JP2965403B2 - 高負荷伝動用歯付ベルト - Google Patents
高負荷伝動用歯付ベルトInfo
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Description
のベルト本体に抗張体としてアラミド繊維心体を埋設し
てなる高負荷伝動用歯付ベルトの改良に関する。
工機の駆動用として高負荷伝動用歯付ベルトが用いられ
ている。従来は、ゴム中に抗張体としてのガラス繊維心
体を埋設し、歯部表面をナイロン織布で補強した構造の
歯付ベルトが使用されていた。ところが、近年、さらに
高負荷条件で使用できる歯付ベルトの要求が高まってき
ており、これを受けてゴムよりも強度のあるポリウレタ
ン樹脂を用い、そのポリウレタン樹脂のベルト本体中に
アラミド繊維の心体を埋設し、さらに歯部を織布や不織
布で補強することにより、高負荷条件に対応させる試み
がなされている。
ードは大きく分けて2つあり、歯部剪断及びベルト切断
である。前者の歯部剪断寿命を向上させるには、負荷が
加わってもベルト歯のピッチを正確に保てるようベルト
引張弾性率を高くすることが重要であり、かつ荷重を受
ける歯部の疲労強度を高くすることが必要である。ま
た、後者のベルト切断寿命を向上させるには、小径のプ
ーリに巻き掛けられてベルトが繰返しの屈曲を受けたと
きの心体疲労を小さくすることが必要とされる。
脂製歯付ベルトに関しては、抗張体を構成する心体がガ
ラス繊維から高弾性率のアラミド繊維に変えられ、ベル
ト本体のゴムがポリウレタン樹脂とされることによっ
て、ベルト引張弾性率及び歯部疲労強度は従来に比べ大
幅に改善され、この結果、歯部剪断寿命を飛躍的に向上
させることができる。
ことで、心体の屈曲疲労は従来よりも若干悪くなる問題
が生じる。従って、高負荷ポリウレタン樹脂製歯付ベル
トの使用範囲として、小プーリではあまり使用でき
ず、また高速では屈曲の繰返し数が多くなるので使用
できない等、使用範囲が限定されているのが現状であ
る。特に小プーリで使用できないという制約は大型の加
工機では大きな欠点であり、プーリが大きくならざるを
得ないことで、ベルト伝動系で大きなスペースをとって
しまい、装置自体が大きくなるという問題がある。
なされたもので、その目的は、上記アラミド繊維心体の
構成を改良することで、ポリウレタン樹脂製歯付ベルト
の歯部剪断寿命を向上させつつ、ベルト切断寿命をも向
上させて、小プーリや高回転でも使用できるようにする
ことにある。
に、請求項1の発明では、ベルトヤング率を増大させる
ことで、歯部の剪断寿命が延びることを見出だし、この
ベルトヤング率の増大と屈曲疲労性とを両立させるため
に、ポリウレタン樹脂製歯付ベルトに抗張体として埋設
されるアラミド繊維心体のフィラメントデニール、総デ
ニール数、心体上撚り本数、下撚り係数、上撚り係数、
ベルト幅に対する心体占有率を特定するようにした。
間隔の歯部を有するポリウレタン樹脂からなるベルト本
体に、上記歯底部に沿って抗張体としてのアラミド繊維
心体が埋設され、歯部に織布、編布、不織布等の補強材
層が形成された高負荷伝動用歯付ベルトにおいて、上記
アラミド繊維心体を、フィラメントデニールが0.9d
e〜1.6deであるフィラメントを、ベルト歯ピッチ
P(単位mm)に対して16.3P2 <d<24.5P2
のデニール数dとなるように数百から数千本束ねたフィ
ラメント束が下撚り係数1.2〜4.2で下撚りされて
なる下撚り糸を、5本引き揃えて下撚り方向とは逆方向
に上撚り係数で3.2〜4.2で上撚りすることで、心
体総デニール数Dが82P2 <D<122P2 とし、か
つベルト幅に対する心体占有率75〜95%で歯底部に
沿って埋設する。
(単位mm)をプーリ溝深さH(単位mm)に対し1.00
H<h<1.02Hとする。
体を、加熱延伸により結晶の配向角度が約9°とされた
アラミド繊維で構成する。
ラミド繊維心体は、フィラメントデニールが0.9de
〜1.6deであるフィラメントが数百から数千本束ね
られて下撚りされてなる下撚り糸を下撚り方向と逆方向
