
g/ccの密度及び0.1乃至5.0g/10分の溶融
指数を持つ低密度ポリエチレン、特に線形低密度ポリエ
チレン、又は酢酸ビニルの含量が1乃至21重量%であ
り溶融指数が0.2乃至5.0g/10分であるエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体を使用する。
【0018】蛍光剤及び耐候剤が配合された熱可塑性樹
脂から本発明のフィルムを製造する際には、熱可塑性樹
脂が低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン又は
エチレン−酢酸ビニル共重合体である場合には広幅フィ
ルム圧出機を使用し、膨張比2乃至2.5、加工温度1
70乃至220℃に調節して厚さ50乃至60μmのフ
ィルムを製造する。
【0019】本発明の農業用蛍光フィルムは、以上に説
明した通りの組成を持つことによって、既存の蛍光フィ
ルムが持っていた問題点、即ち耐候剤の配合によって蛍
光特性が低下されること、を卓越に補完したもので、既
存の蛍光フィルムが持っている蛍光特性と同様の蛍光特
性に加えて一般農業用フィルムの水準以上に耐候性及び
流滴性を改善することによって、作物生育に一層効果的
に使用することができる。
【0020】以下、本発明を実施例によって更に詳しく
説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例によ
って何ら制限されるものではない。 実施例1 フィルムの基本樹脂として溶融指数が0.8g/10分
であり、密度が0.920g/ccである低密度ポリエ
チレンを使用し、蛍光剤としてEu(NO)3Phen及
びEu(TTA)3Phenがそれぞれ1:1(w/w)
で混合されたものを最終組成物に対して0.1重量%混
合使用した。ここでPhenは1,10−フェナントロ
リンを示し、TTAはテノイルトリフルオロアセトンを
示す。耐候剤としてはチバ−ガイギ社のチヌビン 622L
Dを0.9重量%使用した。上記のように添加剤が配合
された樹脂組成物からスクリュー直径が150mmであ
り、ダイ直径が1200mmである光幅フィルム圧出機
を使用して膨張比2.3、加工温度200℃の条件で厚
さ60μmのフィルムをインフレーション方法で製造し
た。
【0021】比較例1 添加剤として耐候剤は使用しないで蛍光剤のみを使用す
ることを除いては、上記実施例1と同様の方法で実施し
て同一の厚さのフィルムを得た。
【0022】比較例2 市販中である日新化学工業(株)のLDPE単層フィル
ムを、本発明の農業用蛍光フィルムと蛍光特性、耐候性
及び作物生育に対する効果を比較するためのフィルムと
して使用した。LDPE単層フィルムは蛍光剤なしで耐
候剤のみを配合してインフレーション方法に従って製造
されたものである。 実験例:実施例及び比較例のフィルムの物性調査 実施例及び比較例で製造されたフィルムの物性を測定す
るに用いられた方法及び種類は次の通りである。
【0023】フィルムの蛍光特性は島津社の励起/発光
モノクロメーターで測定し、この時励起波長は350n
mとし、スキャン範囲は450乃至650nmとした。
耐候性評価はアトラス(Atlas )社のULTRA VIOLET/CON
DENSATION SCREENING装置を使用して行い、60℃で8
時間、FS40UVランプを使用してUVを調査し、4
0℃で4時間冷却させることを反復しながら、経過日数
別にフィルムの残留延伸率を測定する方式を利用した。
一方、耐候剤と蛍光剤の相互干渉作用はベックマン(Be
ckman )社のUVスペクトロメーターを利用して分析
し、この時ランプはタングステンランプを使用し、検知
器としては光電子増培管を使用した。
【0024】又、作物生育評価はそれぞれのフィルムを
被覆して作られた長さ50m、高さ2mの温室でトウガ
ラシ、トマト、イチゴ、大根及び胡瓜を栽培しながら乱
塊法で測定した。各作物は一つの温床内に2列ずつ栽培
し、二つの温室を設置して作物生育評価を行ったので、
結果的に各作物当たりの評価回数は4回であった。実施
例及び比較例のフィルムの物性を上記の如く調べた結果
を下記の表1に示す。
【0025】
【表1】 (註)1)耐候日数:ULTRAVIOLET/CONDENSATION装置にお
いてUV調査後フィルムの残留延伸率が最初延伸率の5
0%となる日数を示す。 2)LDPE単層フィルムで被覆した場合に収穫される作
物の単位面積当たりの重さを100%として測定したも
のである。 3)LDPE単層フィルムで被覆した場合の収穫日を基準
にし、収穫が速くなる程度の日数を示す。
【0026】表1の結果より、蛍光剤及びその蛍光剤と
