JP2980292B2 - 高強度複合材組成物及びこれを用いた硬化体の製法 - Google Patents

高強度複合材組成物及びこれを用いた硬化体の製法

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JP2980292B2 JP3108209A JP10820991A JP2980292B2 JP 2980292 B2 JP2980292 B2 JP 2980292B2 JP 3108209 A JP3108209 A JP 3108209A JP 10820991 A JP10820991 A JP 10820991A JP 2980292 B2 JP2980292 B2 JP 2980292B2
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正之 清本
弘 桜井
和史 鎮目
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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は潜在水硬性物質を用いた
高強度複合材組成物及びその用途に関するものである。
更に詳しくは,建設材料として従来のセメント組成物と
同様に使用できる高強度複合材組成物及びそれを用いて
製造される硬化体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】潜在水硬性物質とは、単に水と混ぜただ
けでは硬化しないが、ある種の刺激剤を加えると水和硬
化する物質であり、一般的には高炉水砕スラグ、転炉ス
ラグ、等が知られている。これら潜在水硬性物質は、化
学抵抗性、耐海水性等の耐久性が良く、アルカリ骨材反
応に対する抑制作用があることから主として普通ポルト
ランドセメントに添加し、セメントの有するそれらの欠
点を補う為に使用されている。
【0003】その中でも高炉水砕スラグは、銑鉄の生産
時に大量に副生する物質であり、その量は年間数千万ト
ンにも達し、この有効利用が種々検討されている。高炉
水砕スラグの持つ潜在水硬性を利用した使い方として
は、セメント(普通ポルトランドセメント)に数%〜数
10%添加し,「高炉セメント」として利用する方法が
ある。しかしこれも高炉水砕スラグを混和材料として副
成分的に使用する方法であり、高炉水砕スラグ自体を主
成分とする材料は殆ど開発されていない。その理由は、
高炉水砕スラグに水、及びアルカリ刺激剤又は硫酸塩刺
激剤を添加すると潜在水硬性が発揮されて、徐々に硬化
(水和反応)が進行することが知られているというもの
の、生成した硬化体は非常に脆く使用に耐えないという
欠点を有している為である。
【0004】そこで我々は高炉水砕スラグ、水溶性高分
子、アルカリ性物質及び水からなる組成物及びこれを混
練、成形した後、湿潤養生を行うことによって高い機械
的強度を有する硬化体が得られることを見出し、既に特
許出願した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この高い機械
的強度を有する硬化体を得る為には、高炉水砕スラグ、
水溶性高分子、アルカリ性物質及び水からなる組成物を
混練する際に、強い剪断力をかけられる混練機が必要で
あったり、混練時間を長くしたり、現場で混練する為に
は大掛かりな混練機械を必要とする等の問題点を有して
いた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は,前記した
ような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明
に至ったものである。即ち本発明は、 (1)潜在水硬性物質、水溶性高分子及び水からなる混
合物を混練、乾燥した後、粉砕してなる高強度複合材組
成物 (2)水溶性高分子が分子中に−COOH基又は−CO
- 基を有する高分子であることを特徴とする前記
(1)項に記載の高強度複合材組成物 (3)分子中に−COOH基又は−COO- 基を有する
高分子がポリ(メタ)アクリル酸塩であることを特徴と
する前記(2)項に記載の高強度複合材組成物 (4)前記(1)項に記載の高強度複合材組成物に水及
びアルカリ刺激剤を添加し、混練、成形することを特徴
とする硬化体の製法 を提供する。以下に本発明を詳細に説明する。
【0007】まず本発明に於いて潜在水硬性物質とは、
高炉水砕スラグ、転炉スラグ等を言う。これら潜在水硬
性物質は単独でも、また2種以上を混合して使用しても