に上撚りしてなり、下撚り糸の上撚り係数が3.2〜
4.2であるので、ベルトのヤング率と屈曲疲労性とを
両立させることができる。
〜4.2であるので、心体自身の捩れのバランスの悪化
によるベルトの蛇行を招くことがないとともに、下撚り
係数が大きくなることによるベルトヤング率の低下を防
止できる。
りされているので、ベルトヤング率を確保しつつ、屈曲
疲労性を向上させることができる。また、ベルト歯部の
ピッチPに関し、アラミド繊維心体における下撚り糸デ
ニール数dが16.3P2 <d<24.5P2 であり、
心体総デニール数Dが82P2 <D<122P2 である
ので、これら限定によってもベルトヤング率と屈曲疲労
性とを両立させることができる。
〜95%であるので、十分な弾性率が得られ、かつ歯部
と抗張体層との間で層間剥離を起こし難くなり、歯部剪
断寿命を長くすることができる。
歯部の剪断寿命の向上と屈曲疲労性の向上とが両立で
き、ポリウレタン樹脂製の高負荷伝動用歯付ベルトにお
ける歯部剪断寿命を向上させつつ、ベルト切断寿命を向
上させて小プーリや高回転での使用を可能とすることが
できる。
がプーリ溝深さHに対し1.00H<h<1.02Hで
あるので、ベルトに初張力を与えた状態で、ベルト歯底
部がプーリ歯頂部に接触し、正規な噛合状態を得ること
ができ、屈曲疲労性を向上させることができる。
ラミド繊維の結晶の配向角度が約9°とされているの
で、上記各効果が有効に得られる。
する。図1は本発明の一実施例に係る高負荷伝動用の歯
付ベルトBを示し、このベルトBは、基本的には従来の
歯付ベルトと同様の構成で、内面にピッチPの間隔の歯
部2,2,…を有するベルト本体1を備え、そのベルト
本体1の各歯部2の底部に沿って抗張体としてのアラミ
ド繊維からなる心体3が埋設されている。ベルト本体1
はJIS/A硬度85°〜93°のポリウレタン樹脂か
らなる。また、各歯部2には織布、編布、不織布等から
なる補強材層4が形成されている。
記抗張体を構成するアラミド繊維心体3の構成にある。
すなわち、上記アラミド繊維心体3の総デニール数D
(デニール)は、ベルトBの歯ピッチP(単位mm)に関
し、82P2 <D<122P2 の範囲である。また、フ
ィラメント束デニール数d(単位デニール)は、同様に
16.4P2 <d<24.4P2 の範囲である。このフ
ィラメント束を下撚り係数1.2〜4.2で下撚りして
下撚り糸3aを形成し、さらに、この下撚り糸3aを図
3(b)に示すように5本引き揃えて下撚りとは逆方向
に上撚り係数3.2〜4.2で上撚りし、総デニール数
Dが上記範囲の心体3とする。この心体3を占有率75
〜95%で歯部2の底部に沿って埋設した構成である。
けられる歯付プーリ11を示し、このプーリ11は外周
に等ピッチ間隔の歯部12,12,…を有し、この歯部
12,12間にベルト歯部2が噛み合わされる溝部13
が形成されている。そして、このプーリ11の溝深さH
(単位mm)に対し、上記ベルトBの歯部2の高さh(単
位mm)は1.00H<h<1.02Hに設定されてい
る。
は加熱延伸により、結晶の配向角度を約9°としたもの
を用いる。
れぞれ順に詳細に説明する。まず、ベルト本体1を構成
するポリウレタン樹脂の硬度は85°〜93°で構成す
る。高負荷条件において、ベルトBの耐久寿命を高める
には、ポリウレタン樹脂には十分な強度が要求される。
しかし、硬度93°を越える硬さでは、小プーリへの巻
付きを繰り返すことにより、ベルト背面部に割れが生じ
易く、割れの進展によりベルト切断の危険性がある。ま
た、硬度85°を下回る硬さでは歯部の強度不足であ
り、耐久寿命が短くなる。よってポリウレタン樹脂の硬
度は85°〜93°とする必要がある。
る。アラミド繊維はガラス繊維よりも弾性率が高いの
で、負荷が加わったとき、ベルト歯のピッチをより正確
に保つことができる。
織布等の補強材層4を設けることによって、歯部2の疲
労強度を高くすることができる。
とによる負荷耐久性評価結果を示す。試験装置は図4の