干渉作用を起こさない適切な耐候剤が同時に配合された
本発明のフィルム(実施例1)は、蛍光剤のみを配合し
たフィルム(比較例1)に比べて蛍光特性がほぼ同等で
あるが、耐候性においては大幅な向上が達成されてお
り、また市販のLDPE単層フィルム(比較例2)に比
べて耐候性が向上しながらも蛍光特性中の総強度及び作
物生育評価において顕著な改善が示された。
【0027】
【発明の効果】本発明の農業用蛍光フィルムは、既存の
蛍光フィルムが持っているものと同等の蛍光特性に加え
て一般農業用フィルムの水準以上に耐候性を改善し、作
物生育に一層効果的に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/34 C08K 5/34 C08L 23/08 C08L 23/08 69/00 69/00 (72)発明者 ワン キ ヒョン 大韓民国 デジョンシ ユソンク シン ソンドン 152−1番地 デリムデゥレ アパート 108−803 (72)発明者 イ ゼ ホ 大韓民国 デジョンシ ユソンク シン ソンドン 152−1番地 デリムデゥレ アパート 107−1102 (72)発明者 リュ ヨン ワン 大韓民国 デジョンシ ユソンク シン ソンドン 152−1番地 デリムデゥレ アパート 107−1204 (72)発明者 カン ソン ヨン 大韓民国 デジョンシ ユソンク ウォ ウンドン 99番地 ハンビッツアパート 129−407 (56)参考文献 特開 平2−147651(JP,A) 特公 平2−40266(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 1/00 - 101/14 C08K 3/00 - 5/59

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】200乃至400nmの範囲の紫外線を吸
    収して赤色光を発現する下記一般式(I)の蛍光剤、2
    80nm以下の紫外線を吸収し、300nm以上の紫外
    線は吸収しないか、あるいは250乃至400nmの範
    囲の紫外線を吸収するが吸収バンドが単一分散される
    ハク酸と4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
    ル−1−ピペリジンエタノールとのエステルのポリマ
    ー、又はポリ((6−((1,1,3,3−テトラメチ
    ルブチル)アミノ)−s−トリアジン−2,4−ジイ
    ル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
    ル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テト
    ラメチル−4−ピペリジル)イミノ))である耐候剤、
    及びポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び
    ポリカーボネートから選択された熱可塑性樹脂を含有す
    ることを特徴とする農業用蛍光フィルム: Me・Y n ・Lk (I) 上記式中、 MeはEuを示し、Yは硝酸塩イオン又はテノイルトリフルオロアセトン
    示し、 nは2又は3であり kは1乃至2 の整数であり、 Lは下記構造式を有する化合物を示す: 【化1】
  2. 【請求項2】蛍光剤を最終組成物を基準にして0.00
    5乃至1.0重量%含有することを特徴とする請求項1
    に記載の蛍光フィルム。
  3. 【請求項3】蛍光剤を最終組成物を基準にして0.00
    5乃至0.6重量%含有することを特徴とする請求項2
    に記載の蛍光フィルム。
  4. 【請求項4】耐候剤を最終組成物を基準にして0.4乃
    至1.2重量%含有することを特徴とする請求項1〜
    の何れかに記載の蛍光フィルム。
  5. 【請求項5】熱可塑性樹脂が0.916乃至0.930
    g/ccの密度及び0.1乃至5.0g/10分の溶融
    指数を持つ低密度ポリエチレン、又は酢酸ビニルの含量
    が1乃至21重量%であり溶融指数が0.2乃至5.0
    g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体である
    ことを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の蛍光フ
    ィルム。
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