良い。また混和材としてフライアッシュ、シリカヒュー
ム等の使用も可能である。
【0008】使用する水溶性高分子に特に制限はない
が、短時間に混練系に均一に溶解又は浸透するのが好ま
しいので微粒子状で用いることが好ましい。その具体例
としては以下のものが挙げられる。ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセ
ルロース誘導体。ポリエチレンオキサイド、α−ヒドロ
キシ−ポリアクリル酸ナトリウム、及び以下のモノマー
を原料とするホモポリマー、又はコポリマー類。
【0009】(メタ)アクリルアマイド、N,N−ジメ
チル(メタ)アクリルアマイド、N−メチル(メタ)ア
クリルアマイド、(メタ)アクリロイルモルフォリン等
の(メタ)アクリルアマイド系モノマー。(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アク
リル酸カリウム、(メタ)アクリル酸アンモニウム等の
(メタ)アクリル酸塩モノマー。2−ヒドロキシエチル
(又はプロピル)(メタ)アクリレート、N−ビニール
ピロリドン、ビニールメチルエーテル、スチレンスルホ
ン酸(又は,これらのナトリウム塩)等のビニール系モ
ノマー。
【0010】又、上記のモノマーと共重合してえられた
水溶性高分子も使用できる。共重合し得るモノマーの例
を以下に記す。(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチル
ヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー類。
これら高分子は単独で、又2種以上を混合して用いても
良い。これらの高分子の内、好ましいものは分子中に−
COOH基、−COO- 基を有する高分子であり、より
好ましいものはポリ(メタ)アクリル酸塩である。
【0011】これら水溶性高分子高分子の使用量は潜在
水硬性物質に対して通常重量比で0.1〜10%、好ま
しくは1〜7%である。これら高分子の使用量が0.1
%以下であると混合物が混練できないか、又は混練でき
たとしても後の工程での成形加工性が悪くなる傾向があ
る。又10%以上用いても本発明の効果は変わらず、経
済的に不利である。潜在水硬性物質と水溶性高分子を混
練する場合の水の量は、この後の乾燥工程の便宜の為少
量であることが望ましいが、混練が容易に出来、又混練
物を効率よく乾燥するために小粒化の工程が容易になる
ように決められる。通常は潜在水硬性物質に対して8〜
35%(重量)の水が使用される。
【0012】次に本発明の高強度複合材組成物の一般的
な製造法の説明を行う。本発明に於いては、潜在水硬性
物質、水溶性高分子を、オムニミキサー(千代田技研工
業(株)製)の様な揺動型ミキサー、ニーダールーダー
型ミキサー、プラネタリーミキサー、又はワーナーニー
ダー等の粉体混合機に入れ粉状で混合する。次にこの混
合物に所定量の水を添加し、更に混合(粗混練)を行
う。次いで混練に移るが、混練に用いる機械には特に制
限はないが、工程の迅速化の為には、粗混練物に強い剪
断力を与えられる機器を用いることが好ましい。例えば
ロールニーダー、バンバリーミキサー、湿式バンバリー
ミキサー、ミキシングロール、クネットマシーン、バッ
グミル、スクリュー押し出し機、ニーダールーダー等が
用いられ、これらにより混練物が充分均一に混練され、
粘土状を呈するまで混練を行う。
【0013】この混練物を乾燥させる為に、乾燥効率の
よい成形物に加工することが望ましい。即ち、ペレッタ
ーやミートチョッパー等を用いて細いヒモ状又は粒状に
することが望ましい。また、この混練物を乾燥させる際
に用いる乾燥器は、混練に用いた水を充分に除去できる
ものであれば特に制限はないが工程の迅速化の為には通
風乾燥機、ドラム乾燥機、ロータリー乾燥器等を用い、
100℃以上、より好ましくは130℃以上の温度で乾
燥を行う。又、乾燥して得られた複合材組成物を粉砕す
る機械にも特に制限はなく、バンダムミル、ボールミ
ル、ヤリヤ粉砕機、ロートプレックス粉砕機等を使用で
きる。又、乾燥と粉砕を同時に行うスプレードライヤー
等も使用できる。粉砕後の粒径は500μm以下好まし
くは200μm以下に調整するのが好ましい。
【0014】従来、高炉スラグ、水溶性高分子、アルカ
リ性物質及び水からなる組成物を混練するには、強い剪
断力のかかるロールニーダー、加圧ニーダー、バンバリ
ーミキサー等を用いる必要があった。しかし,本発明の
高強度複合材組成物は、強い剪断力のかかる機械は必要