構成であり、1対の歯付プーリ11,11間に歯付ベル
トBを巻き掛けたものである。ベルトBは、歯部2のピ
ッチPがP=14mm、ベルト本体1のポリウレタン樹脂
の硬度が90°、歯部2が不織布で補強され、歯部2の
形状が円弧歯形であり、歯高さhがh=4.65mm、ア
ラミド繊維心体3の抗張体を有し、歯数100T のもの
を使用した。また、各プーリ11は28T −28T で、
歯溝深さHがH=4.95mmのものを用いた。また、プ
ーリ回転数は1900rpm 、負荷トルクは15kgfmで、
ベルト幅が15mm及び12mmの2種類について行った。
ベルトヤング率の変量は上記アラミド繊維心体3の総デ
ニール数、撚り係数、加熱延伸処理により行った。心体
3のピッチは全て2.5mmである。撚り係数TMは次式
で表される。
ルアミド繊維)で結晶の配向角度OAが約15°のもの
と、これを約5%加熱延伸して配向角度OAを約9°に
したものとの2種類を用いた。ベルトヤング率は、引張
試験機に28T −28T プーリを装着し、ベルトBを巻
き掛けて引張速度50mm/min で測定した。尚、ベルト
Bは断面が一様材料でないので、便宜上、弾性率Eに断
面積Aを掛けた値AEをベルトヤング率とした。心体3
はフィラメントデニール1.4deのものと2.25d
eのものとの2種類を用いた。心体3の構成は、上記フ
ィラメントを束ねたフィラメント束を上記の撚り係数T
Mにて下撚りし、さらに、この下撚り糸を数本引き揃え
て下撚りとは逆方向に下撚り係数と同じ撚り係数TMに
て上撚りしたものを用いた。図5に示されるとおり、ベ
ルト耐久寿命は、ヤング率を高くすることで飛躍的に向
上する。
このときの試験装置は基本的に図4のものと同様で、両
プーリ11,11を上下に配置し、一方のプーリ11に
80Kgf の重量を加えてベルト張力を付与する。プーリ
11は18T −18T 、ベルト幅は15mm、プーリ回転
数3600rpm で、無負荷走行とした。その他は図5の
試験時と同じで、心体撚り係数TM=3.4,4.8の
2種類のものについて行った。図6のとおり、屈曲後の
強力は屈曲回数107 付近より急激な低下傾向を示す。
市場での使用条件は様々であるが、およそ108 〜2×
108 回程度が目安とされる。従って、ベルトBが切断
することなく走行するためには、108 回で約50%の
強力保持率を有していれば問題はない。図6に示す屈曲
疲労性の低下傾向より、2×107 回で約80%の強力
保持率を有していれば、108 回で50%の強力保持率
が推定できる。よって2×107 回で80%の強力保持
率を1つの指標と考える。
8のものは、18T プーリでも使用できる。しかしなが
ら、図5に示すとおり、撚り係数TM=4.8では、ベ
ルトヤング率が不十分であるので歯部剪断寿命が低い。
このようにベルト寿命を向上させつつ、小プーリで使用
するには、適切な心体の仕様を選定することにより、ベ
ルトヤング率と屈曲疲労性とを両立させなければならな
いことが判る。
るために、心体3の上撚り係数をTM=3.2〜4.2
としている。図7に撚り係数の変化によるベルトヤング
率及び屈曲疲労性の変化を示す。図7に示すとおり、撚
り係数TM=2.0ではヤング率は高いが、屈曲疲労性
は非常に低い。また、撚り係数TM=4.8では屈曲疲
労性は高いが、ヤング率が低くなる。ヤング率と屈曲疲
労性とを両立させるためには、撚り係数はTM=3.2
〜4.2の範囲であることが必要である。図7に示す試
験は、上撚りと下撚りとを逆方向に撚り係数を同じにし
て行った。ゴムベルトの場合、下撚り糸間の摩耗が強力
低下に大きく影響するため、上撚りと下撚りとを逆方向
に撚ると、下撚り糸間のフィラメントの交差角度が大き
くなり、より摩耗し易くなるという問題があるが、ポリ
ウレタン樹脂ベルトの場合には、下撚り糸間にポリウレ
タン樹脂が十分に充填しており、下撚り糸同士の摩耗に
よる強力低下は殆ど起きないので、下撚り係数はベルト
屈曲疲労性にあまり影響しない。一例として、下撚り糸
デニール数4500デニール、上撚り本数5、上撚り係
数TM=3.4で下撚りなしとして、図7と同条件にて
屈曲疲労性を調べたところ、強力保持率は58%であっ
た。図7に示す上下撚り係数TM=3.4のものが強力
保持率60%であったので、殆ど下撚り係数が影響して
いないことが判る。但し、下撚り係数は、大きくなるほ
どベルトヤング率が下がる傾向にあるので、最大でも上
撚り係数と同じまでとする。また、あまり小さいと、心
体自身の捩れのバランスが悪くなるので、ベルトの蛇行
を引き起こす虞れがある。従って下撚り係数はTM=
1.2〜4.2の間で設定している。
ついて説明する。図8に心体上撚り本数の変化に対する
ベルトヤング率及び屈曲疲労性の変化特性のグラフを示
す。他の要因を取り除くために、総デニール数を284
00〜29820デニールと略一定にし、撚り係数をT
M=3.4に固定し、フィラメントデニールを1.4d
eに固定して、上撚り本数と下撚り糸デニール数(フィ
ラメント数)との比率を変えることにより、上撚り本数
を変更した。アラミド繊維の伝動ベルト用撚り心体とし
ては上撚り3本が最も多く用いられている。これは、図
3(a)に示すように、下撚り糸3aにとって最も安定
した構成であるので、下撚り糸3aの引揃えが最もよ
く、この結果、強力や弾性率の変動が小さくて信頼性に
優れる理由による。この次に安定した本数は図3(b)
に示す5本撚りである。この5本撚りは、3本撚りほど
ではないがかなり安定した構成であるので、一部に用い
られている。さらに、図3(c)に示す6本撚りやこれ
以上の本数は、極めて不安定な構成であり、下撚り糸3
aの引揃えが悪くて信頼性に劣るため、殆ど使用されて
いない。図8のとおり、5本撚りは3本撚りに比べベル
トヤング率については大差ないが、屈曲疲労性が著しく
高い。また、7本撚り以上では屈曲疲労性は良いが、弾
性率が大きく低下する傾向を示す。さらに、6本撚りで
は、上記のように強力や弾性率の変動が大きく、信頼性
に問題がある。従って、心体上撚り本数は5本とする。
によるベルトヤング率及び屈曲疲労性の変化特性のグラ
フを示す。他の要因を取り除くために、総デニール数D
を28400デニールに固定して、撚り係数をTM=
3.4、上撚り本数を5本と一定にし、下撚りフィラメ
ント数の変更により、下撚り糸デニール数を揃えてフィ
ラメントデニールを変量させた。図9のとおり、フィラ
メントデニールが1.4deのものは同2.1deのも
のに比べ12%も保持率が高い。図9によりフィラメン
トデニールは1.6de以下がよいことが判る。但し、
フィラメントデニールが0.9deを下回るものは、繊
維の製造上、安定したデニールが得られず、信頼性に欠
けるため、実質的には使用できない。従って、フィラメ
ントデニールは0.9〜1.6deが選定される。
屈曲疲労性の変化特性のグラフを示す。このとき、心体
の仕様はフィラメントデニール1.4de、下撚り糸デ
ニール数5680de、下撚り係数TM=3.4、上撚
り本数5、撚り係数TM=3.4に固定し、ベルト歯高
さのみ変量した。図10のように歯高さhに対し6%の
隙間のあく設計に対し、±0%では12%保持率が良く
なる。さらに1%圧縮させれば8%良くなる。ベルト歯
高さをプーリ溝深さよりも高くすると、静的にベルトB
をプーリ11に巻き付けた状態では歯先当りとなり、ベ
ルト歯底部はプーリ歯頂部より浮き上がった状態となる
が、圧縮率2%以内であれば、初張力を与えることで沈
み込んで接触し、正規な噛合いとなる。しかし、ベルト
歯高さを2%以上大きくすると、初張力を与えても浮き
上がった状態となってしまい、PLD(ピッチラインデ
ィフレンス)が合わないために、ベルトとプーリとが噛
合い不良となってしまう。従って、ベルト歯高さhはプ
ーリ溝深さHに対し、1.00H<h<1.02Hの範
囲とすることが好ましい。これまでポリウレタン樹脂歯
付ベルトは、その殆どがH>hで設定されていたが、上
記の範囲とすることにより、屈曲疲労性を向上させるこ
とができる。
によるベルトヤング率及び屈曲疲労性のグラフを示す。
他の要因を取り除くために、フィラメントデニール1.