とせず、コンクリートミキサー、オムニミキサー等や、
すり鉢等でも混練することができる。また,強い剪断力
のかかる機械を用いた場合でも、その混練時間は非常に
短いという特徴がある。その結果、従来のセメント・コ
ンクリート混練機械が充分に使用できる。
【0015】次に本発明の高強度複合材組成物を用いた
硬化体の製造法について説明する。本発明の高強度複合
材組成物にアルカリ刺激剤及び水を加えて必要によりコ
ンクリートミキサー、オムニミキサー等や、すり鉢等に
よる混練を行ったのち常法により成形、養生、乾燥を行
ない本発明の硬化体を得る。この場合添加するアルカリ
刺激剤の具体例としては苛性ソ−ダ、苛性カリ、水酸化
リチウム等の水酸化アルカリ、ソ−ダ灰、炭酸カリウム
等のアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素ナトリウムのよう
なアルカリ金属の重炭酸塩、水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウムのようなアルカリ土類金属の水酸化物、ポ
ルトランドセメント、ピロ燐酸カリウム、メタ珪酸ナト
リウム、メタ珪酸カリウム等が挙げられるが、これらの
うち好ましいものは苛性ソ−ダ、苛性カリに代表される
水酸化アルカリである。又その添加量は0.1〜5.0
重量%、好ましくは.0.5〜3.0重量%である。ア
ルカリ刺激剤の使用量が0.1%以下であると、複合材
組成物が硬化しないか、硬化したとしても硬化に長時間
を要する。又アルカリ刺激剤の量が5%を越えると硬化
が速すぎて硬化工程での作業に支障を生じる恐れがあ
る。また使用すべき水の量は本発明の複合材組成物に対
して概ね8〜60%であるが水の使用量が多いと強度が
低下し、逆に水の使用量が少ないと強度が大きくなると
いう傾向が見られる。
【0016】本発明の高強度複合材組成物を硬化せしめ
るに当たっては通常土木建築の分野において使用される
骨剤を添加することも出来る。骨剤としては例えば、川
砂、海砂、山砂、砕砂、スラグ砂等や、川砂利、軽量骨
材等が使用できる。また、硬化体の靱性向上等を目的と
して繊維等を添加することもできる。使用しうる繊維の
例としては、例えばガラスファイバー、カーボンファイ
バー、ビニロンファイバー、アラミド繊維、ポリプロピ
レンファイバー、スチールファイバー、アルミナ繊維、
セルロース繊維等が挙げられる。又、他の機能を持った
種々の材料も添加することも出来る。
【0017】
【実施例】実施例によって本発明を更に具体的に説明す
るが、本発明がこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。尚,実施例において、部は重量部を示す。
【0018】実施例1 ブレーン値4000cm2 /gの高炉水砕スラグ100
部、ポリアクリル酸ナトリウム(日本化薬(株)製:パ
ナカヤク−B)3部、水20部からなる混合物をロール
ニーダーにて高剪断下に5分間混練した。練り上がった
ものをミートチョッパーにてフレーク状に裁断し、13
0℃の気流中で1時間乾燥した。そしてヤリヤ粉砕機で
これを細かく粉砕し、試験用網ふるい(ふるい目の呼び
寸法150μm)で分級し、ふるいを通過したものを回
収し、本発明の複合材組成物を得た。
【0019】次に、この粉体状の複合材組成物100部
に、水酸化ナトリウム1部を水25部に溶解したものを
加え、ワーナーニーダーにて混練を行い、混練物がペー
スト状になるまでの時間を測定し、混練機のモーターに
かかる負荷の様子を観察した。又,比較例1として、実
施例1と同じブレーン値4000cm2 /gの高炉水砕
スラグ100部に、ポリアクリル酸ナトリウム(日本化
薬(株):パナカヤク−B)3部、水酸化ナトリウム1
部を水25部に溶解したものを加え、実施例1と同様に
してワーナーニーダーにて混練を行い、混練物がペース
ト状になるまでの時間を測定し、混練機のモーターにか
かる負荷の様子を観察した。結果を表1に示す。
【0020】尚、本実施例で使用した高炉水砕スラグの
分析値は、次の通りであった。 SiO2 34.1%,Al2 3 14.2%,Fe
2 3 0.6% CaO 42.2%,MgO 6.4%
【0021】
【0022】表から明らかなように、潜在水硬性物質、
水溶性高分子、及び水からなる組成物を予め混合、混
練、乾燥、粉砕しておくことによって、この処理を行わ
ない場合よりも非常に短時間で混練ができ、混練機械へ
の負荷も非常に少ない。
【0023】実施例2 実施例1と同様にして得た本発明の複合材組成物100