4de、上撚り本数5本、撚り係数TM=3.4、ベル
ト歯高さを5.00mmに固定して、下撚り糸デニール数
dを変えることにより、心体総デニール数Dを変量させ
た。また、心体総デニール数Dを小さくすれば、単位幅
当り多くの心体を埋設できるということを考慮して、心
体の占有率を約85%に固定した。上記占有率とは、ベ
ルト幅に対して心体部分の占める割合で、 占有率(%)=(Cp/Cd)×100 但し、Cp:心体ピッチ Cd:心体径(mm) で算出される。上記心体径Cdは、 Cd=2{16×D/(π3 ×9×103 ×S)}1/2 但し、D:総デニール数 S:比重(PPTAは1.44〜1.47) で算出される。この心体占有率は75〜95%に設定す
る。つまり、75%以下の占有率では、十分な弾性率が
得られない一方、95%を越えると、歯部2と抗張体層
との間で層間剥離を起こし易く、逆に歯部剪断寿命が短
くなってしまうからである。
ては、総デニール数Dが16000デニール以上有れ
ば、ヤング率7500kgf /15幅以上は保持できるの
で、高い歯部剪断寿命を保つことができる。逆に、屈曲
疲労性については、総デニール数Dが24000以下で
あれば、強力保持率は80%程度あるので、108 回の
屈曲でも50%の保持率が推定できる。従って、14mm
ピッチの歯付ベルトでは、心体総デニール数DはD=1
6000〜24000デニールの範囲で設定される。さ
らに、上撚り本数が5本であるため、下撚り糸デニール
数dはd=3200〜4800の範囲で設定される。
ルクに応じて異なる幾つかの歯ピッチがある。例えば歯
ピッチは上記14mmの他に11mm、8mm、5mm、3mm等
が工業化されている。歯付ベルト心体の改良をする場
合、上記の撚り係数に関しては、どのピッチにも適用で
きるものであるが、上記総デニール数Dや下撚り糸デニ
ール数dについては各ピッチに応じて設定されるもので
ある。本発明は、14mmピッチの歯付ベルトだけを対象
にしたものではなく、どのピッチにおいてもベルトヤン
グ率を高くしつつ屈曲疲労性を向上させることで、より
小プーリで使用できるようにした改良である。一般に、
同タイプの歯付ベルトでピッチが異なる場合、ベルト形
状はピッチに比例して略相似的に変化している。よっ
て、総デニール数Dや下撚り糸デニール数dは、ベルト
ピッチPの2乗×定数によって一般化できる。
く14mmピッチの歯付ベルトにおいて、D=16000
〜24000デニールにより一般化して、82P2 <D
<122P2 の範囲で設定される。同様に、下撚り糸デ
ニール数dは14mmピッチでd=3200〜4800d
eにより一般化して、16.3P2 <d<24.5P2
の範囲で設定される。
総デニール数DはD=5200〜7800de、下撚り
糸デニール数dはd=1050〜1560デニールの間
で設定される。
は、ベルトヤング率の増大により歯部2の剪断寿命の向
上と屈曲疲労性の向上とが両立でき、ベルトにおける歯
部剪断寿命を向上させつつ、切断寿命を向上させて小プ
ーリや高回転での使用を可能とすることができる。
とを説明するために、本発明例及び幾つかの比較例につ
いて、負荷耐久性及び屈曲疲労性の評価結果を示す。負
荷耐久性の評価試験では、図5と同条件でベルト幅を変
量して行った。屈曲疲労性の評価試験では、プーリ歯数
を18T −18T 、22T −22T 、28T −28T と
変量させ、その他の条件は図7と同一で行った。
で、その歯数は100T 、歯形は円弧状歯形とした。本
発明例及び比較例1,2はポリウレタン樹脂製ベルト
で、その硬度は全て90°であり、心体がアラミド繊維
である。
角度OA=約15°の原糸を約5%加熱延伸すること
で、配向角度OAを約9°としたアラミド繊維を使用し
た(これは、東レ・デュポンケブラー社より「ケブラー
49」という商品名で市販されている)。フィラメント
デニールは1.4デニールのもので、下撚り糸デニール
数dはd=4560デニールとした(市販の原糸デニー
ル数1140deのものを4本束ねて使用した)。これ
を下撚り係数TM=3.4で下撚りし、上撚り本数5本