部、水酸化ナトリウム1部を水18部に溶解したものを
加えてなる混合物をスパイラルミキサーで3分間混練
し、得られた混練物の状態を観察した。(表2)又、比
較例2として、実施例1と同じブレーン値4000cm
2 /gの高炉水砕スラグ100部に、ポリアクリル酸ナ
トリウム(日本化薬(株):パナカヤク−B)3部、水
酸化ナトリウム1部を水18部に溶解したものを加え、
実施例2と同様にしてスパイラルミキサーで3分間混練
し、得られた混練物の状態を観察した。結果を表2に示
す。
【0024】上記で得られた混練物を真空押し出し成形
機(本田鉄工(株)製,HDE−2型)にて厚さ4mm
に真空押し出し成形を行った。結果を表2に示す。得ら
れた成形物を90℃飽和蒸気中で24時間養生を施し本
発明の硬化体を得た。この硬化体から、幅15mm、長
さ75mmの曲げ物性測定用試験体を作成し、曲げ物性
を測定した。(表2)尚、曲げ物性の測定はテンシロン
((株)オリエンテック製、UTM−2500)を用
い、スパン間隔60mm、曲げスピード1mm/分の条
件で行った。
【0025】
【0026】表から明らかなように、潜在水硬性物質、
水溶性高分子、及び水からなる組成物を予め混合、混
練、乾燥、粉砕しておくことによって、混練時間を非常
に短くすることができ、しかも得られた硬化体は非常に
高強度であった。
【0027】実施例3 実施例1と同様にして得た複合材組成物100部に対し
てフラタリーサンド50部、水を20部用いた以外は実
施例2と同様にして混合、成形、養生を施し本発明の硬
化体を得たそして、実施例2と同様にして曲げ物性を測
定した。結果を表3に示す。
【0028】
【0029】潜在水硬性物質、水溶性高分子、及び水か
らなる組成物を予め混合、混練、乾燥、粉砕しておくこ
とによって、骨材を添加した場合でも混練時間を短くす
ることができ、得られた硬化体は非常に高強度であっ
た。
【0030】実施例4 ブレ−ン値3800cm2 /gの高炉水砕スラグ100
部、カルボキシメチルセルロ−ス(第一工業製薬製、セ
ロゲンBSH−12)5部、水23部からなる混合物を
実施例1と同様に処理し、本発明の複合材組成物を得
た。この複合材組成物100部に、水酸化ナトリウム
1.5部を水25部に溶解した水溶液を添加し実施例2
と同様の方法で混練し、真空押出成形及び養生を行って
本発明の硬化体を得た。この硬化体の曲げ物性は次の通
りであった。 曲げ強度(kgf/cm2 ) 380 曲げ弾性率(×105 kgf/cm2 ) 2.12
【0031】
【発明の効果】潜在水硬性物質と水溶性高分子を混合、
混練し、乾燥、粉砕しておくことによって、水とアルカ
リ刺激剤を添加した後の混練が簡単な混練機で、しかも
短時間で行うことができる成形加工性の優れた複合材組
成物が得られた。この複合材組成物は高い機械的強度を
示す硬化体を与えた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−123842(JP,A) 特開 平2−307850(JP,A) 特開 昭59−30746(JP,A) 特開 昭63−282149(JP,A) 特開 平3−290348(JP,A) 特開 平3−237050(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 28/08 B28C 7/00 C04B 24/26 C04B 24/38

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潜在水硬性物質、水溶性高分子及び水から
    なる混合物を混練、乾燥した後、粉砕してなる高強度複
    合材組成物
  2. 【請求項2】水溶性高分子が分子中に−COOH基又は
    −COO- 基を有する高分子であることを特徴とする請
    求項1に記載の高強度複合材組成物。
  3. 【請求項3】分子中に−COOH基又は−COO- 基を
    有する高分子がポリ(メタ)アクリル酸塩であることを
    特徴とする請求項2に記載の高強度複合材組成物
  4. 【請求項4】請求項1に記載の高強度複合材組成物に水
    及びアルカリ刺激剤を添加し、混練、成形することを特
    徴とする硬化体の製法
JP3108209A 1991-04-15 1991-04-15 高強度複合材組成物及びこれを用いた硬化体の製法 Expired - Lifetime JP2980292B2 (ja)

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