でTM=3.4で上撚りしたものを用いた。心体ピッチ
は2.2mmで占有率86%とした。
発明例と同じ9°のアラミド繊維で、そのフィラメント
デニールは1.4de、下撚り糸デニール数d=568
0de(1420de×4本)、上撚り本数5、撚り係
数TM=3.4、心体ピッチCp=2.5mmで占有率8
5%とした。比較例2の心体は、結晶配向角度OA=1
5°のアラミド繊維(東レ・デュポンケブラー社製の商
品名「ケブラー29」)で、フィラメントデニール2.
25de、下撚り糸デニール数d=4500de(22
50de×2本)、上撚り本数5、撚り係数TM=4.
8、心体ピッチCp=2.5mm、占有率76%である。
ガラス繊維であり、これは広く一般に使用されている。
のグラフを示す。図12に示すとおり、市販されている
比較例3のゴムベルトに対し、本発明例及び比較例1,
2では非常に耐久寿命が長くなっている。これはベルト
主体を疲労強度の高いポリウレタン樹脂とし、さらに歯
部を繊維補強したためである。さらに、本発明例及び比
較例2では、比較例3に比べ耐久寿命が数倍上昇してい
る。これはベルトヤング率を大幅に増大させたことによ
る。尚、本発明例及び比較例2はヤング率が互いに近
く、このことにより耐久寿命も近いところにある。
屈曲疲労性のグラフを示す。図13に示すとおり、本発
明例及び比較例2は18T プーリでも強力保持率が80
%以上あるので、18T の小プーリで支障なく使用でき
る。比較例1は歯部剪断の耐久寿命が長いが、28T プ
ーリ以上でなければ使用できない。市販のゴムベルト
(比較例3)はさらに悪い結果となっている。
歯部剪断の耐久寿命も長く、かつ屈曲疲労性も良いの
で、小プーリでかつ高負荷条件で使用することができる
ことが裏付けられた。
よると、ポリウレタン樹脂からなるベルト本体に、その
歯底部に沿って抗張体としてアラミド繊維心体が埋設さ
れ、歯部に織布等の補強材層を有する高負荷伝動用歯付
ベルトにおいて、フィラメントデニールが0.9de〜
1.6deであるフィラメントを、ベルト歯ピッチP
(単位mm)に対して16.3P2 <d<24.5P2 の
デニール数dとなるように数百から数千本束ねたフィラ
メント束が下撚り係数1.2〜4.2で下撚りされてな
る下撚り糸を、5本引き揃えて下撚り方向とは逆方向に
上撚り係数で3.2〜4.2で上撚りすることで、心体
総デニール数Dが82P2 <D<122P2 である上記
アラミド繊維心体を構成し、そのアラミド繊維心体をベ
ルト幅に対する心体占有率75〜95%で歯底部に沿っ
て埋設したものであるので、ベルトヤング率の増大によ
り歯部の剪断寿命の向上と屈曲疲労性の向上とを両立
し、歯部剪断寿命が長く、しかも屈曲疲労性が高くて小
プーリや高回転でも好適に使用できるポリウレタン製の
高負荷伝動用歯付ベルトが実現できる。
ト歯高さhをプーリ溝深さHに対し1.00H<h<
1.02Hとしたので、ベルト溝部とプーリ歯部との正
規な噛合状態を得ることができ、屈曲疲労性をさらに向
上させることができる。
るアラミド繊維の結晶の配向角度を約9°としたので、
上記効果が有効に得られる。
す正面図である。
す特性図である。
曲疲労性との関係を示す特性図である。
屈曲疲労性との関係を示す特性図である。
グ率及び屈曲疲労性との関係を示す特性図である。
示す特性図である。
び屈曲疲労性との関係を示す特性図である。
荷耐久性との関係を示す特性図である。
屈曲疲労性との関係を示す特性図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 内面に等ピッチ間隔の歯部を有するポリ
ウレタン樹脂からなるベルト本体に、上記歯底部に沿っ
て抗張体としてのアラミド繊維心体が埋設され、歯部に
織布、編布、不織布等の補強材層が形成された高負荷伝
動用歯付ベルトにおいて、 上記アラミド繊維心体は、フィラメントデニールが0.
9de〜1.6deであるフィラメントを、ベルト歯ピ
ッチP(単位mm)に対して16.3P2 <d<24.5
P2 のデニール数dとなるように数百から数千本束ねた
フィラメント束が下撚り係数1.2〜4.2で下撚りさ
れてなる下撚り糸を、5本引き揃えて下撚り方向とは逆
方向に上撚り係数で3.2〜4.2で上撚りすること
で、心体総デニール数Dが82P2 <D<122P2 と
されており、かつベルト幅に対する心体占有率75〜9
5%で歯底部に沿って埋設されていることを特徴とする
高負荷伝動用歯付ベルト。 - 【請求項2】 ベルト歯高さh(単位mm)がプーリ溝深
さH(単位mm)に対し1.00H<h<1.02Hとさ
れていることを特徴とする請求項1記載の高負荷伝動用
歯付ベルト。 - 【請求項3】 アラミド繊維心体は、加熱延伸により結
晶の配向角度が約9°とされたアラミド繊維からなるこ
とを特徴とする請求項1又は2記載の高負荷伝動用歯付
ベルト。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26774991A JP2965403B2 (ja) | 1991-10-16 | 1991-10-16 | 高負荷伝動用歯付ベルト |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26774991A JP2965403B2 (ja) | 1991-10-16 | 1991-10-16 | 高負荷伝動用歯付ベルト |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05106689A JPH05106689A (ja) | 1993-04-27 |
| JP2965403B2 true JP2965403B2 (ja) | 1999-10-18 |
Family
ID=17449046
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26774991A Expired - Fee Related JP2965403B2 (ja) | 1991-10-16 | 1991-10-16 | 高負荷伝動用歯付ベルト |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2965403B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010096229A (ja) * | 2008-10-15 | 2010-04-30 | Bando Chem Ind Ltd | 歯付ベルト |
| US10408300B2 (en) | 2014-09-24 | 2019-09-10 | Bando Chemical Industries, Ltd. | Toothed belt |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5091276B2 (ja) | 2010-05-26 | 2012-12-05 | トヨタ自動車株式会社 | 歯付ベルトとその製造方法 |
| CN109931365A (zh) * | 2018-09-04 | 2019-06-25 | 浙江三星胶带有限公司 | 一种电摩用同步带 |
-
1991
- 1991-10-16 JP JP26774991A patent/JP2965403B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010096229A (ja) * | 2008-10-15 | 2010-04-30 | Bando Chem Ind Ltd | 歯付ベルト |
| US10408300B2 (en) | 2014-09-24 | 2019-09-10 | Bando Chemical Industries, Ltd. | Toothed belt |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05106689A (ja) | 1993-04-27 |
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